JP2002338671A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP2002338671A JP2001147275A JP2001147275A JP2002338671A JP 2002338671 A JP2002338671 A JP 2002338671A JP 2001147275 A JP2001147275 A JP 2001147275A JP 2001147275 A JP2001147275 A JP 2001147275A JP 2002338671 A JP2002338671 A JP 2002338671A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続式ポリエステル製造設備で、ポリエステル
低重合体にポリエステル屑を原料の一部として配合して
も安定した品質のポリエステルを得ること。 【解決手段】テレフタル酸および/またはその誘導体と
エチレングリコールを原料として、エステル化反応を行
い、得られたポリエステル低重合体を重縮合してポリエ
ステルを連続的に製造する方法において、エステル化反
応温度が260〜280℃である最終段階のエステル化
反応容器内に、エチレンテレフタレートを主成分とする
ポリエステル屑を添加することによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルを連
続的に製造する方法に関するものであり、更に詳しくは
ポリエステル屑を高温度のポリエステル低重合体に添加
し、ポリエステル屑を短時間で融解および/または溶解
して、ポリエステル屑を原料の一部として配合しても安
定した品質のポリエステル重合体を得る製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートはその優れた特性により繊維、フィルム、ボト
ル、プラスチック等として広く用いられているが、これ
らの製造工程において発生する繊維状、フィルム状、樹
脂状などのポリエステル屑の有功利用はコストなどの点
で工業的に極めて重要であり、また、近年は地球環境の
問題で再利用を促進することが求められている。このよ
うな状況の中、ポリエステル屑の利用法として種々の方
法が提案されている。
【0003】例えば、特開昭60−248646号公報
にはポリエステル低重合体を溶融状態で反応容器に存在
させ、エチレングリコールとポリエステル屑を同時かつ
連続的に添加し、解重合した後に反応物の一部を重合反
応系に供給することが提案されている。しかし、この方
法はポリエステル屑の解重合時間に50分以上を要し、
回分式重合方法には適用できても連続式重合方法には不
向きである。
【0004】US2,933,476号公報にはエステ
ル交換反応で生成されたポリエステル低重合体が連続し
て通過するポリマー片を溶解する容器に、ポリエステル
の固体粒子を連続的に添加し、溶解して重縮合工程に連
続して供給する連続重合方法が提案されている。しか
し、この方法に述べられている溶解条件では未溶解のポ
リエステル固体粒子が多くて、ポリエステル低重合体を
濾過するフィルターで異物を除去しようとすれば、フィ
ルターの目詰まりで圧力損失の変動を起こし、ポリエス
テル低重合体の流量の変動要因となって、結果的には重
縮合反応容器の反応時間の変動となり最終重縮合反応容
器出のポリマー品質の安定性に欠ける。また、異物を最
終重縮合反応容器出のポリマーを濾過するフィルターの
みで除去すれば、フィルターの寿命が短くなる欠点が生
じる。
【0005】本発明者らはポリエステル屑の融解および
/または溶解を促進するエステル化反応条件を鋭意検討
した結果、本発明に達した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、連続
式ポリエステル製造設備で、ポリエステル低重合体にポ
リエステル屑を原料の一部として配合しても安定した品
質を得ることができるポリエステルの製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、テレフタル酸
および/またはその誘導体とエチレングリコールを原料
として、エステル化反応を行い、得られたポリエステル
低重合体を重縮合してポリエステルを連続的に製造する
方法において、エステル化反応温度が260〜280℃
である最終段階のエステル化反応容器内に、エチレンテ
レフタレートを主成分とするポリエステル屑を添加し、
ポリエステル屑を原料の一部とすることを特徴とする。
【0008】このように高温のポリエステル低重合体で
ポリエステル屑を短時間で融解および/または溶解させ
て、ポリエステル低重合体にポリエステル屑を原料の一
部として配合したため、ポリエステル低重合体流量の安
定と濾過が容易となり上記目的の達成が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】ここでいうポリエステルとはテレフタル酸
もしくはその低級アルキルエステルとエチレングリコー
ルとからなるポリエステルであるが、そのテレフタル酸
成分の一部をイソフタル酸、フタル酸、ジフェニルカル
ボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、P−ヒド
ロキシ安息香酸等の二官能性酸の1種または2種以上を
置き換えたポリエステルであってもよい。また、顔料、
耐熱剤、蛍光増白剤などの添加物を含んでも良い。
【0011】次に、図面を参照しながら本発明について
詳細に説明する。図1はポリエステルの連続製造方法の
実施形態の一例を示す工程概略図である。1は第1エス
テル化反応容器、2は第2エステル化反応容器、3はポ
リエステル屑添加設備、4はポリエステル低重合体の送
液ポンプ、5はポリエステル低重合体のフィルター、6
は第1重縮合反応容器、7は第2重縮合反応容器、8は
最終重縮合反応容器、9はポリマー排出ポンプ、10は
ポリマーのフィルターを示す。
【0012】図1には5槽構成のポリエステル連続重合
方法を示したが、反応容器数はこれに限るものではな
い。図1に示すようなポリエステルの連続製造方式で
は、一般的にあらかじめポリエステル低重合体が存在す
る第1エステル化反応容器1に、テレフタル酸とエチレ
ングリコールとのスラリーを連続的に供給し、常圧また
は微加圧下で反応させエステル化反応率を88〜94%
とする。
【0013】次にこれを第2エステル化反応容器2に逐
次送液し、常圧または微加圧下で反応させエステル化反
応率を約97%まで上げたポリエステル低重合体とす
る。エステル化反応率が95%以下の第1エステル化反
応容器では、未反応のエチレングリコールの蒸発を抑制
する微加圧の方が熱効率的に有利であるが、エステル化
反応で副生する水はポリエステル低重合体に一部溶解す
るため完全に系外に除去することは困難で、反応圧力に
よりポリエステル低重合体に存在する水分量が決定さ
れ、更にエステル化反応率を上げる第2エステル化反応
容器では水による逆反応を考慮すると常圧が望ましい。
【0014】またエステル化反応工程において、反応系
内の酸成分に対するエチレングリコール成分の当量比と
平均反応時間が同一であれば反応温度が高いほどエステ
ル化反応率は上がるのだが、同時にジエチレングリコー
ル等の副生成物の生成も促進される。同じように酸成分
に対するエチレングリコール成分の当量比が大きいほ
ど、平均反応時間が長いほどエステル化反応率は上がる
が、同時にジエチレングリコール等の副生成物の生成も
促進される。ジエチレングリコールは繊維分野では染め
斑や強度低下の原因となり、ボトル分野では、衛生上の
問題からも極力生成を抑えたい成分の一つである。
【0015】次に第2エステル化反応容器出のポリエス
テル低重合体を送液ポンプ4によってポリエステル低重
合体のフィルター5を経由して第1重縮合反応容器6、
第2重縮合反応容器7、最終重縮合反応容器8、ポリマ
ー排出ポンプ9、ポリマーのフィルター10と順次通過
させ所定の品質のポリエステルを得る。重縮合反応工程
では重縮合により生成するエチレングリコールを反応系
外に取り出す。一方、未完のエステル化反応を完結させ
るためにはエチレングリコールの存在が不可欠であり、
相反した必要条件が要求されるので反応圧力は段階的に
真空度を上げていくことが一般的な手法である。一般に
知られているようにヒドロキシル基とカルボキシル基で
はヒドロキシル基の反応性が圧倒的に高く、未反応で残
存しているカルボキシル末端基が多いと重縮合反応の頭
打ちが起こり反応効率が下がってしまう現象が生じる。
【0016】原料、触媒類および顔料等の添加剤に含ま
れる異物、あるいは触媒の一部が異物化した物、あるい
は反応容器の空間部器壁に付着して形成されたポリエス
テル変性物(高融点化物、ゲル化物)が異物化した物、
あるいは反応容器の伝熱部でスケール化しそれが剥離し
て異物化した物等がポリマーに混入すると、例えば繊維
製造工程での紡糸に際し、紡糸フィルターの寿命が短く
なったり糸切れの原因になる。よって図1に示すような
ポリエステルの連続重合方式では、上記の異物類の除去
はポリエステル低重合体のフィルター5とポリマーのフ
ィルター10での2段階で濾過する方が効率的である。
ポリマーのフィルターのみで濾過するとフィルター寿命
が短くなる。
【0017】図1ではエステル化反応圧力が常圧の方が
望ましく、ポリエステル屑の添加の設備化が加圧系より
容易な第2エステル化反応容器にポリエステル屑を添加
する例を示している。第2エステル化反応容器から第1
重縮合反応容器への送液はポリエステル低重合体送液ポ
ンプ4によってポリエステル低重合体のフィルター経由
でなされるのが一般的である。添加したポリエステル屑
の未融解および/または未溶解固体粒子が多いと、ポリ
エステル低重合体のフィルターの目詰まりで差圧が大き
くなるが、この目詰まりした未融解および/または未溶
解固体粒子は経時的に粘性低下あるいは溶解が進みフィ
ルターをすり抜けて元の差圧に戻る。この差圧変動すな
わちポリエステル低重合体の送液ポンプの吐出圧変動が
起こると、ポンプ効率が変動してポリエステル低重合体
の流量の変動要因となって、結果的には重縮合反応容器
の反応時間の変動となり最終重縮合反応容器出のポリマ
ー品質の安定性に欠けることになる。
【0018】ポリエステル屑を添加する第2エステル化
反応容器が完全混合槽で、添加したポリエステル屑量が
T(min)時間後に出ていく確率は次式で近似される
とすると、 C=(1−e^(−T/Θ))×C0 ここで、C0=添加量 C=T(min)後までに
排出される量 Θ =平均反応時間(min) T=添加後の排出
時間(min) 例えば、平均反応時間が30minの反応容器に100
0個添加したとすると3(min)後には95個が排出
されてくることになる。従って、ポリエステル屑の融解
および/または溶解に対して、完全混合槽型反応容器の
平均反応時間が充分にあっても、短時間で排出される未
融解および/または未溶解のポリエステル屑があること
を示す。
【0019】ポリエステル屑の融解および/または溶解
を短時間で行わせるには、ポリエステルの軟化点以上の
エステル化反応温度にしたポリエステル低重合体に添加
した方が効果的である。ポリエステル低重合体温度に対
するポリエステルペレット(0.05g/1個)の融解
および/または溶解に要する時間を測定した結果の一例
を表1に示した。
【0020】本件発明者らはポリエステル低重合体の品
質を満足しかつポリエステル屑を融解および/または溶
解して、ポリエステル屑を原料の一部にできるエステル
化反応条件等を鋭意検討した結果、ポリエステル屑を添
加するエステル化反応容器内の反応温度が260〜28
0℃、酸成分に対するエチレングリコールの当量比が
1.05〜1.25であるポリエステル低重合体に対し
ポリエステル屑の添加量が0.5〜5.0重量%、平均
反応時間が0.5〜1.5時間、ポリエステル屑の粒の
重量が0.5g/1個以下でありかつ最も長い部分が1
0mm以下とすることで目的を達成できることを見い出
した。
【0021】ポリエステル屑を添加するエステル化反応
容器内の反応温度は260〜280℃の範囲にする必要
がある。エステル化反応温度が260℃未満ではポリエ
ステル屑の融解および/または溶解がしにくく、280
℃より高温ではジエチレングリコール等の副生成物の生
成が多くなり、好ましくは265〜275℃の範囲にす
る。
【0022】他の反応要因であるポリエステル低重合体
の酸成分に対するエチレングリコールの当量比を下げる
か、あるいは平均反応時間を短くするか、または両者を
組み合わせた条件で調整して製品の品質を規格範囲に収
めることができる。
【0023】ポリエステル低重合体の酸成分に対するエ
チレングリコールの当量比は1.05〜1.25の範囲
とすることが好ましい。ポリエステル低重合体の酸成分
に対するエチレングリコールの当量比が1.05以上で
は、重縮合反応工程での未完のエステル化反応を完結さ
せるためのエチレングリコールが十分になってカルボキ
シル末端基が少なくなり、重縮合反応を完結することが
できる。また、1.25以下ではジエチレングリコール
等の副生成物の生成を少なくでき製品の品質を規格範囲
に収めることができる。
【0024】平均反応時間は0.5〜1.5時間とする
ことが好ましい。平均反応時間が0.5時間以上では、
前述したように完全混合槽型反応容器から短時間で排出
される未融解および/または未溶解のポリエステル屑の
割合を下げ、ポリエステル低重合体のフィルターの目詰
まりを軽減できる。また、1.5時間以下ではジエチレ
ングリコール等の副生成物の生成を少なくでき製品の品
質を規格範囲に収めることができる。
【0025】本発明で使用できるポリエステル屑として
は、ロータリーバルブあるいはスクリューフィーダー等
で連続的に添加できる形状にしたものが好ましい。塊状
屑、フィルム屑等は粉砕処理した後に使用できるし、繊
維状屑も付着した油剤を適当な前処理して除いた後ペレ
タイザーでペレット化すれば使用できる。また、ポリエ
ステル屑を添加する際、反応系内から発生した水とエチ
レングリコールの混合蒸気で、ポリエステル屑供給設備
3の内部を湿潤させてポリエステル屑が屑供給設備に付
着してしまうので、屑供給設備下部とエステル化反応容
器との間に窒素ガスをブローする装置を用いることが好
ましい。
【0026】ポリエステル屑の添加量がポリエステル低
重合体に対し0.5〜5.0重量%であり、かつ平均反
応時間が0.5〜1.5時間であり、かつポリエステル
屑の大きさを粒の重量で0.5g/1個以下でありかつ
最も長い部分で10mm以下とすることによって、添加
したポリエステル屑の一部が前記したように短時間のう
ちにエステル化反応容器から未融解および/または未溶
解で排出されたとしても、ポリエステル低重合体のフィ
ルターへの負荷割合を小さくできる。このことによっ
て、ポリエステル低重合体のフィルターは従来どおりの
小さい目開きの物が使用でき、ポリエステル低重合体か
らの異物除去効果を低下させることもないし、ポリエス
テル低重合体の送液ポンプの大きな吐出圧変動が生じず
送液量変動も小さい。したがって、ポリエステル低重合
体の流量変動による重縮合工程での平均反応時間の変動
も小さく、ポリエステル低重合体にポリエステル屑を原
料の一部として配合しても安定した品質のポリエステル
重合体を得ることができる。
【0027】また、未融解および/または未溶解の大き
な固まりがポリエステル低重合体の送液ポンプへの噛み
込みによるポンプの過負荷トリップ、あるいは故障の原
因になるが、ポリエステル屑の大きさを規制したことに
よってこれらも予防できる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値の測定法は次ぎのとおりである。 (1)極限粘度 フェノールとテトラクロルエタンとの等重量混合物を溶
媒とし、温度25℃で測定した。 (2)カルボキシル末端基量(当量/t) 試料1.0gを秤量し、これにオルソクレゾール20m
lを加え、100℃で60分加熱溶解し、0.04mo
l/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定して測定した。 (3)ジエチレングリコール 試料をモノエタノールアミンで加熱分解し、生成物に内
部標準液(1,6ヘキサメチレングリコール/1級エタ
ノール)および中和剤(特級TPA)を添加して後濾過
し、濾液中のジエチレングリコールをガスクロマトグラ
フで測定した。 (4)色調(b値) スガ試験機(株)製のSMカラーマシンを使用して測定
した。値が大きくなるに伴い黄色が強くなる傾向にあ
る。 (5)エステル化反応率 ポリエステル低重合体の酸価(以下AVと略する)およ
び鹸化価(以下SVと略する)から下記式(1)にて求め
た。 エステル化反応率=〔(SV−AV)/SV)〕×100 (1) AVは試料をWg採取し、N.Nジメチルホルムアミド
を50ml加え溶解する。さらに、ロゾール酸を指示薬
として加え0.04N−NaOH水溶液で滴定して下記
式(2)にて求めた。 AV=2.244×(A1−B1)×F1/W1 (2) A1:試料における0.04N−Na0H水溶液滴定量
(ml) B1:ブランクにおける0.04N−NaOH水溶液滴
定量(ml) F1:0.04N−NaOH水溶液のファクター W1:試料採取量(g) SVは試料0.4gに0.5N−KOHアルコール溶液
20mlを加えて95℃で30分間加熱分解し、冷却後
1%フェノールフタレイン指示薬を加え0.5N−H2
SO4水溶液で滴定して下記式(3)にて求めた。 SV=28.05×(A2−B2)×F2/W2 (3) A2:試料における0.5N−H2SO4水溶液滴定量
(ml) B2:ブランクにおける0.5N−H2SO4水溶液滴定
量(ml) F2:0.5N−H2SO4水溶液のファクター W2:試料採取量(g) 実施例1 図1に示したポリエステルの連続重合装置を用いて、テ
レフタル酸4993Kg/hr、エチレングリコール2
145Kg/hr、を混合したスラリーを平均反応時間
4.8hr、反応温度258℃、反応圧力0.12MP
a・Gに制御された第1エステル化反応容器1に連続的
に供給し、エステル化反応によって副生する水と同伴し
て蒸発するエチレングリコールは精留塔によって還流さ
せ、エステル化反応率90.6%のポリエステル低重合
体とし、次いでこのポリエステル低重合体を平均反応時
間0.8hr、反応温度265℃、反応圧力は常圧に制
御された第2エステル化反応容器2へ移液および重合触
媒として三酸化アンチモン1.63Kg/hr、艶消し
剤として酸化チタン19.25Kg/hr、耐熱剤とし
て燐酸0.79Kg/hrを各々エチレングリコールと
共に添加し、全留出系でエステル化反応をさせてエステ
ル化反応率96.9%で酸成分に対するエチレングリコ
ール成分の当量比が1.17のポリエステル低重合体を
得る。
【0029】この状態の第2エステル化反応容器2にポ
リエステル屑添加設備3から、約0.2g/1個の顆粒
状からなるポリエチレンテレフタレート屑187Kg/
hrを連続的に添加した。屑添加中は屑添加設備の下部
に窒素ガスを供給した。
【0030】次いでこのポリエチレンテレフタレート屑
を含むポリエステル低重合体を送液ポンプ4によってポ
リエステル低重合体のフィルター5を経由して、第1重
縮合反応容器6、第2重縮合反応容器7、最終重縮合反
応容器8の順で高温・真空下で常法通り重縮合反応させ
て、最終重縮合反応容器の出口からポリマー排出ポンプ
9によって加圧送液してポリマーのフィルター10で濾
過した。
【0031】得られたポリエチレンテレフタレートの品
質を測定した結果を表2に示す。極限粘度の変動は小さ
く他の品質も安定していた。なお、ポリエステル低重合
体のフィルター通過量の安定性を示す指標として、ポリ
エステル低重合体の送液ポンプ4のモータ負荷電流変
動、同ポンプ吐出圧変動および最終重縮合反応容器8の
出側液面を制御しているポリマー排出ポンプ9のモータ
ー回転数(インバータによる回転数制御)変動を測定し
た。各々の測定値の変動は小さく、ポリエチレンテレフ
タレート屑を供給しない時と同等であった。結果を併せ
て表2に示した。
【0032】実施例2〜5 第2エステル化反応容器2の反応温度を260℃、27
0℃、275℃、280℃に変更し、その時の第2エス
テル化反応容器出のポリエステル低重合体のエステル化
反応率、ジエチレングリコールの副生成量が実施例1と
同程度になるように第1エステル化反応容器1と第2エ
ステル化反応容器2の他のエステル化反応条件を組み合
わせた以外は、実施例1と同一の条件とした。
【0033】得られたポリエチレンテレフタレートの品
質とポリエステル低重合体のフィルター通過量の安定性
を示す各々の指標の測定値の結果を表2に示した。第2
エステル化反応容器の反応温度、ポリエステル低重合体
の酸成分に対するエチレングリコールの当量比および平
均反応時間が本発明範囲内にあるので、いずれもポリエ
チレンテレフタレートの品質は安定していた。
【0034】実施例6〜7 実施例6では第2エステル化反応容器2にポリエステル
屑添加設備3から、約0.2g/1個の顆粒状からなる
ポリエチレンテレフタレート屑287Kg/hrを連続
的に添加し、実施例7では約0.2g/1個の大きさの
ものに約0.45g/1個の大きさのものを30wt%
混ぜたポリエチレンテレフタレート屑187Kg/hr
を連続的に添加した以外は、実施例1と同一の条件とし
た。
【0035】得られたポリエチレンテレフタレートの品
質とポリエステル低重合体のフィルター通過量の安定性
を示す各々の指標の測定値の結果を表2に示した。ポリ
エステル屑の添加量を増やしたことと大き目のポリエス
テル屑を混ぜたことで、ポリエステル低重合体のフィル
ター通過量の安定性を示す各々の指標の測定値の変動が
やや大きくなったが、ポリエチレンテレフタレートの品
質の安定性を乱す程ではなかった。
【0036】比較例1 第2エステル化反応容器2の反応温度を255℃に変更
し、その時の第2エステル化反応容器出のポリエステル
低重合体のエステル化反応率、ジエチレングリコールの
副生成量が実施例1と同程度になるように第1エステル
化反応容器1と第2エステル化反応容器2の他のエステ
ル化反応条件を組み合わせた以外は、実施例1と同一の
条件とした。
【0037】得られたポリエチレンテレフタレートの品
質とポリエステル低重合体のフィルター通過量の安定性
を示す各々の指標の測定値の結果を表2に示した。第2
エステル化反応容器の温度を下げたことで未融解および
/または未溶融のポリエチレンテレフタレート屑の影響
が大きくなり、ポリエステル低重合体のフィルター通過
量の安定性を示す各々の指標の測定値の変動が大きくな
った。ポリエステル低重合体の流量変動と考えられる影
響でポリエチレンテレフタレートの極限粘度のバラツキ
が2.5倍に増えた。
【0038】比較例2 第2エステル化反応容器2の反応温度を285℃に変更
し、その時の第2エステル化反応容器出のポリエステル
低重合体のエステル化反応率、ジエチレングリコールの
副生成量が実施例1と同程度になるように第1エステル
化反応容器1と第2エステル化反応容器2の他のエステ
ル化反応条件を組み合わせ、第2エステル化反応容器2
にポリエステル屑添加設備3から、約0.2g/1個の
大きさのものに約0.80g/1個の大きさのものを3
0wt%を混ぜた顆粒状からなるポリエチレンテレフタ
レート屑187Kg/hrを連続的に添加した以外は、
実施例1と同一の条件とした。
【0039】ポリエステル低重合体の送液ポンプ4のモ
ーター負荷電流が時々異常に上昇する現象が発生するよ
うになり、4.5時間後に送液ポンプ4がトリップした
ので約0.80g/1個の大きさのポリエチレンテレフ
タレート屑の混合を中止した。大きなポリエチレンテレ
フタレート屑が極短時間で排出されたことによって、未
融解および/または未溶融の固まりをポリエステル低重
合体の送液ポンプ4に噛み込んだ過負荷であった。
【0040】比較例3 第2エステル化反応容器2にポリエステル屑添加設備3
から約0.2g/1個の顆粒状からなるポリエチレンテ
レフタレート屑387Kg/hrを連続的に添加した以
外は、比較例2と同一の条件とした。
【0041】得られたポリエチレンテレフタレートの品
質とポリエステル低重合体のフィルター通過量の安定性
を示す各々の指標の測定値の結果を表2に示した。ポリ
エチレンテレフタレート屑の添加量を増やしたことで、
ポリエステル低重合体のフィルター通過量の安定性を示
す各々の指標の測定値の変動が大きくなり、ポリエチレ
ンテレフタレートの極限粘度のバラツキが約2倍になっ
た。また、第2エステル化反応容器の反応温度が高いた
め、ジエチレングリコール以外の副生成物の影響で色調
b値が大きくなり劣化した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、テレフタル酸および/
またはその誘導体とエチレングリコールを原料として、
エステル化反応を行い、得られたポリエステル低重合体
を重縮合してポリエステルを連続的に製造する方法にお
いて、エステル化反応温度が260〜280℃である最
終段階のエステル化反応容器内に、エチレンテレフタレ
ートを主成分とするポリエステル屑を添加することによ
って、ポリエステル屑を原料の一部として配合しても安
定した品質のポリエステルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステルの連続製造方法の実施形態の一例
を示す行程図である。
【符号の説明】
1 第1エステル化反応容器 2 第2エステル化反応容器 3 ポリエステル屑添加設備 4 ポリエステル低重合体の送液ポンプ 5 ポリエステル低重合体のフィルター 6 第1重縮合反応容器 7 第2重縮合反応容器 8 最終重縮合反応容器 9 ポリマー排出ポンプ 10 ポリマーのフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB05 AC01 BA03 CB06A KB14 KJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸および/またはその誘導体と
    エチレングリコールを原料として、エステル化反応を行
    い、得られたポリエステル低重合体を重縮合してポリエ
    ステルを連続的に製造する方法において、エステル化反
    応温度が260〜280℃である最終段階のエステル化
    反応容器内に、エチレンテレフタレートを主成分とする
    ポリエステル屑を添加し、ポリエステル屑を原料の一部
    とすることを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】酸成分に対するエチレングリコール成分の
    当量比が1.05〜1.25であるポリエステル低重合
    体に対し、ポリエステル屑を0.5〜5.0%の重量割
    合で添加することを特徴とする請求項1記載のポリエス
    テルの製造方法
  3. 【請求項3】エステル化反応容器内において平均反応時
    間が0.5〜1.5時間であり、かつ粒の重量が0.5
    g/1個以下でありかつ最も長い部分が10mm以下の
    ポリエステル屑を添加することを特徴とする請求項1又
    は2記載のポリエステルの製造方法。
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