JP2002328550A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2002328550A
JP2002328550A JP2001129996A JP2001129996A JP2002328550A JP 2002328550 A JP2002328550 A JP 2002328550A JP 2001129996 A JP2001129996 A JP 2001129996A JP 2001129996 A JP2001129996 A JP 2001129996A JP 2002328550 A JP2002328550 A JP 2002328550A
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heating
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fixing
electromagnetic wave
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Satoshi Kinouchi
聡 木野内
Osamu Takagi
修 高木
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Toshiba TEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱部材の内面側から放出される熱エネルギ
ーを低減することによって、誘導加熱コイルの温度上昇
を防止できるようにする。 【解決手段】 用紙Pを加熱する加熱ローラ2と、この
加熱ローラ2の外面側に当接し用紙Pを加熱ローラ2に
押し付ける加圧ローラ3と、加熱ローラ2の内面側に対
向位置され、駆動電流が供給されることにより電磁波を
発生し、この電磁波により加熱ローラ2を加熱する電磁
誘導コイル11とを具備し、加熱ローラ2の内面側の全
放射率εを0.3以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば静電複写機、
レーザプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の定着装置には加熱ローラとこの
加熱ローラに圧接される加圧ローラとを備え、これら加
熱ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)に被定着体
としての用紙を通過させることにより、用紙上の現像剤
像を融着圧着して用紙に定着するものがある。
【0003】加熱ローラは通常、金属ローラでこの金属
ローラの内部に加熱源として例えばハロゲンランプ等を
設置している。加圧ローラは弾性ローラで、用紙を加熱
ローラに押し当てるようになっている。
【0004】また、定着装置としては、フラッシュ加熱
方式、オーブン加熱式、熱板加熱方式など種々のものが
実用化されている。
【0005】ところで、ハロゲンランプを用いた定着装
置においては、ハロゲンランプの光が加熱ローラの内面
全周方向に放射されて全体が加熱される。この場合、光
が熱に変換される際の損出と、加熱ローラ内の空気を暖
めて加熱ローラに熱を伝達する際の効率等を考えると熱
変換効率が60〜70%となる。このため、熱効率が低く、
省エネに不利であった。また、熱効率が低いため、ウォ
ーミングアップ時間も長くなるという問題があった。
【0006】このようなことから、近年では、円筒状の
耐熱性のフィルム材を用いた加熱式の定着装置も実用化
されている。この定着装置はライン状発熱体を有する加
熱体とこの加熱体に密着して移動する耐熱性のフィルム
を備えている。この定着装置では、被定着体をフィルム
を介して加熱体に密着させ、これをフィルムと一緒に移
動させることにより加熱体の熱エネルギーをフィルムを
介して被定着体に付与する。
【0007】この場合、加熱体のライン状発熱体の長手
方向温度を均一に管理する必要があり、製造時の均一性
や動作時の高精度な温度制御が要求され、コストアップ
の要因となっていた。
【0008】また、高速な複写機では、加熱体に高熱量
のものが要求され、消費電力を低減する上での障害にな
ってしまう問題があった。
【0009】このような問題を解決するため、誘導加熱
の手法を用いた定着装置として、特開平9-258586、特開
平8-76620等がある。特開平9-258586に記載のものは、
定着ローラの内部にその回転軸に沿ってコアを設け、こ
のコアにコイルを巻付けてなり、定着ローラに渦電流を
流して加熱するものである。
【0010】また、特開平8-76620では、磁場発生手段
によって導電フィルムを加熱して密着させた記録媒体を
定着する装置であり、磁場発生手段をアセンブリしてい
る部材と加熱ローラの間に発熱ベルトを挟ませてニップ
を形成している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電磁誘導加熱装置には以下のような問題があった。
【0012】即ち、誘導加熱タイプの定着装置の場合、
磁場発生手段として加熱用のコイルが用いられる。この
加熱用のコイルは定着ローラの内部に配置され、コイル
から発生する磁束によって定着ローラに渦電流が発生す
る。これにより、定着ローラのジュール損失によってロ
ーラが加熱される。この際、定着ローラの温度が上昇し
てくると定着ローラの内側からコイルに対して熱輻射
(熱放射)が行われる。このため、コイルが加熱されてそ
の温度が上昇する。コイルが加熱されることによって、
定着ローラを加熱するために使われる熱量分が減って、
結果、ウォーミングアップタイムが長くなってしまう。
【0013】また、連続通紙時も定着ローラからの熱放
射によって、コイルを暖めてしまうため、定着ローラ温
度を維持するのにより多くの熱が必要となっていた。コ
イル自体が暖められるとコイルの銅損が増え、コイル自
身の発熱効率も低下するという可能性がある。
【0014】また、従来の電磁誘導加熱装置には以下の
ような問題があった。
【0015】即ち、定着ローラの材質によっては、定着
ローラの温度が上昇するにつれてコイルと定着ローラの
磁気結合の値が変化してしまう。このため、加熱用のコ
イルの回路設計を定着ローラの常温時の磁気特性に合わ
せて行うと、ローラの高温時に発熱効率が落ちてしまう
場合があった。常温時に熱変換効率の高い定着ローラに
関して言えば、常温周辺の温度では昇温および消費効率
は良いが、200℃近辺では、必ずしもいいとは限らなか
った。
【0016】さらに、従来の電磁誘導加熱装置には以下
のような問題があった。
【0017】定着装置に関して、ウォーミングアップタ
イムを短縮し、省エネを行うために、定着ローラの肉厚
を薄くして熱容量を減らす必要がある。しかし、定着ロ
ーラの熱容量を小さくすると、サイズの異なる紙が通紙
された場合、定着ローラの長手方向の温度不均一が発生
するようになった。
【0018】即ち、小サイズの用紙が通紙されると、定
着ローラの中央部の熱の消費が多く、定着ローラの両端
部は熱の消費がないため、ローラの両端部の温度が上昇
してしまう。
【0019】定着ローラの熱容量が大きいときは熱伝導
で端部の熱が中央部に伝わって、均一化されたが、現状
の薄肉ローラでは温度分布にムラが発生したままになっ
てしまう。
【0020】この問題を解決する手段として、加熱コイ
ルを分割して小サイズ用のコイルと通常サイズ用のコイ
ルを配置して、選択的に使い分けるといった特許が公開
されている。しかし、この場合、コイルが2つ以上、ま
た、これらのコイルを駆動するためのインバ一夕回路が
それぞれ必要となり、コストアップになるとともに、装
置が大型化してしまうという問題があった。
【0021】なお、定着ローラを冷却する方法もある
が、必ずしも熱を有効に使える方法ではなかった。
【0022】そこで、本発明は、加熱部材の内面側から
放出される熱エネルギーを低減することによって、電磁
誘導コイルの温度上昇を防ぎ、さらにウォームアップ時
間を短縮し、通紙時の電力も削減できるようにした定着
装置を提供することを目的とする。
【0023】また、加熱効率のよい、温度依存性の少な
い加熱材料を用い、さらに高周波回路も最適化すること
で、加熱効率を改善できるようにした定着装置を提供す
ることを目的としている。
【0024】また、サイズの異なる用紙を通紙した場合
に発生しやすい加熱部材の温度ムラを電磁誘導コイルの
磁束を制御することによって、適正な範囲のみを加熱し
て、温度むらを軽減できる定着装置を提供することを目
的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、請求項1記載のものは、被定着体を加熱する
加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定着
体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱部
材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されること
により電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部材
を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材の
内面側の全放射率εを0.4以下にする。
【0026】請求項3記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
の内面側の表面粗さRmaxを5μm以下にする。
【0027】請求項4記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
をフェライト系或はオ一ステナイト系のステンレス製と
し、前記加熱部材の内面に塗装、或は防錆処理をしな
い。
【0028】請求項5記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
をフェライト系或はオ一ステナイト系のステンレス製と
し、前記加熱部材の内面を機械研磨処理する。
【0029】請求項6記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
をフェライト系或はオ一ステナイト系のステンレス製と
し、前記加熱部材の内面を電解研磨処理する。
【0030】請求項7記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
をフェライト系或はオ一ステナイト系のステンレス製と
し、前記加熱部材の内面を電解研磨と機械研磨とで処理
する。
【0031】請求項8記載のものは、被定着体を加熱す
る加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被定
着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加熱
部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給されるこ
とにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部
材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材
の内面にメッキ材料によりメッキ処理してメッキ層を形
成する。
【0032】請求項15記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給されること
により電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部材
を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材と
前記電磁誘導加熱コイルとの磁気結合の度合いを示すイ
ンダクタンスLの変化量が常温から定着可能温度内で2
0%以下になる材料を用いて、前記加熱部材を構成す
る。
【0033】請求項16記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給されること
により電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部材
を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記加熱部材の
比抵抗(μΩ・cm)の運動量が、常温から定着可能温
度内で40%以下になる材料を用いて、前記加熱部材を
構成する。
【0034】請求項17記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給されること
により電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱部材
を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記電磁誘導コ
イルの抵抗値(Ω)即ちコイル出力/(コイル電流実効
値)2の変動量が、常温から定着可能温度範囲内で8%
以下になる材料を用いて、前記加熱部材を構成する。
【0035】請求項18記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給される
ことにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱
部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記電磁誘
導コイルの一部に磁力強化用コア材を配置し、通紙サイ
ズに応じて、加熱部材の長手方向温度が自己的に均一化
する。
【0036】請求項23記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給される
ことにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱
部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、前記電磁誘
導コイルの一部に磁力強化用コア材を配置し、通紙サイ
ズに応じて、コア材をコイル内側からコイルの外側に移
動させることによって加熱部材の温度むらを低減する。
【0037】請求項24記載のものは、被定着体を加熱
する加熱部材と、この加熱部材の外面側に当接し前記被
定着体を前記加熱部材に押し付ける加圧部材と、前記加
熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給される
ことにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加熱
部材を加熱する電磁誘導コイルと、この電磁誘導コイル
が発生する電磁波の一部を遮蔽する移動自在な遮蔽手段
とを具備する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して詳細に説明する。
【0039】図1は本発明の一実施の形態である定着装
置を示す全体的構成図である。
【0040】定着装置1は加熱部材としての加熱ローラ2
(φ40mm)と加圧部材としての加圧ローラ3(φ35mm)とを
備えた構成となっている。加圧ローラ3は加圧機構4によ
って加熱ローラ2に圧接されて一定のニップ幅を持つよ
うに維持されている。
【0041】加熱ローラ2は駆動モータ(図示せず)によ
り矢印方向に回転駆動され、加圧ローラ3は従動で矢印
方向に回転するようになっている。加熱ローラ2はステ
ンレス(SUS430)により構成され、肉厚1mmとなってい
る。なお、加熱ローラ2は、ステンレス(SUS430)に限ら
れることなく、鉄、または、アルミニューム、或は、ス
テンレスとアルミニュームの複合材等により構成するも
のであっても良い。加圧ローラ3は、芯金の周囲にシリ
コンゴム、フッ素ゴム等を被覆して構成され、表面には
テフロン(登録商標)等の離型層が被覆されている。
【0042】図示しない転写部で現像剤像が転写された
用紙Pは加熱ローラ2と加圧ローラ3との圧接部(ニップ
部)である定着ポイントを通過することにより現像剤像
が用紙P上に融着圧着されて定着されるようになってい
る。
【0043】加熱ローラ2の周上には加熱ローラ2と加圧
ローラ3との接触位置(ニップ部)よりも回転方向下流側
に位置して順次、剥離爪5、サーミスタ7、クリーニング
部材6、サーモスタッド8が配設されている。剥離爪5は
用紙Pを加熱ローラ3から剥離させるもので、クリーニン
グ部材6は加熱ローラ2上にオフセットされたトナーや紙
屑等のごみを除去するものである。サーミスタ7は加熱
ローラ2の温度検出をするもので、サーモスタッド8は加
熱ローラ2の表面温度の異常を検知して、加熱を遮断す
るためのものである。
【0044】加圧ローラ3の周上には、用紙Pを加圧ロー
ラ3から剥離するための剥離爪9、トナーを除去するため
のクリーニングローラ10が設けられている。
【0045】一方、加熱ローラ2の内部には誘導加熱装
置(磁場発生手段)15が設けられている。誘導加熱装置15
は、電磁誘導コイルとしての励磁コイル11を備え、この
励磁コイル11は加熱ローラ2の内周面に対向する状態で
配置されている。励磁コイル11としては、線径0.5mmの
銅線材が用いられ、お互いに絶縁された線材を複数本束
ねたリッツ線となっている。励磁コイル11をリッツ線に
することで浸透深さより線径を小さくすることができ、
交流電流を有効に流すことが可能となる。
【0046】本実施例では、銅線材(φ0.5mm)を16本
束ねている。励磁コイル11の被覆線としては、耐熱性
のポリアミドイミドが用いられている。
【0047】磁場発生手段15は、励磁コイル11の磁束
を集中させるために用いる芯材(例えば、フェライト、
鉄芯等)を使用しておらず、空芯コイルを用いている。
励磁コイル11は耐熱性の樹脂材(本実施例では、耐熱エ
ンプラ)で形成されたコイル支持材12に支持されてい
る。コイル支持材12は、図示しないローラを保持してい
る板金との間で位置決めされている。空芯コイルを用い
ることで複雑な形状をしたコア芯材を用いることがない
のでコストダウンが可能となっている。また、励磁回路
も安価になる。
【0048】図示しない励磁回路(インバータ回路)から
励磁コイル11に印加される高周波電流で発生する磁束に
よって磁界の変化を妨げるように加熱ローラ2に磁束と
渦電流を発生させる。この渦電流と加熱ローラ抵抗によ
ってジュール熱が発生し、加熱ローラ2が加熱される。
【0049】本実施例では、励磁コイル11に周波数25kH
z、出力900Wの高周波電流を流した。出力はインバータ
回路の駆動周波数を可変することで、700W〜1300Wまで
出力を可変することが可能となる。
【0050】励磁コイル11の周囲部は励磁コイル11
と加熱ローラ2との間の絶縁性を維持するために被覆チ
ューブ13で被覆されている。被覆チューブ13の材質とし
ては耐熱性樹脂例えば、PET、フッ素、PI、PPS、シリコ
ンゴム等が用いられる。
【0051】本実施例では、励磁コイル11の交換時に
加熱ローラ2と励磁コイル11が接触して破損したり、
被覆が剥がれたりしないように被覆チューブ13の厚み
を0.3mmとしている。被覆チューブ13の色は白色のもの
が用いられている。
【0052】絶縁被覆チューブ13の厚みは0.3mmと厚い
ままで、色を赤外線と反射しやすい色にしたことによっ
て、加熱ローラ2の内面から励磁コイル11に向かって
放射される赤外線をチューブ13で反射させることが可
能となった。このため、立ち上げ時に加熱ローラ2から
励磁コイル11伝わる熱量を減らすことができ、立ち上
がり時間も短縮することができた。
【0053】図2は本実施例で用いている誘導定着装置
の駆動回路を示す図である。
【0054】高周波電流は、商用電源の交流を整流回路
31と平滑コンデンサ32によって整流し、コイル33a、共
振用コンデンサ33b、およびスイッチング素子33cからな
るインバータ回路33によってコイル11に高周波電流が
供給されるようになっている。そして高周波電流の制御
は入力検出手段34によって検出され、指定された出力に
なるよう制御している。指定した出力はPWM制御によっ
て、スイッチング素子のON時間を可変することで制御で
きる。この時、駆動周波数は変化する。コイル温度、ロ
ーラ温度を検知する温度検知手段からの情報は、直接IH
回路37に入力されて制御してもよいし、本実施例のよう
にCPU38に入力した後、ON、OFF信号でIH回路37に入力し
ても良い。
【0055】上記した加熱ローラ2の表面温度は、180°
Cに設定し制御されている。表面温度をサーミスタ7によ
って検知し、フィードバック制御によって加熱ローラ2
の加熱を行っている。用紙Pを定着するためには、加熱
ローラ2の全体(円周方向)の温度を均一にする必要があ
る。加熱ローラ2を停止している場合、本実施例の空芯
コイル11の特性として、磁束発生が円周方向で異なる強
さで作用するため、温度分布が不均一となる。
【0056】従って、用紙Pがローラニップを通過する
直前までに加熱ローラ2の円周方向の温度ムラを解消す
る必要がある。このため、加熱ローラ2を一定時間、停
止させるが、その後、加熱ローラ2の全体の温度分布を
均一にするため、加熱ローラ2及び加圧ローラ3を回転さ
せる。加熱ローラ2を回転させることで加熱ローラ2の
全面に一定の熱量を与えている。
【0057】加熱ローラ2の表面温度が180℃に達する
とコピー動作が開始し、用紙Pが加熱ローラ2と加圧ロー
ラ3との圧接部(ニップ部)である定着ポイントを通過す
ることで、この用紙上の現像剤像を融着圧着して定着す
る。
【0058】図3は加熱ローラ2の内部を拡大して示す断
面図である。
【0059】加熱ローラ2の内側2aは、上記したよう
にステンレス(SUS410)によって構成されている。従
来、ハロゲンランプを用いて加熱ローラを加熱していた
ときは、加熱ローラの内側2aは、黒色の塗料を塗布した
り、材料表面を荒らして表面積を大きくしていた。これ
は、ハロゲンランプから発生する赤外線を吸収しやすく
するためである。
【0060】一般的に金属の表面よりも非金属の表面の
方が赤外線の吸収率が高い。また、表面粗さも大きいほ
ど赤外線の吸収率が高い。ハロゲンランプの場合、加熱
ローラ2の内側2aへ赤外線を放出して加熱ローラ2を
内側から暖めるので、加熱ローラ2の内側を黒色塗装な
どすることによって、赤外線の吸収を良くしていた。
【0061】しかしながら、誘導加熱を用いた定着装置
の場合、加熱ローラ2に発生した渦電流によるジュール
損失で加熱ローラ2を直接加熱することから、赤外線を
吸収する必要性がない。
【0062】また、逆に加熱ローラ2の内側処理として
表面粗さを大きくして全放射率を大きくする処理をする
と、加熱ローラ2から励磁コイル11側への熱放射が大
きくなり、結果、励磁コイル11を暖めるために熱エネ
ルギーを使うことになる。
【0063】そこで、本実施例では、加熱ローラ2の内
側2aの全放射率がO.3以下になるような表面処理を行っ
た。これにより、ウォーミングアップ時間、通紙時の熱
変換効率を向上させることが可能となった。
【0064】具体的には、加熱ローラ2の材質をステン
レス(SUS410)にすることで、全放射率を0.4以下にす
ることが可能となる。なお、加熱ローラ2として鉄ロー
ラを用いた場合には、全放射率を0.4以下にするために
は表面粗さを小さくする必要があり、黒色塗装をするこ
とはできない。このため、鉄ローラを使用してローラの
内面の放射率を0.4以下にしょうとするとローラが酸化
して、錆びてしまう。しかし、ステンレス(SUS410)を
用いた場合には、内面に塗装や特殊な表面処理をしなく
ても錆びることが鉄に比べて少ない、また、SUS304は錆
びることがなく、ローラ2内面の全放射率をO.3以下に
することができる。
【0065】図4は加熱ローラ2の内面の全放射率を0.4
以下にしたものと、従来どおりの処理(例えば、切削し
たままの状態、あるいは、内面塗装した状態、放射率約
O.9)したものとのウォーミングアップ時間を比較して示
すものである。
【0066】結果からみると、温度が150℃を超えたあ
たりから、加熱ローラ2から励磁コイル11ヘの熱放射
の影響が小さくなって、ウォームアップタイムが短縮さ
れることがわかる。
【0067】また、連続通紙時も加熱ローラ2の温度が
180〜200℃の範囲に常時保たれることから、ローラ内側
放射率が小さいほど励磁コイル11に放射される熱量は
少なく、従って、用紙に伝わる熱量の割合が大きくなる
ことが確認された。
【0068】なお、加熱ローラ2の内側の全放射率を0.
4以下としたが、熱エネルギーとして問題になる電磁波
の波長範囲、すなわち、波長0.3〜10μmの領域の放射
率を0.4以下にすることができれば、同一の効果を得る
ことができる。
【0069】図5は本発明の第2の実施の形態である加
熱ローラ2Aを示すものである。
【0070】この第2の実施の形態では上記した第1の実
施の形態と同様に加熱ローラ2Aの材料としては磁性の
ステンレスが用いられている。そして、加熱ローラ2A
の内面2aを研磨することにより、その表面粗さ(Rmax)
が5μm以下とされている。
【0071】本実施例での加熱ローラ2Aの内面2a′
の研磨方法としては、機械式で行う機械研磨(バフ研磨)
で5μm以下とした。研磨を行うことによって、加熱ロー
ラ2Aの内面2a′の光沢を得ることが可能となる。
【0072】また、加熱ローラ2Aの内面2a′の表面
粗さを小さくすることで、加熱ローラ2Aの内面2a′
から放射される赤外線の割合を減らすことが可能とな
る。これは、金属材料そのものの特性もあるが、表面性
によって放射率を大きく変えることが可能である。
【0073】なお、本実施例では加熱ローラ2Aの内面
2a′を機械研磨して光沢面を形成しているが、さらに
表面性を良くする方法として、電解研磨や電解による金
属溶出作用と、研磨剤による機械的摩擦作用とを複合し
た方法がある。これにより、さらに加熱ローラ2Aの内
面2a′の表面粗さを小さくして、その放射率を小さく
することが可能となる。
【0074】この第2の実施の形態によっても上記した
第1の実施の形態と同様に、ウォーミングアップ時間の
短縮、及び通紙時の熱変換効率を良くすることが可能で
ある。
【0075】図6は本発明の第3の実施の形態である加
熱ローラ2Bを示すものである。
【0076】この第3の実施の形態では、加熱ローラ2
Bの材料として鉄が用いられている。従来から加熱ロー
ラとして鉄を用いる場合、侵食(錆び)を防ぐためパーカ
処理、即ち、鉄にリン酸塩皮膜を生成することで金属の
表面変化を防ぐ染色処理を行っている。従来のハロゲン
ランプを用いる場合は、黒色処理はパーカ処理をしてい
るほうがハロゲンランプから発生する赤外線を吸収でき
るので都合が良かった。
【0077】しかしながら、電磁誘導加熱を用いた場合
には、上記したように、加熱ローラ2が加熱されて温度
が高いときに、加熱ローラ2の内側から励磁コイル11
側に向かって赤外線が放射されて励磁コイル11が加熱
されてしまう。これを防ぐためには、加熱ローラ2の内
面2aの放射率を下げる工夫や表面粗さを小さくして光
沢表面(鏡面も含む)にすることが有効である。
【0078】しかしながら、加熱ローラを鉄で構成する
場合は、単純に加熱ローラ内側の表面に光沢をもたせよ
うと内側を研磨したり、表面粗さを小さくしても錆びが
発生してしまい、使い物にならなかった。
【0079】そこで、本実施例では、鉄製の加熱ローラ
2Bの内側にメッキ処理を行うことで全放射率を0.4以
下にすることが可能となった。加熱ローラ2Bの内側に
メッキ処理を行ってメッキ層21を形成することにより
耐食性も向上し、さらに光沢面(鏡面も含む)を得られ
る。
【0080】具体的なメッキの方法として、電気メッ
キ、無電解メッキ、溶融メッキ等があるが、本実施例で
は、電気メッキ法を用いている。メッキ金属として金、
銀、プラチナ、ニッケル、クロム等用いることが可能で
ある。
【0081】本実施例ではコストを考え、ニッケルを用
いているが、銀などは材料自身の放射率が低く、有効な
材料である。
【0082】本実施例では、メッキする前処理として鉄
ローラ内面を研磨してその表面粗さを0.8μm以下とし
ている。この処理後にメッキ処理してメッキ層21を形
成している。メッキ層21の厚みは3μmとなっている。
鉄ローラ内面の表面粗さを小さくすることによって、メ
ッキ後の表面粗さも小さくなり、また、光沢面を得るこ
とが可能となる。これにより、鉄製の加熱ローラ2Bを
用いても、錆びることがなく、さらにローラ2B内側か
ら放出される赤外線の量を低減し、励磁コイル11を暖
める割合を減らすことが可能となる。なお、メッキ層2
1の厚みを厚くし過ぎると磁束の発生状況に変化を与え
る可能性があるのであまり厚くし過ぎない必要がある。
また、同様の効果を得る方法として蒸着で内面に金属を
付加してもよい。
【0083】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。
【0084】定着装置に関しては、第1の実施の形態で
示したものと同様である。
【0085】本実施例での違いは、加熱ローラ2自体の
材質について実験を行い、最適な材料を選び出したこと
である。具体的に述べると、加熱ローラ2の材質とし
て、常温時の励磁誘導コイル11と加熱ローラ2の磁気
結合の値、すなわち、加熱ローラ2の内部に励磁コイル
11が配置された状態でのコイルインダクタンスLの値
と同じく加熱ローラ2の内部に励磁コイル11が配置さ
れた状態での抵抗値Rの値と、高温時(約200℃)でのL,R
の値の変化量が比較的小さい材料を選んでいる。具体的
には、SUS430、SUS410、SUS304である。本実施例ではそ
のなかで、SUS410を用いた。
【0086】図7〜図12は実際の測定結果を示すもので
ある。
【0087】図7〜図12では、SUS410と鉄材料(STKM材)
のデータが示されている。
【0088】即ち、同じ磁力を発生できる能力を持った
コイルを用いて、一定の出力を与えたときに温度を変化
させたときの必要となる電流量(保持力A/m)の値を示し
たグラフである。これによれば、温度依存性が低いのは
鉄よりSUS410の方である。しかも初期的には、鉄の方が
少ない電流値で発熱することが可能だが、約100℃を超
えた時点から電流量が逆転している。
【0089】複写機の場合、レディー時、連続通紙時と
も100℃を超えた状態で維持されることが多い。このた
め、100℃以上で効率の良いSUS410を採用することによ
って、平均すれば熱変換効率は良くなる。IH炊飯器のよ
うに100℃以下で使われる製品に関しては、鉄の方の効
率が良いが、200℃近辺で制御されることが多い、電子
写真方式の定着装置では、SUS410を採用することが良い
ことがわかった。これは、グラフからわかるようにコイ
ルの磁束によらず、すべての範囲でいえることがグラフ
からわかる。
【0090】また、同様にL,Rの温度依存性を測定した
グラフを図13に示す。
【0091】この値からも鉄よりSUS410の温度依存性が
少ないことがわかる。上記内容を考えると、SUS410を加
熱ローラとして用い、さらに内側面の放射率を0.4以下
にするように内面表面粗さを小さくすることによって、
熱変換効率を向上させることができる。
【0092】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。
【0093】また、励磁コイル11を駆動するインバー
タ回路の回路定数(キャパシタンスやON時間と周波数)等
を決める際にL,Rの値を測定して熱変換効率がもっとも
高くなるようにしている。しかし、通常、このL,Rは常
温から100℃以下の範囲で最適化されている。
【0094】本実施例では実際に加熱ローラ温度が維持
されている温度の平均値を調査して検討したところ、レ
ディー時、通紙時での温度が全体の占める割合に対して
大部分であることがわかる。即ち、180℃〜200℃で加熱
ローラが制御されていることが多い。このため、常温時
にあわせて回路を最適化すると180℃から200℃では微妙
に回路のマッチングが狂ってくる。
【0095】前実施例で示したように図13に温度変化に
伴うL,Rの変化量を示す。鉄ローラの場合、常温時と200
℃で約5%の差がある。これを考慮して最初から200℃近
辺のL,Rの条件で回路のマッチングを行った。これによ
り、初期的なウォーミングアップ時は多少効率が下がる
が、レディー時、通紙時では最適なマッチングが行われ
ているので、熱変換効率をよくすることが可能となっ
た。これは特に加熱ローラを常時高温で維持する高速機
に有効な制御方法である。
【0096】加熱ローラの材料は限定されるものではな
く、すべての材料の特性に応じて、最適化するローラ温
度の値に合わせた回路のマッチングを行うことで効率を
上げることが可能である。
【0097】図13では、コイルとローラの結合度合いを
示すインダクタンスLと付加抵抗Rの温度依存性を示して
いる。基本的に温度依存性がない方が特性が安定してい
ることになる。インダクタンスが温度によって変動する
のは、ローラ材料の抵抗値、および透磁率が変化するか
らである。各種材料で実験を行った結果、インダクタン
ス変化量を20%以内の材料を用いないと連続通紙時の効
率減が大きく、定着装置としてIHを使うメリットが生き
ないことがわかった。即ち、ランプより効率が落ちてし
まう結果になった。本実施例ではLの変動が少ないSUS41
0を使って、これを解決した。
【0098】また、ローラの材料比抵抗値(μΩ・cm)に
着目し、温度依存性を調査した。その結果、ローラ温度
によって比抵抗値が大きく変化するものは回路の構成
上、高温時の効率が低下することがわかった。SUS410の
場合、抵抗変化量は、常温時約52(μΩ・cm)、200℃で
約65(μΩ・cm)であり、変動率は、20%である。各種材
料で実験を行った結果、インダクタンス変化量の40%以
内の材料を用いないと連続通紙時の効率減が大きく、定
着装置としてIHを使うメリットが生きないことがわかっ
た。すなわちランプより効率が落ちてしまう結果になっ
た。本実施例では変動が少ないSUS410を使って、これを
解決した。
【0099】また、コイルに流れる電流実効値に着目し
た。常温時と200℃時で同じ出力を得るためにコイルに
流れる電流実効値を比較した。発生させる出力をコイル
電流実効値で割った値の温度変化量を測定した。具体的
にSUS410で測定すると、コイル出力(W)は常温で970
(W)、200℃で970(W)、コイル電流実効値(A)は常温で24.
66(A)、200℃で25.18(A)、抵抗(Ω)は常温で1.5997
(Ω)、200℃で1.5257(Ω)、抵抗変化量は4.6%となる。
【0100】抵抗変化量は4.6%であり、効率低下が少な
いことを確認した。実際に各種材料で実験を行った結
果、コイルの抵抗変化量が8%以下のものを用いないと連
続通紙時の効率減が大きく、定着装置としてIHを使うメ
リットが生きないことがわかった。即ち、ランプより効
率が落ちてしまう結果になった。本実施例では、コイル
抵抗変化量が少ないSUS410を使って、これを解決した。
【0101】図14、図15は本発明の第6の実施の形態を
示すものである。
【0102】第1の実施の形態で示した部分と同一部分
については同一番号を付してその説明を省略する。
【0103】上記第1の実施の形態では励磁コイル11
は磁気特性を強くするためのコア材を使用していない。
しかし、この第6の実施の形態では、励磁コイル11A
を支持するコイル支持材12の長手方向の両端中央部にコ
ア材としてのフェライト材24,24を装着している。
コア材24としてはフェライト材が用いられている。励
磁コイル(銅線)11A自体は加熱ローラ2の長手方向に
沿って巻かれているのは第1の実施の形態と同様である
が、励磁コイル11Aの端部の長さ、即ち、コ励磁コイ
ル11A自体の長手方向の長さは短くなっている。
【0104】コイル(銅線)11A自体の長手方向の長さ
が短くなっていることから、本来、(フェライト材2
4,24がないと仮定すると、第1の実施の形態の励磁
コイル11に比べて、加熱ローラ2の長手方向の端部に
作用する磁束は小さくなる。このため、渦電流の発生が
小さくなり、発熱も小さくなる。従って、加熱ローラ2
の端部の温度も従来のコイル11に比べて低くなる。
【0105】図16は上記した第1の実施の形態のコイ
ル11を備えた加熱ローラ2の長手方向の温度分布a
と、本実施例のフェライト材を有しないコイル11Aを
備えた加熱ローラ2の長手方向の温度分布bを示す。
【0106】上述したようにフェライト材のないコイル
11Aを備えた加熱ローラ2の端部温度の方が低い。こ
の温度低下分を補うためにフェライト材24を両端部に
配置している。このフェライト24としてはキューリ点
温度が230℃のものが用いられている。フェライト24
を配置することによって、コイル11A両端部の磁束は
大きくなる。このため、加熱ローラ2の両端部に作用す
る磁束が増し、渦電流も大きくなり、加熱ローラ2の両
端部の温度は上昇する。
【0107】フェライト材24の大きさ、特性を制御す
ることによって、加熱ローラの両端部温度を第1の実施
の形態と同様にできる。加熱ローラ2の両端部温度は、
ローラセンタを180℃で制御しているが、この際に定着
可能最低温度、すなわち本実施例では160℃にローラ両
端部温度を制御している。
【0108】加熱ローラ2の両端部は軸受け等に熱が逃
げるため、温度が低くなる傾向がある。しかし、定着最
低温度が160℃になれば定着可能である。このため、160
℃になるように励磁コイル11Aを作成している。これ
は、フェライト材24を使う場合も使わない場合も同じ
で構わない。
【0109】一方、通紙時、特に小サイズ紙を連続通紙
している場合は、小サイズの紙が通紙されると加熱ロー
ラ2の中央部の熱の消費が多く、加熱ローラ2の両端部
は熱の消費がないため、ローラ両端部の温度が上昇して
しまう。
【0110】加熱ローラの熱容量が大きいときは、熱伝
導で両端部の熱が中央部に伝わって均一化されたが、現
状の薄肉ローラでは温度分布が発生したままになってし
まう。即ち、加熱ローラの両端部の温度が中央部の制御
温度よりも高くなってしまう。
【0111】そこで、加熱ローラ2の中央部の温度を定
着可能な最低温度まで下げるように制御する。これによ
って、加熱ローラ2の端部の温度を全体的に下げること
ができる。基本的に加熱ローラ2の両端部の温度の温度
上昇限界点はローラ2の耐久性、或は軸受けの耐熱温度
である。
【0112】本実施例では240℃が限界と考えている。
しかしながら、高速機になるとローラセンタ温度を最低
定着温度に下げても図17のa線で示すように加熱ローラ
1の両端部温度が240℃を超えてしまう場合がある。
【0113】そこで、本実施例では、加熱ローラ2の両
端部にキューリ点温度が230°Cであるフェライト材2
4,24を挿入している。フェライト材24のキューリ
点温度が230°Cであるため、フェライト材24が230℃
に到達すると磁束発生作用が失われる。小サイズ紙を連
続通紙した場合に加熱ローラ2の両端部温度が上昇する
が、加熱ローラ2の温度が上昇すると共にフェライト材
24の温度も上昇する。しかし、加熱ローラ2の温度が
230℃近くになるとフェライト材24,24も230℃にな
り、磁束発生作用が失われる。これにより磁束が発生せ
ず、加熱ローラ2の両端部の温度は低下する。
【0114】図17のb線で示すように、ローラ両端部の
温度上昇はフェライト材24,24を入れたコイル11
Aを用いた場合に低下した。即ち、フェライト材24,
24のキューリ点を利用してローラ端部の温度制御を行
うことが可能となる。従って、ローラ端部の温度を検知
する温度検知手段を特に必要とすることがないととも
に、特別な制御回路やコイルを分割したりするといった
必要もなく、加熱ローラの温度分布を均一にすることが
できる。
【0115】本実施例ではコア材としてフェライトを用
いたが、キューリ点を制御できるものであれば他のもの
を用いても良い。
【0116】図18、図19は本発明の第7の実施の形
態を示すものである。
【0117】上記した第6の実施の形態では、フェライ
ト材24,24をコイル11Aの長手方向と同方向に配
置したが、この実施の形態では、フェライト材24,2
4をコイル11Aの両端部に垂直に配置している。
【0118】この実施の形態では、コイル11Aの外側
にフェライト材24,24の一部を出すことができるの
で、加熱ローラ2の温度とフェライト材24,24の温
度が熱伝導、熱伝達によって、値が近くなり易いという
メリットがある。逆に、加熱ローラ2の端部温度が低下
すれば、フェライト材24,24も温度が下がりやすい
ので時定数が小さくて済む。
【0119】また、本実施例ではフェライト材24のキ
ューリ点を230℃以下としたが、ローラ2の温度、マシ
ンスピード等によって適切なキューリ点温度の材料を選
ぶことが必要であることは言うまでもない。
【0120】図20及び図21は本発明の第8の実施の
形態を示すものである。
【0121】上記した第7の実施の形態では、コイル両
端部にフェライト材24,24を配置し、加熱ローラ両
端部温度が上昇するとフェライト材24,24のキュー
リ点温度の作用によってローラ温度が低下するものであ
る。
【0122】これに対し、本実施の形態では、フェライ
ト材26,26は通常、コイル11Aの両端部に配置さ
れている。しかし、加熱ローラ2の両端部の温度が上昇
した際に、機械的にローラ2の外側、即ち、コイル11
Aの外側に移動するようにしている。フェライト材2
6,26の両端部にはソレノイド(図示しない)が連結
されている。
【0123】一方、加熱ローラ2の中央部及び端部には
加熱ローラ2の温度を検知する温度検知手段41,42
が配置されている。
【0124】加熱ローラ2と加圧ローラ3との間に小サ
イズの用紙Pが連続的に通紙されると、加熱ローラ2の
両端部の温度が上昇する。この温度はローラ2の端部に
配置されている温度検知センサー42により検知され、
端部の温度が230℃以上になるとフェライト材26,2
6がコイル11Aの外側に移動される。
【0125】このように、フェライト材26,26がコ
イル11Aの外側に移動することで、コイル11Aの両
端部の磁束が減少し、加熱ローラ2の両端部に流れる渦
電流が減少し、加熱ローラ2の両端部の温度が下がる。
これにより加熱ローラ2の温度を均一に保つことが可能
となる。
【0126】図22及び図23は本発明の第9の実施の
形態について説明する。
【0127】第9の実施の形態では、加熱ローラ2の両
端部の温度が上昇した場合には両端部に配置したフェラ
イト材26,26をコイル11Aの外側に移動させた
が、この実施の形態では、励磁コイル11Aの外側にフ
ェライト材28,28を移動させるのではなく、小サイ
ズ紙が通紙されている場所、即ち、コイル11Aの中央
側にフェライト材28,28を移動させるようにしてい
る。
【0128】フェライト材28,28は例えば、ソレノ
イド(図示しない)によって移動される。小サイズ紙を
通紙している際は両端部の磁束は必要ない。また、加熱
ローラ2の中央部は磁束が強いほどジュール熱が発生し
効率よく加熱ローラ2を加熱できる。
【0129】一方、用紙のサイズが通常サイズの場合に
は、励磁コイル11の両端部の温度低下が問題になるの
で、両端部にフェライト材28,28を配置する。この
ように加熱ローラ2の端部の温度によって、フェライト
材28,28をコイル11Aの両端部からコイル11A
中央部に移動させることによって、効率よく加熱ローラ
2の温度を均一化でき、用紙Pに熱を与えることができ
る。
【0130】図24〜図29は本発明の第10の実施の
形態を示すものである。
【0131】この第9の実施の形態では、誘導加熱コイ
ル11は、上記した第1の実施の形態と同様に空芯コイ
ルである。即ち、磁力を強めるためのコア材を備えてい
ない。
【0132】定着装置に関しては、第1の実施の形態と
基本的には同様である。ただし、加熱ローラ2の内面に
関しては、表面粗さ等、特に限定する必要はない。
【0133】この第10の実施の形態では、励磁コイル
11の長手方向の両端部分に励磁コイル11で発生する
磁力の一部分を遮蔽する遮蔽手段としての遮蔽板46を
備えている。
【0134】この遮蔽板45は、加熱ローラ2の温度状
態によって、選択的に位置を可変する。この遮蔽板45
は金属製で、材質としてアルミニュームが用いられてい
る。遮蔽板45の材質としては、アルミニュームに限定
されるものではなく、鉄、ステンレス、銅、等であって
も良い。
【0135】立ち上げ時、レディー時、或は通常サイズ
紙の連続通紙時等の加熱ローラ2の両端部温度が中央部
分より低い場合は、遮蔽板45は図27〜29で示す位
置Aの部分に配置されている。
【0136】一方、小サイズ紙の連続通紙等によって、
加熱ローラ2の両端部温度が上昇し、一定温度を超過す
ると端部温度を検知する温度検知手段(図示しない)が
働き、遮蔽板45をコイル円周方向に一定の角度回転移
動させる。
【0137】本実施例では回転移動用のアクチュエータ
を用いて、図24〜図26に示すように遮蔽板45の位
置を可変する。遮蔽板45の位置は、コイル円周方向で
コイル11による磁束の作用が一番大きくなる位置Bに
遮蔽板45を配置する。
【0138】即ち、磁束が一番大きく作用する位置Bに
遮蔽板45を置くことで、加熱ローラ2側に磁束を作用
させなくなるので、加熱ローラ2の両端部の渦電流が小
さくなる。これにより加熱ローラ2の両端部の温度が下
がり、小サイズ紙を通紙しているときでも加熱ローラ2
の両端部の温度が上昇せず、加熱ローラ2の温度分布を
一定に保つことが可能となる。
【0139】通常の動作時は遮蔽板45を磁束の一番作
用しない位置Aに配置しているので、遮蔽板45による
加熱ローラ2ヘの磁束の影響がほとんどないため、端部
温度が低下することはない。
【0140】以上のことにより、加熱ローラ2の端部温
度上昇を防ぐことが可能である。また、コイルを分割し
たり、回路を2個使用する必要がないのでコスト的にも
メリットが大きい。
【0141】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、加熱部材
の内面側から放出される熱エネルギーを低減でき、誘導
加熱コイルの温度上昇を防止できる。従って、加熱部材
のウォームアップ時間を短縮できるとともに、消費電力
も削減することができる。
【0142】また、加熱効率のよい、温度依存性の少な
い加熱材料を用い、さらに高周波回路も最適化すること
で、加熱効率を改善することが可能となる。
【0143】また、サイズの異なる被定着材を通過させ
た場合に発生しやすい加熱部材の長手方向の温度むらを
電磁誘導コイルの磁束を制御することによって、適正な
範囲のみを加熱して、温度むらを軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である定着装置を示す構
成図。
【図2】定着装置の誘導加熱コイルの駆動回路図。
【図3】加熱ローラを拡大して示す断面図。
【図4】加熱ローラのウォームアップ時間を示すグラフ
図。
【図5】本発明の第2の実施の形態である加熱ローラを
示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態である加熱ローラを
示す図。
【図7】スレンレス製の加熱ローラの温度に対する電流
変化量を示すグラフ図。
【図8】スレンレス製の加熱ローラの温度に対する電流
変化量を示すグラフ図。
【図9】スレンレス製の加熱ローラの温度に対する電流
変化量を示すグラフ図。
【図10】鉄製の加熱ローラの温度に対する電流変化量
を示すグラフ図。
【図11】鉄製の加熱ローラの温度に対する電流変化量
を示すグラフ図。
【図12】鉄製の加熱ローラの温度に対する電流変化量
を示すグラフ図。
【図13】加熱ローラのインダクタンスと抵抗の温度依
存性を示すグラフ図。
【図14】本発明の第6の実施の形態である定着装置を
示す図。
【図15】励磁コイル及びフェライト材を示す図。
【図16】加熱ローラのウォームアップ時における長手
手方向の温度分布を示す図。
【図17】加熱ローラの小サイズ通紙時における長手手
方向の温度分布を示す図。
【図18】本発明の第7の実施の形態である定着装置を
示す図。
【図19】励磁コイル及びフェライト材を示す図。
【図20】本発明の第8の実施の形態である定着装置を
示す図。
【図21】励磁コイル及びフェライト材を示す図。
【図22】本発明の第9の実施の形態である定着装置を
示す図。
【図23】励磁コイル及びフェライト材を示す図。
【図24】本発明の第10の実施の形態である定着装置
を示すもので、遮蔽板が励磁コイルの前後部に移動した
状態を示す平面図。
【図25】遮蔽板が励磁コイルの前後部に移動した状態
を示す正面図。
【図26】遮蔽板が励磁コイルの前後部に移動した状態
を示す側面図。
【図27】遮蔽板が励磁コイルの上下部に移動した状態
を示す平面図。
【図28】遮蔽板が励磁コイルの上下部に移動した状態
を示す正面図。
【図29】遮蔽板が励磁コイルの上下部に移動した状態
を示す側面図。
【符号の説明】
P…用紙(被定着体)、2…加熱ローラ(加熱部材)、
3…加圧ローラ(加圧部材)、11,11A…励磁コイ
ル(電磁誘導コイル)、21…メッキ層、24,26,
28…フェライト材(コア材)、33…インバータ回
路、45…遮蔽板(遮蔽手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA03 AA30 BA25 BA26 BA27 BA31 BB03 BE06 CA04 CA07 CA30 CA43 3K059 AA08 AB19 AD02 AD05 AD07 CD72 CD75

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材の内面側の全放射率εを0.4以下にした
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記放射率εは電磁波の波長が0.3〜
    10μmの範囲で、0.4以下であることを特徴とする
    請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材の内面側の表面粗さRmaxを5μm以下にし
    たことを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材をフェライト系或はオ一ステナイト系のス
    テンレス製とし、前記加熱部材の内面に塗装、或は防錆
    処理をしないことを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材をフェライト系或はオ一ステナイト系のス
    テンレス製とし、前記加熱部材の内面を機械研磨処理し
    たことを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材をフェライト系或はオ一ステナイト系のス
    テンレス製とし、前記加熱部材の内面を電解研磨処理し
    たことを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材をフェライト系或はオ一ステナイト系のス
    テンレス製とし、前記加熱部材の内面を電解研磨と機械
    研磨とで処理したことを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材の内面にメッキ材料によりメッキ処理して
    メッキ層を形成したことを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 前記メッキ膜厚は5μm以下であることを
    特徴とする請求項8記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱部材は鉄製であることを特徴
    とする請求項8記載の定着装置。
  11. 【請求項11】 前記加熱部材の内面をメッキ処理前に
    表面粗さRmax8μm以下にすることを特徴とする請求項8
    記載の定着装置。
  12. 【請求項12】 前記メッキ材料はニッケル、銀、銅、
    クロムであることを特徴とする請求項8記載の定着装
    置。
  13. 【請求項13】 前記加熱部材のメッキ処理後の内面表
    面粗さRmaxを10μm以下とする請求項8記載の定着装
    置。
  14. 【請求項14】 前記加熱部材のメッキ処理後の内面の
    放射率が電磁波長0.3〜10μmの範囲で、O.4以下である
    ことを特徴とする請求項8記載の定着装置。
  15. 【請求項15】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給され
    ることにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加
    熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材と前記電磁誘導加熱コイルとの磁気結合の
    度合いを示すインダクタンスLの変化量が常温から定着
    可能温度内で20%以下になる材料を用いて、前記加熱
    部材を構成することを特徴とする定着装置。
  16. 【請求項16】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給され
    ることにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加
    熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記加熱部材の比抵抗(μΩ・cm)の運動量が、常温
    から定着可能温度内で40%以下になる材料を用いて、
    前記加熱部材を構成することを特徴とする定着装置。
  17. 【請求項17】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材に近接して位置され、駆動電流が供給され
    ることにより電磁波を発生し、この電磁波により前記加
    熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記電磁誘導コイルの抵抗値(Ω)即ちコイル出力/
    (コイル電流実効値)2の変動量が、常温から定着可能
    温度範囲内で8%以下になる材料を用いて、前記加熱部
    材を構成することを特徴とする定着装置。
  18. 【請求項18】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記電磁誘導コイルの一部に磁力強化用コア材を配置
    し、通紙サイズに応じて、加熱部材の長手方向温度が自
    己的に均一化することを特徴とする定着装置。
  19. 【請求項19】 前記コア材のキューリ一点温度に基づ
    いて前記加熱部材の温度を制御することを特徴とする請
    求項18記載の定着装置。
  20. 【請求項20】 前記加熱部材はローラ材で、前記電磁
    誘導コイルは前記加熱部材の長手方向に沿って巻回さ
    れ、前記コア材は前記電磁誘導コイルの長手方向に沿っ
    て配置されることを特徴とする請求項18記載の定着装
    置。
  21. 【請求項21】 前記加熱部材はローラ材で、前記電磁
    誘導コイルは前記加熱部材の長手方向に沿って巻回さ
    れ、前記コア材は前記電磁誘導コイルの長手方向に対し
    直交する方向に配置されることを特徴とする請求項18
    記載の定着装置。
  22. 【請求項22】 前記コア材のキューリ一点温度は250
    ℃以下であることを特徴とする請求項18記載の定着装
    置。
  23. 【請求項23】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルとを具備し、 前記電磁誘導コイルの一部に磁力強化用コア材を配置
    し、通紙サイズに応じて、コア材をコイル内側からコイ
    ルの外側に移動させることによって加熱部材の温度むら
    を低減することを特徴とする定着装置。
  24. 【請求項24】 被定着体を加熱する加熱部材と、 この加熱部材の外面側に当接し前記被定着体を前記加熱
    部材に押し付ける加圧部材と、 前記加熱部材の内面側に対向位置され、駆動電流が供給
    されることにより電磁波を発生し、この電磁波により前
    記加熱部材を加熱する電磁誘導コイルと、 この電磁誘導コイルが発生する電磁波の一部を遮蔽する
    移動自在な遮蔽手段と、 を具備することを特徴とする定着装置。
  25. 【請求項25】 前記遮蔽手段は電磁誘導コイルの磁束
    発生最大部分と最小部分との間で移動することを特徴と
    する請求項24記載の定着装置。
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