JP2017077683A - 3次元造形システムおよび3次元造形物の製造方法 - Google Patents

3次元造形システムおよび3次元造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サポートを含む全体造形物を3次元造形装置により造形し、その全体造形物から加工装置によってサポートを高精度に除去することができる3次元造形システムの提供。【解決手段】3次元造形装置20は、対象造形物62とサポート64とガイド部66とを含む全体造形物60を造形する。ガイド部66は、対象造形物62の姿勢を変更させた状態で対象造形物62を支持する。加工装置30は、全体造形物60からサポート64を除去する。姿勢が変更された全体造形物60に接続される第1接続部70aを備え、全体造形物60が載置される固定治具70が予め用意されている。第1除去部は、加工装置30を制御することにより、固定治具70の第1接続部70aとガイド部66の第2接続部66aとが接続された状態の全体造形物60から、サポート64を除去する。【選択図】図2

Description

本発明は、3次元造形システムおよび3次元造形物の製造方法に関する。
従来より、造形対象物の3次元データを複数にスライスした断面画像データを基に、造形用材料を所定の断面の層状に硬化させ、次の断面層を重ねるように連続して形成していくことで目的の3次元形状の造形物を造形する3次元造形装置が知られている。この3次元造形装置による造形方式には、結合材噴射、指向性エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床溶融結合、シート積層、および、液槽光重合などがある。なかでも、熱可塑性樹脂を融解したのち硬化させることで断面層を形成する材料押出法(熱融解積層法;Fused Deposition Modeling:FDMともいう。)は、家庭用3Dプリンタなどの主流となっている(例えば特許文献1参照)。
ところで、3次元造形装置においては、既に造形された断面層に次の断面層が形成されるため、先に形成された断面層がその後に形成される断面層の荷重を支えることになる。そのため、例えば、断面積の小さな断面層があると、その断面層の上に連続的に形成される断面層の荷重を支えきれないことが考えられる。また、オーバーハング形状などの3次元的に突き出た部位を有する造形物の造形に際しては、このオーバーハング部の荷重を支えきれず、造形途中に対象造形物の一部が破損したり、意図しない形状に変形されたりすることがあり得る。そのため、このような造形物の破損や変形を防止する目的で、対象造形物の一部と造形テーブルとの間に、造形時の対象造形物の荷重の一部を支持するためのサポート造形物を形成し、対象造形物とサポート造形物とが一体となった全体造形物を造形することが行われている。このサポート造形物は、CAD装置などの専用の装置によって演算することで適切に設計される。以下、サポート造形物を単に「サポート」と称する。
特開平07−227895号公報
このサポートは、造形が終了すると不要になるため、全体造形物から除去する必要がある。サポートの除去は、一般には手作業にて行われるが、NC(numerical control machining:数値制御)加工装置にて実施することも提案されている。しかしながら、全体造形物を三次元造形装置からNC加工装置のワーク載置面に載置するとき、所定の位置に全体造形物を正確に載置することが難しく、NC加工装置によるサポート除去を行う際の位置決めに時間と手間がかかるという問題があった。また位置ずれが起こると、NC加工装置によりサポートを除去することができても、対象造形物の表面が滑らかにならないという改善すべき点があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サポートを含む全体造形物を造形するとともに、全体造形物からサポートを高精度で除去することができる3次元造形システム、および、3次元造形物の製造方法を提供することである。
本発明は、3次元造形システムを提供する。この3次元造形システムは、3次元造形装置と、加工装置と、制御装置と、を備える。3次元造形装置は、造形対象である対象造形物と、上記対象造形物の造形を補助するサポートと、上記対象造形物の姿勢を変更させた状態で上記対象造形物を支持するガイド部と、を含む全体造形物を造形する。加工装置は、全体造形物からサポートを除去する。制御装置は、3次元造形装置および加工装置を制御する。ここで、姿勢が変更された全体造形物に接続される第1接続部を備え、全体造形物が載置される固定治具が予め用意されている。そして制御装置は、接続部作製部と、第1除去部と、を備える。接続部作製部は、3次元造形装置または加工装置を制御することにより、固定治具の第1接続部に接続可能な第2接続部をガイド部に形成する。第1除去部は、加工装置を制御することにより、固定治具の第1接続部とガイド部の第2接続部とが接続された状態で固定治具に載置されている全体造形物から、サポートを除去する。
本発明によれば、第2接続部を備えるガイド部を、対象造形物に一体的に形成するようにしている。そしてガイド部の第2接続部と、固定治具の第1接続部とを接続することにより、造形した全体造形物を固定治具の所定の位置に固定することができる。したがって、加工装置に対する全体造形物の配置を精確に定めることができる。また、サポート除去時の全体造形物の位置ずれを防止することができ、加工装置によるサポート除去をさらに精確に実施することができる。
一実施形態に係る3次元造形システムのブロック図である。 (a)〜(d)は、一実施形態に係る3次元造形物の製造方法の概念を説明する模式図である。 一実施形態に係る3次元造形システムの概略斜視図である。 (a)および(b)は、一実施形態に係る全体造形物の概略平面図である。 (a)〜(c)は、第1接続部と第2接続部との接続態様を例示した要部断面模式図である。 (a)および(b)は、全体造形物におけるガイド部と第2接続部との位置関係を示した断面図である。 (a)〜(d)は、サポートの形状とサポートが折れたときの様子を説明した断面模式図である。 (a)〜(c)は、一実施形態に係る加工装置による加工の様子を説明した図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る3次元造形装置、および、3次元造形物の製造方法について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と当該分野における出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され、実施することができる。また、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係る3次元造形システム1の構成を示すブロック図である。図2(a)〜(d)は、本実施形態に係る3次元造形物の造形方法を説明する概念図である。図3は、一実施形態に係る3次元造形システム1の概略斜視図である。図面中の符号U、D、F、Rr、L、Rは、それぞれ垂直方向の上、下、水平方向における前、後、左、右を示している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、3次元造形装置20の構成および態様を何ら限定するものではない。
本実施形態に係る3次元造形システム1は、3次元造形装置20と、加工装置30と、制御装置10とを備えている。本実施形態に係る3次元造形物の製造方法では、図2(a)に示したように、3次元造形装置20により、全体造形物60を造形する。一方で、本実施形態に係る3次元造形物の製造方法においては、予め、図2(b)に示したように、後述の全体造形物60を載置するための固定治具70を用意しておく。ここで全体造形物60は、造形対象である対象造形物62と、対象造形物の造形を補助するサポート64と、対象造形物を姿勢を変更した状態(以下、姿勢変更状態という)で支持するガイド部66とを含んでいる。全体造形物60の造形では、3次元造形装置20は、ガイド部66に、固定治具70の第1接続部70aに接続可能な第2接続部66aを形成する。そして、図2(c)に示したように、第1接続部70aと第2接続部66aとを接続して、全体造形物60を固定治具70上に配置した状態で、加工装置30により、全体造形物60からサポート64を除去する。また、対象造形物62からガイド部66を除去する。これにより、図2(d)に示したように、目的の3次元造形物である対象造形物62を得ることができる。
固定治具70は、全体造形物60を造形されたときの姿勢から姿勢を変更させた姿勢変更状態で載置するための部材である。固定治具70は、3次元造形物の造形にあたり、予め用意しておくことができる。固定治具70は、本体71と、本体71に設けられた第1接続部70aとを備えている。本体71は、例えば、平面視が正方形、長方形等の比較的簡単な幾何学的形態を有する厚みのある板部材により構成することができる。このように本体71の形態を簡単にすることで、固定治具70をベース34に載置する際の位置を正確に定めることができる。第1接続部70aの形状、数および配置等については、後で詳しく説明するが、造形する全体造形物60の形状に応じて適宜設定することができる。
3次元造形装置20は、製造方式や大きさ、精度等に特に制限されない。上述のように、造形用の材料を付着することによって目的の造形物を3次元の数値表現(典型的に断面画像データは)から作製する付加製造(Additive manufacturing)を実施し得る各種の装置を対象とすることができる。ここでは、3次元造形装置20の好適な一形態として、FDM方式により造形を行う3次元造形装置20を使用した場合を例にして本願発明について説明する。FDM方式の3次元造形装置20としては、公知のFDM方式の3次元造形装置を特に制限なく採用することができる。本実施形態において、3次元造形装置20の造形方向は上下方向に一致している。3次元造形装置20は、熱可塑性樹脂からなる造形用材料を融解したのち積層して硬化させることを繰り返すことで所望の造形物を造形するFDM方式の3次元造形装置である。造形用材料として、比較的安価で、ハンドリングが容易であり、多様な種類の材料が提供されている熱可塑性樹脂を使用できる点において、FDM方式の3次元造形装置20は好適である。
ここで「熱可塑性樹脂」とは、可逆的に、加熱により軟化して成形できる程度の可塑性が得られ、冷却すると固化する特性を有する樹脂をいう。熱可塑性樹脂の組成は特に制限されない。例えば、具体的には、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリ乳酸(PLA)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。また、ここで用いる造形用材料は、加熱時に加工に適した可塑性を示し得る範囲で、熱可塑性樹脂以外の材料を含むことができる。そのような材料とは、木材、樹脂等の有機材料、金、銀、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンナノチューブ、シリカ、チタニア、アルミナ、アパタイト等に代表される無機材料等からなるフィラー材料であり得る。これらのフィラー材料の形態は特に制限されず、粉末状、中空粒子状、繊維状、ロッド状などであり得る。フィラー材料は、熱可塑性樹脂に対して所望の機能性を付与することができる。
3次元造形装置20の構成は何ら限定されない。本実施形態に係る3次元造形装置20は、造形される全体造形物60を保持するテーブル24と、造形用材料をテーブル24に供給する造形ヘッド22と、を備えている。造形ヘッド22は、図示しないヒータを備えることができる。造形ヘッド22は、ヒータで軟化または融解された造形用材料を押出すとともに、押出された造形用材料をテーブル24上に押し付けるように供給する。造形用材料は、例えば、ワイヤの形態でヒータに供給される。ヒータは、ワイヤ状の造形用材料を造形に適した硬さとなるまで加熱する。造形ヘッド22から押し出された造形用材料は、テーブル24上で冷却されて固化する。テーブル24は、供給された造形用材料を固化させるための冷却装置を備えていても良い。造形ヘッド22から、テーブル24上に全体造形物60の断面形状に対応した形状に造形用材料を供給することで、断面層(固化層)が造形される。ここで、「断面形状」とは、全体造形物60を複数の層に分割したときの各層の断面の形状のことである。このように、FDM方式では、造形ヘッド22から供給された造形用材料が固化して断面層を形成する。そのため、断面層の水平面における最小の造形寸法は、造形ヘッド22の供給口の寸法以上となる。造形ヘッド22の供給口の寸法は、例えば、0.1〜0.5mm程度である。
3次元造形装置20には、左右方向に延びる一対のスライドレール25が設けられている。スライドレール25には、移動部材26がスライド自在に係合されている。移動部材26は、図示しない駆動装置によって、スライドレール25上を左右方向にスライド可能に構成されている。また、移動部材26には、上下方向に延びる一対のスライドレール27が設けられている。保持部材28は、スライドレール27にスライド自在に係合されている。保持部材28は、図示しない駆動装置によって、スライドレール27に沿って上下方向にスライド可能に構成されている。造形ヘッド22は、保持部材28に保持されている。したがって、造形ヘッド22は、保持部材28を介して、スライドレール27に沿って上下方向に移動される。また、造形ヘッド22は、移動部材26を介して、スライドレール25に沿って左右方向に移動される。
また、3次元造形装置20には、前後方向に延びるガイドレール29が備えられている。テーブル24は、図示しない移動機構を介して、ガイドレール29に沿って前後方向に移動される。このような構成により、造形ヘッド22と、テーブル24とは、垂直方向および平面方向で、3次元で相対的に移動可能に構成されている。造形ヘッド22が、造形用材料を供給しながらテーブル24に対し適宜に相対移動することにより、テーブル24上または既に硬化した断面層上に、所定の断面形状の造形用材料が積層される。
上記の3次元造形装置20は、ボトムアップ形式で立体的に複雑な形状の物を造形できるという利点がある。しかしながら、上述のように、造形物の造形精度が造形ヘッド22の供給口の寸法に影響を受け、造形精度がやや劣るか、造形精度を上げると造形速度が遅くなるという欠点があった。これに対し、加工装置30は、加工対象である加工対象物75を加工することで、トップダウン方式で目的の形状の加工物を作製する。また、ここで使用する加工装置30は、3次元造形装置20よりもより短時間でより精密な加工を施すことができるという利点がある。ここに開示される技術においては、この加工装置30を用いて、加工により全体造形物60からサポート64を除去する。
加工装置30としては、特に限定されるものではないが、公知の各種の切削加工機を用いることができる。本実施形態において、加工装置30は、NC切削加工機である。加工装置30の構成は何ら限定されない。本実施形態に係る加工装置30は、ベース部32a、左壁部32b、右壁部32c、天面部32d、前面部32eおよび背面部32fを有するケース32と、図示しないフロントカバーとを備えている。フロントカバーは、ベース部32a、左壁部32b、右壁部32cおよび天面部32dにより囲まれたケース32の開口部を塞ぐ。フロントカバーは、天面部32dの前端から、左壁部32bおよび右壁部32cの上端ないし前端に沿って、前面部32eにまで延設される屈曲された薄板からなり、後方端部を軸として、上方に回動可能に天面部32dの前端に固定されている。フロントカバーが上方に向けて開かれることにより、ケース32の内部空間と外部空間とが連通される。そしてフロントカバーを閉めることにより、ケース32の内部空間と外部空間とが遮断される。
加工装置30は、ケース32の内部に、加工対象物75を支持するベース34と、加工対象物75を加工する加工ツール31とを備えている。加工ツール31は棒状であって、図示しないモータによって駆動され、棒状の軸を中心に回転する。加工ツール31は、スピンドル38に保持されている。加工装置30には、左右方向に延びる一対のスライドレール35が設けられている。スライドレール35には、移動部材36がスライド自在に係合されている。移動部材36は、図示しない駆動装置によって、スライドレール35上を左右方向にスライド可能に構成されている。また、移動部材36には、上下方向に延びる一対のスライドレール37が設けられている。スピンドル38は、スライドレール37にスライド自在に係合されている。スピンドル38は、図示しない駆動装置によって、スライドレール37に沿って上下方向にスライド可能に構成されている。したがって、加工ツール31は、スピンドル38を介して、スライドレール37に沿って上下方向に移動される。また、加工ツール31は、移動部材36を介して、スライドレール35に沿って左右方向に移動される。
また、加工装置30には、前後方向に延びるガイドレール39が備えられている。ベース34は、図示しない移動機構を介して、ガイドレール39に沿って前後方向に移動される。このような構成により、加工ツール31と、ベース34とは、垂直方向および平面方向で、3次元で相対的に移動可能に構成されている。すなわち、加工ツール31は、ベース34に載置された加工対象物75としての全体造形物60に対して前方、後方、左方、右方、上方、および下方に移動可能に構成されている。そして加工ツール31は、回転しながら全体造形物60に対して接触することで、全体造形物60を切削加工する。
本実施形態において、加工装置30と3次元造形装置20とは一体的に構成されている。したがって、例えば、テーブル24とベース34とは、3次元造形システム1における同一の構成部材である。また、左右方向に延びる一対のスライドレール25,35と、前後方向に延びるガイドレール29、39とは、3次元造形装置20と加工装置30とで共通の部材である。これにより、設置場所が少なくてすむ省スペースな3次元造形システム1が実現される。しかしながら、3次元造形装置20と加工装置30とは、必ずしも一体的に構成される必要はなく、別体として構成されていてもよい。
図1に示すように、制御装置10は、3次元造形装置20と、加工装置30とに、通信可能に接続されている。制御装置10は、造形ヘッド22を制御することによって、造形ヘッド22の造形用材料の供給動作を制御する。制御装置10は、移動部材26の駆動装置と、保持部材28の駆動装置とを制御することにより、テーブル24に対する造形ヘッド22の高さおよび左右方向での位置等を制御する。制御装置10は、テーブル24の移動機構を制御することによって、造形ヘッド22に対するテーブル24の前後方向での位置などを制御する。制御装置10は、加工ツール31のモータを制御することによって、加工ツール31の回転動作を制御する。制御装置10は、加工ツール31の移動装置と、スピンドル38の駆動装置とを制御することにより、ベース34に対する加工ツール31の高さおよび左右方向での位置等を制御する。制御装置10は、ベース34の移動機構を制御することによって、加工ツール31に対するベース34の前後方向での位置などを制御する。これにより、制御装置は、3次元造形装置20と、加工装置30との動作を制御することができる。
また、制御装置10は、記憶部11と、造形部12と、接続部作製部13と、第1除去部14と、第2除去部15と、表面加工部16とを備えている。制御装置10は、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するコンピュータプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えていてもよい。制御装置10における記憶部11と、造形部12と、接続部作製部13と、第1除去部14と、第2除去部15と、表面加工部16とは、集積回路等に形成された論理回路によりハードウェアとして構成されていてもよく、CPUがコンピュータプログラムを実行することによりソフトウェアとして機能的に実現されるようになっていてもよい。また制御装置10は、後述する造形物加工部17を備えることもできる。なお、コンピュータプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(有線または無線による通信手段等)を介してCPUと通信可能に構成されていてもよい。なお、本実施形態において、コンピュータプログラムは、電子的伝送によって実現された搬送波に含まれるデータ信号の形態であってもよい。
記憶部11は、全体造形物60の3次元形状を表す3次元データを記憶している。この3次元データには、対象造形物62の3次元形状を表す3次元データと、対象造形物62に配設されるサポート64およびガイド部66の3次元形状を表す3次元データが含まれる。3次元データは、3次元造形装置20および加工装置30の両方で利用される。記憶部は、ROMやHDD等の形態の回路により構成されていても良いし、不揮発性メモリカード等のような半導体媒体、CD、DVD、BD(ブルーレイディスク)等の光記録媒体、磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体により持ち運び可能に構成されていてもよい。
造形部12は、記憶部11に記憶された3次元データを用いて、3次元造形装置20に全体造形物60を造形させる。造形部12は、上記3次元データから、全体造形物60を複数の断面形状に分割したときの各断面形状を表す断面データを作成する。そして、造形部12は、上記断面データを用いて、図2(a)に示したように、3次元造形装置20に全体造形物60を造形させる。すなわち、3次元造形装置20は、上記断面データに基づいて、各断面形状の造形物(断面層)を造形し、それらを順次積層することにより、全体造形物60を造形する。
全体造形物60は、上述のようにサポート64(64a、64b、64c)を含んでいる。通常、テーブル上に形成される最初の第1層はサポート64cである。サポート64cは、全体造形物60の土台ともなるべき部位であって、全体造形物60の造形開始部位であり得る。このサポート64cの存在により、造形用材料として収縮率が比較的大きい熱可塑性樹脂を用いたときであっても、対象造形物62が固化時に収縮して意図しない形状に変形するのを抑制することができる。サポート64cの平面方向は、テーブル24の平面方向と同じである。
サポート64cは、例えば造形ヘッド22をテーブル24に対して網目状に移動させながら造形用材料を押出すことで形成される。造形に際しては、1層目の断面層を造形したのち、造形ヘッド22をテーブル24に対して1層分の厚みだけ上方に移動させる。そして、1層目の断面層の上に、造形ヘッド22から造形用材料を供給し、次の断面層を重ねて造形してゆく。このことを繰り返すことにより、サポート64cを造形することができる。このサポート64cの上には、対象造形物62と、対象造形物の造形を補助するサポート64aと、ガイド部66とが造形される。
次に、サポート64cに連続して対象造形物62を造形する。このとき、必要に応じて、サポート64cと対象造形物62との間に、両者を造形方向(上下方向)で接続する第1サポート64aを形成してもよい。第1サポート64aは、対象造形物62の任意の部位を支持する部材であり、対象造形物62が自重を支えきれずに破損または変形するのを防止する。また、対象造形物62を取り囲む位置に、ガイド部66を造形する。ガイド部66の形状は特に制限されない。さらに、必要であれば、ガイド部66と対象造形物62とを造形方向とは異なる方向(例えば水平方向や、水平方向と交わる傾斜方向)で接続する第2サポート部64bを形成してもよい。第1サポート64aは、第2サポート部64bを支持するように構成されても良い。
図4(a)および(b)は、全体造形物60を上方から見た平面図である。ガイド部66は、全体造形物60の姿勢を造形されたときの姿勢から変更させた姿勢変更状態で固定治具70に載置するときの、全体造形物60の姿勢を固定治具70上に支持するための部材である。ガイド部66は、サポート64cに連続して造形される。ガイド部66は、第2サポート部64bを介して対象造形物62を支持するようにしてもよい。ガイド部66は、全体造形物60の任意の姿勢変更状態を支持し得るように、CAD装置などの専用の装置によって演算することで適切に設計される。
ガイド部66は、図4(a)に示すように、対象造形物62を平面視で全周を取り囲むように構成されてもよい。これにより、全体造形物60を姿勢変更状態で安定して支持することができる。また、対象造形物62の重量が重い場合であっても、対象造形物62を安定して支持することができる。さらに、ガイド部66によっても、対象造形物62が固化するときの収縮による反りや変形を均質に抑制することができる。図4(a)においてガイド部66は平面視で方形であるが、これに限定されない。ガイド部66は、例えば、平面視で円形、楕円形、あるいは不定形などであってよい。なお、ガイド部66が対象造形物62を全周で取り囲むことで、ガイド部66の体積は大きくなる。しかしながら、造形材料である熱可塑性樹脂は、比較的安価なものが多い。したがって、FDM法においては、ガイド部66を対象造形物62と同じ材料で作製しても経済的な負担が少ないという利点がある。
また、ガイド部66は、対象造形物62を平面視で全周を取り囲む形態のものに限定されない。例えば、図4(b)に示すように、対象造形物62に対して水平面に沿った周縁の一部において対象造形物62を支持するように設けてもよい。図4(b)では、ガイド部66は、左右方向で対象造形物62を挟むようにして支持している。具体的には図示しないが、例えば、ガイド部66は、後方、右前方、左前方の三方向で対象造形物62を支持するようにしてもよい。このように、ガイド部66が対象造形物62を周縁の一部でのみ支持することで、ガイド部66を短時間で造形することができる。
接続部作製部13は、3次元造形装置20または加工装置30を制御することにより、ガイド部66に第2接続部66aを形成する。第2接続部66aは、3次元造形装置20と加工装置30との何れを用いて形成しても良く、両方を用いて形成してもよい。図4(a)および(b)の例では、ガイド部66の上面に4個の第2接続部66aが形成されている。第2接続部66aは、ガイド部66の上面で均等に分散されて配置されている。このことにより、固定治具70に対して全体造形物60のずれを少なくして安定して固定することができる。
第2接続部66aは、固定治具70に備えられた第1接続部70aに接続可能であれば、その接続形態は特に制限されない。図5(a)〜(c)は、固定治具70の第1接続部70aと、ガイド部66の第2接続部66aとの、接続態様を例示した要部断面模式図である。図5(a)において、固定治具70は、本体71の表面から凹むように形成された第1接続部70aとしての凹部を備えている。また、ガイド部66は、ガイド部66の表面から突出した第2接続部66aとしての凸部を備えている。第1接続部70aとしての凹部に、第2接続部66aとしての凸部が嵌り合うことで、固定治具70の所定位置にガイド部66が固定される。第2接続部66aとしての凸部は、3次元造形装置20により、ガイド部66の表面に突出する凸部を造形することで形成することができる。第1接続部70aとしての凹部との嵌まり合いをより精密にするために、3次元造形装置20により凸部を大きめに造形したのち、加工装置30によってより精密に切削整形して所定寸法の凸部を形成してもよい。
また、図5(b)において、固定治具70は、本体71の表面から突出するように形成された第1接続部70aとしての凸部を備えている。また、ガイド部66は、ガイド部66の表面から凹むように形成された、第2接続部66aとしての凹部を備えている。第1接続部70aとしての凸部に、第2接続部66aとしての凹部が嵌り合うことで、固定治具70の所定位置にガイド部66が固定される。第2接続部66aとしての凹部は、加工装置30により、ガイド部66の表面を切削加工することで形成することができる。あるいは、凹部は、3次元造形装置20により、凹部を備えるようにガイド部66を造形することで形成することができる。この場合、第1接続部70aとしての凸部との嵌まり合いをより精密にするために、3次元造形装置20により小さめに凹部を造形したのち、加工装置30によってより精密に整形して所定寸法の凹部を形成してもよい。
また、図5(c)において、固定治具70は、本体71の表面から凹むように形成された第1接続部70aとしての凹部を備えている。また、ガイド部66は、ガイド部66の表面から凹むように形成された、第2接続部66aとしての凹部を備えている。そして第1接続部70aとしての凹部と、第2接続部66aとしての凹部とは、接続ピン70bを介して、互いに接続される。接続ピン70bは、一端が第1接続部70aとしての凹部に、他端が第2接続部66aとしての凹部にそれぞれ挿入される。これにより、固定治具70の所定位置にガイド部66が固定される。第2接続部66aとしての凹部は、上述のように形成することができる。
以上のように、本実施形態においては、比較的簡単な構成により、ガイド部66を固定治具70の所定の位置に正確に固定することができる。また、固定治具70の第1接続部70aの位置および形状を固定しておき、この第1接続部70aの位置および形状に合わせてガイド部66の第2接続部66aを形成することで、一つの固定治具70に対して様々な対象造形物62を固定し、サポート除去を実施することができる。なお、固定治具70の第1接続部70aは、様々な形態の全体造形物60を固定できるように、全体造形物60に形成される第2接続部66aの数よりも多くの第1接続部70aを備えておくことができる。例えば、本体71の上面には、格子の交点に相当する位置に第1接続部70aを設けておくことができる。これにより、効率良く3次元造形物の作製を行うことができる。
また、上記態様によると、例えば、全体造形物60に複数の姿勢変更状態に対応した第2接続部66aを設けておくことで、複数の姿勢変更状態で全体造形物60を固定治具70に固定することができる。これにより、全体造形物60の姿勢変更状態を様々に変化させながら、サポート除去を実施することができる。
本実施形態によると、固定治具とガイド部とで接合構造の形態を変更することができる。上述のように、ガイド部66には第2接続部66aとして、例えば加工装置30により凹部を形成することが簡便であり得る。また、3次元造形物の製造に繰り返しの使用が可能な固定治具70には、第1接続部70aとして、消耗の影響の少ない凹部を設けておくことがより好ましい。したがって、このような凹部からなる固定治具70とガイド部66とを、別部材の接続ピン70bを用いて接合することで、効率良く3次元造形物の作製を行うことができる。また、ガイド部66の第2接続部66aとしての凹部は、加工機30により比較的短時間で高精度に形成することが簡便であり得る。したがって、このような構成によっても、効率良く3次元造形物を作製することができる。
ガイド部66に設けられる第2接続部66aの数は特に制限されない。第2接続部66aはガイド部66に少なくとも1つ設けられれば良い。固定治具70に安定してガイド部66を固定するためには、第2接続部66aの数は2個以上であることが好ましく、例えば、3個以上であることが好ましく、より好ましくは4個であり得る。また、ガイド部66に設けられる第2接続部66aの断面形状は特に制限されず、固定治具70の第1接続部70aに嵌まり合う形状とすることができる。第2接続部66aの断面形状は円形であってもよいし、円形以外の方形、星形、不定形等であっても良い。また、ガイド部66に複数の第2接続部66aが設けられる場合、第2接続部66aの断面形状は全て同一であってもよいし、一部または全部が異なる形状であってもよい。これにより、固定治具70上でのガイド部66の載置位置を誤ることなく、固定治具70にガイド部66を固定することができる。
ガイド部66に設けられる第2接続部66aの位置は特に制限されない。図6(a)に示した全体造形物60には、ガイド部66の上端であって、造形方向(上下方向)の造形終了位置に、第1の第2接続部66a1が設けられている。第1の第2接続部66a1を固定治具70の第1接続部70aに接続することで、全体造形物60を造形方向に対して180°回転させた姿勢変更状態で固定治具70上に載置することができる(図2(c)参照)。一方で、全体造形物60には、ガイド部66の右側面の上方と下方とに、第2の第2接続部66a2が設けられている。第2の第2接続部66a2を固定治具70の第1接続部70aに接続することで、図6(b)に示したように、全体造形物60を造形方向に対して90°回転させた姿勢変更状態で固定治具70上に載置することができる。ガイド部66には、例えば、第1の第2接続部66aと、第2の第2接続部66a2との、いずれか一方が備えられていればよいが、両方が備えられていてもよい。第2接続部66aが、ガイド部66の異なる方位に複数設けられていることで、全体造形物60を異なる複数の姿勢で固定治具70上に載置することが可能となる。
以上のようにして全体造形物60を造形したのち、この全体造形物60を固定治具70上に載置する。全体造形物60の載置に際しては、固定治具70の第1接続部70aと全体造形物60の第2接続部66aとを接合する。これにより、所定の姿勢変更状態で全体造形物60を固定治具70に安定して位置ずれを生じることなく載置することができる。全体造形物60を載置した固定治具70は、例えば、加工装置30のベース34に移動される。これにより、次工程のサポート除去を実施することができる。なお、3次元造形装置20と加工装置30とが一体的に構成されているときは、全体造形物60を載置した固定治具70は、例えば、テーブル24の所定位置に戻される。
第1除去部14は、加工装置30を制御することにより、固定治具70に載置された全体造形物60から、サポート64を除去する。このとき、第1除去部14は、記憶部11に記憶された3次元データに基づいて加工装置30を制御し、サポート64を除去する。加工装置30は、対象造形物62の形状を忠実に再現するように、全体造形物60を切削加工する。
また、上記のとおり、全体造形物60は、複数の姿勢(姿勢変更状態)で固定治具70に載置することができる。そのため、第1除去部14は、固定治具70上の全体造形物60の姿勢を変えるごとに、全体造形物60のサポート64を除去するよう、加工装置30を制御するようにしてもよい。例えば、図6(b)に示した例では、全体造形物60は、造形方向の右側側面を下方に向け、左側側面を上方に向けて、固定治具70上に載置されている。したがって、加工装置30は、全体造形物60の左側側面からサポート64を容易に切削除去することができる。その後、全体造形物60は、例えば、図6(a)に示したように、造形方向の開始位置側(すなわち下面側)を上方に向けて、固定治具70上に載置することができる。すると、加工装置30は、全体造形物60の下面側からサポート64を除去することができる。したがって、例えば、加工装置30は、全体造形物60の左側側面からサポート64を除去したのち、全体造形物60の姿勢を変えて、全体造形物60の下面側からサポート64を除去することができる。これにより、全体造形物60のサポート64に対して様々な角度から切削加工を施すことができ、加工装置30により精密にサポート64を切削除去することができる。延いては、高精度な対象造形物62を得ることができる。
なお、図7(a)に示すように、サポート64aは、対象造形物62に接続する側の端部Eを、中央部Cよりも、造形方向に垂直な断面における断面積が大きくなるよう造形することが好ましい。図7(c)に示すように、一般的なサポート64nは、全体が概ね均一な太さで形成されている。しかしながらこのようなサポート64nに対し、加工装置30が側方からサポート除去を行った場合、サポート64nと対象造形物62との境界に応力が集中し、当該境界においてサポート64nが根元から折れてしまう可能性がある。このとき、図7(d)に示すように、サポート64nの根元と接続する対象造形物62の一部がサポート64nとともに剥離し、対象造形物62が抉り取られる可能性がある。これは対象造形物62の表面精度を著しく損なうために好ましくない。そこで、サポート64aが対象造形物62に接続する側の端部Eを中央部Cよりも太くしておくことで、側方から力が作用した場合であっても、サポート64aと対象造形物62との境界においてサポート64aが破損することを防止することができる(図7(b)参照)。これにより、サポート64aの破損により対象造形物62が抉り取られることも防止することができる。このことは、一般に、サポートは、3次元造形物との接合面積が小さい方が好ましいとされている点で、従来の知見と大きく異なる。
表面加工部16は、加工装置30を制御することにより、対象造形物62の表面を加工する。加工装置30は、サポートの除去を実施するだけでなく、対象造形物62の表面加工をも行うことができる。例えばこの表面加工は、記憶部11に記憶された3次元データに基づいて実施することができる。これにより、例えば、造形ヘッド22の供給口の寸法により制限されていた対象造形物62の表面精度が向上される。
また、表面加工部16は、記憶部11に記憶された3次元データとは異なる他のデータに基づき、対象造形物62の表面を加工するよう加工装置30を制御することができる。3次元データとは異なる他のデータとは、例えば、対象造形物62の表面への刻印、名入れ、レリーフなどの装飾などである。これにより、例えば、対象造形物62に対して付加価値を付与することができる。
第2除去部15は、加工装置30を制御することにより、対象造形物62をガイド部66から切り離すことができる。このとき、ガイド部66から対象造形物62が落下する可能性があるときは、対象造形物62の下方に落下の衝撃を和らげる緩衝部材を配置するようにしても良い。これにより、人手による切り離しを要せず、加工装置30による対象造形物62の切り離しを実現することができる。第2除去部15によるガイド部66の除去は、第1除去部14によるサポート64の除去、表面加工部16による対象造形物62の表面を加工がおこなわれた後に実施することができる。しかしながら、第1除去部14によるサポート64の除去と、第2除去部15によるガイド部66の除去とは、順不同に行うことができる。例えば、ガイド部66とサポート64bとがより大きな面積で接続されている場合は、第1除去部14によるサポート64の除去と第2除去部15によるガイド部66の除去とを連続的に行うことができる。例えば、対象造形物62の右方(左方)のガイド部66を対象造形物62の側に向かって除去した後、連続的に対象造形物62の右方(左方)のサポート64bを除去してもよい。またガイド部66の除去とサポート64の除去とを繰り返し行っても良い。
以上のように、本実施形態によると、第2接続部66aを備えるガイド部66を、対象造形物62に一体的に形成するようにしている。そしてガイド部66の第2接続部66aと、固定治具70の第1接続部70aとを接続することにより、造形した全体造形物60を固定治具70の所定の位置に固定することができる。したがって、加工装置30に対する全体造形物60の配置を精確に定めることができる。また、サポート除去時の全体造形物60の位置ずれを防止することができ、加工装置30によるサポート除去をさらに精確に実施することができる。
本実施形態によると、3次元造形装置20と加工装置30とで一つの3次元データを共有することができる。したがって、加工装置30は、3次元データに基づいて対象造形物62の形状を忠実に形成するように、サポート34を除去することができる。これにより、サポート34を除去した痕跡の目立たない対象造形物62を造形することができる。
本実施形態によると、加工装置30により、3次元造形装置20で造形した対象造形物62の表面を加工することができる。加工装置30は、3次元造形装置20よりも表面精度の高い加工を実施することができる。これにより、表面精度の高い3次元造形物を作製することができる。また、対象造形物62の表面に、付加的に、任意の加工を施すことができる。これにより、付加価値の高い3次元造形物を作製することができる。
本実施形態によると、ガイド部66からの対象造形物62の切り離しを加工装置30により実施することができる。これにより、人の手を要することなく対象造形物62を作製することができる。
なお、切削加工装置30は、一般に、3次元造形装置20よりも表面精度の高い加工を短時間で実施することができる。したがって、本実施形態によると、立体的に複雑な加工を実施できる3次元造形装置20と、切削加工装置30とを効果的に組み合わせることでき、簡便かつ高精度に3次元造形物の製造を実施することができる。
さらに、本実施形態によると、3次元造形装置20による全体造形物60の造形が終了したときに、加工装置20により、対象造形物62の造形方向の上方を加工することができる。その後、例えば、全体造形物60を180°回転させた状態で、サポート64の除去と、対象造形物62の加工とを、実施することができる。すなわち、加工装置20による対象造形物62の加工を、造形方向の上面と下面との両面に対して実施することができる。これにより、表面精度の高い3次元造形物を造形することができる。
本実施形態によると、サポート64の中央部は、サポート64と対象造形物62との接合部よりも断面積が小さく細い。したがって、サポート除去時に、サポート64の中央部Cは容易に破断されるが、サポート64と対象造形物62との接合部で対象造形物62を抉るようにサポート64が破断することを防止することができる。また、一般に、サポート64と対象造形物62との接合部の面積は小さくすることが求められる。しかしながら、本実施形態では、加工精度が比較的高い加工装置30によりサポート64の除去を行うようにしている。そのため、サポート64と対象造形物62との接合部の面積が大きくても表面精度が損なわれる虞がないために好ましい。
本実施形態によると、サポート64は、造形テーブル24を利用して第1サポート64aにより対象造形物62を支えるのみならず、ガイド部66を利用して第2サポート64bにより対象造形物62を支えることができる。これにより、重量の大きい対象造形物62であっても、安定して造形することができる。また、サポート64により安定して支持した状態で、例えば、対象造形物62の上面と下面との加工を実施することができる。また、第1サポート64aを除去するときにも、第2サポート64bにより安定して対象造形物62を支持することができるために好ましい。
なお、上記実施態様では、加工装置30は、サポート64の除去と、対象造形物62の切り離しおよび表面加工を行うようにしていた。これらの加工は、全体造形物60を固定治具70に載置した状態で実施されていた。しかしながら、加工装置30による対象造形物62の加工は、固定治具70に載置された全体造形物60に対する表面加工に限定されない。例えば、対象造形物62によっては、3次元造形の際の対象造形物62の形状が上下方向に対して下方に大きく窪んだ凹部Xを有する場合があり得る(図8(b)参照)。このようなとき、3次元造形装置20は、図8(a)に示すように、凹部Xを設けることなく、全体造形物60を造形することができる。そして、図8(b)に示すように、全体造形物60を造形したのち、引き続き加工装置30による切削加工で、凹部Xを形成するようことができる。このとき、制御部10は、造形物加工部17を備えることができる。造形物加工部17は、加工装置30を制御することにより、3次元造形装置20により造形され、固定治具70に載置される前の全体造形物60に対して加工を行う。これにより、3次元造形装置20により全体造形物60を短時間で造形することができ、また、加工装置30により凹部Xを高精度で加工することができる。なお、この場合、凹部Xに相当する造形部分をサポート64と看做すこともできる。全体造形物60は、加工装置30による凹部Xの切削加工を終えた後、図8(c)に示すように、所定の姿勢変更状態で固定治具70に載置される。そして引き続き、加工装置30によるサポート64の除去に供することができる。
上記実施態様では、3次元造形装置20として、FDM方式の装置を用いた例を示した。しかしながら、3次元造形装置20はFDM方式のものに制限されない。上述のように、3次元造形装置20として、結合材噴射、指向性エネルギー堆積、材料噴射、粉末床溶融結合、シート積層、および、液槽光重合等の各種の方式の3次元造形装置を採用することができる。このような3次元造形装置によると、造形用材料が熱可塑性樹脂に限定されることなく、熱硬化性樹脂等の他の樹脂材料、金属材料、セラミック材料を主体とする造形用材料を用いることができる。また、材料噴射方式の3次元造形装置は、上記FDM方式の装置と構成が類似している。したがって、ここに開示される技術によると、上記のように加工装置30と一体的に構成しやすいという点において好ましい。結合材噴射、粉末床溶融結合およびシート積層方式の3次元造形装置は、造形精度が比較的低いことがある。したがって、ここに開示される技術によると、加工装置30による表面精度の向上等の効果が得られやすいという点において好ましい。指向性エネルギー堆積および液槽光重合方式の3次元造形装置は、造形精度が比較的高く、サポートの形状および配置も複雑となり得る。したがって、ここに開示される技術によると、全体造形物60の姿勢を多様に変化させて高精度にサポート除去を行えるという点において好ましい。
また、上記実施態様では、加工装置30として、回転する加工ツールを加工対象物75に接触させて切削を行う切削加工機を用いた。しかしながら、加工装置30は、切削加工機に限定されない。例えば、加工装置30は、非接触で加工を行う加工機を用いることもできる。非接触の加工機としては、例えば、電子ビームやレーザの照射により加工対象物75の加工を行う電子線加工機やレーザ加工機が挙げられる。これらはいずれか一つの加工機が単独で備えられていてもよいし、2種以上の加工機が併設されていてもよい。
1 3次元造形システム
10 制御装置
20 3次元造形装置
30 加工装置
60 全体造形物
62 対象造形物
64 サポート
66 ガイド部
70 固定治具

Claims (14)

  1. 造形対象である対象造形物と、前記対象造形物の造形を補助するサポートと、前記対象造形物の姿勢を変更させた状態で前記対象造形物を支持するガイド部と、を含む全体造形物を造形する3次元造形装置と、
    前記全体造形物から前記サポートを除去する加工装置と、
    前記3次元造形装置および前記加工装置を制御する制御装置と、を備え、
    姿勢が変更された前記全体造形物に接続される第1接続部を備え、前記全体造形物が載置される固定治具が予め用意されており、
    前記制御装置は、
    前記3次元造形装置または前記加工装置を制御することにより、前記固定治具の前記第1接続部に接続可能な第2接続部を前記ガイド部に形成する接続部作製部と、
    前記加工装置を制御することにより、前記固定治具の前記第1接続部と前記ガイド部の前記第2接続部とが接続された状態で前記固定治具に載置されている前記全体造形物から、前記サポートを除去する第1除去部と、
    を備える、3次元造形システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記全体造形物の3次元形状を表す3次元データを記憶する記憶部と、
    前記3次元データに基づき、前記3次元造形装置に前記全体造形物を造形させる造形部と、を備え、
    前記第1除去部は、前記3次元データに基づき、前記加工装置に前記サポートを除去させるよう構成されている、請求項1に記載の3次元造形システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記加工装置を制御することにより、前記対象造形物の表面を加工する表面加工部を備える、請求項1または2に記載の3次元造形システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記加工装置を制御することにより、前記3次元造形装置により造形され、前記固定治具に載置される前の前記全体造形物に対して加工を行う造形物加工部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記加工装置を制御することにより、前記対象造形物を前記ガイド部から切り離す第2除去部を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  6. 前記固定治具は、本体と、前記本体に設けられた前記第1接続部としての凹部とを備えており、
    前記第2接続部は、前記ガイド部の表面から突出し、前記凹部に嵌り合う凸部を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  7. 前記固定治具は、本体と、前記本体の表面から突出した第1接続部としての凸部とを備えており、
    前記第2接続部は、前記凸部に嵌り合う凹部を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  8. 前記固定治具は、本体と、前記本体に設けられ前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する接続ピンの一端が挿入される第1凹部と備えており、
    前記第2接続部は、前記接続ピンの他端が挿入される第2凹部を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  9. 前記3次元造形装置は、熱溶解積層方式に基づき造形を実施する造形装置である、請求項1〜8のいずれか1項に記載された3次元造形システム。
  10. 前記加工装置は、切削加工機により構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載された3次元造形システム。
  11. 前記ガイド部は、前記対象造形物を造形方向に対して180°回転させた状態で支持可能なように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載された3次元造形システム。
  12. 前記サポートは、前記全体造形物の造形開始部位と前記対象造形物とに接続する棒状に形成され、前記対象造形物に接続する側の端部は、前記端部を除く中央部よりも、造形方向に垂直な面の断面積が大きくなるよう造形する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  13. 前記サポートは、前記全体造形物の造形開始部位と前記対象造形物とを造形方向で接続する第1サポートと、前記ガイド部と前記対象造形物とを接続する第2サポート部とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の3次元造形システム。
  14. 3次元造形装置により、造形対象である対象造形物と、前記対象造形物の造形を補助するサポートと、前記対象造形物の姿勢を変更させた状態で前記対象造形物を支持するガイド部と、を含む全体造形物を造形する3次元造形工程と、
    姿勢が変更された前記全体造形物に接続される第1接続部を備え、前記全体造形物が載置される固定治具を用意する固定治具用意工程と、
    前記3次元造形装置または加工装置により、前記ガイド部に、前記固定治具の前記第1接続部に接続可能な第2接続部を形成する接続部形成工程と、
    前記第1接続部と前記第2接続部とを接続して前記全体造形物を前記固定治具上に配置する配置工程と、
    前記加工装置により、前記全体造形物から前記サポートを除去するサポート除去工程と、
    を包含する3次元造形物の製造方法。
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