以下、本発明の試薬ボトル収容ユニット及び自動分析装置の実施の形態例について、図1~図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1-1.自動分析装置の構成
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる自動分析装置について図1を参照して説明する。
図1は、本例の自動分析装置を模式的に示す説明図である。
図1に示す装置は、本発明の自動分析装置の一例として適用する生化学分析装置1である。生化学分析装置1は、血液や尿などの生体試料に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。
生化学分析装置1は、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、試薬ボトル収容ユニット10と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、生化学分析装置1は、サンプル希釈ユニット7と、サンプリングユニット8と、希釈撹拌装置9と、希釈洗浄装置11と、第1分注ユニット12と、第2分注ユニット13と、第1反応撹拌装置14と、第2反応撹拌装置15と、多波長光度計16と、反応容器洗浄装置18と、を備えている。さらに、生化学分析装置1は、装置全体を制御する制御装置を示すオペレーションコンソール40を備えている。
サンプルターンテーブル2は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。このサンプルターンテーブル2には、複数の検体容器21と、複数の希釈液容器22が収容されている。検体容器21には、血液や尿等からなる検体(サンプル)が収容される。希釈液容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
複数の検体容器21は、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。また、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた検体容器21の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21の列よりもサンプルターンテーブル2の半径方向の内側に配置されている。複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21と同様に、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた希釈液容器22の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
なお、複数の検体容器21及び複数の希釈液容器22の配列は、2列に限定されるものではなく、1列でもよく、あるいはサンプルターンテーブル2の半径方向に3列以上配置してもよい。
サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。また、サンプルターンテーブル2の周囲には、希釈ターンテーブル3が配置されている。
希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、サンプルターンテーブル2と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。
希釈ターンテーブル3には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器21から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が収容される。
試薬ボトル収容ユニット10は、第1ターンテーブル4と、第2ターンテーブル5とを有している。第1ターンテーブル4には、複数の第1試薬ボトル24が収容されており、第2ターンテーブル5には、複数の第2試薬ボトル25が収容されている。
また、第1試薬ボトル24には、第1試薬が収容されており、第2試薬ボトル25には、第2試薬が収容される。分析に2つの試薬を使用する検査項目については、1つの試薬が第1試薬ボトル24に収容され、対応するもう1つの試薬が第2試薬ボトル25に収容される。
さらに、第1ターンテーブル4、第1試薬ボトル24、第2ターンテーブル5及び第2試薬ボトル25は、保冷機構17によって所定の温度に保たれている。そのため、第1試薬ボトル24に収容された第1試薬と、第2試薬ボトル25に収容された第2試薬は、所定の温度で保冷される。
なお、試薬ボトル収容ユニット10の詳細な構成については、後述する。
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5の間に配置されている。反応ターンテーブル6には、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて収容されている。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングした希釈検体と、第1ターンテーブル4の第1試薬ボトル24からサンプリングした第1試薬と、第2ターンテーブル5の第2試薬ボトル25からサンプリングした第2試薬が注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌されてこられの反応が行われる。または希釈検体と第1試薬とが撹拌されてこれらの反応が行われる。
サンプル希釈ユニット7は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置される。サンプル希釈ユニット7は、駆動部により、分注プローブがサンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。
また、サンプル希釈ユニット7のプローブは、駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の開口と略平行をなす水平方向に沿って回動可能に支持されている。そして、サンプル希釈ユニット7は、水平方向に沿って回動することで、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を往復運動する。なお、サンプル希釈ユニット7がサンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を移動する際、サンプル希釈ユニット7の分注プローブは、不図示の洗浄装置を通過する。
ここで、サンプル希釈ユニット7の動作について説明する。
サンプル希釈ユニット7がサンプルターンテーブル2における開口の上方の所定位置に移動した際、サンプル希釈ユニット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って下降し、その先端に設けた分注プローブを検体容器21内に挿入する。このとき、サンプル希釈ユニット7は、ポンプが作動して検体容器21内に収容された検体を所定量吸引する。次に、サンプル希釈ユニット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って上昇して分注プローブを検体容器21内から抜き出す。そして、サンプル希釈ユニット7は、水平方向に沿って回動し、希釈ターンテーブル3における開口の上方の所定位置に移動する。
次に、サンプル希釈ユニット7は、希釈ターンテーブル3の軸方向に沿って下降して、分注プローブを所定の希釈容器23内に挿入する。そして、サンプル希釈ユニット7は、吸引した検体と、サンプル希釈ユニット7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器23内に吐出する。その結果、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。その後、サンプル希釈ユニット7は、洗浄装置によって洗浄される。なお、生理食塩水以外の特別な希釈液によって検体を希釈する際には、サンプル希釈ユニット7は、検体容器21内に収容された検体を所定量吸引した後、希釈液容器22内に収容された希釈液をさらに所定量吸引し、吸引した検体及び希釈液を希釈容器23内に吐出する。
サンプリングユニット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。サンプリングユニット8は、不図示の駆動機構により、サンプル希釈ユニット7と同様に、プローブが希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、サンプリングユニット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
このサンプリングユニット8は、希釈ターンテーブル3の希釈容器23内にプローブを挿入して、所定量の希釈検体を吸引する。そして、サンプリングユニット8は、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
第1分注ユニット12は、反応ターンテーブル6と第1ターンテーブル4の間に配置され、第2分注ユニット13は、反応ターンテーブル6と第2ターンテーブル5の間に配置されている。第1分注ユニット12は、分注プローブが駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第1分注ユニット12は、第1ターンテーブル4と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
第1分注ユニット12は、分注プローブを第1ターンテーブル4の第1試薬ボトル24内にユニットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1分注ユニット12は、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
第2分注ユニット13は、不図示の駆動機構により、第1分注ユニット12と同様に、分注プローブが反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第2分注ユニット13は、第2ターンテーブル5と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
第2分注ユニット13は、第2ターンテーブル5の第2試薬ボトル25内に分注プローブを挿入して、所定量の第2試薬を吸引する。そして、第2分注ユニット13は、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
希釈撹拌装置9及び希釈洗浄装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置9は、不図示の撹拌子を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
希釈洗浄装置11は、サンプリングユニット8によって希釈検体が吸引された後の希釈容器23を洗浄する装置である。この希釈洗浄装置11は、複数の希釈容器洗浄ノズルを有している。複数の希釈容器洗浄ノズルは、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。希釈洗浄装置11は、希釈容器洗浄ノズルを希釈容器23内に挿入し、廃液ポンプを駆動させて挿入した希釈容器洗浄ノズルによって希釈容器23内に残留する希釈検体を吸い込む。そして、希釈洗浄装置11は、吸い込んだ希釈検体を不図示の廃液タンクに排出する。
その後、希釈洗浄装置11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。この洗剤によって希釈容器23内を洗浄する。その後、希釈洗浄装置11は、洗剤を希釈容器洗浄ノズルによって吸引し、希釈容器23内を乾燥させる。
第1反応撹拌装置14、第2反応撹拌装置15及び反応容器洗浄装置18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置14は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。これにより、希釈検体と第1試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第1反応撹拌装置14の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
第2反応撹拌装置15は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第2反応撹拌装置15の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
反応容器洗浄装置18は、検査が終了した反応容器26内を洗浄する装置である。この反応容器洗浄装置18は、複数の反応容器洗浄ノズルを有している。複数の反応容器洗浄ノズルは、希釈容器洗浄ノズルと同様に、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。なお、反応容器洗浄装置18における洗浄工程は、上述した希釈洗浄装置11と同様であるため、その説明は省略する。
また、多波長光度計16は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計16は、反応容器26内に注入され、第1試薬及び第2試薬と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
さらに、反応ターンテーブル6の周囲には、不図示の恒温槽が配置されている。この恒温槽は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
1-2.試薬ボトル収容ユニットの構成
次に、図2を参照して試薬ボトル収容ユニット10の詳細な構成について説明する。
図2は、試薬ボトル収容ユニット10を示す概略構成図である。
図2に示すように、試薬ボトル収容ユニット10は、第1ターンテーブル4と、第2ターンテーブル5を有している。第1ターンテーブル4は、第1トレイを示すトレイ30と、回転駆動部39(図4参照)と、回転ボタン31と、試薬ボトル情報表示部32と、交換ボトル有無表示部33と、交換可能/不可表示部34と、試薬ボトル交換ボタン35と、交換ボトル到着表示部36と、を有している。
トレイ30には、第1試薬ボトル24がトレイ30の周方向に並べて配置されている。トレイ30は、回転駆動部39により周方向に回転可能に支持されている。
回転ボタン31及び試薬ボトル交換ボタン35は、トレイ30の近傍に配置されている。回転ボタン31が押下されると、回転駆動部39が駆動し、トレイ30が所定の方向に回転する。また、回転ボタン31が押下されている間、トレイ30の回転動作が継続されるように回転駆動部39が駆動する。あるいは、回転ボタン31が押下されると、トレイ30が所定の角度で回転するように回転駆動部39を駆動させてもよい。
試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、交換対象の第1試薬ボトル24が所定の交換位置T1まで移動するようにトレイ30が回転する。また、交換モードが後述する強制交換モードの場合、試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、第2ターンテーブル5に収容された交換対象の第1試薬ボトル24と対応する第2試薬ボトル25が所定の交換位置T2まで移動するように第2ターンテーブル5のトレイ30が回転する。
交換ボトル有無表示部33、交換可能/不可表示部34、交換ボトル到着表示部36は、トレイ30の近傍に配置されている。交換ボトル到着表示部36は、トレイ30の周囲における交換位置T1に配置される。交換可能/不可表示部34は、試薬ボトル交換ボタン35の近傍に配置される。交換ボトル有無表示部33、交換可能/不可表示部34、交換ボトル到着表示部36は、例えば、LED等からなる表示部により構成される。
交換ボトル有無表示部33は、トレイ30に交換が必要な第1試薬ボトル24が1つ以上有るか、又は無いかを表示する。トレイ30に交換対象となる第1試薬ボトル24が存在していない場合、交換ボトル有無表示部33は、消灯する。また、トレイ30に交換対象となる第1試薬ボトル24が1つ以上存在している場合、交換ボトル有無表示部33は、点滅又は点灯する。
交換可能/不可表示部34は、トレイ30の状態が第1試薬ボトル24の交換可能な状態か、又は不可の状態かを表示する。トレイ30の状態が交換不可である場合、交換可能/不可表示部34は、消灯する。また、トレイ30の状態が交換可能である場合、交換可能/不可表示部34は、点滅又は点灯する。
交換ボトル到着表示部36は、交換を行う第1試薬ボトル24が交換位置T1に到着したか否かを表示する。交換を行う第1試薬ボトル24が交換位置T1に無い場合、交換ボトル到着表示部36は、消灯する。また、交換を行う第1試薬ボトル24が交換位置T1に到着した場合、交換ボトル到着表示部36は、点滅又は点灯する。
交換ボトル有無表示部33、交換可能/不可表示部34及び交換ボトル到着表示部36の表示方法は、上述した例に限定されるものではなく、例えば、表示されるLEDの色の違いや、表示されるLEDの数等その他各種の方法で使用者に報知させてもよい。
試薬ボトル情報表示部32は、例えば、液晶表示パネル等の表示装置により構成されている。試薬ボトル情報表示部32は、不図示のバーコードリーダーによって取得された交換位置T1に位置する第1試薬ボトル24の情報及び状態を表示する。
試薬ボトル情報表示部32に表示される第1試薬ボトル24の情報としては、例えば、第1試薬ボトル24のポジション番号、項目名、ボトルサイズ、試薬番号、試薬の有効期限、ロット番号、ボトル番号等である。また、試薬ボトル情報表示部32に表示される第1試薬ボトル24の状態としては、例えば、試薬の残液量、残りの分注回数を示す残テスト数、試薬の有効期限までの残り日数、交換要因等である。
[第2ターンテーブル]
第2ターンテーブル5は、第2トレイを示すトレイ30と、回転駆動部39(図4参照)と、回転ボタン31と、試薬ボトル情報表示部32と、交換ボトル有無表示部33と、交換可能/不可表示部34と、試薬ボトル交換ボタン35と、交換ボトル到着表示部36と、を有している。第2ターンテーブル5のトレイ30には、第2試薬ボトル25がトレイ30の周方向に並べて配置されている。そして、トレイ30は、回転駆動部39により周方向に回転可能に支持されている。
試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、交換対象の第2試薬ボトル25が所定の交換位置T2まで移動するようにトレイ30が回転する。また、交換モードが強制交換モードの場合、試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、第1ターンテーブル4に収容された交換対象の第2試薬ボトル25と対応する第1試薬ボトル24が所定の交換位置T1まで移動するように第1ターンテーブル4のトレイ30が回転する。
交換ボトル有無表示部33、交換可能/不可表示部34及び交換ボトル到着表示部36は、第2ターンテーブル5のトレイ30の状態を示す。また、試薬ボトル情報表示部32は、交換位置T2に位置する第2試薬ボトル25の情報及び状態を表示する。
その他の構成は、第1ターンテーブル4と同様であるため、その説明は省略する。また、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5には、トレイ30に収容された第1試薬ボトル24や第2試薬ボトル25に付されたバーコードを読み取る不図示のバーコードリーダーが設けられている。バーコードリーダーは、交換位置T1、T2に搬送された第1試薬ボトル24や第2試薬ボトル25に付されたバーコードを読み取り、後述するシステムコントローラ50に読み取った情報を出力する。
[変形例]
次に、図3を参照して変形例にかかる試薬ボトル収容ユニット10Aについて説明する。
図3に示すように、試薬ボトル収容ユニット10Aは、第1トレイ30Aと、第2トレイ30Bと、第1トレイ30A及び第2トレイ30Bを回転可能に支持する不図示の回転駆動部と、を有している。なお、第1トレイ30A及び第2トレイ30Bは、回転駆動部によりそれぞれ独立して回転する。
第1トレイ30Aは、第2トレイ30Bの半径方向の外側に配置されている。第1トレイ30Aには、複数の第1試薬ボトル24が収容され、第2トレイ30Bには、複数の第2試薬ボトル25が収容されている。
また、試薬ボトル収容ユニット10Aには、第1回転ボタン31Aと、第2回転ボタン31Bと、第1試薬ボトル情報表示部32Aと、第2試薬ボトル情報表示部32Bと、第1交換ボトル有無表示部33Aと、第2交換ボトル有無表示部33Bが設けられている。さらに、試薬ボトル収容ユニット10Aには、第1交換可能/不可表示部34Aと、第2交換可能/不可表示部34Bと、第1試薬ボトル交換ボタン35Aと、第2試薬ボトル交換ボタン35Bと、第1交換ボトル到着表示部36Aと、第2交換ボトル到着表示部36Bが設けられている。
第1回転ボタン31Aは、第1トレイ30Aの回転動作を操作し、第2回転ボタン31Bは、第2トレイ30Bの回転動作を操作する。また、第1試薬ボトル交換ボタン35Aが押下されると、交換対象の第1試薬ボトル24が交換位置T1に移動するように第1トレイ30Aが回転する。そして、第2試薬ボトル交換ボタン35Bが押下されると、交換対象の第2試薬ボトル25が交換位置T1に移動するように第2トレイ30Bが回転する。
なお、交換モードが強制交換モードの場合、第1試薬ボトル交換ボタン35A及び第2試薬ボトル交換ボタン35Bの一方が押下されると、交換対象の第1試薬ボトル24と、この第1試薬ボトル24と対応する第2試薬ボトル25が交換位置T1に移動するように第1トレイ30A及び第2トレイ30Bが回転する。
第1交換ボトル有無表示部33A、第1交換可能/不可表示部34A及び第1交換ボトル到着表示部36Aは、第1トレイ30Aの状態を示す。第2交換ボトル有無表示部33B、第2交換可能/不可表示部34B及び第2交換ボトル到着表示部36Bは、第2トレイ30Bの状態を示す。
第1試薬ボトル情報表示部32Aは、交換位置T1に位置する第1試薬ボトル24の情報及び状態を表示し、第2試薬ボトル情報表示部32Bは、交換位置T1に位置する第2試薬ボトル25の情報及び状態を表示する。
なお、その他の構成は、図2に示す試薬ボトル収容ユニット10と同様であるため、その説明は省略する。
1-3.自動分析装置の制御系
次に、自動分析装置1の制御系の構成について図4を参照して説明する。図4は、自動分析装置1の制御系を示すブロック図である。
図4に示すように、自動分析装置1は、自動分析装置1全体を制御するオペレーションコンソール40と、試薬ボトル収容ユニット10を制御するシステムコントローラ50と、を備えている。オペレーションコンソール40とシステムコントローラ50は、相互に情報を送信及び受信可能に構成されている。
[オペレーションコンソール]
制御部を示すオペレーションコンソール40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等によって構成されている。オペレーションコンソール40は、メモリ41と、ファイル管理部42と、入力パラメータ出力部43とを有している。メモリ41には、自動分析装置1全体を動作させるための、プログラム、パラメータ等の情報を保持している。
また、オペレーションコンソール40には、入力部を示すキーボード・マウス46と、表示部を示すディスプレイ47と、出力部を示すプリンタ48が接続されている。ファイル管理部42は、試薬ボトル収容ユニット10に収容された試薬の情報や状態を管理する。ディスプレイ47には、例えば、試薬ボトル収容ユニット10に収容された試薬の情報や状態が表示される。
キーボード・マウス46により、試薬ボトル収容ユニット10において試薬ボトル24、25を交換する際に各種パラメータが入力される。入力されるパラメータとしては、例えば、交換用試薬不足閾値設定、交換用試薬有効期限切れ設定、交換用開封後有効期限切れ設定、交換要因設定等が挙げられる。
交換用試薬不足閾値設定では、試薬ボトル24、25を交換するための判断要因である試薬ボトル24、25に収容される試薬の残量の閾値が設定される。交換用試薬有効期限切れ設定では、試薬ボトル24、25を交換するための判断要因である試薬ボトル24、25に収容される試薬の有効期限が設定される。また、交換用開封後有効期限切れ設定では、試薬ボトル24、25を交換するための判断要因である試薬を開封してからの有効期限が設定される。交換要因設定では、例えば、試薬残量、試薬有効期限切れや開封後有効期限切れ等の要因で交換するか否かを設定する。
入力されたパラメータは、メモリ41に格納されると共に、入力パラメータ出力部43によってシステムコントローラ50に出力される。
入力部として、キーボード・マウス46を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。入力部としては、タッチパネルを適用し、表示部であるディスプレイ47と一体に構成してもよい。また、表示部であるディスプレイ47には、無線LAN等によってオペレーションコンソール40と接続された、持ち運び可能なタブレットPC、スマートフォン等の端末装置が含まれていてもよい。
[システムコントローラ]
制御部を示すシステムコントローラ50は、オペレーションコンソール40の入力パラメータ出力部43から入力パラメータを受信する。システムコントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等によって構成されている。また、システムコントローラ50には、メモリ51と、交換判断部52と、駆動制御部53と、ペアボトル探索部54を有している。
メモリ51には、入力パラメータ出力部43から受信した試薬ボトル24、25を交換するための各種パラメータが格納される。また、メモリ51には、バーコードリーダーが読み取った試薬ボトル24、25に関する情報や、試薬ボトル収容ユニット10を動作させるためのプログラム等の情報が格納されている。
交換判断部52は、メモリ51に格納された情報と、バーコードリーダーが読み取った情報に基づいて、試薬ボトル24、25を交換するか否かを判断する。交換判断部52は、試薬ボトル24、25を交換すると判断した場合、第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5に交換指示情報を出力する。第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5は、交換判断部52から交換指示情報を受信すると、交換ボトル有無表示部33を点灯又は点滅させる。
駆動制御部53は、第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5に設けた回転ボタン31や試薬ボトル交換ボタン35が押下された際に、駆動信号を第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5の駆動回路55に出力する。駆動回路55は、受信した駆動信号に基づいて回転駆動部39を駆動させる。これにより、第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5のトレイ30が回転する。
ペアボトル探索部54は、交換判断部52により第1ターンテーブル4又は第2ターンテーブル5に収容された試薬ボトル24、25中から交換の対象となる試薬ボトル24、25があると判断された際に、残りの他方のターンテーブル4、5に収容された試薬ボトル24、25の中から交換の対象と判断された試薬ボトル24、25と対応する試薬ボトル24、25を探索する。そして、ペアボトル探索部54は、探索した試薬ボトル24、25に関する情報を交換判断部52に出力する。
また、システムコントローラ50は、第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5から出力された情報や、オペレーションコンソール40を介して出力された他のユニットの状態に基づいて、試薬ボトル情報表示部32、交換可能/不可表示部34、交換ボトル有無表示部33、交換ボトル到着表示部36を制御する。
1-4.試薬ボトル収容ユニットの交換作業例
次に、上述した構成を有する試薬ボトル収容ユニット10における試薬ボトルの交換作業例について図5を参照して説明する。
システムコントローラ50は、交換する必要がある試薬ボトル24、25が存在すると交換判断部52が判断した場合、第1ターンテーブル4又は第2ターンテーブル5のうち交換対象の試薬ボトル24、25(以下、交換対象ボトルという)を有するターンテーブルの交換ボトル有無表示部33を点滅又は点灯させる(ステップS11)。これにより、使用者に対して試薬ボトル収容ユニット10に交換対象ボトルが存在することを報知することができる。
次に、システムコントローラ50は、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5の状態を確認し、交換可能状態であるか否かを確認する(ステップS12)。交換可能状態とは、第1分注ユニット12や第2分注ユニット13の動作が停止し、第1分注ユニット12や第2分注ユニット13が第1ターンテーブル4や第2ターンテーブル5から離反している状態である。
ステップS12の処理において、システムコントローラ50は、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5が交換可能な状態であると判断した場合(ステップS12のYES判定)、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5に設けた交換可能/不可表示部34を点滅又は点灯させる(ステップS13)。
なお、ステップS13の処理では、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5のうち交換可能な状態となったターンテーブルから順次、交換可能/不可表示部34を点滅又は点灯させる。または、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5の両方が交換可能な状態となった時に、交換可能/不可表示部34を点滅又は点灯させてもよい。安全に交換作業を行うためには、第1ターンテーブル4及び第2ターンテーブル5の両方が交換可能な状態となった時に、交換可能/不可表示部34を点滅又は点灯させることが好ましい。
交換可能/不可表示部34が点滅又は点灯されると、使用者は、交換ボトル有無表示部33が点滅又は点灯されたターンテーブルの試薬ボトル交換ボタン35を押下する(ステップS14)。システムコントローラ50は、試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、駆動制御部53から駆動信号を、押下された試薬ボトル交換ボタン35に対応するターンテーブルの駆動回路55に出力する。
これにより、押下された試薬ボトル交換ボタン35に対応する第1ターンテーブル4又は第2ターンテーブル5の回転駆動部39が駆動する。トレイ30が回転し、交換対象ボトルを交換位置T1、T2まで移動させる(ステップS15)
また、システムコントローラ50は、予め設定された交換モードが、強制交換モードであるか否かを判断する(ステップS16)。ステップS16の処理において交換モードが強制交換モードではない、交換モードが個別交換モードであるとシステムコントローラ50が判断した場合(ステップS16のNO判定)、交換対象ボトルと対応する試薬ボトル24、25(以下、ペアボトルという)を、押下された試薬ボトル交換ボタン35に対応するターンテーブルとは別のターンテーブルからペアボトル探索部54が探索する。そして、探索したペアボトルも交換が必要であるか否かを交換判断部52が判断する(ステップS17)。
ステップS17の処理においてペアボトルは交換が必要でないと交換判断部52が判断した場合(ステップS17のNO判定)、後述するステップS19の処理を行う。また、ステップS17の処理においてペアボトルも交換が必要であると交換判断部52が判断した場合(ステップS17のYES判定)、後述するステップS18の処理を行う。
また、ステップS16の処理において交換モードが強制交換モードであるとシステムコントローラ50が判断した場合(ステップS16のYES判定)、ペアボトル探索部54は、押下された試薬ボトル交換ボタン35に対応するターンテーブルとは別のターンテーブルからペアボトルを探索する。次に、駆動制御部53は、ペアボトルを有するターンテーブルに対して駆動信号を出力する。そして、ペアボトルを有するターンテーブルは、トレイ30を回転させて、交換対象ボトルとペアとなる試薬ボトルを交換位置T1、T2まで移動させる(ステップS18)。
システムコントローラ50は、交換対象ボトルが交換位置T1、T2まで移動したか否かを判断する(ステップS19)。ステップS19の処理において、交換対象ボトルが交換位置T1、T2まで移動したとシステムコントローラ50が判断した場合(ステップS19のYES判定)、システムコントローラ50は、交換ボトル到着表示部36を点滅又は点灯させる(ステップS20)。
なお、強制交換モードや、個別交換モードにおいてペアボトルも交換すると判断した場合、交換対象ボトルと、ペアとなる試薬ボトルの両方がそれぞれのターンテーブル4、5の交換位置T1、T2に到着した際に、交換ボトル到着表示部36が点滅又は点灯される。これにより、片方のターンテーブルのトレイ30の回転動作中に交換対象ボトルの交換作業が行われることを防止することができる。その結果、交換作業を安全に行うことができる。
次に、バーコードリーダーによって交換位置T1、T2まで移動した交換対象ボトルである試薬ボトル24、25のバーコードを読み取り、システムコントローラ50は、試薬ボトル24、25の情報及び状態を試薬ボトル情報表示部32に表示させる(ステップS21)。これにより、使用者は、交換を行う試薬ボトル24、25の情報及び状態を容易に確認することができる。
そして、使用者は、試薬ボトル情報表示部32に表示された試薬ボトル24、25に対する新しい試薬ボトルを用意し、新しい試薬ボトルと交換対象ボトルを交換する(ステップS22)。これにより、試薬ボトル24、25の交換作業を容易に行えるだけでなく、交換対象ボトルと対応する他の試薬ボトル24、25も容易に交換することができる。
次に、使用者は、再び試薬ボトル交換ボタン35を押下する(ステップS23)。また、システムコントローラ50は、試薬ボトル交換ボタン35が押下されると、交換位置T1、T2に移動した交換対象ボトルの交換作業が完了したと認識する。そして、システムコントローラ50は、交換ボトル到着表示部36を消灯させる。さらに、システムコントローラ50は、試薬ボトル情報表示部32に表示されている内容を消す。
次に、システムコントローラ50は、交換判断部52により他に交換対象となる試薬ボトル24、25が存在するか否かを判断する(ステップS24)。ステップS24の処理において、他に交換対象となる試薬ボトル24、25が存在すると交換判断部52が判断した場合(ステップS24のYES判定)、システムコントローラ50は、ステップS15の処理に戻る。
ステップS24の処理において、他に交換対象となる試薬ボトル24、25が存在しないと交換判断部52が判断した場合(ステップS24のNO判定)、試薬ボトル24、25の交換作業が完了する。
また、本例では、ステップS23の処理において、試薬ボトル交換ボタン35が再び押下された際に、システムコントローラ50が、交換対象ボトルの交換作業が完了したと認識する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS23の処理において、試薬ボトル交換ボタン35が再び押下されても、システムコントローラ50は、交換対象ボトルの交換作業が完了したと認識しなくてもよい。この場合、試薬ボトル交換ボタン35が再び押下されると、ステップS15の処理に戻り、再び交換対象ボトルを交換位置T1、T2まで移動させる。
これにより、使用者が交換作業を行う前に、誤って試薬ボトル交換ボタン35を再び押下した場合でも、再び交換対象ボトルを交換位置T1、T2まで移動させることができる。その結果、試薬ボトル交換ボタン35の押し間違いや、交換対象ボトルの交換作業を忘れた場合にも対応することができる。
さらに、ステップS24の処理において、他に交換対象となる試薬ボトル24、25が存在するか否かを判断する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他に交換対象となる試薬ボトル24、25が存在するか否かを判断しなくてもよい。そして、ステップS23の処理において、試薬ボトル交換ボタン35が再び押下された際に、交換対象ボトルの交換作業が完了したと認識した場合でも、ステップS15の処理に戻り、再び交換対象ボトルを交換位置T1、T2まで移動させてもよい。
これにより、使用者が交換作業を行う前に、誤って試薬ボトル交換ボタン35を再び押下した場合でも、再び交換対象ボトルを交換位置T1、T2まで移動させることができる。その結果、試薬ボトル交換ボタン35の押し間違いや、交換対象ボトルの交換作業を忘れた場合にも対応することができる。
なお、自動分析装置1の分析動作を再開する際には、使用者は、キーボード・マウス46等の入力部により分析動作の再開や、交換作業の完了を入力する。なお、試薬ボトル24、25の交換作業が完了した場合や分析動作を再開する場合、試薬ボトル収容ユニット10は、バーコードリーダーによって交換を行った試薬ボトル24、25又は、収容する全ての試薬ボトル24、25のバーコードを読み取る。そして、収容されている試薬ボトル24、25のポジション番号、項目名、ボトルサイズ、試薬番号、試薬の有効期限、ロット番号、ボトル番号、試薬の残液量、残りの分注回数を示す残テスト数、試薬の有効期限までの残り日数、交換要因等の情報や状態の更新作業を行う。
2.第2の実施の形態例
次に、第2の実施の形態例にかかる自動分析装置について図6~図8を参照して説明する。
図6は、第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットを示す概略構成図、図7は、第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットの変形例を示す概略構成図である。図8は、第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットの制御系を示すブロック図である。
この第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットが、第1の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット10と異なる点は、各種表示部を試薬ボトル収容ユニットの近傍に設けていない点である。そのため、第1の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図6及び図8に示すように、試薬ボトル収容ユニット70は、複数の第1試薬ボトル24を収容する第1ターンテーブル74と、複数の第2試薬ボトル25を収容する第2ターンテーブル75とを有している。
第1ターンテーブル74は、複数の第1試薬ボトル24が配置されるトレイ30と、回転ボタン31と、試薬ボトル交換ボタン35とを有している。そして、第1ターンテーブル74には、試薬ボトル情報表示部32、交換ボトル有無表示部33、交換可能/不可表示部34、交換ボトル到着表示部36が設けられていない。なお、第2ターンテーブル75の構成も第1ターンテーブル74と同様であるため、その説明は省略する。
また、図7に示すように、変形例にかかる試薬ボトル収容ユニット70Aは、複数の第1試薬ボトル24が配置された第1トレイ30Aと、複数の第2試薬ボトル25が配置された第2トレイ30Bと、第1回転ボタン31Aと、第2回転ボタン31Bと、第1試薬ボトル交換ボタン35Aと、第2試薬ボトル交換ボタン35Bとを有している。そして、第1トレイ30Aは、第2トレイ30Bの半径方向の外側に配置される。
その他の構成は、図6に示す試薬ボトル収容ユニット70Aと同様であるため、その説明は省略する。
なお、試薬ボトル情報、交換ボトル有無情報、交換可能/不可情報や交換ボトル到着情報は、図8に示すオペレーションコンソール40に接続された表示部を示すディスプレイ47に表示される。ディスプレイ47には、例えば、第1ターンテーブル74及び第2ターンテーブル75に収容された全ての試薬ボトル24、25の情報がリスト表示される。
ディスプレイ47に表示されるリスト表示では、項目単位で表示してもよく、あるいは試薬ボトル24、25毎に表示してもよい。
交換対象ボトルが存在する場合、交換対象ボトルは、交換の対象となっていない試薬ボトル24、25とは異なる表示方法で表示される。例えば、リストに表示された交換対象ボトルの表示色が、他の交換の対象となっていない試薬ボトル24、25とは異なる表示色で表示される。または、交換対象ボトルだけをディスプレイ47にリスト表示してもよい。
また、1つの項目で第1ターンテーブル74及び第2ターンテーブル75にそれぞれ複数の試薬ボトル24、25が収容されている場合、残液量が少ない試薬ボトル24、25を優先的に交換対象ボトルとする。そして、残液量が同一な場合は、ポジション番号が小さい試薬ボトル24、25を優先的に交換対象ボトルとする。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる試薬ボトル収容ユニット10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような試薬ボトル収容ユニット70、70Aによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット10と同様の作用効果を得ることができる。
3.第3の実施の形態例
次に、第3の実施の形態例にかかる自動分析装置について図9~図11を参照して説明する。
図9は、第3の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットを示す概略構成図、図10は、第3の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットの変形例を示す概略構成図である。図11は、第3の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットの制御系を示すブロック図である。
この第3の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットは、第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニットにおける回転ボタンと試薬ボトル交換ボタンを試薬トレイ回転ボタンとして、1つに集約したものである。そのため、第1の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット10及び第2の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット70と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9及び図11に示すように、試薬ボトル収容ユニット90は、複数の第1試薬ボトル24を収容する第1ターンテーブル94と、複数の第2試薬ボトル25を収容する第2ターンテーブル95とを有している。第1ターンテーブル94は、複数の第1試薬ボトル24が配置されるトレイ30と、試薬トレイ回転ボタン91とを有している。なお、第2ターンテーブル95の構成も第1ターンテーブル94と同様であるため、その説明は省略する。
また、図10に示すように、変形例にかかる試薬ボトル収容ユニット90Aは、複数の第1試薬ボトル24が配置された第1トレイ30Aと、複数の第2試薬ボトル25が配置された第2トレイ30Bと、第1試薬トレイ回転ボタン91Aと、第2試薬トレイ回転ボタン91Bとを有している。そして、第1トレイ30Aは、第2トレイ30Bの半径方向の外側に配置される。
図11に示すように、試薬ボトル収容ユニット90を制御するシステムコントローラ100は、メモリ51と、交換判断部52と、駆動制御部53と、ペアボトル探索部54と、操作モード判断部105とを有している。操作モード判断部105は、現在の試薬ボトル収容ユニット90の動作状態に応じて、試薬トレイ回転ボタン91が押下された際の、トレイ30の操作モードを判断し、切り替える。
例えば、現在の試薬ボトル収容ユニット90の動作の状態が、試薬ボトル24、25を交換する交換状態ではないと操作モード判断部105が判断した場合、操作モード判断部105は、トレイ30の操作モードを、通常の回転操作モードに切り替える。すなわち、回転操作モード時に試薬トレイ回転ボタン91が押下されると、トレイ30を所定の方向に試薬トレイ回転ボタン91が押下されている間だけ回転させる。または、トレイ30を所定の方向の所定の角度で回転させる。なお、「交換状態」とは、例えば、試薬ボトル収容ユニット90の動作の状態が、交換対象ボトルの有無を確認し、「有」と判断した場合や、使用者によって入力部から試薬ボトル24、25の交換指示が行われた場合等を示す状態である。
これに対して、現在の試薬ボトル収容ユニット90の動作の状態が、試薬ボトル24、25を交換する交換状態であると操作モード判断部105が判断した場合、操作モード判断部105は、トレイ30の操作モードを交換モードに切り替える。すなわち、交換モード時に試薬トレイ回転ボタン91が押下されると、駆動制御部53は、回転駆動部39を制御し、交換対象ボトルが交換位置T1、T2まで移動するようにトレイ30を回転させる。
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる試薬ボトル収容ユニット10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような試薬ボトル収容ユニット90、90Aによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット10と同様の作用効果を得ることができる。
また、第3の実施の形態例にかかる試薬ボトル収容ユニット90、90Aによれば、回転ボタンと試薬ボトル交換ボタンを1つの試薬トレイ回転ボタンに集約することで、部品点数の削減を図ることができる。また、トレイ30の回転を操作するためのボタンの数を減らすことができ、トレイ30の操作や試薬ボトル24、25の交換時の操作を容易に行うことができる。
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、自動分析装置として、血液や尿の生体試料の分析に用いられる生化学分析装置に適用した例を説明したが、これに限定されるものでなく、水質や、食品等のその他各種の分析を行う装置に適用することができるものである。
上述した実施の形態例では、試薬ボトル収容ユニットが2つのトレイを有する例を説明したが、これに限定されるものではなく、トレイを3つ以上設けてもよい。そして、各トレイには、同一の測定項目で使用される対応する試薬ボトルが収容されている。
同一の検査項目で使用する試薬としては、2つに限定されるものではなく、同一の検査項目で使用する試薬の数としては、3つ以上であってもよい。例えば、対応する試薬の数が3つの場合、第3試薬を収容する第3試薬ボトルは、第1試薬ボトルが配置された第1トレイに配置される。また、対応する試薬の数が4つの場合、第4試薬を収容する第4試薬ボトルは、第2試薬ボトルが配置された第2トレイに配置される。
第1トレイは、第1試薬ボトルの交換作業が完了すると、第3試薬ボトルを交換位置まで移動するように回転する。また、第2トレイは、第2試薬ボトルの交換作業が完了すると、第4試薬ボトルを交換位置まで移動するように回転する。