JP2010051847A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Satoru Kato
悟 加藤
Tadashi Suzuki
正 鈴木
Naoki Takahashi
直樹 高橋
Takaaki Kanazawa
孝明 金沢
Masaya Kamata
雅也 鎌田
Minoru Ito
実 伊藤
Michihiko Takeuchi
道彦 竹内
Tetsuya Shinozaki
哲也 篠崎
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Abstract

【課題】HSの排出量を十分に低減させることができ、しかも高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒を提供すること。
【解決手段】基材と、前記基材の表面上に形成された第一触媒層と、前記第一触媒層の表面上に形成された第二触媒層とを備える排ガス浄化用触媒であって、
前記第一触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第一複合酸化物と、アルミナと、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備え、前記第一複合酸化物中の前記セリアの含有量が前記第一複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して45質量%以上であり、前記アルミナにおけるチタニアの含有量が0.1質量%以下であり、且つ、前記第一触媒層における前記白金の含有量が0.01〜5質量%である触媒層であり、
前記第二触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第二複合酸化物と、チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備え、前記第二複合酸化物中のセリアの含有量が前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%であり、前記チタニア添加アルミナにおけるチタニアの含有量が5〜20質量%であり、且つ、前記第二触媒層における前記ロジウムの含有量が0.01〜5質量%である触媒層であること、を特徴とする排ガス浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒に関する。
自動車エンジンからの排ガス中の炭化水素ガス(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NO)等の有害成分を除去するために、従来から様々な排ガス浄化用触媒が用いられてきた。このような排ガス浄化用触媒としては、理論空燃比で排ガス中のHC、CO及びNOxを同時に浄化することが可能な三元触媒が知られている。
このような三元触媒としては、特開2004−298813号公報(特許文献1)において、担体と、該担体上に形成される第一の触媒層と、該第一の触媒層上に形成される第二の触媒層とを有する排ガス浄化用触媒において、前記第一の触媒層は、多孔質アルミナに白金成分を担持してなる白金担持アルミナと、酸素貯蔵性セリア−ジルコニア複合酸化物とを含有する複合セラミックスからなり、前記第二の触媒層は、低熱劣化性セリア−ジルコニア複合酸化物又は多孔質アルミナにロジウム成分を担持してなるロジウム担持セリア−ジルコニア複合酸化物及びロジウム担持アルミナの少なくとも一方と、多孔質アルミナ及び低熱劣化性セリア−ジルコニア複合酸化物の少なくとも一方とを含有する複合セラミックスからなる排ガス浄化用触媒が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来の排ガス浄化用触媒においてはHSの排出量を必ずしも十分に低減させることができなかった。また、上記特許文献1に記載のような従来の排ガス浄化用触媒においては、高温に長期間晒された後に酸素吸蔵放出(OSC)性能を十分に維持することができなかった。
特開2004−298813号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、HSの排出量を十分に低減させることができ、しかも高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材と、前記基材の表面上に積層された第一触媒層と、前記第一触媒層の表面上に積層された第二触媒層とを備える排ガス浄化用触媒において、前記第一触媒層を、セリア及びジルコニアを含む第一複合酸化物とアルミナと前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備え、前記第一複合酸化物中のセリアの含有量が45質量%以上であり、前記アルミナ中のチタニアの含有量が0.1質量%以下であり、且つ、前記第一触媒層中の前記白金の含有量が0.01〜5質量%である触媒層とし、前記第二触媒層を、セリア及びジルコニアを含む第二複合酸化物と、チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備え、前記第二複合酸化物中のセリアの含有量が4〜35質量%であり、前記チタニア添加アルミナ中のチタニアの含有量が5〜20質量%の範囲にあり、且つ、前記第二触媒層中の前記ロジウムの含有量が0.01〜5質量%である触媒層とすることにより、HSの排出量を十分に低減させることができ、高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒は、基材と、前記基材の表面上に形成された第一触媒層と、前記第一触媒層の表面上に形成された第二触媒層とを備える排ガス浄化用触媒であって、
前記第一触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第一複合酸化物と、アルミナと、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備え、前記第一複合酸化物中の前記セリアの含有量が前記第一複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して45質量%以上であり、前記アルミナにおけるチタニアの含有量が0.1質量%以下であり、且つ、前記第一触媒層における前記白金の含有量が0.01〜5質量%である触媒層であり、
前記第二触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第二複合酸化物と、チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備え、前記第二複合酸化物中のセリアの含有量が前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%であり、前記チタニア添加アルミナにおけるチタニアの含有量が5〜20質量%であり、且つ、前記第二触媒層における前記ロジウムの含有量が0.01〜5質量%である触媒層であること、
を特徴とするものである。
上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記第一触媒層の量が前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることが好ましい。
また、上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記第二触媒層の量が前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることが好ましい。
また、上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記アルミナの含有量が前記第一複合酸化物100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましい
さらに、上記本発明の排ガス浄化用触媒においては、前記チタニア添加アルミナの含有量が前記第二複合酸化物100質量部に対して10〜300質量部であることが好ましい。
なお、本発明の排ガス浄化用触媒によって、HSの排出量を十分に低減させることができ、しかも高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、一般に、三元触媒には、使用時に排ガス中に含まれる硫黄(S)成分を硫酸塩として吸蔵してしまうという性質がある。そのため、かかる触媒を硫黄成分が含まれる排ガスの浄化に使用すると硫黄成分が蓄積する(硫黄被毒)。そして、硫黄被毒された触媒は還元雰囲気下においてHSを発生させる。そのため、硫黄被毒量を少なくすることでHSの発生を十分に抑制することが可能となるものと推察される。このような観点から本発明者らが研究を重ねた結果、先ず、触媒中の硫黄成分が付着する量とCO昇温脱離測定を行った際のCOの脱離量(塩基点の量)とに相関関係があり、かかる塩基点が酸化雰囲気下における硫黄成分の強い付着サイトであることが分かった。また、このような知見から本発明者らが更に研究を重ねた結果、三元触媒の担体の1種として用いられるアルミナに対してチタニアを添加することで塩基点の量を効率よく低減できることを見出した。なお、このようなチタニア中のチタンはアルミナ中のアルミニウムの陽イオンよりも電気陰性度が大きい元素(以下、場合により「酸性元素」という。)であるため、これを添加することでアルミナの塩基点量を効率よく低減させることが可能となると推察される。
一方、基材上に二層の触媒層が配置された構造の触媒において、上層側に配置される触媒層は下層側(基材側)に配置される触媒層よりも排ガス中の硫黄成分と接触する確率の高い。そのため、上層側の触媒層は基材側に配置された触媒層(下層)よりも硫黄被毒され易い。そこで、本発明においては、チタニアを添加したアルミナを上層側の第二触媒層に含有させ、実質的にチタニアが添加されていない(チタニアの含有量が0.1質量%以下)アルミナを下層側の第一触媒層に含有させている。このようにしてチタニア添加アルミナを用いることにより硫黄成分と接触する確率がより高い第二触媒層の塩基点を低減させることが可能となり、触媒全体の硫黄被毒を十分に効率よく抑制することが可能となる。そのため、本発明においては、HSの発生が十分に抑制されるとともに、硫黄被毒による触媒の劣化が十分に防止されるため長期に亘り優れた三元活性を維持できるものと推察される。
また、セリアとジルコニアとを含有する複合酸化物においては近傍にチタニアが存在すると、高温条件下に長時間晒した場合に、セリアの含有量によって前記複合酸化物内にセリアとジルコニアの相の分相が生じる場合がある。そのため、本発明においては、チタニア添加アルミナを備える第二触媒層中に含有させる前記第二複合酸化物のセリアの含有量を前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%とする。第二複合酸化物のセリアの含有量を上記範囲内とすることによって、高温条件下に長時間晒された場合においても第二複合酸化物にチタニアに由来した分相が生じ難く、十分な酸素吸放出(OSC)性能を維持できる。また、本発明においては、実質的にチタニア成分を含有しない第一触媒層中に含有させる前記第一複合酸化物のセリアの含有量を45質量%以上とする。このように硫黄成分との接触確率が低い第一触媒層にセリアの含有比率が比較的高い第一複合酸化物を用いることにより、セリアに由来した十分なOSC性能を確保できる。更に、第一触媒層中においてはチタニア成分が実質的に含有されていないため、高温条件下に長時間晒された場合においても第一複合酸化物にチタニアに由来する分相が生じず、酸素吸放出(OSC)性能が十分に維持される。そのため、本発明においては、高温に長期間晒された場合においても十分に高度なOSC能を維持することができ、長期に渡り十分に高度なOSC能を発揮できるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、HSの排出量を十分に低減させることができ、しかも高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の排ガス浄化用触媒は、基材と、前記基材の表面上に形成された第一触媒層と、前記第一触媒層の表面上に形成された第二触媒層とを備える排ガス浄化用触媒であって、
前記第一触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第一複合酸化物と、アルミナと、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備え、前記第一複合酸化物中の前記セリアの含有量が前記第一複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して45質量%以上であり、前記アルミナにおけるチタニアの含有量が0.1質量%以下であり、且つ、前記第一触媒層における前記白金の含有量が0.01〜5質量%である触媒層であり、
前記第二触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第二複合酸化物と、チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備え、前記第二複合酸化物中のセリアの含有量が前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%であり、前記チタニア添加アルミナにおけるチタニアの含有量が5〜20質量%であり、且つ、前記第二触媒層における前記ロジウムの含有量が0.01〜5質量%である触媒層であること、
を特徴とするものである。
先ず、前記基材について説明する。このような基材としては、三元触媒の基材として用いることが可能なものであればよく特に制限されず、モノリス状基材、ハニカム状基材、ペレット状基材、プレート状基材、発泡状セラミック基材、DPF基材等が好適に採用される。また、このような基材の材料としては特に制限されず、コージエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックス材料や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属材料が挙げられる。
次に、前記第一触媒層について説明する。このような第一触媒層は、前記基材の表面上に形成された触媒層であり、前記第一複合酸化物と、前記アルミナと、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備えるものである。
このようなセリア及びジルコニアを含有する第一複合酸化物の前記セリアの含有量は、前記第一複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して45質量%以上である。このようなセリアの含有量が前記下限未満では、得られる触媒に十分なOSC能を発揮させることが困難となる。また、前記セリアの含有量が前記上限を超えると、第一複合酸化物の熱耐久性が低下する傾向にある。
また、このような第一複合酸化物においては、セリウム以外の希土類元素及びアルカリ土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を更に含有してもよい。このような元素を含有させることで前記第一複合酸化物により高い排ガス浄化性能を発揮させることが可能となる傾向にある。このようなセリウム以外の希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が挙げられ、中でも、貴金属を担持させた際に貴金属との相互作用が強くなり、親和性が大きくなる傾向にあるという観点から、La、Nd、Pr、Y、Scが好ましく、La、Nd、Yがより好ましい。また、前記アルカリ土類金属元素としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられ、中でも、貴金属を担持させた際に、貴金属との相互作用が強くなり、親和性が大きくなる傾向にあるという観点から、Mg、Ca、Baが好ましい。このようなセリウム以外の希土類元素及びアルカリ土類金属元素は、電気陰性度が低く貴金属との相互作用が強いため、酸化雰囲気下において酸素を介して貴金属と結合し、貴金属の蒸散やシンタリングを抑制し、排ガス浄化の際の活性点である貴金属の劣化を十分に抑制することができる傾向にある。
さらに、前記第一複合酸化物がセリウム以外の希土類元素及びアルカリ土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を更に含有する場合においては、前記第一複合酸化物における前記元素の含有量が1〜20質量%であることが好ましく、3〜7質量%であることが好ましい。このような元素の含有量が前記下限未満では、かかる元素を含有させることにより得られる効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、十分なOSC能を発揮できなくなる傾向にある。
また、このような第一複合酸化物としては、より高度な比表面積を確保できるという観点から、粉末状(粒子状)のものが好ましい。さらに、このような第一複合酸化物の比表面積としては特に制限されないが、50〜200m/gであることが好ましく、100〜150m/gであることがより好ましい。このような比表面積が前記下限未満では、貴金属との相互作用が小さくなるとともにOSC能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粒子径が小さな粒子が増加し、耐熱性が低下する傾向にある。なお、このような比表面積は吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
また、このような第一複合酸化物の製造方法は特に制限されず、例えば以下のような方法を採用することができる。すなわち、上述の複合酸化物の原料となる諸金属の塩(例えば、硝酸塩)と、更に必要に応じて界面活性剤(例えば、ノニオン系界面活性剤)とを含有する水溶液から、アンモニアの存在下で上記複合酸化物の共沈殿物を生成せしめ、得られた共沈殿物を濾過、洗浄した後に乾燥し、更に焼成することによって前記第一複合酸化物を得る方法を採用することができる。なお、このような第一複合酸化物としては市販品を利用してもよい。
また、前記第一触媒層中のアルミナは、実質的にチタニアが添加されていないものである。このようなアルミナにおけるチタニアの含有量(アルミナとチタニアの総量に対するチタニアの含有量)は0.1質量%以下である。このようなチタニアの含有量が前記上限を超えると、高温に長期間晒された場合にチタニア成分により前記第一複合酸化物にセリア相とジルコニア相との分相が生じ、OSC性能が低下する傾向にある。
また、このようなアルミナとしては、高度な比表面積を確保できるという観点から、粉末状(粒子状)のものが好ましい。このようなアルミナの比表面積としては特に制限されないが、50〜200m/gであることが好ましく、100〜150m/gであることがより好ましい。このような比表面積が前記下限未満では、触媒活性を発揮させるために妥当な量の白金を担持することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱劣化によって比表面積が低下する傾向にある。
また、前記第一触媒層においては、前記アルミナの含有量が前記第一複合酸化物100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、50〜300質量部であることがより好ましい。このようなアルミナの含有量が前記下限未満では得られる排ガス浄化用触媒に十分な三元活性を発揮させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると十分なOSC能を発揮させることが困難となる傾向にある。
また、前記第一触媒層においては、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに白金が担持されている。このような第一触媒層における白金の含有量は0.01〜5質量%である。このような白金の含有量が前記下限未満では、三元活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒活性が飽和してコストが高騰する傾向にある。
また、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに白金を担持させる方法は、特に制限されず、例えば、白金の塩(例えば、ジニトロジアミン塩)や錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液を前記第一複合酸化物及び前記アルミナに接触させた後に乾燥し、更に焼成する方法を採用してもよい。
また、本発明の排ガス浄化触媒における前記第一触媒層の量としては、前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることが好ましく、50〜100g/L−catであることがより好ましい。このような第一触媒層の量が前記下限未満では、第一触媒層により十分なOSC能及び三元活性を発揮させることができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コート層が厚くなり、圧力損失が問題となる傾向にある。
また、このような第一触媒層を形成する方法は特に制限されず、前記第一触媒層を形成させることが可能な方法であればよく、公知の方法を適宜採用して形成させてもよい。例えば、前記第一複合酸化物及び前記アルミナを含有するスラリーを前記基材の表面上にコートし焼成することにより前記基材の表面上に前記第一複合酸化物及び前記アルミナを担持した後、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに白金を担持する方法等を採用してもよい。また、前述のようなスラリーを用いる場合にはスラリー中にバインダー成分(例えばアルミナゾル等)を含有させてもよい。なお、前記第一触媒層においては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに、前記白金以外の貴金属やCu、Fe、Ni、Co等の卑金属が更に担持されていてもよく、更には、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びセリウム以外の希土類元素から選ばれる元素が更に担持されていてもよい。
次に、第二触媒層について説明する。このような第二触媒層は、前記第一触媒層の表面上に形成された触媒層であり、前記第二複合酸化物と、前記チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備えるものである。
このようなセリア及びジルコニアを含む第二の複合酸化物中の前記セリアの含有量は、前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%である。このようなセリアの含有量が前記下限未満では、第二触媒層により十分なOSC能を発揮させることが困難となり、他方、前記上限を超えると、熱耐久性が低下し、高温条件下において長期間使用した場合に第二触媒層中に存在するチタニアによって前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアが分相し易くなる。また、このような第二複合酸化物においても第一の複合酸化物と同様にセリウム以外の希土類元素及びアルカリ土類元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を更に含有してもよい。なお、このような元素として好適なものやその含有量については、前述の第一複合酸化物に上記元素を含有させる場合と同様である。
また、このような第二複合酸化物としては、高度な比表面積を確保できるという観点から、粉末状(粒子状)のものが好ましい。このような第二複合酸化物の比表面積としては特に制限されないが、50〜200m/gであることが好ましく、100〜150m/gであることがより好ましい。このような比表面積が前記下限未満では、貴金属との相互作用が小さくなるとともにOSC能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粒子径が小さな粒子が増加し、耐熱性が低下する傾向にある。なお、このような比表面積は吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
また、このような第二複合酸化物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、上記第一複合酸化物の製造方法で説明した方法と同様の方法を採用してもよい。なお、このような第二複合酸化物としては市販品を利用してもよい。
また、前記第二触媒層中のチタニア添加アルミナはアルミナとチタニアとを含有するものであればよく特に制限されず、アルミナにチタニアが担持されたものであってもアルミナとチタニアとの複合酸化物であってもよい。このようなチタニア添加アルミナとしては、アルミナの塩基点を効果的に低減できるという観点から、アルミナにチタニアが担持されたものが好ましい。また、このようなチタニア添加アルミナにおけるチタニアの含有量(担持量)は、5〜20質量%である。このようなチタニアの担持量が前記下限未満では、硫黄被毒を十分に防止することができず、得られる触媒を用いた場合にHSの発生を十分に抑制できなくなり、他方、前記上限を超えると、得られる排ガス浄化用触媒に十分な三元活性を発揮させることが困難となる。
さらに、このようなチタニア添加アルミナとしては、高度な比表面積を確保できるという観点から、粉末状(粒子状)のものが好ましい。このようなチタニア添加アルミナの比表面積としては特に制限されないが、50〜200m/gであることが好ましく、100〜150m/gであることがより好ましい。このような比表面積が前記下限未満では、触媒活性を発揮させるために妥当な量のロジウムを担持することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱劣化によって比表面積が低下する傾向にある。
また、前記第二触媒層においては、前記チタニア添加アルミナの含有量が前記第二複合酸化物100質量部に対して10〜300質量部であることが好ましく、50〜300質量部であることがより好ましい。このようなチタニア添加アルミナの含有量が前記下限未満では第二触媒層の塩基点量を十分に低減させることができず、排ガス浄化用触媒の硫黄被毒を十分に防止することができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると十分なOSC能を発揮させることが困難となる傾向にある。
また、このようなチタニア添加アルミナの製造方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、前記チタンの塩(例えば、塩化物や硝酸塩の水溶液)やチタンアルコキシドのアルコール溶液をアルミナに含浸させた後に乾燥し、焼成する方法を採用してもよい。
また、前記第二触媒層においては、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナにロジウムが担持されている。このように前記第一触媒層(下層)の表面上に形成される前記第二触媒層(上層)中の前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナにロジウムを担持することで、よりNOxと接触確率の高い上層側に貴金属の中でも比較的NOx還元活性が高いロジウムが含有される構成となるため、十分な触媒活性が得られる。また、同時に、白金とロジウムとが上層と下層に分離されるため、白金とロジウムの合金化によるNOx浄化性能の低下を防ぎ、十分な触媒活性を得ることが可能となる。
また、このような第二触媒層におけるロジウムの含有量は0.01〜5質量%である。このようなロジウムの含有量が前記下限未満では、触媒活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒活性が飽和してコストが高騰する傾向にある。
また、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナにロジウムを担持させる方法は、特に制限されず、例えば、ロジウムの塩(例えば、ジニトロジアミン塩)や錯体(例えば、テトラアンミン錯体)を含有する水溶液を前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに接触させた後に乾燥し、更に焼成する方法を採用してもよい。
また、本発明の排ガス浄化触媒における前記第二触媒層の量としては、前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることが好ましく、50〜100g/L−catであることがより好ましい。このような第二触媒層の量が前記下限未満では、十分なOSC能を発揮させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コート層が厚くなり圧力損失が問題となる傾向にある。
また、このような第二触媒層を形成する方法は特に制限されず、前記第二触媒層を形成させることが可能な方法であればよく、公知の方法を適宜採用して形成させてもよい。例えば、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナを含有するスラリーを前記第一触媒層の表面上にコートし焼成することにより前記第一触媒層の表面上に前記第一複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナを担持した後、前記第一複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナにロジウムを担持する方法等を採用してもよい。また、前述のようなスラリーを用いる場合にはスラリー中にバインダー成分を含有させてもよい。なお、前記第二触媒層においては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに、前記白金以外の貴金属やCu、Fe、Ni、Co等の卑金属が更に担持されていてもよく、更には、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びセリウム以外の希土類元素から選ばれる元素が更に担持されていてもよい。
このように外表面側に第二触媒層を備え、基材側に第一触媒層を備える本発明の排ガス浄化用触媒においては、これに排ガスを接触させることで排ガスを十分に浄化することが可能である。また、本発明の排ガス浄化用触媒は、上述のように十分に硫黄被毒が抑制されており且つ高温に晒されても長期に亘り十分な触媒活性を発揮できるため、自動車のエンジン等の内燃機関からの排ガスを浄化するための触媒等として有用である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1:下層用のスラリー(A)の調製)
アルミナ57質量部(固形分換算)と、第一複合酸化物45質量部(固形分換算)と、バインダーとしてのアルミナ水和物と、純水と、白金塩とを混合してスラリー(A)を製造した。なお、このような白金塩としては、ジニトロジアミノ白金を用い、その含有量は、触媒層を形成させた際の固形分換算による白金の含有量が基材1Lあたり0.6g/L−catとなるように調整した。また、前記第一複合酸化物としては、セリアとジルコニアの総量に対するセリアの含有量が74質量%のセリアジルコニア複合酸化物(比表面積:50m/g)を使用した。更に、前記アルミナとしては、チタニアを含有せず且つ比表面積が40m/gのものを用いた。また、前記アルミナ水和物としては、日産化学工業株式会社製の商品名「アルミナゾル200」を使用し、その含有量としては、触媒層を形成させた際のバインダー成分の担持量(固形分換算)が触媒層中のアルミナ及び第一複合酸化物の総量(固形分換算)に対して3質量部となるように調製した。
(合成例2:下層用のスラリー(B)の調製)
アルミナの代わりにチタニア添加アルミナを用いた以外は合成例1と同様にしてスラリー(B)を調製した。なお、前記チタニア添加アルミナとしては、チタニアとアルミナの総量に対するチタニアの含有量が20質量%のチタニア添加アルミナ(比表面積:約80m/g)を用いた。
(合成例3:下層用のスラリー(C)の調製)
アルミナの代わりにチタニア添加アルミナを用い、更に、第一複合酸化物の代わりに第二複合酸化物を用いた以外は、合成例1と同様にしてスラリー(C)を調製した。なお、前記第二複合酸化物としては、セリアとジルコニアの総量に対するセリアの含有量が32質量%のセリアジルコニア複合酸化物(比表面積:50m/g)を用いた。また、前記チタニア添加アルミナとしては合成例2で用いたものと同様のものを用いた。
(合成例4:上層用のスラリー(D)の調製)
チタニア添加アルミナ25質量部(固形分換算)と、第二複合酸化物15質量部と、バインダーとしてのアルミナ水和物と、純水と、ロジウム塩とを混合してスラリー(D)を製造した。なお、このようなロジウム塩としては硝酸ロジウムを用い、その含有量は、触媒層を形成させた際の固形分換算による触媒層中のロジウムの含有量が基材1Lあたり0.12g/L−catとなるように調整した。また、前記第二複合酸化物としては合成例3で用いたものと同様のものを用い、前記チタニア添加アルミナとしては合成例2で用いたものと同様のものを用いた。また、前記アルミナ水和物としては、日産化学工業株式会社製の商品名「アルミナゾル200」を使用し、その含有量は、触媒層を形成させた際のバインダー成分の担持量(固形分換算)が触媒層中のチタニア添加アルミナ及び第二複合酸化物の総量(固形分換算)に対して10質量部となるように調製した。
(合成例4:上層用のスラリー(E)の調製)
チタニア添加アルミナの代わりにアルミナを用いた以外は合成例5と同様にしてスラリー(E)を製造した。なお、このようなアルミナとしては合成例1で用いたものと同様のものを用いた。
(実施例1及び比較例1〜3)
以下のようにして、合成例1〜3で得られた下層製造用のスラリーのうちの1種及び合成例4〜5で得られた上層製造用のスラリーのうちの1種をそれぞれ用いて、基材と、基材の表面上に形成された第一触媒層(下層)と、前記第一触媒層(下層)の表面上に形成された第二触媒層(上層)とを備える二層構造の排ガス浄化用触媒をそれぞれ製造した。すなわち、先ず、基材としてストレートフロー構造のコージェライト製ハニカム基材(直径100mm、長さ105mm、容積900cc、セル密度400セル/in)を用い、前記基材に対して下層用のスラリーをウォッシュコートし、120℃の気流下において乾燥させた後、500℃の温度条件下で2時間焼成して、基材の表面上に第一触媒層を形成せしめた。なお、第一触媒層の量は基材1Lあたり102g/L−catとなるようにした。次に、前記第一触媒層の表面上に上層用のスラリーをウォッシュコートし、120℃の気流下において乾燥させた後、500℃の温度条件下で2時間焼成して、第一触媒層の表面上に第二触媒層を形成せしめ、排ガス浄化用触媒を得た。なお、第二触媒層の量は基材1Lあたり40g/L−catとなるようにした。また、実施例1及び比較例1〜3において用いたスラリーの種類をそれぞれ以下に示す。
[実施例1]下層用のスラリー:スラリー(A)、上層用スラリー:スラリー(D)
[比較例1]下層用のスラリー:スラリー(A)、上層用スラリー:スラリー(E)
[比較例2]下層用のスラリー:スラリー(B)、上層用スラリー:スラリー(D)
[比較例3]下層用のスラリー:スラリー(C)、上層用スラリー:スラリー(D)
このようにして得られた各排ガス浄化用触媒(実施例1及び比較例1〜3)の基材上に形成された各触媒層の組成を表1に示す。
Figure 2010051847
<実施例1及び比較例1〜3で得られた排ガス浄化用触媒の特性の評価>
〈HSの排出量の測定〉
実施例1及び比較例1で得られた排ガス浄化用触媒をそれぞれ用い、以下のようにしてHSの排出量を測定した。すなわち、先ず、市販の2000ccのガソリンエンジン自動車の排気系に排ガス浄化用触媒を取り付けた。次に、前記自動車を用いて市場走行を模擬したモデル走行(排ガス浄化触媒に供給される排ガスの温度が平均で550〜450℃で20分)を行い、HS排出モード試験を実施し、自動車を停止させた後、直後の排気系から排出されたガス(出ガス)中のHS排出量を測定した。なお、燃料としては硫黄を300ppm含むガソリンを用いた。得られた結果を図1に示す。図1は、比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のHSの排出量を基準として各排ガス浄化用触媒(実施例1及び比較例1)のHSの排出量を相対的に示すグラフである。
図1に示す結果からも明らかなように、実施例1で得られた排ガス浄化用触媒のHSの排出量は比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のHSの排出量の88%となることが分かった。このような結果から、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1)においては、HSの排出量を十分に低減できることが確認された。なお、実施例1で得られた排ガス浄化用触媒と比較例1で得られた排ガス浄化用触媒とでは、第二触媒層の構成が異なり、実施例1で得られた排ガス浄化用触媒においてはチタニア添加アルミナが第二触媒層中に含有されている。そのため、二層構造の触媒においては、第二触媒層(上層)にチタニア添加アルミナを用いることで、車両停止後のHSの排出を十分に抑制できることが分かった。
〈酸素吸放出(OSC)性能の評価試験〉
実施例1及び比較例1〜3で得られた排ガス浄化用触媒をそれぞれ用い、以下のようにして酸素吸放出(OSC)性能の評価試験を実施した。すなわち、先ず、市販の2000ccのガソリンエンジン自動車の排気系に排ガス浄化用触媒を取り付けた。次に、前記自動車を用い、1Hzの間隔で排ガス中の空燃比A/F(Air/Fuel)を15と14とに振動させながら触媒床温度が950℃で50時間保持される運転を行った(耐久試験)。次いで、耐久試験後の排ガス浄化用触媒を前記排気系から取り出し、室温(25℃)になるまで放冷した。その後、前記耐久試験後の排ガス浄化用触媒を市販の2000ccのガソリンエンジン自動車の排気系に再度取り付けた。次いで、このような自動車を用いて、ガス雰囲気を酸化雰囲気(A/F=15)から還元雰囲気(A/F=14)となるまで2秒間かけて過渡的に変化させながら、前記耐久試験後の排ガス浄化用触媒に対して排ガスを供給した。そして、前記還元雰囲気の排ガスを前記排ガス浄化用触媒に接触せしめた後に、前記排気系から排出されたガス(出ガス)中の酸素の含有量を酸素センサーにより測定した。そして、かかる出ガス中の酸素の含有量を排ガス浄化用触媒から放出された酸素の量と仮定し、その量を基準にOSC性能を評価した。得られた結果のうち、比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を基準として実施例1及び比較例1〜2で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を相対的に示したグラフを図2に示し、実施例1で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を基準として実施例1及び比較例3で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を相対的に示したグラフを図3に示す。
図2に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1)は、比較のための排ガス浄化用触媒(比較例1〜2)と同等以上のOSC性能を有することが確認された。また、同一の触媒層内にチタニア添加アルミナと第一複合酸化物(セリアを74質量%含有)とを共存させた場合(比較例2)には十分なOSC性能が得られないことが分かった。更に、第二触媒層においてチタニア添加アルミナと第二複合酸化物(セリアを32質量%含有)とを共存させた場合(実施例1)と、第二触媒層においてアルミナと第二複合酸化物とを共存させた場合(比較例1)は、耐久試験後のOSC性能がほぼ同等であることが分かった。このような結果から、第二触媒層内において、セリアの含有量が比較的低いセリアジルコニア複合酸化物とチタニア添加アルミナとを共存させることにより十分に高度なOSC性能を維持できることが分かった。また、第一触媒層内において、セリアの含有量が比較的高いセリアジルコニア複合酸化物とチタニア添加アルミナとを共存させるとOSC性能を維持できないことが分かった。このような結果は、セリアの含有量が比較的高いセリアジルコニア複合酸化物がチタニア添加アルミナに含まれるチタニアによって分相したことが原因であると推察される。このような結果から、OSC性能を維持するためには、チタニア添加アルミナを、セリアの含有量が比較的低いセリアジルコニア複合酸化物が配置された第二触媒層内に限定して配置することが有効であると言える。
また、図3に示す結果からも明らかなように、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1)においては、比較のための排ガス浄化用触媒(比較例3)に対して、酸素の放出量が十分に高く、十分に高度なOSC性能を有することが確認された。また、第一触媒層においてチタニア添加アルミナと第二複合酸化物(セリア32質量%含有)とを共存させた場合(比較例3)よりも、第一触媒層においてアルミナと第一複合酸化物(セリア74質量%含有)させた場合(実施例1)の方が、耐久試験後においても十分にOSC性能を維持できることが分かった。
また、このような触媒の特性評価の結果から、本発明の排ガス浄化触媒(実施例1)は、HSの排出量を十分に低減させることができ、高温に対する耐久性が十分に高いことが分かった。また、本発明の排ガス浄化触媒(実施例1)においては、高温に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮できるため、長期に亘り十分に高い三元活性を維持することができることが分かった。
以上説明したように、本発明によれば、HSの排出量を十分に低減させることができ、しかも高温条件下に長時間晒された後においても十分に高度な酸素吸蔵放出(OSC)性能を発揮することが可能な排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。したがって、本発明の排ガス浄化用触媒は、自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒として特に有用である。
比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のHSの排出量を基準として実施例1及び比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のHSの排出量を相対的に示すグラフである。 比較例1で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を基準として実施例1及び比較例1〜2で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を相対的に示すグラフである。 実施例1で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を基準として実施例1及び比較例3で得られた排ガス浄化用触媒のOSC性能を相対的に示すグラフである。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の表面上に形成された第一触媒層と、前記第一触媒層の表面上に形成された第二触媒層とを備える排ガス浄化用触媒であって、
    前記第一触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第一複合酸化物と、アルミナと、前記第一複合酸化物及び前記アルミナに担持された白金とを備え、前記第一複合酸化物中の前記セリアの含有量が前記第一複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して45質量%以上であり、前記アルミナにおけるチタニアの含有量が0.1質量%以下であり、且つ、前記第一触媒層における前記白金の含有量が0.01〜5質量%である触媒層であり、
    前記第二触媒層が、セリア及びジルコニアを含む第二複合酸化物と、チタニア添加アルミナと、前記第二複合酸化物及び前記チタニア添加アルミナに担持されたロジウムとを備え、前記第二複合酸化物中のセリアの含有量が前記第二複合酸化物中のセリア及びジルコニアの総量に対して4〜35質量%であり、前記チタニア添加アルミナにおけるチタニアの含有量が5〜20質量%であり、且つ、前記第二触媒層における前記ロジウムの含有量が0.01〜5質量%である触媒層であること、
    を特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記第一触媒層の量が前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記第二触媒層の量が前記基材の容量1Lあたり10〜150g/L−catであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記アルミナの含有量が前記第一複合酸化物100質量部に対して10〜500質量部であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記チタニア添加アルミナの含有量が前記第二複合酸化物100質量部に対して10〜300質量部であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒。
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