JP3681244B2 - ポリエステルの連続製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定した品質の製品を与えるポリエステルの連続製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートは、種々の優れた特性、なかでも優れた機械的強度を有し、繊維、フイルム、シート、ボトルなど、各種成形物の素材として広く利用されている。
【0003】
ポリエチレンテレフタレートは、一般にテレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化させて低重合体とし、これを減圧下に加熱して重縮合させることによって製造されている。
このようなポリエステルを製造する方法には、回分式と連続式とがあるが、大量生産品の場合には、品質及びコストの点で有利な連続式が一般に採用されている。
【0004】
溶融重合によって得られたポリエステルから成形物を製造する場合、通常、一旦チップ化した後、再溶融して成形する方法が採用される。その際、原料ポリエステルのカルボキシル末端基量が多いと、再溶融中にポリエステルの残留水分による加水分解が起こりやすい。この加水分解は、ポリエステルのカルボキシル末端基による酸触媒作用により促進されるので、原料ポリエステルのカルボキシル末端基量の変動によって、加水分解の程度も変化する。再溶融による成形時に加水分解が起こると、粘度低下による製品の強度不足や色調の悪化など、成形物本来の好ましい特性が損なわれるばかりでなく、加水分解の程度が変化すると、成形物の特性に斑が生じることになる。したがって、再溶融によって成形するポリエステルは、カルボキシル末端基量が少なく、かつ一定であるほどよい。
【0005】
また、ボトル用など用途によっては、溶融重合によって得られたポリエステルを、さらに固相重合して重合度を上げることが必要である。この場合、溶融重合後のポリエステルは、カルボキシル末端基量が少ないほどよいわけではなく、ある所望する範囲内にコントロールすることが必要である。一般的に、カルボキシル末端基量が多くても少なくても見かけ上の固相重合反応速度が遅くなってしまうことが知られている。これは見かけ上の固相重合反応の律速段階が、水もしくはエチレングリコールの物質移動であることに起因している。したがって、この固相重合反応速度を一定に保つため、すなわち、固相重合後のポリエステルの極限粘度を一定に保つためには、溶融重合後のポリエステルのカルボキシル末端基量をある範囲内で一定に保つことが必要である。
【0006】
通常、工業的にポリエステルを製造する場合、製造条件が一定であれば、常にほぼ一定の品質のポリエステルが得られる。しかし、近年、生産性、経済性、品質上の点から、ポリエステルを溶融重合によって製造した後、チップ化することなく溶融状態のまま紡糸工程へ送液する直接紡糸法や、チップ化した後、チップサイロに保持することなく、連続的に固相重合装置に移送して固相重合する方法を採用することが多くなっており、このような場合には後工程の生産量に合わせて連続的に製造するポリエステルの生産量を変化させる必要が生じる。
【0007】
一般的に、連続反応器で生産量を変化させる場合には、反応速度を一定とし、反応率を一定に保つために、反応器での滞留時間が一定になるように反応器内の反応物の保持量を制御する製造条件を選ぶのであるが、ポリエステルの連続製造、特に一般的な横型反応器を使用した連続製造においては、その反応物の保持量を調整することは実質上不可能である。したがって、滞留時間を一定に保つことができず、見かけ上の重合反応速度を変化させて、得られるポリエステルの品質を一定に保とうとしているのが現状である。
【0008】
見かけ上の重合反応速度を変化させる方法としては、通常、重合反応器の温度及び/又は真空度を変化させる方法が採用されている。しかし、直接エステル化法によって製造されるポリエステルのカルボキシル末端基量は、重合反応の進行、中でもエステル化反応の進行に伴って減少する一方、熱分解により経時的に増加する。すなわち、得られるポリエステルのカルボキシル末端基量は、このエステル化反応速度と熱分解速度のバランスによって決定されるのである。
【0009】
したがって、見かけ上の重合反応速度を変化させるために用いられる反応器の温度や真空度の調整方法では、エステル化反応速度、重縮合反応速度、熱分解反応速度の全てを変化させることになるために、ポリエステルの極限粘度、色調、ジエチレングリコール含有量などの特性値を一定に保ち、かつ、カルボキシル末端基量も一定に保つことは非常に困難であった。
【0010】
すなわち、従来法では、連続的にポリエステルを製造するに方法において、生産量を変化させても、ポリエステルの品質を一定に保つことは非常に困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生産量が変動しても、極限粘度、色調、ジエチレングリコール含有量など特性値を一定に保ち、かつ、カルボキシル末端基量も一定に保つことのできるポリエステルの連続製造法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、エステル化反応時の反応条件を調節することで、エステル化反応で得られる低重合物のエステル化反応率を一定に保ったまま、低重合物の重合度が制御可能であり、これにより見かけ上の重合反応速度を変化させうること、またエステル化反応率と製品ポリエステル中のジエチレングリコール含有率の間に相関関係が見られること、及び製品ポリエステルの色調とエステル化反応条件の間に相関関係が見られることなどを見出し、本発明に到達したのである。
【0013】
すなわち、本発明は、テレフタル酸とエチレングリコールとからエステル化反応及び重縮合反応を経てポリエステルを連続的に製造する方法において、エステル化反応で得られるポリエステル低重合体のエステル化反応率90〜98%の範囲内で一定に保ったまま、エステル化反応時の温度、圧力、滞留時間及びエチレングリコール供給量からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応条件を調節し、重縮合反応後のポリエステルのカルボキシル末端基量を20〜50g当量/106gの範囲内の一定値となるように制御することを特徴とするポリエステルの連続製造法を要旨とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明で対象とするポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコールとからのポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートであるが、その特性を大きく変えない範囲で、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体などの共重合成分を併用したものでもよい。
【0016】
次に、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。図1は本発明の実施態様の一例を示す概略図である。 図1において、1は第1段エステル化反応槽、2はスラリー供給配管、3は第2段エステル化反応槽、4はエチレングリコール供給配管、5は第1段重縮合反応槽、6は第2段重縮合反応槽、7は第3段重縮合反応槽、8はダイヘッド、9はカッター、10はペレットを示す。
【0017】
図1には、2段階エステル化反応、3段階重縮合反応でポリエステルを連続的に製造する方法を示したが、エステル化反応及び重縮合反応の段階数は、これに限定されるものではない。
【0018】
図1で示すようなポリエステルの製造方式では、一般的にあらかじめ低重合体が存在する第1段エステル化反応槽1に、テレフタル酸とエチレングリコールとのスラリーをスラリー供給配管2から供給し、常圧あるいは微加圧下で加熱撹拌して反応させ、エステル化反応率を80〜90%、より好ましくは83〜87%とする。次に、これを第2段エステル化反応槽3に逐次移液し、常圧あるいは加圧下で加熱撹拌してエステル化反応率を90〜98%、より好ましくは92〜98%、さらに好ましくは93〜97%の範囲まで上げた低重合体とする。
【0019】
エステル化反応率が上記範囲外であれば、後工程における重縮合反応速度が著しく低下するため、製品の極限粘度を一定に保つために重縮合反応器の減圧度を低くするか、反応温度を上げる必要が生じ、好ましくない。すなわち、減圧度を低下させると、重縮合反応器からの反応物の飛散を誘発し、工程トラブルの原因となり、また、反応温度を上昇させると、ポリマーの分解を促進し、それに伴って製品色調の低下、副生成物の増加、カルボキシル末端基量の増加を誘発する。
【0020】
さらに、低重合体のエステル化反応率が90%未満であると、低重合体の昇華性が強く、反応器の気相部缶壁などにこの低重合体が付着して、経時と共に高融点化し、やがては異物として低重合体中に落下混入し、工程中のフィルターを詰まらせたり、品質の低下をきたしたりする。
【0021】
一方、エステル化反応槽3における低重合体のエステル化反応率は、ポリエステルの色調にも影響を与えることが知られており、色調の調節手段としてエステル化反応率を変化させる手段が採られている。なお、この時、エステル化反応率の調節は、主にエチレングリコール供給配管4からのエチレングリコール供給量の増減により行われる。
【0022】
次に、所定のエステル化反応率となった低重合体に重縮合触媒を加え、高温、高真空度条件下にある第1段重縮合反応槽5、第2段重縮合反応槽6、第3段重縮合反応槽7を順次通過させ、所定の重合度まで重縮合させて高重合度のポリエステルを得る。この高重合度のポリエステルをダイヘッド8でストランド状に吐出し、カッター9で造粒し、ペレット10とする。
【0023】
本発明において、ポリエステル(ペレット10) のカルボキシル末端基量が20〜50g当量/106gの範囲内の一定値となるように制御することが必要である。固相重合することなく、そのまま繊維、フィルムなどの成形物を製造する場合には、カルボキシル末端基量が20〜40g当量/106g程度の低レベルとし、固相重合した後、ボトルなどの成形物を製造する場合には、カルボキシル末端基量が30〜50g当量/106g程度の高レベルとし、固相重合反応が円滑に行われるようにする。
【0024】
ポリエステルのカルボキシル末端基量を所定目標値とするには、低重合体のエステル化反応率は一定値のままで、最終のエステル化反応槽3の反応温度、反応圧力、滞留時間及びエチレングリコール供給量のうち、1種以上の反応条件を調節すればよい。ただし、反応温度、反応圧力及び滞留時間は、当然エステル化反応速度にも影響するため、これらの反応条件を調節する場合、エステル化反応率を一定に保つように、エチレングリコール供給配管4からのエチレングリコール供給量を調節してエステル化反応速度を調節する。
【0025】
次に、調節に適した条件の範囲を示す。
エステル化反応温度としては、 240〜270 ℃が好ましく、 245〜268 ℃がより好ましく、 255〜265 ℃がさらに好ましい。反応温度を低くしすぎると流動性が低下し、低重合体の移液が困難になるばかりでなく、撹拌不良となり、反応が不均一になったり、さらには撹拌動力が高くなりすぎたりするといった問題が発生する。逆に反応温度を高くしすぎると、低重合体の昇華が多くなる、熱分解が発生し、最終的に得られるポリエステルの色調が悪くなる、ジエチレングリコールなどの副生成物の生成が多くなるといった問題が発生する。
【0026】
エステル化反応の圧力としては、 0〜200kPa・G が好ましく、より好ましくは 0〜180kPa・G 、 0〜150kPa・G がさらに好ましい。反応圧力を低くしすぎると低重合体の飛散が多くなり、逆に反応圧力を高くしすぎると、副生成物であるジエチレングリコールの生成量が増大する。
【0027】
エステル化反応槽の滞留時間としては、 0.5〜4時間が好ましく、 0.5〜3時間がより好ましく、 1.0〜2.5 時間がさらに好ましい。滞留時間を短かくしすぎると反応槽中の液量不足からくる撹拌不良や、熱媒を通したコイルなどからの伝熱不良などの装置上の問題が発生し、滞留時間を長くしすぎると副生成物であるジエチレングリコールの生成量が増大する、撹拌動力が増加するといった問題が発生する。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、特性などの測定法は次のとおりである。
(a) 色調 (b値)
日本電色工業(株)製 300A型色差計で測定した。
(b) ジエチレングリコール含有量
ポリエステルを水酸化カリウム水溶液で加水分解した後、島津製作所製GC-14B型ガスクロマトグラフを用いて測定した。
(c) 極限粘度
フェノールとテトラクロルエタンとの等重量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定した。
(d) カルボキシル末端基量
ポリエステルをベンジルアルコールに加熱溶解し、 0.1規定の水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定して求めた。
(e) エステル化反応率
下記の方法で、低重合体の全カルボキシル末端基量Aと未反応カルボキシル末端基量Bとを求め、次式で算出する。
エステル化反応率(%)=〔(A−B)/A〕×100
全カルボキシル末端基量A:低重合体を水酸化カリウム水溶液で加水分解し、
0.5規定の塩酸で滴定して求める。
未反応カルボキシル末端基量B:低重合体をN,N−ジメチルホルムアミドに
溶解し、 0.1規定の水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定して求める。
【0029】
実施例1
図1に示したポリエステルの連続製造装置を用いて、エチレングリコールとテレフタル酸のモル比率が 1.5対1であるスラリーを、スラリー供給配管2から毎時6183kgの割合で、平均滞留時間 4.5時間、温度 261℃、圧力 34kPa・G に制御された第1段エステル化反応槽1に連続的に供給し、エステル化率85%の低重合体とし、次いで、この低重合体を連続的に、平均滞留時間 2.0時間、温度 255℃、圧力 34kPa・G に制御された第2段エステル化反応槽へ供給し、同時に同反応槽に供給配管4からエチレングリコールを対テレフタル酸のモル比率が 0.2に相当する分供給しながら反応させ、エステル化反応率95%の低重合体を毎時4653kgの割合で得た。
次いで、この低重合体を連続的に重縮合反応槽5へ供給すると同時に、同反応槽に重合触媒として三酸化アンチモンを対テレフタル酸モル比率で 1.7×10-4の割合で添加し、温度 270〜275 ℃、圧力2.7kPa・G 〜140 Pa・G に制御された重縮合反応器5〜7で重縮合反応させて、ポリエチレンテレフタレートのペレットを毎時4583kg(生産量日産 110トン)製造した。
このポリエチレンテレフタレートは、色調 5.5、ジエチレングリコール濃度1.40モル%、極限粘度 0.686、カルボキシル末端基量31.7g当量/106gであった。この製造条件のまま、1カ月間運転を行い、得られたポリエチレンテレフタレートの色調、ジエチレングリコール含有量、極限粘度、カルボキシル末端基量を1日1回測定した結果、色調の平均値は 5.5(標準偏差 0.2)、ジエチレングリコール濃度の平均値は1.40モル%(標準偏差は0.01)、極限粘度の平均値は0.686(標準偏差0.001)、カルボキシル末端基量の平均値は31.7g当量/106g(標準偏差 0.2) であった。
しかる後、スラリー供給配管2より供給されるスラリー量を毎時5622gの割合に変更し、平均滞留時間は 4.5時間、圧力は 34kPa・G と一定で、温度を 260℃に変更して制御された第1段エステル化槽1に連続的に供給して、エステル化率85%の低重合体とし、次いで、この低重合体を、平均滞留時間 2.1時間、温度 255℃、圧力 34kPa・G に制御された第2段エステル化反応槽へ連続的に供給すると同時に、同反応槽に供給配管4からエチレングリコールを対テレフタル酸のモル比率が 0.2に相当する分供給しながら反応させ、エステル化率95%の低重合体を毎時4231kgの割合で得た。
次いで、この低重合体を連続的に重縮合反応槽5へ供給すると同時に、同反応槽に重合触媒として三酸化アンチモンを対テレフタル酸モル比率で 1.7×10-4の割合で添加し、反応温度 270〜275 ℃、圧力2.7kPa・G 〜140 Pa・G に制御された重縮合反応器5〜7で重縮合反応させて、ポリエチレンテレフタレートのペレットを毎時4167kg(生産量日産 100トン)製造した。
このポリエチレンテレフタレートは、色調 5.5、ジエチレングリコール濃度1.41モル%、極限粘度 0.686、カルボキシル末端基量31.7g当量/106gであった。この製造条件のまま、1カ月間運転を行い得られたポリエチレンテレフタレートの色調、ジエチレングリコール含有量、極限粘度、カルボキシル末端基量を1日1回測定した結果、色調の平均値は 5.5(標準偏差 0.2)、ジエチレングリコール濃度の平均値は1.41モル%(標準偏差は0.02)、極限粘度の平均値は0.686(標準偏差0.001)、カルボキシル末端基量の平均値は31.7g当量/106g (標準偏差0.2)であった。
【0030】
実施例2
実施例1と同様のポリエステルの連続製造装置を用いて、エチレングリコールとテレフタル酸のモル比率が 1.5対1であるスラリーを、スラリー供給配管2から毎時6183kgの割合で、平均滞留時間 4.5時間、温度 261℃、圧力 34kPa・G に制御された第1段エステル化槽1に連続的に供給し、エステル化率85%の低重合体とし、次いで、この低重合体を連続的に、平均滞留時間 2.0時間、温度 255℃、圧力 34kPa・G に制御された第2段エステル化反応槽へ供給し、同時に同反応槽に供給配管4からエチレングリコールを対テレフタル酸のモル比率が 0.2に相当する分供給しながら反応させ、エステル化率95%の低重合体を毎時4653kgの割合で得た。
次いで、この低重合体を連続的に重縮合反応槽5へ供給すると同時に、同反応槽に重合触媒として三酸化アンチモンを対テレフタル酸モル比率で 1.7×10-4の割合で添加し、温度 270〜275 ℃、圧力2.7kPa・G 〜140 Pa・G に制御された重縮合反応器5〜7で重縮合反応させて、ポリエチレンテレフタレートのペレットを毎時4583kg(生産量日産 110トン)製造した。
このポリエチレンテレフタレートは、色調 5.5、ジエチレングリコール濃度1.40モル%、極限粘度 0.686、カルボキシル末端基量31.7g当量/106gであった。この製造条件のまま、1カ月間運転を行い得られたポリエチレンテレフタレートの色調、ジエチレングリコール含有量、極限粘度、カルボキシル末端基量を1日1回測定した結果、色調の平均値は 5.5(標準偏差 0.2) であり、ジエチレングリコール濃度の平均値は1.40モル%(標準偏差0.01) 、極限粘度の平均値は0.686(標準偏差0.001)、カルボキシル末端基量の平均値は31.7g当量/106g(標準偏差 0.2) であった。
しかる後、スラリー供給配管2より供給されるスラリー量を毎時4497kgの割合に変更し、平均滞留時間 7.0時間、温度 250℃、圧力 20kPa・G に制御された第1段エステル化槽1に連続的に供給して、エステル化率85%の低重合体とし、次いで、この低重合体を、平均滞留時間 2.4時間、温度 255℃、圧力 20kPa・G に制御された第2段エステル化反応槽へ連続的に供給すると同時に、同反応槽に供給配管4からエチレングリコールを対テレフタル酸のモル比率が0.14に相当する分供給しながら反応させ、エステル化率95%の低重合体を毎時3384kgの割合で得た。
次いで、この低重合体を連続的に重縮合反応槽5へ供給すると同時に、同反応槽に重合触媒として三酸化アンチモンを対テレフタル酸モル比率で 1.7×10-4の割合で添加し、温度 270〜275 ℃、圧力2.7kPa・G 〜140 Pa・G に制御された重縮合反応器5〜7で重縮合反応させて、ポリエチレンテレフタレートのペレットを毎時3333kg(生産量日産80トン)製造した。
このポリエチレンテレフタレートは、色調 5.6、ジエチレングリコール濃度1.42モル%、極限粘度 0.686、カルボキシル末端基量31.8g当量/106gであった。この製造条件のまま、1カ月間運転を行い得られたポリエチレンテレフタレートの色調、ジエチレングリコール含有量、極限粘度、カルボキシル末端基量を1日1回測定した結果、色調の平均値は5.5(標準偏差0.2)であり、ジエチレングリコール濃度の平均値は1.42モル%(標準偏差0.02) 、極限粘度の平均値は0.686(標準偏差0.001)、カルボキシル末端基量の平均値は31.8g当量/106g(標準偏差0.2)であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、低重合体のエステル化反応率を一定に保ったまま得られるポリマーのカルボキシル末端基量をコントロールすることができるので、ポリエステルの生産量が変化してもポリエステルの色調やジエチレングリコール含有量、極限粘度など他の一般特性値を良好に保ったまま、任意のカルボキシル末端基量のポリマーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施態様の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 第1段エステル化反応槽
2 スラリー供給配管
3 第2段エステル化反応槽
4 エチレングリコール供給配管
5 第1段重縮合反応槽
6 第2段重縮合反応槽
7 第3段樹縮合反応槽
8 ダイヘッド
9 カッター
10 ペレット

Claims (1)

  1. テレフタル酸とエチレングリコールとからエステル化反応及び重縮合反応を経てポリエステルを連続的に製造する方法において、エステル化反応で得られるポリエステル低重合体のエステル化反応率90〜98%の範囲内で一定に保ったまま、エステル化反応時の温度、圧力、滞留時間及びエチレングリコール供給量からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応条件を調節し、重縮合反応後のポリエステルのカルボキシル末端基量を20〜50g当量/106gの範囲内の一定値となるように制御することを特徴とするポリエステルの連続製造法。
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