JP4974314B2 - 隠し表示の識別方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は隠し表示を有する基材の隠し表示の識別方法に関し、より詳しくは、隠し表示を識別するためには少なくとも2種の受光センサーを必要とするか、又は少なくとも2種の電磁波源及び少なくとも2種の受光センサーを必要とする隠し表示を好ましくは基材内部に有する基材の隠し表示の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、商品の流通経路の追跡を行なったり、正規の製品であるか否かの確認を行なったりするために、可視光線下では不可視であるが紫外線を照射した時に蛍光発光して視認が可能となるロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を、蛍光体含有印刷用インクを用いて商品等の表面に印刷し、商品等の確認を行う必要がある時、場所でその隠し表示部分に紫外線を照射し、蛍光発光させて隠し表示を視認する方法が実用化されている(例えば、特公昭54−22336号公報、特公昭62−5079号公報等を参照のこと)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような蛍光体含有印刷用インクを用いて隠し表示を印刷した場合には、励起用光源として市販の安価で簡単な紫外線ランプを使用して蛍光発光させ、目視によって隠し表示の識別を行うことができるため、不特定多数の者がその隠し表示を容易に識別することができる。従って、その隠し表示を削除したり、正規でない製品にその隠し表示を付与したりすることが容易であり、隠し表示を設ける本来の目的には対応し難い。
【0004】
また、上記のような印刷用インクを用いて隠し表示を基材表面に印刷した場合には、印刷用インクが基材表面に存在することにより耐光性の不足する蛍光体ではその機能が経時的に低下し、更に、表面にある隠し表示は擦れて落ちる危険性があるので商品等の保管、移送の際に充分に注意する必要がある。
【0005】
本発明は、不特定多数の者が隠し表示を容易には識別できないように、その隠し表示を判読する必要がある時に少なくとも2種の受光センサーを必要とするか、又は少なくとも2種の電磁波源及び少なくとも2種の受光センサーを必要とする隠し表示を好ましくは基材内部に有する基材の隠し表示の識別方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、少なくとも2種の受光センサーを必要とするか、又は少なくとも2種の電磁波源及び少なくとも2種の受光センサーを必要とする少なくとも2種の蛍光体の組合せからなる隠し表示を形成することにより上記の目的が達成できるとの結論に達し、本発明を完成した。
【0008】
発明の隠し表示の識別方法は、同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せからなるか、又は同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体と、その同一の電磁波とは異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体との組合せからなる隠し表示を有する基材を用い、このような隠し表示を有する基材に、それぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波を照射して発光させ、それぞれの励起発光光に対応する少なくとも2種の受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明で用いる隠し表示を有する基材においては、隠し表示を形成するのに用いる蛍光体として、同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せを用いることが必須である。換言すれば、同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せ、あるいは同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体とその同一の電磁波とは異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体との組合せを用いることが必須である。
【0010】
本発明の隠し表示を有する基材においては、隠し表示が基材の表面に存在していても、基材内部に存在していても、本発明の主目的は同様に達成される。しかし、隠し表示が基材内部に存在している場合には、耐光性の不足する蛍光体でもその機能が経時的に低下することが少なく、更に、隠し表示が擦れて落ちる危険性がないので商品等の保管、移送の際にあまり注意する必要がない。従って、隠し表示が基材内部に存在していることが好ましい。
【0011】
本発明で用いる隠し表示を有する基材においては、γ線から赤外線までの間の任意の電磁波で励起されて発光する隠し表示を用いることが好ましく、基材に隠し表示を設ける本来の目的を十分に達成する観点からは、隠し表示が、それらのすべてを励起して発光させるのにγ線、X線、紫外線、可視光線又は赤外線を必要とするものであることが一層好ましい。
【0012】
本発明の隠し表示を有する基材においては、少なくとも2種の蛍光体の組合せが、無機蛍光体同士の組合せ、無機・有機複合蛍光体同士の組合せ、無機蛍光体と無機・有機複合蛍光体との組合せ、又は無機蛍光体及び/又は無機・有機複合蛍光体と有機蛍光体との組合せであることができ、一般的には無機蛍光体同士の組合せであることが好ましい。
【0013】
本発明の隠し表示を有する基材においては、電磁波で励起されるいかなる蛍光体も使用することができる。例えば、無機蛍光体であるZnS:Ag、ZnS:Cu、Y2 2 S:Eu3+、ZnO:Zn、BaMgAl1017:Eu2+,Mn、YF3 :Yb,Er、CaWO4 、LaOBr:Tb3+、LaOBr:Tm3+、Li2 4 7 :Cu,In,Si、(Y,Gd)BO3 :Eu3+、無機・有機複合蛍光体であるユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオナート・ユーロピウムキレート、有機蛍光体である2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、3−(2−キノリルメチレン)イソインドリン−1−オン等を使用することができる。
これらの蛍光体は蛍光体を含有するインク組成物、塗料組成物として、又はテープや糸として用いて基材表面又は基材内部に付与することができる。
【0014】
本発明の隠し表示を有する基材においては、基材の例として紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材製品、金属製品等が挙げられ、その大小、形状等は特には制限されない。基材が紙である場合の例としては、有価証券類、証明書等の原紙を挙げることができる。
【0015】
基材が紙であり、隠し表示を基材内部に有する場合には、叩解処理したメカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、古紙パルプ等のパルプ、サイズ剤、填料等を含む完成紙料に更に上記の少なくとも2種の蛍光体を添加し、手漉きにより又は抄紙機により抄造することにより得ることができる。また、基材が樹脂フィルムである場合には、上記の少なくとも2種の蛍光体を含有する樹脂溶融物からフィルムを成形することにより得ることができる。
【0016】
これらの場合には、得られる紙、フィルム等の基材中の蛍光体の量が0.001〜1質量%となるように完成紙料中又は樹脂中の蛍光体の量を調整することが好ましい。紙、フィルム等の基材中の蛍光体の量が0.001質量%未満の場合は、絶対濃度不足により、発光当量不足でセンサーの感度に至らなくなる場合があるので好ましくない。逆に、蛍光体が1質量%を越えると、濃度消光により、発光当量が極端に低下し、センサーの感度に至らなくなる場合があるので好ましくない。
【0017】
また、本発明の隠し表示を基材内部に有する基材は、基材が紙、布等の吸液性の基材である場合には、上記の少なくとも2種の蛍光体の分散液を、励起発光蛍光体を含有していない紙又は布の全部又は一部に含浸させ、乾燥させることによっても得ることができる。
【0018】
更に、本発明の隠し表示を基材内部に有する基材は、種々の商品、紙、布、フィルム、板、テープ、樹脂製品、木材製品、金属製品等の基材の表面に、上記の少なくとも2種の蛍光体を含有する印刷用インク又は塗料で隠し表示を形成し、その隠し表示の上に紙、布、フィルム、テープ等を貼り合わせることにより、或いは紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材製品、金属製品等の表面に上記のようにして隠し表示を形成し、その隠し表示側面を種々の商品、紙、布、フィルム、板、テープ等の基材の表面に貼り合わせるか、挟み合わせることにより得ることができる。
【0019】
上記の印刷用インク又は塗料の組成は特には限定されず、それらのバインダー成分は通常の印刷用インク又は塗料において使用される樹脂であっても、又は反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等であってもよい。樹脂としては後記する有機系に溶解するか又は安定に分散するものであれば従来から印刷用インク又は塗料に使用されている各種樹脂が使用可能である。そのような樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、シェラック樹脂、シリコーンアクリル樹脂、p−トルエンスルホン酸アミド樹脂、p−ビニルピロリドン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらの樹脂の変性物等が代表的なものとして挙げられる。また、バインダー樹脂は、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、常温乾燥型樹脂のいずれであってもよい。また、反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等としては、反応により上記のような樹脂を形成するものを用いることができる。バインダー成分は印刷用インク又は塗料中に、それらの所望の粘度等に応じて5〜99質量%、好ましくは10〜99質量%の量で配合するのが適当である。
【0020】
上記の印刷用インク又は塗料においては必要に応じて有機系溶媒を用いる。即ち、硬化前のバインダー成分が液状又はペースト状であり、該バインダー成分と上記の少なくとも2種の蛍光体との混合物が印刷用インク又は塗料として必要な粘度を有する場合には有機系溶媒を添加する必要がない。しかし、バインダー成分が固体であるか又は粘度が高い場合には、有機系溶媒を添加してバインダー成分を溶解させるか又は安定に分散させ、或いは粘度を調整する。
【0021】
上記の印刷用インク又は塗料において有機系溶媒を用いる場合には、上記の少なくとも2種の蛍光体に対する分散性や印刷用インクの乾燥性等の観点から特にアルコールが好ましい。該アルコールとしては、炭素数が例えば1〜10、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6の直鎖又は分岐のアルコール、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、 sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール等が挙げられる。
【0022】
上記の印刷用インク又は塗料に用いることのできるその他の有機系溶媒としてはメチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらのその他の有機系溶媒は単独で用いることも、アルコールと併用することもできる。更に、これらの有機系溶媒は、バインダー成分に対する溶解性や上記の少なくとも2種の蛍光体に対する分散性や印刷用インクの乾燥性等に悪影響を及ぼさない範囲で水を含んでいてもよい。必要に応じて添加する有機系溶媒は印刷用インク又は塗料中に、後記する粘度となるように、通常0.1〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%の量で配合することが適当である。
【0023】
上記の印刷用インク又は塗料は、以上に説明した上記の少なくとも2種の蛍光体及びバインダー成分を含有し、必要に応じて有機系溶媒を含有し、更に、必要に応じて界面活性剤や、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等の溶解助剤などの各種添加剤を含有することができる。
【0024】
上記の印刷用インクは均質であって、スクリーン印刷、グラビア印刷等に適合するように、好ましくは、粘度が1mPa・s以上であることが適当である。なお、印刷用インクの粘度の上限については明確には規定されないが、上記の印刷を考慮すると粘度の上限は15,000〜80,000mPa・s程度である。また、上記の塗料の粘度については塗布が可能であれば特に制限されることはない。
【0025】
上記の印刷インク又は塗料を用いて隠し表示を形成する場合には、印刷用インクを用いてスクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷方法によってロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を被印刷物表面に形成し、又は塗料を塗布してロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を形成し、必要により紫外線硬化させ、或いは自然乾燥、焼付乾燥等により乾燥、硬化させて隠し表示を形成する。その後、その隠し表示の上に紙、布、フィルム、テープ等を貼り合わせることにより、或いは紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材製品又は金属製品等の表面に上記のようにして隠し表示を形成し、その隠し表示側面を種々の商品、紙、布、フィルム、板、テープ等の基材の表面に貼り合わせるか、挟み合わせる。
【0026】
本発明の隠し表示を基材内部に有する基材においては、隠し表示を判読する必要がある時に、隠し表示に、それぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波を照射して発光させ、例えば、電子線、プラズマ、電場等により発光させ、それぞれの励起発光光に対応する受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出する。
【0027】
この検出方法について図面を参照して具体的に説明する。
先ず、図1を参照して説明する。A、B及びCの3種類の蛍光体を含有する分散液を基材1の一部に含浸させ、乾燥させて基材1の内部に隠し表示2を形成する。
A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励起光源4、C蛍光体用の励起光源5、A蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させる(即ち、A、B及びCの各蛍光体を励起する励起光線の反射光並びにB及びCの各蛍光体の励起で発生する発光光を透過させない)バンドフィルター6、バンドフィルター6を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー7、B蛍光体励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させる(即ち、A、B及びCの各蛍光体を励起する励起光線の反射光並びにA及びCの各蛍光体の励起で発生する発光光を透過させない)バンドフィルター8、バンドフィルター8を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー9、A、B及びCの各蛍光体を励起する励起光線の反射光並びにA及びBの各蛍光体の励起で発生する発光光を透過させないカットフィルター10、並びにカットフィルター10を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー11を、例えば図1に示すように配置する。
【0028】
A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励起光源4、及びC蛍光体用の励起光源5からそれぞれ励起光線を照射し、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ励起して発光させる。それぞれの励起光線はそれぞれの励起光源から同時に又は順次照射する。それぞれの発光光はそれぞれのバンドフィルター、カットフィルターを透過してそれぞれの受光センサーで同時に又は順次受光され、エネルギー量が検出される。ここでいう同時又は順次については、照射及び受光をA、B及びCの各蛍光体用の励起光源に関して3者を同時に実施しても、3者を順次実施しても、任意の2者を同時に実施した後に残りの1者を実施しても、或いは任意の1者を実施した後に残りの2者を同時に実施しても良い。
【0029】
図1に示すように配置したA蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励起光源4、及びC蛍光体用の励起光源5から同時に励起光線を照射し、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ励起して発光させると、その発光光の発光エネルギー比は図2中の実線12になる。実線12上のPA部分はA蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域であり、PB部分はB蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域であり、PC部分はC蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域である。図2中の二点鎖線13はバンドフィルター6を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、点線14はバンドフィルター8を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、一点鎖線15はカットフィルター10を透過する(見方を変えれば、カットフィルター10を透過することのできない)波長範囲及び透過エネルギー比を示している。
【0030】
図1に示すような配置で上記のように照射及び受光を実施することにより、受光センサー7ではA蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをバンドフィルター6を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー9ではB蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをバンドフィルター8を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー11ではC蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをカットフィルター10を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光することができるので、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ識別することができ、従って、A蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体の混合物であるか否かを確認することができる。
【0031】
尚、上記した実施の態様においては、A蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためにバンドフィルターを用い、B蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためにバンドフィルターを用い、C蛍光体の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためにカットフィルターを用いたが、それぞれ所定の発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させることができれば、バンドフィルター及びカットフィルターをどのように組み合わせて用いてもよい。
【0032】
また、A蛍光体用の励起光源3、B蛍光体用の励起光源4、及びC蛍光体用の励起光源5からそれぞれ別々に励起光線を照射し、隠し表示2中のA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体をそれぞれ別々に励起して発光させる場合には、上記したようなバンドフィルターやカットフィルターを用いなくてもA蛍光体、B蛍光体及びC蛍光体の混合物であるか否かを確認することができる。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1〜
それぞれ別個の種々の電磁波で励起され、発光する第1表に示す種の蛍光体を用意した。
【0034】
Figure 0004974314
【0035】
メチルアルコール5.0質量部と、第2表に示す種類及び量の蛍光体とからなる蛍光体含有アルコール分散液を官製はがきの一部に含浸させ、乾燥させた。この蛍光体含有官製はがきは未処理の官製はがきと区別できなかった。即ち、隠し表示を内部に有する官製はがきを得た。
【0036】
Figure 0004974314
【0037】
上記のようにして得た蛍光体含有官製はがきの隠し表示の識別のためには、実施例1については1台の紫外線照射装置で良いが、2台の受光センサーが必要であり、実施例2については紫外線照射装置、X線照射装置及び3台の受光センサーが必要であり、実施例については紫外線照射装置、X線照射装置、加熱装置及び4台の受光センサーが必要であった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の隠し表示を有する基材の隠し表示の識別方法においては、隠し表示を識別するためには少なくとも2種の受光センサーを必要とするか、又は少なくとも2種の電磁波源及び少なくとも2種の受光センサーを必要とするので、不特定多数の者がその隠し表示を容易には識別できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A、B及びCの3種類の蛍光体を含有している印刷用インクを用いて基材の内部に形成した隠し表示を識別するための、3種の励起光源、2種のバンドフィルター、1種のカットフィルター、及び3種の受光センサーの配置関係を示す概略図である。
【図2】 図1に示す配置で同時に励起光線を照射し、隠し表示中のそれぞれの蛍光体を励起し、発光させて得られる発光光の発光エネルギー比、各バンドフィルター、カットフィルターを透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 基材(官製はがき)
2 隠し表示
3、4、5 励起用光源
6、8 バンドフィルター
10 カットフィルター
7、9、11 受光センサー

Claims (7)

  1. 同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せからなる隠し表示を有する基材に、それぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波を照射して発光させ、それぞれの励起発光光に対応する少なくとも2種の受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出することを特徴とする隠し表示の識別方法。
  2. 同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体と、その同一の電磁波とは異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体類からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体との組合せからなる隠し表示を有する基材に、それぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波を照射して発光させ、それぞれの励起発光光に対応する少なくとも2種の受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出することを特徴とする隠し表示の識別方法。
  3. 基材が、隠し表示を基材内部に有することを特徴とする請求項1又は2記載の隠し表示の識別方法。
  4. 基材の隠し表示がγ線から赤外線までの間の任意の電磁波で励起されて発光するものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の隠し表示の識別方法。
  5. 基材の隠し表示が、それらのすべてを励起して発光させるのにγ線、X線、紫外線、可視光線又は赤外線を必要とするものであることを特徴とする請求項4記載の隠し表示の識別方法。
  6. 基材の少なくとも2種の蛍光体の組合せが、無機蛍光体同士の組合せ、無機・有機複合蛍光体同士の組合せ、無機蛍光体と無機・有機複合蛍光体との組合せ、又は無機蛍光体及び/又は無機・有機複合蛍光体と有機蛍光体との組合せであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の隠し表示の識別方法。
  7. 基材が紙、布、フィルム、テープ、樹脂製品、木材製品又は金属製品であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の隠し表示の識別方法。
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