JPS6310201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は減圧造型鋳型の造型装置に係り、より
詳しくはホツパ内の鋳物砂を減圧造型用鋳枠内に
供給する装置の改良に関する。

本出願人はすでに特公昭52−23848号公報で開
示される減圧造型鋳型の造型装置を提供してい
る。この造型装置は、昇降可能に設けたバイブレ
ータ付テーブルに模型箱を載装するとともにテー
ブルの上方位置に、模型箱に載装される鋳枠の上
部開口と略同大の下部開口を有する鋳物砂供給用
のホツパを設け、ホツパと模型箱の各鋳枠圧着面
側に弾性体を設けて、鋳型を造型するに際して鋳
物砂の充填度を高めるための強い振動により鋳枠
と模型板との合せ面が開いてこの合せ面から鋳物
砂が落下することのないようにしたものである。

ところで、このように構成された装置は、大型
化にともなつてテーブルに付設したバイブレータ
が大きくなると、その振動力がホツパにも伝達す
るようになり、その結果、ホツパの下方位置に設
けたスライドゲートが作動不良を起したり、ホツ
パからの砂の供給量がばらついたり、ホツパの振
動がさらに他の部分にも伝わるなどの問題が発生
している。

本考案は上記のような問題を解消するためにな
されたもので、以下、図示の実施例により詳細に
説明する。

１は鋳物砂供給用のホツパで、該ホツパ１の下
部外側には通気枠箱２が取付けられ、該通気枠箱
２には、吸引口を下側に備えた適数個の吸引管３
が通気枠箱２に連通して配設されかつ、ダクトホ
ース４を介して図示しない集塵装置が連通接続さ
れている。また、通気枠箱２の下面には仕切板５
が取付けられ、該仕切板５と通気枠箱２との間に
形成された〓間にはスライドゲート６が摺動自在
に挿入され、該スライドゲート６の一側には、ブ
ラケツト８を介してホツパ１の下方部に装着され
たシリンダ９のピストンロツドの先端が連結部材
１０を介して連結されている。また、スライドゲ
ート６と仕切板５には砂出孔１１と貫通孔１２が
設けられており、該砂出孔１１と貫通孔１２には
スライドゲート６の摺動により開閉するようにな
つている。

また、ホツパ１の下方外側位置と通気枠箱２の
外側位置との四隈付近には、後述する鋳枠２０の
押圧機構１３が装着されており、該押圧機構１３
は、第３図に示すように通気枠箱２の下面に固着
された支持部材１４に載装された圧縮コイルばね
１５と、該コイルばね１５により弾性支持される
とともにその下部が支持部材１４を貫通する押え
棒１６と、該押え棒１６上端上に装着された空気
ばね１７と、ホツパ１に固着されて押え棒１６の
上昇位置を決める位置決め部材１８とで構成され
ており、該空気ばね１７は、切換弁（図示せず）
を介して図示しない圧縮空気源に連通され、上端
がブラケツト１９を介してホツパ１に固着されて
いる。２０は減圧室２１を有する鋳枠で、上部開
口がホツパ１の下部開口と略同大を成しかつ内部
には、金網で被われた孔明管２２が減圧室２１に
連通して固着され、該減圧室２１にはゴムホース
２３を介して真空ポンプ（図示せず）が接続され
ている。２４は内部に減圧室２５を有する模型箱
で、模型箱２４の表面はベントホール２６，２６
を介して減圧室２５に連通されており、減圧室２
５には開閉弁２７を介して図示しない真空ポンプ
が接続されている。２８は模型箱２４の表面に添
装された合成樹脂製フイルムで、溶湯により消失
する。２９は模型箱２４を載置するテーブルで、
空気ばね３０，３０を介して基台３１上に昇降可
能に支持され、かつ、下面にはバイブレータ３２
が装着されている。３３は、仕切板５の周縁部下
面に貼付された可撓性ゴム板等の弾性体である。
３４は鋳枠２０の左右両側面に固着されて下降す
る押え棒１６を受ける受け部材である。

このように構成された減圧造型鋳型の造型装置
により鋳型を造型する工程を順次説明すれば、ま
ず、シート状のフイルム２８を減圧作用により模
型箱２４の表面全面に添装したのち該模型箱２４
上に鋳枠２０を載置する。次いで、模型箱２４と
鋳枠２０を図示しない搬送装置によりテーブル２
９の直上方に搬送し、空気ばね３０，３０に圧縮
空気を供給してテーブル２９を上昇させ、これに
より模型箱２４をテーブル２９上に載せるととも
に模型箱２４と鋳枠２０とを上昇させて鋳枠２０
を弾性体３３を介在して仕切板５に当接させる。
続いて、押圧機構１３，１３の空気ばね１７，１
７に圧縮空気を供給して押え棒１６，１６を圧縮
コイルばね１５，１５の反発力に抗して下降させ
ると、押え棒１６，１６は受け部材３４，３４を
介して鋳枠２０を下方に押圧する。この結果、空
気ばね３０，３０が圧縮されて弾性体３３の下面
が鋳枠２０の上面から分離しない範囲内で鋳枠２
０が仕切板５から押し離なされる（第１図参照）。
次いで、シリンダ９の伸長作動によりスライドゲ
ート６を摺動させて砂出孔１１と貫通孔１２とを
開くと、ホツパ１内の鋳物砂Ｓは砂出孔１１貫通
穴１２を通り鋳枠２０内に供給される。鋳物砂Ｓ
が鋳枠２０内に満杯になつた時、シリンダ９を短
縮作動してスライドゲート６を閉じ、バイブレー
タ３２の作動により鋳枠２０内の鋳物砂に振動を
与えてその充填密度を向上させる。この場合、鋳
枠２０は仕切板５に弾性体３３を介して軟接触さ
れている上に、押え棒１６とホツパ１との間に空
気ばね１７が介在してあるため、鋳枠２０に作用
する振動がホツパ１に伝達することはない。鋳物
砂の充填完了後、バイブレータ３２の作動を停止
し、空気ばね１７，３０から圧縮空気を排出させ
て押え棒１６を上昇させるとともに鋳枠２０と模
型箱２４を下降させ、鋳枠２０の上面をフイルム
で被い、鋳枠２０の減圧室２１を減圧して孔明管
２２を介し鋳枠２０内の鋳物砂に負圧を作用させ
て鋳物砂を固化する。その後、模型箱２４内の減
圧を解いて鋳物砂内蔵の鋳枠２０を模型箱２４か
ら分離上昇させ搬送して全工程を終了する。

なお、上記の実施例では押え棒１６は空気ばね
１７の伸長作動により下降するが、気体シリンダ
の伸長作動により下降するようにしてもよく、要
は鋳枠２０を押圧するときに圧力気体を介して下
降するように構成してあればよい。

以上説明した如く本考案は、ホツパの外側面
に、圧力気体の圧力により下降して鋳枠を下方に
押圧する押え棒を装着したから、鋳枠内の鋳物砂
に振動を与える際に鋳枠をホツパに押付ける力を
調整することができる上に押え棒とホツパとの間
には圧力気体が介在しているため、鋳枠の振動が
ホツパに伝達する弊害が生じないなどの優れた実
用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
断面正面図、第２図は側面図、第３図は第２図の
Ａ−Ａ断面拡大図である。 １……ホツパ、１６……押え棒、１７……空気
ばね、２０……鋳枠、２９……テーブル、３０…
…空気ばね、３２……バイブレータ、３３……弾
性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気ばね３０，３０により昇降可能に設けられ
   たバイブレータ３２付テーブル２９の上方に鋳物
   砂供給用ホツパ１を配設し、該ホツパ１の外側面
   に、圧力気体の圧力により下降して前記テーブル
   ２９上に載置された鋳枠２０を下方に押圧する押
   え棒１６を昇降可能に装着しかつ該ホツパ１の該
   鋳枠２０と接触する下端面に弾性体３３を取付
   け、もつて、前記バイブレータ３２の作動に際
   し、前記弾性体３３の下面が前記鋳枠２０の上面
   から分離しない範囲内で押え棒１６により鋳枠２
   ０を下降せしめるようにしたことを特徴とする減
   圧造型鋳型の造型装置。