JP3923975B2 - 真空成型用の成形型 - Google Patents
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Description
また、多孔質の型を形成する方法としては、型内に細かい金属粉を入れて完全に溶解させずに焼結させる方法や、予め多孔質状に形成された金属や樹脂等の塊を削り出して形成する等の種々の方法がある。しかし、焼結等の型を必要とするものは、面の成形型を作るために、更に複雑な形状の型を作る必要があり、製造時間、コスト、他品種少量生産の観点からみても現実的な方法ではない。また、あらかじめ多孔質状に形成された金属若しくは樹脂の塊を削り出して型を作る場合には、NC加工機等で自動加工できる部分もあるが、細かい形状の再現は難しく、最終的には職人等による手仕上げが必要となり、前記と同様に現実的な方法ではない
れている。縁部3の外周は矩形形状を成しており、外周部の側縁を取り付け位置の基準とし利用することができるものである。
するための型として人の顔を象った形状に形成されたものである。成形型1は、主として成形品である面の型部分となる成形部2と、当該成形部の外周縁(成形部の下端外周部)から突出した板状の縁部3を有した装着部4とから構成されている。なお、当該第1の実施の形態では、前記成形部2と縁部3を有した装着部4は、後述するABS樹脂による造形方法によって一体的な構造物として成形されている。
当該多孔質の造形体は、溶融させたABS樹脂を小径のノズル孔より押し、当該押し出された糸状のABS樹脂を予めプログラムされた領域上に押し出しながら積層させ、ABS樹脂の硬化とともに立体的な形状を成すように造形されたものである。なお、本実施の形態においては、直径0.3mmのノズル径を有する射出機を用いて、0.254mm単位でABS樹脂を積層させ立体造形物を形成するようになっている。また、ABS樹脂の積層は、各積層段階において糸状のABS樹脂を輪郭に沿って3周させ、当該輪郭の内部に5mm間隔のハニカム構造の隔壁16が形成されるように順次積層を繰り返すようになっている。当該ハニカム構造となるような隔壁によって、造形物の内部に小空間15が形成されるようになっている。なお、小空間15の形状は、強度を高める観点から6角柱状であることが好ましいが、必ずしも当該形状に限られるわけではない。
また、成形部2の前記小空間15上に位置する表面側部分には数mm〜数cm程度の肉厚の外殻部となっている。当該外殻部は、前述のように糸状のABS樹脂を内部に大きな空間を形成せずに格子状に積層して形成した造形部分である。当該造形部分は、内部に視覚では判別できない程度の空気の流通が可能な程度の隙間を有しているが、圧縮方向の応力には比較的強く、押圧による変形や破壊が発生しにくい構造となっている。
なお、前記押圧に対する強度を失わない程度に、前記隔壁16によって仕切られた小空間15を形成することにより、空気の流通の際に生じる抵抗を低減させるようになっている。また、構造的に小空間を形成することができない部分については、隣り合う糸状のABS樹脂の間隔を粗あるいは密に調整することにより、強度を損なうことなく造形物の内部に空気の流通が可能な隙間を形成した多孔質状の造形物を得るようになっている。
同図に示すように、成形型1は前述した主として耳よりも前部分の顔の形状を象った成形部2と、当該成形部2の下端から周囲にフランジ状に設けられた板状の縁部3が設けられたものである。また、当該縁部3を周囲に形成した成形部2の裏面部分は、平坦面になっており、縁部3の裏面を含む成形部2の裏面部分が、真空成形装置Bに対する装着部4となっている。なお、真空成形装置Bに対する装着面となる装着部4の底面は、必ずしも平坦面である必要はなく、成形型1を真空成形装置に対して位置精度よく確実に固定できる形状であればよい。周囲に延出した縁部3は、真空成形装置Bに備えられた固定手段(図示せず)と係合する被係合部であり、真空成形装置に対する位置決めおよび固定のための被係合部として使用されるようになっている。縁部3の外形形状は矩形を成しており、当該外形形状を基準として成形部2の位置が定められている。すなわち、縁部3の外形の位置を規定することにより、成形部2の位置が定められるようになっている。
また、本第1の実施の形態では、成形部2と当該縁部3は別個に形成したものではなく、前述した造形手法によって連続的に一体形成したものである。すなわち、成形部2と装着部4の間に継ぎ目や接合面はなく、内部に隙間を形成した状態でABS樹脂によって一体的に形成された造形物として形成されたものである。
以下、当該成形型1を用いた面の成形行程を説明する。図3は、成形型1、真空成形装置B、成型後に面となる合成樹脂シート6等の要部を断面として表した説明図である。
真空成形装置Bは、前記成形型1を載置する装着台7を有している。当該装着台7は多数の小孔8が穿設された鉄板であり、当該装着台7の表面が成形型1の装着部4と接する接触面となっている。装着台7の裏面には真空室9が設けられており、継ぎ手10を介して空気を抜くことにより内部空間の圧力を大気圧より負圧として、前記小孔8を介して空気を吸い込むようになっている。なお、空気を抜くためのポンプや制御装置等の図示しての説明は省略する。
装着台7は矩形形状に形成されており、当該装着台7および真空室9を構成する部分は、成形型1を載置した状態で電動モータ若しくは空圧機器により上下動するようになってする。上下動を行う機構の詳細な説明は省略する。
なお、前記装着台7は、成型時にはほぼ下枠11の上面(下枠11と上枠12の当接面)位置まで上昇し、成型終了とともに再び降下するようになっている。
また、前記上枠12のやや上方には、加熱用ヒーター13を下面に配置した加熱ユニット14が配置されている。当該加熱ユニット14は、略水平横方向に往復移動可能に設けられており、成型直前に合成樹脂シート6上に移動して枠体に狭持された合成樹脂シート6を加熱して軟化させ、成型時には上昇した装着台7と干渉しない位置まで移動するようになっている。
サイズが調整されている。すなわち、印刷された前髪、額、目、鼻、口、顎の大きさおよび位置が、立体的な成形面2と合致するように印刷されている。
本実施の形態で使用する合成樹脂シート6は、最適な例として、日清紡績株式会社から「ピーチコート」の名称で提供されている、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンからなるシートをベースとして表面に多孔質表層を形成した約0.5mmの肉厚を有する合成紙が用いられる。
前記合成紙に油性のインクを用いて印刷を行うと、インクと合成紙表面部の多孔質層との結合が強固となり、印刷後に合成紙を伸延させても当該インクの微粒子が用紙の伸延に追従し、用紙表面のインク層にひび割れ等を生じさせないという性質が発揮される。当該性質を利用して、印刷面を伸延させながら型面の形状通りに合成紙を変形させることが出来るようになっている。
図4は、真空成形装置Bの装着台7に成形型1を載置して固定した後に装着台7を降下させ、下枠11と上枠12の間に合成樹脂シート6を狭持しようとしている状態を表している。この際、加熱ユニット14は下枠11および上枠12を設けた位置から外れた位置にある。装着台7に対する成形型1の取り付けは、載置した後に成形型1の周囲に設けた縁部3をネジ等を使用した押さえ手段や粘着テープ等によって固定することにより行われる。合成樹脂シート6は、人間によって下枠11と上枠12の間に差し入れられ、上枠12を降下させて下枠11と上枠12の間に狭持されるようになっている(図5)。なお、当該合成樹脂シート6を固定する際には、印刷された顔の写真が成形型1の成形面2の位置と一致するように正確な位置決めが行われる。
前記合成樹脂シート6の加熱の後、加熱ユニット14が移動して合成樹脂シート6の上部から外れた後、成形型1を載置した装着台7が、真空室9内の空気を排出しながら上昇する(図7)。真空室9内は負圧になると、装着台7に穿設した小孔を介して空気が吸い込まれるので、当該小孔上に載置された成形型1の底面に対しても空気の吸引が行われる。また、成形型1の内部には空気の流通が可能な程度の微細な空隙が形成されているので、装着台7の小孔によって生ずる負圧は、成形型1の内部を介して成形型1の表層である成形面2の表面にも作用し、当該成形面2の表層全体が空気の吸引を行うよう作用する(図9)。
合成樹脂シート6の裏面から成形型1が引きはがされ、次いで上枠12が上昇して合成樹脂シート6の狭持を解除し、成形面2の表面形状が転写された合成樹脂シート6を取り出す(図8、図10)。以上説明した行程により、被成型物としてモデルとなる人間そっくりの面を形成することができるようになっている。
成形が完了した面は、縁部3に対応する部分等の不要な部分を有しているが、当該不要な部分は後に切り取られ、顔を象った部分のみが面として利用される。
本実施の形態においては、装着部4に相当する装着板24はアルミニウム等の金属板に多数の小孔26を穿設したものとなっている。なお、装着部4の外形形状は、第1の実施の形態に係る成形型1の縁部3の外形と同一の矩形形状に形成されている。装着板24と成形部22の結合は、装着板24の底面から挿通されたネジ27によって行われるようになっている。また、ネジ27の頭は、装着板24の底面から突出せず、真空成形装置Bに対する装着時の妨げにならないように取り付けられている。また、成形部22の内部には、前述した第1の実施の形態の小空間15と同様に、6角柱状の空間をハニカム状に配置した小空間35が設けられている。
以上のように、成形型を成形部22と装着板24による2分割構造としたのは、以下の理由による。すなわち、真空成形装置Bに成形型を固定するためには、成形面とは別個に取り付け固定用の手段として縁部が必要となるが、当該縁部から成形部にかけての境界は、ほぼ直角に近い角度の立ち上がり形状となっているので、一体で成形した場合には、外部からの荷重が集中して当該境界部分に亀裂が発生する可能性がある。特に、短時間に面の成形を繰り返す等によって成形型の温度が上昇したような場合、内部で繊維状に結合した細いABS樹脂同士の結合力が弱くなって剥離を起こし、破損するような可能性が高くなる。したがって、成形型の温度が上昇しすぎてしまうような条件で使用する場合や、被成型物との関係によってある程度成形型を加熱した状態で使用する必要がある場合等、成形型を成形部22と装着板24の分割構造にすることにより、第1の実施の形態において説明した成形型よりも耐久性のある成形型を形成することができるようになっている。
また、従来の面の成形ではアルミニウム製の型を使用して、当該アルミニウム製の型を加熱した状態でシートを成形していた。すなわち、当該シートの加熱とともに型自体への加熱が必要であった。これは、加熱により軟化したシートが型に触れて冷却されると硬化してしまい、型通りの面が形成できないという理由による。しかし、ABS等の樹脂類は金属に比べて断熱性が高く(熱の伝導性が低く)、比熱も低いことから接触したシートを冷却する程度が低く、前述したピーチコート紙の場合には、型の加熱を必要としないという効果を有している。なお、成形を行う素材によっては、ABS樹脂の型であっても加熱を行う必要が生じる場合がある。しかし、当該第2の実施の形態に係る2分割構造の成形型は、前述した第1の実施の形態に係る一体型の成形型と比較して加熱に強く、前術のように破損しにくくなっている。
造形に要する時間も多くなる。また、前述のように成形部と装着部を別個に形成して結合させた方が、型の強度の面からも好ましく、装着板24を共通部材として多数用意したり、使用済みの装着板を新たな型に付け替えたりすることで、型の製造時間、コストを低減することができ、廃棄される造形物の量も減らすことができる。
以上説明したように、成形型をABS樹脂の造形による成形部22と金属板等により別個に形成した装着板24によって構成することにより、他品種少量生産に適し、製作時間や製作コストを低減することができるという効果を有している。
第3の実施の形態に係る成形型41は、前記第2の実施の形態の成形型21と同様に、成形部42と装着部44に2分割された構造となっている。
前記第2の実施の形態に係る成形型21との相違点は、装着部44の上面に、成形部42の底面に形成した凹48部と精度よく嵌合する凸49部を設けたことである。装着板44と成形部42の結合は、装着板44の底面から挿通されたネジ47によって行われるようになっている。
装着部44には、前記凸49部が設けられている他、当該凸部49を含んで表裏貫通する多数の小孔46が穿設されている。当該構成により、成形部42が装着部44に対して精度よく位置決めされるようになっている。また、成形部42と凸部49間には不要な空間が形成されないようになっているので、成形面45に押圧力が作用した場合であっても、成形面45を構成する外殻部分を凸部49が支える形となり、成形型41の変形を防止するようになっている。また、成形部42の内部には、前述した第1の実施の形態の小空間15と同様に、6角柱状の空間をハニカム状に配置した小空間55が設けられている。
本実施の形態においては、前記各成形型の縁部の外形は矩形形状に形成されており、当該矩形形状の縦の側辺および横の側辺を基準として正確に取り付け位置が定められるようになっている。(図示しての説明は省略するが、真空成型装置Bには、装着部4、装着板24、44の位置を規定するためのガイド手段若しくは目印等が設けられている。)このように、装着部4および装着板24、44によって精度よく真空成型装置Bに取り付けられることができるので、装着板24、44に対して精度よく成形部22、42を取り付けることにより、成形型21、41は前記合成樹脂シートに対する位置ずれを最小限にした状態で真空成型装置Bに取り付けられるようになっている。
また、第1の実施の形態で示した成形型1のように、成形部2と装着部4とを一体で形成する手法では、一つの装着部に複数の成形部2を同時に形成しようとすると造形物が大きくなり、大型の造形装置が必要となる。しかし、第2、第3の実施の形態を応用することにより、大型の造形装置を用いることなく多数個の成型物を同時に成形できる成形型を得ることができる。
2 成形部
3 縁部
4 装着部
5 型面
21、41 成形型
22、42 成形部
23、43 縁部
24、44 装着体
25、45 型面
26、46 孔
48 凹部
49 凸部
B 真空成型装置
Claims (5)
- 加熱した合成樹脂板を真空によって吸着し、接触した表面の形状通りに前記合成樹脂板を変形させる成形部と、空気の吸引手段を備えた真空成型装置に対する装着部を備えた真空成型用の成形型であって、
前記成形部の全部又は少なくとも成形面となる表面から所定の深さの肉厚部分は、溶融させた線径の細い硬質合成樹脂を空気の通過が可能となるように微細な隙間若しくは小空間を形成しながら積層させた多孔質の造形体であることを特徴とする真空成型用の成形型。 - 前記装着部には、前記成形部の外周縁から突出したフランジ状の縁部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の真空成型用の成形型。
- 前記装着部は、前記成形部の造形時に前記成形部とともに一体的に形成された硬質合成樹脂による造形物であることを特徴とする請求項2記載の真空成型用の成形型。
- 加熱した合成樹脂板を真空によって吸着し、接触した表面の形状通りに前記合成樹脂板を変形させる成形部と、空気の吸引手段を備えた真空成型装置に装着される装着体を備えた真空成型用の成形型であって、
前記成形部の全部又は少なくとも成形面となる表面から所定の深さの肉厚部分は、溶融させた線径の細い硬質合成樹脂を空気の通過が可能となるように微細な隙間を形成しながら積層させた多孔質の造形体として形成されており、
前記装着体は、前記成形部下部の外周縁よりも外形の大きい板状の縁部を有した、表裏貫通する多数の孔を穿設した金属若しくは合成樹脂により形成されたものであり、前記成形部の裏面に結合されていることを特徴とする真空成型用の成形型。 - 前記成形部の裏面には凹部若しくは凸部が設けられており、前記成形部の裏面と結合する前記装着体の接合面には、前記成形部の凹部若しくは凸部と係合する凹部若しくは凸部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の真空成型用の成形型。
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