JPH1179828A - アルミナセラミックス基板の製造方法 - Google Patents

アルミナセラミックス基板の製造方法

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JPH1179828A
JPH1179828A JP9242274A JP24227497A JPH1179828A JP H1179828 A JPH1179828 A JP H1179828A JP 9242274 A JP9242274 A JP 9242274A JP 24227497 A JP24227497 A JP 24227497A JP H1179828 A JPH1179828 A JP H1179828A
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weight
parts
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alumina powder
pts
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JP9242274A
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Kazunori Akaho
和則 赤穂
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンシート厚みのバラツキおよびグリー
ンシート焼成時の収縮のバラツキを確実に低減させ、セ
ラミックス基板の導体パターンの微細化および導体パタ
ーンの寸法精度の向上を図り、ピン付けおよびチップ搭
載後のワイヤーボンディングを容易にすること。 【解決手段】 粒径0.5〜1.5μmのアルミナ粉
末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ粉末
と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径0.8
〜2.4μmの酸化Tiを3〜10重量部、および溶剤
として沸点が60〜200℃でかつ前記バインダーに対
する溶解性の良好な化合物またはこれら化合物の混合物
を用いてスラリーを作製し、グリーンシート化した後、
積層、焼結させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミナセラミック
ス基板の製造方法に関し、より詳細には半導体素子(L
SI、ICなど)等が搭載されて小型電子部品が構成さ
れ、通信機器、コンピュータなどに使用されるアルミナ
セラミックス基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミナ粒子を主成分としたアル
ミナセラミックス基板には、半導体素子(LSI、IC
など)等が搭載されて小型電子部品が構成され、通信機
器、コンピュータなどに使用されており、これらの製品
の高速化、高性能化、小型化、薄型化が急速に進められ
てきている。また、前記高速化、高性能化、小型化、薄
型化に伴い、得られるセラミックス基板の導体パターン
の微細化および導体パターンの寸法精度の向上が要求さ
れている。
【0003】従来のこの種のアルミナセラミックス基板
の製造方法の概略を説明する。まず、粒径3μm程度の
アルミナ粉末に焼結助剤、バインダー、可塑剤、有機溶
剤(キシレンなど)等の添加剤を混合してスラリーを形
成し、該スラリーを用いてドクターブレード法により、
グリーンシートを作製する。前記方法により得られたグ
リーンシートをそれぞれの目的と用途に応じた形態に加
工するため、スルーホールの形成や配線用の導体ペース
ト印刷等の加工を施し、積層したものを焼成することに
より前記アルミナセラミックス基板を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ア
ルミナセラミックス基板の製造工程において作製された
グリーンシートにあっては厚みのバラツキが大きい場合
があり、該厚みのバラツキは、タングステン等を含む導
体ペーストの塗布によってより拡大され、表面の凹凸が
大きくなる。すると焼成後においても前記表面の凹凸が
残存し、ピン付けおよびチップ搭載後のワイヤーボンデ
ィングが困難になるといった課題があった。また、前記
グリーンシートの厚みのバラツキが大きいと、積層時の
密着力が低下して前記焼成時にハガレが発生してしまう
といった課題があった。
【0005】また、前記焼成時において、前記グリーン
シートの密度、厚みおよび配線量の不均一等により水平
方向の収縮率のバラツキ(以下、収縮バラツキと記す)
が生じると、焼成後におけるスルーホールおよび配線パ
ターンの適性位置の確保が困難となり、ピン付け時およ
びチップのワイヤーボンディング時にずれが起こる。ま
た、セラミックス基板中の上部のスルーホールと下部の
配線パターンにずれが生じ、断線あるいはショートし易
いという課題があった。
【0006】一方、アルミナ粒径を3μm未満とすると
脱バインダー性が低下し、フクレが発生するという課題
があった。
【0007】本発明はこのような課題に鑑み発明された
ものであって、脱バインダー性を損なうことなくグリー
ンシートの厚みのバラツキおよび焼成時の収縮バラツキ
を確実に低減し、セラミックス基板の導体パターンの微
細化および導体パターンの寸法精度の向上を図ることが
でき、ピン付けおよびワイヤーボンディングを容易に
し、またハガレ、断線あるいはショートの発生を防止す
ることができるアルミナセラミックス基板の製造方法を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るアルミナセラミックス基板
の製造方法(1)は、粒径0.5〜1.5μmのアルミ
ナ粉末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ
粉末と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径
0.8〜2.4μmの酸化Tiを3〜10重量部、及び
溶剤として沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに
対する溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用い
てスラリーを作製し、グリーンシート化した後、積層、
焼結させることを特徴としている。
【0009】また、本発明に係るアルミナセラミックス
基板の製造方法(2)は、粒径0.5〜1.5μmのア
ルミナ粉末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アル
ミナ粉末と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒
径0.8〜2.4μmの酸化Crを3〜15重量部、及
び溶剤として沸点60〜200℃でかつ前記バインダー
に対する溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用
いてスラリーを作製し、グリーンシート化した後、積
層、焼結させることを特徴としている。
【0010】また、本発明に係るアルミナセラミックス
基板の製造方法(3)は、粒径0.5〜1.5μmのア
ルミナ粉末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アル
ミナ粉末と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒
径0.8〜2.4μmの酸化Moを3〜25重量部、及
び溶剤として沸点60〜200℃でかつ前記バインダー
に対する溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用
いてスラリーを作製し、グリーンシート化した後、積
層、焼結させることを特徴としている。
【0011】また、本発明に係るアルミナセラミックス
基板の製造方法(4)は、粒径0.5〜1.5μmのア
ルミナ粉末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アル
ミナ粉末と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒
径0.8〜2.4μmの酸化Wを3〜25重量部、及び
溶剤として沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに
対する溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用い
てスラリーを作製し、グリーンシート化した後、積層、
焼結させることを特徴としている。
【0012】上記アルミナセラミックス基板の製造方法
(1)〜(4)によれば、前記アルミナ粉末および前記
金属酸化物の粒子が小さいことからグリーンシート表面
の凹凸が小さくなり、グリーンシート厚みのバラツキを
確実に小さくすることができる。よって導体ペーストの
塗布後も前記凹凸が拡大されることがなく、焼成後に前
記凹凸が残存することがないので、ピン付けおよびチッ
プ搭載後のワイヤーボンディングを容易なものとするこ
とができ、積層後における焼成時のハガレの発生を阻止
することができる。
【0013】また、前記金属酸化物の添加により焼成段
階における低温(1200〜1300℃程度)時のアル
ミナ焼結が阻害され、脱バインダー性が向上する。ま
た、前記焼成段階における高温(1300〜1600℃
程度)時においては前記金属酸化物が還元されて金属粒
子が昇華し、アルミナ焼結が促進される。
【0014】以上から、アルミナ粒径を3μm未満とし
ても前記脱バインダー性の向上によりグリーンシート焼
成時の水平方向の収縮率のバラツキを確実に低減させる
ことができる。その結果、焼成後におけるスルーホール
および配線パターンの適正位置の確保が容易となり、ピ
ン付け時およびチップのワイヤーボンディング時のずれ
の発生を阻止することができる。また、セラミックス基
板中の上部のスルーホールと下部の配線パターンにずれ
が生ずることもなく、断線あるいはショートを低減する
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアルミナセラ
ミックス基板の製造方法の実施の形態を説明する。ま
ず、アルミナ粉末及び水をボールミルに入れ、アルミナ
粉末の粒径が0.5〜1.5μmになるまで湿式粉砕を
行う。次に焼結助剤を所定量添加し、水を加えボールミ
ルで24時間程度粉砕混合した後、乾燥させて解砕す
る。次にバインダー、可塑剤、及び溶剤を適量添加し、
ボールミルで混合し、スラリーとする。さらに該スラリ
ーに酸化Ti、酸化Cr、酸化Mo、及び酸化Wのうち
の1種を適量添加し、混合して最終的なスラリーを形成
する。
【0016】その後、該スラリーの脱泡処理を5分間程
度行い、ドクターブレード法を用いてテープ形成を行
い、60〜120℃で焼燥させてグリーンシートを作製
する。次に、適当な大きさにカットすると共に、スルー
ホール等を形成し、さらに導体ペーストを印刷する。そ
の後、グリーンシートを積層して積層体を形成し、還元
性雰囲気中、1600℃程度の温度で焼成する。
【0017】上記工程を含んで実施の形態に係るアルミ
ナセラミックス基板の製造が完了する。
【0018】
【実施例および比較例】以下、本発明に係るアルミナセ
ラミックス基板の製造方法の実施例および比較例を説明
する。該アルミナセラミックス基板は下記の表1に示す
配合比の原料を用い、図1に示す作製方法により得るこ
とができる。
【0019】
【表1】
【0020】まず粒径0.5〜6.0μmのアルミナ粉
末90〜95重量部、焼結助剤としてSiO2 を2.5
〜5.0重量部、MgOを1.3〜3.0重量部および
CaOを1.2〜3.0重量部添加し、合計で100重
量部とする。次に水を加えボールミルで24時間粉砕混
合し、乾燥させて解砕する。さらに、前記解砕物100
重量部に対し、アクリル樹脂12重量部、可塑剤(DB
P、DBM等)3重量部、および溶剤(トルエンまたは
キシレンまたはその混合物)を28重量部添加し、ボー
ルミルで混合し、スラリーとする。さらに前記アルミナ
と焼結助剤の合計100重量部に対し粒径0.8〜7.
8μmの金属酸化物(酸化Ti、酸化Cr、酸化Mo、
酸化W)を0〜30重量部添加し、混合して最終的なス
ラリーとする。
【0021】その後、該スラリーの脱泡を約5分間行
い、ドクターブレード法を用いてこのスラリーをテープ
成形し、60〜120℃で乾燥してグリーンシートを作
製する。この段階において各グリーンシートの厚みを測
定し、グリーンシート厚みバラツキを算出した。
【0022】次に、前記方法により得られたグリーンシ
ートをカッターあるいは打ち抜き型により4×4cmの
形状に加工し、さらに打ち抜き型等により所望の形状に
スルーホールを形成する。次に、配線用の導体ペースト
印刷を施し、5枚積層して積層体とする。積層時の温度
は約90℃、プレス圧は約50kg/cm2 とした。こ
の後、1600℃、H2 +N2 +H2 O雰囲気で前記積
層体を焼成し、焼成後の焼成密度を測定した。また、前
記焼成雰囲気としては、前記金属酸化物の還元のためH
2 の比率を高くし、H2 :N2 =7:3、露点30℃
(30℃における飽和水蒸気量を含む雰囲気)の還元性
雰囲気とした。
【0023】前記金属酸化物の粒径は還元による酸素の
離脱および前記アルミナ粉末の粒径を考慮し、該アルミ
ナ粉末の粒径の3割増し程度の大きさのものを選択し
た。
【0024】以下、アルミナ粉末の平均粒径とグリーン
シート厚みバラツキとの関係について説明する。前記平
均粒径はマイクロトラック法により粒度分布を測定し、
D50(度数分布で50%)の部分とした。また、前記
グリーンシート厚みバラツキに関してはグリーンシート
の幅方向の15箇所とグリーンシートの進行方向の10
箇所との交差部の合計150箇所について測定し、3σ
/2で算出した。
【0025】表2は実施例および比較例に係るアルミナ
粉末の平均粒径とグリーンシート厚みバラツキとの関係
を調べた結果を示しており、比較例には*を付してあ
る。
【0026】また、表2に示した試料No.1〜7に関
しては前記金属酸化物として酸化Crを3重量部添加し
た。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、アルミナ粉末の
平均粒径が0.5〜1.5μmである試料No.1〜4
はグリーンシート厚みバラツキが±4〜8μmと小さ
い。これに対しアルミナ粉末の平均粒径が2.2〜6.
0μmである試料No.5〜7はグリーンシート厚みバ
ラツキが±11〜23μmと大きくなっている。
【0029】このように、実施例に係るアルミナセラミ
ックス基板の製造方法によれば、粒径0.5〜1.5μ
mのアルミナ粉末を用いるので、グリーンシート厚みバ
ラツキを確実に低減させることができる。
【0030】次に、前記金属酸化物の添加量と焼成密
度、収縮バラツキおよび残存炭素量との関係を下記の表
3〜9に基づいて説明する。これら表3〜9中の試料N
o.8〜53に関してはいずれも平均粒径が0.5〜
1.5μmのアルミナ粉末を用いた。
【0031】焼成密度の測定にはアルキメデス法(水中
で試料を煮沸して水を吸収させる方法)を用いた。ま
た、収縮率の計算は下記の数1式に基づいて行い、所定
の30箇所について前記収縮率を測定し、3σ/2で収
縮バラツキを算出した。
【0032】
【数1】
【0033】一般にアルミナセラミックス基板の前記焼
成密度は3.60g/cm3 以上あるのが望ましく、収
縮バラツキは±0.40%以内が望ましい。表3、5、
7、9においては焼成密度、収縮バラツキのいずれもが
前記適正範囲内である試料を適とし、それ以外を不適と
して不適のものには*を付した。
【0034】表3は実施例及および比較例に係る酸化T
iの添加量と焼成密度、収縮バラツキとの関係を調べた
結果を示しており、表4は実施例および比較例に係る酸
化Tiの添加量と残存炭素量との関係を調べた結果を示
している。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表3から明らかなように、酸化Tiの添加
量が3.0〜10.0重量部である試料No.10〜1
3は焼成密度、収縮バラツキのいずれも適正範囲内であ
った。これに対し、酸化Tiの添加量が3.0重量部よ
り少ない試料No.8、9の焼成密度は適正範囲内であ
ったが、収縮バラツキが±0.41〜0.51%とな
り、十分に低減することはできなかった。また、酸化T
iの添加量が10.0重量部より多い試料No.14〜
18は焼成密度は若干低下しただけであるが、収縮バラ
ツキが±0.42〜0.93%と大きくなり、基板とし
て不適なものであった。
【0038】また、表4から、酸化Tiの添加量を適正
に制御することによって、残存炭素量が少なくなり、脱
バインダー性が向上することがわかる。
【0039】表5は本実施例および比較例に係る酸化C
rの添加量と焼成密度および収縮バラツキとの関係を調
べた結果を示しており、また表6は実施例および比較例
に係る酸化Crの添加量と残存炭素量との関係を調べた
結果を示している。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】表5から明らかなように、酸化Crの添加
量が3.0〜15.0重量部である試料No.21〜2
6は焼成密度、収縮バラツキのいずれも適正範囲内であ
った。これに対し、酸化Crの添加量が3.0重量部よ
り少ない試料No.19、20は焼成密度は適正範囲内
であったが、収縮バラツキが±0.41%となり、十分
に低減することはできなかった。また、酸化Crの添加
量が15.0重量部より多い試料No.27〜29は焼
成密度が小さくなり、収縮バラツキも±0.41〜0.
85%とかなり大きくなり、基板として不適なものであ
った。
【0043】また、表6から酸化Crの添加量が多い
程、残存炭素量は少なくなり、脱バインダー性が向上す
ることがわかる。本結果により酸化Crの添加量は1
0.0〜15.0重量部がより好ましい。
【0044】表7は実施例および比較例に係る酸化Mo
の添加量と焼成密度および収縮バラツキとの関係を調べ
た結果を示しており、表8は実施例および比較例に係る
酸化Moの添加量と残存炭素量との関係を調べた結果を
示している。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】表7、8から明らかなように、酸化Moの
添加量が3.0〜25重量部である試料No.32〜4
0は焼成密度、収縮バラツキのいずれも適正範囲内であ
った。これに対し、酸化Moの添加量が3.0重量部よ
り少ない試料No.30、31は焼成密度は適正範囲内
であったが、収縮バラツキが±0.41%となり、十分
に低減することはできなかった。また、酸化Moの添加
量が25.0重量部より多い試料No.41では焼成密
度は適正範囲内であったが、収縮バラツキが大きくなり
すぎるので、基板として不適なものであった。
【0048】また、表8から酸化Moの添加量が多い
程、残存炭素量は少なくなり、脱バインダー性が向上す
ることがわかる。本結果より酸化Moの添加量は10.
0〜25.0重量部がより好ましい。
【0049】表9は実施例および比較例に係る酸化Wの
添加量と焼成密度および収縮バラツキとの関係を調べた
結果を示しており、表10は実施例および比較例に係る
酸化Wの添加量と残存炭素量との関係を調べた結果を示
している。
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】表9から明らかなように、酸化Wの添加量
が3.0〜25.0重量部である試料No.44〜52
は焼成密度、収縮バラツキのいずれも適正範囲内であっ
た。これに対し、酸化Wの添加量が3.0重量部より少
ない試料No42、43は焼成密度は適正範囲内であっ
たが、収縮バラツキが±0.41%となり、十分に低減
することはできなかった。また、酸化Wの添加量が2
5.0重量部より多い試料No.53では焼成密度は適
正範囲内であったが、収縮バラツキが大きくなりすぎる
ので、基板として不適なものであった。
【0053】また、表10から酸化Wの添加量が多い
程、残存炭素量は少なくなり、脱バインダー性が向上す
ることがわかる。本結果より酸化Wの添加量は10.0
〜25.0重量部がより好ましい。
【0054】以上説明したように、実施例に係るアルミ
ナセラミックス基板の製造方法によれば、前記アルミナ
粉末および前記金属酸化物の粒子が小さいことからグリ
ーンシート表面の凹凸を小さくすることができ、グリー
ンシート厚みのバラツキを確実に低減することができ
る。
【0055】また、前記金属酸化物の添加により焼成段
階における低温(1200〜1300℃程度)時のアル
ミナ焼結が阻害され、脱バインダー性が向上される。ま
た、前記焼成段階における高温(1300〜1600℃
程度)時においては前記金属酸化物が還元されて金属粒
子が昇華し、アルミナ焼結が促進される。よってアルミ
ナ粒径を3μm未満としても前記脱バインダー性の向上
によりグリーンシート焼成時の収縮を確実に低減させる
ことができる。
【0056】これにより、焼成後におけるスルーホール
および配線パターンの適正位置の確保が容易となり、ピ
ン付け時およびチップのワイヤーボンディング時にずれ
が起こることがない。また、セラミックス基板中の上部
のスルーホールと下部の配線パターンにずれが生ずるこ
ともなく、断線あるいはショートを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るアルミナセラミックス基
板の製造方法を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.5〜1.5μmのアルミナ粉
    末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ粉末
    と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径0.8
    〜2.4μmの酸化Tiを3〜10重量部、及び溶剤と
    して沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに対する
    溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用いてスラ
    リーを作製し、グリーンシート化した後、積層、焼結さ
    せることを特徴とするアルミナセラミックス基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 粒径0.5〜1.5μmのアルミナ粉
    末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ粉末
    と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径0.8
    〜2.4μmの酸化Crを3〜15重量部、及び溶剤と
    して沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに対する
    溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用いてスラ
    リーを作製し、グリーンシート化した後、積層、焼結さ
    せることを特徴とするアルミナセラミックス基板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 粒径0.5〜1.5μmのアルミナ粉
    末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ粉末
    と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径0.8
    〜2.4μmの酸化Moを3〜25重量部、及び溶剤と
    して沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに対する
    溶解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用いてスラ
    リーを作製し、グリーンシート化した後、積層、焼結さ
    せることを特徴とするアルミナセラミックス基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 粒径0.5〜1.5μmのアルミナ粉
    末、焼結助剤、バインダー、可塑剤、前記アルミナ粉末
    と前記焼結助剤の合計100重量部に対して粒径0.8
    〜2.4μmの酸化Wを3〜25重量部、及び溶剤とし
    て沸点60〜200℃でかつ前記バインダーに対する溶
    解性の良好な化合物又はこれらの混合物を用いてスラリ
    ーを作製し、グリーンシート化した後、積層、焼結させ
    ることを特徴とするアルミナセラミックス基板の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012073162A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Kyocera Corp プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
CN109081685A (zh) * 2018-09-13 2018-12-25 南京鑫达晶体材料科技有限公司 一种氧化铝陶瓷及其制备方法
CN114804837A (zh) * 2022-03-14 2022-07-29 中国电子科技集团公司第四十三研究所 用于htcc的多层钨金属化氧化铝异形件及其制备方法

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