JP2000239851A - 電子部品の形成方法 - Google Patents

電子部品の形成方法

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JP2000239851A
JP2000239851A JP11041887A JP4188799A JP2000239851A JP 2000239851 A JP2000239851 A JP 2000239851A JP 11041887 A JP11041887 A JP 11041887A JP 4188799 A JP4188799 A JP 4188799A JP 2000239851 A JP2000239851 A JP 2000239851A
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film
resin film
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plating
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JP11041887A
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English (en)
Inventor
Osamu Kano
修 加納
Kenichi Iio
憲一 飯尾
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極膜の密着強度が高く、高周波特性の良好
な、無電解めっきを用いた電子部品の形成方法を提供す
る。 【解決手段】まず、基板上に樹脂膜を形成し、樹脂膜の
表面をエッチングする。次に、表面がエッチングされた
樹脂膜を有する基板上に光活性化触媒液からなる感光膜
を形成し、光を照射して、照射部分の感光膜を活性化す
る。基板の前記活性化部分に無電解めっきを施すること
によって、電極膜の密着強度が高く、高周波特性の良好
な電子部品が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解めっきを用
いた電子部品の形成方法に関するものであり、より具体
的には、光活性化触媒を用いた無電解めっきによる高周
波用電子部品の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】良好な高周波特性の得られる電子部品を
形成するには、その上に導体層が形成される基板の寸法
精度が厳密なことと表面粗さが小さなことが要求され
る。そのため、従来より、無電解めっき法を用いて高周
波用電子部品の回路パターンや電極を形成するには、セ
ラミック基板やガラス基板の表面を研磨した後に該基板
表面にめっきを行っていた。特に、ミリ波用等の超高周
波用部品等のように、使用する周波数が高くなるほど、
基板や電極のわずかな寸法のずれが高周波特性に与える
影響は大きくなるため、格別に基板の精度の高さが要求
される。したがって、基板の表面に鏡面研磨を行った後
にめっきを行うことが必要であった。
【0003】しかし、鏡面研磨のような微細な研磨を行
った基板の表面にめっきを施すと、めっき膜の密着強度
が得られず、膜の成長に伴って中空状にふくれが発生
し、膜が剥がれる等の問題があった。
【0004】そこで、この問題を解決するために、鏡面
研磨に比べて粗い研磨を行った基板や、鏡面研磨後に化
学的なエッチングを行った基板にめっきを施して、めっ
き膜の密着強度を上げる方法が用いられていた。このよ
うに、基板表面に凹凸を形成することによって、基板と
めっき膜との接触面積が大きくなり、また、機械的なア
ンカー効果が働くため、めっき膜の密着強度を上げるこ
とができることとなる。また、めっき後に500℃以上
の中性雰囲気中で熱処理を行うことによって基板とめっ
き膜の一部を化学的に反応させ、めっき膜の密着強度を
上げる方法も用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無電解めっき法を用いて、高周波用電子部品の回路パタ
ーンや電極を形成するには、以下のような問題があっ
た。
【0006】すなわち、従来の方法において、めっき膜
の密着強度を上げるために、粗い研磨を行うと、基板の
寸法精度にばらつきが生じる。また、鏡面研磨後の基板
表面に化学的なエッチングを行うと、基板表面に化学的
な変質が生じる。また、セラミック基板にこのような化
学的なエッチングを行った場合、セラミック基板を構成
する結晶の粒界が選択的にエッチングされるため、基板
表面が不均一となり寸法精度にばらつきが生じる。一
方、ガラスの構造は非常に均一であるため、ガラス基板
に化学的なエッチングを行った場合、基板表面は均一に
エッチングされ微細な凹凸を形成することができず、め
っき膜の密着強度を得ることができない。さらに、めっ
き膜の密着強度を上げるために高温で熱処理を行うと、
めっき膜と基板の反応により、めっき膜と基板の界面が
化学的に変質する。
【0007】以上のような基板の寸法精度のばらつきや
化学的な変質は、電子部品の高周波特性を低下させる。
また、めっき前の基板の表面粗さが大きい場合、該表面
に形成されるめっき膜の表面粗さも大きくなるため、形
成される回路パターンや電極の表面抵抗が増加する。さ
らに、光活性化触媒を用いた無電解めっきを行う場合に
は、光活性化触媒液からなる感光膜を有する基板に光を
照射し、触媒を活性化する工程が必要であるが、基板の
表面が粗い場合、照射した光の散乱が生じ、形成された
回路パターンや電極の解像度が低下する。このような回
路パターンや電極の表面抵抗の増加や解像度の低下は、
高周波特性の低下につながる。
【0008】また、基板の両面に回路パターン等を形成
する場合、触媒の活性化のために用いる照射光が基板を
透過するようなときは、基板の一方の面を露光後、活性
化された触媒層を熱処理によって先に安定化してからで
なくては、もう一方の面の露光ができない。一方の面の
触媒層を安定化せずにもう一方の面に露光を行うと、基
板を透過した照射光が、既に活性化された反対側の面の
触媒層を再び不活性化するためである。このように熱処
理の回数が増えると、触媒の熱拡散のために導体パター
ンの解像度が低下し、また、工程数が多くかかるなどの
問題も生じる。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した技
術的課題を解決するため、次のような構成を備えること
を特徴とする。すなわち、本発明は、セラミック基板上
に樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜の表面をエッチング
する工程と、表面がエッチングされた樹脂膜を有するセ
ラミック基板上に光活性化触媒液からなる感光膜を形成
する工程と、感光膜を有するセラミック基板に光を照射
して、照射部分の感光膜を活性化する工程と、セラミッ
ク基板の前記活性化部分に無電解めっきを施す工程とを
有することを特徴とする。
【0010】このように、セラミック基板上に形成され
た樹脂膜の表面を化学的にエッチングした後、該樹脂膜
上に無電解めっきを施すので、基板自体に化学的なエッ
チングを施す必要がない。したがって、基板の寸法精度
にばらつきが生じたり、表面が化学的に変質することも
ない。また、めっき膜の密着強度を上げるために熱処理
を行う場合、樹脂膜は基板と比較して低温で反応可能で
あるため、樹脂膜とめっき膜の界面での化学的変質はあ
まり起こらない。
【0011】また、樹脂はセラミック基板に比べて微細
で均一な凹凸の形成が容易である。したがって化学的に
エッチングを行った樹脂膜上にめっきを施すと、めっき
膜と樹脂膜との接触面積を大きくでき、より大きなアン
カー効果を得ることができる。よって、めっき膜の密着
強度を上げることができる。また、樹脂表面には微細で
均一な凹凸が形成されているため、表面の平滑性は保た
れており、該樹脂上に形成されるめっき膜の表面粗さも
小さくなり、めっき膜の表面抵抗を低減することができ
る。
【0012】さらに、樹脂材料として照射光が透過しな
い材料を用いた場合、樹脂材料がセラミック基板と触媒
層との間に入り、光のフィルターとしての役割を果たす
こととなるため、照射光の一部が基板を透過することが
ない。よって、基板の両面に回路パターン等を形成する
場合、一方の面への露光後に熱処理によって触媒層を安
定化しなくても、もう一方の面への照射が行える。すな
わち、両面同時に露光することが可能となり、露光時間
を短縮することができる。
【0013】また、光活性化触媒液は親水性であること
が望ましい。光活性化触媒液からなる感光膜を選択的に
活性化後、活性化されていない部分を水洗除去してから
無電解めっきを行う際に、めっき液に対して、親水性で
ある活性化部分と疎水性である樹脂膜部分のコントラス
トを明確につけることができるためである。
【0014】また、本発明は、高周波用部品に特に有利
に適用できる。高周波用部品には基板の寸法精度の高さ
や基板の表面の平滑性が特に要求されるためである。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の一実施形態
を説明する。まず、焼成後の96%アルミナ基板を50
℃の0.47%ふっ酸水溶液に10分間浸漬し、該アル
ミナ基板の表面にエッチングを施す。このようにエッチ
ングのされたアルミナ基板表面に、乳酸銅、乳酸亜鉛、
塩化パラジウムを含むアンモニア水溶液からなる光活性
化触媒液を塗布し、感光膜を形成する。次に、エキシマ
ランプを用いて波長172nmの光を基板全面に照射
し、感光膜を活性化する。水洗後、銅、EDTA,ホル
マリンを含む無電解めっき浴に基板を60分間浸漬し、
活性化部分に無電解銅めっきを施す。これを試料1(比
較例)とする。
【0016】次に、別の96%アルミナ基板の表面に、
エポキシ樹脂塗料をスピンコーティングにより塗布、1
60℃で加熱硬化し、膜厚20μmのエポキシ樹脂膜を
形成する。続いて、基板を70℃の過マンガン酸ナトリ
ウム溶液に3分間浸漬し、エポキシ樹脂膜の表面をエッ
チング後、中和する。このようにして表面のエッチング
されたエポキシ樹脂膜を有する基板表面に光活性化触媒
液を塗布し、感光膜を形成してから、光を照射して感光
膜を活性化後、基板を無電解めっき浴に浸漬し活性化部
分に無電解銅めっきを施す。感光膜の形成、光の照射、
無電解めっきの方法は試料1作製の場合と同様とする。
このようにして作製された試料を試料2(実施例)とす
る。
【0017】まず、これら二つの試料(実施例である樹
脂膜を形成した基板を用いた場合(試料2))と、比較
例である樹脂膜を形成していない基板を用いた場合(試
料1))について、めっきを行う前の基板の表面粗さ
(中心線平均粗さ、Ra)を触針式表面粗さ計を用いて
測定した。次に、めっき後の試料について、めっき膜の
膜厚と表面抵抗(Rs)を測定した。膜厚については、
蛍光エックス線膜厚計を用いて測定した。表面抵抗につ
いては、測定周波数は3GHzで測定し、銀板電極を基
準としてそれに対して表面抵抗が何倍になるかを指標と
した。この結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、樹脂膜を形成した基板
を用いた場合(試料2(実施例))と、樹脂膜を形成し
ていない基板を用いた場合(試料1(比較例))とで
は、めっき膜の膜厚はほぼ同じであるが、それにも拘ら
ず表面抵抗率は樹脂膜を形成した場合のほうが30%以
上低い値を示した。これは、めっき膜の表面粗さの差に
よるものであると考えられる。すなわち、一般に表面抵
抗の増加率と表面粗さとの関係は比例関係にあるためで
ある。
【0020】このように基板表面に樹脂膜を形成するこ
とによって、基板の表面粗さを小さくすることができ
る。この樹脂膜の形成された基板表面にめっきを行い電
極を形成した場合、電極自体の表面粗さも小さくなり表
面抵抗が低下する。この効果として、高周波回路におけ
る損失が低減することとなる。
【0021】(実施例2)本発明の別の実施形態を基板
の表面に、共振器パターン、及び、微細配線パターンを
作製する場合について説明する。
【0022】まず、BaTaMg系誘電体基板(εr=
23)の両表面を鏡面研磨後、50℃の0.47%ふっ
酸水溶液に10分間浸漬し、該基板の両表面にエッチン
グを施す。このようにしてエッチングされた基板の両表
面に、乳酸銅、乳酸亜鉛、塩化パラジウムを含むアンモ
ニア水溶液からなる光活性触媒液を塗布し、感光膜を形
成する。次に、フォトマスクを介して、基板の両表面に
水銀−キセノンランプを用いて主波長248nmの光を
照射し、感光膜を選択的に活性化、水洗後、銅、EDT
A,ホルマリンを含む無電解めっき浴に基板を60分間
浸漬し、活性化部分に無電解銅めっきを施すことによっ
て、20GHz帯ミリ波共振器パターン、及び、ライン
/スペースが30/30μm、50/50μmの微細配
線パターンを形成する。このようにして作製された試料
を試料3(比較例)とする。続いて、試料3に窒素雰囲
気中で650℃、1時間の熱処理を施し、めっき膜と基
板の一部を化学的に反応させる。これを試料4(比較
例)とする。
【0023】次に、別のBaTaMg系誘電体基板の両
表面を粒度#2000の砥粒でラップ研磨後、該基板の
両表面にエッチングを施す。続いて、エッチングされた
基板両表面に光活性触媒液を塗布し、感光膜を形成して
から、フォトマスクを介して光を照射し感光膜を活性化
後、基板を無電解めっき浴に浸漬して活性化部分に無電
解銅めっきを施す。エッチング、感光膜の形成、光の照
射、無電解めっきの方法は試料3作製の場合と同様とす
る。このようにして作製された試料を試料5(比較例)
とする。
【0024】次に、別のBaTaMg系誘電体基板の両
表面を粒度#2000の砥粒でラップ研磨後、基板両表
面にエポキシ樹脂塗料をスピンコーティングにより塗
布、160℃で加熱硬化し、膜厚20μmのエポキシ樹
脂膜を形成する。続いて、基板を70℃の過マンガン酸
ナトリウム溶液に3分間浸漬し、樹脂膜の表面をエッチ
ング後、中和する。このようにして表面のエッチングさ
れた樹脂膜を有する基板両表面に光活性触媒液を塗布
し、感光膜を形成してから、フォトマスクを介して光を
照射し感光膜を選択的に活性化後、基板を無電解めっき
浴に浸漬して活性化部分に無電解銅めっきを施す。感光
膜の形成、光の照射、無電解めっきの方法は試料3作製
の場合と同様とする。このようにして作製された試料を
試料6(実施例)とする。続いて、試料6に窒素雰囲気
中で160℃、1時間の熱処理を施し、めっき膜と樹脂
膜の一部を化学的に反応させる。これを試料7(実施
例)とする。
【0025】まず、粒度#2000の砥粒でラップ研磨
後、エッチングを行った基板を用いた場合(試料5(比
較例))と、粒度#2000の砥粒でラップ研磨後、エ
ポキシ樹脂膜を形成し、エッチングを行った基板を用い
た場合(試料6(実施例))について比較を行った。
【0026】具体的には、めっきを行う前の基板の表面
粗さ(中心線平均粗さ、Ra)を触針式表面粗さ計を用
いて測定した。また、共振器パターンについては、共振
周波数、無負荷Qを測定し、ライン/スペースが30/
30μm、50/50μmの配線パターンについては作
製が可能か否かを確認した。この結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示す通り、ラップ研磨、エポキシ樹
脂膜形成後、エッチングを行った基板を用いた試料6
(実施例)は、ラップ研磨後、エポキシ樹脂膜を形成せ
ずにエッチングを行った基板を用いた試料5(比較例)
に比べて、めっき前の基板の表面粗さが小さい。これよ
り、基板に樹脂膜を形成することによって基板表面が平
滑化されていることがわかる。また、試料5(比較例)
では、ライン/スペースが30/30μmのパターンの
作製が不可能であるのに対し、試料6(実施例)では、
ライン/スペースが50/50μm、30/30μm、
いずれの場合も作製が可能である。試料6では、樹脂膜
を形成する事により基板表面が平滑化されているため、
パターニングの際の照射光があまり散乱されず解像度が
向上しているものと考えられる。また、樹脂材料が基板
と触媒層との間に入り、光のフィルターとしての役割を
果たすこととなるため、照射光の一部が基板を透過する
ことがない。試料6では基板の両表面に露光を行った
が、一方の面への照射光が既に活性化のされた他方の面
の触媒層を不活性化することがないため、パターンの解
像度が低下することもないと考えられる。また、親水性
の光活性化触媒液を用いたため、親水性である活性化部
分と疎水性である樹脂膜のコントラストを明確につける
ことができるため、樹脂膜を形成しない場合に比べてパ
ターンの解像度が向上しているものと考えられる。
【0029】このように、基板表面に樹脂膜を形成する
ことによって、基板の表面粗さを小さくすることがで
き、その結果、露光の際の光の散乱を低減でき、パター
ンの解像度を上げることができる。
【0030】また、試料6(実施例)における共振器パ
ターンの無負荷Qの値は試料5(比較例)の場合と比較
して大きい。この原因としては、前述のように、樹脂膜
が形成されているため、基板の表面粗さが小さいことか
ら照射光が散乱しにくく、また、照射光の一部が基板を
透過することもないため、パターンの解像度が良好であ
ること、および、実施例1に示した通り、基板上に形成
された電極の表面粗さが小さくなるため電極の表面抵抗
が低減され、高周波導電性が上昇していることが考えら
れる。
【0031】以上の実施例のように、エポキシ樹脂膜を
形成した基板を用いた場合(試料6)は、パターンの解
像度が良好で、かつ、高周波導電性が良好な電極が形成
することができる。
【0032】次に、鏡面研磨後、エッチングを行った基
板を用いた場合(試料3(比較例))と、粒度#200
0の砥粒でラップ研磨後、エポキシ樹脂膜を形成し、該
樹脂表面にエッチングを行った基板を用いた場合(試料
6(実施例))について比較を行った。具体的には、め
っきを行う前の基板の表面粗さ(中心線平均粗さ、R
a)を触針式表面粗さ計を用いて測定した。また、テー
プ剥離テストを行い、電極の剥がれやすさを確認した。
この結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示すように、鏡面研磨後、エッチン
グを行った基板を用いた試料3(比較例)よりも、粒度
#2000の砥粒でラップ研磨後、エポキシ樹脂膜を形
成し、エッチングを行った基板を用いた試料6(実施
例)の方が、表面粗さが小さいことがわかる。また、テ
ープ剥離テストにおいて、試料3(比較例)では、電極
は容易に剥離したが、試料6(実施例)は、電極の一部
しか剥離せず、試料6の方が電極の密着強度が強いこと
がわかる。一般的には、基板の表面粗さの増加と電極の
密着強度との間には比例関係が成り立つと考えられる
が、試料6は試料3よりも電極の密着強度が強いにもか
かわらず、基板の表面粗さは小さい。これは、試料6の
樹脂表面には試料3の基板表面に比べて微細な凹凸が形
成されており、電極との接触面積が大きくアンカー効果
がより有効に働いているためであると考えられる。
【0035】このように、基板表面に樹脂膜を形成する
ことによって、表面の平滑性を保ちつつ、密着強度の高
い電極を形成することができる。
【0036】次に、試料3に熱処理を行って、基板と電
極の一部を化学的に反応させた場合(試料4(比較
例))と、試料6に熱処理を行って、樹脂膜と電極の一
部を化学的に反応させた場合(試料7(実施例))につ
いて、テープ剥離テストを行い、電極の密着強度を比較
した。この結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4に示すように、試料4(比較例)、試
料7(実施例)いずれも、電極が剥離しない程度にまで
電極の密着強度が上がっている。しかし、試料4は、6
50℃で熱処理を行ったのに対し、試料7は、160℃
の熱処理でこのような効果が得られている。これは樹脂
膜は基板よりも低温で反応が起こりやすいためで、この
ように、樹脂膜を形成した基板を用いた場合の方が、樹
脂膜とめっき膜の界面組成をさほど変化させず、寸法精
度にもあまりばらつきを生じさせずに電極の密着強度を
上げることができる。
【0039】(実施例3)本発明の別の実施形態を用い
てインダクタを作成する場合を説明する。まず、焼成後
のNiCuZn系のフェライト基板(μ=350)表面
を粒度#2000の砥粒で研磨後、該基板表面に乳酸
銅、乳酸亜鉛、塩化パラジウムを含むアンモニア水溶液
からなる光活性触媒液を塗布し、感光膜を形成する。次
に、ライン/スペースが20/20μm、40/40μ
m、60/60μmからなる外形1.5mm角の角型ス
パイラルコイルパターンを有するフォトマスクを介し
て、エキシマランプを用いて波長172nmの光を基板
に照射し、感光膜を選択的に活性化する。水洗後、銅、
EDTA,ホルマリンを含む無電解めっき浴にセラミッ
ク基板を120分間浸漬し、活性化部分に無電解銅めっ
きを施す。続いて、セラミック基板に窒素雰囲気中で6
50℃、1時間の熱処理を施し、めっき膜と樹脂膜の一
部を反応さる。これを試料8(比較例)とする。
【0040】次に、別のNiCuZn系のフェライト基
板表面を粒度#2000の砥粒でラップ研磨後、ポリイ
ミド樹脂塗料をスピンコーティングにより塗布、400
℃で加熱硬化し、膜厚20μmのポリイミド樹脂膜を形
成する。続いて、基板を40℃のヒドラジンとエチレン
ジアミンとを含む溶液に5分間浸漬し、ポリイミド樹脂
膜の表面をエッチングする。このようにして表面のエッ
チングされたポリイミド樹脂膜を有する基板表面に光活
性触媒液を塗布、感光膜を形成し、フォトマスクを介し
て光を照射し感光膜を選択的に活性化後、基板を無電解
めっき浴に浸漬して活性化部分に無電解銅めっきを施
す。感光膜の形成、光の照射、無電解めっきの方法は試
料8作製の場合と同様とする。続いて、基板に窒素雰囲
気中で400℃、1時間の熱処理を施し、めっき膜と樹
脂膜の一部を反応さる。このようにして作製された試料
を試料9(実施例)とする。
【0041】試料8、試料9の導体の膜厚は5μmと
し、それぞれのライン/スペースの幅のコイルパターン
について作製が可能か否かを確認した。また、作製が可
能なパターンについては、引き出し電極等を形成して平
面コイルとし、周波数が200MHzにおける高周波の
インダクタンス、およびQを測定した。この結果を表
5、表6、表7に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】表5に示すように、樹脂膜を形成した基板
を用いた場合(試料9(実施例))には、ライン/スペ
ースが20/20μm、40/40μm、60/60μ
m、いずれのコイルパターンも形成することができたの
に対し、樹脂膜を形成しない基板を用いた場合(試料8
(比較例))は、20/20μm、40/40μmの微
細なパターンを形成することができなかった。これは、
実施例2の場合と同じ原因により、基板表面に樹脂膜を
形成することで基板の表面粗さが小さくなっており、パ
ターンの解像度が上がっているためであると考えられ
る。このように、樹脂膜を形成した基板を用いた場合
(試料9(実施例))は、微細なコイルパターンの形成
が可能であるため、表6に示すような高いインダクタン
ス値を得ることができている。
【0046】また、表7に示すように、樹脂膜を形成し
た基板を用いた場合(試料9(実施例))では、高いコ
イルのQ値を得ることができている。これは、上記のよ
うにパターンの解像度が良いこと、および、導体の表面
抵抗が低いことが原因であると考えられる。コイルのQ
値は導体の抵抗の大きさに反比例するため、基板上に樹
脂膜を形成することによって、該樹脂膜上に形成された
めっき膜の表面粗さを小さくでき、表面抵抗が低減され
ているものと考えられる。
【0047】なお、以上の実施例は、基板にセラミック
基板を用いる場合を示したが、本発明は、基板にガラス
基板を用いる場合にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】このように、本発明では、基板上に形成
された樹脂膜の表面を化学的にエッチングした後、該樹
脂膜上に無電解めっきを施すので、基板自体に化学的な
エッチングを施す必要がない。したがって、基板の寸法
精度にばらつきが生じたり、表面が化学的に変質するこ
ともない。また、めっき膜の密着強度を上げるために熱
処理を行う場合、樹脂膜はセラミック基板と比較して低
温でめっき膜と反応するため、樹脂膜と基板の界面の化
学的変質はあまり起こらない。
【0049】また、樹脂はセラミック基板に比べて微細
で均一な凹凸の形成が容易であるため、めっき膜との接
触面積が大きく、アンカー効果がより有効に働き、めっ
き膜の密着強度を上げることができる。また、樹脂は表
面の平滑性を保ったまま、凹凸の形成が可能であるた
め、樹脂上に形成されるめっき膜の表面粗さも小さくな
り、めっき膜の表面抵抗を低減することができる。
【0050】さらに、樹脂材料が基板と触媒層との間に
入り、光のフィルターとしての役割を果たすこととなる
ため、照射光の一部が基板を透過することがない。よっ
て、基板の両面に回路パターン等を形成する場合、一方
の面への露光後に熱処理によって触媒層を安定化しなく
ても、もう一方の面への照射が行えるため、両面同時に
露光することが可能となり、露光時間が短縮できる。
【0051】また、親水性の光活性化触媒液を用いるた
め、光活性化触媒液からなる感光膜を選択的に活性化
後、活性化されていない部分を水洗除去してから無電解
めっきを行う際に、めっき液に対して、親水性である活
性化部分と疎水性である樹脂膜部分のコントラストを明
確につけることができるため、パターンの解像度を上げ
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に樹脂膜を形成する工程と、 樹脂膜の表面をエッチングする工程と、 表面がエッチングされた樹脂膜を有する基板上に光活性
    化触媒液からなる感光膜を形成する工程と、 感光膜を有する基板に光を照射して、照射部分の感光膜
    を活性化する工程と、 基板の前記活性化部分に無電解めっきを施す工程とを有
    する電子部品の形成方法。
  2. 【請求項2】前記基板は、セラミック基板、または、ガ
    ラス基板であることを特徴とする、請求項1に記載の電
    子部品の形成方法。
  3. 【請求項3】前記光活性化触媒液は親水性の活性化触媒
    液であることを特徴とする、請求項1または2に記載の
    電子部品の形成方法。
  4. 【請求項4】前記電子部品は高周波用電子部品であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし3に記載の電子部品の
    形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002328550A (ja) * 2001-04-26 2002-11-15 Toshiba Tec Corp 定着装置
JP2011184748A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Murata Mfg Co Ltd めっき方法
JP2017050400A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 学校法人神奈川大学 フレキシブル熱電変換部材の作製方法

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