JP2002348178A - セラミックグリーンシート組成物 - Google Patents

セラミックグリーンシート組成物

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JP2002348178A
JP2002348178A JP2001161365A JP2001161365A JP2002348178A JP 2002348178 A JP2002348178 A JP 2002348178A JP 2001161365 A JP2001161365 A JP 2001161365A JP 2001161365 A JP2001161365 A JP 2001161365A JP 2002348178 A JP2002348178 A JP 2002348178A
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ceramic green
green sheet
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polymer material
binder
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Yoji Gomi
洋二 五味
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Koa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックグリーンシートに要求される物性
を、その先行物質であるスラリーにおける2種類の異な
る物性をもつ結合材の配合比を調整することによって制
御し、その結果得られる好ましい特性を有するセラミッ
クグリーンシート組成物を提供する。 【解決手段】 原料粉体と有機結合材と可塑剤、分散
剤、溶剤を混合してなるセラミックグリーンシート組成
物において、有機結合材が2以上の異なる水酸基含有量
をもつ高分子材料で構成されており、第1の高分子材料
の水酸基含有量が15モル%以上、25モル%以下であ
り、第2の高分子材料の水酸基含有量が30モル%以
上、40モル%以下であり、第1の高分子材料の比率が
50〜90重量%であり、前記第2の高分子材料の比率
が10〜50重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種積層セラミッ
ク型電子部品の絶縁層、誘電体層、磁性体層等を形成す
るために利用されるセラミックグリーンシートに係り、
特に電極の印刷やビアホールの形成、またダイシング等
の方法で積層加工品を作成するのに適したセラミックグ
リーンシート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セラミックグリーンシートは、
原料粉体と、結合材と、可塑剤と、分散剤を、溶剤に混
合してボールミルやビーズミル等を用いてスラリー状に
し、これをドクターブレードを用いて例えば数μm〜数
十μm厚のシートに成形したものである。セラミックグ
リーンシートは単独で搬送され位置決め積層できるだけ
の引っ張り強度、寸法安定性等の性質を保持すると同時
に、作業効率ならびに生産性を上げるために、乾燥性、
耐クラック性に優れていなければならない。このような
観点から、従来から結合材は、ポリビニルブチラール、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エチルセルロース等のう
ちのいずれか、もしくは複数種類のものを選択し、主に
樹脂の重合度を300〜2400に調節して、すなわち
分子量を調節して所期のセラミックグリーンシートの性
状を確保していた。
【0003】このようにして得られたセラミックグリー
ンシートによる積層電子部品の製造工程は次の通りであ
る。上記シートは例えばPETフィルム上に形成され、次
工程においてそれぞれの用途にあわせて、例えば15c
m角に打ち抜かれ、必要に応じて所定の場所にCO
ーザ、YAGレーザ、機械式パンチ等を用いてパンチン
グが行われ、スルーホールが形成される。
【0004】スルーホールが形成されたセラミックグリ
ーンシートは所定の位置に例えばAgペースト等を用い
て電極を印刷し、表面に電極パターンを形成する。目的
に合わせて表面の電極パターンが形成された各種のセラ
ミックグリーンシートは所定の回路パターンになるよう
に積層されると共にスルーホールを介して相互の電極パ
ターンが接続される。各セラミックグリーンシートの積
層後に、一定の温度条件下、一定の圧力でホットプレ
ス、静水圧プレス等を用いて圧着する。さらに、こうの
ように積層、圧着されたシートは個々の製品サイズにダ
イシングされる。ここでチップ製品焼成前の中間製品と
なる。
【0005】この中間製品は、未焼成チップ中の、樹脂
・溶剤を構成している揮発成分の除去を目的とした脱バ
インダ工程、高温での焼成工程、チップの面取り工程を
経た後、外部電極等を形成して積層電子部品となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、搬送、
位置決めなどの工程をより確実なものにするために、セ
ラミックグリーンシートの引っ張り強度を上げようとし
て結合材の重合度を増加させると、高強度が得られても
クラックが発生しやすくなり、割れやすいシートになる
という問題が生ずる傾向がある。この対策として、低重
合度、中重合度、高重合度といった種々の重合度をもつ
樹脂を組み合わせて用いる方法が試みられている。この
方法により、ある程度セラミックグリーンシートの性状
やスラリー特性の改善を図ることが出来るが、組み合わ
せの数が多く、目的とする特性をもつセラミックグリー
ンシートやスラリーを得るまでの操作が繁雑になるとい
う問題がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて為されたもの
で、セラミックグリーンシートに要求される物性を、そ
の先行物質であるスラリーにおける2種類の異なる物性
をもつ結合材の配合比を調整することによって制御し、
その結果得られる好ましい特性を有するセラミックグリ
ーンシート組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、原料粉体と、有機結合材と、可塑剤、分
散剤、溶剤を混合してなるセラミックグリーンシート組
成物において、前記有機結合材が2以上の異なる水酸基
含有量をもつ高分子材料で構成されており、第1の高分
子材料の水酸基含有量が15モル%以上、25モル%以
下であり、第2の高分子材料の水酸基含有量が30モル
%以上、40モル%以下であり、前記第1の高分子材料
の比率が50〜90重量%であり、前記第2の高分子材
料の比率が50〜10重量%であることを特徴とするも
のである。
【0009】ここで、前記高分子材料は、ポリビニルブ
チラール、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エチルセルロ
ースの1または複数の混合物であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0011】本発明のセラミックグリーンシート組成物
は、結合材となる高分子材料の水酸基含有量を指標とし
た、異なる2種類の結合材からなる組成物である。2種
類の異なる水酸基含有量をもつ高分子材料を混合し、所
定の水酸基含有量をもつ結合材を調製することにより、
圧着性、切削性、引っ張り強度が十分であり、かつ取り
扱い性の良いセラミックグリーンシート組成物を得るこ
とが出来る。すなわち、第1の結合材組成物として、水
酸基含有量が15〜25モル%の高分子材料を用いる。
また、第2の結合材組成物として、水酸基含有量が30
〜40モル%の高分子材料を用いる。ここで、第1の結
合材組成物の比率が50〜90重量%であり、前記第2
の結合材組成物の比率が50〜10重量%である。
【0012】第1の結合材組成物単独でセラミックグリ
ーンシート組成物を調製すると、スラリー特性も良く、
これから得られるセラミックグリーンシートは積層圧着
性に富むが、切削性に若干難点がある。また、水酸基含
有量が15モル%以下の高分子材料は、切削時にバリや
かすの発生が甚だしく第1の結合材組成物として適さな
い。第2の結合材組成物単独でセラミックグリーンシー
ト組成物を調製した場合、これから得られるセラミック
グリーンシートは切削性は良好だが積層時の圧着性が悪
く、スラリーは取り扱い性に難点がある。また、水酸基
含有量が40モル%以上の高分子材料では、ゲル化の傾
向が甚だしく、印刷時、打ち抜き時、積層時等の取り扱
い性が悪いので、一般にシート成型用スラリーには適さ
ない。仮に使用できたとしても、熱圧着性が悪いため金
型温度を上げざるを得ず、金型の熱変形に起因する寸法
安定性の低下につながるため、第2の結合材組成物とし
て適さない。
【0013】ここで、本発明のセラミックグリーンシー
ト組成物は、高分子材料がポリビニルブチラール、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、エチルセルロースの1〜複数
種の混合物である。第1および第2の結合材組成物の混
合比率は、セラミックグリーンシートの要求性状に従っ
て任意一定の値を上記範囲で選定することが出来る。製
造しようとするセラミックグリーンシートおよびそれよ
り製造される電子部品の諸元から、必要な要求性状が決
まるので、これに合わせて水酸基含有量を求め、第1お
よび第2の結合材組成物の混合比率を決めることによっ
て切削性が良く、引っ張り強度や圧着性の良いセラミッ
クグリーンシートを、容易にかつ効率よく製造すること
が可能となる。
【0014】得られたスラリからセラミックグリーンシ
ートを例えばPETフィルム上に形成し、レーザ、また
は機械式パンチ等を用いてパンチングを行い、スルーホ
ールを形成した。スルーホールが形成されたセラミック
グリーンシートは所定の位置に例えばAgペースト等を
用いて電極をスクリーン印刷し、表面に電極パターンを
形成し、各セラミックグリーンシートの積層後に、一定
の温度条件下、一定の圧力でホットプレス、静水圧プレ
ス等を用いて圧着した。そして、ダイシングを行い、焼
成して積層セラミックチップを得た。
【0015】係る積層セラミックチップの製造工程にお
いて、上記スラリから形成したセラミックグリーンシー
トは、良好な切削性、引っ張り強度、圧着性が得られる
ことが確認された。表1−表3は、結合材として水酸基
含有量20モル%の樹脂を単独で用いたセラミックグリ
ーンシート(比較例)と、水酸基含有量20モル%と4
0モル%の樹脂をあらかじめ準備し、これらを混合して
結合材原料として製造した本発明のセラミックグリーン
シート(実施例)、および参考例として水酸基含有量4
0モル%の樹脂単独で結合材として製造したセラミック
グリーンシートについての試験結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】上記結果が示す通り、結合材として水酸基
含有量20%の樹脂に水酸基含有量40%の樹脂を加え
た実施例においては、従来品である比較例に対して特に
切削性が改善されている。また、結合材を水酸基含有量
40%の樹脂単独にするとセラミックグリーンシート用
のスラリーがゲル化し、形成されたセラミックグリーン
シートが使用に耐えないことが分かる。なお副次的な効
果として、生産の過程で水酸基含有量を容易に変更する
ことが可能となるため、製品品質の微細な調整、コスト
削減に向けての樹脂量の調整等、要求品質・経済性など
の外的条件に対して製造ラインでの柔軟な対応が可能に
なった。
【0020】2種類のセラミックグリーンシート用結合
材を、それぞれ一方では積層圧着性、他方では切削性と
いう相反する特徴を最大限付与するように、かつその結
果犠牲となる反対の物性は使用に耐える限界になるよう
に選ぶことにより、セラミックグリーンシートの性状を
任意一定に効率よく調製することが出来る。同時に水酸
基含有量を直接制御することで、水素結合による結合材
高分子間の擬似架橋反応の制御が可能となり、セラミッ
クグリーンシートの強度を従来から行われている高分子
材料の重合度による制御以外に、2次的な方法で制御す
ることが可能となり結果としてバリ等の防止に役立つ。
【0021】
【発明の効果】本発明のセラミックグリーンシート組成
物によれば、水酸基含有量が既知の2種類の結合材を配
合して任意の物性のセラミックグリーンシートを製造で
き、かつ水酸基含有量を一定の値以上に保つことによっ
て、水素結合による擬似架橋反応を起こさせセラミック
グリーンシートの強度を向上できる。これにより、バリ
の生成を防止でき、バリにより阻害されていた面取りや
電極形成の作業も容易に行うことが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉体と、有機結合材と、可塑剤、分
    散剤、溶剤を混合してなるセラミックグリーンシート組
    成物において、前記有機結合材が2以上の異なる水酸基
    含有量をもつ高分子材料で構成されており、第1の高分
    子材料の水酸基含有量が15モル%以上、25モル%以
    下であり、第2の高分子材料の水酸基含有量が30モル
    %以上、40モル%以下であり、前記第1の高分子材料
    の比率が50ないし90重量%であり、前記第2の高分
    子材料の比率が50ないし10重量%であることを特徴
    とするセラミックグリーンシート組成物。
  2. 【請求項2】 前記高分子材料は、ポリビニルブチラー
    ル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エチルセルロースの
    1または複数の混合物であることを特徴とする請求項1
    記載のセラミックグリーンシート組成物。
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Cited By (5)

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