JPH10180798A - 射出成形同時絵付装置及び方法 - Google Patents

射出成形同時絵付装置及び方法

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JPH10180798A
JPH10180798A JP35108796A JP35108796A JPH10180798A JP H10180798 A JPH10180798 A JP H10180798A JP 35108796 A JP35108796 A JP 35108796A JP 35108796 A JP35108796 A JP 35108796A JP H10180798 A JPH10180798 A JP H10180798A
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vacuum suction
female mold
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の装飾面に真空吸引孔等の痕跡を残り
難くして、その品質、外観意匠、美観を損なわないよう
にでき、かつ、真空吸引効率を向上できて、絵付シート
とキャビティとの間の空気を確実に吸引排除でき、絵付
シートに皺、剥離、破れ等を生じ難くできる射出成形同
時絵付装置及び方法を提供する。 【解決手段】 雌型2のパーティング面2aにおけるキ
ャビティ12の立ち上がり面12bとの境界となるエッ
ジ部Eより所定の距離だけ離れた部位に、前記キャビテ
ィ12を周回するように環状溝15を形成するととも
に、前記環状溝15に真空吸引孔17、17、…を任意
のピッチで開口させ、かつ、前記エッジ部Eに、前記パ
ーティング面2aにおける前記エッジ部Eと前記環状溝
15との間の部位に、凸部21を任意のピッチで突設し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形品の表面に一体的に接着して加飾成形品(製品)を得
るようにした射出成形同時絵付装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出成形樹脂成形品の
表面に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付
方法としては、従来より幾つもの態様が提案されている
が、それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部
又は幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順
次、又は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に
行うようにされている(特公昭50−19132号、実
公平3−56344号、特公平7−41637号公報等
を参照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。
【0004】(e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を
他方(通常は雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め
工程。 (f)キャビティ内に雄型側から流動状態の樹脂(熔融
樹脂)を注入充填して射出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出成形品に接着付随させる
べき部分を他の部分(不要部分)から切り離すトリミン
グ工程。 (i)絵付シートが接着された射出成形品を前記雄雌両
金型から取り出す取出工程。
【0005】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0006】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形品の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形品の表面に一体化
した化粧シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形品側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0007】ところで、射出成形同時絵付装置において
は、前記(d)に記述した如くに、絵付シートを雌型の
キャビティ(の底面や立ち上がり面等)に沿わせて密着
させるように延伸させるべく、通常、雌型には、外部の
真空発生源(パキュームポンプ等)に接続された真空吸
引孔(又は真空吸引孔として働く溝やスリット状の隙間
等)を形成する必要があるが、従来、前記真空吸引孔の
形成態様としては下記(1) 〜(6) に記述したものが提案
ないし創案されている。
【0008】(1) 真空吸引孔を雌型のキャビティの最も
低い底面に複数カ所開口させたもの(特公昭50−19
132号公報等を参照)。 (2) 図10を参照すればよくわかるように、雌型2のキ
ャビティの外側のパーティング面もしくは成形品外とな
る内側部分(成形品の窓、開口、切欠部等となる部分)
のパーティング面2aに、前記キャビティ12を周回す
るように形成された環状溝15を介して真空吸引孔1
7、17、…を開口させたもの。
【0009】(3) 図11を参照すればよくわかるよう
に、真空吸引孔17、17、…を雌型2のキャビティ1
2の外側のパーティング面2bに開口させるとともに、
前記真空吸引孔17と前記キャビティ12とを溝22で
連通させたもの(特公平7−41637号公報参照)
【0010】(4) 図12を参照すればよくわかるよう
に、雌型2を複数の分割型2A、2Bからなる入れ子構
造とし、前記分割型(入れ子)2A、2B相互間に真空
吸引孔として働くようにスリット状の隙間25' を形成
し、該隙間25' を前記雌型2のキャビティ12の最も
低い底面12aに開口させ、かつ、前記(2) と同様な真
空吸引孔17、17、…及び環状溝15を形成したもの
(特願平7−324783号参照)。
【0011】(5) 図13を参照すればよくわかるよう
に、前記(4) と同様に、雌型2を複数の分割型2A' 、
2B' からなる入れ子構造とし、前記分割型(入れ子)
2A'、2B' 相互間に真空吸引孔として働くようにス
リット状の隙間25' を形成し、該隙間25' を前記雌
型2のキャビティ12の立ち上がり面12bに開口さ
せ、かつ、前記(2) と同様な真空吸引孔17、17、…
及び環状溝15を形成したもの。 (6) 雌型おけるキャビティ面形成部分を多孔質材料で作
製したもの(実公平3−56344号公報等を参照)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1) のように真空吸引孔を雌型キャビティの底面に複数
カ所開口させたものでは、絵付シートが柔薄、特に装飾
部分が薄い(例えば転写シート)場合に、得られた成形
品の装飾面に真空吸引孔の痕跡が残り、外観意匠、美観
を損ねるおそれがあった。
【0013】また、前記(2) のように、真空吸引孔を雌
型のキャビティ外に開口させたものでは、得られる成形
品に真空吸引孔の痕跡は残らないが、真空吸引孔とキャ
ビティとが離れるので、真空吸引効率が悪く、成形品形
状によっては、キャビティ12の立ち上がり面12b付
近に空気が残留しやすく、予備成形不十分のまま射出樹
脂により一気に絵付シートがキャビティ表面に向かって
延伸されるため、絵付シートに皺、剥離、破れ等が発生
しやすい。また、絵付シートを沿わせて密着できるキャ
ビティの形状(深さ、R、凹凸等の限界形状)が限られ
る。さらに、真空吸引孔を成形品外となる内側部分(成
形品の窓、開口、切欠部等となる部分)のパーティング
面2aに開口させる場合には、当然ながら得るべき成形
品形状が窓、開口、切欠部等となる部分を有するものに
限られ、汎用性がない。
【0014】前記(3) のように、真空吸引孔とキャビテ
ィとを溝で連通させたものでは、図11を参照すればよ
くわかるように、前記真空吸引孔17、17、…を通じ
て真空吸引を行うと、まず、溝22内に絵付シートSが
引っ張られて密着し、前記真空吸引孔17、17、…を
封鎖してしまうため、期待したようには、絵付シートS
とキャビティ12との間の空気を吸引排除できず、キャ
ビティ12の立ち上がり面12b付近に空気が残留しや
すく、絵付シートSに皺、剥離、破れ等が発生しやす
い。
【0015】前記(4) のように、雌型2を入れ子構造に
して、隙間25' をキャビティ12の最も低い底面12
aに開口させたものでは、前記隙間25' が広いと該隙
間25' の痕跡(入れ子跡)が成形品に残り、前記隙間
25' が狭いと、真空吸引効率が悪くなり、絵付シート
Sとキャビティ12との間の空気を充分に吸引排除でき
ないおそれがある。また、雌型を入れ子構造にして隙間
を25' を形成するには、通常ののものに比してコスト
が高くつく。
【0016】前記(5) のように、雌型2を入れ子構造に
して、隙間25' をキャビティ12の立ち上がり面12
bに開口させたものでは、前記(4) と同様に、隙間2
5' の痕跡(入れ子跡)が成形品に残るおそれがある
が、該痕跡は成形品の横方向に伸びる線状のものである
ので目立ちにくいという利点がある。しかしながら、得
るべき成形品形状によっては、例えば、キャビティ12
の立ち上がり(深さ)Hが3〜5mm程度である場合等
には、分割型2A' のパーティング面2a側部分が薄く
なりすぎて強度が不足するため、実用に耐えない。
【0017】前記(6) のように、キャビティ面形成部分
を多孔質材料で作製したものでは、真空吸引孔(通路)
が実質的に紆余曲折したものとなって極端に細い部分が
形成されたりするので、通路抵抗が極めて大きくなり、
真空吸引効率が悪い。また、型自体の力学的強度も低い
ものとなる。
【0018】本発明は、上述の如くの問題を解消すべく
なされたもので、その目的とするところは、比較的容易
にかつ低コストで製作できるとともに、得られる成形品
の装飾面に真空吸引孔等の痕跡を残り難くして、その品
質、外観意匠、美観を損なわないようにでき、かつ、真
空吸引効率を向上できて、絵付シートとキャビティとの
間の空気を確実に吸引排除でき、絵付シートに皺、剥
離、破れ等を生じ難くできる射出成形同時絵付装置及び
方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的に
は、雌型と雄型とを備え、前記雌型のパーティング面に
おけるキャビティの立ち上がり面との境界となるエッジ
部より所定の距離だけ離れた部位に、前記キャビティを
周回するように環状溝を形成するとともに、前記環状溝
に真空吸引孔を任意のピッチで開口させ、かつ、前記パ
ーティング面における前記エッジ部と前記環状溝との間
の部位に、凸部を任意のピッチで突設してなる。
【0020】本発明装置において、前記凸部は、前記エ
ッジ部を含む前記パーティング面の端部に突設してもよ
いし、あるいは、前記エッジ部から離れた部位に突設し
てもよく、前記パーティング面における前記エッジ部と
前記環状溝との間の部位において上方(雄型側)に突出
するものであれば、その位置及び形状は問わない。本発
明装置の好ましい態様では、前記凸部は、前記環状溝及
び真空吸引孔には達しない大きさに設定され、また、前
記雄型のパーティング面に前記凸部が嵌め込まれる凹部
が形成される。
【0021】本発明に係る射出成形同時絵付方法は、上
記構成の射出成形同時絵付装置を使用したもので、前記
雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシート
供給工程と、前記絵付シートを前記雌型のパーティング
面上に固定保持するクランプ工程と、前記絵付シートを
前記雌型に形成された前記真空吸引孔を通じて真空吸引
することにより前記雌型のキャビティに沿わせて密着さ
せるように延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型の一
方を他方側へ移動させて型締めを行う型締め工程と、前
記雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に前記雄
型側から流動状態の樹脂を注入充填して射出成形を行う
射出成形工程と、前記雌型と雄型とを離間させる型開き
工程と、前記絵付シートが接着された射出成形品を前記
雌型から取り出す取出工程と、を含み、前記各工程を記
述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又は複数の工
程を同時に重複してもしくは並列的に行うようにされ
る。
【0022】本発明に係る射出成形同時絵付装置では、
前記環状溝、真空吸引孔、凸部等の各部の寸法・ピッチ
等は、得るべき成形品の寸法形状、言い換えれば、雌型
キャビティの寸法形状に応じて定められるが、通常は、
特に、前記エッジ部と前記環状溝との離隔距離Lは3m
m以上で10mm程度、前記凸部の前記パーティング面
に沿う方向の幅αは1mm〜5mm程度、前記凸部の高
さβは0.2mm〜1mm程度、前記凸部の幅長γは1
mm〜10mm程度、前記凸部のピッチpは1mm〜1
0mm程度、に設定することが好ましい。
【0023】また、前記環状溝は、雌型のキャビティの
外側のパーティング面だけでなく、得るべき成形品が内
周部に窓、開口、切欠部等を有するものである場合に
は、この成形品外となる窓、開口、切欠部等となる部分
(内側部分)のパーティング面にも、前記キャビティを
周回するように形成する。この場合、前記環状溝として
は、幅が2〜4mm程度で深さが1〜2mm程度のもの
が好ましく、この環状溝の底面に例えば直径が1〜2m
m程度の真空吸引孔を任意のピッチ、例えば30〜50
mmの間隔をあけて穿孔することが好ましい。なお、真
空吸引孔の本数(密度)を増やす程、絵付シートの各部
の延伸量が均一化しやすく、また吸引速度も大きくしや
すい。
【0024】このような構成とされた本発明の射出成形
同時絵付装置及び方法にあっては、絵付シートを雌型に
形成された真空吸引孔を通じて真空吸引して雌型のキャ
ビティに沿わせて密着させる延伸工程において、前記パ
ーティング面におけるエッジ部と環状溝との間の部位に
任意のピッチで形成された凸部とそれに隣接する部分
(隣接凹領域)とからなる凹凸部分の作用により、絵付
シートの各部が延伸成形される時間に微妙な差が生じ
て、前記エッジ部付近で絵付シートに撓みが生じ、絵付
シートと前記エッジ部に形成された前記凹凸部分付近と
の間に一時的に隙間が形成される。
【0025】そのため、空気溜まりが生じやすいキャビ
ティの立ち上がり面付近の空気が前記凹凸部分付近に形
成された隙間を通じて前記環状溝及び真空吸引孔に吸引
され、絵付シートとキャビティとの間の空気が確実に吸
引排除される。そして、さらに、前記真空吸引孔を通じ
ての真空吸引が進むと、前記凹凸部分付近の隙間の空気
も吸引されて絵付シートは前記凹凸部分付近においても
延伸せしめられて前記撓みが無くされ、最終的には、絵
付シートが前記凹凸部分を含むキャビティ全面及びパー
ティング面に隙間を生じることなく密着する。
【0026】このように本発明の射出成形同時絵付装置
では、成形品の表面を形成するキャビティに真空吸引孔
あるいは真空吸引孔として働く溝や隙間等を開口させる
ことを要しないで、従来構成の雌型に対してそのパーテ
ィング面におけるエッジ部と環状溝との間の部位に凸部
を任意のピッチで形成したという簡単な構成でありなが
ら、真空吸引効率を向上できて、絵付シートとキャビテ
ィとの間の空気を確実に吸引排除でき、その結果、絵付
シートに皺、剥離、破れ等を生じ難くできるとともに、
得られる成形品の装飾面に真空吸引孔等の痕跡を残さ
ず、したがって、その品質、外観意匠、美観を損なわな
いようにできる。また、型の力学的強度を低下させるこ
ともない。
【0027】また、本発明の射出成形同時絵付装置の他
の好ましい態様では、前記構成に加えて、前記雌型が複
数の分割型からなる入れ子構造とされ、前記分割型(入
れ子)相互間に真空吸引孔として働くスリット状の隙間
が形成され、該隙間がキャビティに開口せしめられる。
【0028】このように、雌型を入れ子構造にして分割
型間に隙間を形成し、該隙間を真空吸引孔として働くよ
うにキャビティに開口させるという構成を付加すること
により、前記パーティング面におけるエッジ部と環状溝
との間に形成された凹凸部分の作用による空気吸引排除
効果に加えて、前記隙間を通じての空気吸引排除効果と
の相乗効果を期待できる。
【0029】この場合、前記凹凸部分の作用による空気
吸引排除効果が得られることから、前記分割型間の隙間
による空気吸引排除の負担は少なくて済む。従って、前
記凹凸部分を形成していない従来の雌型(図12)にお
ける分割型間の隙間に比して本発明の分割型間の隙間は
狭くできるので、この隙間(入れ子跡)の痕跡(線状)
をより目立ち難くでき、その結果、得られる成形品の品
質、外観意匠、美観を一層向上させることができる。
【0030】本発明の射出成形同時絵付装置において、
雄雌両金型は、鉄、銅等の金属あるいはセラミックス等
で作製され、成形品形状等に応じて分割構成(前記した
入れ子構造や中間型を有する構造)等としてもよい。ま
た、雄型に圧空供給用の透孔等を形成してもよい。
【0031】また、絵付シートを雌型のキャビティ面に
沿わせて密着させるように延伸させる予備成形を行う前
に、絵付シートを加熱軟化させるべく、熱盤等の加熱手
段を付設してもよい。熱盤は、実公平1−10186号
公報、特開平5−301250号公報等に開示されるよ
うな公知のものを使用できる。
【0032】絵付シートは、ロール状に巻き取られた長
尺の連続帯状シートの状態から必要量づつ(1ショット
分づつ)供給するようにしてもよいし、予め所定寸法に
裁断した枚葉シートを供給するようにしてもよい。ま
た、帯状シート(の次ショット部分)もしくは枚葉シー
トからなる絵付シートを対向配置された雌型と雄型との
間に供給するには、巻き出し機及び巻き取り機を用いた
ロール/ロール方式でもよいし、前記絵付シートを吸着
盤やチャック等で保持して自動搬送する方式でもよい。
【0033】また、絵付シートを雌型パーティング面に
固定保持すべく適宜のクランプ手段を付設してもよい。
クランプ手段としては、枠状のクランパー等を用いるこ
とができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を
用いたり、エジェクターピン駆動機構の動力を利用した
りすることができる他、別途に流体圧アクチュエーター
等の駆動手段を設けることによりなされる。
【0034】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0035】前記積層シート用の基材シートとしては、
ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン
等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材シートの
厚さは、通常20〜500μm程度である。装飾層は、
印刷絵柄、着色又は透明塗膜、金属薄膜等の視覚的意匠
を与える層の他、硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機
能性を有する層であってもよい。
【0036】前記転写シートは、一旦剥離性の支持体シ
ート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別の被転
写体に転移させるためのもので、支持体シート上には必
要に応じて離型層を設けても良く、転写層としては、剥
離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以外の層
は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄層、金
属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防曇塗
膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0037】支持体シートは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等の線状ポリエステ
ル、ナイロン6、ナイロン66等の線状ポリアミド、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムあ
るいはそれらの積層体が好ましい。
【0038】射出成形用の樹脂としては、ABS(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリ
スチレン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等
の熱可塑性樹脂を加熱熔融したもの、あるいは、二液硬
化型、触媒硬化型の樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリ
エステル等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従
来より知られている材料を使用でき、製品の要求物性や
コスト等に応じて選定される。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に
係る射出成形同時絵付装置の一実施形態の要部を示して
いる。
【0040】本実施形態の射出成形同時絵付装置1は、
図3に示される如くの、窓wを有する得るべき成形品
(ここでは、車両部品)Pに対応した凹凸形状の雌型2
と雄型3とを備え、雌型2はその底部が図示していない
可動盤に固定されていて、流体圧シリンダのラムにより
前記雄型3に対して接近−離隔する方向(ここでは水平
方向)に進退動するようされている。
【0041】なお、本実施形態では、上記のように雌型
2が可動型とされていて水平方向に移動するようにされ
ているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0042】前記雌型2には、図1及び図2に加えて、
図1のB矢視付近を拡大して示す図4(各部は誇張ない
し簡略化して描かれている)を参照すればよくわかるよ
うに、得るべき成形品P形状に応じた段部12A付きの
凹状のキャビティ12が形成されるとともに、前記キャ
ビティ12の外側のパーティング面2b及び成形品外
(窓w)となる前記段部12Aのパーティング面2aに
おける、前記キャビティ12の立ち上がり面12bとの
境界となるエッジ部Eより所定の距離Lだけ離れた部位
に、前記キャビティ12を周回するように環状溝16、
15が形成されるとともに、前記環状溝Lに真空吸引孔
17、17、…が任意のピッチで開口せしめられ、か
つ、前記パーティング面2a及び2bにおける前記エッ
ジ部Eと前記環状溝15との間の部位、より詳細には、
前記エッジ部Eを含む前記パーティング面2aの端部
に、前記真空吸引孔17、17、…及び環状溝15、1
6には達しない大きさの短角柱状の凸部21が任意のピ
ッチPで形成されている。
【0043】前記真空吸引孔17、17、…は、前記雌
型2の底部側に穿設された真空吸引通路14(図2参
照)及び図示していない導管を介して外部の真空ポンプ
に接続されている。さらに、前記雌型2の最外周のパー
ティング面2cには、前記キャビティ12の外周縁を周
回するように、Oリング19の装着溝18が形成されて
いる。前記Oリング19は、後述する枠状のクランパー
7が、間に絵付シートSを挟んで雌型2のパーティング
面2cに押し付けられた際、前記キャビティ12と外部
とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0044】一方、図2に示す如く、前記雄型3は、射
出成形機のノズルが装着される固定盤(図示省略)に固
定されており、この雄型3には、その中央に前記成形品
形状に対応した段付き凸部(コア)4が突設されるとと
もに、前記射出成形機のノズルからの熔融樹脂を前記雌
型2のキャビティ12内に注入充填するための二股状に
分岐する湯道(ランナー)5が形成されている。
【0045】前記雄型3の前面の内周部、中間部、外周
部は、それぞれ間に絵付シートSを挟んで前記雌型2の
パーティング面2a、2b、2cに対接するパーティン
グ面3a、3b、3cとなっており、前記雄型3のパー
ティング面3aには、図6に型締状態で示されているよ
うに、前記雌型2に設けられた凸部21が絵付シートS
が被着された状態で密着嵌合せしめられる嵌合凹部31
が形成されている。
【0046】また、前記雌型2には、絵付シートSをそ
のパーティング面2cに押圧固定するための矩形枠状の
クランパー7が付設されている。このクランパー7は、
図1に示す如く、雌型2の四隅近くに設けられた貫通穴
8に摺動自在に嵌挿された4本の連結ロッド9によって
図示していない駆動機構により雌型2のパーティング面
2cに対して垂直方向に進退動できるようになってい
る。なお、前記雄型3には、図2に示される如くの型締
め状態において前記クランパー7が絵付シートSに対す
る押圧固定状態を解除する離間動作を行い得る深さを持
った溝状凹部6が穿設されている。
【0047】上記のような構成とされた本実施形態の射
出成形同時絵付装置1においては、以下の工程順で射出
成形同時絵付を行う。すなわち、雌型2のパーティング
面2a、2b、2c上に絵付シートSを供給するシート
供給工程、前記枠状のクランパー7により前記絵付シー
トSを前記雌型2のパーティング面2c上に押圧保持す
るクランプ工程、図示していない熱盤により前記押圧保
持された絵付シートSを加熱軟化させる加熱軟化工程、
加熱軟化された絵付シートSを前記雌型2に形成された
前記環状溝15、16及び真空吸引孔17、17、…を
通じて真空吸引することにより前記雌型2のキャビティ
12に沿わせて密着させるように延伸させる延伸工程、
前記雌型2を雄型3側へ移動させて型締めを行う型締め
工程、前記雌型2と雄型3との間に形成されるキャビテ
ィ12内に前記雄型3の湯道5から熔融状態又は未硬化
液状の射出成形用の樹脂を注入充填して射出成形を行う
射出成形工程、前記雌型2と雄型3とを離間させる型開
き工程、及び、前記絵付シートSが一体的に接着された
成形品Pを前記雌型2から取り出す取出工程。
【0048】そして、本実施形態の射出成形同時絵付装
置1においては、絵付シートSを雌型2に形成された前
記環状溝15、16及び真空吸引孔17、17、…を通
じて真空吸引して雌型2のキャビティ12に沿わせて密
着させる前記延伸工程において、図4及び図5(各部は
誇張ないし簡略化して描かれている)を参照すればよく
わかるように、パーティング面2aとキャビティ12の
内周側の立ち上がり面12bとの境界となるエッジ部E
に任意のピッチpで形成された凸部21とそれに隣接す
る部分(凹領域20)とからなる凹凸部分20、21、
20、21、…の作用により、絵付シートSの各部が延
伸成形される時間に微妙な差が生じて、前記エッジ部E
付近で絵付シートSに撓みが生じ、図5(A)、(B)
に示す如く、絵付シートSと前記凹凸部分20、21、
20、21、…付近との間に一時的に隙間Dが形成され
る。
【0049】そのため、空気溜まりが生じやすいキャビ
ティ12の立ち上がり面12b付近の空気が前記凹凸部
分20、21、20、21、…付近に形成された隙間D
を通じて前記環状溝15、16及び真空吸引孔17、1
7、…に吸引され、絵付シートSとキャビティ12との
間の空気が確実に吸引排除される。そして、さらに、前
記真空吸引孔17、17、…を通じての真空吸引が進む
と、前記凹凸部分20、21、20、21、…の隙間D
の空気も吸引されて絵付シートSは前記凹凸部分20、
21、20、21、…付近においても延伸せしめられて
前記撓みが無くされ、最終的には、図5(C)に示され
る如くに、絵付シートSが前記凹凸部分20、21、2
0、21、…を含むキャビティ12全面及びパーティン
グ面2a、2b、2cに隙間を生じることなく密着す
る。
【0050】このように本実施形態の射出成形同時絵付
装置1では、キャビティ12に真空吸引孔あるいは真空
吸引孔として働く溝や隙間等を開口させることを要しな
いで、従来構成の雌型に対してそのパーティング面2a
とキャビティの立ち上がり面12bとの境界となるエッ
ジ部Eと環状溝15及び16との間に凸部21を任意の
ピッチで形成したという簡単な構成でありながら、真空
吸引効率を向上できて、絵付シートSとキャビティ12
との間の空気を確実に吸引排除でき、その結果、絵付シ
ートSに皺、剥離、破れ等を生じ難くできるとともに、
得られる成形品Pの装飾面に真空吸引孔等の痕跡を残さ
ず、したがって、その品質、外観意匠、美観を損なわな
いようにできる。
【0051】このような作用効果を確認すべく、前記構
成の射出成形同時絵付装置1の雌型2における環状溝1
5、真空吸引孔17、17、…、凹凸部分20、21、
20、21、…等の各部の寸法・ピッチ等を下記〔寸法
形状〕に記載のように具体的に設定し、比較例として、
前記した図10に示される如くの、前記凹凸部分20、
21、20、21、…は設けられていないが、本発明装
置1と同様に、雌型2のキャビティの内側のパーティン
グ面2aに、前記キャビティ12を周回するように形成
された環状溝15を介して真空吸引孔17、17、…を
開口させたもの(比較例I)と、前記した図12に示さ
れる如くの、前記凹凸部分20、21、20、21、…
は設けられていないが、雌型2を複数の分割型2A、2
Bからなる入れ子構造とし、前記分割型(入れ子)2
A、2B相互間に真空吸引孔として働くようにスリット
状の隙間25' (100μ)を形成し、該隙間25' を
前記雌型2のキャビティ12の最も低い底面12aにお
ける、コーナー部のアール(R=0.5mm)のエンド
部から3mm程度離れた位置に開口させ、かつ、前記と
同様な真空吸引孔17、17、…及び環状溝15を形成
したもの(比較例II)を用意して、下記〔射出成形同時
絵付条件〕に記載した同一条件下で比較試験を行い、下
記〔結果〕に記載した如くの結果が得られた。
【0052】〔寸法形状〕図4を参照すればよくわかる
ように、前記エッジ部Eと前記環状溝15との離隔距離
Lを4mmに設定し、前記凸部21を短角柱形として、
そのパーティング面2aに沿う方向の幅αを1mm、そ
のキャビティ12の立ち上がり面12bに沿う方向の高
さβを0.3m、その幅長γを1mm、及び前記凸部2
1のピッチp(前記凹領域20の幅長と同)を3.5m
mに設定し、また、前記環状溝15の幅Fを3mm、そ
の深さdを1mmに設定し、前記真空吸引孔17、1
7、…の孔径を1.5mm、そのピッチを30mmに設
定した。また、キャビティ12の立ち上がり面12bの
高さH(図4)は4mm、底面12aの幅は12mmと
した。
【0053】〔射出成形同時絵付条件〕 絵付シートSとして、アクリル製の基材シート(厚み
は125μ)とその上に印刷積層された木目模様の装飾
層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂との混
合物)と接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂)とか
らなり、基材シートを成形品(射出樹脂成形物)と密着
一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積
層シート(ラミネートシート)を用いた。
【0054】前記した加熱延伸工程における熱盤によ
る絵付シートSの加熱時間及び加熱温度を、それぞれ約
6秒、約130度Cとし、また、前記真空吸引孔17、
17、…を通じての真空吸引時間を約4秒とした。 射出成形樹脂として耐熱性ABSを用い、成形温度を
約250度C、金型温度を約60度Cとした。
【0055】〔結果〕 (1) 本発明装置1では、絵付シートSに皺、剥離、破れ
等が無く、装飾部分には真空吸引孔等の痕跡もなく、ま
た、前記凹凸部分20、21、20、21、…もほとん
ど目立たない良好な成形品Pが得られた。 (2) 比較例Iでは、得られた成形品は、エッジ部E付近
に皺、剥離、破れ等があり、外観上、商品としては使用
できないものであった。 (3) 比較例IIでは、絵付シートSに皺、剥離、破れ等は
無いが、分割形2A'と2B' (入れ子)の隙間25'
の線状痕跡ができていた。
【0056】図7は、他の実施形態の雌型2の要部を示
す。図示の雌型2は、前記した実施形態の雌型2の構成
に加えて、該雌型2が複数の分割型2A、2Bからなる
入れ子構造とされ、前記分割型(入れ子)2A、2B相
互間に真空吸引孔として働くスリット状の隙間25が形
成され、該隙間25がキャビティ12の最も低い底面1
2aにおける、コーナー部のアール(R=0.5mm)
のエンド部から約0.3mm程度離れた位置に開口させ
た構成を付加したものである。なお、間隙25の幅は3
0μmとした。
【0057】このように、雌型2を入れ子構造にして分
割型2A、2B間に隙間25を形成し、該隙間25を真
空吸引孔として働くようにキャビティ12の特定位置に
開口させるという構成を付加することにより、前記エッ
ジ部Eに形成された凹凸部分20、21、20、21、
…の作用による空気吸引排除効果に加えて、前記隙間2
5を通じての空気吸引排除効果を期待できる。
【0058】この場合、前記凹凸部分20、21、2
0、21、…の作用による空気吸引排除効果が得られる
ことから、前記分割型2A、2B間の隙間25による空
気吸引排除の負担は少なくて済む。従って、前記凹凸部
分20、21、20、21、…を形成していない前記し
た従来の雌型(図12)における分割型2A、2B間の
隙間25' に比して本発明の分割型2A、2B間の隙間
25は狭くできるので、この隙間(入れ子跡)25の線
状痕跡をより目立ち難くでき、その結果、得られる成形
品の品質、外観意匠、美観を一層向上させることができ
る。
【0059】図8は、本発明の他の別の実施形態の雌型
2についてのエッジ部E近傍の要部を示す。この形態で
は、凸部21は、前記エッジ部E及び環状溝15の両方
から離れた部位、言い換えれば、前記パーティング面2
aにおけるエッジ部Eと環状溝15との間の領域(2
0)の中間部に突設されており、前記環状溝15に沿う
方向の長さγが図4、図5に図示したものより長くされ
ている。他の緒元は図4、図5に図示した形態と同様で
ある。この形態の利点は、図4、図5の形態に比べて凹
凸部分20、21、20、21、…の形状が成形品に賦
型されにくいという点にある。もちろん、凸部21の寸
法はこの図のものに限定されるわけではなく、α=β、
α>β(α、β、γの定義は図4と同様)としてもよ
い。
【0060】なお、図9を参照すればよくわかるよう
に、上記のような凸部21を雌型のパーティング面2a
又はパーティング面2cにおけるエッジ部Eと環状溝1
5、16との間に突設する場合には、雄型3に、前記凸
部21が嵌め込まれる凹部31を形成する必要がある。
ここで、前記した図2及び図9(A)に示される如く
に、前記パーティング面2a又は2cに隣接して段差を
形成するように中間パーティング面2bが設けられてい
る場合には、前記雄型3には、その前面の内周部、中間
部、外周部に、それぞれ間に絵付シートSを挟んで前記
雌型2のパーティング面2a、2b、2cに対接するパ
ーティング面3a、3b、3cが形成される。この場
合、前記凸部21が嵌め込まれる凹部31は、雄型3及
び雌型2にそれぞれキャビティ12を密封する中間パー
ティング面3b及び2bが設けられている関係上、前記
凸部21よりも大きな、それに隣接する凹領域20も含
むくらいの大きさの凹部31が形成される。
【0061】それに対し、図9(B)に示される如く
に、雄型3及び雌型2にそれぞれ中間パーティング面3
b及び2bが設けられていない場合には、キャビティ1
2の密封を確実にするため、絵付シートSが被着された
状態の凸部21に密着嵌合せしめられる凹部31が形成
される。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付装置及び方法によれば、キャ
ビティに真空吸引孔あるいは真空吸引孔として働く溝や
隙間等を開口させることを要しないで、従来構成の雌型
に対して前記パーティング面におけるエッジ部と環状溝
との間に凸部を任意のピッチで突設したという簡単な構
成でありながら、真空吸引効率を向上できて、絵付シー
トとキャビティとの間の空気を確実に吸引排除でき、そ
の結果、絵付シートに皺、剥離、破れ等を生じ難くでき
るとともに、得られる成形品の装飾面に真空吸引孔等の
痕跡を残さず、したがって、その品質、外観意匠、美観
を損なわないようにできるという優れた効果が得られ
る。また、型の力学的強度を低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の一実施形
態の雌型の要部を示す概略斜視図。
【図2】図1に示される装置の雌型と雄型とを型締め状
態で示す拡大中央横断面図。
【図3】図1に示される装置により得るべき成形品を示
し、(A)は平面図、(B)は(A)の拡大縦断面図。
【図4】図1のB矢視付近を拡大して示し、(A)は要
部拡大斜視図、(B)は(A)のX矢視切欠図、(C)
は(B)のY−Y矢視線に従う断面図。
【図5】図1及び図2に示される装置の作用効果の説明
に供されるもので、(A)及び(B)は前記図1のB矢
視付近を絵付シートと共に拡大して示す要部拡大断面
図、(C)は前記図1のB矢視付近に絵付シートが接着
された状態を拡大して示す要部拡大断面図。
【図6】図1に示される装置の雌型と雄型とを型締め状
態で示す要部縦断面図。
【図7】本発明に係る射出成形同時絵付装置の他の実施
形態の雌型の要部を示す断面図。
【図8】本発明に係る射出成形同時絵付装置の他の別の
実施形態の雌型の要部を示す断面図。
【図9】図7の実施形態に備えられる雌型と雄型の構造
説明に供される要部縦断面図。
【図10】従来例(2) 及び比較例Iの射出成形同時絵付
装置の雌型の要部を示す断面図。
【図11】従来例(3) の射出成形同時絵付装置の雌型の
要部を示す断面図。
【図12】従来例(4) 及び比較例IIの射出成形同時絵付
装置の雌型の要部を示す断面図。
【図13】従来例(5) の射出成形同時絵付装置の雌型の
要部を示す断面図。
【符号の説明】
S 絵付シート 1 射出成形同時絵付装置 2 雌型 2a、2b、2c パーティング面 3 雄型 3a、3b、3c パーティング面 12 キャビティ 12a 底面 12b 立ち上がり面 15、16 環状溝 17 真空吸引孔 20 凹領域 21 凸部 E エッジ部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌型と雄型とを備え、前記雌型のパーテ
    ィング面におけるキャビティの立ち上がり面との境界と
    なるエッジ部より所定の距離だけ離れた部位に、前記キ
    ャビティを周回するように環状溝を形成するとともに、
    前記環状溝に真空吸引孔を任意のピッチで開口させ、か
    つ、前記パーティング面における前記エッジ部と前記環
    状溝との間の部位に、凸部を任意のピッチで突設してな
    る射出成形同時絵付装置。
  2. 【請求項2】 前記凸部は、前記エッジ部を含む前記パ
    ーティング面の端部に突設されていることを特徴とする
    請求項1に記載の射出成形同時絵付装置。
  3. 【請求項3】 前記凸部は、前記エッジ部から離れた部
    位に突設されていることを特徴とする請求項1に記載の
    射出成形同時絵付装置。
  4. 【請求項4】 前記凸部は前記環状溝及び真空吸引孔に
    は達しない大きさに設定されていることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の射出成形同時絵付装
    置。
  5. 【請求項5】 前記雄型のパーティング面に前記凸部が
    嵌め込まれる凹部が形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の射出成形同時絵付装
    置。
  6. 【請求項6】 前記雌型が複数の分割型からなる入れ子
    構造とされ、前記分割型相互間に真空吸引孔として働く
    スリット状の隙間が形成され、該隙間が前記雌型のキャ
    ビティに開口せしめられていることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の射出成形同時絵付装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の射出成形同時絵付装置
    を用いた射出成形同時絵付方法であって、 前記雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシ
    ート供給工程と、前記絵付シートを前記雌型のパーティ
    ング面上に固定保持するクランプ工程と、前記絵付シー
    トを前記雌型に形成された前記真空吸引孔を通じて真空
    吸引することにより前記雌型のキャビティに沿わせて密
    着させるように延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型
    の一方を他方側へ移動させて型締めを行う型締め工程
    と、前記雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に
    前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填して射出成形
    を行う射出成形工程と、前記雌型と雄型とを離間させる
    型開き工程と、前記絵付シートが接着された射出成形品
    を前記雌型から取り出す取出工程と、を含み、前記各工
    程を記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又は複
    数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うように
    された射出成形同時絵付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010264704A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Panasonic Corp インモールド成形金型,インモールド成形方法、およびインモールド成形品
JP2012200984A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Toppan Printing Co Ltd インサート成形金型、シート供給装置およびインサート成形物の製造方法
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CN110774538A (zh) * 2019-11-20 2020-02-11 益模钢模五金(深圳)有限公司 精密注塑模具

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