JP2002323015A - 合成樹脂用タッピンねじおよび該タッピンねじを使用する合成樹脂製品 - Google Patents

合成樹脂用タッピンねじおよび該タッピンねじを使用する合成樹脂製品

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JP2002323015A
JP2002323015A JP2001126234A JP2001126234A JP2002323015A JP 2002323015 A JP2002323015 A JP 2002323015A JP 2001126234 A JP2001126234 A JP 2001126234A JP 2001126234 A JP2001126234 A JP 2001126234A JP 2002323015 A JP2002323015 A JP 2002323015A
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female screw
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screw
torque
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JP2001126234A
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English (en)
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Shinichi Sezoko
信一 瀬底
Akio Wakatsuki
昭雄 若月
Tomihisa Isobe
富久 磯部
Yoshihiro Takano
義博 高野
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HAKURAKU SEIBYOSHO KK
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
HAKURAKU SEIBYOSHO KK
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は合成樹脂用タッピンねじおよび該タ
ッピンねじを使用する合成樹脂製品に関し、大きな締め
付力にてねじの緩みを防止し、ねじ込みトルクより数倍
雌ねじ破壊トルクを大きくしてねじの締結力の低下を防
止し、合成樹脂基材の再締結を確実に行い、合成樹脂基
材の廃棄量の低減をはかるようにした。 【解決手段】 締結対象部材に設けた雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d;3e,3fは、該雌ねじ孔に螺入され
る合成樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4の外径D1
対して横断面積が70%〜93%に設定されることによ
り、締結対象部材に対する再締結を緩みを生ぜず、確実
に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の合成樹脂製の
締結対象部材を固定するための合成樹脂用タッピンねじ
および該タッピンねじが使用されて取付けられる合成樹
脂製品に関し、タッピンねじのねじ込みトルクが小さく
ても大きな締め付力によってねじの緩みを防止し、また
ねじ込みトルクより数倍雌ねじ破壊トルクを大きくして
ねじの締結力の低下を防止する合成樹脂製品の再使用を
行えるようにした。
【0002】
【従来の技術】小型の電子機器、通信用機器、或いは複
写用機器などの比較的小型の機器は、従来金属製または
合成樹脂製のハウジングや部品等の締結対象部材等を用
いて組付けられることが多い。このような場合、合成樹
脂製の基体部における部材の取付位置に予め雌ねじ部材
をインサート成形しておき、この雌ねじ部材に雄ねじ部
材をねじ込んで部品等を取付ける方法が行われていた。
しかし、近時では組立コストの低減を図るために雌ねじ
部材のインサートを廃止し、合成樹脂用タッピンねじを
合成樹脂製の基体部に直接にねじ込むことにより各種の
締結対象部材を結合する方法が利用されるに至ってい
る。これらの合成樹脂基材に対する締結対象部材ないし
部品の取付けは、工場等における締付けトルクが適正に
なるように管理されたトルクドライバーで締付けを行う
ので、初回のねじ込みには使用に耐える十分な締結力が
得られ、かつ合成樹脂基材の下穴寸法を数回の繰り返し
締め付けに耐えられるように設定している。ところで、
上記合成樹脂製のハウジングや部品等が取付けられた製
品が市場で使用され、資源活用の観点から一旦雄ねじ部
を被取付物から取外し、再び取付けを行うという取付作
業が発生する場合がある。このような場合に、所定のね
じ込みトルク量を発揮する等の管理されたトルクドライ
バーを使用できない場合がある。この時、タッピンねじ
は、雄ねじ部の緩みがないように十分な締め付け力によ
って締め付けられるが、これには適正締め付けトルク以
上のトルクで締め付けられる。ところが、タッピンねじ
を用いて合成樹脂基材に雌ねじを形成しながら部品また
は締結対象部材を取付ける場合に、適正締め付けトルク
以上の締め付け力で締め付けるために、雄ねじのねじ込
みトルクを大きくすると、合成樹脂基材に設けられる雌
ねじ孔に雌ねじ破壊(いわゆるねじばか)が起こり易
い。雌ねじ破壊が生ずると、ねじの緊結力が弱くなり、
締結されたほかの部品や締結対象部材に緩みを生じた
り、脱落が発生することで機能上の障害になるので、新
たな部品または部材を必要とし、雌ねじ破壊を生じた部
品または部材は再使用することができずに廃棄されてい
た。このため、工程数も多くなり、多大な労力、時間、
資材費用が必要になっていた。しかも、締結対象部材と
しての合成樹脂基材に設けられる雌ねじ孔は、ただ単に
合成樹脂基材に貫通孔を形成するという、単純な構造の
ものに限らず、1つの合成樹脂基材においてもそのほか
に雄ねじ部に対する雌ねじ孔の嵌め合い条件を異にする
数種類の雌ねじ孔が用いられることが多い。例えば、ボ
ス部に雌ねじ孔としての貫通孔を形成したり、雌ねじ孔
の周囲に爪体を備えるもの等種々の姿態の雌ねじ孔が共
存するものがあった。この場合、ねじ込みトルクが小さ
いタッピンねじの雄ねじ部では締め付力が不十分にな
り、振動等の外力によって緩みが生じ易いという問題が
あった。しかも、最適な締め付けトルクを設定しても必
ずしも充分な締め付け力が得られるとは限らなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、締結
対象部材としての合成樹脂基材に対するねじ込みトルク
が小さくても大きな締結力が得られてねじの緩みを確実
に防止し、かつ雌ねじ破壊トルクをねじ込みトルクより
数倍大きくすることによって多数回の取付けおよび取外
しを繰り返すという合成樹脂基材の再締結が確実に行
え、もって部品または締結対象部材の交換により生ずる
合成樹脂基材の廃棄量の低減をはかろうとするという改
良された合成樹脂用タッピンねじおよび該タッピンねじ
を使用する合成樹脂製品を提供しようとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
なされたものであり、請求項1に記載の発明は締結対象
部材に設けた雌ねじ孔の内径は、該雌ねじ孔に螺入され
る雄ねじ部の外径に対し横断面積が70%〜93%に設
定されることを特徴とするという手段を採用した。
【0005】また本発明の請求項2に記載の発明は、請
求項1において締結対象部材に設けた雌ねじ孔に螺入さ
れる雄ねじ部の外径が横断面にして5%から8%太く形
成されたことを特徴とするという手段を採用した。
【0006】また本発明の請求項3に記載の発明は、請
求項1または請求項2の何れかにおいて締結対象部材に
設けた雌ねじ孔の内径が、2mm〜6mmであることを
特徴とするという手段を採用した。
【0007】また本発明の請求項4に記載の発明は、請
求項1、請求項2、または請求項3の何れかにおいて締
結対象部材に設けた雌ねじ孔の内径が横断面にして16
%程度大きくなった後に雄ねじ部が再締結に供されるこ
とにより締結対象部材を再締結することを特徴とすると
いう手段を採用した。
【0008】また本発明の請求項5に記載の発明は、再
締結時に締結対象部材に設けた雌ねじ孔の内径は、該雌
ねじ孔内に螺入される雄ねじ部の外径に対し横断面積が
70%〜93%に設定される合成樹脂タッピンねじを再
締結部品として使用して再締結が行われることを特徴と
するという手段を採用した。
【0009】また本発明の請求項6に記載の発明は、請
求項5において前記再締結部品により組付けられる機器
が複写用機器、電子機器、通信用機器の何れかであるこ
とを特徴とするという手段を採用した。
【0010】また本発明の請求項7に記載の発明は、請
求項5または請求項6の何れかにおいて再締結が、修理
品または再使用品として締結対象部材に設けられる雌ね
じ孔の内径が2mm〜6mmであることを特徴とすると
いう手段を採用した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の具体
例を図面を参照して説明する。図1ないし図7は本発明
の合成樹脂用タッピンねじの第1実施態様を示す。1は
締結対象部材となる合成樹脂基材2に設ける雌ねじ孔3
に螺入される雄ねじ部4を有する合成樹脂用タッピンね
じであり、この合成樹脂用タッピンねじ1は炭素鋼線材
を転造することによりねじサイズ毎に雄ねじ部4の外径
1 (呼び径)およびピッチPを最適なもの例えば外径
1 を1.4〜4mmの範囲に設定することにより締結
対象部材として合成樹脂基材2に対するねじ込みトルク
T1が小さくても大きな締め付力が得られるようにして
いる。
【0012】例えば、JIS型の2種または4種の従来
のタッピンねじの外径が、例えば3mm程度であるとす
ると、本実施態様では外径D1 が0.2mmほど大きい
例えば3.2mm程度、横断面積にして約5〜8%程度
太く設定することにより締結対象部材となる合成樹脂基
材2に設けられる雌ねじ孔3が雌ねじ破壊した場合に、
雌ねじ孔3の内径φ1 が横断面積において約16%程度
大きくなるが、この場合に本発明の好ましい実施態様で
は合成樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4が雌ねじ孔3
に緩みが生ずることなく確実に螺合するのに対処するよ
うに締結対象部材に設けた雌ねじ孔3の内径φ1 は、該
雌ねじ孔3内に螺入される雄ねじ部4の外径D1 に対し
て横断面積が70%〜93%に設定されることにより雄
ねじ部4の雌ねじ孔3に対する繰り返しての食い付きを
確実に行って再締結を確実に行うようにした。また合成
樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4のねじピッチPを
0.6〜1.8mmの範囲にて従来のJIS型の4種ね
じのねじピッチに比較して大きく設定することにより図
4に示すようにねじ込みトルクT1 の数倍に締結対象部
材としての合成樹脂基材2に設けた雌ねじ孔3の雌ねじ
破壊トルクT3 を大きくしてねじの締結力の低下を防止
するようにするとともに雌ねじ孔4内に合成樹脂用タッ
ピンねじ1を螺入することにより合成樹脂基材2内に混
入されるグラスファイバー等の強化繊維の破断を防止し
て合成樹脂基材2の強度が低下するのを防止するように
している。φは雌ねじ孔3の雌ねじ外径である。
【0013】また上記合成樹脂用タッピンねじ1は、ね
じ山角度αが48°〜54°、先端部4aのリード角β
が約7°30′、しかもねじ山の山頂幅Wが、0.03
〜0.07mmの範囲、さらにねじ先端部4aのねじ山
の盛り上げは正山Mの略2/3に設定される。
【0014】上記したように、合成樹脂用タッピンねじ
1のねじ山角度αを48°〜54°に設定したのは、雌
ねじ孔3に合成樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4をね
じ込む時の摩擦熱の発生を抑えるためである。この時、
ねじ山角度αが48°より小さい場合には、雄ねじ部4
に対する合成樹脂基材2に設ける雌ねじ孔3の繰り返し
ての再締結が低下する。これは、ねじ山角度αが小さい
場合に、合成樹脂基材2に設ける雌ねじ孔3内に螺入さ
れる合成樹脂用タッピンねじ1がねじ込まれる軌跡は、
雄ねじ部4のねじ山角度αが鋭い鋭角になるので、雌ね
じ孔3に対する食い付きがいかなる個所に対しても発生
し易くなるために、2回目のねじ込み位置、3回目のね
じ込み位置と異なる位置にくい付きが発生し易いためで
ある。また、ねじ山角度αが54°より大きい場合に
は、雌ねじ孔3に対する雄ねじ部4のねじ込みの抵抗が
高くなるので、雌ねじ孔3へのねじ込みトルクT1 が高
くなるためである。このねじ込みトルクT1 は低い方が
ねじ込みの操作性は良い。
【0015】次いで合成樹脂用タッピンねじ1の先端部
4aのリード角βが、約7°30′に形成されたのは、
約7°30′よりもリード角βを小さくした場合には、
雄ねじ部4の先端から正山Mまでの距離lが長くなり正
山数が少なくなって雌ねじ破壊トルクT3 が低下するか
らである。また合成樹脂用タッピンねじ1の先端部4a
のリード角βが、約7°30′より角度を大きくされた
場合、雌ねじ孔3内への雄ねじ部4のねじ山の挿入性が
悪くなり、雌ねじ孔3へのねじ込みトルクT1が高くな
る。
【0016】また、本実施態様の合成樹脂用タッピンね
じ1は、ねじ山山頂幅Wが、0.03〜0.07mmの
範囲に設定されるのは、締結対象部材としての合成樹脂
基材2に設けた嵌め合い条件が異なる雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d;3e,3f内に合成樹脂用タッピンね
じ1をねじ込む時の摩擦抵抗を低下し、しかも摩擦によ
る温度上昇を防いで合成樹脂基材2の組織の破壊をなく
すためである。
【0017】また本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ
1は、先端部4aのねじ山の盛り上げが正山Mの略2/
3に設定されるのは、合成樹脂基材2に設けられた雌ね
じ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fを例えばJI
S型の4種タッピンねじを用いて破壊した後に嵌め合い
条件を異にする雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3f内に合成樹脂用タッピンねじ1をねじ込む時の
雌ねじ破壊トルクT3 を高くするためである。
【0018】こうして、本実施態様の合成樹脂用タッピ
ンねじ1は、雌ねじ孔3へのねじ込みトルクT1 が小さ
くても大きな締付力が得られて従来から用いられている
JIS型の2種または4種のタッピンねじと比較してね
じの緩みが確実に防止され、かつ雌ねじ破壊トルクT3
をねじ込みトルクT1 より数倍大きくすることにより雌
ねじ破壊を引き起こすことがなく合成樹脂基材2に対す
る多数回の取付けおよび取外しを繰返して行うという再
締結が行えるものである。
【0019】また、合成樹脂基材2は、例えばPET樹
脂、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエステ
ル樹脂などのエンジニアリング樹脂を用いて形成される
か、または強度を向上させるためにこれらのエンジニア
リング樹脂にグラスファイバー等の強化繊維を混入した
ものを用いて形成される。そして、このようにして形成
される合成樹脂基材2に雄ねじ部4をねじ込むと同時に
雌ねじを形成しながら各種の部品等をねじ止めするよう
に何回か繰り返して再使用される。
【0020】本実施態様の合成樹脂基材2として具体的
には、図5に示すように例えば全長Lが350mm程度
をなし、グラスファイバーのような強化繊維入りのPE
T樹脂にて形成される締結対象部材としての合成樹脂基
材2に合計6個の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fが形成されるものが用いられる。このうち、雌
ねじ孔3a,3b,3cは合成樹脂基材2の裏面に形成
される約13mm程度の長さのボス5aの略中心に貫通
孔6aが設けられたもの、また雌ねじ孔3dは約10m
m程度の長さのボス5bの略中心に貫通孔6bが設けら
れたもの、さらには雌ねじ孔3e,3fは貫通孔6cの
周囲に略半環状の爪体5cを備え、合成樹脂用タッピン
ねじ1の取付時および取外時の嵌め合い条件が異なる3
種類の姿態に形成されるものが共存される。
【0021】従って、それぞれ雌ねじ孔3a,3b,3
cとしての貫通孔6a、雌ねじ孔3cとしての貫通孔6
b、さらには雌ねじ孔3e,3fとしての貫通孔6cの
回りに配置されるボス部5a,5bや爪体5cの肉厚の
厚薄、長さの長短、ねじ頭部と合成樹脂基材2との間に
配置される被締付け材としての金属板の厚みの厚薄のほ
か、合成樹脂基材2に混入されるグラスファイバー等の
分布状態のばらつき等に起因して構造的な強度に強弱を
生ずる等に応じて本来合成樹脂用タッピンねじ1の雄ね
じ部4に対する雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fの嵌め合い条件が相違することになる。
【0022】本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1は
上記構成からなり、この合成樹脂用タッピンねじ1につ
いての締結対象部材としての合成樹脂基材2に対するね
じ込みトルクT1 および雌ねじ破壊トルクT3 を測定
し、合成樹脂タッピンねじ1を用いる場合の合成樹脂基
材2の再締結が可能か否か等の確認試験を行った。この
試験には、先ず図5に示すように例えば全長Lが350
mm程度をなし、グラスファイバー等の強化繊維入りの
PET樹脂により形成される合成樹脂基材2に嵌め合い
条件が異なる3種類の異なる姿態、例えば長さが約13
mm程度に形成されるボス5aの略中心に貫通孔6aが
設けられた内径φ1 が約2.3mm程度の3個の雌ねじ
孔3a,3b,3cと、約10mm程度の長さに形成さ
れるボス5bの略中心に貫通孔6bを設けた内径φ1
約2.3mm程度の1個の雌ねじ孔3dと、貫通孔6c
の周囲に略半環状の爪体5cを備える内径φ1 が約2.
3mm程度の2個の雌ねじ孔3e,3fとが共存した1
つの締結対象部材としての合成樹脂基材2に対して先ず
例えば4種で外径(呼び径)が3mmのJIS型のタッ
ピンねじを前記雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3f内にねじ込むことにより雌ねじ破壊させて雌ね
じ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1
横断面積にして16%程度大きくさせる(いわゆる、ば
か穴状態とする)。その後に、本実施態様の合成樹脂用
タッピンねじ1として雄ねじ部4の外径D1 が従来のJ
IS型の4種タッピンねじよりも0.2mmほど大きい
3.2mmの合成樹脂用タッピンねじ1を繰り返して合
成樹脂基材2の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3f内にねじ込むことにより合成樹脂基材2が再締
結できるか否かを測定するために無作為に抽出した20
例の合成樹脂基材2に設けた雌ねじ孔3a,3b,3
c;3d;3e,3fのそれぞれについてねじ込みトル
クT1 、雌ねじ破壊トルクT3 、繰返し回数、合成樹脂
基材2の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3f
の樹脂穴径等を測定し、表1および表2を得た。表1お
よび表2でのサンプル数は20例とし、このうち表1に
はサンプル20例のうちサンプル1〜10例が、また表
2にはサンプル11〜サンプル20が表わされている。
表1および表2においてサンプル1〜サンプル20にお
ける〜は合成樹脂基板2に設けられたそれぞれ雌ね
じ孔3a,3b,3cを示し、またサンプル1〜サンプ
ル20におけるは雌ねじ孔3dを示し、さらにサンプ
ル1〜サンプル20におけるおよびは雌ねじ孔3
e,3fを示している。
【0023】この際、ねじ込みトルクT1 、雌ねじ破壊
トルクT3 についての測定はトルク・軸力試験機を用い
て測定し、また本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1
のねじ締め付けは、ハイオス電気株式会社製の電気ドラ
イバーVZ1820を使用して所定トルクにて5〜10
回の範囲で繰り返して締め付けを行なった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】そして、表1および表2よると、前述のよ
うにJIS型の4種タッピンねじ、外径が3mmを無作
為に抽出した20例の締結対象部材としての合成樹脂基
材2に設けたそれぞれ内径φ1 が2.3mm程度の嵌め
合い条件が異なる雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3f内に何回か繰り返して螺入または螺退させて強
制的に雌ねじ破壊すると、横断面にして16%程度大き
くなす。その後にそれぞれの雌ねじ孔3a,3b,3
c;3d;3e,3fからJIS型の4種タッピンねじ
を取り外し、雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,
3fに本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1として外
径D1 が3.2mmをねじ込んだ場合に、測定されたね
じ込みトルクT1 の最大値を測定した結果、表1の例え
ばサンプルNo2−に示されるように0.55Nmで
あることがわかった。
【0027】またJIS型の4種タッピンねじを用いて
前述のように締結対象部材として合成樹脂基材2に設け
た雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fのそれ
ぞれを雌ねじ破壊をした後に外径D1 が3.2mmにし
て横断面にして5%〜8%太く形成された本実施態様の
合成樹脂用タッピンねじ1を一度雌ねじ破壊されること
により横断面にして16%程度大きくされた後の雌ねじ
孔3a,3b,3c;3d;3e,3f内に何回繰り返
してねじ込めるかという繰返し回数があらわす再締結
は、表2の例えばサンプルNo16−を除き5回以上
の再使用が行えることがわかった。
【0028】このように本実施態様の合成樹脂用タッピ
ンねじ1は、雄ねじ部4の外径D1が例えば3.2mm
程度のものであるとすると、従来のJIS型の4種タッ
ピンねじに較べて横断面積において約5〜8%程度太く
設定されるため、雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fに確実に螺合され、食い付きが確実になり合成
樹脂用基材2の再締結が可能になると考えられる。
【0029】また、表1および表2が示すように締結対
象部材としての合成樹脂用基材2の5回以上の繰り返し
の再締結における雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fに対する雌ねじ破壊トルクT3 は、1.05N
m以上の雌ねじ破壊トルクT3 が得られた。
【0030】しかも、本実施態様の合成樹脂用タッピン
ねじ1は、例えば外径D1 が3.2mmのものについて
ピッチPが0.6〜1.8mmの範囲にて従来のJIS
型の4種タッピンねじが1.06mm程度であるのに対
してそれよりも大きく約1.5倍弱程度の設定になり、
雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fへのねじ
込みトルクT1 が上記のように0.55Nm以上である
のに対して雌ねじ破壊トルクT3 は数倍、例えば2倍弱
の1.05Nm以上が得られた。しかも、合成樹脂基材
2は、例えばPET樹脂にて形成されて内部に混入され
るグラスファイバー等の強化繊維の破断を防止し、合成
樹脂基材2の強度が低下するのを防止することができ
る。
【0031】また本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ
1は、ねじ山角度αが48°〜54°であるので、合成
樹脂基材2の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,
3f内に再締結時にねじ込まれる合成樹脂用タッピンね
じ1のくい付きの軌跡が不用意に雌ねじ孔3a,3b,
3c;3d;3e,3fのいかなる個所に対しても発生
することなく略一定位置にくい付きを生ずる。そして、
合成樹脂用タッピンねじ1は雌ねじ孔3a,3b,3
c;3d;3e,3f内に抵抗がなく迅速かつ円滑にね
じ込まれ、ねじ込みトルクT1 を前述のように低くする
ことができる。
【0032】しかも合成樹脂用タッピンねじ1の先端部
4aのリード角βが、約7°30′に形成され、雄ねじ
部4の先端から正山Mまでの距離lが適正になって最適
な正山数が得られるため、雌ねじ破壊トルクT3 が不用
意に低下するのと、合成樹脂基材2が構造的に脆弱にな
るのが防止できるとともに雌ねじ孔3a,3b,3c;
3d;3e,3f内への合成樹脂用タッピンねじ1のね
じ込みトルクT1 を低くして合成樹脂用タッピンねじ1
の挿入性を良好にすることができる。
【0033】また表1および表2から外径が3mmのJ
IS型の4種ねじを用いて雌ねじ孔3a,3b,3c;
3d;3e,3fの雌ねじ破壊を強制的に行った後に、
本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1を用いて繰り返
しねじ込みを行って5回以上の再使用が行えるサンプル
数は20個のうち19個であり、全体の95%を占め、
合成樹脂基材2の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fに対して再使用に適う合成樹脂タッピンねじ1
である。
【0034】そこで、嵌め合い条件が異なる雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d;3e,3fに対して合成樹脂用
タッピンねじ1が、外径が3mmの従来のJIS型の4
種タッピンねじに較べてねじ込みトルクT1 の最大値と
雌ねじ破壊トルクT3 について繰返使用回数を外径D1
の大小について相応して確認試験を行った結果、表3を
得た。
【0035】
【表3】
【0036】上記表3では合成樹脂用タッピンねじ1の
外径D1 を従来の4種タッピンねじに較べて横断面積に
おいて2%〜11%大きくした場合について測定し、そ
れぞれねじ込みトルクT1 が所定のねじ込みが可能な場
合を○、また所定のねじ込みトルクT1 より10%〜3
0%高いトルクでねじ込みが可能な場合を△、さらには
所定のねじ込みトルクより31%以上高いトルクでねじ
込みが可能な場合を×の記号を用いて表示した。また上
記表3中、雌ねじ破壊トルクT3 についいてねじ込みト
ルクT1 の1.8倍以上の雌ねじ破壊トルクT3 の場
合、ねじ込みトルクT1 の1.8倍未満の雌ねじ破壊ト
ルクT3 の場合を測定した結果をそれぞれ○、△で表示
している。さらに、従来の4種タッピンねじに較べて横
断面積において2%〜11%大きくした場合のそれぞれ
合成樹脂用タッピンねじ1を締結対象部材に設けた雌ね
じ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fに対する繰返
し使用回数試験について10回以上が可能な場合、また
繰返し使用回数が9回〜5回の場合、さらには繰返し使
用回数が5回未満を測定してそれぞれ○、△、×に表し
た。その結果、表3から外径D1 が従来の4種タッピン
ねじに較べて横断面積において2%〜11%程度大きく
した合成樹脂用タッピンねじ1のうち外径D1 が5%か
ら8%程度大きくしたものが、ねじ込みトルクT1 は所
定のねじ込みトルクで最良にねじ込み可能となる。また
雌ねじ破壊トルクT3 はねじ込みトルクT1の1.8倍
以上の雌ねじ破壊トルクT3 が得られ、さらには雌ねじ
孔3a,3b,3c;3d;3e,3fに対して10回
以上の再締結ができる。従って繰返し使用は、合成樹脂
用タッピンねじ1の外径D1 が従来の4種タッピンねじ
に較べて横断面積において5%〜8%程度大きくした場
合に最良であることがわかった。
【0037】次いで前述のようにJIS型の4種タッピ
ンねじを用いて一度強制的に雌ねじ破壊させた締結対象
部材としての合成樹脂基材2に設ける雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d;3e,3f内に合成樹脂用タッピンね
じ1を螺入する場合に、この雌ねじ孔3a,3b,3
c;3d;3e,3fの内径φ1 の大きさと、この雌ね
じ孔3a,3b,3c;3d;3e,3f内に螺入され
る雄ねじ部4の外径D1の大きさとが、具体的に、どの
ような大きさである場合に、再締結対象部材としての合
成樹脂基材2に対して実際に有効に再締結が行えるか否
かの確認試験をねじ込みトルクT1 、雌ねじ破壊トルク
T3 、設定トルクT2 につき測定した結果、表4および
表5と図6および図7を得た。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】すなわち、上記表4と図6および図7は、
締結対象部材としての合成樹脂基材2に設ける雌ねじ孔
3a,3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1 が2.
3mmの時と、また表5と図6および図7は雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1 が2.5
mmの時に、本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1の
比較例として雄ねじ部の外径が1.2〜6.0mm、ね
じピッチ/外径が0.4〜0.6mm、ねじ山角度が4
8〜53°の雄ねじを螺入する場合(表4および表5と
図6および図7中のイ部およびハ部)と、本実施態様の
合成樹脂用タッピンねじ1を内径φ1 が2.3mmと
2.5mmの雌ねじ部3a,3b,3c;3d;3e,
3fに螺入する場合(表4および表5と図6および図7
のロ部およびニ部)とを無作為に選んだ表4ではサンプ
ル1〜6、また表5ではサンプル7〜12、図6ではサ
ンプル1〜48、図7ではサンプル1〜24例について
測定した。そして図7は締結対象部材に対して締結繰り
返し回数が10回以上行えるか否かを設定目標とした確
認試験においてねじ込みトルクT1 と、ねじ込み破壊ト
ルクT3 と、設定トルクT2 とを測定した特性図を示し
ている。
【0041】上記表4と図6および図7から、合成樹脂
基材2に設けた内径φ1 が2.3mmの雌ねじ孔3a,
3b,3c;3d;3e,3fに比較品の合成樹脂用タ
ッピンねじを螺入する場合には、イ部に示すようにねじ
込みトルクT1 が主に0.3Nm付近に多く散在して測
定され、ねじ破壊トルクT3 は1.7Nm付近に集中し
て測定し、設定トルクT2 は0.6Nm付近になるが、
本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1を内径φ1
2.3mmの雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,
3fに螺入し、再締結に供する場合には表4と図6およ
び図7中のロ部に示されるようにねじ込みトルクT1 が
主に0.4Nm付近に測定され、雌ねじ破壊トルクT3
は2.4〜2.7Nm付近に測定され、設定トルクT2
は1.5Nm近くになる。
【0042】また、一度雌ねじ破壊された雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1 の大きさ
が2.5mmの場合に前述の比較例の合成樹脂用タッピ
ンねじを螺入する場合は、表5と図6および図7中のハ
部に示されるようにねじ込みトルクT1 が0.2Nm付
近に多く測定され、ねじ破壊トルクT3 は1.7Nm、
設定トルクT2 が0.2Nmになるのに対して本実施態
様の合成樹脂用タッピンねじ1を内径φ1 が2.5mm
の雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fに螺入
した場合には、表5と図6および図7中のニ部に示され
るようにねじ込みトルクT1 が0.3Nm付近に多く測
定され、雌ねじ破壊トルクT3 が2.0〜3Nm近くに
測定されて実に2倍程度が得られ、設定トルクT2 は
0.9〜1.5Nm近くにもなることがわかった。
【0043】そして、前述の如くJIS型の4種タッピ
ンねじを用いて一度雌ねじ破壊させた嵌め合い条件が異
なる雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fの内
径φ 1 がいかなる大きさである場合に、この雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d;3e,3f内に螺入される合成
樹脂用タッピンねじ1の外径D1 がいかなる大きさであ
る場合に繰返し使用が効果的に行えるかの具体的な関係
の確認試験を実施した結果、表6を得た。
【0044】
【表6】
【0045】上記表6では合成樹脂基材2の雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1 が、合成
樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4の外径D1 に対して
雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3e,3fの横断面
積が70%、75%、80%、90%、93%、95
%、98%の場合につき、それぞれねじ込みトルクT1
が所定のねじ込みが可能な場合を○、また雌ねじ破壊ト
ルクT3 がねじ込みトルクT1 の1.8倍以上の場合、
ねじ込みトルクT1 の1.8未満の雌ねじ破壊トルクT
3 の場合を測定した結果を○、△で表している。そし
て、合成樹脂用タッピンねじ1の雌ねじ孔3a,3b,
3c;3d;3e,3fに対する繰返し使用回数試験に
ついて10回以上可能な場合、または5回未満の場合を
それぞれ○、×で表した。その結果、上記表6から締結
対象部品に設けた雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3fに螺入される雄ねじ部1の外径D1 に対し横断
面積が70%、75%、85%、90%、93%の場合
がそれぞれ所定のねじ込みトルクT1 でねじ込みが最適
に行え、雌ねじ破壊トルクT3 はねじ込みトルクT1 の
1.8倍以上になり、しかも10回以上の締結が行え、
繰返しての再使用が十分であることがわかった。
【0046】従って、本実施態様において、締結対象部
材としての合成樹脂基材2が、部品の交換、補修等によ
り使用頻度が増大する等に起因して雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d;3e,3fが一度完全に雌ねじ破壊さ
れることによりいわゆるねじばかを生じて内径φ1 が横
断面積において約16%程度大きくなった場合にも、J
IS型の2種または4種の従来のタッピンねじを螺入す
る場合には、雄ねじ部4と雌ねじ部との嵌め合いを果た
さずに緩みが生ずることによって合成樹脂基材2を再締
結できずに廃棄さざるを得なかったが、本実施態様では
上記従来の2種または4種のタッピンねじに較べて外径
1 が0.2mmほど大きい例えば3.2mm程度、横
断面積にして約5〜8%程度太く設定される合成樹脂用
タッピンねじ1を雌ねじ孔3a,3b,3c;3d;3
e,3f内に螺入することにより、取付時および取外時
の嵌め合い条件が異なる数種類の姿態の雌ねじ孔3a,
3b,3c;3d;3e,3fであっても合成樹脂用タ
ッピンねじ1の雄ねじ部4を繰り返して螺入することに
より従来のJIS型に2種または4種タッピンねじに較
べてねじの締結力の低下を確実に防止し、合成樹脂基材
2に対する合成樹脂用タッピンねじ1の再締結時の許容
幅が十分に確保でき、製品の信頼性が保証され確実に再
締結することができることがわかった。
【0047】この際、合成樹脂基材2の雌ねじ孔3a,
3b,3c;3d;3e,3fの内径φ1 が、合成樹脂
用タッピンねじ1の雄ねじ部4の外径D1 に対して横断
面積が70%〜93%の範囲に設定されるものは、雄ね
じ部4と雌ねじ部の嵌め合い条件が確実になり、このた
め合成樹脂基板2に合成樹脂用タッピンねじ1を繰り返
して好適に再締結できることがわかった。この時、合成
樹脂用タッピンねじ1の雄ねじ部4の外径D1 に対して
雌ねじ孔3a,3b,3c;3d,3e,3fの内径φ
1 が70%以下になる場合には、約7°30′にリード
角が設定される本実施態様の合成樹脂用タッピンねじ1
よりもリード角が小さくなって雄ねじ部4の先端から正
山Mまでの距離lが長くなり、正山数が少なくなり雌ね
じ破壊トルクT3 が低下してしまうのを防止するととも
にねじ込みトルクT1 を低く抑えてねじ挿入性を良好に
なる。また雄ねじ部4の外径D1 に対して雌ねじ孔3
a,3b,3c;3d,3e,3fの内径φ1 が93%
以上になると、一端雌ねじ破壊した雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d,3e,3fに対する雄ねじ部4の挿入
性が損なわれ、しかも締結後にねじの緩みも発生し易く
なって再締結性が損なわれることになる。
【0048】また上記実施態様では、合成樹脂基材2を
グラスファイバー等の強化繊維を混入したPET樹脂に
て形成されるものにつき説明したが、これは廃棄する場
合の無公害化と資源の有効活用の観点からの再使用を可
能にした代表例であり、合成樹脂基材2を形成するため
のエンジニアリング樹脂は上記説明のものに限られな
い。また合成樹脂基材2に形成される雌ねじ孔3a,3
b,3c;3d;3e,3fの姿態についても上記実施
態様は例示であり、ボスや爪体の長さ、太さ、また貫通
孔の内径や長さの変更は自由に行える。しかも雌ねじ孔
3a,3b,3c;3d;3e,3fは、その設置個
数、単一であるか、数種が組み合わせられて使用される
ものであるか否かの変更は自由である。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1、および
請求項5に記載の発明は、締結対象部材に設けた雌ねじ
孔の内径は、該雌ねじ孔に螺入される雄ねじ部の外径に
対し横断面積が70%〜93%に設定されることを特徴
とするので、締結対象部材としての合成樹脂基材に対す
るねじ込みトルクが小さくても大きな締結力が得られて
ねじの緩みを確実に防止でき、かつ雌ねじ破壊トルクを
ねじ込みトルクより数倍大きくすることによって合成樹
脂基材等の締結対象部材の取付けおよび取外しを繰り返
して再締結することができる。このため、部品または部
材の交換により生ずる締結対象部材の廃棄量は低減し、
リサイクルに役立たせることができる。
【0050】また本発明の請求項2に記載の発明は、請
求項1において締結対象部材に設けた雌ねじ孔に螺入さ
れる雄ねじ部の外径が横断面にして5%から8%太く形
成され、また請求項4の記載の発明では、請求項1、請
求項2、または請求項3の何れかにおいて締結対象部材
に設けた雌ねじ孔の内径が横断面にして16%程度大き
くなった後に雄ねじ部が再締結に供されるので、雌ねじ
孔に対して合成樹脂用タッピングねじの雄ねじ部の繰り
返しての食い付きが確実に行えて締結対象部材を確実に
再締結することができる。
【0051】また本発明の請求項3に記載の発明は、請
求項1または請求項2の何れかにおいて締結対象部材に
設けた雌ねじ孔の内径が、2mm〜6mmであることを
特徴とし、また請求項7に記載の発明では、請求項5ま
たは請求項6の何れかにおいて再締結が、修理品または
再使用品として締結対象部材に設けられる雌ねじ孔の内
径が2mm〜6mmであることを特徴とするので、締結
対象部材に設けられた雌ねじ孔が使用頻度が多くなって
一度雌ねじ破壊されて大きくなった場合にも、廃棄され
ることなく修理品または再使用品として締結対象部材を
再締結することができ、長期のリサイクルが可能にな
る。
【0052】さらに本発明の請求項6に記載の発明は、
請求項5において前記再締結部品により組付けられる機
器が複写用機器、電子機器、通信用機器の何れかである
ことを特徴とするので、締結対象部材に設けた雌ねじ孔
は使用頻度が多くなって雌ねじ破壊が生ずることがあっ
ても、ねじの締結力が弱くなったり、締結されるほかの
部品や部材に緩みを生じたり、脱落が発生する等の機能
上の障害を生ぜず、しかも新たな部品または締結対象部
材を交換することなくリサイクルが行え、締結対象部材
が合成樹脂製のハウジングや部品等である場合に再締結
に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂用タッピンねじの第1実施態
様を示す半断正面図である。
【図2】同じく本実施態様の合成樹脂用タッピンねじを
示す拡大正面図である。
【図3】同じく本実施態様の合成樹脂用タッピンねじを
締結対象部材としての合成樹脂基材に取付けた場合の一
例を示す断面図である。
【図4】同じく本実施態様の合成樹脂用タッピンねじに
ついてのねじ込みトルクと雌ねじ破壊トルクと締め付け
トルクとの関係を示す特性図である。
【図5】同じく本実施態様を構成する合成樹脂基材を示
す正面図である。
【図6】同じく締結対象部材に設けた本実施態様の雌ね
じ孔に合成樹脂用タッピンねじを螺入する場合のねじ込
みトルクと雌ねじ破壊トルクと設定トルクとについての
測定結果を示す特性図である。
【図7】同じく締結繰返し回数が10回以上行えるか否
かを設置目標とした確認試験において締結対象部材に設
けた本実施態様の雌ねじ孔に合成樹脂用タッピンねじが
螺入される場合のねじ込みトルクと雌ねじ破壊トルクと
設定トルクとについての測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂用タッピンねじ 2 合成樹脂基材 3 雌ねじ孔 3a 雌ねじ孔 3b 雌ねじ孔 3c 雌ねじ孔 3d 雌ねじ孔 3e 雌ねじ孔 3f 雌ねじ孔 4 雄ねじ部 D1 雄ねじ部の外径 M 正山 P ピッチ W ねじ山の山頂幅 T1 ねじ込みトルク T2 設定トルク T3 雌ねじ破壊トルク α ねじ山角度 β リード角 φ1 雌ねじ孔の内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若月 昭雄 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 磯部 富久 埼玉県和光市中央一丁目2番24号 株式会 社伯楽製鋲所内 (72)発明者 高野 義博 東京都品川区戸越3丁目4番18号 オリジ ナル通商株式会社内 Fターム(参考) 3J001 FA02 GA06 HA02 JA01 KA21 KB06 KB07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結対象部材に設けた雌ねじ孔の内径
    は、該雌ねじ孔に螺入される雄ねじ部の外径に対し横断
    面積が70%〜93%に設定されることを特徴とする合
    成樹脂用タッピンねじ。
  2. 【請求項2】 締結対象部材に設けた雌ねじ孔に螺入さ
    れる雄ねじ部の外径が横断面にして5%から8%太く形
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂用
    タッピンねじ。
  3. 【請求項3】 締結対象部材に設けた雌ねじ孔の内径
    が、2mm〜6mmであることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2の何れかに記載の合成樹脂用タッピンね
    じ。
  4. 【請求項4】 締結対象部材に設けた雌ねじ孔の内径が
    横断面にして16%程度大きくなった後に雄ねじ部が再
    締結に供されることにより締結対象部材を再締結するこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3の
    何れかに記載の合成樹脂用タッピンねじ。
  5. 【請求項5】 再締結時に締結対象部材に設けた雌ねじ
    孔の内径は、該雌ねじ孔内に螺入される雄ねじ部の外径
    に対し横断面積が70%〜93%に設定される合成樹脂
    タッピンねじを再締結部品として使用して再締結が行わ
    れることを特徴とする合成樹脂製品。
  6. 【請求項6】 前記再締結部品により組付けられる機器
    が複写用機器、電子機器、通信用機器の何れかであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の合成樹脂製品。
  7. 【請求項7】 再締結が、修理品または再使用品として
    締結対象部材に設けられる雌ねじ孔の内径が2mm〜6
    mmであることを特徴とする請求項5または請求項6の
    何れかに記載の合成樹脂製品。
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