JP2005169280A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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哲雄 河村
Toshiyuki Tanaka
寿幸 田中
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Abstract

【課題】 硫酸塩の分解を促進する排ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】 触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属触媒及びNOx吸蔵材からなる排ガス浄化用触媒において、前記触媒担体を細孔容量0.8mL/g以上の多孔質酸化物より形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒に関し、詳細には、NOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒に関する。
従来より、自動車の排気浄化触媒として、排気ガス中のCO及びHCの酸化とNOxの還元を同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコージエライト等の担体基材にγ−アルミナからなる担持層を形成し、この担持層に白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属触媒を担持させたものが広く知られている。
一方、近年、地球環境保護の観点から、自動車等の内燃機関から排出される排気ガス中の二酸化炭素(CO2)が問題とされ、その解決策として酸素過剰雰囲気において燃料を燃焼させる、いわゆるリーンバーンが提案されている。このリーンバーンにおいては、燃費が向上するために燃料の使用量が低減され、その結果、燃焼排気ガスであるCO2の発生を抑制することができる。
ところが従来の三元触媒は、空燃比(A/F)が理論空燃比(ストイキ)において排気ガス中のCO、HC、NOxを同時に酸化・還元し、浄化するものであって、リーンバーン時の排気ガスの酸素過剰雰囲気においてはCO及びHCを浄化する酸化反応が活発である反面、NOxを浄化する還元反応は不活発となり、NOxを浄化することができない。
そこでリーンバーンにおいて、常時は酸素過剰のリーン条件で燃焼させ、一時的にストイキ〜リッチ条件とすることにより排気ガスを還元雰囲気としてNOx浄化するシステムが開発された。このシステムにおいて、リーン雰囲気においてNOxを吸蔵し、ストイキ〜リッチ雰囲気において吸蔵されたNOxを放出するNOx吸蔵材を用いたNOx吸蔵還元型の排気浄化触媒が提案されている。このような触媒を用いれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイキ〜リッチ側となるように制御することにより、リーン側ではNOxがNOx吸蔵材に吸蔵され、それがストイキ〜リッチ側において放出されてHCやCO等の還元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンエンジンからの排気ガスであってもNOxを効率よく浄化することができる。
ところが、燃料中には微量ながら硫黄成分が含まれており、これが燃焼時に酸化し、又は触媒上で酸化されてSOxが生成する。このSOxは酸性であり、一方NOx吸蔵材は塩基性であり、従ってSOxはNOx吸蔵材と反応して硫酸塩を形成する。その結果、NOx吸蔵材のNOx吸蔵能力が失われ、NOx浄化能が低下することになる。この現象はNOx吸蔵材の硫黄被毒として知られている。
この問題を解決するため、担体中に貴金属触媒及びNOx吸蔵材以外の第3成分を担持させ、還元雰囲気において硫酸塩を分解するようにした排気ガス浄化方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−142458号公報
ところが、上記の従来の方法に用いる排気ガス浄化触媒では、硫酸塩の形成及び成長が進行すると、還元雰囲気中でも硫酸塩の分解が起こりにくく、NOx吸蔵還元能が低下するという問題がある。
本発明は、耐久後も実用上許容できる高い浄化率を維持することのできる排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために1番目の発明によれば、触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属触媒及びNOx吸蔵材からなる排ガス浄化用触媒において、前記触媒担体を細孔容量0.8mL/g以上の多孔質酸化物より形成する。
また2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記多孔質酸化物としてアルミナを用いている。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、排気ガス中の硫黄分がアルカリ金属等のNOx吸蔵材と反応して生成する硫酸塩の分解を促進し、耐久後のNOx吸蔵活性の低下を抑制することができる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属触媒及びNOx吸蔵材から構成される。触媒担体は、従来の触媒において担体(あるいはウォッシュコート)として一般に用いられている酸化物多孔体より構成され、このような酸化物多孔体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミナ、ゼオライト等が用いられる。
貴金属触媒としては、従来三元触媒として用いられている白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、あるいはルテニウム(Ru)等が例示され、これらのうち1種もしくは複数種を用いることができる。この貴金属触媒の担持量は、通常の担持量、例えば触媒担体に対して0.1〜10wt%とすることが好ましい。0.1wt%未満では十分な触媒活性が得られず、10wt%を越えても活性向上はわずかであり、高価となるのみであるからである。
NOx吸蔵材としては、NOxと反応して硝酸塩を形成することができる物質を用いることができ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類元素より選ばれる少なくとも1種が例示される。このNOx吸蔵材の担持量は、触媒担体100gに対して0.05〜1molとすることが好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒は、いわゆるペレット型触媒であってもよいが、一般には担体基材上に触媒担体をウォッシュコートしたモノリス型触媒として用いられる。担体基材としては、排ガス浄化用触媒に用いられている公知の基材を用いることができ、例えば、コージエライト、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素等の、耐熱性を有するセラミックス材料や、ステンレス鋼等の金属からなるハニカム基材を用いることが好ましく、優れた耐熱性と低い熱膨張率を有するコージエライト製ハニカムを用いることが特に好ましい。このハニカム基材は、両端が開口した多数のセルを有するものが好ましい。この場合、ハニカム基材のセル密度は、特に制限されないが、200セル/平方インチ程度のいわゆる中密度のハニカム、又は1000セル/平方インチ以上のいわゆる高密度のハニカム基材を用いることが好ましく、セルの断面形状は、特に制限されず、円形、四角形、六角形、円形等であってよい。
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体が細孔容量0.8mL/g以上であることを特徴とする。細孔容量の上限は、多孔質担体を構成できるのであれば制限はないが、一般には1.2mL/g以下である。なお、この細孔容量とは水銀ポロシメーターにて測定して算出した値をいう。
本発明の排ガス浄化用触媒を内燃機関の排ガス通路内に配置すると、NOx吸蔵材は排気ガス中のNOxの吸放出作用を行うが、NOx吸蔵材にはNOxのみならず、SOxも吸収される。このNOx吸蔵材へのSOxの吸収メカニズムは必ずしも明らかではないが、以下に説明するようなメカニズムで行われていると考えられる。このメカニズムについて、触媒担体上に白金(Pt)及びバリウム(Ba)を担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属触媒、アルカリ金属、アルカリ土類金属等を用いても同様なメカニズムとなる。
すなわち、流入排気ガスがかなりリーンになると、流入排気ガス中の酸素濃度が大幅に増大し、これら酸素がO2 -の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガス中のSOは白金Ptの表面上でO2 -と反応し、SO3となる。次いで生成されたSO3の一部は白金Pt上でさらに酸化されつつ触媒担体内でNOx吸蔵材に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO4 2-の形で拡散し、安定な硫酸塩BaSO4を形成する。
この硫酸塩を分解するには、流入する排気ガスの空燃比をリッチとした還元雰囲気とし、貴金属触媒上で還元すればよいが、この硫酸塩は安定していて分解しにくく、従来のNOx吸蔵還元触媒ではそのまま残り、時間が経過するにつれて硫酸塩が増大し、NOx吸蔵材が吸収し得るNOx量が低下することになる。
硫酸塩の還元反応は硫酸塩と貴金属触媒の界面で進行するため、本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒担体の細孔容積を大きくすることにより、貴金属触媒の分散性が向上し、硫酸塩と貴金属触媒の界面が多くなることによって硫酸塩の分解が促進されるのである。
次に、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。以下においてはモノリス型触媒について述べるが、ペレット型触媒についても担体基材を用いないことを除き、同様にして製造することができる。
まず、担体基材を準備する。この担体基材は市販品を用いてもよく、あるいは押出し等によって成形してもよい。次に、この担体基材のセル内壁に触媒担体を形成する。この触媒担体は一般的なウォッシュコート法により形成することができる。すなわち、所望の組成の細孔容量が0.8mL/g以上である酸化物を粉砕して微粒子とし、この微粒子を含むスラリーを担体基材のセル内壁上にコートし、乾燥、焼成することによって形成することができる。このような細孔容量が0.8mL/g以上である酸化物粉末は市販品を用いることができる。
しかしながらこの方法では、微粒子を調製するため、酸化物の粉砕及び粒度調整のための工程を必要とし、またスラリー中で微粒子が凝集してしまうため、担体基材のセル内壁上に薄くかつ均一に酸化物をコートすることが困難である。そこで、以下の3つの方法を用いて担体を形成することが好ましい。
第1の方法においては、まず、酸性金属塩の溶液を、担体基材のセル内壁上にコートした後、アルカリ性溶液と反応させることによって、金属塩が金属水酸化物等となってセル内壁上に沈殿、または共沈させられる。この共沈等した金属水酸化物等を、乾燥し、さらに加熱・焼成することにより、金属酸化物担体の層が、担体基材のセル内壁上に形成される。この方法に用いる酸性金属塩としては、硝酸セリウム、硝酸ジルコニウム、硝酸イットリウム、硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。また、これらの酸性金属塩とともに、例えばジルコニアゾルのような金属酸化物ゾル等の材料を混合した溶液又はスラリーを用いることもできる。この方法では、酸性金属塩の溶液と反応することにより、金属水酸化物等の形で沈殿又は共沈反応を起こすことができるアルカリ性溶液を用いるが、このアルカリ性溶液としては、例えば、アンモニア水、尿素水、水酸化ナトリウム水が好ましい。担体基材のセル内壁上にコートした酸性金属塩とアルカリ性溶液とを反応させる場合、例えば硝酸セリウム及びジルコニアゾルを含む溶液と、アルカリ性溶液との共沈反応のように、2種以上の金属を含む酸化物を形成させる場合に、超音波振動を加えた条件下で共沈反応させると、それぞれの金属酸化物が相分離することなく、均一な複合金属酸化物コート層をセル内壁上に形成することができることから、超音波振動を加えて共沈反応させることが好ましい。ただし、用いる材料により、超音波振動を加えなくても均一な金属酸化物のコート層が担体基材のセル内壁上に形成される場合は、超音波振動は必ずしも必要ではない。ここで「均一」とは、金属酸化物をコートした担体基材において、金属酸化物がコートされていないところがほとんどないことをいう。また、上記酸性金属塩が1種類の金属のみを含む場合でも、酸性金属塩とアルカリ性溶液との反応を、超音波振動を加えた条件下で行うことにより、担体基材のセル内壁上で均一に沈殿反応を起こさせることができ、それにより均一な金属酸化物担体を形成することができるため、好ましい。
上記方法をさらに具体的に説明すると、例えば、酸性金属塩溶液又はスラリーに担体基材を浸漬し、担体基材のセル内壁上に酸性金属塩溶液又はスラリーをコートさせる。続いて、余分な溶液又はスラリーを除去した担体基材を、好ましくは超音波振動を加えた条件下で、アンモニア水にさらに浸漬することによって、金属水酸化物等の形で沈殿又は共沈反応させる。この反応によって沈殿、又は共沈した金属水酸化物等を乾燥後、焼成するが、乾燥は、120℃、1時間で行うことが好ましく、焼成は、400℃、1時間で行うことが好ましい。焼成によって、担体基材のセル内壁表面にコートされた金属酸化物担体の層が形成される。
担体基材のセル内壁上に金属酸化物担体を形成させるための第2の方法においては、担体基材のセル内壁上に、金属アルコキシドを加水分解縮合させたゾル溶液をコートする。担体基材に付着した余分なゾル溶液を除去した後、さらに、セル内壁上にコートしたゾル溶液を、乾燥後、加熱・焼成して脱水反応を進めることによって、金属酸化物担体の層を担体基材のセル内壁表面に形成させる。この方法に用いる金属アルコキシドは、焼成後、所望の金属酸化物を構成することができる金属アルコキシドを任意に選択して用いることができる。用いることができる金属アルコキシドは、具体的には、Si、Al、Zrのアルコキシドが例示できる。金属アルコキシドの加水分解縮合によるゾルの生成及び、ゾルの焼成による金属酸化物の生成は、いわゆるゾル−ゲル法として当業者には公知の方法であり、そのための公知の技術を任意に用いることができる。また、本方法においても、上記第1の方法と同様に、上記ゾル溶液を担体基材のセル内壁上にコートする場合に、ゾル溶液に超音波振動を加えることによって、均一な金属酸化物担体がセル内壁表面に形成されるという効果が得られる。担体基材のセル内壁上にコートしたゾル溶液の乾燥焼成の条件は、例えば、100〜150℃で乾燥し、300〜400℃で、大気雰囲気下で焼成することが好ましい。
担体基材のセル内壁上に金属酸化物担体を形成させるための第3の方法は、担体基材のセル内壁上に、酸性金属塩溶液及び金属酸化物の原料となるゾル溶液の混合物をコートし、担体基材から余分な混合物を除去した後、さらに加熱・焼成することによって、水を除去し金属酸化物担体を形成する方法である。この方法に用いる酸性金属塩としては、硝酸セリウム、硝酸ジルコニウム、硝酸イットリウム、硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。この方法に用いるゾル溶液は、金属アルコキシドを加水分解・部分縮合して調製したゾル溶液の他、市販されている各種ゾル溶液を用いることができる。市販のゾル溶液としては、例えば、多木化学製ニードラール、日産化学製アルミナゾルAC200を例示できる。
この第3の方法においても、超音波振動を加えた条件下で、酸性金属塩溶液及びゾル溶液の混合物を担体基材のセル内壁上にコートすると、均一な金属酸化物担体をセル内壁表面に形成することができるという効果が得られる。担体基材のセル内壁上への酸性金属塩及びゾル溶液の混合物をコートした後の乾燥及び焼成は、例えば100〜150℃で乾燥し、300〜400℃で、大気雰囲気下で行うことが好ましい。
ここで、触媒担体は0.8mL/g以上の細孔容積を有することが必要であるが、このような細孔容積を達成するには、上述した、担体基材のセル内壁上に、金属酸化物を合成するための原料となる金属塩等を含む溶液又はスラリーを含浸させ、さらにセル内壁上で金属酸化物を合成する方法において、この金属塩等を含む溶液又はスラリーに可溶な高分子、高分子粉末、及び界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上(以下、「高分子等」ともいう。)を添加して得られた溶液又はスラリーを、担体基材のセル内壁上にコートし、さらにそのセル内壁上で金属酸化物担体を形成させる時に加熱することによって製造することができる。すなわち、金属酸化物が焼成によって合成されるとともに、金属酸化物の原料に含まれていた高分子等が揮発又は分解されて除去されることによって、これらが造孔剤として働き、金属酸化物担体中に細孔を形成させることができる。
すなわち、(1)酸性金属塩の溶液に対して、その溶液に可溶な高分子、高分子粉末、及び界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の材料を添加して得られた溶液又はスラリーを、担体基材のセル内壁上にコートした後、アルカリ性溶液と反応させ、さらに焼成して担体基材のセル内壁表面に金属酸化物担体を形成する方法、(2)金属アルコキシドを加水分解かつ部分縮合させて得られたゾル溶液に対して、そのゾル溶液に可溶な高分子、高分子粉末、及び界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上をさらに添加して得られた溶液を前記担体基材のセル内壁上にコートし、さらに焼成して担体基材のセル内壁表面に金属酸化物担体を形成する方法、及び(3)酸性金属塩の溶液と、金属アルコキシドを加水分解及び部分縮合させて得られたゾル溶液とを混合した液に対して、その混合した液に可溶な高分子、高分子粉末、及び界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の材料を添加して得られた混合液を担体基材のセル内壁上にコートし、さらに焼成して担体基材のセル内壁表面に金属酸化物担体を形成させる方法によって、金属酸化物担体中に細孔を形成させることができる。
上記方法で用いる「可溶な高分子」、「高分子粉末」、及び「界面活性剤」としては、金属酸化物担体中に細孔を形成することができる材料であれば、いかなる材料を用いることもできる。以下に具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。上記方法で用いる「可溶な高分子」としては、例えば、分子量5000〜10000のポリエチレンオキサイド、及び分子量5000〜10000のポリビニルアルコールから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、特に水中における分散性が良好なことから、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。「高分子粉末」としては、例えば、平均粒子径0.1〜10μmのポリエチレン粉末を用いることが好ましい。また、「界面活性剤」としては、アニオン系、カチオン系、両性、及びノニオン系として知られている各種界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることができる。このノニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪族石けん、N−アシルアミノ酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、及びアシル化ペプチド等のカルボン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩等の硫酸エステル類、並びに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル類が例示できる。上記カチオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、及びイミダゾリニウム塩が例示できる。カチオン系界面活性剤としては、さらに具体的には、例えば、ライオン株式会社製のアーマックC、同HT、及び同T50(以上、商標)が例示できる。上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、及びアルキルアミンオキサイド等が例示できる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油及び硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエステルエーテル型、(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステル等のエステル型、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪族アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素型の界面活性剤が例示できる。
上記可溶な高分子、高分子粉末、及び界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の材料(以下、単に「高分子等」という)は、金属酸化物担体中に0.8mL/g以上の細孔容積を形成することができる量を加える。
こうして触媒担体を形成した後、貴金属触媒及びNOx吸蔵材を担持させることにより本発明の排ガス浄化用触媒が得られる。この貴金属触媒の担持は、金属酸化物へ金属を担持する方法として公知の方法を任意に選択して使用することにより行うことができ、またNOx吸蔵材の担持法も同様である。例えば、担持する貴金属の金属塩水溶液を、触媒担体へ吸水担持し、乾燥・焼成する方法が例示できるが、これに限られない。また、触媒担体への貴金属の担持は、あらかじめ担体基材のセル内壁表面に金属酸化物担体を形成させた後、この金属酸化物担体へ貴金属塩水溶液を用いた吸水担持によって貴金属を担持することができる。また、上述した金属酸化物担体を形成させるための金属酸化物の原料となる酸性金属塩の溶液又はスラリー、金属アルコキシドを加水分解かつ部分縮合させて得られたゾル溶液、又は酸性金属塩の溶液及び前記ゾル溶液を混合した液に、さらに担持しようとする貴金属の塩を溶解した液を、担体基材のセル内壁上にコートし、さらに焼成することによって、金属酸化物担体を形成するとともにその担体へ貴金属を担持することができる。この方法は、排ガス浄化用触媒製造の工程を短縮できることから好ましい方法である。
実施例1
細孔容量0.98mL/gを有するアルミナ粉末20gを分散させたイオン交換水中に、ジニトロジアンミン白金薬液9.09gを添加して室温において1時間混合した。その後、この混合物を120℃において2時間乾燥させ、乳鉢において粉砕し、500℃において2時間焼成して白金が担持されたアルミナ粉末を得た。この粉末20gをイオン交換水中に添加し、攪拌し、その間に酢酸バリウム10.22g、酢酸カリウム2.94g、及び酢酸リチウム1.32gを添加し、室温において1時間攪拌した。その後、120℃において2時間以上乾燥させ、乳鉢において粉砕し、500℃において2時間焼成して、Ba(0.2mol)K(0.15mol)Li(0.1mol)/Pt(2g)/アルミナ(100g)を得た。この粉末を加圧により固めてふるいの上で粉砕し、直径0.5mm〜1mmの大きさのペレット粒子を得た。
比較例1
アルミナ粉末として細孔容量0.73mL/gを有するアルミナ粉末を用いることを除き、実施例1と同様にしてペレット粒子を得た。
比較例2
アルミナ粉末として細孔容量0.52mL/gを有するアルミナ粉末を用いることを除き、実施例1と同様にしてペレット粒子を得た。
比較例3
アルミナ粉末として細孔容量0.35mL/gを有するアルミナ粉末を用いることを除き、実施例1と同様にしてペレット粒子を得た。
白金分散性の評価
以上のようにして製造したペレット粒子について、白金分散性をCOパルスにより白金粒径を測定することによって評価した。この結果を図1に示す。図1に示す結果から明らかなように、担体の細孔容量が大きなサンプルは白金の粒径が小さく、ペレット粒子中の白金の総量は同じであることから、白金分散性が高いと考えられる。
硫黄耐久試験
各ペレット粒子1.5gを400℃、SO2=350ppm、O2=5%、H2O=3%/N2バランス中でS/Ba+1/2K+1/2Li)=1.0(硫酸塩換算モル比)まで処理後、硫黄脱離試験、すなわちH2=0.1%で20℃/min昇温→650℃で1時間保持、を行い、このときの硫黄脱離量を分析した。この結果を図2に示す。図2に示す結果から明らかなように、白金分散性の高い粒子は硫黄脱離性に優れている。
NOx浄化性能の評価
各ペレット粒子1.5gを固定床流通式反応器(ガス流量6.6(L/mim))に充填し、下記条件でNOx浄化性能を評価した。
(i)初期性能
500℃でリッチ処理10分後、400℃でリーン/リッチ=60/6secを10回ずつ繰り返した。出NO濃度(ppm)の波形が安定したところでNO浄化率を評価した。なお、このNOx浄化率は下式で算出した。
NO浄化率=(入りNO濃度(400ppm)−出NO濃度(ppm))×100/(入りNO濃度(500ppm))
また、ガス組成は以下のとおりである。
Figure 2005169280
(ii)硫黄耐久後
上記の硫黄耐久試験を行ったペレット粒子について、初期性能と同様にしてNOx浄化性能を評価した。
以上の結果を図3に示す。図3に示す結果から明らかなように、細孔容量が大きいほど初期に比較して硫黄耐久後のNOx吸蔵活性の低下が抑制されている。
本発明の排ガス浄化用触媒は、内燃機関の排気浄化装置において、機関排気通路内に設置することにより、硫黄被毒を起こすことなく排気ガス中のNOxを効果的に除去することができる。
担体中の白金の分散性を示すグラフである。 白金の粒径と硫黄脱離量の関係を示すグラフである。 NOx浄化率を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属触媒及びNOx吸蔵材からなる排ガス浄化用触媒において、前記触媒担体が細孔容量0.8mL/g以上の多孔質酸化物より形成されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記多孔質酸化物がアルミナである、請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
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