JP2006256240A - 積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ合金製のセクターモールドのプロファイル面に、積層造形法により製作したパターン成形物を加熱・加圧して成形することで、精度良く製造できる積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法を提供する。
【解決手段】 セクターモールドWは、機械加工等により所定の形状に製作すると共に、そのプロファイル面Waは、予め切削や研磨等により粗面加工し、水溶性還元剤で表面処理する。一方、パターン成形物Zは、積層造形法により、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物を使用して凹凸形状や溝形状等のパターンを一体的に形成する。そして、下型1上に表面処理したプロファイル面Waを備えた所定温度のセクターモールドWを所定位置に配置し、更にプロファイル面Wa上に接着剤を介してパターン成形物Zを載置する。その後、パターン成形物Zの上面から上型2を嵌合させて、一定の温度と圧力により加熱・加圧して一体的に成形するものである。
【選択図】図3

Description

この発明は、積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法)を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法にかかわり、更に詳しくは機械加工されたアルミ合金製のセクターモールドのプロファイル面に、積層造形法により製作した耐熱性の熱可塑性樹脂材料から成るパターン成形物を加熱・加圧して一体的に成形する積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法に関するものである。
従来、タイヤ加硫用成形金型の製造方法として、石膏型を用いた金型鋳造法と、金型を用いたダイカスト鋳造法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の製造方法は、金型の製造に多くの時間と手間がかかり、また鋳造法の欠点である冷却時の金属収縮による金型プロファイル面の振れの精度と鋳肌精度に問題があり、外観の良好なタイヤを製造することが難しいと言う課題があった。
特開2001−150444号公報
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、金属製のセクターモールドのプロファイル面に、積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法)により製作した耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物を加熱・加圧して一体的に成形することで、タイヤ加硫用成形金型を短時間に,精度良く製造できる積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法を提供することを目的とするものである。
この発明は上記目的を達成するため、金属製のセクターモールドのプロファイル面に、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物を一体的に成形するタイヤ加硫用成形金型の製造方法であって、予めプロファイル面を水溶性還元剤で表面処理した前記セクターモールドをプロファイル面を内面側として下型上の所定位置にセットし、前記セクターモールドのプロファイル面上に、予め積層造形法により製作したパターン成形物を所定位置に配置し、その上面から上型により加熱・加圧して一体的に成形することを要旨とするものである。
ここで、積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法またはRP法と言う)とは、イメージ(3次元CADデータ)から直ちに成形機により複雑なデザイン形状の実体を一体成形を可能としたもので、このことから鋳造用等のマスタモデルへ適用したものである。
この積層造形法では、イメージした物体の3次元CADデータからXY平面(水平面)の多層のスライドデータを算出し、立体化フォーマットを付加して成形機に送り、成形機では、光硬化樹脂等をスライドデータに基づいてレーザービーム等の照射位置をコントールして、一層ずつ硬化、積層させ、イメージした物体、即ちこの発明では、パターン成形物を製作するものである。例えば、光造形法では、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の液体紫外線硬化樹脂槽の中へ、紫外線または可視光のレーザービームを走査して、一層ずつ硬化、積層させて成形するものである。
前記セクターモールドがアルミ合金であり、またセクターモールドのプロファイル面上に、接着剤を塗布した後、前記積層造形法により製作したパターン成形物を上型により加熱・加圧して一体的に成形する。また、前記セクターモールドを移動させながら、順次積層造形法により製作した複数のパターン成形物を上型により加熱・加圧して一体的に成形するものである。更に、前記水溶性還元剤は、ヒドラジン,水素化ホウ素アルカリ金属または水素化アルミニウムアルカリ金属から選ばれた一つを使用し、前記耐熱性の熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を使用するものである。
このようにセクターモールドのプロファイル面に、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物を一体的に成形することで、タイヤ加硫用成形金型を短時間に,精度良く製造できるものである。
この発明は、上記のように金属製のセクターモールドのプロファイル面に、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物を一体的に成形するタイヤ加硫用成形金型の製造方法であって、予めプロファイル面を水溶性還元剤で表面処理した前記セクターモールドをプロファイル面を内面側として下型上の所定位置にセットし、前記セクターモールドのプロファイル面上に、予め積層造形法により製作したパターン成形物を所定位置に配置し、その上面から上型により加熱・加圧して一体的に成形するので、タイヤ加硫用成形金型を短時間に,精度良く製造でき、しかも安価に製作出来ると共に、外観の良好なタイヤを製造することが出来る効果がある。
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法)を用いて製造したタイヤ加硫用成形金型の一部斜視図、図2はアルミ合金等の金属製のセクターモールドWと、積層造形法で製作した耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物Zとの分解斜視図を示し、前記セクターモールドWのプロファイル面Wa(プロファイル成形面)は、予め切削や研磨等により祖面加工し、水溶性還元剤で表面処理してある。
この表面処理は、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物Zとの結合力(投錨効果)を高めるために行うもので、更に樹脂材料との結合力を高めるために、ヒドラジン,水素化ホウ素アルカリ金属または水素化アルミニウムアルカリ金属から選ばれた一つの水溶性還元剤により表面処理したものである。また、前記耐熱性の熱可塑性樹脂組成物としては、耐熱性,機械的強度ともに優れているポリブチレンテレフタレート系樹脂を使用することが望ましい。
この発明では、上述したようにセクターモールドWは、機械加工等により所定の形状に製作すると共に、そのプロファイル面Wa(プロファイル成形面)は、予め切削や研磨等により祖面加工し、水溶性還元剤で表面処理する。一方、パターン成形物Zは、積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法)により、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物を使用して凹凸形状や溝形状等のパターンを一体的に形成する。
この積層造形法では、上述したように、イメージした物体の3次元CADデータからXY平面(水平面)の多層のスライドデータを算出し、立体化フォーマットを付加して成形機に送り、成形機では、光硬化樹脂等をスライドデータに基づいてレーザービーム等の照射位置をコントールして、一層ずつ硬化、積層させ、イメージした物体、即ちこの発明では、パターン成形物を製作するものである。
そして、このように形成したセクターモールドWとパターン成形物Zとを一体的に製造する場合には、図3及び図4,図5に示すように、下型1上に表面処理したプロファイル面Waを備えた所定温度(例えば、150°C前後に加熱する)のセクターモールドWを所定位置に配置し、更にプロファイル面Wa上に接着剤を介してパターン成形物Zを載置する。その後、パターン成形物Zの上面から上型2を嵌合させて、一定の温度と圧力により加熱・加圧(プレス)して一体的に成形するものである。
なお、プロファイル面Waに対して複数のパターン成形物Zを一定のピッチで連続的に成形する場合には、上記のようなパターン成形物Zを予め積層造形法で複数製作しておき、そして上記のような工程により一定ピッチ毎にパターン成形物Zをずらせて載置させ、上型2を嵌合させて、一定の温度と圧力により加熱・加圧(プレス)して一体的に成形することにより可能である。
このような方法により、金属製のセクターモールドWのプロファイル面Waに、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物Zを一体的に接着成形して製造するので、タイヤ加硫用成形金型を短時間に,精度良く製造でき、しかも安価に製作出来ると共に、外観の良好なタイヤを製造することが出来るものである。
この発明の積層造形法(Rapid Prototyping:ラピッドプロトタイピング法)を用いて製造したタイヤ加硫用成形金型の一部斜視図である。 この発明のアルミ合金等の金属製のセクターモールドと、積層造形法で製作した耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物との分解斜視図である。 この発明のセクターモールドと積層造形法で製作したパターン成形物との組付け工程の説明図である。 セクターモールドのプロファイル面にパターン成形物を加熱・加圧して一体的に成形する工程の説明図である。 図4の側面図である。
符号の説明
1 下型 2 上型
W セクターモールド Wa プロファイル面
Z パターン成形物

Claims (6)

  1. 金属製のセクターモールドのプロファイル面に、耐熱性の熱可塑性樹脂組成物から成るパターン成形物を一体的に成形するタイヤ加硫用成形金型の製造方法であって、予めプロファイル面を水溶性還元剤で表面処理した前記セクターモールドをプロファイル面を内面側として下型上の所定位置にセットし、前記セクターモールドのプロファイル面上に、予め積層造形法により製作したパターン成形物を所定位置に配置し、その上面から上型により加熱・加圧して一体的に成形することを特徴とする積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。
  2. 前記セクターモールドが、アルミ合金である請求項1に記載の積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。
  3. 前記セクターモールドのプロファイル面上に、接着剤を塗布した後、前記積層造形法により製作したパターン成形物を上型により加熱・加圧して一体的に成形する請求項1または2に記載の積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。
  4. 前記セクターモールドを移動させながら、順次積層造形法により製作した複数のパターン成形物を上型により加熱・加圧して一体的に成形する請求項1,2または3に記載の積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。
  5. 前記水溶性還元剤は、ヒドラジン,水素化ホウ素アルカリ金属または水素化アルミニウムアルカリ金属から選ばれた一つを使用する請求項1,2,3または4に記載の積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。
  6. 前記耐熱性の熱可塑性樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を使用する請求項1,2,3,4または5に記載の積層造形法を用いたタイヤ加硫用成形金型の製造方法。


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