JP7116658B2 - 樹脂発泡体成形用金型の製造方法、及び、樹脂発泡体成形用金型 - Google Patents
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Description
金型成形面を、3Dプリンタにより造形された造形物で肉盛りするものである。
本発明の樹脂発泡体成形用金型の製造方法によれば、金型成形面の盛る方向の形状変更を容易に実現できる。
前記製造方法は、
3Dプリンタにより前記造形物を造形する、造形ステップと、
前記造形ステップの後、前記造形物を前記金型成形面に固定する、固定ステップと、
を、含むと、好適である。
これにより、金型成形面の盛る方向の形状変更を、より容易に実現できる。
前記製造方法は、
前記固定ステップの前に、前記金型成形面のうち、前記造形物が配置される配置部分に、前記配置部分の面積よりも小さな開口面積を有する凹部を形成する、凹部形成ステップ
を、さらに含み、
前記固定ステップでは、少なくとも前記凹部に、接着剤を配置することで、前記造形物を前記金型成形面の前記配置部分に固定すると、好適である。
これにより、造形物をより確実に金型成形面に固定できる。
前記凹部形成ステップでは、前記凹部を、前記配置部分のうちの外縁側部分に、形成すると、好適である。
これにより、造形物を、より確実かつ効率的に、金型成形面に固定できる。
前記凹部形成ステップでは、複数の前記凹部を、前記配置部分に形成すると、好適である。
これにより、造形物をより確実に金型成形面に固定できる。
前記製造方法は、
前記金型成形面の上に、3Dプリンタにより前記造形物を造形する、造形ステップを、含む場合も、好適である。
これによっても、金型成形面の盛る方向の形状変更を、より容易に実現できる。
前記樹脂発泡体成形用金型は、車両用シートパッドを成形するように構成されており、
前記製造方法では、前記金型成形面における曲面部分を、前記造形物で肉盛りすると、よい。
これにより、車両用シートの表面形状や、シートパッドに対する表皮のフィット具合を、効果的に調整でき、ひいては、車両用シートの外観を効果的に調整できる。
金型成形面が、3Dプリンタにより造形された造形物で肉盛りされたものである。
本発明の樹脂発泡体成形用金型によれば、金型成形面の盛る方向の形状変更を容易に実現できる。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
以下では、樹脂発泡体成形用金型を、単に「金型」ともいう。
この樹脂発泡体成形用金型の製造方法は、事前に、従来と同様に金型1’を鋳造し(鋳造ステップ)、その後、金型1’の金型成形面Sに形状変更が必要となったとき等に、金型成形面Sを、3Dプリンタにより造形された造形物20で肉盛りする(肉盛りステップ)ものである。本明細書では、鋳造ステップで得られた金型を、「肉盛り前の金型1’」あるいは「金型1’」といい、肉盛りステップで得られた金型を、「肉盛り後の金型1」あるいは「金型1」という。
図7に示すように、本例において、肉盛り前の金型1’は、金属(例えば、アルミニウム)製であり、下型1Lと上型1Uとを備えている。下型1Lは、クッションパッドの上面(着座者側の面)を成形するように構成された金型成形面Sを有している。上型1Uは、クッションパッドの裏面(下面)を成形するように構成された金型成形面Sを有している。下型1Lと上型1Uとが閉じた状態では、金型1’の金型成形面Sが、キャビティCを区画する。一方、肉盛り後の金型1は、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sが、造形物20で肉盛りされたものであり、すなわち、肉盛り前の金型1’に加えて、造形物20を、さらに備える。図7の例では、造形物20が、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sの一部(より具体的には、下型1Lの金型成形面Sの一部)を覆うように設けられている。肉盛り後の金型1においては、造形物20におけるキャビティC側の面20Sが、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sのうち、造形物20によって覆われた部分に代わり、新たな金型成形面20Sを構成する。これによって、金型1’の金型成形面Sの形状変更が完了する。
第1実施形態において、肉盛りステップは、造形用データ生成ステップと、造形ステップと、凹部形成ステップと、固定ステップとを、含む。以下では、これらを順番に説明する。
まず、造形用データ生成ステップにおいて、造形物20の3D造形用データPDDを生成する(図1)。
造形物20の「3D造形用データPDD」は、図2を参照しながら後述する造形ステップにおいて、3Dプリンタ400の造形部420が造形を行う際に3Dプリンタ400の制御部410に読み込まれるものであり、制御部410が、造形部420に、造形物20を、造形させるように構成されている。3D造形用データPDDは、例えば、造形物20の各層の2次元形状を表すスライスデータを含む。
より具体的に、造形用データ生成ステップでは、例えば、図1に示すように、肉盛り後形状の3次元形状データCDTと、肉盛り前形状の3次元形状データCDOとを、比較して、両者の差分形状を抽出し、その差分形状の3次元形状データdiを生成する。そして、その差分形状の3次元形状データdiを、3D造形用データに変換し、これを造形物(差分形状の造形物)20の3D造形用データPDDとする。これらは、専用のソフトウェアが搭載されたコンピュータを用いて行う。「3次元形状データ(CDT、CDO、di)」は、例えば、3次元CADデータである。
ここで、「肉盛り後形状の3次元形状データCDT」は、肉盛りステップにより最終的に得ようとする金型1によって成形される樹脂発泡体の目標形状、又は、肉盛りステップにより最終的に得ようとする金型1のキャビティ(ひいては、金型成形面)の目標形状を表す、3次元形状データである。肉盛り後形状の3次元形状データCDTは、例えば、肉盛り前の金型1’を用いて成形された樹脂発泡体の一部を削る等して、上記目標形状に形成された樹脂発泡体を、3Dスキャナにより3Dスキャンすることにより、得ると、好適である。あるいは、ソフトウェア(例えば、3次元CADソフトウェア)を用いてコンピュータ上で上記目標形状を描くことにより、得てもよい。後者の場合、ソフトウェア(例えば、3次元CADソフトウェア)を用いて、コンピュータ上で、肉盛り前形状の3次元形状データCDOの図面の一部を削ることにより上記目標形状を描くと、好適である。
「肉盛り前形状の3次元形状データCDO」は、肉盛り前の金型1’によって成形される樹脂発泡体の形状、又は、肉盛り前の金型1’のキャビティ(ひいては、金型成形面)の形状を表す、3次元形状データである。肉盛り前形状の3次元形状データCDOは、例えば、肉盛り前の金型1’を用いて成形された樹脂発泡体、又は、肉盛り前の金型1’のキャビティ(ひいては、金型成形面)を、3Dスキャナにより3Dスキャンすることにより、得ると、好適である。
造形用データ生成ステップの後、造形ステップにおいて、3Dプリンタ400により造形物20を造形する(図2)。
造形物20を構成する材料は、金属製である肉盛り前の金型1’との熱膨張率差を小さく抑える観点や、発泡成形時の高温に耐えられるようにする観点から、エンジニアリングプラスチック、金属(アルミニウム等)粉を含む樹脂、又は、金属(アルミニウム等)が、好適である。例えば、金型1によって成形される樹脂発泡体がポリウレタンフォームである場合、造形物20を構成する材料は、100℃程度の高温に耐えられると好適である。また、上述した材料であれば、発泡成形時の圧力にも十分に耐えられる。
3Dプリンタ400は、例えば、熱溶融積層方式(FDM方式)、パウダーベッド方式、粉末焼結積層方式、光造形方式、インクジェット方式等、任意の造形方式を用いて造形を行ってよい。
3Dプリンタ400は、例えば、CPU等によって構成された制御部410と、制御部410による制御に従って造形を行う造形部420と、造形される造形物20等を載せるための支持台430と、支持台430及び造形物20が収容される収容体440と、を備える。造形部420は、例えば、造形物20を構成するための材料、あるいは、レーザ光等を、出力するように構成された、ノズル421を、備える。
このように構成された3Dプリンタ400は、まず、制御部410が、造形物20の3D造形用データPDDを読み込み、読み込んだ3D造形用データPDDに含まれる3次元形状に基づいて、造形部420を制御しながら、各層を順次造形していく。
3Dプリンタ400による造形が完了した後は、造形物20を収容体440から取り出す。それにより、最終的に、造形物20が得られる。
凹部形成ステップでは、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sのうち、造形物20が配置される配置部分LPに、配置部分LPの面積よりも小さな開口面積を有する凹部Rを形成する(図3)。
凹部Rは、金型成形面Sに開口する、有底の窪みである。
凹部形成ステップは、鋳造ステップの後、かつ、後述の固定ステップの前における、任意のタイミングで行ってよい。
肉盛り前の金型1’の金型成形面Sにおける、造形物20の配置部分LPの位置及び範囲の特定は、例えば、凹部形成ステップを実施する作業者が、コンピュータ上で、肉盛り後形状の3次元形状データCDT又は肉盛り前形状の3次元形状データCDOによって表される全体形状に対する、差分形状の3次元形状データdi(図1)によって表される差分形状の位置及び範囲を確認しながら、行う。そして、凹部形成ステップでは、例えば、作業者が、ドリル等の工具Tを用いて、金型成形面Sにおける配置部分LPに、凹部Rを形成する。
あるいは、凹部形成ステップは、工作機械によって自動的に行われてもよい。この場合、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sにおける、造形物20の配置部分LPの位置及び範囲の特定は、例えば、コンピュータが、肉盛り後形状の3次元形状データCDT又は肉盛り前形状の3次元形状データCDOによって表される全体形状に対する、差分形状の3次元形状データdi(図1)によって表される差分形状の位置及び範囲を特定することにより、行う。そして、凹部形成ステップでは、例えば、工作機械が、コンピュータが特定した配置部分LPの位置及び範囲の情報に基づき、金型成形面Sにおける配置部分LPに、凹部Rを形成する。
固定ステップでは、造形物20を金型成形面Sに固定する(図4~図5)。
固定ステップは、造形ステップの後に行う。本実施形態のように、前述の凹部形成ステップを行う場合は、凹部形成ステップの後に、固定ステップを行う。
本実施形態において、固定ステップでは、接着剤Aによって、造形物20を金型成形面Sに固定する。より具体的には、金型成形面Sにおける配置部分LPの少なくとも一部(好適には、配置部分LPの外縁eLP側の部分、より好適には、配置部分LPのほぼ全体)に接着剤Aが配置されるように、接着剤Aを金型成形面Sにおける配置部分LP及び/又は造形物20に塗布し、造形物20を配置部分LPの上に貼り付ける。これにより、造形物20を金型成形面Sにおける配置部分LPに固定する。
ここで、本実施形態のように、固定ステップの前に上述の凹部形成ステップを行った場合、金型成形面Sにおける配置部分LPのうち、少なくとも凹部Rのある部分に接着剤Aが配置されるように、接着剤Aを金型成形面Sにおける配置部分LP及び/又は造形物20に塗布すると、好適である。これにより、図5に一部拡大図で示すように、接着剤Aが凹部Rの内部に溜まることができるので、凹部Rが無い場合に比べて、アンカー効果により、より確実に、造形物20を金型成形面Sに固定することが可能になる。このように、凹部形成ステップにより形成される凹部Rは、固定ステップで接着剤Aを用いる場合に、接着剤Aが溜まる場所を提供し、アンカー効果を発揮させる機能を有するものである。
固定ステップが完了すると、肉盛り後の金型1(図7)が得られる。肉盛り後の金型1のキャビティの形状、ひいては、肉盛り後の金型1によって成形される樹脂発泡体Fの形状は、肉盛り後形状の3次元形状データCDT(図1)の形状と同じとなる。
また、3Dプリンタ400を用いて肉盛りするので、肉盛り部分(造形物20)の形状を、所期したとおり(上述の差分形状の3次元形状データdi(図1)のとおり)に、精度良く実現できる。なお、3Dプリンタを用いて肉盛りする代わりに、例えば溶接により、金属(アルミニウム等)を、直接、金型成形面Sの上に肉盛りすることも考えられるが、所期したとおりの肉盛り形状を精度よく再現することは難しく、また、溶接によって、肉盛り部分や金型成形面Sに、歪みや変形が生じるおそれもある。
仮に、造形物20が金型成形面Sから取り外し可能に構成された場合、造形物20の耐久性の観点から、造形物20の形状に制約が出てくる(例えば、薄い形状や、鋭利な形状は、好ましくない)。その点、本実施形態では、造形物20が金型成形面Sに固定されるので、造形物20が金型成形面Sから取り外し可能に構成された場合に比べ、造形物20の形状に制約は少なく、あらゆる形状が可能である(薄い形状や、鋭利な形状でもよい)。
また、仮に、造形物20が金型成形面Sから取り外し可能に構成された場合、造形物20と金型成形面Sとの間に隙間ができやすく、発泡成形時において樹脂がその隙間に入ってバリを形成しやすいため、離型の妨げになるおそれや、離型時に造形物20が金型成形面Sから剥離するおそれや、離型後にバリを除去する工程が必要になるおそれなどがある。その点、本実施形態では、造形物20が金型成形面Sに固定されるので、造形物20と金型成形面Sとの間に隙間ができにくく、発泡成形時において樹脂が造形物20と金型成形面Sとの間に入るおそれを回避できる。
肉盛り前形状の3次元形状データCDOとしては、肉盛り前の金型1’の製造時に用いられた、金型1’のキャビティ(ひいては、金型成形面)の形状を表す3次元形状データを使うことも考えられる。しかし、一般的に、この3次元形状データに基づいて金型1’が製造される過程においては、当該3次元形状データに基づいて最初の金型モデル(「マスターモデル」と呼ばれる)が作製された後、幾度も反転が行われる。その結果、最終的に鋳造される金型1’の形状は、当該3次元形状データの形状からの誤差があることが多く、また、その誤差も、同じ3次元形状データに基づいて鋳造された複数の金型1’どうしの間で、バラツキがあることが多い。そのため、肉盛り前形状の3次元形状データCDOとして、肉盛り前の金型1’の製造時に用いられた、金型1’のキャビティ形状の3次元形状データを使う場合、そのような誤差を、造形物20に反映させることができず、ひいては、造形物20を金型1’の金型成形面Sに設けたときに、造形物20と金型成形面Sとの間に隙間ができたり、造形物20による肉盛り後の金型成形面S、20Sの形状が、肉盛り後形状の3次元形状データCDTと一致しないおそれがある。
これにより、仮に凹部Rを1つのみ形成した場合に比べて、アンカー効果を複数の分散した箇所で発揮させることができるので、造形物20をより確実に金型成形面Sに固定できる。よって、離型時において、造形物20が金型成形面Sから剥離するのを効果的に抑制できる。
これにより、固定ステップにおいて造形物20を金型成形面Sにおける配置部分LPに接着固定させた場合に、少なくとも、金型成形面Sにおける配置部分LPのうちの外縁eLP側部分(ひいては、造形物20の外縁側部分)で、アンカー効果を発揮させて、造形物20を、より確実かつ効率的に、金型成形面Sに固定できる。
仮に、金型成形面Sにおける配置部分LPのうちの外縁eLP側部分(ひいては、造形物20の外縁側部分)で、固定が十分でないと、発泡成形時において金型成形面Sと造形物20との間に樹脂が入ってバリを形成しやすくなるため、離型の妨げになるおそれや、離型時に造形物20が金型成形面Sから剥離するおそれや、離型後にバリを除去する工程が必要になるおそれなどがある。また、離型時において、造形物20には、特にその外縁側部分に、離型方向の力が掛かる。
よって、凹部Rを、少なくとも、金型成形面Sにおける配置部分LPのうちの外縁eLP側部分に、形成することにより、発泡成形時において金型成形面Sと造形物20との間に樹脂が入るのを効果的に抑制でき、また、離型時において、造形物20が金型成形面Sから剥離するのを効果的に抑制できる。
同様の観点から、複数の凹部Rを、金型成形面Sにおける配置部分LPのうちの外縁eLP側部分に、形成すると、より好適である。
また、同様の観点から、1つまたは複数(好適には、複数)の凹部Rの金型成形面Sへの開口の中心と、配置部分LPの外縁eLPとの間の、最短距離d(図3)が、それぞれ、15mm以下であると好適であり、10mm以下であるとより好適である。「最短距離d」は、1つの凹部Rの金型成形面Sへの開口の中心と配置部分LPの外縁eLPとの間の距離のうち、距離が最短となるときの距離を指す。
また、造形物20を金型成形面Sにおける配置部分LPに、より確実に接着固定させる観点から、凹部Rが、金型成形面Sにおける配置部分LPのうちの外縁eLP側部分に加えて、配置部分LPのうちの外縁eLP側部分よりも内側の部分にも形成されていると、より好適である。
また、固定ステップでは、接着剤以外の固定手段によって、造形物20を金型成形面Sに固定してもよく、例えば、テープ又はシールによって固定してもよい。この場合、凹部形成ステップは不要である。ただし、固定手段として接着剤を用いる場合のほうが、その他の固定手段により固定する場合に比べて、金型成形面S、20Sに余計な段差を形成するおそれが少なく、また、より確実に固定することができる。
第2実施形態は、鋳造ステップ、造形用データ生成ステップが、第1実施形態について上述したものと同様であり、造形ステップの具体的な方法が、第1実施形態とは異なる。凹部形成ステップと固定ステップは、不要である。
第2実施形態において、造形ステップでは、直接、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sの上に、3Dプリンタ400により造形物20を造形する。
ここで、肉盛り前の金型1’の金型成形面Sにおける、造形物20の配置部分LPの位置及び範囲の特定は、例えば、3Dプリンタ400を操作する作業者が、コンピュータ上で、肉盛り後形状の3次元形状データCDT又は肉盛り前形状の3次元形状データCDOによって表される全体形状に対する、差分形状の3次元形状データdi(図1)によって表される差分形状の位置及び範囲を確認しながら、行う。そして、作業者は、特定した造形物20の配置部分LP上に、造形物20が造形されるように、金型1’を3Dプリンタ400の支持台430上に配置する。このとき、例えば配置部分LPが金型1’の側面側にある場合など、必要に応じて、金型1’を傾けた状態で、金型1’を支持台430上に配置してもよい。
3Dプリンタ400による造形が完了した後は、肉盛り後の金型1を収容体440から取り出す。それにより、最終的に、肉盛り後の金型1が得られる。
なお、金型成形面S上に造形された造形物20は、固化すると、金型成形面S上に固着した状態となる。したがって、第1実施形態のように固定ステップを行わずとも、造形物20は金型成形面Sに固定された状態となる。よって、第1実施形態の固定ステップについて上述した効果と同様の効果が得られる。
その他、造形物20を構成する材料や、3Dプリンタ400の構成については、第1実施形態で説明したことと同様である。
例えば、図示の例のように、金型1’がシートパッドのクッションパッドを成形するように構成されている場合、金型1’の下型1Lに代えて又は加えて、金型1’の上型1Uの金型成形面Sの少なくとも一部を、造形物20で肉盛りしてもよい。また、図示は省略するが、金型1’がシートパッドのバックパッドを成形するように構成されている場合も、金型1’の下型1L及び/又は上型1Uの金型成形面Sの少なくとも一部を、造形物20で肉盛りしてもよい。
一般的に、車両用シートパッドは、フレームの上に配置されるとともに、表皮が被せられることによって、車両用のシートとなる。この状態において、シートパッドとフレームと表皮との間には、テンションが掛かるが、このテンションの掛かり具合によって、シートの表面形状や、表皮のシートパッドに対するフィット具合が、変わってくる。シートの表面形状や、シートパッドに対する表皮のフィット具合は、シートの外観(意匠性)において非常に重要であり、これらを微調整するために、シートパッド成形用金型の金型成形面における曲面部分に、微細な形状変更が必要となる場合が多い。
肉盛り前の金型1’の金型成形面Sにおける曲面部分を、造形物20で肉盛りするにより、車両用シートの表面形状や、シートパッドに対する表皮のフィット具合を、効果的に調整でき、ひいては、車両用シートの外観を効果的に調整できるのである。
すなわち、造形物20による肉盛りは、厚さ5mm以下程度の微細な形状変更を行う場合に、特に好適なものである。この場合、造形物20が十分に薄いので、樹脂発泡体Fの離型時に造形物20が金型成形面Sから剥離するのを効果的に回避できる。
ただし、造形物20の厚さt20の最大値は、5mm超であっても構わない。
CDT:肉盛り後形状の3次元形状データ、 CDO:肉盛り前形状の3次元形状データ、 di:差分形状の3次元形状データ、 PDD:造形物(差分形状の造形物)の3D造形用データ、
20:造形物、 20S:金型成形面、
400:3Dプリンタ、 410:制御部、 420:造形部、 421:ノズル、 430:支持台、 440:収容体、
F:樹脂発泡体(クッションパッド)
Claims (7)
- 金型成形面を、3Dプリンタにより造形された造形物で肉盛りする、樹脂発泡体成形用金型の製造方法であって、
前記造形物を構成する材料は、エンジニアリングプラスチック、又は、金属粉を含む樹脂である、樹脂発泡体成形用金型の製造方法。 - 前記製造方法は、
3Dプリンタにより前記造形物を造形する、造形ステップと、
前記造形ステップの後、前記造形物を前記金型成形面に固定する、固定ステップと、
を、含む、請求項1に記載の樹脂発泡体成形用金型の製造方法。 - 前記製造方法は、
前記固定ステップの前に、前記金型成形面のうち、前記造形物が配置される配置部分に、前記配置部分の面積よりも小さな開口面積を有する凹部を形成する、凹部形成ステップ
を、さらに含み、
前記固定ステップでは、少なくとも前記凹部に、接着剤を配置することで、前記造形物を前記金型成形面の前記配置部分に固定する、請求項2に記載の樹脂発泡体成形用金型の製造方法。 - 前記凹部形成ステップでは、前記凹部を、前記配置部分のうちの外縁側部分に、形成する、請求項3に記載の樹脂発泡体成形用金型の製造方法。
- 前記凹部形成ステップでは、複数の前記凹部を、前記配置部分に形成する、請求項3又は4に記載の樹脂発泡体成形用金型の製造方法。
- 金型成形面を、3Dプリンタにより造形された造形物で肉盛りする、樹脂発泡体成形用金型の製造方法であって、
前記製造方法は、
前記金型成形面の上に、3Dプリンタにより前記造形物を造形する、造形ステップを、含む、樹脂発泡体成形用金型の製造方法。 - 前記樹脂発泡体成形用金型は、車両用シートパッドを成形するように構成されており、
前記製造方法では、前記金型成形面における曲面部分を、前記造形物で肉盛りする、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂発泡体成形用金型の製造方法。
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