JP3961445B2 - ドアの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面パネルに凹部を設けて、この凹部に金属板の装飾モールを入れて美しいデザインに装飾しているドアに関する。
【0002】
【従来の技術】
表面パネルに装飾モールを固定しているドアは、たとえば特許文献1の公報に記載される。この公報に記載されるドアは、図1の斜視図に示すように、表面パネル21に装飾凹部23を設けて、ここに装飾モール22を固定している。装飾モール22は、押出型材で断面H状に成形したものである。この装飾モール22は、接着して装飾凹部23に固定している。さらに、このドアは、装飾モール22が外れるのを阻止するために、装飾モール22の端部をモール端係止具24でドアに連結している。モール端係止具24は、H状の装飾モール22の空隙に挿入する上部押え部24Aと、ドア本体に挿入される下部押え部24Bとからなり、上部押え部24Aを装飾モール22に連結して外れないようにドアに連結している。
【0003】
【特許文献1】
実開平3−66388号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1のドアは、モール端係止具24を装飾モール22の端に連結して外れないようにドアに連結している。この構造は、装飾モールをドアの端部まで延長する必要があるので、装飾モールの形状に制約を受ける。たとえば、ドアの端部まで延長されない装飾モールは、この構造ではドアにしっかりと固定できない。さらに、この構造は、H状の装飾モールをモール端係止具で連結するので、装飾モールを金属板では製作できない。金属板は薄いので、H状に加工できないからである。装飾モールは、ドアの表面を装飾するものであるから、これを厚くしても美しいデザインにはならない。装飾モールは、製造コストを低減することからできる限り薄くすることが大切である。装飾モールをいかに薄くしても、ドアの表面を綺麗に装飾できる効果は全く低下しない。このため、薄い装飾モールを表面パネルにしっかりと固定することが大切である。
【0005】
しかしながら、金属板を切断して製作される薄い装飾モールは、外れないように表面パネルの装飾凹部にしっかりと固定するのが非常に難しい。薄い金属板の装飾モールは曲がりやすく、また変形しやすいために、装飾凹部に接着される部分が剥離されて部分的に装飾凹部から突出することがある。とくに、ドアの温度が高くなるときなどに、装飾モールが装飾凹部から突出しやすくなる。接着材が軟化し、あるいは劣化すると共に、装飾モールが熱膨張等で変形することがあるからである。また、薄い金属板で製作している装飾モールは、安価に製造できるが、表面パネルの装飾凹部に嵌入する前工程で変形しやすい。嵌入前に変形した装飾モールは、接着材で装飾凹部に固定できるが、温度が高くなると、もとの変形した形状に復元して、装飾凹部から突出することがある。
【0006】
とくに、能率よく装飾モールを装飾凹部に固定するために、両面接着テープを使用して装飾モールを装飾凹部に接着しているドアは、温度が高くなると、両面接着テープが軟化して、装飾モールの接着力が低下する。このため、温度が高くなると、装飾モールが装飾凹部から外部に突出する欠点がある。
【0007】
本発明は、従来のドアが有するこのような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、金属板で製作している装飾モールを、表面パネルの装飾凹部に外れないようにしっかりと固定できるドアの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のドアの製造方法は、金属板7をプレス加工して装飾凹部3を設けている表面パネル1の装飾凹部3に、表面パネル1と異なる色であって金属板を切削してなる装飾モール2を嵌入して、装飾凹部3の底面に装飾モール2を接着して固定している。この製造方法は、金属板をNCレーザー加工装置で切削して、レーザー切削面である外周面を酸化膜の微細な凹凸面である酸化凹凸面5として装飾モール2を製作する。さらに、NCターレットパンチプレス機10でもって、金属板7の表面にクッション層4を積層している表面処理金属板8に装飾凹部3を設けて表面パネル1を製作する。表面パネル1は、表面処理金属板8と金型11のいずれか又は両方を移動させて、金型11のプレス部11aを装飾凹部3の周縁に沿って所定のピッチで移動させながら、金型11のプレス部11aで表面処理金属板8を繰り返しプレスして、クッション層4を内周面に設けてなる装飾凹部3を設けている。さらに、装飾モール2の周縁の酸化凹凸面5を表面パネル1に設けた装飾凹部3の内周面のクッション層4に密着するようにして、装飾モール2を表面パネル1の装飾凹部3に嵌入すると共に、装飾モール2を装飾凹部3に接着して固定し、装飾凹部3の内周面のクッション層4と装飾モール2の外周面に設けてなる酸化凹凸面5とで、装飾モール2を表面パネル1の装飾凹部3に抜けないように固定する。
【0009】
本発明の請求項2のドアの製造方法は、装飾凹部3に嵌入する装飾モール2の表面を、表面パネル1の表面と同一平面とし、あるいは装飾モール2の表面を、表面パネル1の表面よりも装飾凹部3の内部に位置させている。さらに、本発明の請求項3のドアの製造方法は、装飾モール2を、両面接着テープ6を介して表面パネル1の装飾凹部3の底に接着している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのドアの製造方法を例示するものであって、本発明はドアの製造方法を下記のものに特定しない。
【0011】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0012】
図2ないし図11の正面図に示すドアは、表面パネル1に装飾凹部3を設けて、装飾凹部3に装飾モール2を固定している。これらの図は、装飾モール2をクロスハッチングで示している。図のドアは、表面パネル1に設けている全ての装飾凹部3に装飾モール2を固定し、あるいは一部の装飾凹部3に装飾モール2を固定している。表面パネル1は、装飾モール2を嵌入して固定するために、金属板をNCターレットパンチプレス機でプレス加工して装飾凹部3を設けている。表面パネル1は、図12の一部拡大断面図に示すように、表面にクッション層4を積層している鉄等の金属板7である表面処理金属板8に装飾凹部3を設けたものである。表面パネル1の金属板7には、厚さを0.6mmとする鉄板が適している。ただし、表面パネル1には、厚さを0.5〜0.8mmとする金属板7が使用できる。表面パネル1は、周囲をドア枠(図示せず)に固定している。クッション層4は、プラスチックフィルム又はプラスチック塗膜である。プラスチックフィルムは、軟質の塩化ビニルフィルムである。ただ、プラスチックフィルムには、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等も使用できる。プラスチック塗膜は、ウレタン塗膜、アクリル塗膜等の樹脂塗装膜である。これ等のクッション層4の厚さは、0.01〜0.3mmである。クッション層4は、表面パネル1の全面に接着されて、ドアの表面を綺麗に装飾すると共に、装飾モール2を抜けないように固定する。
【0013】
表面パネル1は、装飾モール2を固定する部分をプレス加工して装飾凹部3を設けている。図2ないし図11のドアは、装飾凹部3の外周を直線あるいは曲線状としている。装飾凹部3は、その内形を装飾モール2の外形にほぼ等しくしている。装飾モール2の外形にほぼ等しい内形の装飾凹部3は、装飾モール2を隙間ができないように嵌入できる。ただし、本発明のドアは、必ずしも装飾モールの全周を装飾凹部の内周に隙間なく嵌入する必要はない。装飾モールと装飾凹部との境界の一部に隙間があっても、装飾モールを装飾凹部に嵌入してしっかりと固定できるからである。
【0014】
装飾凹部3の深さは、ここに装飾モール2を嵌入して、装飾モール2を表面パネル1の表面から突出させない深さとする。すなわち、装飾凹部3に嵌入される装飾モール2の表面が表面パネル1の表面と同一平面となり、あるいは装飾モール2の表面が表面パネル1の表面よりも装飾凹部3の内部に位置するようにする。たとえば、装飾モール2に厚さを1mmの金属板を使用する場合、装飾凹部3の深さを約1.5mmとする。装飾凹部3を装飾モール2の厚さよりも深くするのは、装飾モール2を接着する接着剤や両面接着テープ6を入れるスペースを設けるからである。したがって、装飾凹部3は、装飾モール2の厚さに、これを接着する接着剤や両面接着テープ6の厚さをプラスした深さとする。好ましくは、装飾凹部3の深さは、1〜3mmとすることができる。
【0015】
クッション層4を接着している金属板7である表面処理金属板8が金型でプレス加工されて、装飾凹部3のある表面パネル1が製作される。プレス加工して設けられる装飾凹部3は、内面の全面にクッション層4が設けられる。装飾凹部3は、装飾凹部3と同じ形状の凸部のある金型で一度にプレスして設けられるのではない。装飾凹部3は、装飾凹部3の形状に比較して充分に小さい金型を、装飾凹部3の周縁に沿って移動させながら、繰り返しプレス加工して設けられる。装飾凹部3は、NCターレットパンチプレス機の金型を繰り返しプレス加工して設けられる。NCターレットパンチプレス機は、図13に示すように、金型のプレス部11aを装飾凹部3の周縁に沿って所定のピッチで移動させながら、繰り返しプレスして装飾凹部3を設ける。金型のプレス部11aを装飾凹部3の周縁に移動させるためには、表面処理金属板8と金型11のいずれかまたは両方を移動させる。
【0016】
装飾凹部3のプレス加工には、図14の断面図に示す金型11を使用する。この金型11は、装飾凹部3を設ける位置にプレス部11aを設けている上型11Aと、装飾凹部3を設ける位置に凹部11bを設けている下型11Bからなる。この金型11は、上型11Aと下型11Bとで表面処理金属板8を挟む状態で、プレス部11aを突出させて表面処理金属板8を挟んで折曲する隙間を設けている。この金型11は、上型11Aのプレス部11aを押し出して(図において下方に突出させて)、表面処理金属板8に装飾凹部3をプレス加工する。上型11Aのプレス部11aが表面処理金属板8をプレスした後、表面処理金属板8を移動し、その後、再びプレス部11aで表面処理金属板8をプレスする工程を繰り返して、表面処理金属板8に装飾凹部3を設ける。表面処理金属板8を移動させるとき、上型11Aを上昇させて表面処理金属板8から離す。プレス部11aが表面処理金属板8をプレスするとき、上型11Aを降下させて、上型11Aと下型11Bとで表面処理金属板8を挟着する。
【0017】
NCターレットパンチプレス機10は、図5の概略断面図に示すように、上型11Aをセットする上タレット12と、下型11Bをセットする下タレット13と、表面処理金属板8を水平の姿勢に保持するテーブル14と、コンピュータを内蔵する制御機構に制御されて表面処理金属板8を所定のピッチでX軸方向とY軸方向に移送する移送手段15とを備える。このNCターレットパンチプレス機10は、上タレット12と下タレット13で表面処理金属板8を挟着する状態で、上型11Aのプレス部11aを押し出して表面処理金属板8をプレス加工する。テーブル14の上面に供給される表面処理金属板8は、端縁を移送手段15のクランプ16で挟着保持して、水平の姿勢で所定のピッチだけ移送される。移送手段15が表面処理金属板8を移送するとき、金型11は表面処理金属板8の挟着状態を解除する。すなわち、上型11Aが上昇された状態で、移送手段15は表面処理金属板8を移送させる。移送手段15が表面処理金属板8を所定のピッチ移送する毎に、金型11が表面処理金属板8をプレス加工して、表面処理金属板8に装飾凹部3を設ける。したがって、移送手段15は、プレス部11aが装飾凹部3の周縁に沿って移動するように、表面処理金属板8を所定のピッチで移送する。移送手段15が表面処理金属板8を移送するピッチは、プレス回数と金型11のプレス部11aの形状を考慮して最適値に設定される。金型11のプレス部11aが、直線に近似する装飾凹部3の周縁をプレス加工するとき、移送ピッチは約6mmとする。装飾凹部3の周縁が小さい曲率半径で曲がる部分をプレス加工するとき、移送ピッチは小さくして、約1mmとする。したがって、移送手段15が表面処理金属板8を移送する移送ピッチは、0.5〜20mm、好ましくは、1〜10mm、最適には、1〜6mmとすることができる。
【0018】
NCターレットパンチプレス機10の金型11を図16〜図21の斜視図に示す。図16と図18と図20は下型11Bを、図17と図19と図21は上型11Aを示している。図16と図17は、装飾凹部3の直線部分をプレス加工する金型11を示し、図18と図19は装飾凹部3のコーナー部分をプレス加工する金型11を示し、図20と図21は装飾凹部3の湾曲部分をプレス加工する金型11を示している。図16と図18と図20の下型11Bは、上面に段差形状として凹部11bを設けている。図17と図19と図21の上型11Aは、凹部11bに向かって突出するプレス部11aを出入りできるように設けている。このプレス部11aは下型11Bの凹部11bに突出して、表面処理金属板8をプレス加工する。ただし、図17と図19は、プレス部11aの先端形状を分かりやすくするために、プレス部11aを突出させた状態を示している。通常、上型11Aのプレス部11aは、引き込まれた位置にあり、上型11Aと下型11Bとで表面処理金属板8を挟着する状態で、図に示すように突出して、表面処理金属板8をプレス加工する。
【0019】
以上の金型11でプレスされる表面処理金属板8は、図22の矢印で示すように、装飾凹部3を形成する方向に所定のピッチで移送されながら次々とプレスされて所定の長さの装飾凹部3がプレス加工される。NCターレットパンチプレス機10は、たとえば、1秒間に2〜4回の頻度で表面処理金属板8をプレスしながら移送する。したがって、全長を1500mmとする装飾凹部3をプレス加工する場合、表面処理金属板8の移送ピッチを5mm、NCターレットパンチプレス機10のパンチ頻度を1秒間に3回とすると、合計300ヒットして、約2分でプレス加工できる。ただ、表面処理金属板8の移送ピッチとターレットパンチプレス機10のパンチ頻度とヒット回数は、装飾凹部3の全長や形状に応じて種々の変更をすることができる。このように、小ピッチで多数回のプレス加工を行うNCターレットパンチプレス機は、種々の形状に湾曲する装飾凹部3を、専用に設計された特別な金型を使用することなく、小型の金型を使用して簡単かつ低コストに、しかも短時間でプレス加工できる特長がある。
【0020】
さらに、図5、図8、図10および図11に示すドアは、装飾モール2が固定される装飾凹部3の外側に、段差凹部9を設けている。段差凹部9は、表面パネル1の表面よりも一段低く成形された段差部である。これらの図に示すドアは、この段差凹部9の底面に、この底面からさらに一段低い段差となる装飾凹部3をプレス加工して設けている。図5と図11に示すドアは、長方形の装飾凹部3の外側に、装飾凹部3よりも大きな長方形の段差凹部9を設けている。ただ、段差凹部と装飾凹部は、必ずしも同じ形状とする必要はない。図10に示すドアは、長方形の装飾凹部3の外側に、装飾凹部3よりも大きな長円形の段差凹部9を設けている。さらに、図示しないが、段差凹部は、円形状、楕円形状、多角形状等の種々の形状とすることができ、また、段差凹部の内側の底面には、段差凹部よりも小さく成形された種々の形状の装飾凹部を設けることができる。さらに、図8に示すように、段差凹部9の底面には、複数の装飾凹部3を設けることもできる。
【0021】
段差凹部9は、前述の装飾凹部3と同様にプレス加工して設けることができる。すなわち、段差凹部9は、図示しないが、NCターレットパンチプレス機の金型を繰り返しプレス加工して設けられる。NCターレットパンチプレス機は、金型のプレス部を段差凹部の周縁に沿って所定のピッチで移動させながら、繰り返しプレスして段差凹部を設ける。金型のプレス部を段差凹部の周縁に移動させるために、表面処理金属板と金型のいずれかまたは両方を移動させることができる。段差凹部9のプレス加工においては、表面処理金属板8をプレス加工して表面に装飾凹部3を設けた後、装飾凹部3の外側部分をさらにプレス加工して段差凹部9を設けることも、表面処理金属板8をプレス加工して表面に段差凹部9を設けた後、段差凹部9の底面をさらにプレス加工して装飾凹部3を設けることもできる。このように、装飾凹部3の外側に段差凹部9を設けているドアは、ドアの表面を立体感のある優れた外観にできると共に、段差凹部9の周縁部分の模様と装飾凹部3に固定された装飾モール2との組み合わせによって、複雑で美しいデザインを実現できる特長がある。
【0022】
装飾モール2は、表面パネル1とは異なる色の金属板を切削加工して製作される。装飾モール2は、ステンレス板が使用される。ただ、装飾モール2には、アルミニウム板やシンチュウ板も使用できる。これ等の金属板は、錆びにくいので長期間にわたって綺麗にできる特長がある。装飾モール2は、装飾凹部3に嵌入できる幅と形状に金属板を切削して製作される。いいかえると、装飾凹部3の内幅と装飾モール2の幅は、装飾モール2を装飾凹部3に隙間なく嵌入できるようにする。装飾モール2には、装飾凹部3の深さよりもわずかに薄い金属板、いいかえると、装飾凹部3の深さを装飾モール2の厚さよりもわすかに深くする。それは、装飾凹部3に嵌入している装飾モール2が表面パネル1と同一平面、ないしは表面パネル1よりも装飾凹部3の内部に位置するようにするためである。装飾モール2が装飾凹部3から突出すると、安全に使用できないからである。
【0023】
装飾モール2は、図12の一部拡大断面図に示すように、装飾凹部3に嵌入している両側面を酸化膜であって微細な凹凸面としている。装飾モール2が、その両面を酸化凹凸面5とするのは、装飾凹部3に抜けないように嵌入すると共に、酸化膜でもって側縁の変質を防止するためである。金属板をパルスレーザーで切削して、装飾モール2は両側面を酸化凹凸面5とすることができる。パルスレーザーで切削された両側面は、レーザーで加熱溶融されて酸化されると共に、パルスレーザーで溶融された微細な凹凸ができる。このため、パルスレーザーで切削した金属板は、その両面を鏡面に加工することなく、そのまま使用して、装飾凹部3に嵌入する。
【0024】
パルスレーザーで金属板を切削するには、NCレーザー加工装置を使用する。NCレーザー加工装置は、金属板を切削加工する位置をソフトウェアで入力する。NCレーザー加工装置で切削された装飾モール2は、NCターレットパンチプレス機でプレス加工された装飾凹部3に嵌入される。このように、NCレーザー加工装置とNCターレットパンチプレス機は、共に数値制御で加工寸法が入力できるため、ほぼ同じ寸法に製作することができる特長がある。したがって、この方法で製作された装飾凹部3と装飾モール2は、正確に形状が一致して、確実に嵌入できる特長がある。また、装飾凹部3の位置と装飾モール2の形状とを別々に入力する必要がなく、能率よく製作できる特長もある。NCターレットパンチプレス機とNCレーザー加工装置は、装飾凹部3の幅と装飾モール2の幅とが同じになるように加工する。この装飾モール2は、装飾凹部3に嵌入されて、両面の酸化凹凸面5を表面パネル1のクッション層4に密着させる。このため、クッション層4と酸化凹凸面5とが互いに密着して、装飾モール2の装飾凹部3からの抜けを確実に防止する。
【0025】
装飾モール2は、パルスレーザーによらず、NC放電加工装置で金属板を切削して製作することもできる。放電加工で切削された金属板は、パルスレーザーで切削したように切削面に凹凸面ができない。このため、放電加工して切削された金属板は、切削された両側面を砥石で切削して微細な凹凸面に加工する。このとき、砥石で擦る摩擦熱で金属板を加熱して両側面に酸化膜を形成する。
【0026】
切削された装飾モール2は、図12の断面図に示すように、表面パネル1の装飾凹部3に嵌入して固定される。装飾モール2は、両面接着テープ6を介して装飾凹部3に接着して固定される。装飾モールは、接着剤で装飾凹部に接着して固定することもできる。
【0027】
【発明の効果】
本発明のドアの製造方法は、金属板で製作している装飾モールを、表面パネルの装飾凹部に外れないようにしっかりと固定できる特長がある。それは、本発明のドアの製造方法が、金属板を切削加工して外周面を酸化凹凸面とする装飾モールを製作すると共に、表面にクッション層を積層している金属板である表面処理金属板をプレス加工して、装飾モールを嵌入する装飾凹部のある表面パネルを製作しており、内周面にクッション層を有する装飾凹部に、外周面を酸化凹凸面とする装飾モールを嵌入して、酸化凹凸面をクッション層に密着させて固定しているからである。
【0028】
とくに、本発明のドアの製造方法は、金属板をNCレーザー加工装置で切削して装飾モールを製作し、この装飾モールを嵌入する装飾凹部を、NCターレットパンチプレス機を使用してプレス加工するので、加工寸法を数値制御で入力でき、ほぼ同じ寸法に製作することができる。このため、装飾モールと装飾凹部の両方の形状を正確に一致させて確実に嵌入できると共に、装飾凹部の位置と装飾モールの形状とを別々に入力する必要がなく、能率よく製作できる。したがって、装飾モールを装飾凹部に嵌入して、極めて高品質で綺麗なドアを能率よく製造できる特長が実現される。
【0029】
さらにまた、本発明の製造方法は、NCターレットパンチプレス機でもって、表面処理金属板と金型のいずれか又は両方を所定のピッチで移動させながら繰り返しプレス加工して装飾凹部を設けているので、種々の形状に湾曲する装飾凹部を、専用に設計された特別な金型を使用することなく、小型の金型を使用して簡単かつ低コストに、しかも短時間でプレス加工できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドアの要部拡大斜視図
【図2】本発明の製造方法で製造されたドアの一例を示す正面図
【図3】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図4】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図5】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図6】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図7】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図8】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図9】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図10】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図11】本発明の製造方法で製造されたドアの他の一例を示す正面図
【図12】本発明の製造方法で製造されたドアの表面パネルの一部拡大断面斜視図
【図13】表面処理金属板を金型でプレス加工する工程を示す概略平面図
【図14】表面処理金属板を金型でプレス加工する工程を示す概略断面図
【図15】ターレットパンチプレス機の概略断面図
【図16】装飾凹部の直線部分をプレス加工する金型の下型の一例を示す斜視図
【図17】装飾凹部の直線部分をプレス加工する金型の上型の一例を示す斜視図
【図18】装飾凹部のコーナー部分をプレス加工する金型の下型の一例を示す斜視図
【図19】装飾凹部のコーナー部分をプレス加工する金型の上型の一例を示す斜視図
【図20】装飾凹部の湾曲部分をプレス加工する金型の下型の一例を示す斜視図
【図21】装飾凹部の湾曲部分をプレス加工する金型の上型の一例を示す斜視図
【図22】金型で表面パネルをプレス加工する工程を示す断面図
【符号の説明】
1…表面パネル
2…装飾モール
3…装飾凹部
4…クッション層
5…酸化凹凸面
6…両面接着テープ
7…金属板
8…表面処理金属板
9…段差凹部
10…ターレットパンチプレス機
11…金型 11A…上型 11B…下型
11a…プレス部 11b…凹部
12…上タレット
13…下タレット
14…テーブル
15…移送手段
16…クランプ
21…表面パネル
22…装飾モール
23…装飾凹部
24…モール端係止具 24A…上部押え部 24B…下部押え部
Claims (3)
- 金属板(7)をプレス加工して装飾凹部(3)を設けている表面パネル(1)の装飾凹部(3)に、表面パネル(1)と異なる色であって金属板を切削してなる装飾モール(2)を嵌入して、装飾凹部(3)の底面に装飾モール(2)を接着して固定しているドアの製造方法であって、
金属板をNCレーザー加工装置で切削して、レーザー切削面である外周面を酸化膜の微細な凹凸面である酸化凹凸面(5)として装飾モール(2)を製作し、
NCターレットパンチプレス機(10)でもって、金属板(7)の表面にクッション層(4)を積層してなる表面処理金属板(8)と金型(11)のいずれか又は両方を移動させて、金型(11)のプレス部(11a)を装飾凹部(3)の周縁に沿って所定のピッチで移動させながら、金型(11)のプレス部(11a)で表面処理金属板(8)を繰り返しプレスして、クッション層(4)を内周面に設けてなる装飾凹部(3)を表面処理金属板(8)に設けて表面パネル(1)を製作し、
装飾モール(2)の周縁の酸化凹凸面(5)が、表面パネル(1)に設けた装飾凹部(3)の内周面のクッション層(4)に密着するようにして、装飾モール(2)を表面パネル(1)の装飾凹部(3)に嵌入し、さらに装飾モール(2)を装飾凹部(3)に接着して固定し、装飾凹部(3)の内周面のクッション層(4)と装飾モール(2)の外周面に設けてなる酸化凹凸面(5)とで、装飾モール(2)を表面パネル(1)の装飾凹部(3)に抜けないように固定して表面パネルを製作するドアの製造方法。 - 装飾凹部(3)に嵌入する装飾モール(2)の表面を、表面パネル(1)の表面と同一平面とし、あるいは装飾モール(2)の表面を、表面パネル(1)の表面よりも装飾凹部(3)の内部に位置させる請求項1に記載されるドアの製造方法。
- 装飾モール(2)を、両面接着テープ(6)を介して表面パネル(1)の装飾凹部(3)の底に接着する請求項1に記載されるドアの製造方法。
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