JP2001282109A - 不可視隠し表示の識別方法 - Google Patents

不可視隠し表示の識別方法

Info

Publication number
JP2001282109A
JP2001282109A JP2000093895A JP2000093895A JP2001282109A JP 2001282109 A JP2001282109 A JP 2001282109A JP 2000093895 A JP2000093895 A JP 2000093895A JP 2000093895 A JP2000093895 A JP 2000093895A JP 2001282109 A JP2001282109 A JP 2001282109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
light
hidden display
excitation
dyes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000093895A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Kunimatsu
正昭 国松
Katsutaka Nakatsu
克隆 中津
Tetsuo Sugawa
哲夫 須川
Tsuneo Shirota
常雄 城田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Toryo KK filed Critical Dai Nippon Toryo KK
Priority to JP2000093895A priority Critical patent/JP2001282109A/ja
Publication of JP2001282109A publication Critical patent/JP2001282109A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】不特定多数の者がその隠し表示を容易には識別
できないが、複数の励起発光染料の各々を正確に識別で
きる不可視隠し表示の識別方法を提供すること。 【解決手段】少なくとも1種のレーザー染料を含む複数
の励起発光染料を含有しているインク又は塗料を用いて
形成された可視光線下では不可視の隠し表示に、それぞ
れの励起発光染料に適した励起光線を照射して発光さ
せ、それぞれの励起発光染料の発光光に対応する複数の
受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出する不
可視隠し表示の識別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可視光線下では不可
視の隠し表示の識別方法に関し、より詳しくは励起発光
染料として少なくとも1種のレーザー染料を含有してい
るインク又は塗料を用いて隠し表示を形成することによ
り、隠し表示を判読する必要がある時に少なくともレー
ザー光線の照射を必要とし、また複数の励起発光染料、
複数の励起光線、複数の受光センサーを用いることによ
り不特定多数の者がその隠し表示を容易には識別できな
いが、複数の励起発光染料の各々を正確に識別できる不
可視隠し表示の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、商品の流通経路の追跡を行な
ったり、正規の製品であるかどうかの確認を行うため
に、可視光線下では不可視であるが紫外線を照射した時
に蛍光発光して視認が可能となるロット番号等の数字、
暗号、図形等の隠し表示を、蛍光染料含有印刷インクを
用いて商品等の表面に印刷し、商品等の出荷後に商品等
の確認を行う時、場所でその隠し表示部分に紫外線を照
射して蛍光発光させ、視認する方法が実用化されている
(例えば、特公昭54−22336号公報、特公昭62
−5079号公報等を参照のこと)。また、不可視隠し
表示の検出システムとして、(イ)単一の蛍光染料の発
光光を検出するシステム、(ロ)複数種の蛍光染料のそ
れぞれの発光光を単一のセンサーで検出するシステム等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような蛍光染料
含有印刷インクを用いて可視光線下では不可視の隠し表
示を印刷した場合には、励起用光源として市販の安価で
簡単な紫外線ランプを使用して蛍光発光させ、目視によ
って隠し表示の識別を行うことができるため、不特定多
数の者がその隠し表示を容易に識別することができる。
従って、その隠し表示を削除したり、正規でない製品に
その隠し表示を付与したりすることが容易であり、不可
視識別という目的には対応し難い。
【0004】また、上記(イ)の検出システムは単一の
蛍光染料の発光光を検出するシステムであり、隠し表示
の識別を困難にするという目的には対応し難く、更に、
上記(ロ)の検出システムでは、複数種の蛍光染料を用
いていてもそれらの蛍光を合算して検出することにな
り、各蛍光染料個別の検出は困難である等の問題点があ
った。
【0005】本発明は、可視光線下では不可視である隠
し表示を判読する必要がある時に少なくともレーザー光
線の照射を必要とし、また複数の励起発光染料を用いる
ことにより不特定多数の者がその隠し表示を容易には識
別できないが、複数の励起発光染料の各々を正確に識別
できる不可視隠し表示の識別方法を提供することを課題
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために鋭意検討を行った結果、励起発光染料
として少なくとも1種のレーザー染料を含有しているイ
ンク又は塗料を用いて隠し表示を形成することにより、
可視光線下では不可視である隠し表示を判読する必要が
ある時に少なくともレーザー光線の照射を必要とし、ま
た複数の励起発光染料、複数の励起光線、複数の受光セ
ンサーを用いることにより不特定多数の者がその隠し表
示を容易には識別できないが、複数の励起発光染料の各
々を正確に識別できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0007】即ち、本発明の不可視隠し表示の識別方法
は、少なくとも1種のレーザー染料を含む複数の励起発
光染料を含有しているインク又は塗料を用いて形成され
た可視光線下では不可視の隠し表示に、それぞれの励起
発光染料に適した励起光線を照射して発光させ、それぞ
れの励起発光染料の発光光に対応する複数の受光センサ
ーによりそれぞれのピーク波長を検出することを特徴と
する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を具
体的に説明する。本発明の識別方法においては、可視光
線下では不可視の隠し表示を形成するのに用いるインク
又は塗料は複数の励起発光染料を含有し、複数の励起発
光染料として少なくとも1種のレーザー染料を含有して
いることが必須である。即ち、複数の励起発光染料とし
てレーザー染料のみを用いても、或いは複数の励起発光
染料としてレーザー染料及び蛍光染料を用いてもよい。
【0009】本発明の識別方法においては、得られる効
果に程度の差はあるが種々のレーザー染料を用いること
ができる。それらのレーザー染料の例としては、3,
3’−ジメチルオキサトリカルボシアニンイオダイド
(通常DOTCIと略称)、1,3,3,1’,3’,
3’−ヘキサメチルインドトリカルボシアニンイオダイ
ド(通常HITCIと略称)、1,3,3,1’,
3’,3’−ヘキサメチルインドカルボシアニンイオダ
イド(通常HIDCと略称)、5,5’−ジクロロ−1
1−ジフェニルアミノ−3,3−ジエチル−10,12
−エチレン−チアトリカルボシアニンパークロレート
(通常IR140という)等のシアニン色素;ローダミ
ン6G、ローダミン101、ウラニン等のキサンチン色
素;クレジオバイオレット、オキサジン1等のオキサジ
ン色素;4−メチルウンペリフェロン、カルセインブル
ー、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン(通常D
AMCと略称)、7−アミノ−4−メチルクマリン(通
常クマリン120という)等のクマリン誘導体;7−ジ
エチルアミノ−4−メチル−2−キノロン(通常カルボ
スチリル165という)等のキノロン誘導体;スチルベ
ン1等のスチルベン誘導体;2−フェニル−5−(4−
ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(通常P
BDと略称)、パラービス(5−フェニルオキサゾール
−2−イル)ベンゼン(通常POPOPと略称)等のオ
キサゾール・オキサジアゾール;ポリフェニル1等のパ
ラ−オリゴフェニレン類等が挙げられる。
【0010】本発明の識別方法においては、上記のレー
ザー染料の中で特に顕著な効果を達成することのできる
1,3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチルインドカ
ルボシアニンイオダイド(HIDC)及び/又は5,
5’−ジクロロ−11−ジフェニルアミノ−3,3−ジ
エチル−10,12−エチレン−チアトリカルボシアニ
ンパークロレート(IR−140)を用いることが好ま
しい。
【0011】本発明の識別方法においては、1種以上の
上記のレーザー染料との組合せで蛍光染料を使用するこ
ともできる。それらの蛍光染料の例としては、テノイル
トリフルオロアセトン、チオフェイン、クマリン等が挙
げられる。蛍光染料を使用する場合には、これらの蛍光
染料の1種又は2種以上をレーザー染料と併用して使用
する。
【0012】本発明の識別方法においては、可視光線下
では不可視の隠し表示を形成するのに用いるインク又は
塗料は特には限定されず、それらのバインダー成分は通
常のインク又は塗料において使用される樹脂であって
も、又は反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマ
ー等であってもよい。樹脂としては後記する有機系に溶
解するか又は安定に分散するものであれば従来から印刷
用インク又は塗料に使用されている各種樹脂が使用可能
である。そのような樹脂の具体例としては、アクリル樹
脂、スチレン−マレイン酸樹脂、マレイン酸樹脂、シェ
ラック樹脂、シリコーンアクリル樹脂、p−トルエンス
ルホン酸アミド樹脂、p−ビニルピロリドン樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はこ
れらの樹脂の変性物等が代表的なものとして挙げられ
る。また、バインダー樹脂は、紫外線硬化型樹脂、熱硬
化型樹脂、常温乾燥型樹脂のいずれであってもよい。ま
た、反応により樹脂を形成するモノマー、オリゴマー等
としては、反応により上記のような樹脂を形成するもの
を用いることができる。バインダー成分はインク又は塗
料中に、それらの所望の粘度等に応じて5〜99質量
%、好ましくは10〜99質量%の量で配合するのが適
当である。
【0013】本発明の識別方法で使用するインク又は塗
料においては必要に応じて有機系溶媒を用いる。即ち、
硬化前のバインダー成分が液状又はペースト状であり、
該バインダー成分と複数の励起発光染料との混合物がイ
ンク又は塗料として必要な粘度を有する場合には有機系
溶媒を添加する必要がない。しかし、バインダー成分が
固体であるか又は粘度が高い場合には、有機系溶媒を添
加してバインダー成分を溶解させるか又は安定に分散さ
せ、或いは粘度を調整する。
【0014】本発明の識別方法で使用するインク又は塗
料において有機系溶媒を用いる場合には、レーザー染料
に対する溶解性やインクの乾燥性等の観点から特にアル
コールが好ましい。該アルコールとしては、炭素数が例
えば1〜10、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜
6の直鎖又は分岐のアルコール、具体的には、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、 sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、
イソアミルアルコール等が挙げられる。
【0015】本発明の識別方法で使用するインク又は塗
料に用いることのできるその他の有機系溶媒としてはメ
チルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類、ジメ
チルスルホキシド等を挙げることができる。これらのそ
の他の有機系溶媒は単独で用いることも、アルコールと
併用して用いることもできる。更に、これらの有機系溶
媒はバインダー成分やレーザー染料に対する溶解性やイ
ンクの乾燥性等に悪影響を及ぼさない範囲で水を含んで
いてもよい。必要に応じて添加する有機系溶媒はインク
又は塗料中、後記する粘度となるように通常0.1〜8
0質量%、好ましくは0.1〜50質量%の量で配合す
ることが適当である。
【0016】本発明の識別方法で使用するインク又は塗
料は、以上に説明したレーザー染料及びバインダー成分
を含有し、必要に応じて有機系溶媒を含有し、更に、必
要に応じて界面活性剤や、トリエチルアミン、トリエタ
ノールアミン、アンモニア等の溶解助剤などの各種添加
剤を含有することができる。
【0017】本発明の識別方法で使用するインクは、ス
クリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等に適合するよ
うに、好ましくは、粘度が1mPa・s以上であり、且
つインクが均質であることが適当である。なお、本発明
のインクの粘度の上限については明確には規定されない
が、上記の印刷を考慮すると粘度の上限は15,000
〜80,000mPa・s程度である。また、本発明の
識別方法で使用する塗料の粘度については塗布が可能で
あれば特に制限されることはない。
【0018】本発明の識別方法においては、インクを用
いて印刷することのできる被印刷物又は塗料を用いて塗
布できる被塗布物としては、本発明の目的、構成、効果
から理解されるように、印刷又は塗布することが可能な
もの全てが包含され、例えば、金属や、プラスチック、
紙、ガラス、ゴム、皮革、木材等の素材から作られた各
種工業製品類、その他陶磁器類等広範囲なものが挙げら
れる。また、印刷又は塗布することが困難な被印刷物又
は被塗布物の場合、あるいはインク又は塗料が吸い込ま
れるような素材の場合には、そのような素材を適宜予備
処理して印刷又は塗布することができ、そのような予備
処理としては、例えば各種のプライマー、シーラー、上
塗り等を施すことが挙げられる。なお、被印刷物又は被
塗布物については、勿論、その大小、形状等は特には制
限されない。
【0019】本発明の識別方法においては、以上に説明
したようなインクを用いてスクリーン印刷、グラビア印
刷、凸版印刷等の印刷方法によってロット番号等の数
字、暗号、図形等の隠し表示を被印刷物表面に印刷し、
又は塗料を塗布してロット番号等の数字、暗号、図形等
の隠し表示を形成し、紫外線硬化させ、或いは自然乾
燥、焼付乾燥等により乾燥、硬化させる。このようにし
て形成された隠し表示自体は透明であるため可視光線下
では視認できない。
【0020】本発明の識別方法においては、以上に説明
したようにして形成された隠し表示に、それぞれの励起
発光染料に適した励起光線を照射して発光させ、それぞ
れの励起発光染料の発光光に対応する複数の受光センサ
ーによりそれぞれのピーク波長を検出する。
【0021】この検出方法について図面を参照して具体
的に説明する。先ず、図1を参照して説明する。A、B
及びCの3種類の励起発光染料を含有しているインク又
は塗料を用いて可視光線下では不可視の隠し表示1をメ
ディア(被塗物)2の表面上に形成する。
【0022】A染料用の励起光源3、B染料用の励起光
源4、C染料用の励起光源5、A染料の励起で発生する
発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させる(即
ち、A、B及びCの各染料を励起する励起光線の反射光
並びにB及びCの各染料の励起で発生する発光光を透過
させない)バンドフィルター6、バンドフィルター6を
透過した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光
センサー7、B染料励起で発生する発光スペクトルのピ
ーク波長域のみを透過させる(即ち、A、B及びCの各
染料を励起する励起光線の反射光並びにA及びCの各染
料の励起で発生する発光光を透過させない)バンドフィ
ルター8、バンドフィルター8を透過した光を受光し、
透過エネルギー量を検出する受光センサー9、A、B及
びCの各染料を励起する励起光線の反射光並びにA及び
Bの各染料の励起で発生する発光光を透過させないカッ
トフィルター10、並びにカットフィルター10を透過
した光を受光し、透過エネルギー量を検出する受光セン
サー11を、例えば図1に示すように配置する。
【0023】A染料用の励起光源3、B染料用の励起光
源4、及びC染料用の励起光源5からそれぞれ励起光線
を照射し、隠し表示1中のA染料、B染料及びC染料を
それぞれ励起して発光させる。それぞれの励起光線はそ
れぞれの励起光源から同時に又は順次照射する。それぞ
れの発光光はそれぞれのバンドフィルター、カットフィ
ルターを透過してそれぞれの受光センサーで同時に又は
順次受光され、エネルギー量が検出される。ここでいう
同時又は順次については、照射及び受光をA、B及びC
の各染料用の励起光源に関して3者を同時に実施して
も、3者を順次実施しても、任意の2者を同時に実施し
た後に残りの1者を実施しても、或いは任意の1者を実
施した後に残りの2者を同時に実施しても良い。
【0024】図1に示すように配置したA染料用の励起
光源3、B染料用の励起光源4、及びC染料用の励起光
源5から同時に励起光線を照射し、隠し表示1中のA染
料、B染料及びC染料をそれぞれ励起して発光させる
と、その発光光の発光エネルギー比は図2中の実線12
になる。実線12上のPA部分はA染料の励起で発生す
る発光スペクトルのピーク波長域であり、PB部分はB
染料の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域で
あり、PC部分はC染料の励起で発生する発光スペクト
ルのピーク波長域である。図2中の二点鎖線13はバン
ドフィルター6を透過する波長範囲及び透過エネルギー
比を示し、点線14はバンドフィルター8を透過する波
長範囲及び透過エネルギー比を示し、一点鎖線15はカ
ットフィルター10を透過する(見方を変えれば、カッ
トフィルター10を透過することのできない)波長範囲
及び透過エネルギー比を示している。
【0025】図1に示すような配置で上記のように照射
及び受光を実施することにより、受光センサー7ではA
染料の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の
発光エネルギーをバンドフィルター6を透過する発光光
の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー9ではB
染料の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域の
発光エネルギーをバンドフィルター8を透過する発光光
の透過エネルギー比率で受光し、受光センサー11では
C染料の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域
の発光エネルギーをカットフィルター10を透過する発
光光の透過エネルギー比率で受光することができるの
で、隠し表示1中のA染料、B染料及びC染料をそれぞ
れ識別することができ、従って、A染料、B染料及びC
染料の混合物であるか否かを確認することができる。
【0026】尚、上記した実施の態様においては、A染
料の励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみ
を透過させるためにバンドフィルターを用い、B染料の
励起で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透
過させるためにバンドフィルターを用い、C染料の励起
で発生する発光スペクトルのピーク波長域のみを透過さ
せるためにカットフィルターを用いたが、バンドフィル
ターを用いるかカットフィルターを用いるかは、それぞ
れ所定の発光スペクトルのピーク波長域のみを透過させ
ることができるば、バンドフィルター及びカットフィル
ターをどのように組み合わせて用いてもよい。
【0027】
【実施例】以下に、実施例に基づいて具体的に説明す
る。 実施例1 2−エチルへキシルメタクリレート57.0質量部、開
始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフ
ォスフィンオキサイド)2.0質量部、アクリルウレタ
ンオリゴマー41.0質量部、メチルエチルケトン5.
0質量部、メチルアルコール5.0質量部、HIDC
(励起発光光の波長685nm)0.01質量部、IR
−140(励起発光光の波長900nm)0.05質量
部からなるインクを用いて印刷メディアに印刷し、UV
ランプで乾燥し、硬化させて、図3に示すように可視光
線下では不可視の隠し表示1を印刷メディア2の表面上
に形成した。
【0028】図3に示すように、IR−140用の励起
光源(波長830nmの励起光線を発生するレーザーダ
イオード)16、HIDC用の励起光源(波長654n
mの励起光線を発生するHe−Neレーザー)17、I
R−140の励起で発生する発光スペクトルのピーク波
長域のみを透過させるバンドフィルター18、バンドフ
ィルター18を透過した光を受光し、透過エネルギー量
を検出する受光センサー19、HIDC用の励起光線の
反射光を透過させないがHIDCの励起で発生する発光
スペクトルのピーク波長域を透過させるカットフィルタ
ー20、並びにカットフィルター20を透過した光を受
光し、透過エネルギー量を検出する受光センサー21を
配置した。
【0029】IR−140用の励起光源16から励起光
線を照射し、隠し表示1中のIR−140を励起して発
光させた。その発光光をバンドフィルター18を透過さ
せて受光センサー19で受光させ、エネルギー量を検出
した。次いで、HIDC用の励起光源17から励起光線
を照射し、隠し表示1中のHIDCを励起して発光させ
た。その発光光をカットフィルター20を透過させて受
光センサー21で受光させ、エネルギー量を検出した。
【0030】隠し表示1中のIR−140及びHIDC
をそれぞれ励起して得られたそれぞれの発光スペクトル
のピーク波長域を同一チャート上に表示すると図4中の
実線22の通りであった。図4中の二点鎖線23はバン
ドフィルター18を透過する波長範囲及び透過エネルギ
ー比を示し、点線24はカットフィルター20を透過す
る(見方を変えれば、カットフィルター20を透過する
ことのできない)波長範囲及び透過エネルギー比を示し
ている。
【0031】図3に示すような配置で上記のように照射
及び受光を実施することにより、受光センサー19では
IR−140の励起で発生する発光スペクトルのピーク
波長域の発光エネルギーをバンドフィルター18を透過
する発光光の透過エネルギー比率で受光し、受光センサ
ー21ではHIDCの励起で発生する発光スペクトルの
ピーク波長域の発光エネルギーをカットフィルター20
を透過する発光光の透過エネルギー比率で受光すること
ができるので、隠し表示1中のIR−140及びHID
Cをそれぞれ識別することができ、従って、IR−14
0及びHIDCの混合物であるか否かを確認することが
できた。
【0032】なお、上記の方法では、IR−140の励
起発光、検出を先に実施し、HIDCの励起発光、検出
を後で実施したが、HIDCの励起発光、検出を先に実
施し、IR−140の励起発光、検出を後で実施した場
合にも全く同様な結果が得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明の不可視隠し表示の識別方法を用
いることにより、不特定多数の者がその隠し表示を容易
には識別できないが、複数の励起発光染料の各々を正確
に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A、B及びCの3種類の励起発光染料を含有
しているインクを用いてメディアの表面上に形成した隠
し表示を識別するための、3種の励起光源、2種のバン
ドフィルター、1種のカットフィルター、及び3種の受
光センサーの配置関係を示す概略図である。
【図2】 図1に示す配置で同時に励起光線を照射し、
隠し表示中のそれぞれの染料を励起し、発光させて得ら
れる発光光の発光エネルギー比、各バンドフィルター、
カットフィルターを透過する波長範囲及び透過エネルギ
ー比を示す概略説明図である。
【図3】 実施例1で用いた、メディアの表面上に形成
した隠し表示を識別するための、2種の励起光源、1種
のバンドフィルター、1種のカットフィルター、及び2
種の受光センサーの配置例を示す概略図である。
【図4】 実施例1で得られた、発光光の発光エネルギ
ー比、バンドフィルターを透過する波長範囲及び透過エ
ネルギー比、カットフィルターを透過する波長範囲及び
透過エネルギー比を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 隠し表示 2 メディア 3、4、5、16、17 励起用光源 6、8、18 バンドフィルター 10、20 カットフィルター 7、9、11、19、21 受光センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城田 常雄 神奈川県横浜市南区中里1−18−3 ベル シェ31 102号 Fターム(参考) 2H113 AA04 CA34 CA35 DA25 DA26 DA53 FA35 FA43 FA56 5B072 CC33 DD02 MM09 5C096 AA00 BA04 CA03 CA06 CA12 CA32 CB01 CC14 FA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種のレーザー染料を含む複数
    の励起発光染料を含有しているインク又は塗料を用いて
    形成された可視光線下では不可視の隠し表示に、それぞ
    れの励起発光染料に適した励起光線を照射して発光さ
    せ、それぞれの励起発光染料の発光光に対応する複数の
    受光センサーによりそれぞれのピーク波長を検出するこ
    とを特徴とする不可視隠し表示の識別方法。
  2. 【請求項2】複数の励起発光染料としてレーザー染料の
    みを用いる請求項1記載の不可視隠し表示の識別方法。
  3. 【請求項3】複数の励起発光染料としてレーザー染料及
    び蛍光染料を用いる請求項1記載の不可視隠し表示の識
    別方法。
  4. 【請求項4】レーザー染料が1,3,3,1’,3’,
    3’−ヘキサメチルインドカルボシアニンイオダイド及
    び5,5’−ジクロロ−11−ジフェニルアミノ−3,
    3−ジエチル−10,12−エチレン−チアトリカルボ
    シアニンパークロレートからなる群から選ばれる少なく
    とも1種のレーザー染料である請求項1、2又は3記載
    の不可視隠し表示の識別方法。
JP2000093895A 2000-03-30 2000-03-30 不可視隠し表示の識別方法 Pending JP2001282109A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000093895A JP2001282109A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 不可視隠し表示の識別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000093895A JP2001282109A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 不可視隠し表示の識別方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001282109A true JP2001282109A (ja) 2001-10-12

Family

ID=18609018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000093895A Pending JP2001282109A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 不可視隠し表示の識別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001282109A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10926574B2 (en) Security element formed from at least two inks applied in overlapping patterns, articles carrying the security element, and authentication methods
EP3390066B1 (en) Security element formed from at least two materials present in partially overlapping areas, articles carrying the security element, and authentication methods
US6380547B1 (en) Tagging compositions and methods
CA2091163C (en) Providing intelligible markings
US20040200902A1 (en) Method for marking an information label on a product
RU2005137574A (ru) Печатная краска, содержащая множество флуоресцентных красящих материалов, и способ струйного нанесения краски
WO2004081125A1 (en) Ink jet ink composition and method for security making
CN101297190A (zh) 用发光标签对材料编码的方法以及用于将其读出的仪器
US7188776B2 (en) Method and device for personalizing luminescent marks of authenticity
CN104272139A (zh) 用于物品认证和定制的方法和系统
Menzel Laser detection of latent fingerprints—treatment with phosphorescers
US7622163B2 (en) Method for identifying articles and process for maintaining security
JP2001282109A (ja) 不可視隠し表示の識別方法
JP2006275578A (ja) 識別方法及び識別装置
JP4953264B2 (ja) 不可視隠し表示の識別方法
RU2001133359A (ru) Ценный документ
JP2002173622A (ja) 紫外線励起型インキ組成物
JP4974314B2 (ja) 隠し表示の識別方法
JP2004252304A (ja) 隠し表示を有する基材
KR20090035258A (ko) 형광 잉크 조성물, 이로 형성된 형광 마크, 및 이를포함하는 인쇄물
RU2137612C1 (ru) Способ идентификации и защиты акцизных марок, банкнот, ценных бумаг, документов и изделий и носитель скрытого изображения в качестве идентификационной и защитной метки
JP2001247801A (ja) 不可視識別用インク組成物
JP2021089211A (ja) 判定装置
JP2016160334A (ja) インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法
JPH039981A (ja) 蛍光収率の向上法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20050805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081008

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081224