JP2002320851A - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents
排ガス浄化用触媒及びその製造方法Info
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Abstract
さらに向上させる。 【解決手段】CeO2を含む担体粉末にPt及びPdの少なくと
も一種を担持して触媒粉末とし、次いで還元作用をもつ
溶液と触媒粉末を接触させてCeO2を還元して Ce2O3とす
る。担体の内部まで酸素吸蔵放出能が発現されるととも
に、 Ce2O3に担持された貴金属は活性が大幅に向上す
る。
Description
るいは還元成分過剰のリッチ雰囲気の排ガス中で使用さ
れる排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
て、排ガス中のCO及びHCの酸化とNOxの還元とを同時に
行って浄化する三元触媒が用いられている。このような
三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからな
る耐熱性ハニカム基材にγ-Al2O3からなる担体層を形成
し、その担体層に白金(Pt)やロジウム(Rh)などの貴
金属を担持させたものが広く知られている。
の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが
挙げられ、一般には Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2などが用
いられることが多い。また酸素吸蔵放出能(以下 OSCと
いう)をもつCeO2を併用することで、排ガスの雰囲気変
動を緩和することも行われている。さらに、CeO2をZrO2
との複合酸化物とすることで、CeO2の OSCの耐久性を向
上できることも知られている。
ジン始動からごく短い時間にも排ガスを浄化する必要性
がきわめて高くなっている。そのためには、より低温で
触媒を活性化し、排出規制成分を浄化しなければならな
い。
らCOを浄化する性能に優れていることが知られている。
このような触媒を用いれば、COが低温で着火されること
によってPtのCO吸着被毒が緩和され、HCの着火性が向上
する。また、これによって触媒表面の暖機が促進される
ため、低温域からHCを浄化することができる。さらに、
この触媒では、水性ガスシフト反応によって低温域でH2
が生成されるため、そのH2とNOx との反応により低温域
からNOx を還元浄化することができる。
持した触媒を用いても、低温域における浄化活性がまだ
不十分であり、さらなる低温活性の向上が求められてい
る。
ものであり、セリウムを含む担体を用いた触媒の低温活
性をさらに向上させることを目的とする。
明の排ガス浄化用触媒の特徴は、ストイキ雰囲気あるい
は還元成分過剰のリッチ雰囲気の排ガス中で使用される
排ガス浄化用触媒であって、セリウム酸化物を含む担体
と、Pt及びPdの少なくとも一種よりなり担体に担持され
た貴金属とよりなり、セリウム酸化物は還元処理によっ
て大部分が Ce2O3となっていることにある。
めの本発明の製造方法の特徴は、還元作用をもつ溶液と
CeO2を含む担体粉末とを接触させCeO2を還元して還元担
体粉末とする還元工程と、還元担体粉末にPt及びPdの少
なくとも一種を担持する担持工程と、よりなることにあ
る。
のもう一つの製造方法の特徴は、CeO2を含む担体粉末に
Pt及びPdの少なくとも一種を担持して触媒粉末とする担
持工程と、還元作用をもつ溶液と触媒粉末を接触させて
CeO2を還元する還元工程と、よりなることにある。
ろ、CeO2に貴金属を担持した触媒を還元処理することに
よって、低温活性が格段に向上することが発見された。
そしてCeO2が還元されて Ce2O3となること、さらに Ce2
O3に担持された貴金属はCeO2に担持した場合に比べて活
性が大幅に向上することが明らかとなった。本発明はこ
のような発見に基づいてなされたものである。
雰囲気変動によって価数が増減することで OSCが発現さ
れることが知られている。またCeO2−ZrO2複合酸化物又
は固溶体とすることで、 OSCがさらに向上することも知
られている。しかしながら排ガスの雰囲気変動によるセ
リウム酸化物の価数変動は、担体の表層部のみであり内
部はほとんどCeO2の状態のままで価数変動が生じていな
いと考えられる。そのため担体内部のCeO2は、 OSCには
ほとんど寄与していないと考えられる。
リウム酸化物の還元処理によって大部分が Ce2O3となっ
た担体を用いている。これにより担体の内部まで OSCが
発現され、排ガス中のHC,CO及びNOx をより低温域から
浄化することができる。またCe2O3に担持された貴金属
は、活性が大幅に向上する。これにより、低温活性が格
段に向上する。なお大部分とは80%以上であることを意
味する。
ては、少なくともセリウム酸化物を含めばよく、セリウ
ム酸化物のみからなる担体、CeO2−ZrO2複合酸化物のみ
からなる担体、あるいは Al2O3、TiO2、SiO2、ZrO2など
の多孔質担体とセリウム酸化物又はCeO2−ZrO2複合酸化
物との混合物などを用いることができる。
まれるセリウム酸化物は還元処理によって大部分が Ce2
O3となっている。後述する本発明の製造方法によれば、
セリウム酸化物のほぼ全部を Ce2O3とすることができ、
このような担体が特に望ましい。
される貴金属はPt及びPdの少なくとも一種である。Pt又
はPdを担持することによって、低温域からHC,CO及びNO
x を浄化させることが可能となり、他の貴金属あるいは
卑金属では効果がみられない。
は 0.1〜10g担持することが望ましい。担持量がこの範
囲より少ないと浄化活性が低く実用的でない。また担持
量がこの範囲より多くなると活性が飽和し、過剰の貴金
属がコストアップの要因となるとともに、貴金属が高密
度で担持されるために粒成長によって耐久性が低下する
ようになる。
を Ce2O3とするには、COなどの還元ガス雰囲気下で処理
することによって行うこともできるが、この場合には 5
00℃以上で長時間の還元処理が必要となり、担持されて
いる貴金属の粒成長が生じて活性が低下したり、装置が
大掛かりとなるという不具合がある。
もつ溶液とセリウム酸化物とを接触させることとしてい
る。これにより常温において短時間の処理で還元するこ
とができ、小さな工数で容易に還元処理を行うことがで
きる。
素ナトリウム、ホウ素化水素カリウム、ヒドラジンなど
の還元剤を溶質としたものであり、その溶媒は水、有機
溶媒など還元剤が溶解するものであればよい。また溶解
している還元剤とセリウム酸化物との反応は選択的にか
つ瞬時に生じるので、濃度及び接触方法は特に制限され
ない。例えばセリウム酸化物を含む担体粉末と溶液とを
撹拌混合してもよいし、セリウム酸化物を含む粉末に溶
液をスプレーなどで吹きかけてもよい。あるいは実施例
で用いているように、セリウム酸化物を含む粉末を水に
分散した懸濁液を撹拌しながら、還元剤水溶液を滴下す
ることも好ましい方法である。
Naイオンなどは、濾過・水洗によって容易に除去するこ
とができる。
末を還元処理後に貴金属を担持する方法と、CeO2を含む
担体粉末に貴金属を担持した後に還元処理する方法との
2種類がある。いずれの方法でもセリウム酸化物の大部
分を Ce2O3とすることができる。しかしながら前者の方
法では、貴金属担持後の焼成時などに貴金属が酸化され
て活性が低下する場合があるので、後者の方法を用いる
のがより望ましい。後者の方法によれば、還元処理時に
貴金属はメタルとなるので、このような不具合を回避す
ることができ活性がさらに向上する。
含浸担持法、吸水担持法など公知の担持方法を利用する
ことができる。そして得られた触媒粉末は、そのままペ
レット状に成形してペレット触媒として用いてもよい
し、コージェライトなどから形成されたモノリス基材表
面にコートしてハニカム触媒として用いることもでき
る。
的に説明する。
混合して撹拌し、そこへ所定濃度の硝酸白金水溶液の所
定量を投入して撹拌した。その後蒸発・乾固し、 120℃
で乾燥後 400℃で焼成して、Ptが 0.5重量%担持された
Pt/CeO2粉末を得た。
mlと混合して撹拌しながら、濃度20重量%のホウ素化水
素ナトリウム水溶液 200mlを10分かかって滴下し、その
後室温で30分間撹拌を続けた。反応温度は室温である。
去した後、 120℃で乾燥し 400℃にて焼成した。得られ
た粉末をXPSにて分析し、O1s電子の結合エネルギー
を測定した。結果を図1に示す。また得られた粉末を常
法によりペレット化し、実施例1のペレット触媒を調製
した。
固溶体粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
Ptが 0.5重量%担持されたPt/CeO2−ZrO2粉末を得た。
−ZrO2粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてホ
ウ素化水素ナトリウム水溶液と反応させ、得られた粉末
のO 1s電子の結合エネルギーを同様に測定した。結果を
図1に示す。また得られた粉末を用い、実施例1と同様
にして実施例2のペレット触媒を調製した。
O2粉末のO1s電子の結合エネルギーを実施例1と同様に
測定し、比較例1として図1に示す。またこのPt/CeO2
粉末を常法によりペレット化し、比較例1のペレット触
媒を調製した。
O2−ZrO2粉末のO1s電子の結合エネルギーを実施例1と
同様に測定し、比較例2として図1に示す。またこのPt
/CeO2−ZrO2粉末を常法によりペレット化し、比較例2
のペレット触媒を調製した。
ット触媒をそれぞれ評価装置に同量配置し、表1に示す
モデルガス流通下、昇温速度25℃/分で室温から 500℃
まで昇温した時の、HC,CO及びNOx の浄化率を連続的に
測定した。そしてそれぞれの50%浄化温度を求め、結果
を図2に示す。
末では、CeO2のO1s電子の結合エネルギーに相当する 5
29.2eVのはっきりしたピークが認められるが、 Ce2O3の
O1s電子の結合エネルギーに相当する 530.1eVのピーク
は認められない。それに対し実施例1及び実施例2の触
媒粉末では高エネルギー側へシフトし、 Ce2O3のO1s電
子の結合エネルギーに相当する 530.1eVのピークが認め
られる。すなわち実施例1及び実施例2の触媒粉末で
は、CeO2の大部分が還元されて担体内部まで Ce2O3とな
っていると認められる。
触媒は比較例1及び比較例2の触媒に比べて低温域にお
ける浄化活性が向上していることがわかり、これは担体
の大部分が Ce2O3となっていることに起因していること
が明らかである。
れば、CeO2に貴金属を担持した触媒と同様の作用が奏さ
れるとともに、CeO2に貴金属を担持した触媒に比べて低
温活性がさらに向上する。また担体内部まで Ce2O3とな
っているので、空燃比の大きな変動に対しても対応でき
る余裕のある OSCを有している。
常温で Ce2O3に速やかに還元でき、上記触媒を容易にか
つ安定して製造することができる。
ある。
グラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ストイキ雰囲気あるいは還元成分過剰の
リッチ雰囲気の排ガス中で使用される排ガス浄化用触媒
であって、セリウム酸化物を含む担体と、Pt及びPdの少
なくとも一種よりなり該担体に担持された貴金属とより
なり、該セリウム酸化物は還元処理によって大部分が C
e2O3となっていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。 - 【請求項2】 還元作用をもつ溶液とCeO2を含む担体粉
末とを接触させCeO2を還元して還元担体粉末とする還元
工程と、該還元担体粉末にPt及びPdの少なくとも一種を
担持する担持工程と、よりなることを特徴とする排ガス
浄化用触媒の製造方法。 - 【請求項3】 CeO2を含む担体粉末にPt及びPdの少なく
とも一種を担持して触媒粉末とする担持工程と、還元作
用をもつ溶液と該触媒粉末を接触させてCeO2を還元する
還元工程と、よりなることを特徴とする排ガス浄化用触
媒の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007069485A2 (en) * | 2005-12-12 | 2007-06-21 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ambient temperature nitrogen oxide adsorbent |
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CN113769573A (zh) * | 2021-08-26 | 2021-12-10 | 生态环境部华南环境科学研究所 | 一种去除烟气中NO和VOCs的方法 |
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2001
- 2001-04-27 JP JP2001131924A patent/JP4697506B2/ja not_active Expired - Fee Related
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