JP2002346697A - 鋳型造型方法およびその装置 - Google Patents

鋳型造型方法およびその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】模型板、鋳枠、複数のスクイズフット等によっ
て画成した砂充填空間に充填した鋳物砂のうち特に上部
のものを、予備圧縮後本圧縮される時に移動可能にす
る。 【解決手段】模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクと複数
のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、か
つ、複数のスクイズフットが模型板の模型部とで所要の
間隔を成すように複数のスクイズフットをそれぞれ上昇
あるいは下降させる。砂充填空間に鋳物砂を充填した
後、模型板に対してサンドタンクおよび複数のスクイズ
フットを相互に接近させて鋳物砂を予備圧縮する。予備
圧縮される鋳物砂がその後本圧縮される時に移動可能な
範囲で固化した時点で下降しているスクイズフットを上
昇させる。模型板に対してサンドタンクおよび複数のス
クイズフットをさらに相互に接近させて砂充填空間の鋳
物砂を本圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型造型方法およ
びその装置に係り、より詳しくは、模型板と鋳枠と盛枠
とサンドタンクとエアシリンダによって昇降する複数の
スクイズフットとによって砂充填空間を画成し、前記鋳
枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一にしかつ前記鋳
型のキャビティ面の背面にあたる面が前記鋳枠の表面と
ほぼ同一になるように鋳型を造型する方法およびその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、鋳枠内の鋳型の密度
をほぼ均一にしかつ前記鋳型におけるキャビティ面の背
面にあたる面が前記鋳枠の表面とほぼ同一になるように
すべく鋳物砂の充填方法およびその装置と、この鋳物砂
の充填方法を利用した鋳型の造型方法およびその装置を
提供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように構
成された鋳型造型方法では、吹き込まれた鋳物砂が複数
のスクイズフットの間に進入したり、鋳物砂が予備圧縮
時に固化したりして本圧縮時に鋳物砂が適宜移動するこ
とができず、その結果、造型された鋳型はほぼ均一の密
度を有するという所望の特性が得られないなどの問題が
あった。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、模型板、鋳枠、複数のスクイズフット
等によって画成した砂充填空間に充填した鋳物砂のうち
特に上部のものを、予備圧縮後本圧縮される時に移動可
能にした鋳型造型方法およびその装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するのための手段】上記の目的を達成する
ために請求項1における鋳型造型方法は、模型板と鋳枠
と盛枠とサンドタンクとエアシリンダによって昇降する
複数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、
この砂充填空間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型
される鋳型の密度をほぼ均一にしかつ前記鋳型における
キャビティ面の背面にあたる面が前記鋳枠の表面とほぼ
同一になるように鋳型を造型する方法であって、前記模
型板と前記鋳枠と前記盛枠と前記サンドタンクと前記複
数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、か
つ、前記複数のスクイズフットが前記模型板の模型部と
で所要の間隔を成すように前記複数のスクイズフットを
それぞれ上昇あるいは下降させる工程と、前記砂充填空
間に鋳物砂を充填した後、前記模型板に対して前記サン
ドタンクおよび複数の前記スクイズフットを相互に接近
させて前記鋳物砂を予備圧縮する工程と、この予備圧縮
される鋳物砂がその後本圧縮される時に移動可能な範囲
で固化した時点で前記下降しているスクイズフットを上
昇させる工程と、前記模型板に対して前記サンドタンク
および前記複数のスクイズフットをさらに相互に接近さ
せて前記砂充填空間の鋳物砂を本圧縮する工程と、を含
むことを特徴とする。
【0006】
【実施例1】以下、本発明を適用した鋳型造型機の一実
施例について図1および図2に基づき詳細に説明する。図
1に示すように、本鋳型造型機は、定盤状の搬送部材1
上に取り付けられた模型板2と、模型板2上に載置可能
に配設された鋳枠3と、鋳枠3の上方に昇降可能に配設
された盛枠4と、前記鋳枠3の上方に昇降可能に配設さ
れかつ下部が前記盛枠4に摺動自在に嵌合するサンドタ
ンク5と、このサンドタンク5の下部にエアシリンダ6
によって昇降可能に装着された複数のスクイズフット7
・7と、で構成してある。
【0007】なお、前記搬送部材1は、2個設けてあっ
て水平回転アーム8・8を介して前記盛枠4の真下に入
出でき、かつ、後述の機台14に装着された位置決めシ
リンダ9の伸長作動により位置決めシリンダ9のピスト
ンロッドが搬送部材1の凹みに進入して位置決めされ
る。また、前記搬送部材1・1のそれぞれには前記模型
板2に上下摺動自在に環装された枠状の抜型フレ−ム1
0が上昇可能に装着してあり、抜型フレ−ム10・10
のそれぞれは、後述の機台14に装着された上向きシリ
ンダ11・11の伸長作動によって上昇するようになっ
ている。
【0008】また、前記鋳枠3は、つば付きローラコン
ベヤ12を介して前記模型板2の真上に入出し、かつ、
前記つば付きローラコンベヤ12を介して昇降するよう
に構成してあり、つば付きローラコンベヤ12は昇降フ
レーム13の下面に垂設してある。昇降フレーム13
は、機台14の左右に立設された2本の上向きシリンダ
15・15のピストンロッドの上端間に架設してあっ
て、シリンダ15・15の伸縮作動により昇降するよう
になっている。そして、シリンダ15・15の油圧回路
19には前記スクイズフット7への反力を検出する検出
手段としての圧力センサ20が装着してあって、スクイ
ズフット7に負荷する力が設定値よりも大きくなると、
圧力センサ20からの信号により、伸長作動しているエ
アシリンダ6・6は収縮作動するようになっている。
【0009】また、前記盛枠4は、前記サンドタンク5
の左右外側面に装着された複数本のシリンダ16・16
を介して昇降可能に配設してあり、かつ前記盛枠4には
図示しない排気制御チャンバ−に通じるベントホ−ル1
7・17が穿設してある。また、前記サンドタンク5は
前記昇降フレーム13にこれを上下に貫通して装着して
あり、かつ、下部が二股状になっていて砂噴出口18・
18が左右に2個設けてある。
【0010】次にこのように構成したものの作動につい
て説明する。まず、図2のイに示すように、位置決めシ
リンダ9を伸長作動して搬送部材1を機台14に位置決
めし、上向きシリンダ11・11の伸長作動により抜型
フレ−ム10を上昇させ、シリンダ15・15を収縮作
動して抜型フレ−ム10上に鋳枠3を載置し、シリンダ
15・15を伸長作動して盛枠4を鋳枠3上に載せ、中
央部のエアシリンダ6を伸長作動してスクイズフット7
を下降させ、これにより、模型板2と抜型フレ−ム10
と鋳枠3と盛枠4とサンドタンク5と前記複数のスクイ
ズフット7・7とによって砂充填空間Hを画成し、か
つ、前記複数のスクイズフット7・7が前記模型板2の
模型部とで所要の間隔を成すようにする。すなわち、鋳
物砂の圧縮前におけるスクイズフット7・7とこれと相
互に対向する前記模型板2の模型部とで成す複数の間隔
をA,Bとし、圧縮後におけるそれらをa,bとすると、
これらの割合a/Aおよびb/Bが、ほぼa/A=b/
Bの関係になるようにする。
【0011】次いで、図2のロに示すように、サンドタ
ンク5から砂充填空間内Hに鋳物砂を充填し、続いて、
図2のハに示すように、シリンダ15・15を収縮作動
してサンドタンク5、スクイズフット7・7等を下降さ
せて砂充填空間H内の鋳物砂を予備圧縮する。次いで、
シリンダ15・15をさらに収縮作動してサンドタンク
5、スクイズフット7・7等を下降させ、かつ、予備圧
縮される鋳物砂がその後本圧縮される時に移動可能な範
囲で固化した時点で、伸長作動してスクイズフット7が
下降しているエアシリンダ6を収縮作動してそのスクイ
ズフット7を上昇させる。これにより、予備圧縮された
鋳物砂の上部中央付近には凹みが形成される。なお、予
備圧縮される鋳物砂がその後本圧縮される時に移動可能
な範囲で固化したことを、油圧回路19に装着した圧力
センサ20によって検出する。
【0012】次いで、図2のニに示すように、シリンダ
11・11を収縮作動して抜型フレ−ム10を下降させ
るとともにシリンダ15・15をさらに収縮作動してサ
ンドタンク5、スクイズフット7・7等をさらに下降さ
せて砂充填空間H内の鋳物砂を本圧縮する。この場合、
本圧縮の過程で、上部鋳物砂の一部分が容易に移動して
凹み内に移動し、その結果、砂充填空間内の鋳物砂は全
体がほぼ均一にして所要の密度に固化されることとな
る。
【0013】その後、シリンダ15・15を伸長作動し
て鋳枠3等を上昇させて型抜きを行い、さらに、シリン
ダ16・16を伸長作動して盛枠4を元に戻し、続いて、つ
ば付きローラコンベヤ12を介して鋳型内臓の鋳枠3を
搬出するとともに空の鋳枠3を搬入して一サイクルを終
了する。
【0014】なお、上記の実施例では、スクイズフット
7への反力を検出する検出手段として油圧回路19に圧
力センサ20を装着したが、これに限定されるものでは
なく、例えば、エアシリンダ6に圧力センサを設けた
り、スクイズフット7にロードセルを設けてもよい。
【0015】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1における鋳型造型方法は、模型板と鋳枠と盛枠とサン
ドタンクとエアシリンダによって昇降する複数のスクイ
ズフットとによって砂充填空間を画成し、この砂充填空
間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の
密度をほぼ均一にしかつ前記鋳型におけるキャビティ面
の背面にあたる面が前記鋳枠の表面とほぼ同一になるよ
うに鋳型を造型する方法であって、前記模型板と前記鋳
枠と前記盛枠と前記サンドタンクと前記複数のスクイズ
フットとによって砂充填空間を画成し、かつ、前記複数
のスクイズフットが前記模型板の模型部とで所要の間隔
を成すように前記複数のスクイズフットをそれぞれ上昇
あるいは下降させる工程と、前記砂充填空間に鋳物砂を
充填した後、前記模型板に対して前記サンドタンクおよ
び複数の前記スクイズフットを相互に接近させて前記鋳
物砂を予備圧縮する工程と、この予備圧縮される鋳物砂
がその後本圧縮される時に移動可能な範囲で固化した時
点で前記下降しているスクイズフットを上昇させる工程
と、前記模型板に対して前記サンドタンクおよび前記複
数のスクイズフットをさらに相互に接近させて前記砂充
填空間の鋳物砂を本圧縮する工程と、を含むから、模型
板、鋳枠、複数のスクイズフット等によって画成した砂
充填空間に充填した鋳物砂のうち特に上部のものを、予
備圧縮後本圧縮される時に移動可能になるなどの優れた
実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部断面正面図である。
【図2】図1における作動説明図である。
【符号の説明】
2 模型板 3 鋳枠 4 盛枠 7 スクイズフット 20 圧力センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとエ
    アシリンダによって昇降する複数のスクイズフットとに
    よって砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の
    圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均
    一にしかつ前記鋳型におけるキャビティ面の背面にあた
    る面が前記鋳枠の表面とほぼ同一になるように鋳型を造
    型する方法であって、前記模型板と前記鋳枠と前記盛枠
    と前記サンドタンクと前記複数のスクイズフットとによ
    って砂充填空間を画成し、かつ、前記複数のスクイズフ
    ットが前記模型板の模型部とで所要の間隔を成すように
    前記複数のスクイズフットをそれぞれ上昇あるいは下降
    させる工程と、前記砂充填空間に鋳物砂を充填した後、
    前記模型板に対して前記サンドタンクおよび複数の前記
    スクイズフットを相互に接近させて前記鋳物砂を予備圧
    縮する工程と、この予備圧縮される鋳物砂がその後本圧
    縮される時に移動可能な範囲で固化した時点で前記下降
    しているスクイズフットを上昇させる工程と、前記模型
    板に対して前記サンドタンクおよび前記複数のスクイズ
    フットをさらに相互に接近させて前記砂充填空間の鋳物
    砂を本圧縮する工程と、を含むことを特徴とする鋳型造
    型方法。
  2. 【請求項2】模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとエア
    シリンダによって昇降する複数のスクイズフットとによ
    って砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の圧
    縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一
    にしかつ前記鋳型におけるキャビティ面の背面にあたる
    面が前記鋳枠の表面とほぼ同一になるように鋳型を造型
    する装置であって、前記模型板と、この模型板上に載置
    可能に配設された鋳枠と、この鋳枠の上方に昇降可能に
    配設された盛枠と、前記鋳枠の上方に昇降可能に配設さ
    れたサンドタンクと、このサンドタンクの下部にエアシ
    リンダによって昇降可能に装着された複数のスクイズフ
    ットと、これら複数のスクイズフットへの反力を検出す
    る検出手段と、を含み、これにより、前記砂充填空間に
    充填した鋳物砂を予備圧縮し、その後本圧縮される時に
    当該鋳物砂が移動可能な範囲で固化した時点で前記下降
    しているスクイズフットを上昇させることを特徴とする
    鋳型造型装置。
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