JP2002322313A - セルロース複合体、及びこのセルロース複合体を用いた内添紙製品 - Google Patents

セルロース複合体、及びこのセルロース複合体を用いた内添紙製品

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JP2002322313A
JP2002322313A JP2001129000A JP2001129000A JP2002322313A JP 2002322313 A JP2002322313 A JP 2002322313A JP 2001129000 A JP2001129000 A JP 2001129000A JP 2001129000 A JP2001129000 A JP 2001129000A JP 2002322313 A JP2002322313 A JP 2002322313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オルガノアルコキシシランを使って、オルガノ
ポリシロキサンを高濃度に内添・定着させて、その紙強
度や耐水性、透気性改善、リサイクル性に優れた機能
紙、等の紙製品を提供することを目的とする。 【解決手段】特定のR1mM(OR2)n−mで表され
る金属1種以上で構成されたオルガノポリ酸化金属の水
溶液、或いは水性エマルジョンに、微細フィブリル化セ
ルロース、または改質微細化セルオルガノアルコキシ金
属1種以上と、特定のR3mM(OR4)n−mで表さ
れるオルガノアルコキシロースからなるセルロース担持
体を混合してオルガノポリ酸化金属を担持させたセルロ
ース複合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機金属化合物を
セルロース担持体に担持させた複合材料と、この複合材
を内添した内添紙、又はこの内添紙を用いた紙容器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年は、環境保全型の技術開発や有限な
化石燃料由来の材料系から環境負荷の少ない天然資源由
来の材料系への移行などに波及している。天然資源の中
でも植物繊維を原料とした紙は、自然再生でリサイクル
可能であり、ゴミ焼却時の燃焼熱も低く、生分解性もあ
る為、環境ホルモンが懸念される合成樹脂系の各種容器
に代わり、紙容器の需要が増加してきている。
【0003】しかし、紙は合成樹脂に比べ強度や耐水
性、耐油性、ガスバリア性などの物性が劣っているた
め、その使用範囲が限定されていた。
【0004】このため、紙材料にこれらの機能を付与す
る方法として、耐水性や耐油性を付与する場合は、天然
系のロジン、澱粉やその誘導体、アルギン酸などを除い
て殆どすべて合成高分子系の内添剤や外添剤を使用する
場合が多く、特に現在使われている湿潤紙力剤は有機塩
素化合物やホルマリンを原料にしているものが多い。
【0005】また、紙のガスバリア性付与に関しても、
合成高分子との複合化による方法が一般的にとられてい
る。この様に合成高分子を用いているので、この合成高
分子を用いないで耐水性等の機能を発揮することができ
る、環境保全型の新しい紙の機能化方法の開発が望まれ
ている。
【0006】このバリア性等の機能を発揮できる環境保
全型の機能化材料の一つとして、微細化セルロースがあ
り、従来から微細化セルロースの製造方法やその応用面
についての提案は数多くなされている。
【0007】微細化セルロースは、大きく分けて2種類
あり、一つはセルロース繊維を化学処理して結晶部分の
みを取り出しボールミルなどで機械的に粉砕した微粉化
(結晶性)セルロースであり、もう一つはセルロース繊
維のミクロフィブリルを残したまま微細処理した微細フ
ィブリル化セルロースである。
【0008】前者の微細化セルロースは、一般的にセル
ロースの結晶部分を粉末化にしたもので、フィブリルが
なく、粒子には多数の微細な空隙が有する特徴がある。
用途としては、乳化助剤、成形付与剤、皮膜形成剤、塗
料、各種バインダーなどに使用されている。
【0009】また、微細フィブリル化セルロースは、紙
料に添加、或いは塗布して引張り強度や透気度、又は平
滑度を向上させる目的で使用されており、その微細フィ
ブリル構造によって、充填料の保持性や染料の吸着性を
向上させる技術が検討されている。
【0010】また、上記以外の材料で環境保全の見地か
ら使用に適している一つの材料として無機物が挙げら
れ、その誘導体とも言えるオルガノアルコキシ金属化合
物が適しており、中でもオルガノアルコキシシラン化合
物(シランカップリング剤)は、無機的なシロキサン結
合形成が可能な特性から、耐熱性や耐水強度の向上が計
られる。さらに、同時に、アルカリで加水分解されるこ
とから紙へ添加してもアルカリでの離解が可能なことか
ら、紙の機能化方法として、オルガノアルコキシシラン
を利用する検討が多く為されている。
【0011】しかし、前記の検討の大部分は、オルガノ
アルコキシシランを加水分解用触媒と各種溶媒に溶かし
てコーティングする技術であり、紙全層にわたる均一な
改質技術は数少なかった。
【0012】そこで、本出願人は、上記オルガノアルコ
キシシランを用いた改良を、特開平10−212693
号、特開平10−226890号、或いは特願平11−
011875号として出願しており、製紙用の内添剤と
してパルプスラリー中へオルガノポリシロキサン(酸化
珪素)を添加する方法を提案している。これらの発明で
は、パルプスラリー中へ内添することから、紙中で均一
に分布し、耐水性(低吸水性、高湿潤強度)を向上させ
ることができる。
【0013】しかし、その定着率が十分でなく、紙の強
度や耐水性に限界があった。そこで、定着率をさらに高
めた構成とし、強度や耐水性の向上させることが望まれ
ていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、環境負荷の小さい紙の機能化方法として、
同じく環境負荷の小さい微細化セルロースやオルガノア
ルコキシ金属類であるオルガノアルコキシシランを使っ
て、オルガノポリシロキサンを高濃度に内添・定着させ
て、その紙強度や耐水性、透気性(ガスバリア性)改
善、リサイクル性に優れた機能紙、またはこの機能紙を
用いた紙容器等の紙製品を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、R1mM(OR2)n−mで表されるオルガノアル
コキシ金属1種以上(以下式1と称す)(式中、Mは金
属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは0<m<l
の整数、R1は炭素数1〜10個の炭素主鎖1種以上で
構成され、エポキシ基、或いはエポキシシクロヘキシル
基を1個以上その構造中に含む。R2は炭素数1〜3の
低級アルキル基を示す。)と、R3mM(OR4)n−
mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以上(以下式
2と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化
数、置換数mは0<m<lの整数、R3は炭素数1〜1
0個の炭素主鎖1種以上よりなり、炭素主鎖間または末
端のいずれか1方もしくは双方にエポキシ基と反応して
加水分解縮合反応により開環重合させる基を1個以上そ
の構造中に含む。R4は炭素数1〜3の低級アルキル基
を示す。)とで構成されたオルガノポリ酸化金属の水溶
液、或いは水性エマルジョンに、微細フィブリル化セル
ロース、または改質微細化セルロースからなるセルロー
ス担持体を混合してオルガノポリ酸化金属を担持させた
セルロース複合体である。
【0016】請求項2に記載の発明は、R5mM(OR
6)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属化合物1
種以上(以下式3と称す)(式中、Mは金属元素、nは
金属元素の酸化数、置換数mは0<m<nの整数、R5
は炭素数1〜20個のアルキル基、又はフルオロアルキ
ル基やシリコーン基、アルケニル基、芳香族を含有する
置換基を1種以上で構成される。R6は炭素数1〜3の
低級アルキル基を示す。)を加えたことを特徴とする、
請求項1記載のセルロース複合体である。
【0017】請求項3に記載の発明は、R1mM(OR
2)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以上
(以下式1と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属元
素の酸化数、置換数mは0<m<lの整数、R1は炭素
数1〜10個の炭素主鎖1種以上で構成され、エポキシ
基、或いはエポキシシクロヘキシル基を1個以上その構
造中に含む。R2は炭素数1〜3の低級アルキル基を示
す。)と、R3mM(OR4)n−mで表されるオルガ
ノアルコキシ金属1種以上(以下式2と称す)(式中、
Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは0<
m<lの整数、R3は炭素数1〜10個の炭素主鎖1種
以上よりなり、炭素主鎖間または末端のいずれか1方も
しくは双方にエポキシ基と反応して加水分解縮合反応に
より開環重合させる基を1個以上その構造中に含む。R
4は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)とが少な
くともオルガノポリ酸化金属を担持させた状態でポリマ
ー化している事を特徴とするセルロース複合体である。
【0018】請求項4に記載の発明は、R1mM(OR
2)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以上
(以下式1と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属元
素の酸化数、置換数mは0<m<lの整数、R1は炭素
数1〜10個の炭素主鎖1種以上で構成され、エポキシ
基、或いはエポキシシクロヘキシル基を1個以上その構
造中に含む。R2は炭素数1〜3の低級アルキル基を示
す。)と、R3mM(OR4)n−mで表されるオルガ
ノアルコキシ金属1種以上(以下式2と称す)(式中、
Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは0<
m<lの整数、R3は炭素数1〜10個の炭素主鎖1種
以上よりなり、炭素主鎖間または末端のいずれか1方も
しくは双方にエポキシ基と反応して加水分解縮合反応に
より開環重合させる基を1個以上その構造中に含む。R
4は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)と、R5
mM(OR6)n−mで表されるオルガノアルコキシ金
属化合物1種以上(以下式3と称す)(式中、Mは金属
元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは0<m<nの
整数、R5は炭素数1〜20個のアルキル基、又はフル
オロアルキル基やシリコーン基、アルケニル基、芳香族
を含有する置換基を1種以上で構成される。R6は炭素
数1〜3の低級アルキル基を示す。)が少なくともオル
ガノポリ酸化金属を担持させた状態でポリマー化してい
る事を特徴とする請求項3記載のセルロース複合体であ
る。
【0019】請求項5に記載の発明は、式2中に示され
るオルガノアルコキシ金属のエポキシ基と反応して加水
分解縮合反応により開環重合させる基が、アミノ基(第
1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4
級アンモニウム塩基の中の少なくとも1つ)であること
を特徴とする1ないし4のいずれかに記載のセルロース
複合体である。
【0020】請求項6に記載の発明は、式1の化合物
と、式2の化合物との混合モル比が5/5〜9.99/
0.01であることを特徴とする、請求項1ないし5の
いずれかに記載のセルロース複合体である。
【0021】請求項7に記載の発明は、前記オルガノア
ルコキシ金属が、酸性、或いはアルカリ性の条件下の
水、或いは水/水溶性有機溶媒の混合系で混合すること
で加水分解縮合させたオルガノポリ酸化金属の水溶液、
或いは水性エマルジョンを用いたことを特徴とする、請
求項1ないし6記載のいずれかに記載のセルロース複合
体である。
【0022】請求項8に記載の発明は、前記セルロース
担持体の改質微細化セルロースが、微細フィブリル化セ
ルロース、あるいは微粉末化セルロースを酸化処理し
て、セルロース分子の還元末端、またはセルロース骨格
におけるピラノース環の第6位を選択的に酸化し、カル
ボキシル基に変換された構造を含むことを特徴とする、
請求項1ないし7のいずれかに記載のセルロース複合体
である。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項8記載の
改質微細化セルロースのカルボキシル基量Xが、改質処
理前の微細化セルロースのカルボキシル基量をX0とし
た場合、X0<X≦30X0の範囲にあることを特徴と
するセルロース複合体である。
【0024】請求項10に記載の発明は、前記式1、式
2、および式3のオルガノアルコキシ金属中の金属元素
のMが、Si、Al、Sn、ZrまたはTiであること
を特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のセ
ルロース複合体である。
【0025】請求項11に記載の発明は、前記式1、式
2、および式3のオルガノアルコキシ金属中の金属元素
のMが、Siからなるオルガノアルコキシ金属の中から
オルガノポリシロキサンを選択したことを特徴とする、
請求項10記載のセルロース複合体である。
【0026】請求項12に記載の発明は、請求項1ない
し11のいずれかに記載のセルロース複合体を内添した
ことを特徴とする内添紙製品である。
【0027】請求項13に記載の発明は、前記オルガノ
アルコキシ金属の内添量が、SiO 2換算値で1重量%
以上、好ましくは5〜20%含まれることを特徴とす
る、請求項12記載の内添紙製品である。
【0028】請求項14に記載の発明は、前記オルガノ
アルコキシ金属の水溶液、或いは水性エマルジョンのS
iO2固形分濃度が0.01%以上10%以下、望まし
くは0.01%以上5%以下、或いは樹脂分を含めた全
固形分濃度が2.5%以上40%以下である水溶液、或
いは水性エマルジョンに微細フィブリル化セルロース、
或いは改質微細化セルロースを混合してオルガノポリシ
ロキサンを担持した微細フィブリル化セルロース複合
体、或いは改質微細化セルロース複合体のいずれかから
なるセルロース複合体を内添したことを特徴とする請求
項12記載の紙製品である。
【0029】請求項15に記載の発明は、前記内添紙製
品が、容器であることを特徴とする、請求項12ないし
14のいずれかに記載の湿式のパルプモールド成形によ
り成形されたものであることを特徴とする内添紙製品で
ある。
【0030】請求項16に記載の発明は、請求項12記
載の内添紙製品が、湿式のパルプモールド成形により成
形された容器であることを特徴とする内添紙製品。
【0031】前記のように、本発明は、微細化セルロー
スを、例えば、オルガノポリシロキサンの水溶液、或い
は水性エマルジョンに混合することで、微細フィブリル
化セルロースにオルガノポリシロキサンを吸着させて微
細化セルロースとオルガノポリシロキサンとの複合体を
作製し、それをパルプスラリーへ内添することで、従来
の定着率を大幅に向上させることが可能となった。
【0032】そして、内添紙製品の耐水性をさらに向上
させることが出来た。また、微細フィブリル化セルロー
スの特性との相乗効果により、表面平滑性や透気性(ガ
スバリア性)も改善した。また、微細フィブリル化セル
ロースや微細化セルロースのセルロース分子の還元末
端、またはピラノース環の第6位のカルビノール基を選
択的に酸化してカルボキシル基に変換された構造を含む
改質微細化セルロースを担持体として、前述の如くオル
ガノポリシロキサンとの複合体を作製し、それを内添剤
として使えば、さらにオルガノポリシロキサンの定着率
と内添紙製品の物性の向上が可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。
【0034】本発明に関わる紙や微細セルロース(微細
フィブリル化セルロースと微細化セルロース)の原料と
なるセルロース繊維としては、木材などの通常のパルプ
原料、さらに具体的には、針葉樹または広葉樹から得ら
れる漂白または未漂白の亜硫酸パルプ、クラフトパル
プ、砕木パルプ、爆砕パルプ、溶解パルプ、熱機械パル
プ(TMP)、化学熱機械パルプ(CTMP)などから
選ばれる1種類または2種類以上を混ぜたものでも良
く、特に限定されるものではない。
【0035】また、場合によっては、最近、古紙の再生
技術の進歩と古紙の再生利用が高まっている為、脱墨パ
ルプ(DIP)などの古紙再生パルプを使用しても良
い。
【0036】また、前記パルプ原料以外に、非木材繊維
である麻類、綿(リンター)、わら、竹、ケナフ、バカ
ス、シオグサ、エスパルト、楮、三椏、雁皮、ラミーな
どを用いても良く、レーヨン、テンセル、ポリノジック
繊維などの再生セルロースも非木材繊維に含まれる。そ
の他、微生物産生セルロース、バロニアセルロース、ホ
ヤセルロースなどでも構わない。
【0037】微細セルロースに複合化させるオルガノポ
リ酸化金属は、原料となるオルガノアルコキシ金属化合
物を酸性下、或いは塩基性下で脱水反応、或いは脱アル
コール反応などのいわゆるゾル・ゲル法によって高分子
化させる。
【0038】金属種としては、Si系、Ti系、Al
系、Zr系などが挙げられるが、中でも、オルガノアル
コキシシラン化合物は、種類も豊富で工業的に入手し易
いので好ましい。
【0039】次に、オルガノアルコキシ金属化合物の具
体例を示す。まず、R1mM(OR2)n−m(式1)
(式中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数
mは0<m<lの整数、R1は炭素数1〜10個の炭素
主鎖1種以上で構成され、エポキシ基、或いはエポキシ
シクロヘキシル基を1個以上その構造中に含む。R2は
炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)で示されるオ
ルガノアルコキシ金属化合物のうち、金属Mが、Siの
ものとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミ
ノブチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、(N、N−ジメチ
ルアミノプロピル)トリメトキシシラン、N−トリメト
キシプロピル−N、N、N−トリメチルアンモニウムク
ロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N、N、
N−トリ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、又はオ
クタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)アンモニウムクロライドなどが例示できる。
【0040】この中でも、特に1級と2級のアミノ基を
有するN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルト
リメトキシシランが特に好ましい。
【0041】R3mM(OR4)n−m(式2)(式
中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは
0<m<lの整数、R3は炭素数1〜10個の炭素主鎖
1種以上よりなり、炭素主鎖間または末端のいずれか1
方もしくは双方にエポキシ基と反応して加水分解縮合反
応により開環重合させる基を1個以上その構造中に含
む。R4は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)で
示されるオルガノアルコキシ金属化合物において、エポ
キシ基と反応して加水分解縮合反応により開環重合させ
る基としてはアミノ基、ヒドラジノ基、アミド基などが
用いることが可能であるが、ヒドラジノ基は製造時の安
全施設が高価になり、また、アミド基は開環反応性が薄
いためにアミノ基が好ましい。
【0042】また、金属Mが、Siのものとしては、
3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、(3−グリシドキシプロピル)ビス(トリメ
チルシロキシ)メチルシラン、(3−グリシドキシプロ
ピル)ジメトキシエトキシシラン、(3−グリシドキシ
プロピル)トリエトキシシラン、(3−グリシドキシプ
ロピル)ジエトキシメトキシシラン、(3−グリシドキ
シプロピル)トリメトキシシランなどが例示できる。
【0043】この中でも、特にエポキシ基の反応活性が
高いエポキシシクロヘキシル基を有する2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが
特に好ましい。
【0044】R5mM(OR6)n−m(式3)(式
中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは
0<m<nの整数、R5は炭素数1〜20個のアルキル
基、又はフルオロアルキル基やシリコーン基、アルケニ
ル基、芳香族を含有する置換基を1種以上で構成され
る。R6は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)で
示されるオルガノアルコキシ金属化合物のうち、金属M
が、Siのものとしては、炭素数1〜20個のアルキル
基、又はフルオロアルキル基やシリコーン基、アルケニ
ル基、芳香族を含有する置換基を1種以上で有したオル
ガノアルコキシシラン化合物の例を挙げると非常に多
い。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル
基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、
オクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル
基、フェネチル基等のアラルキル基、ビニル基やアリル
基、アクリル基、メタクリロイル基等のアルケニル基、
ペルフルオロメチルエチル、ペルフルオロジエチル、ペ
ルフルオロブチルエチルなどのペルフルオロアルキルエ
チル基、フロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基、3,3,4,4,5,5−ペンタフルオロペ
ンチル基、ジフルオロモノクロルプロピル基などのフル
オロアルキル基などの置換基が例示される。
【0045】以下オルガノアルコキシ金属化合物とし
て、オルガノアルコキシシラン化合物を用いた例で説明
する。
【0046】まず、以上の様な各種オルガノアルコキシ
シラン化合物を混合しハイブリッド化させることで、本
発明に関わるオルガノポリシロキサンを作製することが
できる。ハイブリッド化は、主に式1と式2の化合物の
混合物を主体にして、場合によっては式3の化合物も加
えて、水、或いは水溶性の有機溶媒、望ましくはアルコ
ール類を混合した溶媒中で、酸性、或いは塩基性下、脱
水、或いは脱アルコール反応などの加水分解−縮合反応
いわゆるゾル・ゲル法によってハイブリッド化させ、各
種オルガノポリシロキサンができる。
【0047】この場合、式1のアミン系オルガノアルコ
キシシランのエポキシ基と反応して加水分解縮合反応に
より開環重合させる基は、水中でのオルガノアルコキシ
シランの加水分解−縮合に触媒として働く為、他の触媒
を敢えて添加しなくても良い。
【0048】また、加水分解−縮合したオルガノポリシ
ロキサンの構造中のエポキシ基と反応して加水分解縮合
反応により開環重合させる基は、微細(フィブリル化)
セルロースや改質微細化セルロースのアニオン基と水中
でイオン的に結合するサイトとして働く。アミン系オル
ガノ酸化珪素は、ハイブリッド化した全体のオルガノポ
リシロキサンの内、0.01〜50mol%(SiO2
換算値)の範囲、望ましくは0.01〜40mol%で
ある。この範囲であれば、耐水性、撥水性、表面平滑性
の向上が期待できる。これ以上にアミン系オルガノ酸化
珪素の比率が増えるとアミノ基の親水性から撥水性は得
にくくなる。
【0049】触媒を添加して加水分解−縮合を行う場
合、酸触媒としては、無機酸である硫酸、亜硫酸、塩
酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、塩素酸、次亜塩
素酸、過塩素酸、クロム酸、重クロム酸、炭酸、ホウ酸
などが挙げられ、有機酸では、メタンスルホン酸、パラ
トルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸など
のスルホン酸類、ギ酸、酢酸、酪酸などのカルボン酸類
が例示できる。
【0050】この中でも、塩酸が好ましく、添加に際し
ては、水で予め希釈し水素イオン濃度を下げたものを、
系中のp.H.を若干酸性側にシフトさせる触媒量の添
加で良い。
【0051】塩基性触媒の添加は、本発明においてアミ
ン系オルガノアルコキシシランが必須成分である為、触
媒としても働き、敢えて添加する必要はないが、アルカ
リ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は金属塩を形成
するので縮合し難く、含窒素塩基性化合物が適当であ
る。
【0052】例えば、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミンな
どの三級アミン類、R2NH2(式中、Rはメチル、エ
チルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリー
ル基などである)で示される二級アミン類、RNH2
(式中、Rは上記と同じである)で示される一級アミン
類、或いはアンモニア、さらには塩基性の水溶性高分子
でも良く、例えばポリビニルアミン類やポリアリルアミ
ン類、ポリアミド類、ポリアルキルアミン類、ポリエチ
レンイミン類、ポリアミジン類、ポリ尿素−メラミン
類、ポリホルムアルデヒド−メラミン類、そしてこれら
の変性体や誘導体が例示できる。
【0053】オルガノポリシロキサンの水溶液、或いは
水性エマルジョンの作製は、水系、或いは水とイソプロ
パノールのようなアルコール類との混合溶媒系で、原料
である各種オルガノアルコキシシランを混ぜて室温下、
およそ1時間から最大20時間程度攪拌するだけの温和
な反応条件である。
【0054】水性エマルジョンを作製する場合は、アミ
ン系オルガノアルコキシシランの量を少なくして、所定
量の水/イソプロパノール混合溶媒系で十分に加水分解
−縮合させたものを、所定量の水で希釈させることで、
微細なオルガノシリカゲルの白濁水性エマルジョンが得
られる。
【0055】これは、通常のシリコーンエマルジョンを
作製する時に使用する乳化剤や界面活性剤を一切使用し
ない為、環境的、人体的、経済的にも優位性がある。
【0056】本発明に使用される微細化セルロースで微
細フィブリル化セルロースは、例えば、特公昭60−1
9921号や特開平4−82907号、特開平06−1
0286号、特開平7−310296号、特開平8−2
84090号に開示された一般的な微細化処理を施した
微細フィブリル化セルロースや市販品が使用できる。
【0057】従って、本明細書における微細化とは微粉
化も含む概念である。また、微細化セルロースとして、
例えば、酸などの化学処理によって結晶領域のセルロー
スにしたものを各種形式のボールミルで粉砕した表面積
の大きい極微小粒子状のセルロース粉末等が挙げられ
る。
【0058】以上のような微細化セルロースと前述のオ
ルガノポリシロキサンを複合化させる方法は、微細化セ
ルロースが微細フィブリル化セルロースの場合は、オル
ガノポリシロキサンの水溶液や水性エマルジョンに混合
するだけで、多数の微細フィブリルにオルガノポリシロ
キサン中のアミノ基が定着サイトとしてイオン的、或い
は電気的に吸着し、微細フィブリル化セルロースが造核
的に担持体の役目を果たすため、一種の微細フィブリル
化セルロース−オルガノポリシロキサン複合体ができ
る。
【0059】また、微細化セルロースの場合は、ミクロ
フィブリルがない為、そのままでは、オルガノポリシロ
キサンとの相互作用は小さいが、微細化セルロースを酸
化処理してセルロース分子の末端、またはピラノース環
の第6位を選択的に酸化することでカルボキシル基を導
入した改質処理を行えば、オルガノポリシロキサンとの
イオン的相互作用が強く働き、一種の複合体ができる。
【0060】また、微細フィブリル化セルロースにもこ
の改質処理を行えば一層複合化は進む。この改質処理を
おこなった微細化セルロース、及び微細フィブリル化セ
ルロースを本願では総称して改質微細化セルロースとし
ている。
【0061】改質処理方法は、具体的には、N−オキシ
ル化合物(オキソアンモニウム塩)の存在下、酸化剤を
用いて、微細化セルロースを酸化することで得ることが
できる。
【0062】N−オキシル化合物には、2,2、6,6
−テトラメチル−1−ピペリジンN−オキシル(以下、
TEMPOと称する)などが含まれる。この酸化方法で
は、酸化の程度に応じて、カルボキシル基を均一かつ効
率よく導入できる。
【0063】この酸化反応は、前記N−オキシル化合物
と、臭化物またはヨウ化物との共存下で行うのが有利で
ある。臭化物またはヨウ化物としては、水中で解離して
イオン化可能な化合物、例えば、臭化アルカリ金属やヨ
ウ化アルカリ金属などが使用できる。酸化剤としては、
ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン
酸、又はそれらの塩、ハロゲン酸化物。窒素酸化物、過
酸化物など、目的の酸化反応を推進し得る酸化剤であれ
ば、いずれの酸化剤も使用できる。
【0064】この酸化では、セルロース分子の第6位の
カルビノール基を選択的に酸化しカルボキシル基に改質
するもので、N−オキシル化合物は触媒量で済み、例え
ば、微細化セルロース重量に対して10ppm〜2%程
度あれば充分である。
【0065】酸化条件などは特に限定されず、セルロー
スの性状、使用する設備などによって最適化されるべき
であるが、臭化物やヨウ化物との共存下で酸化反応を行
うと、温和な条件下でも酸化反応を円滑に進行させるこ
とができ、カルボキシル基の導入効率を大きく改善でき
る。
【0066】臭化物及び/又はヨウ化物の使用量は、酸
化反応を促進できる範囲で選択でき、例えば、セルロー
ス重量に対して100ppm〜20%である。
【0067】セルロースの酸化反応系は、特に、N−オ
キシル化合物にはTEMPOを用い、臭化ナトリウムの
存在下、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いるこ
とが望ましい。また、反応系のp.H.は、反応効率の
面からp.H.=9〜12の間で行うことが望ましい。
【0068】また、改質微細化セルロース中のカルボキ
シル基量は、TAPPI TESTMETHODS T
237 om−93に従って定量したカルボキシル基量
Xが改質処理前の微細化セルロースのカルボキシル基量
をX0 とした場合、X0<X≦30X0の範囲にあ
り、より好ましくはX0<X≦10X0の範囲である。
【0069】具体的には、標準的な針葉樹クラフトパル
プ全体のカルボキシル基量が約0.04mmol/gと
すると改質微細化セルロース全体のカルボキシル基量が
0.04〜1.2mmol/g、より好ましくは0.0
4〜0.4mmol/gの範囲にある。
【0070】セルロース中の第6位カルビノール基全て
をカルボン酸に改質したものはセロウロン酸となり、水
可溶性になるので好ましくない。TEMPO酸化は、主
にセルロース分子の非晶領域で酸化が進行するので、酸
化させる微細化セルロースやその原料セルロース繊維を
各種の非晶化方法、具体的には、水酸化ナトリウムによ
るマーセル化や銅エチレンジアミン溶液による再生処
理、SO2−DEM(ジメチルアミン)−DMSO溶液
による再生非晶化処理などによって部分的、或いは全体
的に結晶化度を下げると酸化反応効率が良くなる。
【0071】しかし、微細化セルロースは、微小体であ
る為、カルボキシル基量が1.2mmol/g以上にな
ると親水性が高くなり、反応水溶液からの単離が困難に
なる。従って、通常の結晶領域が存在する微細化セルロ
ースを酸化改質すれば十分である。
【0072】以上のような処方による、本発明のオルガ
ノポリ酸化金属を担持した微細フィブリル化セルロース
複合体、或いは改質微細化セルロース複合体をパルプス
ラリーに添加した場合、微細フィブリル化セルロースや
改質微細化セルロースを担持体として使用しない場合に
比べて、次の優位性が認められた。
【0073】それは、定着量の向上(パルプ固形分に
対して20〜25wt%以上の定着)、定着率(歩留
まり率)の向上(90%以上)、定着率向上による内
添紙の耐水性の向上、微細フィブリル化セルロース、
又は改質微細化セルロースの添加効果による内添紙の耐
透気性(ガスバリア性)の向上、などが挙げられる。
【0074】本発明のオルガノポリ酸化金属を担持した
微細フィブリル化セルロース複合体、或いは改質微細化
セルロース複合体を内添した紙シート、又は内添紙容器
は、従来の製紙工程で製造できる。
【0075】即ち、オルガノポリ酸化金属を担持した微
細フィブリル化セルロース複合体、或いは改質微細化セ
ルロース複合体をパルプの水分散スラリー中に任意の割
合で添加し、抄紙・抄造、プレス工程、加熱乾燥工程を
経て作製できる。紙の坪量は、特に制限はないが、30
〜200g/m2位の紙から、600g/m2位の厚紙
でも可能である。
【0076】また本発明のオルガノポリ酸化金属を担持
した微細フィブリル化セルロース複合体、或いは改質微
細化セルロース複合体を添加した紙で紙容器を作製する
場合には、従来公知の方法が可能であり、例えば、プラ
ンジャー型製缶機で打ち抜き4隅を貼りあわせる組み立
てや、専用のトレー成形機で熱圧押付成形できるプレス
式成形法、また或いは、湿式のパルプモールド成形手法
によりパルプモールド成形することで、後工程なく内添
紙容器を作製することが可能である。
【0077】次に本発明の適用例と製造例を含む実施例
に基づきさらに具体的に説明するが、これらは本発明を
限定するものではない。
【0078】〈適用例1〉叩解パルプの調整 原料パルプは、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)抄紙
用原料を、JIS−P8209『パルプ試験用手漉き紙
調整方法』に準拠して離解し、JIS−P8121『パ
ルプの濾水度試験方法』に準拠したカナダ標準濾水度試
験方法で300mlCSFの濾水度(叩解度)のものを
ビーターで作製し、固形分濃度1.0%パルプスラリー
を得た。
【0079】〈適用例2〉微細フィブリル化セルロース 特種製紙株式会社製の微細フィブリル化セルロースの水
分散スラリー(N.V.=2wt%)を用いた。
【0080】〈適用例3〉微細化セルロース 市販の微細化セルロースとして「セオラスクリームFP
−03」(N.V.=10wt%水分散物)を用いた。
使用に際しては、水で希釈分散させて、N.V.=2w
t%に調整した。
【0081】これらを使用して、次に製造例を示すが、
これらは、本発明を限定するものではない。
【0082】〈製造例1〉改質微細フィブリル化セルロ
ースの作製 適用例1の微細フィブリル化セルロースの水分散スラリ
ー(固形分量=10g相当)にTEMPO;0.025
g、臭化ナトリウム;0.25gを溶解させた水溶液を
加え、固形分濃度約1.0wt%になる様に調整した。
このスラリーを冷却し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(C1=5%)2mlを添加し、酸化反応を開始する。
反応温度は常に5℃に維持した。反応中はスラリーの
p.H.が低下するが、0.5N−NaOH水溶液を逐
次添加し、p.H.=10.8付近に調整した。15分
後反応を停止し、300meshのテフロン(登録商
標)シートで濾過後、十分に水洗し、約1.0wt%の
改質微細フィブリル化セルロース水分散スラリーを得
た。
【0083】〈製造例2〉改質微細化セルロースの作製 適用例2の微細化セルロースを使用し、製造例1と同様
にして、約1.0wt%の改質微細化セルロース水分散
スラリーを得た。
【0084】〈製造例3〉オルガノポリシロキサン水溶
液の作製 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン(チッソ(株)製;サイラエースS32
0)4.5g(0.02mol)、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(チッ
ソ(株)製;サイラエースS530)7.4g(0.0
3mol)、イソプロピルアルコール13.5g(0.
225mol)、水13.5g(0.75mol)を1
8時間室温下で攪拌混合した。これを、イソプロピルア
ルコールで希釈してSiO2濃度1%となる水溶液を調
整した。
【0085】〈製造例4〉オルガノポリシロキサン水性
エマルジョン液の作製 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン(チッソ(株)製;サイラエースS32
0)1.1g(0.005mol)、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(チ
ッソ(株)製;サイラエースS530)11.1g
(0.045mol)、イソプロピルアルコール13.
5g(0.225mol)、水13.5g(0.75m
ol)を18時間室温下で攪拌混合した。これを、水/
イソプロピルアルコール=1/1溶液でSiO2濃度
0.5%まで希釈後、さらに水をゆっくりと加えてSi
O2濃度0.2%となる白濁水性エマルジョン液を調整
した。
【0086】次に、本発明のオルガノポリ酸化金属を担
持した微細フィブリル化セルロース複合体、或いは改質
微細化セルロース複合体、及びそれらを内添した紙シー
ト、又は内添紙容器の実施例を示すが、これらは、本発
明を限定するものではない。
【0087】
【実施例】(実施例1)微細フィブリル化セルロース複
合体の作製 適用例2の微細フィブリル化セルロース水分散スラリー
25g(dryで0.5g)を製造例4のオルガノポリ
シロキサン水性エマルジョン250g(SiO2換算で
0.5g)に加えて3分間攪拌し、本発明の微細フィブ
リル化セルロース複合体スラリーを得た。
【0088】(実施例2)改質微細フィブリル化セルロ
ース複合体の作製 製造例1の改質微細フィブリル化セルロース水分散スラ
リー50g(dryで0.5g)を製造例4のオルガノ
ポリシロキサン水性エマルジョン250g(SiO2換
算で0.5g)に加えて3分間攪拌し、本発明の改質微
細フィブリル化セルロース複合体スラリーを得た。
【0089】(実施例3)改質微細化セルロース複合体
の作製 製造例2の改質微細化セルロース水分散スラリー50g
(dryで0.5g)を製造例4のオルガノポリシロキ
サン水性エマルジョン250g(SiO2換算で0.5
g)に加えて3分間攪拌し、本発明の改質微細化セルロ
ース複合体スラリーを得た。
【0090】(比較例1)微細化セルロース複合体の作
製 適用例3の微細化セルロース水分散スラリ−25g(d
ryで0.5g)を製造例4のオルガノポリシロキサン
水性エマルジョン250g(SiO2換算で0.5g)
に加えて3分間攪拌し、微細化セルロース複合体スラリ
ーを得た。
【0091】(実施例4)微細フィブリル化セルロース
複合体の内添紙作製 実施例1で作製した微細フィブリル化セルロース複合体
スラリーを適用例1の濾水度300CSFのNBKP水
分散スラリ−250g(dryで5g)に投入し3分間
攪拌混合した。この時、対パルプ固形分重量比で、微細
フィブリル化セルロース複合体とオルガノポリシロキサ
ン(SiO2換算値)は各々10wt%添加したことに
なる。この混合スラリーを、標準型手漉き角型抄紙機
で、坪量約80g/m2の内添紙を抄紙し、脱水プレス
(3.43×105Pa)を3分間行い、ヤンキードラ
イヤー(表面温度が約120℃)で加熱乾燥させ、本発
明の微細フィブリル化セルロース複合体の内添紙を作製
した。
【0092】(実施例5)改質微細フィブリル化セルロ
ース複合体の内添紙作製 実施例2で作製した改質微細フィブリル化セルロース複
合体スラリーを適用例1の濾水度300CSFのNBK
P水分散スラリー250g(dryで5g)に投入し3
分間攪拌混合した。この時、対パルプ固形分重量比で、
改質微細フィブリル化セルロース複合体とオルガノポリ
シロキサン(SiO2換算値)は各々10wt%添加し
たことになる。この混合スラリーを、実施例4と同様の
操作を行い、本発明の改質微細フィブリル化セルロース
複合体の内添紙を作製した。
【0093】(実施例6)改質微細化セルロース複合体
の内添紙作製 実施例3で作製した改質微細化セルロース複合体スラリ
ーを適用例1の濾水度300CSFのNBKP水分散ス
ラリ−250g(dryで5g)に投入し3分間攪拌混
合した。この時、対パルプ固形分重量比で、改質微細化
セルロース複合体とオルガノポリシロキサン(SiO2
換算値)は各々10wt%添加したことになる。この混
合スラリーを、実施例4と同様の操作を行い、本発明の
改質微細化セルロース複合体の内添紙を作製した。
【0094】(比較例2)適用例1で調整した濾水度3
00CSFのNBKP水分散スラリ−250g(dry
で5g)をそのまま、標準型手漉き角型抄紙機で、坪量
約80g/m2の内添紙を抄紙し、脱水プレス(3.4
3×105Pa)を3分間行い、ヤンキードライヤー
(表面温度が約120℃)で加熱乾燥させ、NBKP原
紙を作製した。
【0095】(比較例3)比較例1で作製した微細化セ
ルロース複合体スラリーを適用例1の濾水度300CS
FのNBKP水分散スラリ−250g(dryで5g)
に投入し3分間攪拌混合した。この時、対パルプ固形分
重量比で、微細化セルロース複合体とオルガノポリシロ
キサン(SiO2換算値)は各々10wt%添加したこ
とになる。この混合スラリーを、比較例2と同様の操作
を行い、微細化セルロース複合体の内添紙を作製した。
【0096】(比較例4)適用例1で調整した濾水度3
00CSFのNBKP水分散スラリ−に適用例2の微細
フィブリル化セルロースを対パルプ固形分重量比で10
wt%添加し、3分間攪拌混合後、この混合スラリーを
比較例2と同様の操作を行い、微細フィブリル化セルロ
ースの内添紙を作製した。
【0097】(比較例5)適用例1で調整した濾水度3
00CSFのNBKP水分散スラリ−に製造例4のオル
ガノポリシロキサン水性エマルジョン液をそのまま、対
パルプ固形分重量比で10wt%添加し、3分間攪拌混
合後、この混合スラリーを比較例2と同様の操作を行
い、SiO2内添紙を作製した。
【0098】「試験例1」作製した各内添紙中のオルガ
ノポリシロキサンの定着性を評価する為に、各内添紙中
のSiO2の定量分析を行った。測定方法を以下に示
す。
【0099】各内添紙サンプルを、凍結粉砕機で約10
分間粉砕し、均一な粉末にした。ペレット成形機に所定
量の各サンプルの粉末を入れ、ペレットを作製した。こ
の各内添紙のペレットを蛍光X線装置により、SiO2
の分析を行った。そのX線強度から、予め作製しておい
た検量線により、各内添紙のペレット中のSiO2含有
量(定着量)を求めた。その測定結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】上記表1の結果から判るように、本発明の
オルガノポリシロキサンを用いた微細フィブリル化セル
ロース複合体の内添紙(実施例4)、同じく改質微細フ
ィブリル化セルロース複合体の内添紙(実施例5)、同
じく改質微細化セルロース複合体の内添紙(実施例6)
は、いずれも定着率が95%以上と非常に高い歩留まり
率であることが判った。
【0102】また、オルガノポリシロキサンと微細化セ
ルロース複合体の内添紙(比較例3)は、微細化セルロ
ースと複合化せずそのままSiO2内添剤を添加した内
添紙(比較例5)よりも歩留まり率が悪かった。
【0103】これは、ミクロフィブリルのない微細化セ
ルロースでは、オルガノポリシロキサンとの相互作用が
悪く、逆にパルプスラリー中のミクロフィブリルに微細
化セルロースが吸着してオルガノポリシロキサンの定着
を阻害している為と考えられる。
【0104】しかし、本発明に関わる改質処理をした微
細化セルロースは導入されたカルボキシル基の影響でオ
ルガノポリシロキサンとの相互作用が強く働き、歩留ま
り率が非常に高く改善された。
【0105】「試験例2」次に、作製した各内添紙の紙
強度を評価した。なお、評価を行う前に、JIS−81
11に基づいて、25℃−65%RH環境下で24時間
以上の調湿を行った。
【0106】評価は、JIS−8113に基づいてオー
トグラフ(島津製作所(株)製、島津オートグラフAG
−500A)を使用して、乾燥状態(25℃−65%R
H)と湿潤状態(試験片を蒸留水へ1時間浸水)におけ
る各々の破断強度を測定し裂断長を求め、湿潤裂断長/
乾燥裂断長((wet/dry)×100)%を算出し
た。以下表2に評価結果を示す。
【0107】
【表2】
【0108】上記表2の結果から、本発明のオルガノポ
リシロキサンを用いた微細フィブリル化セルロース複合
体の内添紙(実施例4)、同じく改質微細フィブリル化
セルロース複合体の内添紙(実施例5)、同じく改質微
細化セルロース複合体の内添紙(実施例6)は、いずれ
もオルガノポリシロキサンの高い歩留まり率に相関して
湿潤紙強度が非常に向上していることが判った。
【0109】「試験例3」次に、作製した各内添紙の透
気度をJIS−P8117に従って測定した。測定結果
を表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】以上表3の結果から、本発明のオルガノポ
リシロキサンを用いた微細フィブリル化セルロース複合
体の内添紙(実施例4)、同じく改質微細フィブリル化
セルロース複合体の内添紙(実施例5)、同じく改質微
細化セルロース複合体の内添紙(実施例6)は、いずれ
も微細セルロースを含んでいる効果から、透気度が著し
く高くなっていることが判った。
【0112】また、微細化セルロースを改質処理した複
合体の内添紙(実施例5,6)は特に高かった。さら
に、微細フィブリル化セルロースだけを添加した内添紙
(比較例4)よりも、本発明のオルガノポリシロキサン
を用いた微細フィブリル化セルロース複合体の内添紙
(実施例4)の方がより透気度が高いことから、微細化
セルロースとオルガノポリシロキサンの相乗効果が働い
ていることが判った。
【0113】従って、片方の特性を発揮するものは比較
例でもあった(例えば比較例4)が、両特性を満たすも
のは本実施例のみである。
【0114】
【発明の効果】以上の結果から判るように、本発明によ
れば、従来の環境負荷の高い紙の機能化方法に依らず
に、紙本来の生分解性を維持し、且つ環境調和型の機能
化方法によって、紙強度や耐水性、耐透気性(ガスバリ
ア性)を付与することができる。即ち、環境負荷のない
微細化セルロース、或いはその酸化改質処理した改質微
細化セルロースと、同じく環境負荷の小さいオルガノポ
リシロキサンに代表されるオルガノポリ酸化金属を複合
化した内添剤を用いて紙を機能化するものである。
【0115】本発明のオルガノポリ酸化金属を担持した
微細フィブリル化セルロース複合体、或いは改質微細化
セルロース複合体を内添した紙シート、又は内添紙容器
は、オルガノポリシロキサンような反応性有機−無機ハ
イブリッド剤をパルプスラリーに内添することにより、
紙中に高濃度で均一なシロキサン三次元構造を形成し、
非常に高い紙強度や耐水性、耐透気性(ガスバリア性)
を有している。さらに、シロキサン結合は、アルカリで
容易に加水分解される為、本発明の内添紙シートや内添
紙容器は、紙自体が有するリサイクル性、生分解性を損
なわないものである。
【0116】従って、本発明のオルガノポリ酸化金属を
担持した微細フィブリル化セルロース複合体、或いは改
質微細化セルロース複合体を使った機能化方法、及びそ
の内添した紙シートや内添紙容器は、環境に優しいもの
である為、今後ますます環境対応が優先され、且つ高い
耐水性や耐油性、ガスバリア性が要求される各種包装材
料や建装用紙、具体的には、冷凍食品用やテイクアウト
食品用トレイ、紙カップ、段ボールライナー及び中芯原
紙、インスタント食品用紙容器、化粧紙、育苗ポット紙
などの用途に使用ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友美子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 3E033 BA10 BB08 CA03 FA10 3E086 AD05 AD06 BA02 BA14 BB01 BB71 BB85 CA01 4J002 AB011 EC076 FD206 4J036 AH01 AJ21 AJ22 BA09 DC01 DC03 DC04 DC05 DD08 DD09 FB18 HA06 HA11 JA15 4L055 AC10 AF09 AF44 AG86 AG98 AH23 AH24 BB30 BF06 EA30 EA32 FA30 GA05 GA30 GA48

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R1mM(OR2)n−mで表されるオル
    ガノアルコキシ金属1種以上(以下式1と称す)(式
    中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは
    0<m<lの整数、R1は炭素数1〜10個の炭素主鎖
    1種以上で構成され、エポキシ基、或いはエポキシシク
    ロヘキシル基を1個以上その構造中に含む。R2は炭素
    数1〜3の低級アルキル基を示す。)と、R3mM(O
    R4)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以
    上(以下式2と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属
    元素の酸化数、置換数mは0<m<lの整数、R3は炭
    素数1〜10個の炭素主鎖1種以上よりなり、炭素主鎖
    間または末端のいずれか1方もしくは双方にエポキシ基
    と反応して加水分解縮合反応により開環重合させる基を
    1個以上その構造中に含む。R4は炭素数1〜3の低級
    アルキル基を示す。)とで構成されたオルガノポリ酸化
    金属の水溶液、或いは水性エマルジョンに、微細フィブ
    リル化セルロース、または改質微細化セルロースからな
    るセルロース担持体を混合してオルガノポリ酸化金属を
    担持させたセルロース複合体。
  2. 【請求項2】R5mM(OR6)n−mで表されるオル
    ガノアルコキシ金属化合物1種以上(以下式3と称す)
    (式中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数
    mは0<m<nの整数、R5は炭素数1〜20個のアル
    キル基、又はフルオロアルキル基やシリコーン基、アル
    ケニル基、芳香族を含有する置換基を1種以上で構成さ
    れる。R6は炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)
    を加えたことを特徴とする、請求項1記載のセルロース
    複合体。
  3. 【請求項3】R1mM(OR2)n−mで表されるオル
    ガノアルコキシ金属1種以上(以下式1と称す)(式
    中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは
    0<m<lの整数、R1は炭素数1〜10個の炭素主鎖
    1種以上で構成され、エポキシ基、或いはエポキシシク
    ロヘキシル基を1個以上その構造中に含む。R2は炭素
    数1〜3の低級アルキル基を示す。)と、R3mM(O
    R4)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以
    上(以下式2と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属
    元素の酸化数、置換数mは0<m<lの整数、R3は炭
    素数1〜10個の炭素主鎖1種以上よりなり、炭素主鎖
    間または末端のいずれか1方もしくは双方にエポキシ基
    と反応して加水分解縮合反応により開環重合させる基を
    1個以上その構造中に含む。R4は炭素数1〜3の低級
    アルキル基を示す。)とが少なくともオルガノポリ酸化
    金属を担持させた状態でポリマー化している事を特徴と
    するセルロース複合体。
  4. 【請求項4】R1mM(OR2)n−mで表されるオル
    ガノアルコキシ金属1種以上(以下式1と称す)(式
    中、Mは金属元素、nは金属元素の酸化数、置換数mは
    0<m<lの整数、R1は炭素数1〜10個の炭素主鎖
    1種以上で構成され、エポキシ基、或いはエポキシシク
    ロヘキシル基を1個以上その構造中に含む。R2は炭素
    数1〜3の低級アルキル基を示す。)と、R3mM(O
    R4)n−mで表されるオルガノアルコキシ金属1種以
    上(以下式2と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属
    元素の酸化数、置換数mは0<m<lの整数、R3は炭
    素数1〜10個の炭素主鎖1種以上よりなり、炭素主鎖
    間または末端のいずれか1方もしくは双方にエポキシ基
    と反応して加水分解縮合反応により開環重合させる基を
    1個以上その構造中に含む。R4は炭素数1〜3の低級
    アルキル基を示す。)と、R5mM(OR6)n−mで
    表されるオルガノアルコキシ金属化合物1種以上(以下
    式3と称す)(式中、Mは金属元素、nは金属元素の酸
    化数、置換数mは0<m<nの整数、R5は炭素数1〜
    20個のアルキル基、又はフルオロアルキル基やシリコ
    ーン基、アルケニル基、芳香族を含有する置換基を1種
    以上で構成される。R6は炭素数1〜3の低級アルキル
    基を示す。)が少なくともオルガノポリ酸化金属を担持
    させた状態でポリマー化している事を特徴とする請求項
    3記載のセルロース複合体。
  5. 【請求項5】式2中に示されるオルガノアルコキシ金属
    のエポキシ基と反応して加水分解縮合反応により開環重
    合させる基が、アミノ基(第1級アミノ基、第2級アミ
    ノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基の中の
    少なくとも1つ)であることを特徴とする請求項1ない
    し4いずれかに記載のセルロース複合体。
  6. 【請求項6】式1の化合物と、式2の化合物との混合モ
    ル比が、5/5〜9.99/0.01であることを特徴
    とする、請求項1ないし5いずれかに記載のセルロース
    複合体。
  7. 【請求項7】前記オルガノアルコキシ金属が、酸性、或
    いはアルカリ性の条件下の水、或いは水/水溶性有機溶
    媒の混合系で混合することで加水分解縮合させたオルガ
    ノポリ酸化金属の水溶液、或いは水性エマルジョンを用
    いたことを特徴とする、請求項1ないし6記載のいずれ
    かに記載のセルロース複合体。
  8. 【請求項8】前記セルロース担持体の改質微細化セルロ
    ースが、微細フィブリル化セルロース、あるいは微粉末
    化セルロースを酸化処理して、セルロース分子の還元末
    端、またはセルロース骨格におけるピラノース環の第6
    位を選択的に酸化し、カルボキシル基に変換された構造
    を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか
    に記載のセルロース複合体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の改質微細化セルロースのカ
    ルボキシル基量Xが、改質処理前の微細化セルロースの
    カルボキシル基量をX0とした場合、X0<X≦30X
    0の範囲にあることを特徴とするセルロース複合体。
  10. 【請求項10】前記式1、式2、および式3のオルガノ
    アルコキシ金属中の金属元素のMが、Si、Al、S
    n、ZrまたはTiであることを特徴とする、請求項1
    ないし9のいずれかに記載のセルロース複合体。
  11. 【請求項11】前記式1、式2、および式3のオルガノ
    アルコキシ金属中の金属元素のMが、Siからなるオル
    ガノアルコキシ金属の中からオルガノポリシロキサンを
    選択したことを特徴とする、請求項10記載のセルロー
    ス複合体。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11のいずれかに記載の
    セルロース複合体を内添したことを特徴とする内添紙製
    品。
  13. 【請求項13】前記オルガノアルコキシ金属の内添量
    が、SiO2換算値で1重量%以上、好ましくは5〜2
    0%含まれることを特徴とする、請求項12記載の内添
    紙製品。
  14. 【請求項14】前記オルガノアルコキシ金属の水溶液、
    或いは水性エマルジョンのSiO2固形分濃度が0.0
    1%以上10%以下、望ましくは0.01%以上5%以
    下、或いは樹脂分を含めた全固形分濃度が2.5%以上
    40%以下である水溶液、或いは水性エマルジョンに微
    細フィブリル化セルロース、或いは改質微細化セルロー
    スを混合してオルガノポリシロキサンを担持した微細フ
    ィブリル化セルロース複合体、或いは改質微細化セルロ
    ース複合体のいずれかからなるセルロース複合体を内添
    したことを特徴とする請求項12記載の紙製品。
  15. 【請求項15】前記内添紙製品が、容器であることを特
    徴とする、請求項12ないし14のいずれかに記載の湿
    式のパルプモールド成形により成形されたものであるこ
    とを特徴とする内添紙製品。
  16. 【請求項16】請求項12記載の内添紙製品が、湿式の
    パルプモールド成形により成形された容器であることを
    特徴とする内添紙製品。
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