JP2002349624A - 油圧緩衝器のチェックバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のチェックバルブ構造

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JP2002349624A
JP2002349624A JP2001163345A JP2001163345A JP2002349624A JP 2002349624 A JP2002349624 A JP 2002349624A JP 2001163345 A JP2001163345 A JP 2001163345A JP 2001163345 A JP2001163345 A JP 2001163345A JP 2002349624 A JP2002349624 A JP 2002349624A
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Japan
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check valve
oil
passage
piston
oil passage
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JP2001163345A
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Atsushi Takabayashi
篤 高林
Munemitsu Eguchi
宗光 江口
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Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器において油室を区画する隔壁部材
に設けた油路をチェックバルブにより開閉するに際し、
チェックバルブのリフトアップを余り大きくしない状態
で、チェックバルブを通過する作動油量を多くでき、作
動油の流れ抵抗を減じて油圧緩衝器の硬さ感を少なくす
ること。 【解決手段】 油圧緩衝器のチェックバルブ構造におい
て、ピストンロッド29の外周にガイドカラー103を
設け、ピストン42の圧側油路45を開閉するチェック
バルブ101をガイドカラー103の外周に摺動自在に
設け、チェックバルブ101を背面支持するバルブスト
ッパ105を設けてなり、チェックバルブ101の内周
縁とガイドカラー103の外周の間に切欠状通路106
を設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車の車体と
車軸の間に介装されるフロントフォーク等の油圧緩衝器
のチェックバルブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧緩衝器では、シリンダに挿入された
ロッドに設けたピストンに圧側油路と伸側油路を設け、
圧側油路が開口するシート面にチェックバルブを、伸側
油路が開口するシート面に減衰バルブを設けている。そ
して、圧側油路が開口するシート面の外側に伸側油路を
開口してなるものがある。
【0003】従来の油圧緩衝器のチェックバルブ構造で
は、実開平1-78742号公報に記載の如く、ロッドの外周
に設けたガイド部材の外周にチェックバルブを摺動自在
に設け、ピストンの圧側油路まわりに設けたシート面か
らリフトアップするチェックバルブを背面支持するバル
ブストッパを設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】油圧緩衝器の圧縮行程
時には、ロッド側室が負圧にならないようにピストン側
室の作動油をチェックバルブから多量に供給する必要が
あり、このためには、バルブストッパがシート面に対し
てなす間隔を大きくし、チェックバルブをシート面から
大きくリフトアップする必要がある。
【0005】他方、圧側行程から伸側行程への反転時に
は、チェックバルブにより圧側油路を速やかに閉じ、伸
側減衰力の初期発生に遅れを生じないようにする必要が
あり、このためには、バルブストッパがシート面に対し
てなす間隔を小さくする方が良い。
【0006】従来技術では、上述の2つの相反する要求
を同時に満たすことに困難があるから、バルブストッパ
がシート面に対してなす間隔を中位に設定している。従
って、バルブストッパがシート面に対してなす間隔を大
きくできず、ピストンが高速で圧縮移動するに際し、作
動油が上述の間隔を通過するとき、作動油の流れに抵抗
を受け、これが油圧緩衝器の硬さ感として感ずる。
【0007】本発明の課題は、油圧緩衝器において油室
を区画する隔壁部材に設けた油路をチェックバルブによ
り開閉するに際し、チェックバルブのリフトアップを余
り大きくしない状態で、チェックバルブを通過する作動
油量を多くでき、作動油の流れ抵抗を減じて油圧緩衝器
の硬さ感を少なくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ロッ
ドの外周に油室を区画する隔壁部材を設け、前記隔壁部
材に両側の油室を連通する一方の油路と他方の油路を設
け、前記隔壁部材の一方の面に、前記一方の油路が開口
する一方のシート面を設け、前記隔壁部材の他方の面
に、前記他方の油路が開口する他方のシート面を設け、
前記ロッドの外周にガイド部を設け、前記一方のシート
面に接離して前記一方の油路を開閉する環状のチェック
バルブを該ガイド部の外周に摺動自在に設け、該チェッ
クバルブを背面支持するバルブストッパを設け、前記他
方のシート面に接離して前記他方の油路を開閉する減衰
バルブを設けた油圧緩衝器のチェックバルブ構造におい
て、前記チェックバルブの内周縁と前記ガイド部の外周
の間に切欠状通路を設け、この切欠状通路は、前記油圧
緩衝器の一方の行程時に開くとともに、他方の行程時に
閉じるようにしたものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記隔壁部材の前記一方のシート面が環状の内
側シート輪郭部と、この環状の内側シート輪郭部の外周
に形成された外側シート輪郭部からなり、この外側シー
ト輪郭部の外側に前記他方の油路が開口するとともに、
前記切欠状通路が前記チェックバルブの内周縁に形成さ
れる複数の切欠状通路からなり、このチェックバルブの
内周縁が、前記油圧緩衝器の他方の行程時に、前記環状
の内側シート輪郭部に着座して、前記複数の切欠状通路
と前記他方の油路の連通を閉じるようにしたものであ
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記バルブストッパに、前記隔壁部材の
一方のシート面側に向かって起立し、前記チェックバル
ブの移動を規制するストッパ部を設けるとともに、前記
切欠状通路を介して流れる作動油が流通する開口部を設
けたものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1又は3の発明
において更に、前記切欠状通路を前記ガイド部の外周に
設けたものである。
【0012】
【作用】請求項1、2の発明によれば下記の作用があ
る。ピストンバルブ装置の圧側油路にチェックバルブを
設けたとき、以下の作用がある。但し、本発明のチェッ
クバルブはボトムバルブ装置の伸側油路に設けるもので
も良い。
【0013】圧縮行程時に、ピストン側室からロッド
側室に流れる作動油は、圧側油路から、チェックバルブ
の外周縁側の通路だけでなく、チェックバルブの内周縁
側に設けた切欠状通路も通る。従って、チェックバルブ
の内周縁側の切欠状通路を通る作動油の流量が増えた分
だけ、チェックバルブのリフトアップを余り大きくしな
い状態で、チェックバルブを通過する作動油量を多くで
き、作動油の流れ抵抗を減じて油圧緩衝器の硬さ感を少
なくすることができる。
【0014】請求項3の発明によれば下記の作用があ
る。 バルブストッパに設けた開口部が、伸長行程時には、
チェックバルブを閉じるときの作動油の流路になり、圧
縮行程時には、チェックバルブの内周縁側の切欠状通路
を通った作動油がロッド側室に入るための流路を兼ね
る。
【0015】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 チェックバルブの内周縁側の切欠状通路は、チェック
バルブの内周縁に形成するものに限らず、ロッドの外周
のガイド部に形成することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークを示す断
面図、図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面
図、図3は図1のフロントフォークの中間部拡大断面
図、図4は図1のフロントフォークの上部拡大断面図、
図5はピストンバルブ装置を示す断面図であり、上半部
は圧縮行程を示し、下半部は伸長行程を示す断面図、図
6は図5のVI−VI線に沿う断面図、図7はピストンを示
し、(A)は断面図、(B)は圧側チェックバルブのた
めのシート面を示す端面図、(C)は伸側減衰バルブの
ためのシート面を示す端面図、図8はバルブストッパを
示す断面図、図9はチェックバルブを示す平面図、図1
0はバルブスプリングを示し、(A)は平面図、(B)
は側面図である。
【0017】フロントフォーク10は、図1〜図4に示
す如く、車体側のアウタチューブ11を車軸側のインナ
チューブ12に摺動自在に嵌合して倒立にし、両チュー
ブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとと
もに、単筒型ダンパ14を正立にして内装している。
【0018】アウタチューブ11の下端内周部にはイン
ナチューブ12の外周部が摺接するブッシュ15、オイ
ルシール16、ダストシール17が嵌着され、インナチ
ューブ12の上端外周部にはアウタチューブ11の内周
部が摺接するブッシュ18が嵌着される。
【0019】アウタチューブ11はアッパブラケット1
9A、ロアブラケット19Bを介して車体側に支持さ
れ、インナチューブ12は車軸ブラケット20を介して
車軸に結合される。
【0020】インナチューブ12の底部にはダンパ14
のダンパシリンダ21の下端部が取着されて立設してい
る。このとき、インナチューブ12の底部で車軸ブラケ
ット20の間にはセンタリングプレート22が挟着さ
れ、ダンパシリンダ21の下端部がこのセンタリングプ
レート22の中央凹部に突き当てられ、ダンパシリンダ
21に挿着されて該ダンパシリンダ21の下端内周のス
トッパリング23Aに係止せしめられる後述のボトムピ
ース51に、車軸ブラケット20に外側からシール材2
3Bを介して液密に係着したボトムボルト24を螺着す
ることにより、ダンパシリンダ21を固定保持する。
【0021】アウタチューブ11の上端部にはキャップ
25の円筒部25AがOリング26を介して液密に挿着
されるとともに螺着され、キャップ25の蓋部25Bの
内周にはばね荷重調整アジャスター28がOリング27
を介して液密に回転可能に挿入される。アジャスター2
8の下端内周にはピストンロッド29の基端部が螺着さ
れ、ロックナット30でロックされている。このピスト
ンロッド29の先端部はダンパシリンダ21に挿入され
ている。
【0022】インナチューブ12の内部のダンパシリン
ダ21の上端開口部にはオイルロックカラー31が螺着
され、オイルロックカラー31の上端部にはばね受32
が圧入されている。他方、アウタチューブ11の内部
で、キャップ25の円筒部25Aの内周にはスライダー
33が螺着され、スライダー33はアジャスター28の
外周の軸方向に沿って設けた突条部28Bに係合されて
いる。スライダー33は筒状のスプリングカラー34を
介して懸架スプリング13の上端を支持し、ばね受32
によって懸架スプリング13の下端を支持する。尚、オ
イルロックカラー31は後述する油溜室35Aの内部で
油の流れを許容する油路31Aを備える。アジャスター
28を回動操作することにより、スライダー33を上下
動し、ひいてはスプリングカラー34を介して懸架スプ
リング13の初期荷重を設定可能とする。キャップ25
の円筒部25Aはスライダー33が螺合するねじ部の下
部にストッパリングからなる下限規制ストッパ25Cを
係着している。
【0023】アジャスター28は、キャップ25の蓋部
25Bを挟む上部鍔部81と下部鍔部82を外周に設
け、上部鍔部81をアジャスター28の段差部28Aに
衝合するナット81Aによって構成し、この上部鍔部8
1を、E形止め輪81Bを介してアジャスター28に着
脱可能に設けている。
【0024】そして、キャップ25の蓋部25Bと、ア
ジャスター28の上部鍔部81との間に、アジャスター
28に螺着されるキャップ25のためのロックナット8
1C、ゴム等からなる環状の弾性部材83を介装してこ
れを挟圧可能としており、この弾性部材83をOリング
によって構成している。キャップ25の蓋部25Bと、
アジャスター28の下部鍔部82の間には、樹脂製ワッ
シャ84が介装される。
【0025】スライダー33は、1枚の板材から、スプ
リングカラー34の上端を支持するとともにアジャスタ
ー28の突条部28Bに係合する凹部を備える円板部3
3Aと、円板部33Aの外周に設けられてキャップ25
に螺合する円筒部33Bとを一体に成形できる。
【0026】アウタチューブ11とインナチューブ12
の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には、油溜室3
5Aと気体室35Bとが設けられ、気体室35Bに閉じ
込められている気体が気体ばねを構成する。油溜室35
Aの作動油は、気体室35Bのばね定数の調整と、アウ
タチューブ11とインナチューブ12の摺接ブッシュ1
5、18の潤滑、インナチューブ12の下端部のオイル
シール16の湿潤に寄与する。そして、これらの懸架ば
ね13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝
撃力を吸収する。
【0027】ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側
減衰力発生装置)40と、ボトムバルブ装置(圧側減衰
力発生装置)50とを有する。ダンパ14は、ピストン
バルブ装置40とボトムバルブ装置50の発生する減衰
力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力
の吸収に伴うアウタチューブ11とインナチューブ12
の伸縮振動を抑制する。
【0028】ダンパシリンダ21の上端開口部ではスト
ッパリング36に係着するストッパプレート37が前述
のオイルロックカラー31で挟圧され、オイルロックカ
ラー31にはOリング38Aを介して液密にロッドガイ
ド38が保持され、このロッドガイド38の内周にはピ
ストンロッド29を摺接案内するブッシュ38Bが圧入
されている。
【0029】尚、ダンパシリンダ21の内周にはストッ
パリング39Aで保持されたばね受39Bに、最伸長時
に上述のストッパプレート37との間で圧縮されて緩衝
作用を果たすリバウンドスプリング39Cが載置されて
いる。
【0030】また、ピストンロッド29の外周にはスト
ッパリング70Aで保持したピースホルダ70Bが圧入
され、このピースホルダ70Bにチェック弁付オイルロ
ックピース70Cを保持し、最圧縮時にオイルロックピ
ース70Cを前述のオイルロックカラー31に進入させ
て最圧縮時の緩衝作用を果たす。
【0031】以下、フロントフォーク10の減衰機構に
ついて説明する。(ピストンバルブ装置40)ピストン
バルブ装置40は、ピストンロッド29の先端部にピス
トンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41に螺
着されるナット41A、バルブストッパ41Bにより伸
側減衰バルブ44A、ピストン42(隔壁部材)、圧側
チェックバルブ装置100を装着している。ピストン4
2は、ダンパシリンダ21の内部を摺接し、ダンパシリ
ンダ21の内部をピストンロッド29が収容されないピ
ストン側室43Aとピストンロッド29が収容されるロ
ッド側室43Bとに区画する。ピストン42は、伸側減
衰バルブ44Aを備えてピストン側室43Aとロッド側
室43Bとを連絡可能とする伸側油路44と、圧側チェ
ックバルブ101を備えてピストン側室43Aとロッド
側室43Bとを連絡可能とする圧側油路45とを備え
る。
【0032】また、ピストンバルブ装置40は、アジャ
スター28にOリング46Aを介して液密に挿着される
とともに螺着されて外部から操作できる減衰力調整ロッ
ド46にかしめ固定された減衰力調整チューブ47をピ
ストンロッド29の中空部に通し、この減衰力調整チュ
ーブ47の先端のニードル47Aにより、ピストンホル
ダ41に設けてあるピストン側室43Aとロッド側室4
3Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
【0033】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ピストン側室43Aの油が圧側油路45を通り圧側
チェックバルブ101を開いてロッド側室43Bへ導か
れる。
【0034】また、フロントフォーク10の伸長時に
は、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速
度が低速のとき、ロッド側室43Bの油がニードル47
Aのあるバイパス路48を通ってピストン側室43Aへ
導かれ、この間のニードル47Aによる絞り抵抗により
伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、減衰力調整ロッ
ド46によるニードル47Aの位置調整により調整され
る。
【0035】また、フロントフォーク10の伸長時で、
ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が
中高速のとき、ロッド側室43Bの油が伸側油路44を
通り伸側減衰バルブ44Aを撓み変形させてピストン側
室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0036】(ボトムバルブ装置50)ボトムバルブ装
置50は、ダンパシリンダ21に前述の如くボトムボル
ト24により装着されたボトムピース51に、ボルト5
2により圧側減衰バルブ56A、バルブハウジング53
(隔壁部材)、伸側チェックバルブ装置200を保持し
ている。バルブハウジング53はダンパシリンダ21の
中間部に液密に密着し、ピストン側室43Aの下方にボ
トムバルブ室55を区画形成する。バルブハウジング5
3は、圧側減衰バルブ56Aを備えたピストン側室43
Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする圧側油路5
6と、伸側チェックバルブ201を備えてピストン側室
43Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする伸側油
路57(不図示)とを備える。ボトムバルブ室55はダ
ンパシリンダ21の壁面に設けた油路58により、ダン
パシリンダ21の外部に設けてある油溜室35Aに連絡
可能とされている。
【0037】また、インナチューブ12の底部に設けた
車軸ブラケット20、ボトムボルト24、ボトムピース
51、ボルト52には、圧側油路56と伸側油路57と
をバイパスしてピストン側室43Aと油溜室35Aとを
連絡可能とするバイパス流路59を備える。また、車軸
ブラケット20にOリング61Aを把持して液密に挿着
されたキャップ61に、減衰力調整ロッド62をOリン
グ63を介して液密に挿着するとともに螺着しており、
減衰力調整ロッド62の先端ニードル62Aによりイン
ナチューブ12のバイパス流路59の流路面積を調整可
能としている。
【0038】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド29
の進入容積分の油が、ピストン側室43Aから、バイパ
ス流路59を通って油溜室35A、或いは圧側油路5
6、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の
油路58を通って油溜室35Aに排出される。このと
き、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速
度が低速のときには、バイパス流路59に設けてあるニ
ードル62Aによる絞り抵抗により圧側の減衰力を得
る。この減衰力は、減衰力調整ロッド62によるニード
ル62Aの位置調整により調整される。また、ダンパシ
リンダ21とピストンロッド29の相対速度が中高速の
ときには、ピストン側室43Aから圧側油路56を通る
油が圧側減衰バルブ56Aを撓み変形させてボトムバル
ブ室55に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
【0039】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ21から退出するピストンロッド29の退出
容積分の油が、油溜室35Aからボトムバルブ室55、
伸側油路57を通ってピストン側室43Aに還流され
る。
【0040】従って、フロントフォーク10は以下の如
くに減衰作用を行なう。 (圧縮時)フロントフォーク10の圧縮時には、ボトム
バルブ装置50において、バルブハウジング53の圧側
減衰バルブ56A或いはニードル62Aを流れる油によ
り圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど
減衰力を生じない。
【0041】(伸長時)フロントフォーク10の伸長時
には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42
のニードル47A或いは伸側減衰バルブ44Aを流れる
油により伸側減衰力を生じ、ボトムバルブ装置50では
殆ど減衰力を生じない。
【0042】これらの圧側と伸側の減衰力により、フロ
ントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0043】しかるに、フロントフォーク10にあって
は、(A)ピストンバルブ装置40の圧側チェックバルブ
装置100、(B)ボトムバルブ装置50の伸側チェック
バルブ装置200を以下の如くにしている。
【0044】(A)ピストンバルブ装置40の圧側チェッ
クバルブ装置100(図3、図5〜図10) ピストンバルブ装置40は、前述した如く、ピストンロ
ッド29の外周にピストン側室43A、ロッド側室43
Bを区画するピストン42を設け(図3、図5)、ピス
トン42(図7)に両側のピストン側室43A、ロッド
側室43Bを連通する伸側油路44と圧側油路45を設
け、ピストン42のピストン側室43Aに臨む面に、伸
側油路44が開口するシート面44Bを設け(図7)、
このシート面44Bに接離して伸側油路44を開閉する
伸側減衰バルブ44Aを設け、ピストン42のロッド側
室43Bに臨む面に、圧側油路45が開口するシート面
102(図6)を設け、このシート面102に圧側チェ
ックバルブ装置100の圧側チェックバルブ101を設
けている。
【0045】圧側チェックバルブ装置100は、ピスト
ンロッド29の外周にガイドカラー103(ガイド部)
を設け、シート面102に接離して圧側油路45を開閉
する圧側チェックバルブ101(図9)をガイドカラー
103の外周に摺動自在に設け、ピストン側室43Aの
作動油圧により開弁してリフトアップする圧側チェック
バルブ101をバルブスプリング104(図10)を介
して背面支持するバルブストッパ105(図8)を設け
ている。ガイドカラー103とバルブストッパ105
は、ピストンホルダ41に挿着され、前述のナット41
Aによりピストン42等とともに共締め固定される。
尚、ピストンロッド29の外周に設けるガイド部は、ガ
イドカラー103によらず、ピストンロッド29の外周
に一体成形しても良い。
【0046】圧側チェックバルブ装置100は、図5、
図6に示す如く、圧側チェックバルブ101の内周縁と
ガイドカラー103の外周の間に切欠状通路106を設
ける。この切欠状通路106は、フロントフォーク10
の圧側行程時に開くとともに、伸縮行程時に閉じる。本
実施形態では、切欠状通路106を、図9に示す如く、
圧側チェックバルブ101の内周縁の周方向複数ゾーン
(例えば3ゾーン)に形成される複数の切欠状通路から
なるものとした。但し、切欠状通路106は、ガイドカ
ラー103の外周に、軸方向に沿う凹溝を設ける等によ
り形成しても良い。
【0047】圧側チェックバルブ装置100は、ピスト
ン42のシート面102を、図6、図7に示す如く、環
状の内側シート輪郭部102Aと、この環状の内側シー
ト輪郭部102Aの外周に形成された外側シート輪郭部
102Bからなるものとし(図7(B))、この外側シ
ート輪郭部102Bの外側に複数の伸側油路44を開口
させてある。そして、圧側チェックバルブ101は伸側
行程時にシート面102に着座して圧側油路45と閉じ
るとともに、圧側チェックバルブ101の内周縁は、伸
側行程時に、シート面102の内側シート輪郭部102
Aに着座して複数の切欠状通路106も閉じる(圧側チ
ェックバルブ101の内周縁に形成される切欠状通路1
06がガイドカラー103の外周との間に形成する通路
巾は、シート面102が圧側油路45の内側でガイドカ
ラー103の外周との間に形成するシート面巾より小さ
く設定される)。
【0048】圧側チェックバルブ装置100において
は、ピストン42を小径コンパクト化する必要から、ピ
ストン42の中心まわりの略同一円周上に伸側油路44
と圧側油路45を交互に配置し、伸側油路44を上述の
如くに圧側油路45のシート面102の外側シート輪郭
部102Bの外側に開口させる。これにより、チェック
バルブ101の平面サイズ、ピストン42の平面サイズ
をコンパクト化できる。
【0049】圧側チェックバルブ装置100において、
チェックバルブ101の平面は、チェックバルブ101
が圧側油路45を閉じる方向に移動するとき、作動油の
受圧面を形成するものであるから、切欠状通路106の
面積は、チェックバルブ101の平面面積が上述の必要
十分な受圧面を構成するに足る面積を確保して該チェッ
クバルブ101がピストン42のシート面102に迅速
安定的に着座するに支障を生じない程度に小さな面積に
設定される。
【0050】圧側チェックバルブ装置100は、バルブ
ストッパ105に、図8に示す如く、ピストン42のシ
ート面102に向かって起立し、チェックバルブ101
の移動(リフトアップ)を規制するようにシート面10
2との間に一定の間隔を介するストッパ部105Aを備
えるとともに、切欠状通路106を介して流れる作動油
が流通する開口部105Bを備える。
【0051】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 圧縮行程時に、ピストン側室43Aからロッド側室4
3Bに流れる作動油は、圧側油路45から、チェックバ
ルブ101の外周縁側の通路だけでなく、チェックバル
ブ101の内周縁側に設けた切欠状通路106も通る。
従って、チェックバルブ101の内周縁側の切欠状通路
106を通る作動油の流量が増えた分だけ、チェックバ
ルブ101のリフトアップを余り大きくしない状態で、
チェックバルブ101を通過する作動油量を多くでき、
作動油の流れ抵抗を減じてフロントフォーク10の硬さ
感を少なくすることができる。
【0052】バルブストッパ105に設けた開口部1
05Bが、伸長行程時には、チェックバルブ101を閉
じるときの作動油の流路になり、圧縮行程時には、チェ
ックバルブ101の内周縁側の切欠状通路106を通っ
た作動油がロッド側室43Bに入るための流路を兼ね
る。
【0053】チェックバルブ101の内周縁側の切欠
状通路106は、チェックバルブ101の内周縁に形成
するものに限らず、ロッド(ピストンロッド29、ピス
トンホルダ41)の外周のガイド部(ガイドカラー10
3)に形成することもできる。
【0054】(B)ボトムバルブ装置50の伸側チェック
バルブ装置200(図2) ボトムバルブ装置50の伸側チェックバルブ装置200
も、ピストンバルブ装置40の圧側チェックバルブ装置
100と同様のものを採用できる。即ち、伸側チェック
バルブ装置200は、ボトムピース51に螺着したボル
ト52に保持したバルブハウジング53において伸側油
路57が開口するシート面に伸側チェックバルブ201
を設け、ボルト52の外周にガイド部202を設け、チ
ェックバルブ201をガイド202の外周に摺動自在と
し、チェックバルブ201をバルブスプリング203を
介して背面支持するバルブストッパ204をボルト52
に設ける。ガイド部202とバルブストッパ204は、
バルブハウジング53、圧側減衰バルブ56Aとともに
ボルト52に挿着されて保持される。
【0055】伸側チェックバルブ装置200を備えたボ
トムバルブ装置50にあっても、圧側チェックバルブ装
置100を備えたピストンバルブ装置40において前述
したと同様の作用を奏する。
【0056】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、油圧緩衝
器において油室を区画する隔壁部材に設けた油路をチェ
ックバルブにより開閉するに際し、チェックバルブのリ
フトアップを余り大きくしない状態で、チェックバルブ
を通過する作動油量を多くでき、作動油の流れ抵抗を減
じて油圧緩衝器の硬さ感を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークを示す断面図である。
【図2】図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面
図である。
【図3】図3は図1のフロントフォークの中間部拡大断
面図である。
【図4】図4は図1のフロントフォークの上部拡大断面
図である。
【図5】図5はピストンバルブ装置を示す断面図であ
り、上半部は圧縮行程を示し、下半部は伸長行程を示す
断面図である。
【図6】図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図7はピストンを示し、(A)は断面図、
(B)は圧側チェックバルブのためのシート面を示す端
面図、(C)は伸側減衰バルブのためのシート面を示す
端面図である。
【図8】図8はバルブストッパを示す断面図である。
【図9】図9はチェックバルブを示す平面図である。
【図10】図10はバルブスプリングを示し、(A)は
平面図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
29 ピストンロッド(ロッド) 42 ピストン(隔壁部材) 43A ピストン側室(油室) 43B ロッド側室(油室) 44 伸側油路 45 圧側油路 101 圧側チェックバルブ 102 シート面 102A 内側シート輪郭部 102B 外側シート輪郭部 103 ガイドカラー(ガイド部) 104 バルブスプリング 105 バルブストッパ 105A ストッパ部 105B 開口部 106 切欠状通路 201 伸側チェックバルブ 202 ガイド部 203 バルブスプリング 204 バルブストッパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドの外周に油室を区画する隔壁部材
    を設け、 前記隔壁部材に両側の油室を連通する一方の油路と他方
    の油路を設け、 前記隔壁部材の一方の面に、前記一方の油路が開口する
    一方のシート面を設け、 前記隔壁部材の他方の面に、前記他方の油路が開口する
    他方のシート面を設け、 前記ロッドの外周にガイド部を設け、前記一方のシート
    面に接離して前記一方の油路を開閉する環状のチェック
    バルブを該ガイド部の外周に摺動自在に設け、該チェッ
    クバルブを背面支持するバルブストッパを設け、 前記他方のシート面に接離して前記他方の油路を開閉す
    る減衰バルブを設けた油圧緩衝器のチェックバルブ構造
    において、 前記チェックバルブの内周縁と前記ガイド部の外周の間
    に切欠状通路を設け、この切欠状通路は、前記油圧緩衝
    器の一方の行程時に開くとともに、他方の行程時に閉じ
    ることを特徴とする油圧緩衝器のチェックバルブ構造。
  2. 【請求項2】 前記隔壁部材の前記一方のシート面が環
    状の内側シート輪郭部と、この環状の内側シート輪郭部
    の外周に形成された外側シート輪郭部からなり、この外
    側シート輪郭部の外側に前記他方の油路が開口するとと
    もに、前記切欠状通路が前記チェックバルブの内周縁に
    形成される複数の切欠状通路からなり、このチェックバ
    ルブの内周縁が、前記油圧緩衝器の他方の行程時に、前
    記環状の内側シート輪郭部に着座して、前記複数の切欠
    状通路と前記他方の油路の連通を閉じる請求項1に記載
    の油圧緩衝器のチェックバルブ構造。
  3. 【請求項3】 前記バルブストッパに、前記隔壁部材の
    一方のシート面側に向かって起立し、前記チェックバル
    ブの移動を規制するストッパ部を設けるとともに、前記
    切欠状通路を介して流れる作動油が流通する開口部を設
    けた請求項1又は2に記載の油圧緩衝器のチェックバル
    ブ構造。
  4. 【請求項4】 前記切欠状通路を前記ガイド部の外周に
    設けた請求項1又は3に記載の油圧緩衝器のチェックバ
    ルブ構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100766854B1 (ko) 2006-01-26 2007-10-15 주식회사 만도 쇽업소버

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