JP2002345876A - 温熱シート - Google Patents

温熱シート

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JP2002345876A
JP2002345876A JP2001157275A JP2001157275A JP2002345876A JP 2002345876 A JP2002345876 A JP 2002345876A JP 2001157275 A JP2001157275 A JP 2001157275A JP 2001157275 A JP2001157275 A JP 2001157275A JP 2002345876 A JP2002345876 A JP 2002345876A
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sheet
thermal
heating
heat
skin
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JP2001157275A
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English (en)
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Keizo Oda
桂蔵 織田
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OOSHIN SEIYAKU KK
Original Assignee
OOSHIN SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】温熱具の施用面側に温熱緩衝シートを積層し、
粘着部が設けられて、皮膚表面へ直接貼付し、温熱を付
与でき、低温火傷の発生防止、赤斑点、かぶれ、湿疹、
水疱等の皮膚障害の発生防止、剥離の際に皮膚表面を傷
つけず、施用箇所からのズレが無く、肌着等の汚損防
止、皮膚に張り付け時温熱緩衝シートが肌着の役割を果
し、肌触りや柔軟性が向上し、汗等の水分吸収、異和感
がなく、使用感の向上等ができる温熱シートを提供す
る。 【解決手段】施用箇所に温熱を付与するための温熱具4
と、この温熱具の施用面側における少なくとも温熱発生
部位7に対応する箇所に積層された温熱緩衝シート2と
からなる温熱シート1であって、この温熱シートの施用
面側における左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部
には粘着部3が設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体局所等に施用
されて、当該局所等に対して温熱を付与し、この温熱に
よって当該局所等の血行循環を促進し、代謝の改善を実
現することにより腰痛、肩こり、関節痛、神経痛、リュ
ーマチ等の慢性疼痛を除去或いは緩和させたりするため
などに用いられる温熱シートであって、特に、低温火傷
等の皮膚障害の発生を防止することにより、皮膚表面へ
の直接貼付を可能とし、取り扱い性及び使用感を向上さ
せた温熱シートに関する。
【0002】
【従来の技術】整形外科領域における慢性化した疼痛性
疾患、例えば、慢性化した腰痛、肩こり、筋肉痛、筋肉
のこり、手足の冷え、神経痛、リューマチなどは、主に
血行不良に起因しているものであり、これらの疾患に対
しては、冷やすよりも温める方が治療効果を高める場合
が多く、昔から、この人体の局所を温める治療方法は、
血行促進等の温熱効果を付与するための治療手段(温熱
療法)として広く一般的に用いられている。
【0003】従来の温熱療法としては、熱湯で温めたタ
オルやこんにゃく、湯を封入したホットパック、加熱油
を利用したパラフィン浴、トウガラシエキス等の刺激成
分を配合した湿布剤等を患部に直接施用するなどの方法
が採用されている。
【0004】しかしながら、温めたタオルやこんにゃ
く、更にホットパックやパラフィン浴等を用いる温熱療
法では、発熱温度の制御が困難であり、即ち、高温とな
りすぎて火傷をしたり、或いは低温すぎて充分な温湿布
効果が得られないなどの問題があり、又、温湿布効果が
得られる所定温度の持続性が極めて悪いため、短時間の
温湿布効果しか得られないばかりか、短時間で湿布剤か
ら気化熱が奪われて冷却され、その結果、患部が冷やさ
れ、症状が悪化するなどの逆効果がもたらされる等の問
題があり、安全性、使用性及び簡便性に欠けるものであ
った。
【0005】特に、温めたタオルやこんにゃく更にホッ
トパックは熱湯による加温や加温器による加温が煩雑で
あり、又、使用開始時はタオル等の緩衝材を何枚か介し
て使用しなければならないほどに熱く、しかも短時間で
温度が低下してしまうなどの問題がある。
【0006】又、ホットパックには、封入されている湯
(水)の流動性が高いため、保型性が悪く、ぶよぶよし
た感触や使用中の偏り或いは型くずれ等が生じ、これに
より使用感が著しく悪くなるといった問題もある。
【0007】更に、パラフィン浴は、使用場所が制約さ
れると共に、使用局所も、手や足などに限定され、更に
油を用いることによる汚れ等の問題もある。
【0008】加えて、トウガラシエキス等を配合した湿
布剤は末梢の温感知覚の刺激によって皮膚温度を1〜2
℃上昇させるといわれており、使用方法が簡便であるこ
とで汎用されているが、刺激成分による赤斑、発疹、カ
ブレ等の皮膚に対する副作用(皮膚障害)の頻度が高い
上、貼付後の入浴の際に皮膚に強い刺激を与える等の問
題が多く、その使用には危険が伴うのである。
【0009】ところで、温湿布の治療効果を充分に得る
ためには、ある一定の温かさの温熱を、持続的に与える
ことが要求される場合がある。
【0010】例えば、通常、温湿布剤を人体に密着させ
て使用する場合には、皮膚温度より2〜3℃以上の一定
の温度、例えば40℃前後の温度で長時間にわたって温
湿布し得ることが要求されるのである。
【0011】しかしながら、前記の各種温湿布手段で
は、この程度の温熱を、持続的に与えることは困難なの
である。
【0012】このため、最近では、少なくとも一部に通
気性を有する扁平状袋体の内部に空気の存在によって発
熱する発熱組成物を封入した、いわゆる使い捨てカイロ
と呼ばれる発熱体が温熱療法の分野で頻繁に利用されて
いる。
【0013】即ち、この使い捨てカイロは、持続的な保
温力の点において簡便な有効性を持っており、中でも、
その片側面に粘着剤を積層した貼付剤の形態のものは、
人体局所に貼付できる上、当該局所に対して、例えば4
5℃前後の温度で長時間にわたって患部の温湿布をする
ことをなし得るものであり、取り扱い性及び簡易性が良
好なことから、現在温熱シートとして広く使用されてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在市
販されている温熱シートは、いずれも低温やけどの危険
性があるため皮膚への直接貼付を禁止している。これ
は、皮膚表面に対して45℃前後の温熱を長時間にわた
って付与すると、低温火傷の恐れが生じるからである。
【0015】特に、一般の温熱シートにおける粘着剤と
しては、ズレや脱落を防止するため、粘着性の高い親油
性の粘着剤を用いることが多いが、このような親油性の
粘着剤は熱伝導性が高く、皮膚表面へ直接貼付した場合
には、発熱体からの温熱を直接皮膚表面へ伝達するた
め、一層低温やけどが発生したり、赤斑点、かぶれ、湿
疹、水疱等の皮膚障害を生じたり、剥離の際に、皮膚表
面を傷つけたり、痛みを感じることが多々ある。
【0016】従って、従来の温熱シートは、皮膚表面へ
直接貼付せずに、肌着等に貼付して、当該肌着を介して
使用しなければならないのである。
【0017】しかしながら、腰や肩等の部位に対する使
用においては、普通当該部位が肌着に覆われているた
め、肌着を介して貼付することは可能であるが、肘や膝
等の部位においては、当該部位が肌着等で覆われていな
い場合が多く、これらの部位に使用する場合には、サポ
ーター等を装着してその上から貼付する必要があり、取
り扱いが極めて頓雑になるなどの問題がある。
【0018】又、肌着等へ貼付した場合、皮膚表面との
密着性が至極悪く、しかもズレ等が生じやすいため、所
定の箇所へ所望の温熱治療が得られないといった問題も
ある。
【0019】更に、使用後、温熱シートをはがした部位
において粘着剤が残存し易く、肌着等へ糸屑や埃等が付
着し、肌着を汚損したりするといった問題もある。
【0020】そこで、上述の従来における温熱シートの
欠点を解消するため、最近では親油性の粘着剤に代え
て、主に水及び吸水性ポリマーを必須構成成分とする親
水性粘着剤を粘着剤として用いた温熱シートが研究・開
発されており、市場にも登場している。
【0021】即ち、この温熱シートは、比較的熱伝導性
が緩慢な親水性粘着剤を粘着剤層として使用しているた
め、皮膚表面へ直接貼付した場合にあっても、低温やけ
ど等の皮膚障害が生じ難く、簡易性、取り扱い性及び安
全性に優れるといった利点がある。
【0022】しかしながら、このような親水性粘着剤を
用いた温熱シートにおいては、粘着力に乏しく、使用中
に剥がれや脱落を生じやすいといった問題があり、又、
親水性粘着剤から水分等が滲み出して、衣服を汚損する
だけでなく、冬期においては、当該水分の温度が低く、
使用直後の冷却感が使用者に顕著な不快感を惹起させる
などの問題がある。
【0023】そこで本発明者は、前記技術的課題を解決
するため鋭意検討を重ねた結果、施用箇所に温熱を付与
するための温熱具と、この温熱具の施用面側における少
なくとも温熱発生部位に対応する箇所に積層された温熱
緩衝シートとからなる温熱シートであって、この温熱シ
ートの施用面側における左右両側端部又は上下両端部或
いは周縁部には粘着部が設けられていることにより、皮
膚表面への直接貼付を可能にし、貼付箇所に的確に温熱
を付与することができる上、低温火傷の発生を確実に防
止したり、皮膚貼着面積を最小限にして、赤斑点、かぶ
れ、湿疹、水疱等の皮膚障害の発生を防止したり、剥離
の際に、皮膚表面を傷つけることがなく、痛みのない安
全な温熱シートが得られるとの知見を得た。
【0024】即ち、本発明者は、温熱シートであって、
その施用面側における少なくとも温熱発生部位に対応す
る箇所に温熱緩衝シートを積層すると、この温熱シート
を直接皮膚に貼付して使用した場合、この温熱緩衝シー
トが温熱具における温熱発生部位と皮膚表面との間の良
好な温熱緩衝体となって、貼付箇所に対して確実に温熱
を付与すると共に、低温火傷等の皮膚障害の発生を防止
できるとの知見を得たのである。
【0025】又、本発明者は、温熱シートの施用面側に
おける左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部には粘
着部を設けると、当該温熱シートを肌着等を介して貼付
する必要が無くなり、温熱シートを皮膚表面に直接貼付
して使用することができるため、施用箇所からのズレが
無くなる上、肌着等を汚損したりすることを防止するこ
とができるとの知見も得た。
【0026】更に、本発明者は、温熱シートであって、
その施用面側における少なくとも温熱発生部位に対応す
る箇所に温熱緩衝シートを積層すると、この温熱シート
を直接皮膚に張り付けても温熱緩衝シートが肌着の役割
を果し、あたかも、肌着の上から温熱シートを張った状
態になるので、肌触りや柔軟性が向上し、しかも汗等の
水分を好適に吸収することができるため、異和感が全く
なく、使用感を至極向上することができるとの知見も得
た。
【0027】特に、本発明者は、前記温熱緩衝シートに
経皮吸収性の薬剤を担持させると、保存時においては温
熱緩衝シートが水分を含んでいないため、薬剤の経時的
な劣化や加水分解等が抑制され、一方、使用時において
は温熱緩衝シートが吸収した汗等の水分に応じて徐々に
当該薬剤の薬理効果が生じ、過剰量の薬剤が投与される
ことがなくなる結果、この観点からも、安全性が著しく
向上するうえ、薬剤が長期間にわたって有効利用される
との知見も得た。
【0028】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであり、温熱シートであって、温熱具の施用面側にお
ける少なくとも温熱発生部位に対応する箇所に温熱緩衝
シートを積層し、この温熱シートの施用面側における左
右両側端部又は上下両端部或いは周縁部には粘着部が設
けられていることにより、皮膚表面への直接貼付を可能
にし、貼付箇所に的確に温熱を付与することができる
上、低温火傷の発生を確実に防止したり、皮膚貼着面積
を最小限にして、赤斑点、かぶれ、湿疹、水疱等の皮膚
障害の発生を防止したり、剥離の際に、皮膚表面を傷つ
けることがなく、また痛みもないので安全であり、施用
箇所からのズレが無くなる上、肌着等の汚損を防止する
ことができるのであり、更に、この温熱シートを直接皮
膚に張り付けても温熱緩衝シートが肌着の役割を果し、
あたかも、肌着の上から温熱シートを張った状態になる
ので、肌触りや柔軟性が向上し、しかも汗等の水分を好
適に吸収することができるため、異和感が全くなく、使
用感を至極向上することができる温熱シートを提供する
ことを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明に係る温熱シート
おいては、前記目的を達成するために、施用箇所に温熱
を付与するための温熱具と、この温熱具の施用面側にお
ける少なくとも温熱発生部位に対応する箇所に積層され
た温熱緩衝シートとからなる温熱シートであって、この
温熱シートの施用面側における左右両側端部又は上下両
端部或いは周縁部には粘着部が設けられていることを特
徴とするものである。
【0030】即ち、本発明に係る温熱シートは、前記課
題を解決するために、温熱具の施用面側における少なく
とも温熱発生部位に対応する箇所に温熱緩衝シートを積
層し、しかもこの温熱シートの施用面側における左右両
側端部又は上下両端部或いは周縁部には粘着部が設けら
れている点、に最も大きな特徴を有するものである。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明において、温熱具とは、施用箇所に
温熱を付与することができるものであれば特に限定され
るものではなく、具体的には、例えば例えば、カイロ又
は使い捨てカイロ等の発熱体或いは温熱ゲルパット等が
挙げられるが、特に、本発明に係る温熱シートが主とし
て簡便に使用し得るものが好ましいとの観点に鑑みる
と、この温熱具としては、少なくとも一部に通気性を有
する扁平状袋体の内部に、空気の存在によって発熱する
発熱組成物を封入してなる発熱体を用いることが好まし
い。
【0032】本発明の温熱シートにおいて、温熱具の施
用面側における少なくとも温熱発生部位に対応する箇所
に温熱緩衝シートを積層する理由は、この温熱シートを
直接皮膚に張り付けても温熱緩衝シートが肌着の役割を
果し、あたかも、肌着の上から温熱シートを張った状態
になるので、肌触りや柔軟性が向上し、しかも汗等の水
分を好適に吸収することができるため、異和感が全くな
く、使用感を至極向上することができるからである。
【0033】本発明において、温熱具に温熱緩衝シート
を積層するにあたり、温熱具の施用面側における少なく
とも温熱発生部位に対応する箇所とは、後述するよう
に、低温火傷の発生を確実に防止したり、皮膚貼着面積
を最小限にして、赤斑点、かぶれ、湿疹、水疱等の皮膚
障害の発生を防止して安全性を向上させるとの観点か
ら、温熱具における温熱が発生する部位に温熱緩衝シー
トを当ているということであり、従って、温熱緩衝シー
トの形状は、温熱具における施用面側の全面形状でも良
いが、このように温熱具における施用面側の全面形状で
ある必要はなく、又、この全面形状より少し小さい温熱
発生部位と同一形状でも良いのであり、更に、低温火傷
を防止できる範囲のであれば、良いのである。このよう
に、本発明の温熱シートにおいて、前記温熱緩衝シート
が温熱発生部位より少し小さい形状でも低温火傷等が発
生しない理由は、温熱発生部位の端部又は周縁部は、中
心部と比較して発生する温熱の温度が低いため、端部や
周縁部において、温熱緩衝シートが介在しなくても低温
火傷等が発生する恐れがないからである。
【0034】又、本発明の温熱シートにおいて、この温
熱シートの施用面側における左右両側端部又は上下両端
部或いは周縁部には粘着部が設けられているが、その理
由は、皮膚表面への直接貼付を可能にし、貼付箇所に的
確に温熱を付与することができる上、低温火傷の発生を
確実に防止したり、皮膚貼着面積を最小限にして、赤斑
点、かぶれ、湿疹、水疱等の皮膚障害の発生を防止した
り、剥離の際に、皮膚表面を傷つけることがなく、また
痛みもないので安全であり、施用箇所からのズレが無く
なる上、肌着等の汚損を防止することができるからであ
る。
【0035】このように、本発明に係る温熱シートにお
いては、温熱シートの施用面側における左右両側端部又
は上下両端部或いは周縁部には粘着部を設けられてお
り、これによって、温熱シートを体表面へ直接貼付する
ことができるように構成してなる。
【0036】この場合において、温熱シートの施用面側
における左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部には
粘着部を設ける方法としては、公知の方法が採用され
る。
【0037】本発明において、この粘着部を形成するた
めの粘着剤としては、公知のものを好適に用いることが
でき、特に限定されるものではないが、粘着性や水分の
滲みだし等の防止を鑑みて、親油性の粘着剤を用いるの
が好ましく、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸
ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステ等に代表される
(メタ)アクリル酸アルキルエステルやこれらのエステ
ルと共重合体可能な(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、メタクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸メトキシエチルの如き官能性モノマー及び/又はア
クリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビ
ニルピロリドン等の如きビニルモノマーとの共重合物で
あるアクリル系組成物が例示される。
【0038】前記粘着剤の他例としては、シリコンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体ゴム、アクリル系ゴム、天然ゴムなどを主成
分とするゴム系粘性物、ビニル系ポリマー、例えばポリ
ビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ルなどを主成分とするビニル系粘性物等を挙げることが
できる。
【0039】又、本発明の温熱シートにおいて、温熱具
に温熱緩衝シートを積層するにあたり、温熱具の施用面
側における少なくとも温熱発生部位に対応する箇所と
は、後述するように、低温火傷の発生を確実に防止した
り、皮膚貼着面積を最小限にして、赤斑点、かぶれ、湿
疹、水疱等の皮膚障害の発生を防止して安全性を向上さ
せるとの観点から、温熱具における温熱が発生する部位
に温熱緩衝シートを当ているということであり、従っ
て、温熱緩衝シートの形状は、温熱具における施用面側
の全面形状でも良いが、このように温熱具における施用
面側の全面形状である必要はなく、又、この全面形状よ
り少し小さい温熱発生部位と同一形状でも良いのであ
り、更に、低温火傷を防止できる範囲のであれば、温熱
発生部位より少し小さい形状でも良いのである。
【0040】しかしながら、本発明の温熱シートにおけ
る好ましい態様としては、温熱緩衝シートが、温熱具の
片側面全域を覆い、且つその端部又は周縁部の少なくと
も一部が、前記温熱具の端縁より外方に張り出した形状
のものでも良く、このように構成することによって、通
気性が相当バラツキがあるもの、つまり通気性が高いも
のでも至極安全に使用できるので好ましい。
【0041】即ち、本発明に係る温熱シートにおいて
は、温熱緩衝シートは、温熱具の施用面側を覆い、しか
もその左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部のうち
のいずれかの箇所が、前記温熱具から外方に張り出して
おり、この張り出し部には粘着部が設けられているもの
が、より一層安全性を向上することができるので最も望
ましい。
【0042】更に、本発明に係る温熱シートにおいて
は、粘着部の面積が、施用箇所に応じて、可変に形成さ
れているもの、即ち、粘着部の面積をフレキシブルに変
化することができるように構成することによって、使用
者の使用目的や施用箇所に応じて体表面への粘着性、体
表面への伸縮などの追随性を変えることができる結果、
取り扱い性や使用性を更に向上することができるので特
に好ましい。
【0043】前記粘着部の面積を可変とする方法として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば粘着部の一部又は全部が複数枚からなる離型シートで
覆われており、これを体表面の貼着箇所に応じて、剥離
するようにしたり、粘着部の一部を離型シートで被覆す
るようにしても良いのである。この場合、離型シートと
しては後述する温熱緩衝シートの片面を離型処理して剥
離性を付与したものを用いても良いのである。
【0044】本発明に係る温熱シートにおいて、温熱緩
衝シートとしては温熱発生部位からの温熱を外皮に与え
る際、その温熱を緩和するものであれば特に限定される
ものではないが、特に、柔軟で温熱シートの使用感が良
好なものが好ましく、具体的には、例えば天然繊維及び
/又は人造繊維から成る布体、パルプ製シート、柔軟性
発泡スチロールシート、スポンジ又はこれらの金属蒸着
物から選ばれた少なくとも1種又は2種以上の積層シー
トが挙げられる。
【0045】この場合において、前記布体としては、例
えば布地、タオル地、毛布、キルト、編み物、不織布及
び織布から選ばれた少なくとも1種又は2種以上の積層
シートが挙げられる。
【0046】前記天然繊維としては、例えば綿花、カポ
ック、亜麻、ラミー、大麻、黄麻、しゅろ、マニラ麻、
サイザル麻、コイヤー・ファイバー等の植物繊維、又
は、家蚕絹、柞蚕絹、羊毛(緬羊)、カシミア毛、ラク
ダ毛、アルパカ毛、モヘヤー、兎毛等の動物繊維、がそ
れぞれ挙げられる。
【0047】又、前記人造繊維としては、具体的には、
例えば人絹糸、スフ、ビスコース、ベンベルグ等の再生
繊維、又はポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエ
ステル系繊維(テトロン、テリレン、デークロンな
ど)、ポリアクリル系繊維(オーロン、エクスラン、ボ
ンネル、カシミロン、カネカロンなど)、ポリビニール
・アルコール系繊維(ビニロン)、ポリアルキレンパラ
オキシベンゾエート系繊維(ベンゾエート)、ポリウレ
タン系繊維(ポリウレタン)[スパンテックス]、ポリ
塩化ビニリデン系繊維(ビニリデン)、ポリ塩化ビニル
系繊維(ポリ塩化ビニル)、ポリアクリロニトリル系繊
維、ポリエチレン系繊維(ポリエチレン)、ポリプロピ
レン系繊維(ポリプロピレン)、ポリクラール、ポリプ
ロピレン系(パイレン)等の合成繊維、或いは酢酸人造
繊維などのように天然物質と合成物質とを共重合して製
造した半合成繊維等がそれぞれ挙げられる。
【0048】前記温熱緩衝シートの坪量としては、温熱
具の種類や温度特性、施用方法によって大きく異なり、
特に限定されるものではないが、具体的には、一般に坪
量が10〜1000g/m程度とするのが好ましい。
【0049】温熱緩衝シートが坪量で10g/m未満
の場合には、十分な温熱緩衝能が得られない上、必要な
機械的強度が得難くなり、又、厚さを均一にすることが
困難になる虞れがあるので好ましくない。
【0050】一方、温熱緩衝シートの坪量が1000g
/mを超えると、温熱緩衝能が高過ぎて施用箇所に十
分な温熱を付与することができなくなる上、柔軟性が低
下して体表面へのなじみ性や追従性が著しく低下すると
共に、体表面の変形や移動に対する追従性が低下する
上、ごわごわして風合が悪くなるので好ましくない。
【0051】従って、特に、温熱緩衝シートの坪量は、
一般に坪量が20〜400g/m程度とするのが好ま
しく、更に好ましくは30〜300g/mの範囲、特
に好ましくは40〜150g/mの範囲とするのが望
ましい。
【0052】本発明に係る温熱シートにおいては、温熱
緩衝シートの一部ないし全面に温熱調節シートを積層
し、温熱緩衝能を適宜調節することが好ましい。
【0053】ところで、本発明に係る温熱シートにおい
て、温熱緩衝シートには係止手段が形成され、この係止
手段には温熱調節シートが着脱自在に係止されるよう構
成されているものが好ましく、このように構成すること
により、当該温熱シートの使用者が、自己の好みに応じ
て適宜温熱緩衝能を調節することができるのである。
【0054】前記係止手段としては温熱緩衝シートを着
脱自在に係止し得るものであれば特に限定されるもので
はないが、具体的には、例えばマジックテープ(登録商
標)、ホック、ベルト又はポケット等が挙げられる。
【0055】前記温熱調節シートとしては温熱を調節し
得るシート状のものであれば特に限定されるものではな
いが、具体的には、例えばパルプ製シート、柔軟性発泡
スチロールシート、スポンジ又はこれらの金属蒸着物か
ら選ばれた少なくとも1種又は2種以上の積層シートが
挙げられる。
【0056】更に詳しくは、パルプ製シートとしては、
紙、厚紙又は段ボール紙等が挙げられるのであり、又、
柔軟性発泡スチロールシートとしては、任意の発泡倍率
の発泡スチロール等を挙げることができるのであり、更
に、スポンジとしては公知の高分子材料を海綿状に形成
したものが挙げられる。
【0057】更に、金属蒸着物としては、被着体に金属
を真空状態で加熱蒸着させたものをいい、ここで用いら
れる金属としては、例えば、Al、Be、V、Fe、
Y、Co、Cu、Ni、Si、Sn、Ti又はCr等か
ら選ばれた少なくとも1種、或いはこれらから任意に選
択された2種以上の合金が挙げられる。
【0058】又、前記被着体としては、特に限定される
ものではないが、具体的には、例えば前述のパルプ製シ
ート、柔軟性発泡スチロールシート又はスポンジ等と同
様のものが挙げられる。
【0059】更に、本発明に係る温熱シートにおいて、
温熱緩衝シートには、用途に応じた種々の経皮吸収性薬
剤、化粧料又は遠赤外線放射体から選ばれた少なくとも
1種が担持されているものが好ましい。
【0060】特に、本発明において温熱緩衝シートに経
皮吸収性の薬剤を担持させた場合には、使用中に当該温
熱緩衝シートが汗等の水分を吸収し、その水分の吸収量
に応じて徐々に前記薬剤が皮膚表面に付与されるように
なるため、長時間に亘って適度な量の薬剤を投与するこ
とができる上、過剰な薬剤の投与を防止し、副作用や皮
膚障害を防止することができるのである。
【0061】この経皮吸収性の薬剤としては特に限定さ
れるものではなく、公知のものを適宜選択して用いるこ
とができるが、具体的には、例えばコルチコステロイド
類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神
安定剤、降圧剤、抗生物質、抗菌性物質、ビタミン類、
抗てんかん剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、抗真菌
物質等が挙げられる。
【0062】又、無臭昇華性結晶やハッカ油、ユーカリ
油、ラベンダー油等が必要に応じて添加することも好ま
しい態様の一つである。
【0063】更に、一般に湿布剤として使用されている
ホウ酸水、生理的食塩水、硫苦水、、亜麻仁油、石灰
水、肝油、オリーブ油、リバノール水、過マンガン酸カ
リ液、メンタ水、クレオソート、カラシ等を、温熱緩衝
シートに吸収させても良いが、本発明においてはこれら
が水分を含むことは好ましくなく、従って、これらを真
空乾燥させたり、或いはこの有効成分を微粉末ないし顆
粒にした固形のものを担持されて用いるのが好ましい。
【0064】又、前記薬剤と共に或いは前記薬剤に代え
て、温熱緩衝シートに担持される化粧料としては、人の
身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又
は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために身体に塗擦、
散布、その他これらに類似する方法で使用されることが
目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの
をいうが、特に、本発明に係る温熱シートが外皮に適用
されることに鑑みて、皮膚用化粧料が好ましく、この皮
膚用化粧料としては基礎化粧品、メーキャップ化粧品又
はボディ化粧品から選ばれた少なくとも1種が挙げられ
る。
【0065】更に、前記の薬剤や化粧料と共に或いはこ
れらに代えて、温熱緩衝シートに担持される遠赤外線放
射体としては、遠赤外線領域の波長範囲を有する遠赤外
線を好適に放射する機能を有するものであれば特に限定
されるものではないが、特に、遠赤外線を放射する非金
属の無機質固体(遠赤外線放射セラミック)が好まし
く、具体的には、金属の酸化物、炭化物、窒化物又は炭
酸塩から選ばれた少なくとも1種以上を適宜選択して用
いることができる。
【0066】ここで、「遠赤外線」とは、正確には可視
光線の長波長端(0.76〜0.83μm)を下限と
し、上限が1mm程度の波長範囲のものがいわゆる「赤
外線」であり、この「赤外線」のうち、約25μm以上
の波長範囲を「遠赤外線」というが、本発明において、
「遠赤外線」とは、ここまで厳密に限定されるものでは
なく、この波長範囲近辺も含むものをいい、従って、
「遠赤外線放射機能」とは、この波長範囲近辺の波長を
含む遠赤外線を好適に放射する機能・性質のことをい
う。
【0067】なお、遠赤外線放射セラミックにおける前
記金属としては特に制限されるものではないが、例え
ば、Al、Be、V、Fe、Y、Co、Cu、Ni、S
i、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、Ta又はN
b等から選ばれた金属或いは合金を酸化させて、粉状或
いは粒状に形成したものが挙げられる。
【0068】ところで、前記粘着部の露出面は離型性保
護フィルムで被覆し、機密性の包材に包装し、流通に供
するのが望ましい。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】添付図面について説明すると、図1〜図6
は本発明の第1〜5実施例に係る温熱シートの断面図で
あり、図7は従来の温熱シート(比較例)の断面図であ
る。
【0071】図1において、本発明の第1実施例に係る
温熱シート1は、その施用箇所に温熱を付与する温熱具
4と、この温熱具4の施用面側における温熱発生部位
(発熱部)7に対応する箇所に積層された温熱緩衝シー
ト2とからなり、この温熱シート1の施用面側における
左右両側端部つまり前記温熱緩衝シート2における左右
両側端の外方にはそれぞれ粘着部3、3が設けられてい
る。
【0072】本発明において、前記温熱具4は、公知の
ものが好適に使用されるが、本実施例においては、基材
6及び被覆材5により形成された扁平状袋材内に、空気
の存在により発熱する発熱組成物を封入してなる発熱体
を用いた。
【0073】又、前記温熱緩衝シート2としては、柔軟
で温熱具の使用感を損ねるものでなければ特に限定され
るものではく、既知の天然繊維及び/又は人造繊維から
成る布体等、前述のものが挙げられる。
【0074】更に、前記粘着部3、3としては、公知の
粘着剤を積層して形成されたものを好適に用いることが
でき、特に限定されるものではないが、所要の粘着性の
確保や粘着部からの水分の滲み出し等の防止などの観点
から、親油性の粘着剤を用いるのが好ましく、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸
ヘキシルエステ等に代表される(メタ)アクリル酸アル
キルエステルやこれらのエステルと共重合体可能な(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸メチルアミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルの如き官
能性モノマー及び/又はアクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン等の如きビ
ニルモノマーとの共重合物であるアクリル系組成物等が
例示される。
【0075】図2は本発明の第2実施例に係る温熱シー
ト1を示し、この第2実施例に係る温熱シート1は、本
発明の第1実施例に係る温熱シート1がその施用面側に
おける左右両側端部つまり温熱緩衝シート2における左
右両側端の外方にそれぞれ粘着部3、3を設けるのに代
えて、温熱具4の施用面側全面に粘着層を積層し、この
粘着層において、前記温熱具4の温熱発生部位(発熱
部)7に対応する箇所に温熱緩衝シート2を積層、被覆
して当該粘着層の左右両側端部を露出させることにより
粘着部3、3を形成したものである。
【0076】従って、本発明の第2実施例に係る温熱シ
ート1において、温熱緩衝シート2、粘着部3、3及び
温熱具4は、第1実施例で説明したものと同様のものを
用いることができるため、重複説明を避けるためここで
は省略する。
【0077】図3は本発明の第3実施例に係る温熱シー
ト1を示し、この第3実施例に係る温熱シート1は、本
発明の第1実施例に係る温熱シート1がその施用面側に
おける左右両側端部つまり温熱緩衝シート2における左
右両側端の外方にそれぞれ粘着部3、3を設けるのに代
えて、温熱具4の施用面側全面に温熱緩衝シート2を積
層し、この温熱緩衝シート2における左右両側端部に粘
着部3、3を設けて、温熱具4の温熱発生部位(発熱
部)7に対応する箇所に温熱緩衝シート2を露出させる
ことにより得られたものである。
【0078】従って、本発明の第3実施例に係る温熱シ
ート1において、温熱緩衝シート2、粘着部3、3及び
温熱具4は、第1実施例で説明したものと同様のものを
用いることができるため、重複説明を避けるためここで
は省略する。
【0079】図4において、本発明の第4実施例に係る
温熱シート1は、この第4実施例に係る温熱シート1
は、温熱緩衝シート2が、温熱具4の施用面側全面を覆
い、しかもその左右両側端部を前記温熱具4から外方に
張り出させ、この張り出し部には粘着部3、3を積層・
形成されたものである。
【0080】なお、本発明の第4実施例に係る温熱シー
ト1において、温熱緩衝シート2、粘着部3、3及び温
熱具4は、第1実施例で説明したものと同様のものを用
いることができるため、重複説明を避けるためここでは
省略する。
【0081】図5及び図6は本発明の第5実施例に係る
温熱シート1を示し、この第5実施例に係る温熱シート
1は、温熱緩衝シートにポケットからなる係止手段8が
形成され、この係止手段8には温熱調節シート9が挿脱
(着脱)自在に係止されるように構成されている。
【0082】又、前記温熱調節シート9としては、例え
ばパルプ製シート、柔軟性発泡スチロールシート、スポ
ンジ又はこれらの金属蒸着物から選ばれた少なくとも1
種又は2種以上の積層シートで形成されたものが挙げら
れる。
【0083】なお、本発明の第5実施例に係る温熱シー
ト1において、粘着部3は温熱具4の四周縁部に形成さ
れており、又、前記の温熱緩衝シート2、粘着部3、3
及び温熱具4は、第1実施例で説明したものと同様のも
のを用いることができるため、重複説明を避けるためこ
こでは省略する。
【0084】温熱具(発熱体)の作成 (a)発熱組成物 発熱組成物として、RZ鉄粉59重量%、活性炭5重量
%、食塩2.5重量%、吸水性ポリマー3.5重量%、
水30重量%を混合したものを用いた。 (b)扁平状袋材 基材として、厚さ40μmのポリエチレン製フィルム
(120mm×90mm)を用い、又、被覆材として、
厚さ40μmのポリエチレン製多孔質フィルムの片面に
厚さ150μmのポリプロピレン製不織布を積層した積
層フィルム(120mm×90mm)を用い、この基材
及び被覆材を重ねてその三周辺部をヒートシールし、扁
平状袋材を得た。なお、前記被覆材の透湿度は透湿量が
リッシー法で450g/m・24hrとなるように調
整した。 (c)温熱具 前記(a)において得られた発熱組成物18gを、前記
(b)の扁平状袋材に、投入すると共に、当該投入口を
ヒートシールして封着することによって発熱体を得た。
【0085】実施例1 図1に示すように、前記(c)の温熱具4を用い、この
温熱具4の施用面側における温熱発生部位(発熱部)7
に対応する箇所に、ホットメルト系接着剤を介して[不
織布スパンレース(ポリエステル100%(90mm×
90mm、坪量50g/m) 日本バイリーン(株)
社製]からなる温熱緩衝シート2を積層、接着し、この
温熱具4の施用面側における左右両側端部つまり前記温
熱緩衝シート2における左右両側端の外方にそれぞれス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム
(SIS)からなる粘着部3、3を設けて、本発明の第
1実施例に係る温熱シート1を得、これを気密性の包材
内に封入した。従って、この場合、温熱シート1の施用
面側における左右両側端の外方の粘着部3、3の幅はそ
れぞれ15mmである。
【0086】実施例2 図2に示すように、前記(c)の温熱具4を用い、この
温熱具4の施用面側全面にスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体ゴム(SIS)からなる粘着層を
積層し、この粘着層において、前記温熱具4の温熱発生
部位(発熱部)7に対応する箇所に[不織布スパンレー
ス(ポリエステル100%(90mm×90mm、坪量
50g/m) 日本バイリーン(株)社製]からなる
温熱緩衝シート2を積層(粘着)、被覆して当該粘着層
の左右両側端部を露出させることにより、幅15mmの
粘着部3、3を形成し、本発明の第2実施例に係る温熱
シート1を得、これを気密性の包材内に封入した。
【0087】実施例3 図3に示すように、前記(c)の温熱具4を用い、この
温熱具4の施用面側全面に、ホットメルト系接着剤を介
して[不織布スパンレース(ポリエステル100%(9
0mm×90mm、坪量50g/m) 日本バイリー
ン(株)社製]からなる温熱緩衝シート2を積層、接着
し、この温熱緩衝シート2における左右両側端部にそれ
ぞれ幅15mmの粘着部3、3を設けて、温熱具4の温
熱発生部位(発熱部)7に対応する箇所に温熱緩衝シー
ト2を露出させることにより、本発明の第3実施例に係
る温熱シート1を得、これを気密性の包材内に封入し
た。
【0088】実施例4 図4に示すように、前記(c)の温熱具4を用い、この
温熱具4の施用面側全面に、ホットメルト系接着剤を介
して[不織布スパンレース(ポリエステル100%(9
0mm×90mm、坪量50g/m) 日本バイリー
ン(株)社製]からなる温熱緩衝シート2が、当該温熱
具4の施用面側全面を覆い、しかもその左右両側端部を
前記温熱具4から幅20mmずつ外方に張り出させ、こ
の幅20mmの張り出し部にはそれぞれ幅20mmの粘
着部3、3を積層・形成し、本発明の第4実施例に係る
温熱シート1を得、これを気密性の包材内に封入した。
【0089】実施例5 図5及び図6に示すように、前記(c)の温熱具4を用
い、この温熱具4は、[不織布スパンレース(ポリエス
テル100%(120mm×90mm、坪量50g/m
) 日本バイリーン(株)社製]からなる温熱緩衝シ
ートにポケット(90mm×60mm)からなる係止手
段8が形成され、この係止手段8には、図6に示すよう
に、柔軟性発泡スチロールシートのアルミニウム蒸着物
(厚さ3.2mm、縦85mm、横60mm)からなる
温熱調節シート9が挿脱(着脱)自在に係止され、本発
明の第5実施例に係る温熱シート1を得、これを気密性
の包材内に封入した。従って、本発明の第5実施例に係
る温熱シート1において、粘着部3は温熱具4の四周縁
部に幅15mmで形成されている。
【0090】ところで、本発明において、前記温熱緩衝
シート2には、必要に応じて経皮吸収性の薬剤、化粧料
又は遠赤外線放射体から選ばれた少なくとも1種を担持
させても良いのである。
【0091】比較例 図7に示すように、前記(c)の温熱具4を用い、この
温熱具4の施用面側全面にスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体ゴム(SIS)からなる粘着層3
を積層し、従来の温熱シート1を得、これを気密性の包
材内に封入した。即ち、この比較例に係る温熱シートに
は温熱緩衝シートが設けられていないのである。
【0092】前記実施例1〜5及び比較例の温熱シート
1をそれぞれ気密性の包材内から取り出し、この温熱シ
ート1を厚さ1mmのポリエステルシートに張り付け、
室温で空気中に暴露させ、15分経過した後(これを表
1における開始時とした。)と、体表面に貼付する側の
表面温度(温熱シート1とポリエステルシートとの間の
温度)の経時変化を測定した。なお、表1において、表
面温度は、温熱シート1の体表面に貼付する側の面にお
ける中心部の表面温度を測定した。その結果を表1に示
す。
【0093】
【表1】
【0094】表1に示す結果より、実施例1〜5のもの
は、いずれも表面温度が40℃前後に維持されており、
温熱治療に用いる温熱具として程度な温度を維持してい
ることが確認された。
【0095】これに対して、比較例のものは、表面温度
が45〜47℃程度と高く、この比較例に係る貼付剤を
長時間使用した場合には低温やけど等の皮膚障害が発生
するおそれが生じることが確認された。
【0096】
【発明の効果】本発明においては、前記構成を有し、即
ち、温熱具の施用面側における少なくとも温熱発生部位
に対応する箇所に温熱緩衝シートを積層して当該温熱具
と皮膚表面との間に緩衝域を設けてなり、しかもこの温
熱シートの施用面側における左右両側端部又は上下両端
部或いは周縁部には粘着部が設けられていることによ
り、皮膚表面への直接貼付を可能にし、貼付箇所に的確
に温熱を付与することができる上、低温火傷等の皮膚障
害の発生を確実に防止し得る効果を有するのである。
【0097】又、本発明においては、温熱シートにおい
てその施用面側における左右両側端部又は上下両端部或
いは周縁部に粘着部を設けているので、皮膚表面に直接
貼付して使用することができる結果、施用箇所からのズ
レが無くなる上、肌着等を汚損したりすることを防止す
ることができるのであり、又、皮膚貼着面積を最小限に
して、赤斑点、かぶれ、湿疹、水疱等の皮膚障害の発生
を防止したり、剥離の際に、皮膚表面を傷つけることが
なく、また痛みもないので安全であるなどの効果を奏す
るのである。
【0098】更に、本発明においては、温熱具の施用面
側における少なくとも温熱発生部位に対応する箇所に温
熱緩衝シートを積層して当該温熱具と皮膚表面との間に
緩衝域を設けてなり、この温熱シートを直接皮膚に張り
付けても前記温熱緩衝シートが肌着の役割を果し、あた
かも、肌着の上から温熱シートを張った状態になるの
で、当該温熱具を肌着等を介して貼付する必要が無くな
ると共に、肌触りや柔軟性が向上し、しかも汗等の水分
を好適に吸収することができる結果、異和感が全くな
く、使用感を至極向上することができるなどの効果も奏
するのである。
【0099】特に、本発明においては、温熱緩衝シート
に経皮吸収性薬剤を担持させた場合において、保存時に
は温熱緩衝シートが水分を含んでいないため、薬剤の経
時的劣化等が抑制され、一方、使用中に当該温熱緩衝シ
ートが汗等の水分を吸収し、その水分の吸収量に応じて
徐々に前記薬剤が皮膚表面から生体内に付与されるよう
になるので、長時間に亘って適度な量の薬剤を投与する
ことができる上、過剰な薬剤の投与を防止し、副作用や
皮膚障害を防止し得るのであり、安全性や薬剤の有効利
用をそれぞれ向上させることができるなどの効果も発現
するのである。
【0100】又、本発明において、温熱緩衝シートに化
粧料、特に、皮膚用化粧料を担持させると、この化粧料
が生体から発生した汗などの水分に溶解し、この化粧料
が生体内に吸収されて、人の身体を清潔にしたり、美化
したり、魅力を増したり、容貌を美麗に変えたり、又は
皮膚若しくは毛髪を健やかに保つなどの効果を奏するの
である。
【0101】加えて、本発明においては、温熱緩衝シー
トに遠赤外線放射体を担持させた場合には、この遠赤外
線放射体によって温熱効果を一層促進するなどの効果も
発現するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る温熱シート
を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例に係る温熱シート
を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施例に係る温熱シート
を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の第4実施例に係る温熱シート
を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第5実施例に係る温熱シート
を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の第5実施例に係る温熱シート
を示す斜視図である。
【図7】図7は、従来の温熱シートを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 温熱シート 2 温熱緩衝シート 3 粘着部 4 温熱具 7 温熱発生部位(発熱部) 8 係止手段(ポケット) 9 温熱調節シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61N 5/06 A61J 1/00 370C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 施用箇所に温熱を付与するための温熱具
    と、この温熱具の施用面側における少なくとも温熱発生
    部位に対応する箇所に積層された温熱緩衝シートとから
    なる温熱シートであって、この温熱シートの施用面側に
    おける左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部には粘
    着部が設けられていることを特徴とする温熱シート。
  2. 【請求項2】 温熱具が、少なくとも一部に通気性を有
    する扁平状袋体の内部に、空気の存在によって発熱する
    発熱体組成物を封入してなるものである請求項1に記載
    の温熱シート。
  3. 【請求項3】 温熱緩衝シートが温熱具の施用面側全面
    に積層されており、しかも前記温熱緩衝シートの施用面
    側における左右両側端部又は上下両端部或いは周縁部に
    は粘着部が設けられている請求項1又は2に記載の温熱
    シート。
  4. 【請求項4】 温熱緩衝シートは、温熱具の施用面側を
    覆い、しかもその左右両側端部又は上下両端部或いは周
    縁部のうちのいずれかの箇所が、前記温熱具から外方に
    張り出しており、この張り出し部には粘着部が設けられ
    ている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の温熱シ
    ート。
  5. 【請求項5】 粘着部の面積が、施用箇所に応じて、可
    変に形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の温熱シート。
  6. 【請求項6】 温熱緩衝シートが、天然繊維及び/又は
    人造繊維から成る布体、パルプ製シート、柔軟性発泡ス
    チロールシート、スポンジ又はこれらの金属蒸着物から
    選ばれた少なくとも1種又は2種以上の積層シートであ
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の温熱シー
    ト。
  7. 【請求項7】 布体が、布地、タオル地、毛布、キル
    ト、編み物、不織布及び織布から選ばれた少なくとも1
    種又は2種以上の積層シートである請求項6に記載の温
    熱シート。
  8. 【請求項8】 温熱緩衝シートには係止手段が形成さ
    れ、この係止手段には温熱調節シートが着脱自在に係止
    されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の温
    熱シート。
  9. 【請求項9】 温熱調節シートがパルプ製シート、柔軟
    性発泡スチロールシート、スポンジ又はこれらの金属蒸
    着物から選ばれた少なくとも1種又は2種以上の積層シ
    ートである請求項8に記載の温熱シート。
  10. 【請求項10】 温熱緩衝シートには、経皮吸収性薬
    剤、化粧料又は遠赤外線放射体から選ばれた少なくとも
    1種が担持されている請求項1ないし9のいずれか1項
    に記載の温熱シート。
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