JP2002321226A - 成形型及びその製造方法 - Google Patents

成形型及びその製造方法

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molding
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Kinji Okamoto
錦治 岡本
Isao Matsuo
功 松尾
Hiroyuki Takayama
広幸 高山
Takashi Terada
隆司 寺田
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形型を設計データに基づいて短期間で、か
つ容易に製造する。 【解決手段】 成形型の製造方法であって、製造しよう
とする成形型の設計データに基づき、その成形型を複数
の層に分割することを想定することで各層の断面形状を
決定し、決定された各断面形状を有する基材を積層す
る。これにより、所望する成形型を設計データに基づい
て短期間で、かつ熟練した技術などを要することなく容
易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形型とその製造
方法に関するもので、詳しくは紙などの基材を積層する
技術を利用した成形型及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層造形に関する技術として
は、例えば特開平9-122821号公報に開示されているもの
が公知である。この技術では、所定の製品における設計
データ(CADで作成した三次元データ)に基づく紙積
層造形により、最終製品やその試作品などを製作してい
る。なお紙積層造形によって得られる試作品は、最終製
品の検討モデルとして利用される他に、最終製品を成形
する型製造のための模型としても利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術によれ
ば、例えば試作品を紙積層造形によって製作しても、そ
れを模型として成形型を製造するには長い期間と熟練し
た技術とが必要である。本発明はこの課題を解決しよう
とするもので、その目的は、成形型を設計データに基づ
いて短期間で、かつ容易に製造できるようにすることで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するためのもので、請求項1に記載の発明は、成形型の
製造方法であって、製造しようとする成形型の設計デー
タに基づき、その成形型を複数の層に分割することを想
定することで各層の断面形状を決定し、決定された各断
面形状を有する基材を積層する。これにより、所望する
成形型を設計データに基づいて短期間で、かつ熟練した
技術などを要することなく容易に製造できる。なお設計
データとしては、CADで作成した三次元データに基づ
くラピッド・プロトタイプの活用が有効であり、また三
次元データには成形型で成型しようとしている製品のC
ADデータなども含む。
【0005】請求項2に記載の発明は、成形型の製造方
法であって、製造しようとする成形型の設計データに基
づき、その成形型を複数の層に分割することを想定する
ことで各層の断面形状を決定し、決定された各断面形状
を有する基材を積層した後、成形型として要求される性
能を満たすための表面処理を施す。この表面処理によっ
て成形型に必要な性能を確保することができる。
【0006】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
された成形型の製造方法であって、前記の表面処理とし
て成形型の表面に金属溶射により金属層を形成する。金
属溶射とは、溶けた金属粉を吹き付けて対象物に付着さ
せる技術であり、これによって成形型の表面に前記の金
属層を容易に形成でき、結果として成形型に必要な性能
が簡単に得られる。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
された成形型の製造方法であって、前記金属層の表面を
研磨することにより樹脂材の発泡成形に必要な滑らかさ
に仕上げる。この成形型によって例えばシートパッドな
どの試作品を発泡成形した場合に、最終製品とほとんど
同程度の表面精度をもったパッドのモデルを提供でき
る。このモデルに表皮を貼り付けて最終製品(シート)
を検討する際に、表皮の張り具合といったような意匠的
な要素についても正確に検討できる。
【0008】請求項5に記載の発明は、所定の製品を成
形するための成形型であって、一定の厚みで複数の層に
分割された基材が積層されて一体化されているととも
に、その表面に金属層が形成されている。この成形型に
よれば、多くの個数を必要としない試作品などを成形す
る場合に最適である。
【0009】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
された成形型であって、前記金属層が樹脂材の発泡成形
に必要な温度まで型温度を高めることが可能になってい
る。この成形型は、ウレタン発泡によるシートパッドな
どの試作品を成形するのに適している。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は成形型の製造工程を表したブロック図であ
る。この成形型の製造工程はデータ作成工程、積層造形
工程、補強工程、型枠取付け工程、および金属層形成工
程に大別される。まずデータ作成工程においては、コン
ピュータ支援により設計された開発製品(本実施の形態
ではクッションパッド)の三次元CADデータを取り込
み、このCADデータをSTLデータに変換する。ST
L(stereo lithography file)とは、周知のように開
発製品のラピッド・プロトタイプを作成する場合などに
おいて利用されるデータ形式の一つである。なお開発製
品をつくるための成形型の三次元データがCADで作成
されている場合には、そのCADデータを利用する。
【0011】つぎに積層造形工程について説明する。こ
の積層造形では、前記のSTLデータに基づき、製造し
ようとする成形型が複数の層に分割されたことを想定す
ることで各層の断面形状を決定し、決定された各断面形
状を有する基材を積層して目的の成形型を製造する。具
体的には所定の基材(本実施の形態では紙)を順次供給
して積層(接着)し、前記のようにして決定された断面
形状に切断するといった作業を繰り返す。
【0012】ここで、図2に示す紙積層造形装置20に
よる積層造形の概要について説明する。この紙積層造形
装置20では、昇降制御されるテーブル22の上面に、
新しい紙(基材14)が巻かれた供給ロール24から基
材14を自動供給するようになっている。供給された基
材14は、テーブル22の昇降制御の協力を得て順に積
層され、かつ積層される毎にローラ(図示外)で表面を
加圧することにより、互いの表裏が接触している基材1
4同士を接着する。また基材14が積層されて接着され
る毎に、レーザー加工機のレーザーヘッド26から照射
されるレーザービームにより、新しく積層された表面の
基材14を前記の決定された断面形状に切断する。なお
レーザーカット後に枠状に残った部分の紙は連続したま
まであり、回収ロール28に順次巻き取られていく。
【0013】以上の作業が自動的に繰り返されて、紙積
層造形が完了する。この後、成形型として不要な部分の
基材を作業者によって剥離する。これによって例えばC
ADで設計した開発製品の三次元データに基づき、その
成形型を短期間で、かつ熟練した技術などを要すること
なく製造できる。
【0014】図1の補強工程では、積層造形によって得
られた成形型の基材14に対して樹脂液を含浸させる。
これによって積層状態にある基材14同士の一体化が強
化され、成形型の強度がアップする。なおこの補強工程
では樹脂液に負圧をかけて成形型の一方から他方へ強制
的に吸引することにより、この樹脂液を基材14に効率
よく含浸させることができる。
【0015】型枠取付け工程においては、例えばアルミ
によって製作された型枠を、前記成形型の外側に取り付
ける。この状態での成形型が図3の斜視図に示されてい
る。この成形型10は下型12と上型13とからなって
おり、それぞれの外側に型枠16,17が取り付けられ
ている。これらの型枠16,17が下型12および上型
13の殻となり、成形型10の使用強度が保障される。
【0016】金属層形成工程においては、図3で示す溶
射装置30によって下型12および上型13の表面処理
として金属層を形成する。この溶射装置30は、リール
状に巻かれた二種類(アルミおよびスズ)の金属ワイヤ
32をそれぞれガン34に送り、これらの金属ワイヤ3
2をスパークさせて溶けた金属粉とし、これをエアーに
より対象物に吹き付けて付着させることができる。この
溶射装置30によって下型12および上型13の表面
(成形面と型合わせ面)に溶けた金属粉を溶射し、厚み
が0.2〜0.3mm程度の金属層を形成する。この後、金属層
の表面をサンドペーパなどによって研磨して所定の滑ら
かさに仕上げる。
【0017】図4に前記のようにして製造された成形型
10が断面で示されている。この図面で明らかなよう
に、下型12および上型13の表面には金属層18がそ
れぞれ形成されている。そしてこの成形型10はウレタ
ン樹脂の発泡成形によってシートパッドなどの試作品を
成形するために用いられる。このため、下型12および
上型13における金属層18の表面は、前記の研磨によ
ってウレタン樹脂の発泡成形に必要な滑らかさに仕上げ
られている。
【0018】つぎに図5〜7に基づいて前記の成形型1
0によるウレタン樹脂の発泡成形について説明する。ま
ず成形型10を発泡成形の自動機にセットする。そして
図5(a)で示す状態において下型12および上型13
の型面(金属層18の表面)に離型材を塗布した後、図
5(b)で示すように下型12および上型13の合わせ
面に隙間をあけた状態で図5(c)で示す加熱炉40に
入れる。この加熱炉40は例えば熱風循環式の炉であっ
て、この炉内で成形型10を型温度が60〜70℃になるま
で加温する。
【0019】予備加温された成形型10を前記の加熱炉
40から取り出し、図6(a)で示す状態において下型
12の内部にウレタン発泡のための二液をロボットによ
り混合注入する。この後、図6(b)で示すように下型
12および上型13を密閉した状態で図6(c)で示す
前記の加熱炉40に入れ、ウレタン樹脂を発泡させるた
めに型温度が60〜70℃になるまで加温する。そして最後
に前記の加熱炉40から成形型10を取り出し、図7
(a)で示すように下型12および上型13を開いて図
7(b)で示す発泡製品50(シートパッド)を取り出
す。
【0020】前記の成形型10によって成形された発泡
製品50は、その寸法精度はもちろんのこと、表面の滑
らかさにおいても最終製品とほとんど同程度になってい
る。これに対し、従来はシートパッドの設計図に基づい
て作業者が発泡ウレタンのブロックから試作品を削り出
している。このため特に表面の仕上げが難しく、最終製
品と同程度の滑らかさをだすことができず、表皮を貼っ
た状態での意匠的な検討は困難である。しかし前記の発
泡製品50を検討モデルに用いれば、このモデルに貼り
付けた表皮の張り具合などをリアルに表すことができ、
正確な検討が可能となる。
【0021】試作品としての発泡製品50は、シートパ
ッドの場合でもせいぜい2〜5個も成形すれば充分である
から、基材14の積層造形を利用した前記の成形型10
によって支障なく対応できる。また成形型10をウレタ
ン樹脂の発泡成形型としてではなく、他の成形に用いる
ことも可能である。例えば成形の対象物が薄い金属板で
あれば、そのプレス成形に用いることも可能である。な
おプレス成形の場合には、前記金属層18を省略するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形型の製造工程を表したブロック図
【図2】紙積層造形装置の概要を表した説明図
【図3】金属溶射作業の概要を表した説明図
【図4】成形型の断面図
【図5】ウレタン樹脂の発泡成形における離型処理およ
び予備加温処理を表した説明図
【図6】ウレタン樹脂の発泡成形における二液注入処理
および発泡処理を表した説明図
【図7】ウレタン樹脂の発泡成形における脱型処理を表
した説明図
【符号の説明】
10 成形型 14 基材 18 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 広幸 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 寺田 隆司 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA42 AG20 AH26 AJ01 AJ09 CA01 CB01 CD18 CD22 CD28 CD30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造しようとする成形型の設計データに
    基づき、その成形型を複数の層に分割することを想定す
    ることで各層の断面形状を決定し、決定された各断面形
    状を有する基材を積層する成形型の製造方法。
  2. 【請求項2】 製造しようとする成形型の設計データに
    基づき、その成形型を複数の層に分割することを想定す
    ることで各層の断面形状を決定し、決定された各断面形
    状を有する基材を積層した後、成形型として要求される
    性能を満たすための表面処理を施す成形型の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された成形型の製造方法
    であって、前記の表面処理として成形型の表面に金属溶
    射により金属層を形成する成形型の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された成形型の製造方法
    であって、前記金属層の表面を研磨することにより樹脂
    材の発泡成形に必要な滑らかさに仕上げる成形型の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 所定の製品を成形するための成形型であ
    って、一定の厚みで複数の層に分割された基材が積層さ
    れて一体化されているとともに、その表面に金属層が形
    成されている成形型。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された成形型であって、
    前記金属層が樹脂材の発泡成形に必要な温度まで型温度
    を高めることが可能になっている成形型。
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