JP2002343611A - 酸化亜鉛バリスタの製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛バリスタの製造方法

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JP2002343611A JP2001151298A JP2001151298A JP2002343611A JP 2002343611 A JP2002343611 A JP 2002343611A JP 2001151298 A JP2001151298 A JP 2001151298A JP 2001151298 A JP2001151298 A JP 2001151298A JP 2002343611 A JP2002343611 A JP 2002343611A
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varistor
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Iwao Kawamata
巌 河又
Yoshio Takada
良雄 高田
Tomoaki Katou
智明 加東
Akio Hori
昭夫 堀
Hide Yamashita
秀 山下
Atsushi Iga
篤志 伊賀
Daiki Miyamoto
大樹 宮本
Takashi Miyamoto
敬 宮本
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Osaka Prefecture
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Mitsubishi Electric Corp
Osaka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、一定の組成の材料を用い、素子特
性に影響を与えること無くバリスタ電圧が制御された酸
化亜鉛バリスタを製造することを目的とする。 【解決手段】 酸化亜鉛(a)、ビスマスとアンチモン
との複合酸化物(b)及び特定の酸化物(c)からなる
混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛バリスタを製造する
方法において、製造する酸化亜鉛バリスタのバリスタ電
圧の制御を、焼成温度を850〜980℃の範囲の一定
温度とし、かつ、(b)成分の平均粒子径を0.50〜
3.00μmの範囲で調節することにより行なう酸化亜
鉛バリスタの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、850〜980
℃で焼結して得られる低温焼成酸化亜鉛バリスタの製造
方法、並びにバリスタ電圧の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、避雷器などに用いられる酸化亜鉛
を主成分とする酸化亜鉛バリスタは、主成分である酸化
亜鉛に、電圧非直線性の発現に必須であるといわれてい
る酸化ビスマスをはじめ、電気特性の改善に有効な添加
物を添加した組成物を混合し、造粒、成形、焼成の各工
程を経た焼結体から成り、この焼結体に側面高抵抗層お
よび金属アルミニウムなどから成る電極を設けることに
よって作られている(図6参照)。
【0003】酸化亜鉛を主成分とする粒子自身は単に抵
抗体として作用し、隣り合う酸化亜鉛粒子の境界部分で
電圧非直線性を示すことは、ポイント電極を用いた実験
から明らかにされている。{G.D.Mahan,L.M.Levinson
& H.R.Philipp,”Theory ofconduction in ZnO varist
ors”,J. Appl. Phys. 50[4],2799(1979)(以
下、文献1という)}。前記実験は、小さな電極をZnO
粒界を隔てて設置した場合と隔てずに設置した場合の、
電流-電圧特性の違いをみたものである。また、このZnO
粒子とZnO粒子の境界部分(結晶粒界)の数がバリスタ
電圧を決定することが実験で確認されている{T.H.Gupt
a,”Application of Zinc Oxide Varistors”,J.Am.C
eram.Soc.,73[7]1817?1840(1990)(以下、文献2
という)}。
【0004】図7は例えば避雷器用酸化亜鉛バリスタの
電流−電圧特性を示す図である。優れた保護性能を有す
る酸化亜鉛バリスタとは、図7中、大電流域Hにおける
電圧VH と小電流域Lにおける電圧VL との比VH/VL (制
限電圧比:平坦率)が小さいものである。制限電圧比の
改善について論じる場合、大電流域における制限電圧比
と小電流域における制限電圧比を決定する要因が異なる
ために、各々に分離して論じる必要がある。それゆえ今
後制限電圧比VH/VL を、図7中のSにおける電圧VS
用いて、大電流域平坦率VH/VS と小電流域平坦率VS/V
L に分離して論じることとする。
【0005】大電流域平坦率VH/VS は、酸化亜鉛結晶
粒内部の電気抵抗率によって決まることが知られており
(文献1、2)、酸化亜鉛結晶粒内部の抵抗率が小さく
なる程VH/VS は小さくなる。一方、小電流域平坦率VS
/VL は酸化亜鉛結晶粒界の電気抵抗率によって決まる
と言われており(文献1、2)、酸化亜鉛結晶粒界の抵
抗率が大きくなる程VS/VL は小さくなる。従って、制
限電圧比VH/VL を改善するためには、酸化亜鉛結晶粒
内部の電気抵抗率を低減し、かつ酸化亜鉛結晶粒界の電
気抵抗率を高めればよいことが示される。
【0006】酸化亜鉛バリスタでは、図7に示したVS
非直線性しきい値電圧を表す。このVS値は、避雷器が
適用される送電系統の系統電圧に対応して設定すること
が重要である。VSは、V1mA{素子に1mA通電した際
の素子の両端電極間電圧(V)}などを代表値として使
用することが多い。
【0007】系統電圧の高い、例えばUHV100万ボ
ルト送電に使用される避雷器などでは、同一形状で従来
の素子と同等のVS値をもつ素子を積み上げた場合に
は、直列積層枚数が増加し、その結果、避雷器が大きく
なること、および直列接続方式が複雑化するため、電気
的、熱的、機械的設計上の問題点が多くなる。それゆ
え、VS値を素子の厚さで除して得られる単位長さ当た
りのVS値(例えばV1mA/mm:バリスタ電圧)の大き
い素子を使用できれば、素子1枚当たりの分担電圧が高
くなるため、素子の直列積層枚数を減らすことができ、
これらの問題点を解決することが可能となる。
【0008】そこで従来は、高電圧用等に用いるバリス
タ電圧の高い酸化亜鉛バリスタを製造するためには酸化
アンチモン(Sb23)などのZnO粒子の成長抑制剤
を適量添加することによって、ZnO粒子の成長を抑制
する製造方法が用いられてきた。また、大電流域平坦率
VH/VS の改善と同時にバリスタ電圧を高める効果のあ
る添加剤としてアルミニウムを添加する製造方法も行わ
れてきたが、小電流域平坦率VS/VL の劣化とトレード
オフの関係があることからバリスタ電圧の調整を目的と
しては使用できなかった。例えば、Siを含まない材料
系の低温焼成バリスタの製造方法、特開平9-6716
1号公報によれば、BiとSbを仮焼する事により焼結
温度の低温化と配合量の調整容易化を得ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の酸
化亜鉛バリスタの製造方法では、バリスタ電圧の調節
を、ZnO粒子の成長を抑制する原料(主に酸化アンチ
モン)の配合量調整により行っていた。そのため、酸化
ビスマスとの化合物であるパイロクロア層の生成量が変
わり、酸化クロムおよびその他の原材料の配合量を変化
させる必要があった。そして、各配合量の試作サンプル
毎に焼成温度を変えた実験を行い、その結果得られた最
適組成・最適温度で量産化を行っていた。量産を効率よ
く行うためにトンネル型焼成炉を用いるが、長いトンネ
ル内部温度の均一性が必須である。焼成温度の違う試料
を焼成するためには焼成炉の安定を待ち、パイロットサ
ンプルを焼成し、そのサンプルを評価し、焼成温度を調
整し、焼成炉の安定を待ち、再度パイロットサンプルを
焼成して評価・確認を行った後に製品を流すという長期
間に渡る工程が必要であった。この様に焼成温度の違う
製品をラインに流すには十日間以上という時間がかか
り、多品種の量産には非効率であるという問題があっ
た。
【0010】本発明は、850〜980℃の任意の一定
な焼成温度で、且つ、一定組成比の酸化亜鉛バリスタの
バリスタ電圧(V1mA/mm)を150〜600の範囲
で任意に制御できる容易な製造方法、及びバリスタ電圧
の制御方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化亜鉛
(a)、ビスマスとアンチモンとの複合酸化物(b)及
びビスマス酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ
酸、ニッケル酸化物、コバルト酸化物、マンガン酸化
物、アルミニウム酸化物及びアルミニウム塩からなる群
より選ばれる少なくとも一種の化合物(c)からなる混
合物を、成形、焼成して酸化亜鉛バリスタを製造する方
法において、製造する酸化亜鉛バリスタのバリスタ電圧
の制御を、焼成温度を850〜980℃の範囲の一定温
度とし、かつ、(b)成分の平均粒子径を0.50〜
3.00μmの範囲で調節することにより行なう酸化亜
鉛バリスタの製造方法である。
【0012】また、本発明は、酸化亜鉛(a)、ビスマ
スとアンチモンとの複合酸化物(b)及びビスマス酸化
物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸
化物、コバルト酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム
酸化物及びアルミニウム塩からなる群より選ばれる少な
くとも一種の化合物(c)からなる混合物を、成形、焼
成して酸化亜鉛バリスタを製造する方法において、製造
する酸化亜鉛バリスタのバリスタ電圧の制御を、焼成温
度を850〜980℃の範囲の一定温度とし、かつ、該
混合物の平均粒子径を0.50〜0.90μmの範囲で
調節することにより行なう酸化亜鉛バリスタの製造方法
である。
【0013】また本発明は、酸化亜鉛(a)、ビスマス
とアンチモンの複合酸化物(b)及びビスマス酸化物、
クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化
物、コバルト酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム酸
化物及びアルミニウム塩からなる群より選ばれる少なく
とも一種の化合物(c)からなる混合物を、成形、焼成
して酸化亜鉛バリスタを製造する方法において、
(a)、(b)及び(c)の各成分の種類及び組成比が
同じ混合物であって、(b)成分の平均粒子径が0.5
0〜3.00μmの範囲で異なる複数の混合物を用意
し、該複数の混合物を850〜980℃の範囲の一定温
度で焼成することを特徴とするバリスタ電圧の異なる複
数の酸化亜鉛バリスタの製造方法を包含する。
【0014】さらに本発明は、酸化亜鉛(a)、ビスマ
スとアンチモンとの複合酸化物(b)及びビスマス酸化
物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸
化物、コバルト酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム
酸化物及びアルミニウム塩からなる群より選ばれる少な
くとも一種の化合物(c)からなる混合物を、成形、焼
成して酸化亜鉛バリスタを製造する方法において、
(a)、(b)及び(c)の各成分の種類及び組成比が
同じ混合物であって、該混合物の平均粒子径が0.50
〜0.90μmの範囲で異なる複数の混合物を用意し、
該複数の混合物を850〜980℃の範囲の一定温度で
焼成することを特徴とするバリスタ電圧の異なる複数の
酸化亜鉛バリスタの製造方法を包含する。
【0015】さらに本発明は、上記混合物が、酸化亜鉛
(a)、ビスマスとアンチモンの複合酸化物(b)、ビ
スマス酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ酸、
ニッケル酸化物、コバルト酸化物、マンガン酸化物、ア
ルミニウム酸化物、アルミニウム塩及びからなる群から
選ばれる少なくとも一種類の化合物(c)及び希土類酸
化物(d)からなる方法を包含する。ここで、希土類酸
化物(d)には、R:Y,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Luがある。
【0016】また本発明によれば、上記(a)(b)及
び(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛バ
リスタを製造する際に、焼成温度を850〜980℃の
範囲の一定温度とし、かつ、該混合物中の(b)成分の
平均粒子径を0.50〜3.00μmの範囲で調節する
ことによるバリスタ電圧を制御する方法が提供される。
【0017】さらに本発明によれば、上記(a)(b)
及び(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛
バリスタを製造する際に、焼成温度を850〜980℃
の範囲の一定温度とし、かつ、該混合物の平均粒子径を
0.50〜0.90μmの範囲で調節することによるバ
リスタ電圧を制御する方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.代表的な酸化亜鉛
バリスタの微構造を図8に示す。図中の酸化亜鉛結晶粒
径は約10μmである。微構造は、主に酸化亜鉛粒子、
粒界、酸化アンチモン、酸化ビスマスで構成される。酸
化アンチモンは酸化亜鉛結晶粒内および結晶の三重点付
近に存在し、酸化ビスマスは三重点付近の特に白く見え
る部分に存在する。また、図2に一例として、平均粒子
径が0.65μmの場合の複合酸化物粉体粒子の粒度分
布図を示す。
【0019】本発明の平均粒子径が0.50〜3.00
μmに制御されたビスマスとアンチモンの複合酸化物
(b)粉体を添加した酸化亜鉛バリスタでは、粒度分布
曲線に示す約1μm以下の粒子が酸化亜鉛結晶粒内部に
取り込まれ、それより大きな粒子は酸化亜鉛結晶粒の三
重点に存在する。その三重点に存在する酸化アンチモン
は、酸化亜鉛結晶粒の成長を阻止するピンニングとして
作用し、酸化亜鉛結晶粒の成長を抑制する。そのため、
三重点に存在する酸化アンチモンの数量変化で、バリス
タ電圧を決定する酸化亜鉛結晶粒の粒界数が左右され
る。つまり、この三重点に存在する酸化アンチモンの数
量を制御することでバリスタ電圧の制御が可能になる。
【0020】バリスタ電圧と複合酸化物(b)の平均粒
子径との相関について、複合酸化物の粉砕に用いる混合
粉砕容器の容量・混合粉砕メディアの量・そのメディア
と原料粉の混合比および混合粉砕時間などについて詳細
に実験した結果、粉砕した粉体の平均粒子径が0.50
〜3.00μmの範囲でバリスタ電圧と平均粒子径との
間に良好な比例的関係を見いだした。
【0021】この様に平均粒子径が制御された複合酸化
物を用いることにより、酸化亜鉛バリスタの組成比(主
にアンチモン量)調整を行わずにバリスタ電圧の制御が
可能となる。また、その組成比を変化させないため、所
望のバリスタ電圧を有する酸化亜鉛バリスタの一定温度
での焼成が可能となる。以下に実際の製造プロセスに沿
って詳細を説明する。
【0022】(複合酸化物の調製)複合酸化物(b)を
調製するために、酸化ビスマスを0.6モルと酸化アン
チモンを0.4モル秤量し、内容量2.4リットルのナ
イロン製ポットに入れた。更に、蒸留水と混合用メディ
アであるφ20の酸化ジルコニア製ボールを、それぞれ
1.5kgと0.5kg秤量して入れた。湿式混合を3
時間行った後に、混合物を十分に乾燥し、600℃の前
熱処理炉に入れて12時間保持し酸化ビスマスと酸化ア
ンチモンを反応させてビスマスとアンチモンとの複合酸
化物(b)を調製した。その平均粒子径を制御するため
に、内容量2.4リットルのナイロン製ポットに入れ、
更に、蒸留水1.4kgと混合粉砕メディアであるφ1
0の酸化ジルコニア製ボール3.0kgを秤量して入
れ、湿式粉砕を18時間行った。その粒度分布測定を行
ったところ平均粒子径は2.15μmであった。湿式粉
砕時間を60時間および72時間と変えて同様な実験を
行い、それぞれ平均粒子径が0.77μmおよび0.5
9μmに制御されたビスマスとアンチモンとの複合酸化
物(b)を得た。
【0023】(混合粉の調製)平均粒子径が2.15μ
mに制御された複合酸化物(b)26gに対し、主原料
である酸化亜鉛(a)を7モル、酸化ビスマスを0.0
20モル、酸化クロムを0.009モル、酸化ホウ素を
0.006モル、酸化コバルトを0.028モル、酸化
マンガンを0.033モル、一酸化ニッケルを0.03
6モル秤量してV型混合機に入れ12時間混合した(試
料1−01)。平均粒子径が0.77μmおよび0.5
9μmに制御されたビスマスとアンチモンとの複合酸化
物(b)についてもそれぞれ同様に秤量し、同じくV型
混合機に入れ12時間混合し、合計で3種類の平均粒子
径が制御された混合粉を調製した(試料1−02、1−
03)。
【0024】(後熱処理)前記3種類の混合粉それぞれ
に、50mlの蒸留水に対し硝酸アルミニウムを0.0
0016モル溶かした水溶液を入れて擂潰機混合し、4
0メッシュの金網を通し製粒した。その製粒粉を50g
ずつ取り、内径40の金型に入れて400kg/cm2
圧力で両押しプレスを行って円板状に成形した。成型品
は、昇温速度+50℃、降温速度−50℃、950℃で
10時間保持という後熱処理(本焼成)を行った。
【0025】(電気特性の測定)後熱処理した円板状焼
成品の上下面にアルミニウム溶射電極を設け、電気特性
を測定した。表1に、試料No、複合酸化物(b)の平
均粒子径、焼成温度および混合したそれぞれの原料の配
合量を示す。比較のために従来例1として、実施例1に
対応するバリスタ電圧を有する試料の焼成温度と原料粉
の配合量を示した。また、実施例1および従来例1に対
応するそれぞれの電気特性を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1および表2から、実施例1に示す試料
は一定温度の焼成であるにも関わらず、複合酸化物
(b)の平均粒子径を0.59〜2.15μmに制御し
たことでバリスタ電圧が155.0〜240.4のシリ
ーズ化が得られ、また、それらの試料が同組成であるた
めに小電流域平坦率および大電流域平坦率の値に影響を
与えず、測定値のバラツキが読み取り誤差範囲内である
ことが分かる。(この複合酸化物の粒度分布はRosin-Ra
mmler分布であらわされ、標準偏差は0.00015〜0.00019
と小さかった。)
【0028】従来例1の補足説明を次に記述する。15
5〜240のバリスタ電圧を得るためには、平均粒子径
が制御(従来例1では2.15μm)された複合酸化物
(b)の量(換言すれば、酸化アンチモンの量)を変化
させる必要があり、そのため酸化亜鉛との反応物である
パイロクロアの量が変わり、酸化クロム量などの原料の
秤量値を調整したり焼成温度の調整が必要になる。その
結果として小および大電流域平坦率の値が大きくなり、
寿命や保護特性を劣化させていた。また、従来例1の後
熱処理は、昇温速度、降温速度、保持時間を実施例1と
同じにした。
【0029】(複合酸化物(b)粒子径とバリスタ電圧
の相関)また、複合酸化物(b)粒子径とバリスタ電圧
の相関を次のように求めた。 (複合酸化物(b)の調製)複合酸化物(b)を調製す
るために、酸化ビスマスを0.6モルと酸化アンチモン
を0.4モル秤量し、内容量2.4リットルのナイロン
製ポットに入れた。更に、蒸留水と混合用メディアであ
るφ20の酸化ジルコニア製ボールを、それぞれ1.5
kgと0.5kg秤量して入れた。湿式混合を3時間行
った後に、混合物を十分に乾燥し、650℃の前熱処理
炉に入れて12時間保持し酸化ビスマスと酸化アンチモ
ンを反応させてビスマスとアンチモンとの複合酸化物
(b)を作製した。その平均粒子径を制御するために、
内容量2.4リットルのナイロン製ポットに入れ、更
に、蒸留水と混合粉砕メディアであるφ10の酸化ジル
コニア製ボールを、それぞれ1.4kgと3.0kg秤
量して入れて湿式粉砕を3〜120時間行い、13種類
の平均粒子径の違うビスマスとアンチモンの複合酸化物
(b)を調製した。それらの粒度分布測定を行ったとこ
ろ、平均粒子径は7.00,6.00,5.00,4.
00,3.00,2.15,1.35,0.77,0.
59,0.56,0.50,0.45,0.43μmで
あった。
【0030】(混合粉の調製)平均粒子径の制御された
複合酸化物(b)28gに対し、主原料である酸化亜鉛
(a)を7モル、酸化ビスマスを0.018モル、酸化
クロムを0.009モル、酸化ホウ素を0.007モ
ル、酸化コバルトを0.029モル、酸化マンガンを
0.035モル、一酸化ニッケルを0.032モル秤量
してV型混合機に入れ12時間混合した。
【0031】(後熱処理)前記13種類の混合粉それぞ
れに、50mlの蒸留水に硝酸アルミニウムを0.00
015モル溶かした水溶液を入れ、40メッシュの金網
を通して製粒した。その製粒粉を50gずつ取り、内径
40の金型に入れて400kg/cm2の圧力で両押しプ
レスを行って円板状に成形した。成型品を各々2個試作
し、昇温速度+50℃、降温速度−50℃、900℃で
10時間保持という後熱処理(本焼成)を行った。
【0032】(電気特性の測定)円板状焼成品の上下面
にアルミニウム溶射電極を設け、電気特性を測定した。
表3に、試料No、複合酸化物(b)の平均粒子径、焼
成温度、および混合したそれぞれの原料の配合量を示し
た。また、表4には、それぞれのバリスタ試料の電気特
性を示した。表3の複合酸化物(b)の平均粒子径を横
軸、表4のバリスタ電圧を縦軸に取ったときの相関図を
図1に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表4及び図1から複合酸化物(b)の粒子
径が0.43〜3.0μmの範囲では、複合酸化物
(b)の平均粒子径とバリスタ電圧の関係が1対1で対
応(バラツキが少ない)する事が分かる。平均粒子径が
3μmより大きくなると、粒度分布の分散が増大する事
が起因していると考えられる。また、0.5μm未満で
は粉砕に長時間要するため量産向きではない事から複合
酸化物(b)の平均粒子径は0.50〜3.0μmが好
ましい。
【0036】また、焼成温度としては800℃〜100
0℃で可能であるが、1000℃以上では酸化ビスマス
の揮散が激しくなり800℃以下では焼結が進まないこ
とから850〜980℃が好ましい。
【0037】以上述べた通り、全原料を同時に粉砕する
ことで平均粒子径が制御された全原料混合粉(複合酸化
物を含む)を用いることにより、酸化亜鉛バリスタの組
成比(主にアンチモン量)調整を行わずにバリスタ電圧
の制御が可能となる。また、その組成比を変化させない
事により13種類の平均粒子径の違う試料それぞれの化
学反応物質量(例えばパイロクロア量)の変化は少ない
ため、小および大電流域平坦率への影響も少ない。そし
て、13種類の平均粒子径の違う試料は組成比が同じで
あるため、一定温度の焼成で任意なバリスタ電圧を有す
る酸化亜鉛バリスタの製造が可能となる。
【0038】実施の形態2.酸化亜鉛(a)を主原料と
し、ビスマスとアンチモンとの複合酸化物(b)、ビス
マス酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニ
ッケル酸化物、コバルト酸化物、マンガン酸化物、アル
ミニウム酸化物及びアルミニウム塩からなる群から選ば
れる少なくとも一種の化合物(c)を混合、成形、焼成
する酸化亜鉛バリスタの製造方法において、酸化亜鉛
(a)、複合酸化物(b)及び化合物(c)を混合した
混合粉末の平均粒子径を0.50〜0.90μmの範囲
で調整した粉体の粒度分布の一例を図4に示す。
【0039】図中の曲線は平均粒子径0.75μmの場
合であり、0.65μmのピーク(正規分布)は主原料
の酸化亜鉛およびその他の添加物元素の原料粉に起因
し、2.3μmのピークは複合酸化物に起因するピーク
である。ビスマスとアンチモンの複合酸化物とその他の
原料を合わせた全原料の混合粉砕済み粉体の平均粒子径
とバリスタ電圧との相関について、混合粉砕に用いる容
器の容量・混合粉砕メディアの量・そのメディアと原料
粉の混合比および混合粉砕時間などについて詳細に実験
した結果、混合粉砕した粉体の平均粒子径が0.50〜
0.90μmの範囲でバリスタ電圧と平均粒子径との間
に良好な比例的関係を見いだした。
【0040】以下に実際の製造プロセスに沿って詳細を
説明する。 (複合酸化物(b)の調製)複合酸化物(b)を作製す
るために、酸化ビスマスを0.6モルと酸化アンチモン
を0.4モル秤量し、内容量2.4リットルのナイロン
製ポットに入れた。更に、蒸留水と混合用メディアであ
るφ20の酸化ジルコニア製ボールを、それぞれ1.5
kgと0.5kg秤量して入れた。湿式混合を3時間行
った後に、混合物を十分に乾燥し、550℃の前熱処理
炉に入れて10時間保持し酸化ビスマスと酸化アンチモ
ンを反応させてビスマスとアンチモンとの複合酸化物
(b)を調製した。 (混合粉の調製)その複合酸化物を擂潰機に入れて20
分間壊砕した後14gを秤量した。主原料である酸化亜
鉛(a)を7モル、酸化ビスマスを0.020モル、酸
化クロムを0.009モル、酸化ホウ素を0.006モ
ル、酸化コバルトを0.028モル、酸化マンガンを
0.033モル、一酸化ニッケルを0.036モル秤量
して内容量2.4リットルのナイロン製ポットに入れ、
そこに前記の14gの複合酸化物を同時に入れた。更
に、蒸留水と混合粉砕メディアであるφ10の酸化ジル
コニア製ボールを、それぞれ1.4kgと3.0kg秤
量して入れて、複合酸化物と前記全部の原料を同時に湿
式粉砕した。粉砕時間を3〜90時間行うことで、複合
酸化物と前記全部の粉砕混合粉の平均粒子径が、1.1
0、1.00,0.90,0.85,0.80,0.7
5,0.71,0.58,0.55,0.53,0.5
0μmという11種類の同時混合粉を得た。
【0041】(後熱処理)前記11種類の混合粉それぞ
れに、50mlの蒸留水に対し硝酸アルミニウムを0.
00016モル溶かした水溶液を入れて擂潰機混合し、
40メッシュの金網を通し製粒した。その製粒粉を50
gずつ取り、内径40の金型に入れて400kg/cm2
の圧力で両押しプレスを行って円板状に成形した。成形
は、各粒子径毎に2個ずつ行った。それらの成型品に、
昇温速度+50℃、降温速度−50℃、950℃で10
時間保持という後熱処理(本焼成)を施した。
【0042】(電気特性の測定)その後熱処理した円板
状焼成品の上下面にアルミニウム溶射電極を設け、電気
特性を測定した。全原料混合粉(複合酸化物を含む)の
平均粒子径とバリスタ電圧の関係を図3に示す。
【0043】図3から、複合酸化物(b)とその他の全
ての原料を同時に粉砕して得られた全組成物同時混合粉
の平均粒子径が0.90〜0.50μmの範囲では、そ
の全原料混合粉の平均粒子径とバリスタ電圧の関係が1
対1で対応(バラツキが少ない)する事が分かる。平均
粒径が0.90μmより大きくなると、粒度分布の分散
が増大する事に起因してバリスタ電圧のバラツキが大き
くなると考えられる。また、0.50μm未満では粉砕
に長時間要するため量産向きではない事から全原料混合
粉の平均粒子径は0.90〜0.50μmが好ましい。
【0044】また、焼成温度としては800℃〜100
0℃で可能であるが、1000℃以上では酸化ビスマス
の揮散が激しくなり800℃以下では焼結が進まないこ
とから850〜980℃が好ましい。
【0045】この様に全原料を同時に粉砕することで平
均粒子径が制御された全原料混合粉(複合酸化物を含
む)を用いることにより、酸化亜鉛バリスタの組成比
(主にアンチモン量)調整を行わずにバリスタ電圧の制
御が可能となる。また、その組成比を変化させない事に
より11種類の平均粒子径の違う試料それぞれの化学反
応物質量(例えばパイロクロア量)の変化は少ないた
め、小および大電流域平坦率への影響も少ない。そし
て、11種類の平均粒子径の違う試料は組成比が同じで
あるため、一定温度の焼成で任意なバリスタ電圧を有す
る酸化亜鉛バリスタの製造が可能となる。
【0046】実施の形態3.本発明の態様においては、
ビスマス酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、ホウ
酸、ニッケル酸化物、コバルト酸化物、マンガン酸化
物、アルミニウム酸化物及びアルミニウム塩からなる群
より選ばれる少なくとも一種の化合物(c)に加えて、
大電流域平坦率の改善およびバリスタ電圧の増加を目的
として一種類以上の希土類酸化物(d)を添加した混合
粉を用いる。そのため、混合粉の平均粒子径を制御する
ことで相乗効果が得られ、平均粒子径のバリスタ電圧へ
の関与が増長されると考えられる。また、この希土類元
素は複合酸化物に対してR23換算で0.1〜15重量
%含有されていることは、バリスタ電圧への関与が増長
するため望ましい。
【0047】以下に実際の製造プロセスに沿って詳細を
説明する。 (複合酸化物(b)の調製)複合酸化物(b)を調製す
るために、酸化ビスマスを0.6モルと酸化アンチモン
を0.4モル秤量し、内容量2.4リットルのナイロン
製ポットに入れた。更に、蒸留水と混合用メディアであ
るφ20の酸化ジルコニア製ボールを、それぞれ1.5
kgと0.5kg秤量して入れた。湿式混合を3時間行
った後に、混合物を十分に乾燥し、500℃の前熱処理
炉に入れて10時間保持し酸化ビスマスと酸化アンチモ
ンを反応させてビスマスとアンチモンとの複合酸化物
(b)を調製した。 (混合粉の調製)その複合酸化物を擂潰機に入れて20
分間壊砕した後14gを秤量した。主原料である酸化亜
鉛(a)を7モル、酸化ビスマスを0.020モル、酸
化クロムを0.009モル、酸化ホウ素を0.006モ
ル、酸化コバルトを0.028モル、酸化マンガンを
0.033モル、一酸化ニッケルを0.036モル、前
記複合酸化物を14g秤量して内容量2.4リットルの
ナイロン製ポットに入た。そこに希土類酸化物(d)で
ある酸化イットリウムを0.70g秤量し同時に入れ
た。更に、蒸留水と混合粉砕メディアであるφ10の酸
化ジルコニア製ボールを、それぞれ1.4kgと3.0
kg秤量して入れて、複合酸化物と希土類酸化物を含む
前記全部の原料を同時に湿式粉砕した。粉砕時間を3〜
90時間行うことで、複合酸化物と前記全部の粉砕混合
粉の平均粒子径が、0.90,0.85,0.80,
0.75,0.71,0.64,0.58,0.55,
0.53,0.50μmという10種類の同時混合粉を
得た。
【0048】(後熱処理)前記10種類の混合粉それぞ
れに、50mlの蒸留水に対し硝酸アルミニウムを0.
00016モル溶かした水溶液を入れて擂潰機混合し、
40メッシュの金網を通し製粒した。その製粒粉を50
gずつ取り、内径40の金型に入れて400kg/cm2
の圧力で両押しプレスを行って円板状に成形した。成形
は、各粒子径毎に2個ずつ行った。それらの成型品に、
昇温速度+50℃、降温速度−50℃、980℃で10
時間保持という後熱処理(本焼成)を施した。
【0049】(電気特性の測定)その後熱処理した円板
状焼成品の上下面にアルミニウム溶射電極を設け、電気
特性を測定した。全原料混合粉(複合酸化物および希土
類酸化物を含む)の平均粒子径とバリスタ電圧の関係を
図5に示す。
【0050】この様に希土類酸化物(d)(実施の形態
3では、酸化イットリウム)を添加した酸化亜鉛バリス
タ焼結体の微構造は、添加しない場合に比べて酸化亜鉛
結晶粒に取り込まれる酸化アンチモンが少なくなってい
る。また、酸化亜鉛結晶粒の三重点には酸化アンチモン
粒子だけでなく、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化イッ
トリウム、酸化ビスマスとの4元化合物の存在が確認さ
れた。つまり、その酸化亜鉛結晶粒内に取り込まれる確
率の高い約1μm径以下の酸化アンチモン粒子が、主に
4元化合物を形成したと予測される。そのため、酸化亜
鉛結晶粒の成長を抑える役目であった酸化アンチモンの
ピンニング効率が上がり、バリスタ電圧と全原料同時混
合粉の相関関係が増長されたと考えられる。
【0051】また、焼成温度としては800℃〜100
0℃で可能であるが、1000℃以上では酸化ビスマス
の揮散が激しくなり800℃以下では焼結が進まないこ
とから850〜980℃が好ましい。
【0052】この様に全原料を同時に粉砕することで平
均粒子径が制御された全原料混合粉(複合酸化物を含
む)を用いることにより、酸化亜鉛バリスタの組成比
(主にアンチモン量)調整を行わずにバリスタ電圧の制
御が可能となる。また、その組成比を変化させない事に
より10種類の平均粒子径の違う試料それぞれの化学反
応物質量(例えばパイロクロア量)の変化は少ないた
め、小および大電流域平坦率への影響も少ない。そし
て、10種類の平均粒子径の違う試料は組成比が同じで
あるため、一定温度の焼成で任意なバリスタ電圧を有す
る酸化亜鉛バリスタの製造が可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び3に係る発
明によれば、ビスマスとアンチモンとの複合酸化物
(b)の平均粒子径を0.50〜3.00μmに制御し
て850〜980℃の任意の一定温度で焼成するので、
酸化亜鉛バリスタの配合量(組成比)を変えずに所望の
150〜600V/mmのバリスタ電圧が得られる。ま
た、一定温度の焼成であるため、温度調整や温度安定待
ちやパイロットサンプル評価などの付随作業が不要にな
り生産の効率化が大幅に向上する。さらにバリスタ電圧
の異なる複数のバリスタを同時に製造できる。
【0054】また請求項2及び4に係る発明によれば、
酸化亜鉛(a)を主原料とし、ビスマスとアンチモンと
の複合酸化物(b)、ビスマス酸化物、クロム酸化物、
ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト酸化
物、マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアルミニ
ウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物
(c)からなる混合物を、成形、焼成してバリスタを製
造する際に、上記全ての原料を混合した混合粉末の平均
粒子径を0.50〜0.90μmに制御して850〜9
80℃の任意の一定温度で焼成することで、酸化亜鉛バ
リスタの配合量(組成比)を変えずに所望の150〜6
00V/mmのバリスタ電圧が得られ、また、一定温度
の焼成であるため同時にバリスタ電圧の異なる複数のバ
リスタを製造でき、温度調整や温度安定待ちやパイロッ
トサンプル評価などの付随作業が不要になり生産の効率
化が大幅に向上する。さらにバリスタ電圧の異なる複数
のバリスタを同時に製造できる。
【0055】さらに、請求項5に係る発明によれば、酸
化亜鉛(a)を主原料とし、ビスマスとアンチモンの複
合酸化物(b)、ビスマス酸化物、クロム酸化物、ホウ
素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト酸化物、
マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアルミニウム
塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物
(c)、及び希土類酸化物(d)(R:Y,La,C
e,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,Lu)の少なくとも一種類以上
を混合、成形、焼成するバリスタの製造方法において、
上記全ての原料を混合した混合粉末の平均粒子径を0.
50〜0.90μmに制御して850〜980℃の任意
の一定温度で焼成することで酸化亜鉛バリスタの配合量
(組成比)を変えずに所望の150〜600V/mmの
バリスタ電圧が得られ、また、一定温度の焼成であるた
め温度調整や温度安定待ちやパイロットサンプル評価な
どの付随作業が不要になり生産の効率化が大幅に向上す
る。また、この希土類酸化物はバリスタ電圧と全混合粉
の平均粒子径の相関を増長させるため、より広範囲なバ
リスタ電圧の制御が可能となり、生産効率をさらに向上
させる効果がある。さらにバリスタ電圧の異なる複数の
バリスタを同時に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の複合酸化物(b)の平均粒子
径を横軸、それに対応するバリスタ電圧を縦軸に取った
ときの相関図である。
【図2】 実施の形態1の平均粒子径が0.65μmの
場合の複合酸化物粉体粒子の粒度分布を示す図である。
【図3】 実施の形態2の全原料混合粉(複合酸化物を
含む)の平均粒子径とバリスタ電圧の関係を示す図であ
る。
【図4】 実施の形態2の全原料混合粉(複合酸化物を
含む)の平均粒子径を0.50〜0.90μmに制御し
た粉体の粒度分布を示す図である。
【図5】 実施の形態3の全原料混合粉(複合酸化物お
よび希土類酸化物を含む)の平均粒子径とバリスタ電圧
の関係を示す図である。
【図6】 一般的な酸化亜鉛バリスタ素子の概略図であ
る。
【図7】 一般的な避雷器用酸化亜鉛バリスタの電流−
電圧特性を示す図である。
【図8】 一般的な酸化亜鉛バリスタの微構造を示す図
である。
【符号の説明】 酸化亜鉛粒子、 粒界、 酸化アンチモン、
酸化ビスマス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河又 巌 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高田 良雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 加東 智明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 堀 昭夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山下 秀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 伊賀 篤志 大阪府高槻市大和一丁目14番地11号 有限 会社ズィンクトピア内 (72)発明者 宮本 大樹 大阪府和泉市あゆみ野二丁目7番1号 大 阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 宮本 敬 大阪府和泉市あゆみ野二丁目7番1号 大 阪府立産業技術総合研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA11 AA12 AA13 AA14 AA22 AA25 AA28 AA29 AA32 AA35 AA36 AA42 AA43 BA04 CA04 GA04 GA08 GA22 GA27 5E034 CC05 DA05 DB01 DE04 DE08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛(a)、ビスマスとアンチモン
    との複合酸化物(b)及びビスマス酸化物、クロム酸化
    物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト
    酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアル
    ミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化
    合物(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛
    バリスタを製造する方法において、製造する酸化亜鉛バ
    リスタのバリスタ電圧の制御を、焼成温度を850〜9
    80℃の範囲の一定温度とし、かつ、(b)成分の平均
    粒子径を0.50〜3.00μmの範囲で調節すること
    により行なう酸化亜鉛バリスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛(a)、ビスマスとアンチモン
    との複合酸化物(b)及びビスマス酸化物、クロム酸化
    物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト
    酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアル
    ミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化
    合物(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛
    バリスタを製造する方法において、製造する酸化亜鉛バ
    リスタのバリスタ電圧の制御を、焼成温度を850〜9
    80℃の範囲の一定温度とし、かつ、該混合物の平均粒
    子径を0.50〜0.90μmの範囲で調節することに
    より行なう酸化亜鉛バリスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛(a)、ビスマスとアンチモン
    との複合酸化物(b)及びビスマス酸化物、クロム酸化
    物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト
    酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアル
    ミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化
    合物(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛
    バリスタを製造する方法において、(a)、(b)及び
    (c)の各成分の種類及び組成比が同じ混合物であっ
    て、(b)成分の平均粒子径が0.50〜3.00μm
    の範囲で異なる複数の混合物を用意し、該複数の混合物
    を850〜980℃の範囲の一定温度で焼成することを
    特徴とするバリスタ電圧の異なる複数の酸化亜鉛バリス
    タの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化亜鉛(a)、ビスマスとアンチモン
    との複合酸化物(b)及びビスマス酸化物、クロム酸化
    物、ホウ素酸化物、ホウ酸、ニッケル酸化物、コバルト
    酸化物、マンガン酸化物、アルミニウム酸化物及びアル
    ミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化
    合物(c)からなる混合物を、成形、焼成して酸化亜鉛
    バリスタを製造する方法において、(a)、(b)及び
    (c)の各成分の種類及び組成比が同じ混合物であっ
    て、混合物の平均粒子径が0.50〜0.90μmの範
    囲で異なる複数の混合物を用意し、該複数の混合物を8
    50〜980℃の範囲の一定温度で焼成することを特徴
    とするバリスタ電圧の異なる複数の酸化亜鉛バリスタの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 混合物が、さらに少なくとも一種の希土
    類酸化物(d)を含有する請求項2又は4に記載の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008210879A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Toshiba Corp 内蔵形避雷器
JP2015053313A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 三菱電機株式会社 焼成体、その製造方法、バリスタおよび過電圧保護装置
JP2017112273A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 住友ベークライト株式会社 高電圧保護部材形成用樹脂組成物、半導体装置および電子部品
WO2020007553A1 (de) * 2018-07-04 2020-01-09 Tdk Electronics Ag Keramikmaterial, varistor und verfahren zur herstellung des keramikmaterials und des varistors

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