JP2002333374A - 電子部品の圧着ヘッドの荷重検出装置および荷重検出方法 - Google Patents

電子部品の圧着ヘッドの荷重検出装置および荷重検出方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧着荷重の制御の精度を向上させることがで
きる電子部品の圧着ヘッドの荷重検出装置および荷重検
出方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 電子部品を圧着ヘッド17により基板3
に押圧してボンディングする電子部品の圧着装置におい
て、圧着ヘッド17を上下動自在に支持する昇降部7と
圧着ヘッド17の間に介在して圧着ヘッド17に作用す
る荷重を検出する荷重検出手段として、ロードセル15
と線形な荷重・変位特性を有するスプリング16を直列
に組合せて用いるようにした。これにより、荷重検出手
段の変位量を大きくして単位昇降動作あたりの押圧荷重
の変化量を小さくし、すなわち押圧荷重の分解能を改善
することができ、したがって押圧荷重制御の精度を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の圧着ヘ
ッドの荷重検出装置および荷重検出方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子部品を基板にボンディングする方法
として、熱圧着による方法が知られている。この方法は
圧着ヘッドにより電子部品を基板に押圧するとともに電
子部品をヒータにより加熱して基板に半田付けや樹脂接
着剤などにより接着するものである。ここで、良好な熱
圧着品質を得るためには、熱圧着過程での圧着荷重を所
定の制御目標値にしたがって制御する必要がある。この
ため熱圧着装置には、圧着ヘッドが電子部品を押圧する
荷重値を所定荷重に制御する機構が設けられている。
【0003】この荷重制御は、電子部品を基板に押圧す
る圧着ヘッドを上下動自在に保持する昇降部の昇降動作
を、圧着ヘッドと昇降部との間に介装された荷重検出手
段によって検出された荷重値に基づいて制御することに
より行われる。したがって、圧着荷重の制御精度(分解
能)は、昇降動作の分解能に依存しており、単位昇降動
作の変位量あたりの押圧荷重の変化量が小さいほど、高
精度の荷重制御が実現される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の電
子部品の熱圧着装置において荷重検出手段として用いら
れるロードセルは、荷重点の変位量の絶対値が小さいた
め、わずかな昇降動作の変位によって荷重値が大きく変
動する。すなわち圧着荷重の制御精度(分解能)はロー
ドセルの変位量の絶対値によって制約され非常に低いも
のとなっており、圧着荷重の制御精度を向上させること
が困難であるという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、圧着荷重の制御精度を向
上させることができる電子部品の圧着ヘッドの荷重検出
装置および荷重検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の圧着
ヘッドの荷重検出装置は、電子部品を基板に押圧する圧
着ヘッドに作用する荷重を検出する荷重検出手段があ
り、この荷重検出手段が、荷重センサと、線形な荷重・
変位特性を有し荷重負荷時における前記荷重センサの変
位量を増幅するスプリングを有する。
【0007】また本発明は、電子部品を基板に圧着する
圧着ヘッドの荷重検出方法であって、圧着ヘッドとこの
圧着ヘッドを上下動させる昇降部の間に、荷重センサ
と、線形な荷重・変位特性を有し荷重負荷時における前
記荷重センサの変位量を増幅するスプリングとから成る
荷重検出手段があり、このスプリングにより荷重負荷時
における荷重検出手段の変位量を増幅するようにした。
【0008】本発明によれば、圧着ヘッドの荷重検出手
段として、荷重センサと、線形な荷重・変位特性を有し
荷重負荷時における荷重センサの変位量を増幅するスプ
リングを用いるので、荷重検出手段の変位量を大きくし
て単位昇降動作あたりの押圧荷重の変化量を小さくし、
圧着荷重の制御精度を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態にお
ける電子部品の熱圧着装置の側面図、図2(a),
(b)は本発明の一実施の形態における電子部品の熱圧
着装置の部分側面図、図3は本発明の一実施の形態にお
ける電子部品の熱圧着装置の荷重と昇降動作変位量との
関係を表すグラフである。
【0010】まず図1を参照して電子部品の熱圧着装置
の構造を説明する。図1において基台1上には位置決め
テーブル2が配設されている。位置決めテーブル2上に
は基板3が載置されている。位置決めテーブル2を駆動
することにより、基板3は水平方向に移動し基板3を位
置決めする。また基台1上にはフレーム4が立設されて
いる。フレーム4の前面にはガイドレール5が垂直に配
設されており、ガイドレール5にはスライダ6が上下動
自在に装着されている。
【0011】スライダ6には昇降部7が固着されてい
る。フレーム4上にはモータ8が配設されており、モー
タ8の回転軸は垂直な送りネジ9と連結されている。送
りネジ9は昇降部7と結合されたナット10に螺入して
おり、したがってモータ8が正逆回転することにより昇
降部7は昇降する。すなわち、モータ8、送りネジ9お
よびナット10は、昇降部7を昇降させる昇降手段とな
っている。図1に示すように、昇降部7はコ字状の断面
形状となっており、上部の突出部7a、凹部7bおよび
下部の突出部7cより構成される。
【0012】突出部7cにはガイドレール12が垂直に
配設されている。ガイドレール12にはスライダ13が
上下動自在に嵌合しており、スライダ13には圧着ブロ
ック11が固着されている。圧着ブロック11は逆L字
形状となっており、上部の張り出し部11aは昇降部7
の凹部7b内に位置している。昇降部7の突出部7aの
下面にはシリンダ14が垂設されており、シリンダ14
のロッド14aは張り出し部11aの上面に当接してい
る。
【0013】昇降部7の突出部7cの上面には、線形な
荷重・変位特性を有するスプリング16に弾性支持され
た荷重センサであるロードセル15が装着されており、
ロードセル15の荷重点は圧着ブロック11の張り出し
部11aの下面に当接している。圧着ブロック11の下
部には圧着ヘッド17が固着されている。したがって圧
着ヘッド17は昇降部7に上下動自在に支持されてお
り、また荷重検出手段であるロードセル15およびスプ
リング16は、昇降部7と圧着ヘッド17の間に介在す
る配置となっている。ロードセル15の荷重点には、圧
着ブロック11の自重による荷重およびシリンダ14の
押圧力が作用する。ロードセル15によって検出された
荷重信号は制御部30に送られ、制御部30はこの荷重
信号に基づき昇降手段であるモータ8を制御する。
【0014】圧着ヘッド17の下端部には熱圧着ツール
18が装着されている。熱圧着ツール18は電子部品1
9を保持し、電子部品19を加熱するとともに基板3に
対して所定荷重で押圧することにより基板3に熱圧着す
る。
【0015】ここでシリンダ14、ロードセル15の機
能について図2(a),(b)を参照して説明する。図
2(a)は、昇降部7が上昇した状態での、また図2
(b)は昇降部7が下降して電子部品17を基板3に熱
圧着している状態での各部の力のつり合いを示してい
る。シリンダ14にはエアー源およびレギュレータより
所定圧力の空気圧が与えられており、したがってシリン
ダ14は圧着ブロック11を所定の押圧力Foにて下方
に押圧する。図2(a)に示す状態では、この押圧力F
oと、圧着ブロック11などの自重に相当する荷重Wの
和Fo+Wが、ロードセル15に負荷される荷重fとつ
り合っている。すなわち昇降部7が上昇位置にある状態
では、ロードセル15の検出荷重値はシリンダ14の押
圧力Foと圧着ブロック11などの自重Wの和に等し
い。
【0016】これに対して図2(b)に示す状態では、
圧着ヘッド17は電子部品19より圧着荷重に等しい反
力Fを受けており、前述の力の和Fo+Wは、圧着荷重
の反力Fとロードセル15に負荷される荷重fの和F+
fとつり合っている。すなわち圧着荷重の反力Fは、F
o+W−fで表わされる。したがって、圧着荷重Fを制
御するには、Fo+Wが一定値であることから、ロード
セル15の検出荷重値fを制御部30によって監視しな
がら、モータ8の駆動を制御して昇降部7の昇降動作を
制御すればよい。
【0017】次に図3を参照してスプリング16の機能
について説明する。図3は横軸に昇降部7の上下方向の
変位量ΔZ、縦軸にロードセル15の検出荷重の増減値
Δfをとって両者の関係を示したグラフである。グラフ
aは従来の方法と同様に、ロードセル15のみを用いた
場合、グラフbは本実施の形態のようにロードセル15
をスプリング16で支持した場合を示す。図3に示すよ
うに、ある所定の荷重の増減値Δf1に対して、ロード
セル15のみを用いる場合にはΔZ1で示す昇降動作の
変位量が対応している。これに対してロードセル15を
スプリング16で支持する場合には、ロードセル15の
みの変位量ΔZ1にスプリング16の変位量がプラスさ
れるため、同様の増減値Δf1に対してΔZ1よりはる
かに大きい昇降動作の変位量(ΔZ2で示す)が対応し
ている。
【0018】すなわち、昇降動作の最小単位変位量(分
解能)と荷重の増減値との関係でみれば、グラフbの場
合の方が最小単位変位量あたりの荷重の増減値(変化
量)が小さく、換言すれば同一分解能の昇降機構を用い
て、より精細な荷重検出を行うことができる。特に軽荷
重の場合には、ロードセル15の変位量はごくわずかで
あり、ロードセル15のみを用いる従来の荷重検出方法
では精度の良い荷重検出は困難である。これに対し本実
施の形態では、スプリング16を付加して荷重負荷時の
変位量を増幅することにより、同一分解能の昇降機構を
用いて高精度の荷重検出を行うことができる。
【0019】この電子部品の熱圧着装置は上記のような
構成より成り、次に動作を説明する。まず図1におい
て、基板3が位置決めテーブル2上に載置され、位置決
めテーブル2を駆動することにより、基板3は圧着ヘッ
ド7に対して位置決めされる。次に電子部品19の供給
部(図外)より電子部品19が供給され、熱圧着ツール
18によって保持される。次いで昇降部7が下降するこ
とにより熱圧着ツール18に保持された電子部品19は
基板3に当接する。
【0020】この後熱圧着ツール18によって電子部品
19を所定温度で加熱するとともに、電子部品19は所
定荷重にて基板3に押圧される。このとき、荷重検出手
段としてのロードセル15は線形な荷重・変位特性を有
するスプリング16によって弾性支持され、押圧荷重に
対応する昇降動作の変位量が増幅されているので、精細
な押圧荷重の検出を行うことができる。したがって熱圧
着時の圧着荷重を精度よく制御することができるため、
良好な熱圧着品質を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、圧着ヘッドに作用する
荷重を検出する荷重検出手段の変位量を大きくして単位
昇降動作変位量あたりの検出荷重の増減値を小さくし、
より精細な荷重検出を行うことができる。これにより圧
着荷重を精度良く制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品の熱圧
着装置の側面図
【図2】(a)本発明の一実施における形態の電子部品
の熱圧着装置の部分側面図 (b)本発明の一実施における形態の電子部品の熱圧着
装置の部分側面図
【図3】本発明の一実施の形態における電子部品の熱圧
着装置の荷重と昇降動作変位量との関係を表すグラフ
【符号の説明】
1 基台 2 位置決めテーブル 3 基板 7 昇降部 8 モータ 9 送りネジ 11 圧着ブロック 15 ロードセル 16 スプリング 17 圧着ヘッド 18 熱圧着ツール 19 電子部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有門 一雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F044 PP15 5F047 FA08 FA82

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品を基板に押圧する圧着ヘッドに作
    用する荷重を検出する荷重検出手段があり、この荷重検
    出手段が、荷重センサと、線形な荷重・変位特性を有し
    荷重負荷時における前記荷重センサの変位量を増幅する
    スプリングを有することを特徴とする電子部品の圧着ヘ
    ッドの荷重検出装置。
  2. 【請求項2】電子部品を基板に圧着する圧着ヘッドの荷
    重検出方法であって、圧着ヘッドとこの圧着ヘッドを上
    下動させる昇降部の間に、荷重センサと、線形な荷重・
    変位特性を有し荷重負荷時における前記荷重センサの変
    位量を増幅するスプリングとから成る荷重検出手段があ
    り、このスプリングにより荷重負荷時における荷重検出
    手段の変位量を増幅するようにしたことを特徴とする電
    子部品の圧着ヘッドの荷重検出方法。
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