JP2004252304A - 隠し表示を有する基材 - Google Patents

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実 細田
Katsutaka Nakatsu
克隆 中津
Tetsuo Sugawa
哲夫 須川
Tsuneo Shirota
常雄 城田
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Abstract

【課題】可視光線下では不可視の隠し表示であって、不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないが、隠し表示を判読する必要がある時に正確に識別出来る隠し表示を有する基材を提供する。
【解決手段】可視光線下では不可視であり、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる隠し表示を有する基材であり、例えば、その隠し表示は、少なくとも1種の励起発光染料を含有するインク又は塗料と、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有するインク又は塗料とを用いて形成される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光線下では不可視の隠し表示を有する基材に関し、より詳しくは、励起発光染料及び電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる隠し表示を有し、それで隠し表示を判読する必要がある時に励起光線の照射及び電磁波の照射を必要とし、且つそれぞれの励起発光に対応する受光センサーを必要とする隠し表示を有する基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、商品の流通経路の追跡を行ったり、正規の製品であるかどうかの確認を行うために、可視光線下では不可視であるが紫外線を照射した時に蛍光発光して視認が可能となるロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を、蛍光染料含有印刷インクを用いて商品などの表面に印刷し、商品等の出荷後の確認を行う時、場所でその隠し表示部分に紫外線を照射して蛍光発光させ、視認する方法が実用化されている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、レーザー染料又は蛍光染料を用いる隠し表示も提案されている(例えば、特許文献3、4、5参照。)。更に、蛍光体を用いる隠し表示も提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭54−22336号公報
【特許文献2】
特公昭62−5079号公報
【特許文献3】
特開2001−247801号公報
【特許文献4】
特開2001−282109号公報
【特許文献5】
特開2002−108259号公報
【特許文献6】
特開2002−179965号公報
【特許文献7】
特開2002−317138号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
可視光線下では不可視の隠し表示を上記のような蛍光染料含有インクを用いて印刷した場合には、励起用光源として市販の安価で簡単な紫外線ランプを使用して蛍光発光させ、目視によって隠し表示の識別を行うことが出来るため不特定多数の者がその隠し表示を容易に識別することができる。従って、その隠し表示を削除したり、正規でない製品にその隠し表示を付与したりすることが容易であり、不可視識別という目的には対応し難い。
【0005】
また、レーザー染料、蛍光染料又は蛍光体を用いた隠し表示においては、上記のような問題はかなり解消されるが、それでも不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないという点では必ずしも満足できるものではなくなってきており、隠し表示の識別が更に困難な隠し表示が求められている。
【0006】
本発明は、可視光線下では不可視の隠し表示であって、不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないが、隠し表示を判読する必要がある時に正確に識別出来る隠し表示を有する基材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を併用することにより、隠し表示を判読する必要がある時に励起光線の照射及び電磁波の照射を必要とし、且つそれぞれの励起発光に対応する受光センサーを必要とするので、不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないが、隠し表示を判読する必要がある時に正確に識別出来る隠し表示を提供し得ることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の隠し表示の識別方法は、可視光線下では不可視であり、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体からなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の隠し表示を有する基材において、可視光線下では不可視の隠し表示を形成するのに用いる励起発光染料としてレーザー染料及び蛍光染料を挙げることができる。本発明においては励起発光染料としてレーザー染料のみを用いるか、レーザー染料と蛍光染料とを併用することが好ましいが、蛍光染料のみを用いることもできる。
【0010】
本発明の隠し表示を有する基材においては、得られる効果に程度の差はあるが種々のレーザー染料を用いることができる。それらのレーザー染料の例として、3,3’−ジメチルオキサトリカルボシアニンイオダイド(通称DOTCIと略称)、1,3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチルインドトリカルボシアニンイオダイド(通称HITCIと略称)、1,3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチルインドカルボシアニンイオダイド(通常HIDCと略称)、5,5’−ジクロロ−11−ジフェニルアミノ−3,3−ジエチル−10,12−エチレン−チアトリカルボシアニンパークロレート(通称IR140という)等のシアニン色素;ローダミン101、ウラニン等のキサンチン色素;クレジオバイオレット、オキサジン等のオキサジン色素;4−メチルウンペンフェロン、カルセインブルー、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン(通常DAMCと略称)、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン(通常クマリン120という)等のクマリン誘導体;7−ジエチルアミノ−4−メチル−2−キノロン (通常カルボスチリル165という)などのキノロン誘導体;スチルベン1等のスチルベン誘導体;2−フェニル−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(通常PBDと略称)、パラ−ビス(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン(通常POPOPと略称)等のオキサゾル・オキサジアゾール;ポリフェニル1等のパラ−オリゴフェニレン類等を挙げることができる。
【0011】
本発明の隠し表示を有する基材においては、上記のレーザー染料の中で特に顕著な効果を達成することのできる1,3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチルインドカルボシアニンイオダイド(HIDC)及び/又は5,5’−ジクロロ−11−ジフェニルアミノ−3,3−ジエチル−10,12−エチレン−チアトリカルボシアニンパークロレート(IR−140)を用いることが好ましい。
【0012】
本発明の隠し表示を有する基材においては、種々の蛍光染料を用いることができる。それらの蛍光染料の例として、テノイルトリフルオロアセトン、チオフェイオン、クマリン等を挙げることができる。これらの蛍光染料を使用する場合には、レーザー染料を併用することが好ましい。
【0013】
本発明の隠し表示を有する基材においては、可視光線下では不可視の隠し表示を形成するのに用いる蛍光体として、電磁波で励起されるいかなる蛍光体も使用することができる。例えば、無機蛍光体であるZnS:Ag、ZnS:Cu、YS:Eu3+、ZnO:Zn、BaMgAl1017:Eu2+,Mn 、YF:Yb,Er 、CaWO、LaOBr:Tb3+、LaOBr:Tm3+、Li:Cu,In,Si、(Y,Gd)BO:Eu3+、無機・有機複合蛍光体であるユーロピウム−テノイルトリフルオロアセトンキレート、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−1,3−ブタンジオネート・ユーロピウムキレート、有機蛍光体である2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、3−(2−キノリルメチレン)イソインドリン−1−オン等を使用することができる。
【0014】
本発明の隠し表示を有する基材においては、蛍光体として、γ線から赤外線までの間の任意の電磁波で励起されて発光する少なくとも2種の蛍光体を用いることが好ましく、隠し表示を設ける本来の目的を充分に達成する観点からは、それぞれ異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せ、同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体の組合せ、あるいは同一の電磁波で励起されて異なる波長で発光する蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも2種の蛍光体とその同一の電磁波とは異なる電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体との組合せを用いることがより好ましく、少なくとも2種の蛍光体の組合せが、それらの全てを励起して発光させるのにγ線、X線、紫外線、可視光線及び赤外線の2種以上の電磁波を必要とする組合せであることが一層好ましい。
【0015】
本発明の隠し表示を有する基材においては、少なくとも2種の蛍光体の組合せが、無機蛍光体同士の組合せ、無機・有機複合蛍光体同士の組合せ、無機蛍光体と無機・有機複合蛍光体との組合せ、又は無機蛍光体及び/又は無機・有機複合蛍光体と有機蛍光体との組合せであることができ、一般的には無機蛍光体同士の組合せであることが好ましい。
【0016】
本発明の隠し表示を有する基材の隠し表示は、例えば、それぞれ、少なくとも1種の励起発光染料及び/又は少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有するインク及び/又は塗料を用意し、それらのインク及び/又は塗料を基材に付与することによって形成することができる。
【0017】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインク又は塗料の成分については特には限定されず、それらのバインダー成分は通常のインク又は塗料において使用されている樹脂であっても、又は反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等であっても良い。樹脂としては後述する有機系に溶解するか又は安定に分散するものであれば従来から印刷用インク又は塗料に使用されている各種樹脂が使用可能である。そのような樹脂の具体例としてはアクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、シュラック樹脂、シリコーンアクリル樹脂、p−トルエンスルホン酸アミド樹脂、p−ビニルピロリドン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらの樹脂の変性物等が代表的なものとして挙げられる。また、バインダー樹脂は、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、常温硬化型樹脂のいずれであってもよい。また、反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等としては、反応により上記のような樹脂を形成するものを用いることができる。バインダー成分はインク又は塗料中に、それらの所望の粘度等に応じて5〜99質量%、好ましくは10〜99質量%の量で配合するのが適当である。
【0018】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインク又は塗料においては必要に応じて有機系溶媒を添加する。即ち、バインダー成分が固形であるか又は粘度が高い場合には、有機系溶媒を添加してバインダー成分を溶解させるか又は安定に分散させ、あるいは粘度を調製する。しかし、硬化前のバインダー成分が液状又はペースト状であり、該バインダー成分と励起発光染料及び/又は蛍光体との混合物がインク又は塗料として必要な粘度を有する場合には有機系溶媒を添加する必要がない。
【0019】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインク又は塗料において有機系溶媒を用いる場合には、励起発光染料に対する溶解性、蛍光体に対する分散性やインクの乾燥性等の観点から特にアルコールが好ましい。該アルコールとして、炭素数が例えば1〜10、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6の直鎖又は分岐のアルコール、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec −ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール等を挙げることができる。
【0020】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインク又は塗料に用いることのできるその他の有機系溶媒として、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらのその他の有機溶媒は単独で用いることも、アルコールと併用して用いることもできる。更に、これらの有機系溶媒はバインダー成分や励起発光染料に対する溶解性、蛍光体に対する分散性やインクの乾燥性等に悪影響を及ぼさない範囲で水を含んでいてもよい。必要に応じて添加する有機溶媒はインク又は塗料中、後述する粘度となるように通常0.1〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%の量で配合することが適当である。
【0021】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインク又は塗料は、以上に説明した励起発光染料及び/又は蛍光体、並びにバインダー成分を含有し、必要に応じて有機系溶媒を含有し、更に、必要に応じて界面活性剤や、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニアなどの溶解補助剤などの各種添加剤を含有することができる。
【0022】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインクは、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等に適合するように、粘度が1mPa・s以上であり且つインクが均質であることが好ましい。なお、インクの粘度の上限については明確に規定されないが、上記の印刷を考慮すると粘度の上限は15,000〜80,000mPa・s程度である。また、隠し表示を形成するのに用いる上記の塗料の粘度については塗布が可能で有れば特に制限されることはない。
【0023】
隠し表示を形成するのに用いる上記のインクを用いて印刷することのできる被印刷物又は上記の塗料を用いて塗布できる被塗布物としては、本発明の目的、構成、効果から理解されるように、印刷又は塗布することが可能なもの全てが包含され、例えば、金属や、プラスチック、紙、ガラス、ゴム、皮革、木材等の素材から作られた各種製品、その他陶磁器等広範囲なものを挙げることができる。また、印刷又は塗布することが困難な被印刷物又は被塗布物の場合、あるいはインク又は塗料が吸い込まれるような素材の場合には、そのような素材を適宜予備処理した上で印刷又は塗布することができ、そのような予備処理としては、例えば各種のプライマー、シーラー、上塗り等を施すことを挙げることができる。なお、被印刷物又は被塗布物については、勿論、その大小、形状等は特に制限されない。
【0024】
上記の印刷インク又は塗料を用いて隠し表示を形成する場合には、印刷用インクを用いてスクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷方法によってロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を被印刷物表面に形成し、且つ/又は塗料を塗布してロット番号等の数字、暗号、図形等の隠し表示を形成し、必要により紫外線硬化させ、或いは自然乾燥、焼付乾燥等により乾燥、硬化させて、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる隠し表示を形成する。
【0025】
本発明の隠し表示を有する基材においては、励起発光染料からなる隠し表示と蛍光体からなる隠し表示とは同一の基材の別個の箇所に形成されていても、同一の個所に形成されていてもよい。しかし、不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないようにするためには、隠し表示が、少なくとも1種の励起発光染料を含有するインクと、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有するインクとを用いる重ね印刷によって形成されているか、少なくとも1種の励起発光染料を含有する塗料と、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有する塗料とを用いる重ね塗りによって形成されているか、又は上記の印刷と上記の塗料の塗布とが重なるように実施することが好ましい。何れの方法で形成された隠し表示であっても、隠し表示自体は透明であるため可視光線下では視認できない。
【0026】
上記のようにして形成された隠し表示の識別方法としては、その隠し表示に、それぞれの励起発光染料に適した励起光線を照射して発光させ、またそれぞれの蛍光体を励起発光させるのに適した電磁波、例えば、電子線、プラズマ等を照射して発光させ、それぞれの励起発光光に対応する複数の受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出する。
【0027】
この検出方法について図面を参照して具体的に説明する。まず、図1を参照して説明する。
2種の励起発光染料A及びBを含有するインク又は塗料を用いて可視光線下で不可視の隠し表示1をメディア(被塗物)3の表面上に形成する。続いて隠し表示1の塗膜上に蛍光体Cを含有するインク又は塗料を用いて可視光線下では不可視の隠し表示2を形成する。
【0028】
染料A用の励起光源4、染料B用の励起光源5、蛍光体C用の励起光源6、染料Aの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長のみを透過させる(即ち、染料A、染料B及び蛍光体Cの各々を励起する各々の励起光線の反射光並びに染料B及び蛍光体Cの励起で発生する発光光を透過させない)バンドフィルター7、バンドフィルター7を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー8、染料Bの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長のみを透過させる(即ち、染料A、染料B及び蛍光体Cの各々を励起する各々の励起光線の反射光並びに染料A及び蛍光体Cの励起で発生する発光光を透過させない)バンドフィルター9、バンドフィルター9を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー10、並びに、染料A、染料B及び蛍光体Cの各々を励起する各々の励起光線の反射光並びに染料A及び染料Bの励起で発生する発光光を透過させないカットフィルター11、カットフィルター11を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー12を、例えば図1に示すように配置する。
【0029】
染料A用の励起光源4、染料B用の励起光源5及び蛍光体C用の励起光源6からそれぞれ励起光線を照射し、隠し表示中の染料A、染料B及び蛍光体Cをそれぞれ励起して発光させる。それぞれの励起光線は、それぞれの励起光源から同時に又は順次照射する。ここでいう同時又は順次については、照射及び受光を染料A用、染料B用及び蛍光体C用の励起光線に関して3者を同時に実施しても、3者を順次実施しても、任意の2者を同時に実施した後に残りの1者を実施しても、或いは任意の1者を実施した後に残りの2者を同時に実施しても良い。それぞれの発光光はそれぞれのバンドフィルター、カットフィルターを透過して、それぞれの受光センサーで同時に又は順次受光され、エネルギー量が検出される。
【0030】
図1に示すように配置した染料A用の励起光源4、染料B用の励起光源5及び蛍光体C用の励起光源6から同時に励起光線を照射し、隠し表示1中の染料A及び染料B、隠し表示2中の蛍光体Cをそれぞれ励起して発光させると、その発光光の発光エネルギー比は、図2中の実線13になる。実線13上のPA部分は染料Aの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域であり、PB部分は染料Bの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域であり、PC部分は蛍光体Cの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域である。図2中の二点鎖線14は、バンドフィルター7を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、点線15は、バンドフィルター9を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、一点鎖線16はカットフィルター11を透過する(見方を変えれば、カットフィルター11を透過することのできない)波長範囲及び透過エネルギー比を示している。
【0031】
図1に示すような配置で上記のように照射及び受光を実施することにより、受光センサー8では染料Aの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをバンドフィルター7を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー10では染料Bの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをバンドフィルター9を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー12では蛍光体Cの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをカットフィルター11を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光することができるので、隠し表示1中の染料A及び染料B、隠し表示2中の蛍光体Cをそれぞれ識別することができ、従って、染料A、染料B及び蛍光体Cの全てが存在するか否かを確認することができる。
【0032】
尚、上記した実施の態様においては、染料Aの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためにバンドフィルターを用い、染料Bの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためのバンドフィルターを用い、蛍光体Cの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させるためのカットフィルターを用いたが、それぞれ所定の発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させることができれば、バンドフィルター及びカットフィルターをどのように組合せて用いても良い。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて具体的に説明する。
<実施例1>
2−エチルヘキシルメタクリレート57.0質量部、重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)2.0質量部、アクリルウレタンオリゴマー41.0質量部、メチルエチルケトン5.0質量部、メチルアルコール5.0質量部、HIDC(励起発光光の波長685nm)0.001質量部及びIR−140(励起発光光の波長900nm)0.05質量部からなる不可視インクを用いてメディアの表面上に印刷し、UVランプで乾燥、硬化させて、図3に示すようにメディア19の表面上に隠し表示17を形成させた。
【0034】
2−エチルヘキシルメタクリレート57.0質量部、重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)2.0質量部、アクリルウレタンオリゴマー41.0質量部、メチルエチルケトン5.0質量部、メチルアルコール5.0質量部及び蛍光体YF:Yb,Er(励起発光の波長550nm)0.06質量部からなる不可視インクを用いて、上記の隠し表示17の表面上に印刷し、UVランプで乾燥、硬化させて、図3に示すように可視光線下では不可視の隠し表示17及び隠し表示18を印刷メディア19の表面上に形成させた。
【0035】
図3に示すように、IR−140用の励起光線(波長830nmの励起光線を発光するレーザーダイオード)20、HIDC用の励起光源(波長654nmの励起光線を発生するHe−Neレーザー)21、YF:Yb,Er用の励起光源(波長940nmの励起光線を発光する赤外線レーザー)22、IR−140用の励起光線の反射光を透過させないがIR−140の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域を透過させるバンドフィルター23、バンドフィルター23を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー24、HIDC用の励起光線の反射光を透過させないがHIDCの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域を透過させるカットフィルター25、カットフィルター25を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー26、YF:Yb,Er用の励起光線の反射光を透過させないがYF:Yb,Erの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域を透過させるバンドフィルター27、並びにバンドフィルター27を透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー28を配置した。
【0036】
IR−140用の励起光源20から励起光線を照射し、隠し表示17中のIR−140を励起して発光させた。その発光光をバンドフィルター23を透過させて受光センサー24で受光させ、エネルギー量を検出した。次いで、HIDC用の励起光源21から励起光線を照射し、隠し表示17中のHIDCを励起して発光させた。その発光光をカットフィルター25を透過させて受光センサー26で受光させ、エネルギー量を検出した。次いで、YF:Yb,Erの励起光源22から励起光線を照射し、隠し表示18中のYF:Yb,Erを励起して発光させた。その発光光をバンドフィルター27を透過させて受光センサー28で受光させ、エネルギー量を検出した。
【0037】
隠し表示17中のIR−140及びHIDC、並びに隠し表示18中のYF:Yb,Erをそれぞれ励起して得られたそれぞれの発光スペクトルのピーク波長域を同一チャート上に表示すると図4中の実線29の通りであった。図4中の点線30はバンドフィルター27を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示し、二点鎖線31はカットフィルター25を透過する(見方を変えれば、カットフィルター25を透過することのできない)波長範囲及び透過エネルギー比を示し、一点鎖線32はバンドフィルター23を透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示している。
【0038】
図3に示すような配置で上記のように照射及び受光を実施することにより受光センサー24ではIR−140の励起で発光する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをバンドフィルター23を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー26ではHIDCの励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギーをカットフィルター25を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー28ではYF:Yb,Erの励起で発光する発光スペクトルのピーク波長域の発光エネルギー比率で受光することができるので、隠し表示1中のIR−140及びHIDC、また、隠し表示2中のYF:Yb,Erをそれぞれ識別することができ、従って、IR−140、HIDC及びYF:Yb,Erの混合物であるか否かを確認することができた。
【0039】
なお、上記の方法では、IR−140の励起発光、検出を先に実施し、次いでHIDCの励起発光、検出を実施し、その後YF:Yb,Erの励起発光、検出を実施したが、HIDCの励起発光、検出を先に実施し、次いでIR−140の励起発光、検出を実施し、その後YF:Yb,Erの励起発光、検出を実施した場合にも全く同様な結果が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の隠し表示を有する基材においては、可視光線下では不可視であり、不特定多数のものがその隠し表示を容易には識別出来ないが、隠し表示を判読する必要がある時に正確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の隠し表示を有する基材の隠し表示を判読する際の、励起光源、バンドフィルター、カットフィルター及び受光センサーの配置関係を示す概略説明図である。
【図2】図1に示す配置で同時に励起光線を照射し、隠し表示のそれぞれの染料及び蛍光体を励起し、発光させて得られる発光光エネルギー比、各バンドフィルター、カットフィルターを透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示す概略説明図である。
【図3】実施例1で用いた、メディアの表面上の形成した隠し表示を識別するための、励起光源、バンドフィルター、カットフィルター及び受光センサーの配置関係を示す概略説明図である。
【図4】実施例1で得られた、発光光の発光エネルギー比、バンドフィルター、カットフィルターを透過する波長範囲及び透過エネルギー比を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1、17 隠し表示1
2、18 隠し表示2
3、19 メディア
4、5、6、20,21,22 励起用光源
7、9、23,27 バンドフィルター
11、25 カットフィルター
8、10、12、24,26,28 受光フィルター

Claims (5)

  1. 可視光線下では不可視であり、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体からなる隠し表示を有することを特徴とする基材。
  2. 隠し表示が、少なくとも1種の励起発光染料を含有するインク又は塗料と、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有するインク又は塗料とを用いて形成されている請求項1記載の隠し表示を有する基材。
  3. 隠し表示が、少なくとも1種の励起発光染料を含有するインクと、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有するインクとを用いる重ね印刷によって形成されているか、又は少なくとも1種の励起発光染料を含有する塗料と、少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体を含有する塗料とを用いる重ね塗りによって形成されている請求項1記載の隠し表示を有する基材。
  4. 隠し表示が、少なくとも1種の励起発光染料及び少なくとも1種の電磁波で励起されて発光する蛍光体の両方を含有するインク又は塗料を用いて形成されている請求項1記載の隠し表示を有する基材。
  5. 励起発光染料がレーザー染料及び/又は蛍光染料である請求項1記載の隠し表示を有する基材。
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