JP2002317138A - 隠し表示を有する基材及び隠し表示の識別方法 - Google Patents

隠し表示を有する基材及び隠し表示の識別方法

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JP2002317138A JP2001120786A JP2001120786A JP2002317138A JP 2002317138 A JP2002317138 A JP 2002317138A JP 2001120786 A JP2001120786 A JP 2001120786A JP 2001120786 A JP2001120786 A JP 2001120786A JP 2002317138 A JP2002317138 A JP 2002317138A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不特定多数の者が隠し表示を容易には識別でき
ないように、その隠し表示を判読する必要がある時に少
なくとも2種の電磁波源及び/又は少なくとも2種の受
光センサーを必要とする隠し表示を有する基材及びその
隠し表示の識別方法を提供すること。 【解決手段】それぞれ異なる電磁波で励起されて発光す
る蛍光体類及び同一の電磁波で励起されて異なる波長で
発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2
種の蛍光体の組合せからなる隠し表示を有することを特
徴とする基材、並びに該基材に、それぞれの蛍光体を励
起発光させるのに適した電磁波を照射して発光させ、そ
れぞれの励起発光光に対応する受光センサーによりそれ
ぞれのピーク波長を検出することを特徴とする隠し表示
の識別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は隠し表示を有する基
材及びその隠し表示の識別方法に関し、より詳しくは、
隠し表示を識別するためには少なくとも2種の電磁波源
及び/又は少なくとも2種の受光センサーを必要とする
隠し表示を好ましくは基材内部に有する基材及びその隠
し表示の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、商品の流通経路の追跡を行な
ったり、正規の製品であるか否かの確認を行なったりす
るために、可視光線下では不可視であるが紫外線を照射
した時に蛍光発光して視認が可能となるロット番号等の
数字、暗号、図形等の隠し表示を、蛍光体含有印刷用イ
ンクを用いて商品等の表面に印刷し、商品等の確認を行
う必要がある時、場所でその隠し表示部分に紫外線を照
射し、蛍光発光させて隠し表示を視認する方法が実用化
されている(例えば、特公昭54−22336号公報、
特公昭62−5079号公報等を参照のこと)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような蛍光体含
有印刷用インクを用いて隠し表示を印刷した場合には、
励起用光源として市販の安価で簡単な紫外線ランプを使
用して蛍光発光させ、目視によって隠し表示の識別を行
うことができるため、不特定多数の者がその隠し表示を
容易に識別することができる。従って、その隠し表示を
削除したり、正規でない製品にその隠し表示を付与した
りすることが容易であり、隠し表示を設ける本来の目的
には対応し難い。
【0004】また、上記のような印刷用インクを用いて
隠し表示を基材表面に印刷した場合には、印刷用インク
が基材表面に存在することにより耐光性の不足する蛍光
体ではその機能が経時的に低下し、更に、表面にある隠
し表示は擦れて落ちる危険性があるので商品等の保管、
移送の際に充分に注意する必要がある。
【0005】本発明は、不特定多数の者が隠し表示を容
易には識別できないように、その隠し表示を判読する必
要がある時に少なくとも2種の電磁波源及び/又は少な
くとも2種の受光センサーを必要とする隠し表示を好ま
しくは基材内部に有する基材及びその隠し表示の識別方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、少なくとも2
種の電磁波源及び/又は少なくとも2種の受光センサー
を必要とする少なくとも2種の蛍光体の組合せからなる
隠し表示を形成することにより上記の目的が達成できる
との結論に達し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の隠し表示を有する基材は、
それぞれ異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類及
び同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光
体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の
組合せからなる隠し表示を有することを特徴とする。
【0008】また、本発明の隠し表示の識別方法は、上
記のような隠し表示をを有する基材に、それぞれの蛍光
体を励起発光させるのに適した電磁波を照射して発光さ
せ、それぞれの励起発光光に対応する受光センサーによ
りそれぞれのピーク波長を検出することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を具
体的に説明する。本発明の隠し表示を有する基材におい
ては、隠し表示を形成するのに用いる蛍光体として、そ
れぞれ異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類及び
同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体
類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組
合せを用いることが必須である。換言すれば、それぞれ
異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類からなる群
より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せ、同一の
電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類から
なる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せ、
あるいは同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光す
る蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍
光体とその同一の電磁波とは異なる電磁波で励起されて
発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも1
種の蛍光体との組合せを用いることが必須である。
【0010】本発明の隠し表示を有する基材において
は、隠し表示が基材の表面に存在していても、基材内部
に存在していても、本発明の主目的は同様に達成され
る。しかし、隠し表示が基材内部に存在している場合に
は、耐光性の不足する蛍光体でもその機能が経時的に低
下することが少なく、更に、隠し表示が擦れて落ちる危
険性がないので商品等の保管、移送の際にあまり注意す
る必要がない。従って、隠し表示が基材内部に存在して
いることが好ましい。
【0011】本発明の隠し表示を有する基材において
は、γ線から赤外線までの間の任意の電磁波で励起され
て発光する少なくとも2種の蛍光体を用いることが好ま
しく、基材に隠し表示を設ける本来の目的を十分に達成
する観点からは、少なくとも2種の蛍光体の組合せが、
それらのすべてを励起して発光させるのにγ線、X線、
紫外線、可視光線及び赤外線の2種以上の電磁波を必要
とするものであることが一層好ましい。
【0012】本発明の隠し表示を有する基材において
は、少なくとも2種の蛍光体の組合せが、無機蛍光体同
士の組合せ、無機・有機複合蛍光体同士の組合せ、無機
蛍光体と無機・有機複合蛍光体との組合せ、又は無機蛍
光体及び/又は無機・有機複合蛍光体と有機蛍光体との
組合せであることができ、一般的には無機蛍光体同士の
組合せであることが好ましい。
【0013】本発明の隠し表示を有する基材において
は、電磁波で励起されるいかなる蛍光体も使用すること
ができる。例えば、無機蛍光体であるZnS:Ag、Z
nS:Cu、Y2 2 S:Eu3+、ZnO:Zn、Ba
MgAl1017:Eu2+,Mn、YF3 :Yb,Er、
CaWO4 、LaOBr:Tb3+、LaOBr:T
3+、Li2 4 7 :Cu,In,Si、(Y,G
d)BO3 :Eu3+、無機・有機複合蛍光体であるユー
ロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート、
4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−
1,3−ブタンジオナート・ユーロピウムキレート、有
機蛍光体である2,5−チオフェンジイル(5−tert−
ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、3−(2−キノ
リルメチレン)イソインドリン−1−オン等を使用する
ことができる。これらの蛍光体は蛍光体を含有するイン
ク組成物、塗料組成物として、又はテープや糸として用
いて基材表面又は基材内部に付与することができる。
【0014】本発明の隠し表示を有する基材において
は、基材の例として紙、布、フィルム、テープ、樹脂製
品、木材製品、金属製品等が挙げられ、その大小、形状
等は特には制限されない。基材が紙である場合の例とし
ては、有価証券類、証明書等の原紙を挙げることができ
る。
【0015】基材が紙であり、隠し表示を基材内部に有
する場合には、叩解処理したメカニカルパルプ、ケミカ
ルパルプ、セミケミカルパルプ、古紙パルプ等のパル
プ、サイズ剤、填料等を含む完成紙料に更に上記の少な
くとも2種の蛍光体を添加し、手漉きにより又は抄紙機
により抄造することにより得ることができる。また、基
材が樹脂フィルムである場合には、上記の少なくとも2
種の蛍光体を含有する樹脂溶融物からフィルムを成形す
ることにより得ることができる。
【0016】これらの場合には、得られる紙、フィルム
等の基材中の蛍光体の量が0.001〜1質量%となる
ように完成紙料中又は樹脂中の蛍光体の量を調整するこ
とが好ましい。紙、フィルム等の基材中の蛍光体の量が
0.001質量%未満の場合は、絶対濃度不足により、
発光当量不足でセンサーの感度に至らなくなる場合があ
るので好ましくない。逆に、蛍光体が1質量%を越える
と、濃度消光により、発光当量が極端に低下し、センサ
ーの感度に至らなくなる場合があるので好ましくない。
【0017】また、本発明の隠し表示を基材内部に有す
る基材は、基材が紙、布等の吸液性の基材である場合に
は、上記の少なくとも2種の蛍光体の分散液を、励起発
光蛍光体を含有していない紙又は布の全部又は一部に含
浸させ、乾燥させることによっても得ることができる。
【0018】更に、本発明の隠し表示を基材内部に有す
る基材は、種々の商品、紙、布、フィルム、板、テー
プ、樹脂製品、木材製品、金属製品等の基材の表面に、
上記の少なくとも2種の蛍光体を含有する印刷用インク
又は塗料で隠し表示を形成し、その隠し表示の上に紙、
布、フィルム、テープ等を貼り合わせることにより、或
いは紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材製品、
金属製品等の表面に上記のようにして隠し表示を形成
し、その隠し表示側面を種々の商品、紙、布、フィル
ム、板、テープ等の基材の表面に貼り合わせるか、挟み
合わせることにより得ることができる。
【0019】上記の印刷用インク又は塗料の組成は特に
は限定されず、それらのバインダー成分は通常の印刷用
インク又は塗料において使用される樹脂であっても、又
は反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等で
あってもよい。樹脂としては後記する有機系に溶解する
か又は安定に分散するものであれば従来から印刷用イン
ク又は塗料に使用されている各種樹脂が使用可能であ
る。そのような樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、
スチレン−マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、シェラッ
ク樹脂、シリコーンアクリル樹脂、p−トルエンスルホ
ン酸アミド樹脂、p−ビニルピロリドン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれら
の樹脂の変性物等が代表的なものとして挙げられる。ま
た、バインダー樹脂は、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹
脂、常温乾燥型樹脂のいずれであってもよい。また、反
応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等として
は、反応により上記のような樹脂を形成するものを用い
ることができる。バインダー成分は印刷用インク又は塗
料中に、それらの所望の粘度等に応じて5〜99質量
%、好ましくは10〜99質量%の量で配合するのが適
当である。
【0020】上記の印刷用インク又は塗料においては必
要に応じて有機系溶媒を用いる。即ち、硬化前のバイン
ダー成分が液状又はペースト状であり、該バインダー成
分と上記の少なくとも2種の蛍光体との混合物が印刷用
インク又は塗料として必要な粘度を有する場合には有機
系溶媒を添加する必要がない。しかし、バインダー成分
が固体であるか又は粘度が高い場合には、有機系溶媒を
添加してバインダー成分を溶解させるか又は安定に分散
させ、或いは粘度を調整する。
【0021】上記の印刷用インク又は塗料において有機
系溶媒を用いる場合には、上記の少なくとも2種の蛍光
体に対する分散性や印刷用インクの乾燥性等の観点から
特にアルコールが好ましい。該アルコールとしては、炭
素数が例えば1〜10、好ましくは1〜8、特に好まし
くは1〜6の直鎖又は分岐のアルコール、具体的には、
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、
sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアル
コール、イソアミルアルコール等が挙げられる。
【0022】上記の印刷用インク又は塗料に用いること
のできるその他の有機系溶媒としてはメチルエチルケト
ン、アセトンなどのケトン類、エチレングリコールモノ
プロピルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシ
ド等を挙げることができる。これらのその他の有機系溶
媒は単独で用いることも、アルコールと併用することも
できる。更に、これらの有機系溶媒は、バインダー成分
に対する溶解性や上記の少なくとも2種の蛍光体に対す
る分散性や印刷用インクの乾燥性等に悪影響を及ぼさな
い範囲で水を含んでいてもよい。必要に応じて添加する
有機系溶媒は印刷用インク又は塗料中に、後記する粘度
となるように、通常0.1〜80質量%、好ましくは
0.1〜50質量%の量で配合することが適当である。
【0023】上記の印刷用インク又は塗料は、以上に説
明した上記の少なくとも2種の蛍光体及びバインダー成
分を含有し、必要に応じて有機系溶媒を含有し、更に、
必要に応じて界面活性剤や、トリエチルアミン、トリエ
タノールアミン、アンモニア等の溶解助剤などの各種添
加剤を含有することができる。
【0024】上記の印刷用インクは均質であって、スク
リーン印刷、グラビア印刷等に適合するように、好まし
くは、粘度が1mPa・s以上であることが適当であ
る。なお、印刷用インクの粘度の上限については明確に
は規定されないが、上記の印刷を考慮すると粘度の上限
は15,000〜80,000mPa・s程度である。
また、上記の塗料の粘度については塗布が可能であれば
特に制限されることはない。
【0025】上記の印刷インク又は塗料を用いて隠し表
示を形成する場合には、印刷用インクを用いてスクリー
ン印刷、グラビア印刷等の印刷方法によってロット番号
等の数字、暗号、図形等の隠し表示を被印刷物表面に形
成し、又は塗料を塗布してロット番号等の数字、暗号、
図形等の隠し表示を形成し、必要により紫外線硬化さ
せ、或いは自然乾燥、焼付乾燥等により乾燥、硬化させ
て隠し表示を形成する。その後、その隠し表示の上に
紙、布、フィルム、テープ等を貼り合わせることによ
り、或いは紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材
製品又は金属製品等の表面に上記のようにして隠し表示
を形成し、その隠し表示側面を種々の商品、紙、布、フ
ィルム、板、テープ等の基材の表面に貼り合わせるか、
挟み合わせる。
【0026】本発明の隠し表示を基材内部に有する基材
においては、隠し表示を判読する必要がある時に、隠し
表示に、それぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した
電磁波を照射して発光させ、例えば、電子線、プラズ
マ、電場等により発光させ、それぞれの励起発光光に対
応する受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出
する。
【0027】この検出方法について図面を参照して具体
的に説明する。先ず、図1を参照して説明する。A、B
及びCの3種類の蛍光体を含有する分散液を基材1の一
部に含浸させ、乾燥させて基材1の内部に隠し表示2を
形成する。A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励起
光源4、C蛍光体用の励起光源5、A蛍光体の励起で発
生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させる
(即ち、A、B及びCの各蛍光体を励起する励起光線の
反射光並びにB及びCの各蛍光体の励起で発生する発光
光を透過させない)バンドフィルター6、バンドフィル
ター6を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出
する受光センサー7、B蛍光体励起で発生する発光スペ
クトルのピーク波長域のみを透過させる(即ち、A、B
及びCの各蛍光体を励起する励起光線の反射光並びにA
及びCの各蛍光体の励起で発生する発光光を透過させな
い)バンドフィルター8、バンドフィルター8を透過し
た光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサ
ー9、A、B及びCの各蛍光体を励起する励起光線の反
射光並びにA及びBの各蛍光体の励起で発生する発光光
を透過させないカットフィルター10、並びにカットフ
ィルター10を透過した光を受光し、透過エネルギー量
を検出する受光センサー11を、例えば図1に示すよう
に配置する。
【0028】A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励
起光源4、及びC蛍光体用の励起光源5からそれぞれ励
起光線を照射し、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及
びC蛍光体をそれぞれ励起して発光させる。それぞれの
励起光線はそれぞれの励起光源から同時に又は順次照射
する。それぞれの発光光はそれぞれのバンドフィルタ
ー、カットフィルターを透過してそれぞれの受光センサ
ーで同時に又は順次受光され、エネルギー量が検出され
る。ここでいう同時又は順次については、照射及び受光
をA、B及びCの各蛍光体用の励起光源に関して3者を
同時に実施しても、3者を順次実施しても、任意の2者
を同時に実施した後に残りの1者を実施しても、或いは
任意の1者を実施した後に残りの2者を同時に実施して
も良い。
【0029】図1に示すように配置したA蛍光体用の励
起光源3、B蛍光体用の励起光源4、及びC蛍光体用の
励起光源5から同時に励起光線を照射し、隠し表示2中
のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ励起して
発光させると、その発光光の発光エネルギー比は図2中
の実線12になる。実線12上のPA部分はA蛍光体の
励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域であり、
PB部分はB蛍光体の励起で発生する発光スペクトルの
ピーク波長域であり、PC部分はC蛍光体の励起で発生
する発光スペクトルのピーク波長域である。図2中の二
点鎖線13はバンドフィルター6を透過する波長範囲及
び透過エネルギー比を示し、点線14はバンドフィルタ
ー8を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、
一点鎖線15はカットフィルター10を透過する(見方
を変えれば、カットフィルター10を透過することので
きない)波長範囲及び透過エネルギー比を示している。
【0030】図1に示すような配置で上記のように照射
及び受光を実施することにより、受光センサー7ではA
蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域
の発光エネルギーをバンドフィルター6を透過する発光
光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー9では
B蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長
域の発光エネルギーをバンドフィルター8を透過する発
光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー11
ではC蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク
波長域の発光エネルギーをカットフィルター10を透過
する発光光の透過エネルギー比率で受光することができ
るので、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光
体をそれぞれ識別することができ、従って、A蛍光体、
B蛍光体及びC蛍光体の混合物であるか否かを確認する
ことができる。
【0031】尚、上記した実施の態様においては、A蛍
光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の
みを透過させるためにバンドフィルターを用い、B蛍光
体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみ
を透過させるためにバンドフィルターを用い、C蛍光体
の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを
透過させるためにカットフィルターを用いたが、それぞ
れ所定の発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させ
ることができれば、バンドフィルター及びカットフィル
ターをどのように組み合わせて用いてもよい。
【0032】また、A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体
用の励起光源4、及びC蛍光体用の励起光源5からそれ
ぞれ別々に励起光線を照射し、隠し表示2中のA蛍光
体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ別々に励起して発
光させる場合には、上記したようなバンドフィルターや
カットフィルターを用いなくてもA蛍光体、B蛍光体及
びC蛍光体の混合物であるか否かを確認することができ
る。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて具体的に説明す
る。 実施例1〜7 それぞれ別個の種々の電磁波で励起され、発光する第1
表に示す6種の蛍光体を用意した。
【0034】
【0035】メチルアルコール5.0質量部と、第2表
に示す種類及び量の蛍光体とからなる蛍光体含有アルコ
ール分散液を官製はがきの一部に含浸させ、乾燥させ
た。この蛍光体含有官製はがきは未処理の官製はがきと
区別できなかった。即ち、隠し表示を内部に有する官製
はがきを得た。
【0036】
【0037】上記のようにして得た蛍光体含有官製はが
きの隠し表示の識別のためには、実施例1については1
台の紫外線照射装置で良いが、2台の受光センサーが必
要であり、実施例2については紫外線照射装置、赤外線
レーザー発生装置及び2台の受光センサーが必要であ
り、実施例3については紫外線照射装置、X線照射装置
及び2台の受光センサーが必要であり、実施例4につい
ては紫外線照射装置、プラズマ発生装置及び2台の受光
センサーが必要であり、実施例5については紫外線照射
装置、赤外線レーザー発生装置及び2台の受光センサー
が必要であり、実施例6については紫外線照射装置、X
線照射装置及び3台の受光センサーが必要であり、実施
例7については紫外線照射装置、X線照射装置、加熱装
置及び4台の受光センサーが必要であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の隠し表示を有する基材及び隠し
表示の識別方法においては、隠し表示を識別するために
は少なくとも2種の電磁波源及び/又は少なくとも2種
の受光センサーを必要とするので、不特定多数の者がそ
の隠し表示を容易には識別できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A、B及びCの3種類の蛍光体を含有してい
る印刷用インクを用いて基材の内部に形成した隠し表示
を識別するための、3種の励起光源、2種のバンドフィ
ルター、1種のカットフィルター、及び3種の受光セン
サーの配置関係を示す概略図である。
【図2】 図1に示す配置で同時に励起光線を照射し、
隠し表示中のそれぞれの蛍光体を励起し、発光させて得
られる発光光の発光エネルギー比、各バンドフィルタ
ー、カットフィルターを透過する波長範囲及び透過エネ
ルギー比を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 基材(官製はがき) 2 隠し表示 3、4、5 励起用光源 6、8 バンドフィルター 10 カットフィルター 7、9、11 受光センサー
フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HB10 JB14 LB18 LB19 3E041 AA01 BA09 BB02 BB03 CA03 EA02 4J039 GA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ異なる電磁波で励起されて発光す
    る蛍光体類及び同一の電磁波で励起されて異なる波長で
    発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2
    種の蛍光体の組合せからなる隠し表示を有することを特
    徴とする基材。
  2. 【請求項2】それぞれ異なる電磁波で励起されて発光す
    る蛍光体類及び同一の電磁波で励起されて異なる波長で
    発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2
    種の蛍光体の組合せからなる隠し表示を基材内部に有す
    ることを特徴とする請求項1記載の基材。
  3. 【請求項3】少なくとも2種の各々の蛍光体がγ線から
    赤外線までの間の任意の電磁波で励起されて発光するも
    のであることを特徴とする請求項1又は2記載の基材。
  4. 【請求項4】少なくとも2種の蛍光体の組合せが、それ
    らのすべてを励起して発光させるのにγ線、X線、紫外
    線、可視光線及び赤外線の2種以上の電磁波を必要とす
    るものであることを特徴とする請求項3記載の基材。
  5. 【請求項5】少なくとも2種の蛍光体の組合せが、無機
    蛍光体同士の組合せ、無機・有機複合蛍光体同士の組合
    せ、無機蛍光体と無機・有機複合蛍光体との組合せ、又
    は無機蛍光体及び/又は無機・有機複合蛍光体と有機蛍
    光体との組合せであることを特徴とする請求項1〜4の
    何れかに記載の基材。
  6. 【請求項6】基材が紙、布、フィルム、テープ、樹脂製
    品、木材製品又は金属製品であることを特徴とする請求
    項1〜5の何れかに記載の基材。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載の基材に、そ
    れぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波を照
    射して発光させ、それぞれの励起発光光に対応する受光
    センサーによりそれぞれのピーク波長を検出することを
    特徴とする隠し表示の識別方法。
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