JPH0214841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自硬性鋳型の造型装置に関する。

（従来の技術） 従来、自硬性鋳物砂の鋳枠内への迅速なる充填
方法としては、一般に圧縮空気を用いた吹込み方
式が採用されているが、この吹込み方式では、砂
を吹き込むための複雑な構造のブローヘツドや、
砂が吹き出ないように鋳枠等を大きな力でクラン
プする大型のクランプ装置が必要であるなどの問
題があつた。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
砂の鋳枠内への充填に際して複雑構造のブローヘ
ツドや大型のクランプ装置が不要な自硬性鋳型の
造型装置を提供することを目的とする。

（考案の構成） 以下、本考案の構成について実施例の図面に基
づき詳細に説明する。１は上向きのシリンダ２を
介して昇降可能に設けられた昇降テーブルであ
り、該昇降テーブル１の上面には、下面に複数の
発振器３，３を装着した振動テーブル４が複数の
コイルばね５，５で弾性支持されて設置されてい
る。６は振動テーブル４上に固定された模型板で
あり、該模型板６の内部には図示しない真空レシ
ーバタンクに連通接続された中空室７が形成さ
れ、さらに模型板６の上面は複数のベントホール
８，８を介して中空室７に連通されている。９は
図示しないガイドピンを介して位置決めされて模
型板６上に載置された鋳枠である。１０は振動テ
ーブル４の上方に配設されて、模型板６上の鋳枠
９の上端開口部を閉鎖する閉鎖板であり、該閉鎖
板１０は閉鎖板１０の左右両側面に突設された掛
止部１０ａ，１０ａを介してＬ字状のフレーム１
１，１１に掛止されている。そして、該閉鎖板１
０の上面には漏斗状のホツパ１２が設置されかつ
閉鎖板１０におけるホツパ１２の下端開口部の真
下位置には開口１３が形成されている。また、閉
鎖板１０の内部には図示しない真空レシーバタン
クに連通接続された中空室１４が形成され、さら
に閉鎖板１０の下面は複数のベントホール１５，
１５を介して中空室１４に連通されている。ま
た、前記フレーム１１，１１の下部位置には、前
記閉鎖板１０の掛止部１０ａ，１０ａを摺動自在
に貫通する頭付ガイドロツド１６，１６が立設さ
れ、該頭付ガイドロツド１６，１６における掛止
部１０ａ，１０ａの上面位置には圧縮コイルばね
１７，１７が環装されている。１８はホツパ１２
の下部に設けられたスライドゲートであり、該ス
ライドゲート１８は閉鎖板１０上に固設された横
向きシリンダ１９のピストンロツド１９ａの先端
に連結されている。

（考案の作用） 次にこのように構成された装置の作用について
説明する。シリンダ２の伸長作動により昇降テー
ブル１を上昇させて振動テーブル４、模型板６お
よび鋳枠９を押し上げ、鋳枠９を閉鎖板１０に当
接させて模型板６、鋳枠９および閉鎖板１０によ
り中空室Ｃを画成しかつ閉鎖板１０の掛止部１０
ａ，１０ａで圧縮コイルばね１７，１７を圧縮し
て閉鎖板１０を鋳枠９に押圧する。次いで、自硬
性鋳型造型用鋳物砂Ｓを中空室Ｃの体積と同量、
ホツパ１２内に投入し、続いて発振器３，３を駆
動して振動テーブル４、模型板６、鋳枠９および
閉鎖板１０を振動させ、かつ中空室７，１４を図
示しない真空レシーバータンクに連通させて中空
室７，１４を介して中空室Ｃを吸引減圧する。こ
の状態の下にシリンダ１９を収縮作動してスライ
ドゲート１８を開くと、ホツパ１２内の鋳物砂Ｓ
は中空室Ｃ内に吸い込まれて充填せしめられる。
この場合、中空室Ｃ内が上下のベントホール８，
１５から吸引減圧作用を受けているとともに、中
空室Ｃ内に入つた鋳物砂が振動により鋳物砂粒子
相互間並びに模型板６及び鋳枠９との摩擦抵抗を
小さくされるため、鋳物砂Ｓは隅々に移動せしめ
られて中空室Ｃ内全体にわたつて均一に吸込み充
填される。鋳物砂の充填完了後、中空室Ｃへの吸
引作用と発振器３，３の駆動とを停止し、かつシ
リンダ１９を伸長作動してスライドゲート１８を
閉じる。次いでシリンダ２の収縮作動により昇降
テーブル１、模型板６、鋳物砂Ｓ内蔵の鋳枠９等
を下降させて、閉鎖板１０をフレーム１１，１１
に掛止するとともに鋳枠９を閉鎖板１０から分離
する。鋳枠９内の鋳物砂Ｓが硬化するまで模型板
６と鋳枠９との型合せ状態を維持したのち当該硬
化砂内蔵の鋳枠９を模型板６から分離させて所望
の鋳型を得る。

なお、昇降テーブル１の代りに閉鎖板１０、フ
レーム１１、頭付ガイドロツド１６、圧縮コイル
ばね１７等を昇降させるようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明からも明らかなように本考案によれ
ば、模型板上の鋳枠内を吸引減圧して当該鋳枠内
に鋳物砂を吸い込むとともに、模型板等を振動さ
せて鋳枠内の鋳物砂粒子相互間および鋳物砂と模
型板等との摩擦抵抗を小さくするようにしたた
め、大型のクランプ装置や、複雑構造のブローヘ
ツドを要することなく鋳物砂を鋳枠内に均一にし
て適確に充填せしめることが可能になるなどの優
れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す一部断面正面図
である。 ３……発振器、４……振動テーブル、９……鋳
枠、１０……閉鎖板、１１……フレーム、１２…
…ホツパ、１３……開口、１４……中空室、１５
……ベンドホール、１７……圧縮コイルばね、１
８……スライドゲート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発振器３を付設した振動テーブル４を弾性支持
   し、該振動テーブル４上に、その内部に真空レシ
   ーバータンクと連通する中空室７を形成しかつそ
   の上面に該中空室７と連通するベントホール８を
   穿設した模型板６を固定し、該模型板６の上方
   に、該模型板６上に固定した鋳枠９の上端開口部
   を閉鎖する閉鎖板１０をフレーム１１，１１を介
   して振動テーブル４に対し相対的に昇降可能に配
   設し、かつ該閉鎖板１０を該フレーム１１，１１
   に対し上下動可能に支持し、該閉鎖板１０の内部
   に、真空サージタンクに連通接続された中空室１
   ４を形成し、閉鎖板１０の下面に該中空室１４と
   連通するベントホール１５を穿設し、閉鎖板１０
   の上面には下部位置にスライドゲート１８を備え
   たホツパ１２を設け、さらに閉鎖板１０における
   該ホツパ１２の下端開口部に対向する位置には開
   口１３を形成したことを特徴とする自硬性鋳型の
   造型装置。