JP2002347162A - 防汚性フィルム - Google Patents

防汚性フィルム

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JP2002347162A
JP2002347162A JP2001158333A JP2001158333A JP2002347162A JP 2002347162 A JP2002347162 A JP 2002347162A JP 2001158333 A JP2001158333 A JP 2001158333A JP 2001158333 A JP2001158333 A JP 2001158333A JP 2002347162 A JP2002347162 A JP 2002347162A
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coating material
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Toru Tatebayashi
徹 館林
Takeyuki Yamaki
健之 山木
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性を高く得ることができる防汚性フィル
ムを提供する。 【解決手段】 (A)成分:Si(OR14で表される
(但しR1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示す)有機ケイ素アルコ
キシドの加水分解縮重合物及び部分加水分解縮重合物、
(B)成分:シリカ、の(A)成分及び(B)成分を含
み、(A)成分の重合物の重量平均分子量が10000
以上である組成のコーティング材による塗膜を、熱融着
可能なフィルムの表面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が親水性を示
すシリコーンコーティング材の塗膜からなる防汚性フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の外装材や、ガラス部材など、基
材の表面に防汚性を付与するために、再公表特許公報
「国際公開番号WO99/52986」などにみられる
ように、基材の表面にシリコーンコーティング材を塗布
して親水性無機塗膜を形成することが行なわれている。
基材の表面を親水性無機塗膜で親水性にすることによっ
て、表面に付着した汚れを雨水などによって自然に洗い
流すことができる防汚性を基材に付与することができる
のである。
【0003】一方、基材の表面に塗装を施すかわりに、
フィルムを貼ることが従来から行なわれている。しか
し、このフィルムのベース樹脂としては有機樹脂からな
るものが多く、その性質上、フィルムは表面の水の接触
角が大きくて親油性が高く、油性の汚れが付着し易いと
共に、付着した汚れが落ち難い。従ってこのようにフィ
ルムを貼った表面は防汚性を得ることが難しいという問
題があった。
【0004】そこで、特開平9−57911号公報にみ
られるように、フィルム内に酸化チタンなどの光触媒を
含有させて、光触媒作用によってフィルムの表面の親水
性を高めることが行なわれている。しかし、光触媒によ
る光触媒作用は紫外線が照射されることによって始めて
発現されるものであり、紫外線の照射量の少ない場所で
は防汚性を高く得ることができないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、防汚性を高く得ることができ
る防汚性フィルムを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
防汚性フィルムは、(A)成分:Si(OR14で表さ
れる(但しR1は同一または異種の置換もしくは非置換
の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示す)有機ケイ素ア
ルコキシドの加水分解縮重合物及び部分加水分解縮重合
物、(B)成分:シリカ、の(A)成分及び(B)成分
を含み、(A)成分の重合物の重量平均分子量が100
00以上である組成のコーティング材による塗膜が、熱
融着可能なフィルムの表面に形成されて成ることを特徴
とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、(A)成分と(B)成分の固形分の合計100質量
部に対し、(B)成分を60〜95質量部含む組成のコ
ーティング材で塗膜が形成されて成ることを特徴とする
ものである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、熱融着可能なフィルムが、2種以上のフィルム
を積層した合わせフィルムであることを特徴とするもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0010】本発明に係る防汚性フィルムは、支持体で
あるベースのフィルムの表面に親水性を示す塗膜を設け
ることによって形成されるものである。
【0011】ベースのフィルムは、熱融着性を有するも
のが用いられるものであり、熱融着の容易さから融点が
100〜200℃の範囲のものが好ましい。このベース
のフィルムは熱融着性を有するものであれば、塗膜を支
持する強度を有していればよく、コーティング材の希釈
溶剤に対する耐溶剤性や、塗装の乾燥条件に耐えるもの
などでその材質を選定すればよいものであって、透明性
や着色性は必要に応じて有していればよい。例えば、ベ
ースのフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリイミド、ポリスチレン、ABS樹脂
等を挙げることができる。これらのなかでも、熱融着
性、ハンドリング性、入手の容易性などから、フィルム
厚が5〜50μmのポリエチレンテレフタレートが特に
望ましい。
【0012】ここで、ベースのフィルムは、単層のもの
を用いる他、2種以上の材質のフィルムを積層した複層
構成の合わせフィルムを用いることもできる。合わせフ
ィルムとしては、PETとアクリル(PMMA)の複層
フィルム、PVCとアクリル(PMMA)の複層フィル
ム等を挙げることができる。このように複層構成の合わ
せフィルムを用いると、例えば熱融着性の優れた層の表
面に未反応性成分や可塑剤が少なく未反応成分や可塑剤
のブリードが少ない層を積層し、未反応性成分や可塑剤
のブリードが少ない層の表面に後述のような親水性塗膜
を形成することによって、親水性塗膜の密着性を向上さ
せることができるものであり、異なる性質の層の組み合
わせで性能を向上させることが容易になるものである。
【0013】次に、親水性塗膜を形成するためのコーテ
ィング材について説明する。このコーティング材は
(A)成分と(B)成分を主成分とする組成物からなる
ものである。
【0014】(A)成分は、一般式がSi(OR14
表される4官能有機ケイ素アルコキシドの加水分解縮重
合物及び部分加水分解縮重合物からなるシリコンレジン
であり、この有機ケイ素アルコキシドの(部分)加水分
解縮重合物は、その形態を特に限定されず、例えば溶液
状のものであっても、分散液状のものであってもかまわ
ない。
【0015】上記のSi(OR14のアルコキシル基中
のR1は、同一または異種の置換もしくは非置換の炭素
数1〜8の1価炭化水素基であり、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基等を例示
することができる。アルコキシル基中に含有されるアル
キル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−
プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであ
ってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブ
チル基等のように分岐を有するものであってもよい。
【0016】有機ケイ素アルコキシド〔Si(O
14〕の(部分)加水分解時に存在させる水の量は特
に限定されるものではなく、また有機ケイ素アルコキシ
ドを(部分)加水分解する際に必要に応じて用いられる
触媒としては、特に限定されるものではないが、製造工
程にかかる時間を短縮する点から酸性触媒が好ましい。
酸性触媒としては、特に限定されるものではないが、例
えば酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチル
マロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコ
ール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、
シュウ酸等の有機酸、塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等
の無機酸、酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等
の酸性ゾル状フィラーなどを挙げることができ、これら
を1種単独で用いる他、2種以上を併用することもでき
る。
【0017】有機ケイ素アルコキシドの(部分)加水分
解は、必要に応じて、例えば40〜100℃程度に加温
して行なってもよい。また有機ケイ素アルコキシドの
(部分)加水分解は、必要に応じて適当な溶媒で希釈し
て行なっても良く、そのような溶媒としては、特に限定
されるものではないが、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、
エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール
誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、
及びジアセトンアルコールなどの親水性有機溶媒を上げ
ることができ、これらを1種単独で用いる他、2種以上
を併用することもできる。さらにこれらの親水性有機溶
媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等の
1種もしくは2種以上を使用することもできる。
【0018】ここで本発明において、(A)成分の有機
ケイ素アルコキシドの(部分)加水分解縮重合物の重量
平均分子量は、コーティング材によって形成される塗膜
の親水性や、(B)成分との相溶性を大きく左右するも
のであり、重量平均分子量が10000以上のものを用
いるものである。すなわち、有機ケイ素アルコキシドの
(部分)加水分解縮重合物の重量平均分子量が1000
0未満であると、塗膜に親水性を十分に付与することが
できなくなるものである。有機ケイ素アルコキシドの
(部分)加水分解縮重合物の重量平均分子量の上限は特
に設定されるものではなく、ゲル化しない分子量であれ
ばよい。
【0019】また、(B)成分のシリカとしては、特に
限定されるものではなく、公知の1種もしくは2種以上
のシリカを用いることができる。シリカの形態も、特に
限定されるものではなく、例えば粉末、微粒子粉末、溶
液分散ゾル粒子など分散可能なものであればいかなる形
態でもよいが、ゾル状、特にpH7以下のコロイダルシ
リカのようなゾル状のものが、硬化が短時間で進んで使
用上の利便性が優れるので好ましい。このコロイダルシ
リカとしては、特に限定されるものではないが、水分散
性あるいは非水系の有機溶媒分散性コロイダルシリカを
使用することができる。一般にこのようなコロイダルシ
リカは、固形分としてのシリカを20〜50質量%含有
しており、この含有値からシリカ配合量を決定できる。
【0020】ここで、(B)成分として水分散性コロイ
ダルシリカを使用する場合には、このコロイダルシリカ
中に固形分以外として存在する水は、アルコキシドの
(部分)加水分解に使用されるものであり、この水は
(部分)加水分解の際の水の使用量に加算される。水分
散性コロイダルシリカは、通常、水ガラスから調製され
るが、市販品として容易に入手するものを使用すること
ができる。
【0021】有機溶媒分散性コロイダルシリカは、水分
散性コロイダルシリカの水を有機溶媒と置換することに
よって容易に調製することができ、このような有機溶媒
分散コロイダルシリカも水分散性コロイダルシリカと同
様に、市販品として容易に入手するものを使用すること
ができる。有機溶媒分散性コロイダルシリカにおいて、
コロイダルシリカを分散させる有機溶媒としては、特に
限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチ
レングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコ
ール誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導
体、及びジアセトンアルコールなどの親水性有機溶媒を
上げることができ、これらを1種単独で用いる他、2種
以上を併用することもできる。さらにこれらの親水性有
機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘ
プタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシ
ム等の1種もしくは2種以上を使用することもできる。
【0022】(B)成分のシリカの配合量は特に限定さ
れるものではないが、固形分換算で(A)成分と(B)
成分の合計量に対して、(B)成分の質量比(B/(A
+B))が0.60〜0.95の範囲が好ましく、より
好ましくは0.65〜0.90の範囲である。固形分換
算で(B)成分の質量比が0.60未満であると、シリ
カフィラーの添加による効果、例えば塗膜の硬度、平滑
性、耐クラック性向上の効果を十分に得ることができ
ず、さらに塗膜の初期親水性が得られ難くなる。逆に
(B)成分の質量比が0.95を超えると、塗膜の造膜
性が悪くなり、塗膜の耐摩耗性の悪化や塗膜の白化の原
因になるおそれもある。
【0023】(B)成分を(A)成分に均一に分散させ
てコーティング材を調製する方法としては、特に限定さ
れるものではないが、ホモジナイザー、ディスパー、ペ
イントシェイカー、ビーズミル等を用いた通常の各種の
分散方法を用いることができる。
【0024】そして、上記のように調製されたコーティ
ング材をベースのフィルムの表面に塗装して塗膜を形成
することによって、防汚性フィルムを作製することがで
きるものである。塗布の方法は特に制限されるものでは
ないが、例えば刷毛塗り、スプレーコート、浸漬(ディ
ッピング、ディップコート)、ロールコート、フローコ
ート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、
バーコート等の通常の塗布方法を選択することができ
る。塗膜の硬化方法については、公知の方法を用いれば
良く、硬化の際の温度などは特に限定されないものであ
り、所望される硬化塗膜性能や硬化触媒の使用の有無等
に応じて常温から高温までの広い温度範囲をとることが
できる。ベースのフィルムの表面に塗装される塗膜の厚
みは、特に限定されるものではなく、例えば0.05〜
10μm程度の範囲であればよいが、フィルムに長期的
に安定して密着・保持され、且つクラックや剥離が発生
しないためには、0.05〜2μmの範囲が好ましく、
0.1〜1μmの範囲がより好ましい。
【0025】このように、ベースのフィルムの表面に上
記のコーティング材で形成される塗膜は、親水性であっ
て表面の水接触角が小さく、水に対して非常に濡れ易く
なっている。従って親油性の汚れが付着し難いと共に汚
れが付着しても雨水等によって容易に洗い流されるもの
であり、高い防汚性を有するものである。そしてこの防
汚性フィルムは基材の表面にベースのフィルムを熱融着
して容易に貼り付けることができるものであり、基材の
表面に高い防汚性能を与えることができるものである。
またこの防汚性は光触媒による光触媒性を利用したもの
ではないので、紫外線が照射されない場所においても高
い防汚性能を発揮させることができるものである。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)により、測定機種として東ソ
ー株式会社製「HLC8020」を用いて、標準ポリス
チレンで検量線を作成し、その換算値として測定したも
のである。
【0027】(実施例1)テトラエトキシシラン208
質量部にメタノール356質量部を加え、さらに水18
質量部及び0.01Nの塩酸18質量部を加え、これを
ディスパーを用いて良く混合した。得られたテトラエト
キシシラン分散液を60℃恒温槽中で10時間加熱し、
さらに40℃で1時間反応して、重量平均分子量を15
000に調整した(A)成分の4官能シリコーンレジン
を得た。次に、この(A)成分の4官能シリコーンレジ
ンに、(B)成分としてシリカゾル(日産化学工業株式
会社製「ST−O」:粒径10〜20nm)を、縮合物
換算で固形分比率(B/(A+B))が0.65となる
ように添加し、40℃で1時間、重合反応させた後に、
全固形分が5質量%になるようにメタノールで希釈する
ことによって、無機コーティング材を調製した。
【0028】そして、PETフィルム(ダイヤホイルヘ
キスト社製「T100」:厚み50μm)の表面に、こ
のコーティング材をバーコータ塗装機で乾燥硬化膜厚が
0.5μmに成るように塗布し、120℃で20秒間硬
化させて塗膜を形成することによって、防汚性フィルム
を得た。
【0029】(実施例2)(A)成分に(B)成分を固
形分比率(B/(A+B))が0.90となるように添
加した他は、実施例1と同様にして無機コーティング材
を調製し、あとは実施例1と同様にして防汚性フィルム
を得た。
【0030】(実施例3)(B)成分としてシリカメタ
ノールゾル(日産化学工業株式会社製「MA−ST−
M」:粒径20〜30nm)を用いるようにした他は、
実施例1と同様にして無機コーティング材を調製し、あ
とは実施例1と同様にして防汚性フィルムを得た。
【0031】(実施例4)テトラエトキシシラン分散液
を60℃恒温槽中で24時間加熱するようにした他は実
施例1と同様にして、重量平均分子量を80000に調
整した(A)成分の4官能シリコーンレジンを得た。そ
してこの(A)成分を用いるようにした他は、実施例1
と同様にして無機コーティング材を調製し、あとは実施
例1と同様にして防汚性フィルムを得た。
【0032】(実施例5)(A)成分に(B)成分を固
形分比率(B/(A+B))が0.45となるように添
加した他は、実施例1と同様にして無機コーティング材
を調製し、あとは実施例1と同様にして防汚性フィルム
を得た。
【0033】(比較例1)テトラエトキシシラン分散液
を60℃恒温槽中で3時間加熱するようにした他は実施
例1と同様にして、重量平均分子量を1200に調整し
た(A)成分の4官能シリコーンレジンを得た。そして
この(A)成分に(B)成分を固形分比率(B/(A+
B))が0.80となるように添加した他は、実施例1
と同様にして無機コーティング材を調製し、あとは実施
例1と同様にして防汚性フィルムを得た。
【0034】上記のように実施例1〜5及び比較例1で
得た防汚性フィルムについて、塗膜の外観評価、実曝評
価、塗膜初期の水の接触角測定を行なった。
【0035】外観評価は、製膜直後の塗膜を、特に白華
の有無、塗装液のはじき、よりに注目して外観観察して
おこなった。
【0036】実曝評価は、製膜後の防汚性フィルムを、
屋外南面90度で60日間実曝放置した後、外観観察し
て行ない、雨すじなしを「○」、雨すじ少しありを
「△」、雨すじありを「×」として評価した。
【0037】塗膜初期の水の接触角の測定は、製膜直後
に、塗膜の表面に0.2ccの蒸留水を滴下した後に、
拡大カメラで観察して角度測定することによって行なっ
た。これらの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1にみられるように、各実施例のもの
は、接触角が小さく、親水性が良好であって防汚性が高
いことが確認される。
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る防
汚性フィルムは、(A)成分:Si(OR14で表され
る(但しR1は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示す)有機ケイ素アル
コキシドの加水分解縮重合物及び部分加水分解縮重合
物、(B)成分:シリカ、の(A)成分及び(B)成分
を含み、(A)成分の重合物の重量平均分子量が100
00以上である組成のコーティング材による塗膜を、熱
融着可能なフィルムの表面に設けることによって形成す
るようにしたものであるから、塗膜は親水性であって表
面の水接触角が小さく、汚れが付着しても雨水等によっ
て容易に洗い流されるものであって、高い防汚性を有
し、しかも紫外線が照射されない場所においても高い防
汚性能を発揮させることができるものであり、そしてこ
の防汚性フィルムは基材の表面に熱融着して容易に貼り
付けることができ、基材の表面に高い防汚性能を与える
ことができるものである。
【0041】また請求項2の発明は、(A)成分と
(B)成分の固形分の合計100質量部に対し、(B)
成分を60〜95質量部含む組成のコーティング材で塗
膜を形成するようにしたので、親水性の高い塗膜を造膜
性良く形成することができるものである。
【0042】また請求項3の発明は、熱融着可能なフィ
ルムが、2種以上のフィルムを積層した合わせフィルム
であるので、異なる性質のフィルムを組み合わせて用い
ることによって、性能を向上させることが容易になるも
のである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB39 BA11 CA00 DA04 4F100 AA20A AA20H AK01B AK42 AK52A BA02 EC03B EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ86 EJ862 GB07 JB16B JL06 JM02A 4J038 DL021 HA446 NA05 NA06 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分:Si(OR14で表される
    (但しR1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価炭化水素基を示す)有機ケイ素アルコ
    キシドの加水分解縮重合物及び部分加水分解縮重合物 (B)成分:シリカの(A)成分及び(B)成分を含
    み、(A)成分の重合物の重量平均分子量が10000
    以上である組成のコーティング材による塗膜が、熱融着
    可能なフィルムの表面に形成されて成ることを特徴とす
    る防汚性フィルム。
  2. 【請求項2】 (A)成分と(B)成分の固形分の合計
    100質量部に対し、(B)成分を60〜95質量部含
    む組成のコーティング材で塗膜が形成されて成ることを
    特徴とする請求項1に記載の防汚性フィルム。
  3. 【請求項3】 熱融着可能なフィルムが、2種以上のフ
    ィルムを積層した合わせフィルムであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の防汚性フィルム。
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