JP2002318192A - 外部光下で計測可能な蛍光検出方法、および装置 - Google Patents
外部光下で計測可能な蛍光検出方法、および装置Info
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Abstract
リアルタイムモニタリングをする場合に有用で、小型で
高感度な蛍光分析の光学系を用いたオープン蛍光計測の
可能な蛍光検出装置とその方法の提供。 【解決手段】光透明性または光半透明性の試料容器中の
液体試料からの蛍光検出方法で、試料容器をその挿入口
と励起光の入・出射口を除き光不透明なサンプルホルダ
ーに設置し、液体試料にそれと混合しない遮光性液体を
重層して容器挿入口からの外光の侵入を防止し、励起光
は遮光性液体を照射する前に液体試料を照射できる方向
から入射させ、蛍光は遮光性液体で吸収されない方向に
放射した蛍光を検出する方法。
Description
定物質からの蛍光信号を検出し、検出された蛍光信号量
からその定量を行う蛍光検出装置に関し、特に、酵素反
応など所定温度でのインキュベーションを必要とする臨
床診断分野において、多数の試料についてリアルタイム
モニタリング(蛍光信号量の経時変化の追跡)をする場
合に有用な蛍光検出装置に関するものである。
の様子をリアルタイムモニタリングする場合等では、所
定温度で試料(反応液)をインキュベーションしつつ、
蛍光検出を行う必要がある。しかも臨床診断等の分野で
は、同時に多数の試料を迅速に処理する必要もある。
して、特願平10−254913、特願平11−180
54、および、特願平11−268893のスキャナー
型蛍光検出装置がある。
蛍光検出装置は、図5に図示したように、試料容器を円
弧状に展開配列し、仕切り板を挟んでリング型ライトガ
イドのリング部を対向して近接静置し、仕切り板には励
起光用光学手段と蛍光用光学手段を固定装備して一体的
に回転させ、これにより個別採取された蛍光信号をリン
グ型ライトガイドで光センサーに伝達するというもので
ある。
ー型蛍光検出装置は、図6に図示したように、試料容器
を複数の円弧状に展開配列し、仕切り板を挟んでリング
型ライトガイドを静置し、仕切り板には励起光用光学手
段と少なくとも1本のライトガイドを含んだ蛍光用光学
手段を固定装備して一体的に回転させ、これにより個別
採取された蛍光信号をリング型ライトガイドで光センサ
ーに伝達するというものである。
ャナー型蛍光検出装置は、図7に図示したように、試料
容器を円弧状に展開配列し、仕切り板に小型の励起光
源、励起光用光学手段、蛍光用光学手段を固定装備して
一体的に回転させ、蛍光用光学手段のライトガイドの蛍
光出射端を回転中心軸上に光センサーと対向して配置す
ることで、試料からの蛍光を個別採取し検出するという
ものである。
用い、所定温度で試料をインキュベーションしつつ、試
料に含まれる特定物質からの蛍光信号の経時的変化をリ
アルタイムモニタリングするには、以下のような課題が
ある。
18054のスキャナー型蛍光検出装置では、装置全体
をさらに小型化するために小型・低出力の励起光源を使
用した場合に蛍光信号が極微弱となり、光電子増倍管の
ような高感度光センサーを用いても感度不足となること
がある。この原因は、蛍光信号の伝達に使用しているリ
ング型ライトガイドの入射口が通常数百μmと狭く、蛍
光信号の伝達効率が低いことにある。特に、特願平11
−18054のスキャナー型蛍光検出装置では、静置す
るリング型ライトガイドの他に、回転運動する第二ライ
トガイドを直列に設け、両者間での信号伝達を仲介して
いるために、極微弱の蛍光に対する感度不足に陥りやす
い。アルゴンイオンレーザーなどの高出力の励起光源を
使用すれば感度不足は解消するのだが、制御電源と合わ
せれば大きなスペースを必要とし、装置小型化の障害と
なる。
ナー型蛍光検出装置は、小型化の課題は解決できるもの
の、同時に検出すべき試料の数が多い場合には別の課題
が生じる。この課題は、以下のことに起因している。つ
まり、用意した多数の試料に順次試薬を添加して蛍光検
出装置にセットしていくのであるが、従来の蛍光検出装
置では、外光の侵入を防止するために、最後の試料のセ
ットが終わって遮光カバーを閉じるまで蛍光検出装置を
稼動させることができないことに起因している。
合には深刻である。すなわち、試料のインキュベーショ
ンの進行が速く、かつ、同時に検出すべき試料の数が多
い場合には、蛍光検出装置を稼動させたときには最初の
方にセットした試料のインキュベーションがすでに終了
しており、インキュベーションのリアルタイムモニタリ
ングを達成できない事態に至る。そのため、蛍光検出装
置の同時設置試料数が、例えばn本と設計されていて
も、実質的にはnにまったく満たない数の本数しか利用
できない、という問題点が生じていた。
侵入を防止する手段として蛍光検出装置の多くが採用し
ている装置全体、または、すべての測定試料を一度に覆
う遮光カバーをなくすか、開放状態で蛍光計測ができる
ようにすれば解決する。以後、このような装置全体、ま
たは、すべての測定試料を一度に覆う遮光カバーのない
状態で蛍光計測する手段を、便宜上「オープン蛍光計
測」と呼ぶことにする。オープン蛍光計測の一手段は、
個々の試料容器を覆う遮光蓋を試料容器の数だけ設置す
ることである。しかし、多数サンプルを測定する蛍光検
出装置に個々の試料容器を覆う遮光蓋を設置すること
は、大型化や高コスト化など別の問題点を生じる。
タリング、とりわけ試料を所定温度でインキュベーショ
ンしつつリアルタイムモニタリングするための蛍光検出
装置には、(a)高精度な温度調節、(b)多数試料の
迅速処理、(c)高感度、(d)高信頼性(断線や可動
部品の動作不良等に代表される機械的トラブルの低減、
蛍光検出の再現性の向上、キャリーオーバーの危険性の
低減)、(e)低コスト(装置構成の単純化、データ処
理等において高価な部品を使用しないこと)、(f)装
置の小型化、などの要求を満たすことが必要であり、さ
らに、インキュベーション時間の短時間化に伴う課題と
して、(g)オープン蛍光計測、を実現することが必要
である。
の検出方法と蛍光検出装置の提供、特に、多数の試料の
迅速なインキュベーションを順次リアルタイムモニタリ
ングをする場合に有用で、小型で高感度な蛍光分析の光
学系を用いたオープン蛍光計測の可能な蛍光検出装置と
その方法の提供を目的とするものである。
に成された本願請求項1項の蛍光検出方法は、光透明性
または光半透明性の試料容器に収容された液体試料から
の蛍光を検出する方法であって、試料容器は、試料容器
の挿入口と励起光の入射口と蛍光の出射口を除いて光不
透明なサンプルホルダーに設置し、液体試料に、該液体
試料と混合しない遮光性液体を重層することで、試料容
器の挿入口からの外光の侵入を防止し、励起光は、遮光
性液体を照射する前に液体試料を照射できる方向から入
射し、蛍光は、遮光性液体で吸収されない方向に放射し
た蛍光を検出することを特徴とする。
本願請求項2項の蛍光検出方法は、遮光性液体が遮光剤
が添加されたオイルであることを特徴とする、請求項1
の蛍光検出方法である。
本願請求項3項の蛍光検出方法は、遮光剤がカーボンブ
ラックであることを特徴とする、請求項2記載の蛍光検
出方法である。
本願請求項4項の蛍光検出装置は、収容する試料容器を
円弧上に展開して固定保持するサンプルホルダー、該円
弧中心を中心として回転可能な駆動手段に連結された仕
切り板、該仕切り板に固定装備されて一体的に回転する
励起光源と励起光用光学手段と蛍光用光学手段、そして
該回転可能な駆動手段と機械的に断絶して固定配置され
た光センサーを装備した蛍光検出装置であって、(a)
前期励起光源からの励起光強度は一定の周波数で変調さ
れており、(b)前記励起光用光学手段は、励起光源か
らの励起光を試料容器に導いて、1個の試料容器を選択
的に励起するよう配置され、(c)前記蛍光用光学手段
は、試料容器からの蛍光信号を光センサーに伝達するた
めのライトガイドを含み、その入射端は蛍光信号を採取
できるよう励起光が導かれた試料容器に対向可能に配置
され、出射端は前記駆動手段の回転中心軸上に前記光セ
ンサーに対向可能に配置されており、(d)仕切り板の
回転によって、円弧上に展開された各試料容器に順次励
起光を導きつつ、同時に、ライトガイドを含む蛍光用光
学手段を介在して蛍光を光センサーに導き、(e)光セ
ンサーから出力される電気信号を励起光強度の変調周波
数で位相検波することを特徴とする、蛍光検出装置であ
る。
本願請求項5項の蛍光検出装置は、励起光用光学手段
は、励起光源からの励起光を下方から上方に向かって試
料容器に導いて、1個の試料容器を選択的に励起するよ
う仕切り板に固定配置され、蛍光用光学手段は、試料容
器から仕切り板の回転中心に概略水平方向に向かった蛍
光信号を採取するように、仕切り板に固定配置されてい
ることを特徴とする、請求項4記載の蛍光検出装置であ
る。
本願請求項6項の蛍光検出装置は、試料を所定温度に制
御するための温度調節手段を装備することを特徴とす
る、請求項4または5記載の蛍光検出装置である。
づき詳細に説明する。
光の検出方法で、請求項1から3記載の一実施形態の概
要を示したものである。
容された液体試料を、光不透明なサンプルホルダーに設
置し、液体試料に、該液体試料と混合しない遮光性液体
を重層することで、試料容器の挿入口からの外部光の侵
入を防止し、オープン計測を可能とする蛍光の検出方法
である。
励起光の入射口と蛍光の出射口を除いて光不透明な材料
で構成される。例えば、アルミ合金で成形し、その表面
を黒色のアルマイト処理をするなどの方法が考えられ
る。試料容器の挿入口は試料容器を挿入できる大きさ
で、かつ、試料容器の場所が常に一定となるよう固定保
持できる形状であれば良い。
照射する前に液体試料を照射できる位置と方向にあれば
良い。また、蛍光の出射口は、蛍光が遮光性液体で吸収
されない方向に放射した蛍光を取り出すことができる位
置と方向であれば良い。この条件さえ満たすならば、励
起光の入射方向と蛍光の取り出し方向は実質同軸上でも
良いのだが、好ましくは、励起光の入射方向と蛍光の取
り出し方向が互いに90°に近い角度をなすようにすれ
ば良い。例えば、励起光の入射方向と蛍光の取り出し方
向の一方を液体試料の下方向とし、他方を液体試料の水
平方向とすることなどが考えられる。
のすべての波長の光を吸収し、かつ、液体試料と混合し
ないものであれば良い。遮光性液体自体が外部光を吸収
しても良いし、適当な液体に別の遮光剤を添加して調整
しても良い。また、液体試料は水系であることが多い
が、その場合、液体試料と混合しない液体としては、オ
イル系を使用することが考えられる。例えば、遮光性液
体は、カーボンブラックをミネラルオイルに添加して調
整することが考えられる。特に、レーザープリンタやコ
ピー機に採用されているトナーは、カーボンブラックに
ポリエチレン系やポリスチレン系の樹脂でコーティング
されており、オイル層では程好く分散するが、水層に移
行することはない。その他、遮光剤としては、塗料、顔
料、磁性流体などが考えられる。
料のリアルタイムモニタリングをオープン蛍光計測する
場合に有用で、小型で高感度な蛍光分析の光学系を用い
た蛍光検出装置であり、請求項4乃至5記載の一実施形
態の概要を示したものである。
容器の外部形状に適合した保持孔を備え、試料を収容し
た試料容器を円弧上に展開した状態に固定保持する。そ
れぞれの円弧における試料容器の展開は、図に示したよ
うな均一間隔の展開に制限されず、不均一間隔の展開で
あっても良い。また、サンプルホルダーに固定保持する
試料容器の数に制限はなく、円弧の長さと試料容器の外
径等から決定すれば良い。さらに、サンプルホルダー上
面形態は円に制限されず、四角形等の多角形とすること
もできる。
収容する試料に対して化学的に安定な材料で構成された
ものであれば特に制限はなく、蛍光検出に供する試料量
等を勘案して適宜選択使用することができる。特に、い
わゆるPCRやNASBA等において、酵素的に核酸を
増幅しつつ反応の様子をモニターする場合において、増
幅核酸の飛散を防止する目的では密閉栓を有する試料容
器を用いることが好ましい。
は、仕切り板(3)が、駆動手段(7)と連結されて前
記円弧上に展開された試料容器の該円弧中心を中心とし
て回転可能に配置されている。さらに、この仕切り板に
は、励起光源(8)と励起光用光学手段(5)と蛍光用
光学手段(6)が固定装備され、駆動手段(7)の作用
により、これらが一体的に回転する。
ために円盤を用いて構成することが好ましく、その大き
さ(半径)は、少なくとも前記円弧中心と試料容器の離
間距離より大きくして、後述する励起光源(8)、励起
光用光学手段(5)、および蛍光用光学手段(6)を設
置できるようにする。ただし、後述する励起光用光学手
段を固定装備する場所だけは、励起光が透過できるよ
う、円形状の孔を設けておく。仕切り板はサンプルホル
ダーの下方に配置することが好ましい。なぜならば、試
料量は数十μlと少量であることが多く、その場合、試
料容器の底面近傍から蛍光信号を採取することになり、
励起光源、励起光要光学手段、および蛍光用光学手段を
配置し易いからである。
した上で選択すればよいが、励起光用光学手段(5)を
通して1個の試料容器に到達した励起光が充分な光量と
なるようなものを使用する。また、仕切り板に固定装備
するため、できるだけ小型の励起光源が好ましい。より
具体的には、発光ダイオードや半導体レーザーを例示で
きるが、図2の例では発光ダイオードを使用している。
段(5)は、励起光源(8)の光から励起光を波長選別
し、その励起光を前記円弧状に展開された試料容器のう
ち1個のみに選択的に導くための手段である。図2の例
では、波長選別手段として干渉フィルターを使用し、光
学レンズにより特定の試料容器に集光できるようにして
いる。なお、1個の試料容器にのみ励起光を導くとは厳
格な意味で使用されるものではなく、励起光を意図的に
1個の試料容器に導けば十分であり、例えば当該1個の
試料容器外壁における反射により、微量の励起光が他の
試料容器に到達することがあっても特に支障はない。
(6)は、少なくとも1本のライトガイド(6a)を含
み、前記のようにして励起光が導かれた1個の試料容器
から射出される蛍光のみを、光センサー(2)に伝達す
るための手段である。従って、該ライトガイド(6a)
の蛍光入射端と蛍光出射端は、それぞれ試料容器と光セ
ンサーに対向配置させる。もちろん、試料容器とライト
ガイドの蛍光入射端の間には、蛍光伝達効率の向上を目
的とした光学レンズなどの集光手段や、蛍光波長を選別
するための波長選別手段を挿入しても良い。また、ライ
トガイドの蛍光信号出射端と光センサーの間に、上記集
光手段や波長選別手段を挿入しても良い。図2の例で
は、試料容器とライトガイドの蛍光入射端の間に集光手
段を挿入し、ライトガイドの蛍光信号出射端と光センサ
ーの間に集光手段と波長選別手段を挿入している。
出射端は、前記仕切り板が連結された駆動手段(7)の
回転中心軸上に配置する。これにより、仕切り板(3)
や駆動手段(7)が回転しても、ライトガイドの蛍光信
号出射端の位置は変化せず、同じ効率で蛍光信号を光セ
ンサーに伝達することが可能となる。ライトガイドとし
ては、柔軟性に富む1本の光ファイバーか、複数本の光
ファイバーの両端を適当な金具で端面を揃えてバンドル
して密集させたものが最適である。
図2の装置では、仕切り板の回転にともなって、サンプ
ルホルダーに固定保持された試料容器に、励起光用光学
手段により1個ずつ、順次、励起光が導かれる。同時に
試料容器から射出した蛍光は、ライトガイドを含む蛍光
用光学手段を介在して光センサーによって検出される。
従って、コンピューター等を用いて仕切り板の回転を制
御しつつ、光センサーの検出結果を蓄積すれば、サンプ
ルホルダーに保持された任意試料の間欠的な蛍光検出結
果が得られ、リアルタイムモニタリングが実現できるの
である。
には、図3に示したように、励起光強度の変調と蛍光信
号の位相検波を併用することが好ましい。特に、検出す
る蛍光が微弱のため、透明性または半透明性の容器を伝
播して侵入する外部光が問題となる場合があり、このよ
うな時に有効である。すなわち、励起光源の発光ダイオ
ードをパルス発振させ、光センサーからの電気信号をそ
の周波数でロックインアンプを用いて位相検波する。こ
れによって、外部光を含んだ信号のなかから、蛍光信号
のみを選択的に検出することができる。
しておればどのような波形状でも良いが、好ましくは、
サイン波または矩形波を利用する。蛍光強度は励起光強
度に比例するため、蛍光信号の強度も励起光強度と同様
に変調される。光センサーからの電気信号には、変調さ
れた蛍光信号と装置内に侵入した外部光の信号が重なっ
ているが、所謂ロックインアンプを用いて励起光強度の
変調周波数で位相検波することにより、変調された蛍光
信号のみを選別して取り出すことができる。このように
して、わずかながら侵入する外部光の影響を受けること
なく、蛍光信号を安定して検出できるオープン蛍光計測
を実現できる。
についてリアルタイムモニタリングをする場合に有用
で、温度コントロール手段によるインキュベーション機
能を付与した蛍光検出装置であり、請求項6記載の一実
施形態の概要を示したものである。すなわち、図4の蛍
光検出装置は、図2で説明した蛍光分析の光学系に、試
料を所定温度に制御するための温度調節手段を付与した
ものである。
手段(9)は、1個の加熱ヒーター(9a)と1個の温
度センター(9b)を使用している。サンプルホルダー
(4)の上面形状を円環状とし、その外周部に加熱ヒー
ター(9a)を貼付し、サンプルホルダーの内部に温度
センサー(9b)を組み込んでいる。これにより、サン
プルホルダーからの熱伝導により、試料を所定温度に制
御することができるのである。
ー、仕切り板とその回転駆動手段、仕切り板に固定装備
された励起光源、励起光用光学手段、蛍光用光学手段、
および遮光板のほとんどを収容する断熱槽(10)を設
置している。断熱槽は、温度調節手段の作用により温度
コントロールされた試料温度を外部温度と遮断し、より
高精度な温度調節を可能とするために、設置することが
好ましい。また、このような目的のために使用するので
あるから、少なくともサンプルホルダーをその内部に収
容するものでも良い。
定されず、例えば、少なくともサンプルホルダーを一定
温度の恒温槽内に収容して、空気などの対流により制御
することなども可能である。さらに、温度調節手段は、
ヒーターなどを使用した加熱の場合に限定されず、冷却
の場合や、加熱と冷却を繰り返す熱サイクルの場合もあ
る。冷却の場合には、ペルチェ素子や冷却ファンなどの
冷却素子を加熱ヒーターに替えて使用すれば良い。ま
た、熱サイクルの場合には、加熱ヒーターなどの加熱素
子とペルチェ素子や冷却ファンなどの冷却素子を併用す
れば良い。
料の温度調節手段を組み合わせることによって、多数の
試料で酵素反応など所定温度でのインキュベーションを
高精度に実施でき、同時に、酵素反応に伴う蛍光信号の
経時変化をリアルタイムモニタリングする蛍光検出装置
を提供することが可能となる。
に詳細に説明するため、図5〜7に基づき具体例を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
置として、図5に示した装置を製作した。本蛍光検出装
置は請求項4、5および6の記載に対応する装置であ
る。
を説明するための図である。
ように、円環状のアルミ合金製部品に、試料容器を挿入
して保持する穴、励起光を通過させるための穴、および
蛍光を採取するための穴を、それぞれ32個づつ設けた
ものである。試料容器を挿入して保持する穴は、試料容
器外径に適合する穴(最大径φ8)を直径160mmの
円弧上に、9°ピッチで等間隔となるよう展開配置し
た。なお、この穴の下方部は、試料容器の底を密着支持
できるよう試料容器形状に適合したテーパ状に形成し
た。励起光を通過させるための穴(φ3.4)は、その
中心軸が試料容器を挿入して保持する穴の中心軸と同一
になるように、円環状のアルミ合金製部品の最下部に設
けた。さらに、蛍光を採取するための穴(φ2)は、そ
の中心軸が試料容器を挿入して保持する穴の中心軸と直
交するように設けた。
切り板(3)を配置した。本仕切り板上には、該仕切り
板(3)の外周部で中心から80mmの位置に蛍光信号
を通過させる孔、励起光源(8)として発光ダイオード
(発光中心波長470nm)、励起光用光学手段(5)
として波長選別用の干渉フィルター(透過中心470n
m、半値幅10nm)と集光用の光学レンズを固定装備
した。さらに、蛍光用光学手段(6)として、蛍光集光
用の集光レンズ2個、および、後述するライトガイド
(6a)を該仕切り板(3)上に固定装備した。なお、
励起光用光学手段(5)と蛍光用光学手段(6)の位置
関係は、それぞれの中心軸が直交するように配置してお
り、これによって、励起光によって誘起された蛍光を効
率良く採取できる。
蛍光信号を伝達するライトガイド(6a)として、φ2
mmのプラスチック製光ファイバーを使用した。ライト
ガイド(6a)の蛍光信号入射端は、集光レンズの集光
点において、試料容器に対向するようにに固定装備し
た。さらに、下記に説明する仕切り板の回転駆動手段の
回転軸内を経由し、回転中心軸上に蛍光信号出射端が位
置するよう、回転中心軸(7a)に固定装備した。
軸(7a)、ステッピングモーター(7b)、軸受(7
c)、回転スリット(7d)、回転位置センサー(7
e)、タイミングプーリ(7f)、タイミングベルト
(7g)及びカップリング(7h)から構成される駆動
手段(7)を連結した。これにより、仕切り板(3)と
これに固定された励起光源(8)、励起用光学手段
(5)、蛍光用光学手段(6)、遮光板(12)は、駆
動手段(7)の動作に応じて一体的に回転することにな
る。また回転スリットと回転位置センサーを装備するこ
とにより、仕切り板の回転の状態、即ち各瞬間に蛍光検
出がなされている試料容器の位置を検出することも可能
となる。
射端の先方には、光学レンズを挟んでダイクロイックミ
ラーを波長分散手段(11)として設置し、約560n
mを境界とした波長別の光路分割を行った。ダイクロイ
ックミラーによる反射光(560nm以下)の光路に
は、波長選択用の光学フィルター(干渉フィルター;5
20nm)と光学レンズを配置し、光センサー(光電子
増倍管)を配置した。一方、ダイクロイックミラーによ
る透過光(560nm以上)の光路には、全反射ミラ
ー、波長選択用の光学フィルター(干渉フィルター;6
10nm)と光学レンズを配置し、光センサー(光電子
増倍管)を配置した。以上により、520nmと610
nmの波長を持つ蛍光信号を同時に検出した。
び支柱などによって、それぞれの位置関係は規程される
よう設計し、組み立てを行った。
ダイオードを一定の周波数でパルス発振させるための電
子回路、および、光センサーからの電気信号を同じ周波
数でロックインアンプを用いて位相検波するための電子
回路を設置した。
同期信号発生回路(13)で発生する1590Hzのサ
イン波を,励起光源駆動回路(14)により電流増幅す
ることで行った。また、前記同期信号発生回路からは,
前記サイン波と同じ周波数の矩形波を発生させ,ロック
インアンプ(15)の参照信号入力とした。
回路(12)により増幅したのち,ロックインアンプ
(15)に入力され,前記参照信号により位相検波され
る。これによって、外部光を含んだ信号のなかから、蛍
光信号のみを選択的に検出し、わずかながら侵入する外
部光の影響を除去した。位相検波された信号は,ローパ
ス・フィルタ回路(16)により,高調波ノイズ成分を
除去した後,アナログ・デジタル変換回路(17)によ
り,量子化され,信号処理・制御回路(19)により数
値化される。
加熱ヒーター(9a)を貼付し、内部に温度センサー
(9b)を設置した。なお、加熱ヒーターとしてテープ
ヒーターを、温度センサーとして白金測温抵抗体を使用
した。さらに、サンプルホルダー、仕切り板と一部の回
転駆動手段、励起光源、励起光用光学手段、および蛍光
用光学手段を断熱槽内に収容した。断熱槽は、ポリアセ
タール系のプラスチックや発泡ポリエチレンなどの熱伝
導率の小さい材料で形成した。以上により、外部と熱遮
断した上で、試料を高精度に温度制御し、酵素反応など
のインキュベーション機能を具備した。
な作用により試料の蛍光信号を検出する。発光ダイオー
ドから発した励起光は、励起光用光学手段を介在して、
サンプルホルダーに挿入して保持された試料容器内の試
料を下方から励起する。試料が発した蛍光はサンプルホ
ルダーの側部から仕切り板の回転中心に向かって射出さ
れ、仕切り板に配置されたライトガイドなど蛍光用光学
手段で伝達される。ライトガイドによって伝達された蛍
光は、波長分散手段によって光路分割され、反射光と透
過光のそれぞれは、520nmと610nmの干渉フィ
ルターによって波長選別された後、光電子増倍管により
電気信号に変換され、検出される。
配置されているため、仕切り板の回転に従って、励起光
による励起と蛍光用光学手段による蛍光収集が順次、実
施されることになる。これは、多数の試料(本例の場合
32個)について、蛍光検出を容易に実現できることを
意味する。また、32個の試料の蛍光計測を終えた後、
仕切り板を逆回転して回転位置を一旦元に戻し、上記の
動作を繰り返すことにより、これら試料の蛍光信号の経
時的変化の様子を間欠的にモニターできることになる。
は、遮光性液体を用意した。水系の試料を用いるため、
オイル系の遮光性液体を調製した。具体的には、ミネラ
ルオイルに50mg/mlのカーボンブラックを混入し
た。カーボンブラックとしては、レーザープリンター用
のトナーを使用した。蛍光検出する際には,試料容器に
液体試料を25μl分注した後,前記遮光性液体を10
0μl分注し,サンプルホルダーにセットした。
ような効果が得られる。
ダーは固定配置されているため、試料容器に収容された
各試料に対しては高精度な温度調節が可能であり、これ
により多数の試料を迅速処理できる。しかも、試料容器
を固定配置して搬送しないことから、搬送中に試料間の
温度格差が生じたり、搬送時の振動やゆれによりキャリ
ーオーバーが生じる危険性も排除できる。
光センサーをその外部に配置することができるため、温
度上昇に伴うノイズ上昇もなく、高感度な信号検出が可
能である。しかも1波長につき1個の光センサーしか使
用しないことからコストを低減することができ、同時に
装置の小型化を図ったり、1波長につき複数の光センサ
ーを使用する場合に必須となる各センサーの感度補正と
いう煩雑な作業も省略することができる。更に、1波長
につき1個の光センサーからの信号を処理するだけで多
数試料の蛍光信号の経時的変化を知ることができるので
あるから、データ処理に伴う負担も軽い。特に光センサ
ーとして好ましく光電子倍増管を採用すれば、非常に高
感度の蛍光検出装置を提供することができる。該構成に
よれば、微弱の蛍光信号に対しても感度は十分である。
一形態を保って回転することから、その屈曲状態は一切
変化することがない。従って光ファイバーの屈曲状態の
変化に伴う光伝達効率の変化はなく、結果的に再現性の
良好な信号検出が可能である。本発明の装置では、機械
的移動部分を仕切り板とそれに固定装備された部品のみ
に限定しており、しかも単純な回転運動のみである。そ
のため、機械的トラブルも最小限に抑制できる。このよ
うに本発明では、試料容器の搬送・移動は一切行わない
が、仕切り板と光学手段を回転させることで多数試料の
リアルタイムモニタリングを実現するものである。
11−18054のようなスキャナー型蛍光検出装置で
問題となる、小型・低出力の励起光源を使用したときの
感度不足の課題も、蛍光信号の伝達手段として、一本の
ライトガイドを使用することにより解決できる。実際
に、上記に説明した実施例において、励起光源として利
用した発光ダイオードの有効出力は、特願平10−25
4913や特願平11−18054で利用されたアルゴ
ンイオンレーザーに比較して、約1/40に過ぎない。
しかしながら、特願平10−254913や特願平11
−18054と同等の感度で蛍光検出を実現できる。ま
た、リング型ライトガイドを使用しないため、低コスト
化の効果もある。
従来の蛍光検出装置やそれを用いた蛍光検出の方法の課
題であるオープン蛍光計測も可能となり、インキュベー
ションの進行が速い場合にも、多数の試料を順次リアル
タイムモニタリングすることができる。
温度調節、(b)多数試料の迅速処理、(c)高感度、
(d)高信頼性(機械的トラブルの低減、蛍光検出の再
現性の向上、キャリーオーバーの危険性の低減)、
(e)低コスト(装置構成の単純化、データ処理等にお
いて高価な部品を使用しないこと)、そして、(f)装
置の小型化、等の要求を満たし、さらに、インキュベー
ション時間の短時間化に伴う課題である(g)オープン
蛍光計測も可能な蛍光検出装置とその方法を提供するも
のである。
である。
ある。
蛍光信号の位相検波を説明するための図である。
の概略を示すための図である。
めの全体図である。
明するための正面図である。
部分と温度調節手段を詳細に説明するための断面を示す
正面図および平面図である。
サンプルホルダー、5励起光用光学手段、6 蛍光用光
学手段、6aライトガイド、7 駆動手段、7a 回転
軸、7b ステッピングモーター、7c 軸受、7d
回転スリット、7e 回転位置センサー、7f タイミ
ングプーリー、7g タイミングベルト、7h カップ
リング、8 光源、9a 加熱ヒーター、9b 温度セ
ンサー、10 断熱槽、11 波長分散手段、12 信
号増幅回路、13 同期信号発生回路、14 励起光源
駆動回路、15ロックインアンプ、16 ローパス・フ
ィルタ回路、17 アナログ・デジタル変換回路、18
信号処理・制御回路
Claims (6)
- 【請求項1】光透明性または光半透明性の試料容器に収
容された液体試料からの蛍光を検出する方法であって、
試料容器は、試料容器の挿入口と励起光の入射口と蛍光
の出射口を除いて光不透明なサンプルホルダーに設置
し、液体試料に、該液体試料と混合しない遮光性液体を
重層することで、試料容器の挿入口からの外光の侵入を
防止し、励起光は、遮光性液体を照射する前に液体試料
を照射できる方向から入射し、蛍光は、遮光性液体で吸
収されない方向に放射した蛍光を検出することを特徴と
する、蛍光の検出方法。 - 【請求項2】遮光性液体が遮光剤が添加されたオイルで
あることを特徴とする、請求項1の蛍光検出方法。 - 【請求項3】遮光剤がカーボンブラックであることを特
徴とする、請求項2記載の蛍光検出方法。 - 【請求項4】収容する試料容器を円弧上に展開して固定
保持するサンプルホルダー、該円弧中心を中心として回
転可能な駆動手段に連結された仕切り板、該仕切り板に
固定装備されて一体的に回転する励起光源と励起光用光
学手段と蛍光用光学手段、そして該回転可能な駆動手段
と機械的に断絶して固定配置された光センサーを装備し
た蛍光検出装置であって、(a)前期励起光源からの励
起光強度は一定の周波数で変調されており、(b)前記
励起光用光学手段は、励起光源からの励起光を試料容器
に導いて、1個の試料容器を選択的に励起するよう配置
され、(c)前記蛍光用光学手段は、試料容器からの蛍
光信号を光センサーに伝達するためのライトガイドを含
み、その入射端は蛍光信号を採取できるよう励起光が導
かれた試料容器に対向可能に配置され、出射端は前記駆
動手段の回転中心軸上に前記光センサーに対向可能に配
置されており、(d)仕切り板の回転によって、円弧上
に展開された各試料容器に順次励起光を導きつつ、同時
に、ライトガイドを含む蛍光用光学手段を介在して蛍光
を光センサーに導き、(e)光センサーから出力される
電気信号を励起光強度の変調周波数で位相検波すること
を特徴とする、蛍光検出装置。 - 【請求項5】励起光用光学手段は、励起光源からの励起
光を下方から上方に向かって試料容器に導いて、1個の
試料容器を選択的に励起するよう仕切り板に固定配置さ
れ、蛍光用光学手段は、試料容器から仕切り板の回転中
心に概略水平方向に向かった蛍光信号を採取するよう
に、仕切り板に固定配置されていることを特徴とする、
請求項4記載の蛍光検出装置。 - 【請求項6】試料を所定温度に制御するための温度調節
手段を装備することを特徴とする、請求項4または5記
載の蛍光検出装置。
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