JP4296483B2 - 鋳型造型方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘り込みの深い模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとシリンダによって昇降する複数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一になるように鋳型を造型する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとシリンダによって昇降する複数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一になるように鋳型を造型する方法は一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2002−336936号公報(第5〜7頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の鋳型造型方法においては、模型板に深い堀り込みがある場合、この深い掘り込み部に鋳物砂が十分には充填されず鋳型の密度が不均一になる問題があった。本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、模型板に深い堀り込みがある場合においても、鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一にできる鋳型造型方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明における鋳型造型方法は、掘り込みの深い模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとシリンダによって昇降する複数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一になるように鋳型を造型する方法であって、サンドタンクに設けられた砂噴出口より前記砂充填空間に砂を充填する砂充填を2回行い、第1回目の砂充填である該砂充填空間への砂入れ高さを鋳枠の高さよりも低い状態にして充填後、模型板の掘り込みに対応するスクイズフットを下降させて仮圧縮し、次に、第2回目の砂充填である前記砂充填空間への砂入れ高さを盛枠の高さと同じにして充填後、砂充填空間の鋳物砂を凹凸の無い状態に並べたスクイズフット、盛枠及び鋳枠を一体的に下降させて本圧縮することを特徴とする。
【0007】
ここで掘り込みの深い模型板とは、通常セグメントフットを昇降させる前記シリンダのストロークで1回では造型できない圧縮率の差が他の部分に対してある島を造型するための模型板をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した鋳型造型機の一実施例について図面に基づき詳細に説明する。図1に示すように、本鋳型造型機は、定盤状の搬送部材1上に取り付けられた模型板2と、模型板2上に載置可能に配設された鋳枠3と、鋳枠3の上方に昇降可能に配設された盛枠4と、前記鋳枠3の上方に昇降可能に配設されかつ下部が前記盛枠4に摺動自在に嵌合するサンドタンク5と、このサンドタンク5の下部にシリンダ6によって昇降可能に装着された複数のスクイズフット7、7と、で構成してある。
【0009】
なお、前記搬送部材1は、2個設けてあって水平回転アーム8、8を介して前記盛枠4の真下に入出でき、かつ、後述の機台14に装着された位置決めシリンダ9の伸長作動により位置決めシリンダ9のピストンロッドが搬送部材1の凹みに進入して位置決めされる。また、前記搬送部材1、1のそれぞれには前記模型板2に上下摺動自在に環装された枠状の抜型フレ−ム10が上昇可能に装着してあり、抜型フレ−ム10、10のそれぞれは、後述の機台14に装着された上向きシリンダ11、11の伸長作動によって上昇するようになっている。
【0010】
また、前記鋳枠3は、つば付きローラコンベヤ12を介して前記模型板2の真上に入出し、かつ、前記つば付きローラコンベヤ12を介して昇降するように構成してあり、つば付きローラコンベヤ12は昇降フレーム13の下面に垂設してある。昇降フレーム13は、機台14の左右に立設された2本の上向きシリンダ15、15のピストンロッドの上端間に架設してあって、シリンダ15、15の伸縮作動により昇降するようになっている。
【0011】
また、前記盛枠4は、前記サンドタンク5の左右外側面に装着された複数本のシリンダ16、16を介して昇降可能に配設してあり、かつ前記盛枠4には図示しない排気制御チャンバ−に通じるベントホ−ル17、17が穿設してある。また、前記サンドタンク5は前記昇降フレーム13にこれを上下に貫通して装着してあり、かつ、下部が二股状になっていて砂噴出口18、18が左右に2個設けてある。
【0012】
次にこのように構成したものの作動について説明する。まず、図2(イ)に示すように、位置決めシリンダ9を伸長作動して搬送部材1を機台14に位置決めし、上向きシリンダ11、11の伸長作動により抜型フレ−ム10を上昇させ、シリンダ15、15を収縮作動して抜型フレ−ム10上に鋳枠3を載置し、シリンダ16、16を伸長作動して盛枠4を鋳枠3上に載せ、これにより、模型板2と抜型フレ−ム10と鋳枠3と盛枠4とサンドタンク5と前記複数のスクイズフット7、7とによって第1回目の砂充填空間H(鋳枠3の高さよりも低い状態すなわち鋳枠3内に砂充填空間)を画成する。
【0013】
次いで、図2(ロ)に示すように、鋳枠3中でサンドタンク5から砂充填空間内Hに鋳物砂を充填し、続いて、図3(イ)に示すように、シリンダ6、6を伸長作動してスクイズフット7、7を下降させて模型板2の掘り込み部に対応する鋳物砂を仮圧縮する。次いで、シリンダ15、15を伸長作動して図3(ロ)に示すように、模型板2と抜型フレ−ム10と鋳枠3と盛枠4とサンドタンク5と前記複数のスクイズフット7、7とによって第2回目の砂充填空間H(盛枠4の高さ位置と同じ高さの砂充填空間)を画成し、この第2回目の砂充填空間Hに図4(イ)に示すように鋳物砂を充填し、図4(ロ)に示すようにシリンダ11、11を収縮作動して抜型フレーム10を下降させるとともにシリンダ15、15をさらに収縮作動してサンドタンク5、スクイズフット7、7等をさらに下降させて砂充填空間H内の鋳物砂を本圧縮する。その後、シリンダ15、15を伸長作動して鋳枠3等を上昇させて型抜きを行い、さらに、シリンダ16、16を伸長作動して盛枠4を元に戻し、続いて、つば付きローラコンベヤ12を介して鋳型内臓の鋳枠3を搬出するとともに空の鋳枠3を搬入して1サイクルを終了する。
【0014】
【発明の効果】
本発明は上記の説明から明らかなように、砂充填を2回行い、第1回目の砂充填である該砂充填空間への砂入れ高さを鋳枠の高さよりも低い状態にして充填後、模型板の堀り込みに対応するスクイズフットを下降させて仮圧縮し、次に、第2回目の砂充填である前記砂充填空間への砂入れ高さを盛枠の高さと同じにして充填後、砂充填空間の鋳物砂を凹凸の無い状態に並べたスクイズフット、盛枠及び鋳枠を一体的に下降させて本圧縮することを特徴とするから、模型板に深い掘り込み部分があるものについても、密度がほぼ均一な鋳型を造型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部断面正面図である
【図2】(イ):第1回目の砂充填空間画成状態を示す作動説明図である。
(ロ):第1回目の砂充填空間への砂充填状態を示す作動説明図である。
【図3】(イ):第1回目の砂充填空間の砂の仮圧縮状態を示す作動説明図である。
【図4】(イ):第2回目の砂充填空間への砂充填状態を示す作動説明図である。
(ロ):第2回目の砂充填空間の砂の本圧縮状態を示す作動説明図である。
【符号の説明】
1 搬送部材
2 模型板
3 鋳枠
4 盛枠
5 サンドタンク
6 シリンダ
7 スクイズフット
8 水平回転アーム
9 位置決めシリンダ
10 抜型フレーム
11 シリンダ
12 つば付きローラコンベヤ
13 昇降フレーム
14 機台
15 シリンダ
16 シリンダ
17 ベントホール
18 砂噴出口
Claims (1)
- 掘り込みの深い模型板と鋳枠と盛枠とサンドタンクとシリンダによって昇降する複数のスクイズフットとによって砂充填空間を画成し、この砂充填空間の鋳物砂の圧縮により前記鋳枠内に造型される鋳型の密度をほぼ均一になるように鋳型を造型する方法であって、サンドタンクに設けられた砂噴出口より前記砂充填空間に砂を充填する砂充填を2回行い、第1回目の砂充填である該砂充填空間への砂入れ高さを鋳枠の高さよりも低い状態にして充填後、模型板の掘り込みに対応するスクイズフットを下降させて仮圧縮し、次に、第2回目の砂充填である前記砂充填空間への砂入れ高さを盛枠の高さと同じにして充填後、砂充填空間の鋳物砂を凹凸の無い状態に並べたスクイズフット、盛枠及び鋳枠を一体的に下降させて本圧縮することを特徴とする鋳型造型方法。
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