JP2002322479A - 廃棄物ガス化処理設備 - Google Patents

廃棄物ガス化処理設備

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JP2002322479A
JP2002322479A JP2001127785A JP2001127785A JP2002322479A JP 2002322479 A JP2002322479 A JP 2002322479A JP 2001127785 A JP2001127785 A JP 2001127785A JP 2001127785 A JP2001127785 A JP 2001127785A JP 2002322479 A JP2002322479 A JP 2002322479A
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air supply
temperature
transfer duct
supply means
pyrolysis gas
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JP2001127785A
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English (en)
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Yuji Arima
勇二 在間
Shinji Ozaki
真司 尾崎
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気供給によって移送ダクト内の熱分解ガス
を燃焼させる場合に、移送ダクトの複数箇所で極力少量
の空気を供給して分散燃焼させて、移送ダクトを構成す
る部材の損傷や劣化等を抑制するように、空気供給を適
切に行わせる。 【解決手段】 移送ダクト5の上流側から下流側に亘っ
て分散配置されている複数の空気供給手段Nによって、
移送ダクト5内の熱分解ガスに対して空気が供給され、
移送ダクト5内の熱分解ガスが移送ダクト5の上流側か
ら下流側に亘る複数箇所において分散して燃焼する。そ
して、熱分解ガスの分散燃焼により、移送ダクト5内の
温度が上流側から下流側に亘って全体的に上昇して、熱
分解ガスの留出分の移送ダクト5の内壁への凝縮が防止
され、あるいは、移送ダクト5の内壁へ凝縮した熱分解
ガスの留出分が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物ガス化処理
設備に関し、詳しくは、廃棄物を乾留処理して熱分解ガ
スを生成する廃棄物熱分解炉と、前記熱分解ガスを処理
する処理設備と、前記熱分解ガスを前記廃棄物熱分解炉
から前記処理設備に供給する移送ダクトとが設けられて
いる廃棄物ガス化処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物を乾留処理して、その熱分解残渣
を溶融処理するように構成した廃棄物ガス化処理設備を
例に挙げれば、例えば図7に示すように、廃棄物を乾留
処理して熱分解ガスG及び熱分解残渣Rを生成する廃棄
物熱分解炉1と、その熱分解ガスGを処理する処理設備
2と、前記熱分解ガスGを前記廃棄物熱分解炉1から前
記処理設備2に通流させて供給する移送ダクト5とが設
けられ、さらに、上記熱分解残渣Rを溶融処理する溶融
炉4が設けられている。
【0003】上記廃棄物熱分解炉1は、外熱式のロータ
リキルン1Aで構成してあり、そのロータリキルン1A
の出口側に備える固気分離機構3で熱分解残渣Rと分離
した熱分解ガスGを送出する排ガス部3aに、前記移送
ダクト5が接続されている。前記固気分離機構3で分離
された熱分解残渣Rは、冷却された後、搬送設備によ
り、前記溶融炉4に被処理物として供給される。尚、前
記ロータリキルン1Aには、破砕機Cにより廃棄物を予
め処理に適したサイズに破砕して、この破砕ゴミを乾燥
機Dで乾燥するという前処理を施した後の乾燥ゴミが被
処理物として供給される。
【0004】前記ロータリキルン1Aには、その熱源ガ
スを生成するための熱風発生炉2Aを備えており、熱源
ガスを生成するための燃料として、前記熱分解ガスGを
用いるべく、前記移送ダクト5をこの熱風発生炉2Aに
燃料供給路として接続してある。こうして、このロータ
リキルン1Aにおいては、廃棄物から生成した熱分解ガ
スGをそれ自身を加熱する熱源のためのエネルギ資源と
して利用している。また、前記移送ダクト5は分岐させ
て前記溶融炉4の溶融処理部4aで生成する燃焼排ガス
を二次燃焼部4bに通流させる燃焼排ガスの流路にも接
続してある。これは、前記熱風発生炉2Aの燃料として
余剰となる熱分解ガスGを、前記二次燃焼部4bで燃焼
させるためである。即ち、前記熱風発生炉2A及び二次
燃焼部4bが、前記処理設備2を構成している。
【0005】尚、前記二次燃焼部4bからの排ガスを導
く煙道10には、前記排ガスの保有熱により加熱される
廃熱ボイラ16と、その廃熱ボイラ16からの排ガスを
水の噴霧によって冷却するガス冷却塔12と、冷却後の
排ガスから窒素酸化物等の有害物質を除去する排ガス処
理装置14とを順次設けてあり、有害物質を除去した後
の排ガスは煙突から外部に送り出されるように構成して
ある。
【0006】ところで、前記熱分解ガスG中には高沸点
且つ高粘度の留出分(例えばタール等の高分子の油分)
が蒸気の状態で含まれているために、熱分解ガスGの温
度が低下すると、前記留出分が移送ダクト5の内壁に凝
縮し、この凝縮する留出分が移送ダクト5の閉塞の原因
になるおそれがある。そこで、移送ダクト5には、その
内部を通流する前記熱分解ガスGの温度低下を避けて、
前記熱分解ガスGの温度が400〜500℃に維持され
るように外部から加熱する外部加熱機構を設けてある。
この外部加熱機構としては、例えば図8に概念的に示す
ように、前記移送ダクト5を二重管構造にし、その内管
5aと外管5bとの間に加熱流体Lを供給する構成が用
いられ、また、移送ダクト5を二重管構造にする代わり
に、前記移送ダクト5の外周部に電気ヒータを配置する
ことも行われる。
【0007】上記のように、外部加熱機構として、例え
ば電気ヒータを設けてある場合には、前記移送ダクト5
内における前記熱分解ガスGの局部的な燃焼等により、
電気ヒータの温度が異常に上昇してヒータが断線するこ
とがあり、ヒータが断線すれば、その断線箇所の近傍の
移送ダクト5の内壁の温度が低下して、熱分解ガスGの
留出分が凝縮するおそれがある。また、こうした断線の
おそれのない二重管構造を採用した場合には、ダクト構
造が複雑化するために、前記移送ダクト5に曲がり部を
形成することが困難であるとか、設備コストが嵩むとい
った問題を有している。さらに、電気ヒータを通電加熱
したり、二重管構造に供給する加熱流体Lを加熱するた
めには、エネルギー資源の消費を伴うという問題もあ
る。
【0008】そこで、本出願人は、上記の問題点を解決
すべく、簡単な構造で安価に設備できながら、エネルギ
資源を消費することなく、移送ダクトの閉塞を防止でき
るようにするための技術について提案している(特願2
000−157719号参照)。即ち、この技術では移
送ダクト内の熱分解ガスに空気を供給して熱分解ガスを
燃焼させ、その燃焼熱によって熱分解ガスの温度を上昇
させて、移送ダクト5の内壁に凝縮した熱分解ガス中の
留出分を除去し、熱分解ガス中の留出分の移送ダクトの
内壁への凝縮を防止するようにしている。具体的には、
図9に示すように、移送ダクト5の上流側に空気供給手
段20を配置するとともに、移送ダクト5の下流側に温
度検出手段21を配置し、温度検出手段21で検出され
る熱分解ガスの温度が上記留出分の凝縮を防止するのに
必要な温度よりも低下すると、上記温度検出手段21の
検出温度に基づいて設定した量の空気が空気供給手段2
0から移送ダクト5内に供給されるように制御してい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の空
気供給技術には、以下のような改善すべき点があった。 (1)先ず、移送ダクトの上流側の1箇所に設けた空気
供給手段から移送ダクト内に空気を供給して熱分解ガス
を燃焼させる構成であったので、移送ダクトの全体を所
定温度に加熱保温するためには、上記空気供給手段から
供給される空気供給量を多くする必要があり、その結
果、空気供給手段の配置箇所付近で熱分解ガスが集中的
に燃焼して高温になり過ぎて、例えば移送ダクトの曲が
り部において直管部とエルボ部とを連結する連結部材や
その連結箇所をシールするためのパッキン等の部材が損
傷や劣化し、ガス漏れ等の不具合が発生するおそれがあ
った。 (2)さらに、移送ダクトの下流側に配置した温度検出
手段の検出温度が熱分解ガスの留出分の凝縮防止に必要
な温度よりも低下すると、その温度検出手段よりも移送
ダクトの上流側に離れて位置する空気供給手段を空気供
給作動させていたので、その空気供給作動によって移送
ダクト内の熱分解ガスが燃焼して熱分解ガスの温度が上
昇しても、その温度上昇が温度検出手段によって検出さ
れるまでに時間遅れを生じ、この間、温度検出手段の検
出温度が更に低下して、熱分解ガス中の留出分が移送ダ
クトの内壁に凝縮する不具合が発生するおそれがある一
方、その更なる温度低下の検出結果に基づいて、空気供
給手段から供給される空気量が多くなるため、空気供給
手段の配置箇所付近でより激しく集中燃焼して、上述の
部材の損傷等の不具合が大きくなるおそれがあった。 (3)特に、移送ダクトに曲がり部を形成した場合に
は、その曲がり部箇所付近において熱分解ガスの流れに
大きな圧力損失が生じて、曲がり部箇所付近のダクト内
壁に熱分解ガス中の留出分が凝縮し易いという問題点が
あった。
【0010】本発明の目的は、空気供給によって移送ダ
クト内の熱分解ガスを燃焼させて、移送ダクトに対する
上記熱分解ガス中の留出分の凝縮を抑制し、凝縮した留
出分の除去を行うようにしながら、集中燃焼に伴うダク
ト構成部材の劣化・損傷等の不具合を防止することにあ
る。さらに、移送ダクトの曲がり部箇所に対する上記熱
分解ガス中の留出分の凝縮の抑制と、凝縮した留出分の
除去を適切に行うことにある。さらに、熱分解ガスの温
度低下に迅速に対応して、適切な空気供給を行うことが
できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る廃棄物ガス
化処理設備は、廃棄物を乾留処理して熱分解ガスを生成
する廃棄物熱分解炉と、前記熱分解ガスを処理する処理
設備と、前記熱分解ガスを前記廃棄物熱分解炉から前記
処理設備に供給する移送ダクトとが設けられている廃棄
物ガス化処理設備において、第1特徴構成は、請求項1
に記載の如く、前記移送ダクト内の前記熱分解ガスに空
気を供給する空気供給手段が、前記移送ダクトの上流側
から下流側に亘って複数分散配置されている点にある。
【0012】同第2特徴構成は、請求項2に記載の如
く、前記第1特徴構成において、前記複数の空気供給手
段の夫々が、前記移送ダクトの曲がり部箇所に対応させ
て設けられている点にある。
【0013】同第3特徴構成は、請求項3に記載の如
く、前記第2特徴構成において、前記空気供給手段が、
前記移送ダクトの曲がり部箇所から下流側に向かう前記
熱分解ガスの流れ方向に沿って空気を吹き込むように構
成されている点にある。
【0014】同第4特徴構成は、請求項4に記載の如
く、前記第1〜第3のいずれかの特徴構成において、前
記空気供給手段の夫々の設置箇所よりも前記移送ダクト
の上流側近傍箇所での前記熱分解ガスの温度を検出する
上流側温度検出手段が、前記空気供給手段の夫々に対応
させて設けられ、前記上流側温度検出手段にて検出され
る前記熱分解ガスの温度が設定温度よりも低下する場合
に、その上流側温度検出手段よりも前記移送ダクトの下
流側直近位置の前記空気供給手段により空気供給作動さ
せる制御手段が設けられている点にある。
【0015】同第5特徴構成は、請求項5に記載の如
く、前記第4特徴構成において、前記空気供給手段の夫
々の設置箇所よりも前記移送ダクトの下流側箇所での前
記熱分解ガスの温度を検出する下流側温度検出手段が、
前記空気供給手段の夫々に対応させて設けられ、前記制
御手段が、前記下流側温度検出手段の検出情報に基づい
て、その下流側温度検出手段よりも前記移送ダクトの上
流側直近位置の前記空気供給手段により空気供給作動さ
せるときの空気供給量を変更調整する空気量調整制御を
実行するように構成されている点にある。
【0016】同第6特徴構成は、請求項6に記載の如
く、前記第5特徴構成において、前記複数の空気供給手
段のうちの1つの空気供給手段に対応する前記下流側温
度検出手段が、その1つの空気供給手段よりも前記移送
ダクトの下流側直近位置の前記空気供給手段に対応する
前記上流側温度検出手段によって兼用構成されている点
にある。
【0017】同第7特徴構成は、請求項7に記載の如
く、前記第5又は第6特徴構成において、前記空気供給
手段が、所定圧力で供給される空気の前記移送ダクト内
への流入を断続する開閉弁を備えて構成され、前記制御
手段が、前記空気量調整制御において、前記空気供給手
段に備えた前記開閉弁を間欠的に開作動させ、且つ、前
記下流側温度検出手段にて検出される前記熱分解ガスの
温度と目標温度との偏差に基づいて、前記開閉弁の開作
動時間を調整制御するように構成されている点にある。
【0018】同第8特徴構成は、請求項8に記載の如
く、前記第5〜7のいずれかの特徴構成において、前記
制御手段が、前記空気量調整制御において、前記空気供
給手段による空気供給量を変更調整したにもかかわら
ず、その空気供給手段よりも前記移送ダクトの下流側に
位置する前記下流側温度検出手段にて検出される前記熱
分解ガスの温度が変化しない場合に、前記空気供給手段
による空気供給動作の不良を判別するように構成されて
いる点にある。
【0019】次に、上記本発明の特徴構成による作用及
び効果について説明する。第1特徴構成によれば、移送
ダクトの上流側から下流側に亘って分散配置された複数
の空気供給手段によって、移送ダクト内を上流側から下
流側に流れる熱分解ガスに対して空気が供給されて、移
送ダクト内の熱分解ガスが移送ダクトの上流側から下流
側に亘る複数箇所において分散して燃焼し、この分散燃
焼による燃焼熱が移送ダクト内の熱分解ガスに伝えられ
る。従って、移送ダクトの複数箇所の夫々では極力少量
の空気供給で分散燃焼させながら、移送ダクトの全体で
は内部の熱分解ガスの温度が凝縮温度以下の温度に低下
しないような燃焼熱を発生させ、その燃焼熱で熱分解ガ
スを加温することができるので、移送ダクトに対する上
記熱分解ガス中の留出分の凝縮を抑制し、凝縮した留出
分の除去を行いながら、従来のような集中燃焼に伴うダ
クト構成部材の劣化・損傷等の不具合を防止することが
可能となる。
【0020】第2特徴構成によれば、移送ダクトの曲が
り部箇所に夫々対応させて設けられている空気供給手段
によって、その曲がり部箇所の移送ダクト内の熱分解ガ
スに対して空気が供給されて、その曲がり部箇所の移送
ダクト内の熱分解ガスが燃焼し、移送ダクトの曲がり部
箇所での温度が上昇する。従って、移送ダクトの曲がり
部箇所では、熱分解ガスの流れに圧力損失が生じて熱分
解ガスの留出分がダクト内壁に凝縮し易いが、上述のよ
うに、移送ダクトの曲がり部箇所に対応させて燃焼させ
るので、熱分解ガスの留出分の移送ダクトの曲がり部箇
所での凝縮の防止、及び、移送ダクトの曲がり部箇所に
凝縮した熱分解ガスの留出分の除去を適切に行うことが
可能となる。
【0021】第3特徴構成によれば、移送ダクトの曲が
り部箇所に夫々対応させて設けられている空気供給手段
によって、その移送ダクトの曲がり部箇所から下流側に
向かう熱分解ガスの流れ方向に沿って空気が吹き込ま
れ、その曲がり部箇所から下流側の範囲で移送ダクト内
の熱分解ガスが燃焼して温度が上昇する。従って、移送
ダクトの曲がり部箇所では、特に曲がり部箇所から下流
側のダクト内壁部分に熱分解ガスの留出分が凝縮し易い
が、上述のように、移送ダクトの曲がり部箇所から下流
側に向かう移送ダクト内の熱分解ガスの流れ方向に沿っ
て空気が吹き込まれて、曲がり部箇所から下流側の範囲
の温度が上昇するので、熱分解ガスの留出分が移送ダク
トの曲がり部箇所の下流側部分へ凝縮することの防止、
及び、移送ダクトの曲がり部箇所の下流側部分に凝縮し
た熱分解ガスの留出分の除去を適切に行うことが可能と
なる。
【0022】第4特徴構成によれば、空気供給手段の夫
々の設置箇所よりも移送ダクトの上流側近傍箇所での熱
分解ガスの温度を検出するために、空気供給手段の夫々
に対応させて設けた上流側温度検出手段にて検出される
熱分解ガスの温度が設定温度よりも低下する場合に、そ
の上流側温度検出手段よりも移送ダクトの下流側直近位
置の空気供給手段により空気供給作動させるように制御
される。すなわち、空気供給手段よりも移送ダクトの上
流側近傍箇所での熱分解ガスの温度が例えば熱分解ガス
の留出分の凝縮を防止するに必要な設定温度よりも低下
すると、その温度低下した移送ダクト内の熱分解ガス
が、上流側温度検出手段よりも移送ダクトの下流側直近
位置の空気供給手段に移送されたときに空気供給されて
燃焼し、その燃焼により熱分解ガスの温度が上昇するよ
うに制御される。従って、各空気供給手段の上流側近傍
箇所での熱分解ガスの温度が設定温度よりも低下する
と、その温度検出位置よりも下流側直近位置の空気供給
手段によって空気供給されるので、熱分解ガスの温度低
下に対して時間遅れなく迅速に対処して、熱分解ガスの
温度低下を確実に回避させることができる。
【0023】第5特徴構成によれば、空気供給手段の夫
々の設置箇所よりも移送ダクトの下流側箇所での熱分解
ガスの温度を検出するために、前記空気供給手段の夫々
に対応させて設けられた下流側温度検出手段にて検出さ
れる熱分解ガスの検出情報に基づいて、その下流側温度
検出手段よりも移送ダクトの上流側直近位置の前記空気
供給手段により空気供給作動させるときの空気供給量を
変更調整する空気量調整制御が実行される。すなわち、
空気供給手段よりも移送ダクトの下流側箇所での熱分解
ガスの温度を下流側温度検出手段で検出し、その検出温
度の情報に基づいて変更調整した空気供給量で、その下
流側温度検出手段よりも移送ダクトの上流側直近位置の
空気供給手段により、移送ダクト内の熱分解ガスに対し
て空気を供給して燃焼させる。従って、各空気供給手段
を空気供給作動させる場合に、各空気供給手段よりも下
流側箇所での熱分解ガスの温度検出情報に基づいて、そ
の各空気供給手段を空気供給作動させるときの空気供給
量を調整するので、熱分解ガスの燃焼状態を極力適正な
状態に制御して、熱分解ガスの温度を適切な温度範囲に
維持することが可能となる。
【0024】第6特徴構成によれば、複数の空気供給手
段のうちの1つの空気供給手段に対応する下流側温度検
出手段が、その1つの空気供給手段よりも移送ダクトの
下流側直近位置の空気供給手段に対応する上流側温度検
出手段によって兼用構成されている。すなわち、1つの
空気供給手段よりも移送ダクトの下流側箇所での熱分解
ガスの温度を、その1つの空気供給手段よりも移送ダク
トの下流側直近位置の空気供給手段に対応する上流側温
度検出手段によって検出し、その1つの空気供給手段よ
りも移送ダクトの上流側近傍箇所での熱分解ガスの温度
を、その1つの空気供給手段に対応する上流側温度検出
手段によって検出する。従って、複数の空気供給手段の
夫々に対応させて上流側温度検出手段を設けるだけで、
各空気供給手段の上流側近傍箇所及び下流側箇所の両方
での熱分解ガスの温度を検出することができるので、下
流側温度検出手段を別途設ける必要がなく、制御構成の
簡素化が図られる。
【0025】第7特徴構成によれば、前記下流側温度検
出手段にて検出される熱分解ガスの温度と目標温度との
偏差に基づいて、その下流側温度検出手段よりも移送ダ
クトの下流側直近位置の空気供給手段に備えられて、間
欠的に開作動される開閉弁の開作動時間が調整制御さ
れ、その開閉弁が開作動しているときに、所定圧力で空
気供給手段に供給される空気が移送ダクト内へ流入さ
れ、上記開閉弁が開作動していないときは、上記空気が
移送ダクト内へ流入されないように制御され、これによ
って、空気供給量が変更調整される。従って、空気供給
路等に設けた開閉弁の開作動時間を調整制御するという
簡素な構成によって、空気供給量を適切に変更調整する
ことが可能となる。
【0026】第8特徴構成によれば、空気供給手段によ
る空気供給量を変更調整したときに、その空気供給手段
よりも移送ダクトの下流側に位置する下流側温度検出手
段にて検出される熱分解ガスの温度が変化しない場合に
は、その空気供給手段による空気供給作動の不良が判別
される。すなわち、空気供給手段によって移送ダクト内
の熱分解ガスに供給される空気供給量を変更すると、そ
の供給された空気によって燃焼する熱分解ガスの燃焼量
が変化して上昇する温度が変化し、その温度変化が移送
ダクトの下流側に位置する下流側温度検出手段にて検出
されるはずであるから、空気供給手段による空気供給量
を変更調整しても熱分解ガスの温度変化が検出されない
場合は、空気供給手段による空気供給作動が適正に行わ
れていない不良であると判別する。従って、前記空気量
調整制御を行いながら、その制御構成を利用して、空気
供給手段による空気供給作動の良否を適切に判別するこ
とができる。そして、上記空気供給作動の不良の判別に
基づいて、例えば設備の稼動を停止させるようにするこ
とにより、空気供給手段による空気供給作動が不良のま
まで設備を稼動させると、移送ダクト内の熱分解ガスに
対して空気供給することができず、熱分解ガスの温度低
下を適切に防止することができないという不具合を回避
させることができ、又、上記空気供給作動の不良の判別
に基づいて警報手段等を作動させることにより、作業員
が空気供給手段の点検等の適切な処置を行うことが可能
となる。
【0027】
【発明の実施の形態】上記本発明に係る廃棄物ガス化処
理設備の実施の形態の一例について、以下に、図面を参
照しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明
した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関
しては、先の図7に付したと同一の符号を付し、詳細の
説明の一部は省略する。
【0028】本発明に係る廃棄物ガス化処理設備は、図
1に示すように、廃棄物を乾留処理して熱分解ガスGを
生成する廃棄物熱分解炉1と、前記熱分解ガスGを処理
する処理設備2と、上記熱分解ガスGを廃棄物熱分解炉
1から処理設備2に供給する移送ダクト5とを設けて構
成してある。前記廃棄物熱分解炉1としては、外熱式の
ロータリキルン1Aを用いる。このロータリキルン1A
は、熱風発生炉2Aを付設して、この熱風発生炉2Aで
生成する熱ガスにより、外部加熱するように構成し、こ
の熱風発生炉2Aの燃料として、ロータリキルン1Aで
生成する熱分解ガスGを利用する。つまり、前記熱風発
生炉2Aを熱分解ガスGの処理設備2として構成してあ
る。このために、前記熱風発生炉2Aへの燃料供給路
に、前記ロータリキルン1Aの出口側の排ガス部3aか
らの熱分解ガスGを通流させる移送ダクト5を接続して
いる。この熱風発生炉2Aには、重油も供給され、運転
開始時には重油の燃焼熱により熱風を発生するように構
成してある。
【0029】この移送ダクト5は、従来のものとは異な
り、外部加熱機構を設けない。そして、その構成を概念
的に表した図2に示すように、移送ダクト5内の熱分解
ガスGに燃焼用の空気を供給する空気供給手段Nが、移
送ダクト5の上流側から下流側に亘って複数分散配置さ
れている。各空気供給手段Nは、空気供給路6に所定圧
力(具体的には、例えば5〜6Kg/cm2 )で供給さ
れる空気の前記移送ダクト5内への流入を断続する開閉
弁Vを備えて構成されている。尚、図には、5個の空気
供給手段N1〜N5が設けられ、各空気供給手段N1〜
N5に対応させて5個の開閉弁V1〜V5が備えられて
いる例を示す。上記複数の空気供給手段Nの夫々が、前
記移送ダクト5の曲がり部箇所5Aに対応させて設けら
れている。そして、図3に上流側から1番目の空気供給
手段N1を例にして示すように、前記各空気供給手段N
が、前記移送ダクト5の曲がり部箇所5Aから下流側に
向かう前記熱分解ガスGの流れ方向に沿って空気を吹き
込むように構成されている。
【0030】前記空気供給手段Nの夫々の設置箇所より
も前記移送ダクト5の上流側近傍箇所での前記熱分解ガ
スGの温度を検出する上流側温度検出手段Tが、前記空
気供給手段Nの夫々に対応させて設けられ、前記空気供
給手段Nの夫々の設置箇所よりも前記移送ダクト5の下
流側箇所での前記熱分解ガスGの温度を検出する下流側
温度検出手段Tが、前記空気供給手段Nの夫々に対応さ
せて設けられている。そして、図2に示すように、複数
の空気供給手段Nのうちの1つの空気供給手段Nに対応
する前記下流側温度検出手段Tが、その1つの空気供給
手段Nよりも前記移送ダクト5の下流側直近位置の前記
空気供給手段Nに対応する前記上流側温度検出手段Tに
よって兼用構成されている。例えば、上流側から2番目
の空気供給手段N2に対応する下流側温度検出手段T3
は、その2番目の空気供給手段N2よりも前記移送ダク
ト5の下流側直近位置の3番目の空気供給手段N3に対
応する上流側温度検出手段T3と兼用されている。尚、
上記温度検出手段Tは、熱分解ガスGの温度を直接又は
間接に検出するものであり、前記熱分解ガスG中に直接
接触させるように前記移送ダクト5内に挿入された熱電
対温度計であってもよく、移送ダクト5の内壁温度を検
出して、熱分解ガスGの温度を決定若しくは推定するも
のであってもよく、また、前記熱分解ガスGの放射線か
らその温度を決定若しくは推定するものであってもよ
い。
【0031】前記上流側温度検出手段Tにて検出される
前記熱分解ガスGの温度が設定温度よりも低下する場合
に、その上流側温度検出手段Tよりも前記移送ダクト5
の下流側直近位置の前記空気供給手段Nにより空気供給
作動させる制御手段8が設けられ、さらに、この空気供
給手段Nによる空気供給作動を行わせる場合に、制御手
段8が、前記下流側温度検出手段Tの検出情報に基づい
て、その下流側温度検出手段Tよりも前記移送ダクト5
の上流側直近位置の前記空気供給手段Nにより空気供給
作動させるときの空気供給量を変更調整する空気量調整
制御を実行するように構成されている。
【0032】具体的には、図4(イ)(ロ)に示すよう
に、前記制御手段8が、前記空気量調整制御において、
前記空気供給手段Nに備えた開閉弁Vを間欠的に開作動
させ、且つ、下流側温度検出手段Tにて検出される熱分
解ガスGの温度TKと目標温度MKとの偏差ΔT(TK
−MK)に基づいて、開閉弁Vの開作動時間を調整制御
するように構成されている。即ち、所定サイクル時間t
s毎に開閉弁Vを所定オン時間tだけ開作動させるとも
に、そのオン時間tのサイクル時間tsに対する比率を
上記温度偏差ΔTが大きくなるほど増加させるデューテ
ィ制御を行っている。そして、図5に示すフローチャー
トのように、上流側温度検出手段Tの検出温度が設定温
度よりも低下しているときに上記空気供給制御が実行さ
れ、上流側温度検出手段Tの検出温度が設定温度よりも
低下していないときは、上記空気供給制御の実行が停止
される。
【0033】以上の構成において、前記ロータリキルン
1Aから排出される熱分解ガスGの温度は430〜45
0℃であるが、前記上流側温度検出手段Tにて検出され
る上流側近傍温度が、例えば400〜500℃の間で設
定される特定の設定温度(例えば400℃)未満になれ
ば、その上流側温度検出手段Tよりも移送ダクト5の下
流側直近位置の空気供給手段Nから移送ダクト5内に空
気を供給し、且つ、その空気供給手段Nに対応する下流
側温度検出手段Tにて検出される下流側温度TKの目標
温度MK(例えば400℃)に対する偏差ΔT(TK−
MK)に基づき、上述のように空気供給手段Nからの空
気供給量を設定して、前記空気量調整制御を実行する。
尚、前記移送ダクト5内に供給される空気は、200℃
前後に予熱された予熱空気であることが、その空気によ
る熱分解ガスの冷却に伴う温度降下を避ける点で望まし
い。
【0034】こうして、供給された空気と接触した熱分
解ガスが燃焼することで、その燃焼発熱量に対応する前
記熱分解ガスGに温度上昇をもたらし、前記移送ダクト
5内の熱分解ガスGの温度が350℃以下にならないよ
うに調節している。つまり、一般に前記熱分解ガスGが
350℃以下に冷却されると、前記移送ダクト5の内壁
へのタールの付着が顕著になるのである。こうして、熱
分解ガスG中のタール等の留出分が前記移送ダクト5の
内壁に付着して蓄積し、遂には前記移送ダクト5の閉塞
に至るという事態を適切に回避することができるのであ
る。
【0035】前記ロータリキルン1Aには、これに投入
する廃棄物に前処理を施す前処理設備として、投入する
廃棄物を乾燥及び熱分解処理に適した大きさに破砕する
破砕機Cと、破砕後の廃棄物を予め乾燥させる乾燥機D
とを付設してある。これは、前記ロータリキルン1A中
で廃棄物を乾留する際に、水蒸気が多量に蒸発して、熱
分解ガスGの低位発熱量を低下させることを回避するた
めである。前記乾燥機Dとしては、ロータリドライヤが
好適に用いられるが、この乾燥熱源流体として、図示の
例においては、前記ロータリキルン1Aを加熱した後
の、熱風発生炉2Aからの熱ガスが用いられ、ここでも
エネルギ資源の消費節減を図っている。
【0036】また、図1に示すように、前記ロータリキ
ルン1Aの残渣排出部3bから排出される熱分解残渣R
は、冷却した後、搬送設備により、溶融炉4の溶融処理
部4aに投入され、可燃成分を燃焼させた後、燃焼残渣
を溶融処理して溶融スラグSを形成する。また、前記移
送ダクト5を分岐させて前記溶融炉4の二次燃焼部4b
に接続し、前記熱風発生炉2Aで燃焼させるのに余剰の
熱分解ガスGを、この二次燃焼部4bで燃焼処理するよ
うにしてある。こうして、前記二次燃焼部4bも前記処
理設備2を構成している。そして、この分岐した移送ダ
クト5にも、前記空気供給手段N及び前記温度検出手段
Tを、移送ダクト5の上流側から下流側に亘って複数分
散配置させて、前記制御手段8によって前記空気量調整
制御を実行するように構成している。
【0037】前記二次燃焼部4bからの排ガスを導く煙
道10には、前記排ガスの保有熱により、前記溶融炉4
に供給する空気を予熱する空気予熱器11と、その空気
予熱器11からの排ガスを、その中に水を噴霧して冷却
するガス冷却塔12と、冷却後の排ガスを除塵する集塵
機13と、除塵後の排ガスから窒素酸化物等の有害物質
を除去する排ガス処理装置14とを順次設けてあり、有
害物質を除去した後の排ガスは、誘引送風機構15によ
り煙突へ向けて送り出される。
【0038】先述のように、前記空気供給手段Nは、前
記移送ダクト5内に予熱空気を供給するように構成する
ことが好ましく、その空気供給源として、系内の廃熱を
用いて供給空気を予熱する空気予熱手段7を用いる。こ
の空気予熱手段7としては、前記溶融炉4への空気を予
熱する空気予熱器11を利用することが可能であり、ま
た、前記廃棄物熱分解炉1に投入する廃棄物を予め乾燥
させる乾燥機を加熱した後の加熱ガスと熱交換する熱交
換器を設けて使用したり、或いは、その他の高温部を冷
却する空気冷却部を使用することができる。この空気の
予熱温度は、200〜300℃程度で十分である。
【0039】また、前記制御手段8が、前記空気量調整
制御において、前記空気供給手段Nによる空気供給量を
変更調整したにもかかわらず、その空気供給手段Nより
も前記移送ダクト5の下流側に位置する前記下流側温度
検出手段Tにて検出される前記熱分解ガスGの温度が変
化しない場合に、前記空気供給手段Nによる空気供給動
作の不良を判別するように構成されている。尚、上記空
気供給手段Nによる空気供給動作の不良は各空気供給手
段N1〜N5毎に判別する。また、上記空気供給量の変
更が行われても、その空気供給量の変更によって熱分解
ガスGの燃焼量が変化して、下流側温度検出手段Tによ
って温度変化として検出されるまでには所定の時間を要
するので、実際は空気供給量の変更が行われた後、所定
時間経過した時点での下流側温度検出手段Tの検出温度
に基づいて、空気供給手段Nによる空気供給動作の不良
を判別する。そして、この空気供給動作の不良を判別す
ると、どの位置の空気供給手段Nが不良であるかを知ら
せるようにするか、あるいは、図示しないクリーニング
機構を作動させて不良の空気供給手段Nの詰まりを清掃
する。
【0040】上述のように構成した結果、本発明に係る
廃棄物ガス化処理設備においては、廃棄物熱分解炉から
の熱分解ガスGを通流する移送ダクト5の上流側から下
流側に亘る全体において、前記熱分解ガス中の高温沸点
成分(例えばタール)の凝縮を有効に防止し、又、凝縮
した高温沸点成分を除去することができるから、前記移
送ダクト5が閉塞するおそれがなくなり、しかも、その
閉塞防止のために供する加熱用のエネルギ資源として、
外部に求めることなく系内で副生する熱エネルギ、すな
わち、熱分解ガスG自身を燃焼させて得られる熱エネル
ギを利用するので、殆ど処理コストを要しない。さら
に、熱分解ガスGを燃焼させるための手段として空気供
給手段Nを設けるだけの簡単な構造であるから、従来の
ように、加熱用の電気ヒータを設置したり、二重管構造
のダクトに構成する場合のように設備コストが嵩むこと
がなくなり、しかも、上記空気供給手段Nを移送ダクト
5の上流側から下流側に亘って分散配置させることによ
り、上記熱分解ガスGを複数箇所で分散させて燃焼させ
るから、集中燃焼によって移送ダクト5の温度が局部的
に異常上昇してダクト構成部材が劣化等する不具合を抑
制することができるようになった。
【0041】〔別実施形態〕上記実施形態において示さ
なかった本発明に係る廃棄物ガス化処理設備の別実施形
態について以下に説明する。上記実施形態では、複数の
空気供給手段Nを移送ダクト5の曲がり部箇所5Aに対
応させて分散配置するようにしたが、例えば、隣接する
曲がり部箇所5Aの間の直管部が長いような箇所では、
その直管部の途中箇所に空気供給手段Nを配置するよう
にしてもよい。
【0042】上記実施形態では、制御手段8が複数の空
気供給手段Nにより空気供給作動を行わせる場合に、各
空気供給手段Nの上流側近傍箇所に設けた上流側温度検
出手段Tと下流側箇所に設けた下流側温度検出手段Tの
各検出情報に基づいて上記空気供給作動を行わせるよう
にしたが、かかる構成に限るものではない。例えば、複
数の空気供給手段Nを定期的に(例えば、一定時間間隔
で)予め設定した空気量を供給するように制御すること
ができ、あるいは、移送ダクト5の所定位置(例えば下
流側)に設けた1つの温度検出手段によって熱分解ガス
Gの温度を検出して、その熱分解ガスGの温度が設定温
度よりも低下すると、複数の空気供給手段Nによって予
め設定した空気量を同時に供給するように制御すること
もできる。
【0043】上記実施形態では、下流側温度検出手段T
を上流温度検出手段Tによって兼用構成したが、下流側
温度検出手段を上流温度検出手段Tとは別に設けるよう
にしてもよい。この場合には、下流側温度検出手段の設
置位置として、対応する空気供給手段Nからの距離を適
宜設定して、所望の制御を行わせるようにすることがで
きる。
【0044】上記実施形態では、制御手段8が空気供給
手段Nにより空気供給作動を行わせるときの設定温度を
400℃に設定し、又、検出温度TKと目標温度MKと
の温度偏差に基づいて空気供給量の調整制御を行うとき
の目標温度MKを400℃に設定したが、上記設定温度
や目標温度MKは実施形態の示した温度に限らず、適宜
設定することができる。仮に熱分解ガスの温度が350
℃以下に低下しても、移送ダクト5の内壁への凝縮付着
量が少ない場合には、その後の推移でこの凝縮付着物が
自然に除去される場合もあり、要するに、熱分解ガスG
の特性等に応じて、上記設定温度や目標温度MKを適宜
設定すればよいのである。
【0045】さらに、上記実施形態では、下流側温度検
出手段Tにて検出される下流側温度TKの目標温度MK
に対する偏差ΔT(TK−MK)に基づいて空気供給量
の調整制御を行う場合に、所定圧力で供給される空気の
移送ダクト5内への流入を断続する開閉弁Vの開作動時
間を、いわゆるデューティ制御により上記温度偏差に応
じて変更制御するようにしたが、これ以外の種々の制御
形態で行うことができる。
【0046】上記実施形態では、廃棄物熱分解炉1とし
て、外熱式のロータリキルン1Aを用いる例について説
明したが、前記廃棄物熱分解炉1は、外熱式のロータリ
キルン1Aに限るものではなく、内部に熱煤流体を導入
するものであってもよく、また、部分的に乾留ガス或い
は被処理物を燃焼させることで炉内を加熱するものであ
ってもよい。さらに、キルン以外の例えばシャフト炉の
ような熱分解溶融炉であってもよい。
【0047】上記実施形態では、ロータリキルン1Aに
付設した熱風発生炉2A及び、溶融炉4を設けた二次燃
焼部4bを熱分解ガスGの処理設備2とする例について
説明したが、これ以外に、移送ダクト5を前記熱風発生
炉2Aに接続せず、従って、熱風発生炉2Aを処理設備
としないで、移送ダクト5を溶融炉4の二次燃焼部4b
だけに接続して処理設備2とするようにしてもよい。あ
るいは、二次燃焼部4bに前記移送ダクト5を接続する
だけでなく、溶融処理部4aの燃料供給路にも前記移送
ダクト5を接続して、溶融処理部4aも処理設備2とす
る構成でもよい。さらに、図示した中のものに限らず、
例えば、クラッキング設備等のガス変成設備や、熱分解
ガスの成分を原料とする合成設備等を、前記処理設備2
としてもよい。これらの処理設備2がどのようなもので
あっても、課題の項に示した問題が生ずるものであり、
また、本発明により、この問題に対処できるからであ
る。上記実施形態では、廃棄物熱分解炉1に溶融炉4を
併設した例について説明したが、前記溶融炉を併設して
いなくてもよい。
【0048】上記実施形態では、移送ダクト5内に供給
する空気を約200℃に予熱する例について説明した
が、この空気予熱は必須ではない。つまり、前記移送ダ
クト5の内部を流通する熱分解ガスの量及び入口温度等
によっては、常温の空気を導入しても十分に昇温効果を
示す場合があるからである。
【0049】図6に、上記実施形態と同様に、移送ダク
ト5の上流側から下流側に亘って、複数の空気供給手段
Nを分散配置させるとともに、その上流側近傍箇所及び
下流側箇所に上流側及び下流側検出手段Tを設けた廃棄
物ガス化処理設備の別形態を示す。尚、上記実施形態で
は、溶融炉4の二次燃焼部4bからの排ガスを導く煙道
10に、空気予熱器11と、ガス冷却塔12と、集塵機
13と、排ガス処理装置14とを順次設け、有害物質を
除去した後の排ガスを、誘引送風機構15により煙突へ
向けて送り出すように構成したが、図6に示す形態で
は、ガス冷却塔12に代えて廃熱ボイラ16を設けてあ
る。因みに、廃熱ボイラ16と前記ガス冷却塔12とを
共に設けてあってもよく、また、これらとは全く異なる
機器を配置してあってもよい。
【0050】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物ガス化処理設備の一例を示
す全体構成図
【図2】本発明に係る移送ダクト及び空気量調整制御の
構成を説明する図
【図3】移送ダクトの曲がり部箇所の構成を示す断面図
【図4】空気量調整制御の作動特性を示すタイムチャー
ト及びグラフ
【図5】空気供給制御のフローチャート
【図6】本発明に係る廃棄物ガス化処理設備の他の例を
示す全体構成図
【図7】従来の廃棄物ガス化処理設備を示す全体構成図
【図8】従来の外部加熱機構を説明する断面図
【図9】従来の空気供給手段を説明する断面図
【符号の説明】
1 廃棄物熱分解炉 2 処理設備 5 移送ダクト 5A 曲がり部箇所 8 制御手段 N 空気供給手段 T 上流側温度検出手段 T 下流側温度検出手段 V 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 AA05 AA07 AB02 AB03 BA03 CA07 FA03 FA21 FA24 3K062 AA05 AA07 AB02 AB03 BA02 CA01 CB08 DA02 DB05 DB07 3K078 AA03 BA03 CA02 4D004 AA46 AC05 BA03 CA27 CB09 CB34 CB36 DA01 DA02 DA06 DA20 4H012 HA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を乾留処理して熱分解ガスを生成
    する廃棄物熱分解炉(1)と、前記熱分解ガスを処理す
    る処理設備(2)と、前記熱分解ガスを前記廃棄物熱分
    解炉(1)から前記処理設備(2)に供給する移送ダク
    ト(5)とが設けられている廃棄物ガス化処理設備であ
    って、 前記移送ダクト(5)内の前記熱分解ガスに空気を供給
    する空気供給手段(N)が、前記移送ダクト(5)の上
    流側から下流側に亘って複数分散配置されている廃棄物
    ガス化処理設備。
  2. 【請求項2】 前記複数の空気供給手段(N)の夫々
    が、前記移送ダクト(5)の曲がり部箇所(5A)に対
    応させて設けられている請求項1記載の廃棄物ガス化処
    理設備。
  3. 【請求項3】 前記空気供給手段(N)が、前記移送ダ
    クト(5)の曲がり部箇所(5A)から下流側に向かう
    前記熱分解ガスの流れ方向に沿って空気を吹き込むよう
    に構成されている請求項2記載の廃棄物ガス化処理設
    備。
  4. 【請求項4】 前記空気供給手段(N)の夫々の設置箇
    所よりも前記移送ダクト(5)の上流側近傍箇所での前
    記熱分解ガスの温度を検出する上流側温度検出手段
    (T)が、前記空気供給手段(N)の夫々に対応させて
    設けられ、 前記上流側温度検出手段(T)にて検出される前記熱分
    解ガスの温度が設定温度よりも低下する場合に、その上
    流側温度検出手段(T)よりも前記移送ダクト(5)の
    下流側直近位置の前記空気供給手段(N)により空気供
    給作動させる制御手段(8)が設けられている請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の廃棄物ガス化処理設備。
  5. 【請求項5】 前記空気供給手段(N)の夫々の設置箇
    所よりも前記移送ダクト(5)の下流側箇所での前記熱
    分解ガスの温度を検出する下流側温度検出手段(T)
    が、前記空気供給手段(N)の夫々に対応させて設けら
    れ、 前記制御手段(8)が、前記下流側温度検出手段(T)
    の検出情報に基づいて、その下流側温度検出手段(T)
    よりも前記移送ダクト(5)の上流側直近位置の前記空
    気供給手段(N)により空気供給作動させるときの空気
    供給量を変更調整する空気量調整制御を実行するように
    構成されている請求項4記載の廃棄物ガス化処理設備。
  6. 【請求項6】 前記複数の空気供給手段(N)のうちの
    1つの空気供給手段(N)に対応する前記下流側温度検
    出手段(T)が、その1つの空気供給手段(N)よりも
    前記移送ダクト(5)の下流側直近位置の前記空気供給
    手段(N)に対応する前記上流側温度検出手段(T)に
    よって兼用構成されている請求項5記載の廃棄物ガス化
    処理設備。
  7. 【請求項7】 前記空気供給手段(N)が、所定圧力で
    供給される空気の前記移送ダクト(5)内への流入を断
    続する開閉弁(V)を備えて構成され、 前記制御手段(8)が、前記空気量調整制御において、
    前記空気供給手段(N)に備えた前記開閉弁(V)を間
    欠的に開作動させ、且つ、前記下流側温度検出手段
    (T)にて検出される前記熱分解ガスの温度と目標温度
    との偏差に基づいて、前記開閉弁(V)の開作動時間を
    調整制御するように構成されている請求項5又は6記載
    の廃棄物ガス化処理設備。
  8. 【請求項8】 前記制御手段(8)が、前記空気量調整
    制御において、前記空気供給手段(N)による空気供給
    量を変更調整したにもかかわらず、その空気供給手段
    (N)よりも前記移送ダクト(5)の下流側に位置する
    前記下流側温度検出手段(T)にて検出される前記熱分
    解ガスの温度が変化しない場合に、前記空気供給手段
    (N)による空気供給動作の不良を判別するように構成
    されている請求項5〜7のいずれか1項に記載の廃棄物
    ガス化処理設備。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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