JPH0214842Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自硬性鋳型の造型装置に関する。

（従来の技術） 従来、自硬性鋳物砂の鋳枠内への迅速なる充填
には、圧縮空気を用いたいわゆる吹込み方式が一
般に採用されているが、この吹込み方式では、砂
を吹き込むための複雑な構造のブローヘツドや、
砂が吹き出ないように鋳枠等を大きな力でクラン
プする大型のクランプ装置が必要であるなどの問
題があつた。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
砂の鋳枠内への充填に際して複雑構造のブローヘ
ツドや大型のクランプ装置が不要な自硬性鋳型の
造型装置を提供することを目的とする。

（考案の構成） 以下、本考案の構成について実施例の図面に基
づき詳細に説明する。１は長方形の上面を有する
基台であり、該基台１の四隅にはガイドロツド
２，２が立設され、該ガイドロツド２，２の上端
間には枠状のフレーム３が架設されている。ま
た、該ガイドロツド２，２間には矩形板状の振動
テーブル４がブツシユ５，５を介して上下摺動自
在に装架され、該振動テーブル４の下面中央部に
は、基台１上に固設された上向きのシリンダ６の
ピストンロツド６ａの上端が固着されている。そ
して、該シリンダ６には電気油圧サーボバルブ７
が装着され、該サーボバルブ７は油圧源８に連通
接続されている。９はサードバルブ７に連通され
た油タンクである。１０は振動テーブル４上に固
定された模型板であり、該模型板１０の内部には
図示しない真空レシーバタンクに連通接続された
中空室１１が形成されており、さらに模型板１０
の上面は複数のベントホール１２，１２を介して
中空室１１に連通されている。１３は図示しない
ガイドピンを介して位置決めされて模型板１０上
に載置された鋳枠である。１４は振動テーブル４
の上方に配設されて、模型板１０上の鋳枠１３の
上端開口部を閉鎖する閉鎖板であり、該閉鎖板１
４は閉鎖板１４の左右両側面に突設された掛止部
１４ａ，１４ａを介してＬ字状のフレーム１５，
１５に掛止されており、該フレーム１５，１５は
図示しないシリンダをもつて昇降可能に配設され
ている。そして、該閉鎖板１４の上面には漏斗状
のホツパ１６が設置されかつ閉鎖板１４における
ホツパ１６の下端開口部と対向する位置には開口
１７が形成されている。また、閉鎖板１４の内部
には図示しない真空レシーバタンクに連通接続さ
れた中空室１８が形成され、さらに閉鎖板１４の
下面は複数のベントホール１９，１９を介して中
空室１８に連通されている。また、前記フレーム
１５，１５の下部位置には、前記閉鎖板１４の掛
止部１４ａ，１４ａを摺動自在に貫通する頭付ガ
イドロツド２０，２０が立設され、該頭付ガイド
ロツド２０，２０における掛止部１４ａ，１４ａ
の上面位置には圧縮コイルばね２１，２１が環装
されている。２２はホツパ１６の下部に設けられ
たスライドゲートであり、該スライドゲート２２
は閉鎖板１４上に固設された横向きシリンダ２３
のピストンロツド２３ａの先端に連結されてい
る。

（考案の作用） 次にこのように構成された装置の作用について
説明する。図示しないシリンダの伸長作動により
フレーム１５，１５を下降させて閉鎖板１４を鋳
枠１３上に載せるとともにガイドロツド２０の頭
と閉鎖板１４の掛止部１４ａ，１４ａとで圧縮コ
イルばね２１，２１を圧縮し（第１図参照）、こ
れにより中空室Ｃを画成するとともに閉鎖板１４
と鋳枠１３とをクランプ状態にする。次いで、自
硬性鋳型造型用鋳物砂Ｓを中空室Ｃの容積と同量
ホツパ１６内に投入し、続いて電気油圧サーボバ
ルブ７を作動してシリンダ６のヘツド側およびロ
ツド側に圧油を高速で交互に供給・排出させてピ
ストンロツド６ａを上下動させ、これにより振動
テーブル４を介して模型板１０、鋳枠１３および
閉鎖板１４を上下に振動させ、さらに、中空室１
１，１８を図示しない真空レシーバタンクに連通
させて中空室１１，１８を介して中空室Ｃ内を吸
引減圧する。この状態の下にシリンダ２３を収縮
作動してスライドゲート２２を開くと、ホツパ１
６内の鋳物砂Ｓは開口１７を通つて中空室Ｃ内に
吸い込まれて充填せしめられる。この場合、中空
室Ｃ内が上下のベントホール１２，１９から吸引
減圧作用を受けているとともに、中空室Ｃ内に入
つた鋳物砂が振動により鋳物砂粒子相互間並びに
模型板１０および鋳枠１３との摩擦抵抗が小さく
されるため、鋳物砂Ｓは隅々に移動せしめられて
中空室Ｃ内全体にわたつて均一に吸込み充填され
る。鋳物砂の充填完了後、中空室Ｃへの吸引作用
とサーボバルブ７の作動とを停止し、かつシリン
ダ２３を伸長作動してスライドゲート２２を閉じ
る。次いで、図示しないシリンダの収縮作動によ
りフレーム１５，１５を介して閉鎖板１４を上昇
させ鋳枠１３から分離し、鋳枠１３内の鋳物砂が
硬化するまで模型板１０と鋳枠１３との重合状態
を維持したのち当該硬化砂内蔵の鋳枠１３を模型
板１０から分離させて所望の鋳型を得る。

なお、上記の実施例では振動テーブル４の振動
は、電気油圧サーボバルブ７を付設したシリンダ
６により行つているが、別の振動手段でもよく、
例えば第２図に示すようにクランク機構３０を採
用してよい。すなわち、駆動軸に円盤３１を嵌着
したモータ３２を基台１上に設置し、該円盤３１
の一側部に接手ピン３３を介してリンク３４の一
端を上下回動自在に取り付け、該リンク３４の他
端に接手ピン３５およびブラケツト３６を介して
振動テーブル４の下面を接続して振動テーブル４
の下面にクランク機構３０を構成し、これにより
モータ３２の駆動軸の回転運動を上下運動に変え
て振動テーブル４を上下振動させるようにしても
よい。

また、フレーム１５を介して閉鎖板１４を昇降
させる代りに、シリンダで基台１を昇降させて振
動テーブル４、模型板１０、鋳枠１３等を昇降さ
せるようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明からも明らかなように本考案によれ
ば、模型板上の鋳枠内を吸引減圧して当該鋳枠内
に鋳物砂を吸い込むとともに、模型板等を振動さ
せて鋳枠内の鋳物砂粒子相互間および鋳物砂と模
型板等との摩擦抵抗を小さくするようにしたた
め、大型のクランプ装置や、複雑構造のブローヘ
ツドを要することなく鋳物砂を鋳枠内に均一にし
て適確に充填せしめることが可能になるなどの優
れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一つの実施例を示す一部断面
正面図、第２図は本考案の他の実施例を示す一部
断面正面図である。 ４……振動テーブル、６……シリンダ、７……
電気油圧サーボバルブ、１２……ベントホール、
１３……鋳枠、１４……閉鎖板、１５……フレー
ム、１６……ホツパ、１７……開口、１８……中
空室、３０……クランク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台１上に上下振動手段を介して振動テーブル
   ４を上下振動可能に支持し、該振動テーブル４の
   上方に、鋳枠１３の上端開閉部を閉鎖する閉鎖板
   １４をフレーム１５，１５を介して振動テーブル
   ４に対し相対的に昇降可能に配設し、かつ該閉鎖
   板１４を該フレーム１５，１５に対して上下動可
   能に支持し、該閉鎖板１４の内部に、真空サージ
   タンクに連通接続された中空室１８を形成し、閉
   鎖板１４の下面に該中空室１８と連通するベンド
   ホール１９を穿設し、閉鎖板１４の上面には下部
   位置にスライドゲート２２を備えたホツパ１６を
   設け、さらに閉鎖板１４におけるホツパ１６の下
   端開口部と対向する位置には開口１７を形成した
   ことを特徴とする自硬性鋳型の造型装置。