JP2002327254A - Fe−Pt系磁石およびその製造方法 - Google Patents
Fe−Pt系磁石およびその製造方法Info
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Abstract
食性に優れた微小サイズの磁石を提供すること。 【解決手段】本発明の磁石は、原子数比で白金を35〜
55%と、IVa族の元素、Va族の元素、IIIb族の元素お
よびIVb族の元素のうちから選択される1種以上の第3
元素を0.001〜10%と、残部が鉄および不可避不
純物とからなる合金で、その平均結晶粒径が0.3μm
以下であるようなFe−Pt系磁石合金である。つま
り、Fe−Pt合金に特定元素を所定割合で混合するこ
とで従来のFe−Pt合金よりも高性能のFe−Pt系
磁石を得ることができる。
Description
よびその製造方法に関し、詳しくは、保磁力と最大エネ
ルギー積とに極めて優れ、小型で強力なFe−Pt系磁
石およびその製造方法に関する。
どに加えて、新しい用途として、歯科用磁性アタッチメ
ントなど生体に使用する医療器具にも用いられるように
なってきた。生体内で使用するためには、材料の安全性
が重要である。また生体に負担をかけないよう、できる
だけ小さい体積で強力な磁力を発揮することが求められ
る。
も将来の実現に向けて研究されており、とりわけ医療用
に生体の負担の少ない治療が可能になると期待されてい
る。このマイクロマシン用途にミリメートル以下のオー
ダーの寸法を持つ微小で強力、かつ耐食性の高い永久磁
石が求められている。
途に大しては、高性能な永久磁石材料としてNd−Fe
−Bを代表とする希土類磁石が開発され広く使用される
に至っている。
に乏しいという問題がある。したがって前述のような用
途には、必ずしも適用することができない。たとえば、
歯科用磁性アタッチメントなど、生体内で使用する医療
器具には希土類磁石を直接用いることは腐食問題のため
困難である。
ィングや耐食ケース内への磁石の封止など、複雑な対策
をとる必要があるが、耐食性を保証することは容易でな
い。またそのようなコーティングにより磁気回路に抵抗
が生じて磁石本来の特性が完全に発揮できないこともあ
る。希土類磁石の腐食対策の一例として、たとえば特開
平11−137576号公報に開示されている。
て、脆いため加工やハンドリング中、あるいは使用中に
割れ欠けしやすい点が挙げられる。このため、前述のマ
イクロマシンなど、微小な、ミリ・メートル以下の部品
を機械加工により作製して使用することが非常に困難で
ある。さらにそれらの微小部品は体積が非常に小さくな
るため、わずかな表面酸化でもその特性におよぼす影響
は大きい。したがって耐食性の観点からも微小部品への
希土類磁石の使用は問題が多い。
点に関しては、Co―Pt、Fe−Ptといった白金合
金の磁石が優れている。これらの合金は白金を多く含む
ため耐食性に優れ、また強度・靭性にすぐれて割れ欠け
の心配がない。
が良好なことが知られている。規則相のFe−Pt合金
はCuAu(L10)型の面心正方晶を持ち、永久磁石
特性を示す。この規則相は、不規則相(面心立方晶、A
−1型)の合金に適切な熱処理を施すことによって得ら
れる。このような、Fe−Pt系磁石は、希土類磁石に
匹敵する高い結晶磁気異方性を有することが知られてお
り(O.A.Ivanov他、Phys.Met.Me
tallog.Vol.35、p81、1973)、そ
の潜在的な磁気特性は非常に高いものと予測されてい
る。
金を70%程度含むことにより、白金に近い耐食性を有
し(日本磁気歯科学会vol.1、No.1、p14、
1982)、耐食性が高く、特に微小サイズ磁石に適し
た材料といえる。
希土類磁石に比べてかなり低い磁気特性しか得られてい
なかった。
Fe−Pt合金部品を溶解・鋳造によって製作すること
が試みられている(日本応用磁気学会誌、Vol.2
1、p377−380、1997)。その結果として最
大エネルギー積すなわち(BH)maxが127.32k
J/m3(16MGOe:1GOe=79.5774x
10−4J/m3、以下同じ)、保磁力すなわちiHc
が318.30kA/m(4kOe:1Oe=79.5
774A/m、以下同じ)であることが報告されている
が、希土類磁石の磁気特性に比べるとかなり低い。特に
保磁力が318.23kA/mと低いのは、もしこの合
金をマイクロサイズの部品にした際に反磁場に耐えるこ
とができず特性が低下するため問題である。
関しては、近年、スパッタリングによるFe−Pt合金
薄膜で保磁力が著しく高くなることが発見されている。
告はAboafによる(IEEETrans、MAG−
20、p1642、1984)。それによればiHcの
組成依存性が報告され、等原子比のFe−Pt組成で最
高のiHc843.52kA/m(10.6kOe)が
得られることが報告されている。この報告は、Fe−P
tが本来優れた磁気特性を持ちうることを示唆しており
注目に値する。さらに、マイクロマシン用途などの微小
な磁石部品を製造する上において、スパッタリングとい
う成膜プロセスは、バルクから機械加工により所定寸法
に仕上げるよりもコスト・実行の容易性から見て非常に
有望である。
m(3000〜4000Å)という非常に薄い膜につい
てのものであり、実際にこの合金を永久磁石部品として
機能させるためには膜厚をもっと厚くする必要がある。
タリングプロセスで膜厚を厚くしていくと、その磁気特
性、特に保磁力が劣化することが発明者らの一人により
見出された(日本応用磁気学会誌Vol.24、No.
4−2、p927、2000)。その報告によると、
0.5μm程度の膜厚では716.20kA/m(9k
Oe)あった保磁力が、膜厚を厚くするに連れ低下し
て、100μmを超える膜厚では397.89kA/m
(5kOe)以下になってしまう。この保磁力の低下に
伴って、最大エネルギー積も127.32kJ/m
3(16MGOe)から79.58kJ/m 3(10M
GOe)程度にまで低下してしまう。すなわち、保磁力
を改良するのに有効と考えられたスパッタリングプロセ
スも、膜厚を実用領域にまで厚くすると、有効でなくな
ることが明らかになった。
微小な磁石部品を構成した際、十分な磁気特性を得るこ
とはできなかった。
m程度の比較的膜厚の小さな場合において、最大エネル
ギー積(BH)max=159.15kJ/m3(20
MGOe)以上でかつ保磁力iHc=557.04kA
/m(7kOe)以上が望ましく、また、膜厚30μm
以上の厚膜においては、最大エネルギー積:(BH)ma
xが119.37kJ/m3(15MGOe)以上であ
り、保磁力:iHcが397.89kA/m(5kO
e)以上であるものが実用的な永久磁石部品への応用を
考えたときに望ましい。
大エネルギー積および保磁力に優れるFe−Pt合金材
料を提供すること、さらに、スパッタリングなどの成膜
プロセスで作製した際、その膜厚を増大しても保磁力が
低下することがなく、従って高い最大エネルギー積を保
持することが可能であるFe−Pt合金を提供すること
を目的とする。
t系合金について詳細な研究を行った結果、適正な第三
元素をFe−Pt合金に微量添加することにより、その
磁気特性を改善し、さらに厚膜化に対しても保磁力を安
定して発現させ、よって厚膜においても高い最大エネル
ギー積を発揮させ得ることを発見した。
t合金の磁気特性の改善をもたらす理由は完全には明ら
かではないが、本発明者らは、保磁力と結晶粒の大きさ
に密接な関係があることを見出したことから、第三元素
の添加により結晶粒微細化が図られ、それによって磁気
特性が向上するものと考えている。以下で、本発明に至
る経緯を説明する。
バルク状のFe−Pt二元合金においては、組成・熱処
理の影響が調査されており、その組成が原子数基準で3
8.5%Pt−Feで最高の保磁力、最大エネルギー積
を示す事が知られている。しかしその保磁力は前述のよ
うに高々318.31kA/m(4kOe)でありかな
り低い。その際の結晶粒の大きさは数100μmであ
る。
Pt合金スパッタリング膜は、結晶粒の大きさが0.0
5〜0.2μm程度であることが報告されている。従っ
て、結晶粒の大きさがその保磁力に大きな影響をもって
いることが推測される。
Fe−Pt合金の膜厚と結晶粒の大きさの関係を調査
し、膜厚が増大するにつれてその結晶粒径も増大するこ
とを見出し、保磁力の低下は結晶粒の増大にあることを
結論した。
して、Fe、Pt以外の第三元素を微量添加することを
試み、実験を繰り返して、周期律表における、IVa族
の元素、Va族の元素、IIIb族の元素およびIVb
族の元素から選択される1種以上の元素が有効であるこ
とを見出した。
i、Al、Ti、Zr、TaおよびHfの元素から選択
される1種以上の元素は特に有効である。
加することにより、結晶粒の成長を抑制し、それによっ
て優れた保磁力をもたらす。保磁力が安定して発現する
ことにより、最大エネルギー積が高い水準で発揮され
る。
膜において、保磁力iHcが397.89kJ/m
3(5kOe)以上、最大エネルギー積(BH)max
が119.37kJ/m3(15MGOe)以上を満足
させる平均結晶粒径は、0.3μm以下であることを合
わせて見出した。結晶粒径はその寸法が小さいほど保磁
力、最大エネルギー積を向上させ、好ましくは0.1μ
m以下、より望ましくは0.05μm以下がよい。
の磁石は、原子数比で、白金を30〜48%と、IVa
族の元素、Va族の元素、IIIb族の元素およびIV
b族の元素の内から選択される1種以上の第3元素を
0.5〜10%と、残部を鉄および不可避不純物とを有
する合金からなるFe−Pt系永久磁石である。この合
金は結晶構造がCuAu(L1 0)型の面心正方晶とす
ると高い結晶磁気異方性とすることができるので好まし
い。また膜状とすることで微小磁石を形成可能でありマ
イクロマシン等の応用範囲が広がるので好ましい。その
場合に膜厚としては0.1μm以上500μm以下であ
ることが好ましい。本発明のFe−Pt系磁石はこのよ
うな薄膜としても、充分な磁気的性質を有している。
5%としたのは、Ptが35%以上とすると保磁力が向
上するからであり、Ptが55%以下であるとFeの含
有量が相対的に高くなり、磁化が向上して最大エネルギ
ー積が優れたものとなるからである。より望ましくは、
Ptが38%以上48%以下である。
a族の元素、IIIb族の元素およびIVb族の元素の
うちから選択される1種以上の元素、好ましくは1種ま
たは2種の元素を原子数基準で0.001〜10%添加
するのはその添加量が0.001%以上とすることで結
晶粒径の増大を抑制する効果が発揮され、また10%以
下とすることで磁気特性が向上するためである。さらに
特にこれらの元素のうちCあるいはBあるいはSiある
いはAlあるいはTiあるいはZrを含有させることが
効果の点から好ましい。
径は0.3μm以下に抑制することが可能となる。結晶
粒径はその寸法が小さいほど保磁力、最大エネルギー積
を向上させ、好ましくは0.1μm以下、より望ましく
は0.05μm以下がよい。
ー積:(BH)maxが119.37kJ/m3(15
MGOe)以上、保磁力:iHcが397.89kA/
m(5kOe)以上であるものがマイクロマシンへの応
用を考えたときには好ましい。
態の製造方法は、前述したFe−Pt系磁石を好適に製
造できる方法である。したがって、製造されるFe−P
t系磁石について好ましい構成元素や構成元素比は前述
したFe−Pt系磁石と同様であるのでここではその説
明を省略する。
熱処理工程とによって製造する方法である。膜形成工程
はスパッタリングまたは真空蒸着である薄膜プロセスに
よって所定組成の合金膜を得る工程である。これらの薄
膜プロセスは前述した本発明のFe−Pt系磁石の好ま
しい膜厚である0.1μmから約500μmまでの膜が
効率よく作製できる。
を作製する事も容易であり、他部品との集積化も可能で
ある。また、大面積に成膜できるので、1バッチ当たり
の生産性にも優れている。これらの薄膜プロセスは、半
導体リソグラフィ技術等を応用することで、微細な部品
を大量に製造することができる。
方法を採用することができる。たとえば、Feと、Pt
と、所定の第3元素とを所定割合で混合した合金を製造
してその合金をそのまま用いて、真空蒸着もしくはスパ
ッタリングの装置により製膜を行ったり、それぞれの構
成元素ごとに別々の単体を用意してそれぞれ別個に真空
蒸着もしくはスパッタリングを順番にもしくは交互に行
ったり、あらかじめ所定比で混合したFe−Pt合金に
所定の第3元素を真空蒸着もしくはスパッタリングを行
って合金化したりすることで、目的組成のFe−Pt系
磁石を得ることができる。
グによって製膜した後に、熱処理を行うことにより、そ
のFe−Pt系磁石の結晶構造をCuAu(L10)型
の面心正方晶構造として、磁気的性質を向上させる。熱
処理時の温度・雰囲気としては、Fe−Pt系磁石の組
成によっても変化するが、真空中あるいは不活性雰囲気
下において、300〜800℃の処理温度とすることが
好ましい。
Fe−Pt系磁石膜の成膜を行った。
元系組成を有する合金ターゲット上に、添加元素の純チ
ップを置いたものを用いた。ここで第三元素からなるチ
ップの種類をC、B、Si、Al、Ti、ZrまたはN
bと変えることにより第3元素の種類を変化させた。第
3元素(=M)の添加量は表1に示したxについてFe
58Pt42Mxとなるようにした。また、膜厚は0.
5μmとした。
を用いた。
真空度1.3×10−5Pa(1.0×10−6Tor
r)以下、成膜中のアルゴンガス圧力65mPa(5m
Torr)、投入電力0.3kWの条件下で行った。成
膜温度は室温とした。成膜後に基板を取り出して6mm
角に切断し、真空中で熱処理(表1にて示した条件:6
00〜800℃、2時間)を施した。その後に磁気特性
を測定した。
が、115.79kJ/m3(14.55MGOe)で
あるのに対し、C、B、Si、Al、Ti、Zrまたは
Nbを添加したものはいずれも二元系より高い(BH)
maxを示し、それらの値は119.37kJ/m
3(15MGOe)以上である。
の(BH)maxの向上が見られ大変優れた特性を有し
ている。なお、添加する元素によって熱処理条件が異な
るのは、各添加元素ごとに不規則相から規則相へ相変態
する変態温度が異なるため、最適な条件も変化するため
である。従って本実施例では各添加元素ごとにもっとも
適切な熱処理条件を施した。また、試料1〜7はすべて
平均結晶粒径が0.02〜0.03μmと小さかった。
なお、平均結晶粒径は、以下の方法で測定した。まず1
つの結晶粒の長径と短径との平均値をその粒の結晶粒径
と定義した。そして、1辺1μmの正方形を1視野とし
てその5視野中の全結晶粒の結晶粒径を求めて平均し求
めた。
Al、Ti、ZrまたはNbをそれぞれに含むFe−P
t系磁石は、優れた最大エネルギー積を持ち、マイクロ
マシンなどの微小な医療用部品に応用する際に非常に有
用である。
tのみのもの(試料8)、添加元素としてZrのみ添加
したもの(試料9)および、ZrとBとを複合添加した
もの(試料10)について、その膜厚を変化させて磁気
特性と結晶粒の大きさを調べた。
58Pt42の組成を有する合金ターゲット(試料
8)、Fe58Pt41.4Zr0.6の組成を有する
合金ターゲット(試料9)およびFe58Pt40.4
Zr0.6B1.0の組成を有する合金ターゲット(試
料10)を用いた。
により変化させた。熱処理温度は、660℃で2時間真
空中で行った。
結果を図1および図2に示す。
保磁力が低下傾向を示す。それに伴って最大エネルギー
積も低下していく。しかしながら、試料9および試料1
0は、常に二元系のものよりも高い磁気特性を示す。試
料8においては、膜厚が0.5μmに達すると、(BH)
maxが119.37kJ/m3(15MGOe)以下
になってしまうのに対し、Zr−Bの複合添加材(試料
10)は膜厚が32μmにおいても(BH)max=15
9.15kJ/m3(20MGOe)、Zr単独添加材
(試料9)は142.24kJ/m3(18MGOe)
という高い磁気特性を示している。これは様々な用途の
永久磁石材料として十分高い値を示している。
Hmaxともに著しく低下している。試料9、10は膜
圧が100μmにおいても、iHcが397.89kA
/m以上で、かつBHmaxが119.37kJ/m3
以上を満たす。一方、試料8はiHcが膜圧3μmにお
いて397.89kA/m以下となり、BHmaxが膜
圧0.5μmにおいて119.37kJ/m3以下とな
っている。
材料の透過電子顕微鏡写真を図3(試料9)、4(試料
8)に示す。試料8では、その結晶粒は0.5μm程度
に成長しているが、試料9は0.1μm以下の非常に微
細な結晶を有している。これは、添加元素が結晶粒微細
化の効果を有することを示している。
tのみのもの(試料11)、添加元素としてTaを添加
したもの(試料12)および、Hfを添加したもの(試
料13)について、その膜厚を変化させて磁気特性と結
晶粒の大きさを調べた。Fe−Pt系磁石膜の成膜は直
流マグネトロンスパッタ法により行った。
組成を有する合金ターゲット上に、添加元素の純チップ
を置いたものを用いた。ここで第三元素からなるチップ
の種類をTa、Hfと変えることにより第三元素の種類
を変化させた。第三元素(=M)の添加量は表2に示し
たxについてFe58Pt42Mxとなるようにした。
によって変化させた。熱処理温度は、660℃で8時間
真空中で行った。その他の条件は実施例2と同じである
。 (結果)膜厚0.5μmの各合金の最大エネルギー積を
表2に示す。TaもしくはHfを添加したものは二元系
Fe−Pt磁石の最大エネルギー積115.79kJ/
m3(14.55MGOe)を大きく上回り、159.
16kJ/m3(20MGOe)以上である。
5、図6に示す。実施例2の場合と同様に、膜厚が増加
するにつれて何れの合金も保磁力が低下する傾向を示
す。しかし、試料12及び13は試料11の二元系より
も常に高い磁気特性を示す。試料11においては、膜厚
0.5μmで(BH)maxが119.37kJ/m3
(15MGOe)以下であるが、試料13は膜厚が32
μmとなっても135.29kJ/m3(17MGO
e)、試料12においては159.15kJ/m3(2
0MGOe)という高い磁気特性を示している。実施例
2で示した材料と同様に、これらも様々な用途の磁石材
料として充分に高い値を示している。
(BH)maxは何れも低下しているものの、試料1
2、13はiHcが397.89kA/m(5kOe)
以上、かつ、(BH)max119.37kJ/m
3(15MGOe)以上を満たしてる。ところが試料1
1においては、膜厚3μmでiHcは397.89kA
/m(5kOe)以下となり、膜厚0.5μmで(B
H)maxが119.37kJ/m3(15MGOe)
以下となっている。
石は、第三元素としてIVa族の金属元素またはVa族の金
属元素またはIIIb族の半金属・半導体元素またはIVb族
の半金属・半導体元素のうちから選択される1種以上の
元素を含むことで、優れた最大エネルギー積を持ち、医
療用途や、マイクロマシンなどの微細な部品に応用する
際に非常に有用である。
をしめすグラフである。
厚依存性をしめすグラフである。
をしめすグラフである。
厚依存性をしめすグラフである。
3)
Claims (7)
- 【請求項1】原子数比で、 白金を35〜55%と、 IVa族の金属元素、Va族の元素、IIIb族の元素およびIVb
族の元素のうちから選択される1種以上の第3元素を
0.001〜10%と、 残部が鉄および不可避不純物とを有する合金で、 その平均結晶粒径が0.3μm以下であることを特徴と
するFe−Pt系磁石。 - 【請求項2】前記合金は結晶構造がCuAu(L10)
型の面心正方晶である請求項1に記載のFe−Pt系磁
石。 - 【請求項3】膜状に形成された請求項1又は2に記載の
Fe−Pt系磁石。 - 【請求項4】膜厚が0.1μm以上500μm以下であ
る請求項3に記載のFe−Pt系磁石。 - 【請求項5】前記第3元素は、C、B、Si、Al、T
i、Zr、TaおよびHfのうちから選択される1種以
上である請求項1に記載のFe−Pt系磁石合金。 - 【請求項6】最大エネルギー積:(BH)maxが11
9.37kJ/m3(15MGOe)以上、保磁力:i
Hcが397.89kA/m(5kOe)以上である請
求項3に記載のFe−Pt磁石。 - 【請求項7】原子数比で、 白金を35〜55%と、 IVa族の元素、Va族の元素、IIIb族の元素およびIVb族の
元素のうちから選択される1種以上の第3元素を0.0
01〜10%と、 残部が鉄および不可避不純物とを有する合金からなるF
e−Pt系磁石の製造方法であって、 スパッタリングあるいは真空蒸着法によって膜状に形成
する膜形成工程と、 その後熱処理を行って、結晶構造をCuAu(L10)
型の面心正方晶とする熱処理工程とを有することを特徴
とするFe−Pt系磁石の製造方法。
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JP2008231577A (ja) * | 2008-04-09 | 2008-10-02 | National Institute For Materials Science | FePtP3元合金 |
JP2012031441A (ja) * | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Ishifuku Metal Ind Co Ltd | Fe/Co−Pt系焼結合金の製造方法 |
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