JP2002315434A - ハタケシメジの栽培方法 - Google Patents
ハタケシメジの栽培方法Info
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Abstract
イクルを早め、培養時における害菌類の混入を抑制し、
形質良好な商品価値の高いキノコを安定的に高収率で収
穫することが出来る、ハタケシメジ栽培方法を提供す
る。 【解決手段】先ず、少なくとも木粉と粒状穀類とを含み
且つ両者の合計量に対する粒状穀類の絶乾基準の割合が
5〜50重量%の範囲である水湿潤状態の種菌用培養基
にハタケシメジの菌糸体を接種して種菌を使用して生産
し、次いで、得られた種菌を菌床栽培方式により栽培す
る。
Description
栽培方法に関する。ハタケシメジは、キシメジ科シメジ
属のキノコであり、次の様な特徴を有する。すなわち、
菌傘の大きさは4〜10cm、傘色は黄茶褐色ないし灰褐
色で且つ形は丸型ないし漏斗状となる。菌柄の長さは5
〜8cm、太さは0.8〜1.2cm、上部が粉状で肉質
は中空で硬い。形態は、古来より人気の高い「香りマツ
タケ味シメジ」と言われるキシメジ科シメジ属のホンシ
メジに類似している。そして、ハタケシメジは、歯触り
が良く美味であり、しかも、日保ちのするキノコである
ことから、食用キノコとしての人気が高い。
生産し、次いで、得られた種菌を使用して通常の菌床栽
培方式により栽培する方法で行われる。ところで、例え
ば、特開昭63−169913号公報、特開平3−24
4320号公報、特開平4−211308号公報などに
は、種菌の製造方法として、オガコにバーク堆肥や腐葉
土を混合した培地基材に栄養源として米ヌカやフスマ等
の穀類糠と水を添加して調製した培地を使用し、同一組
成の固体種菌やPGY液体培地で培養された液体種菌を
接種する方法が開示されている。
人工栽培されているシイタケやナメコ等の木材腐朽菌と
は異なり、腐生菌に属するきのこであることから、上記
の様な固体種菌を使用した場合には、接種した種菌の活
着や伸長が極めて遅いため、栽培サイクルが長くなる。
そして、斯かる長い栽培サイクルが培養初期における害
菌類の混入の最大の原因となり、発生が安定しない。ま
た、液体種菌においては、装置の導入に経費が掛かるこ
とから商業的生産規模の栽培としては実用的ではない。
鑑みなされたものであり、その目的は、接種した種菌か
らの発菌や活着を早めて栽培サイクルを早め、培養時に
おける害菌類の混入を抑制し、形質良好な商品価値の高
いキノコを安定的に高収率で収穫することが出来る、ハ
タケシメジ栽培方法を提供することにある。
検討を重ねた結果、通常の木粉培地での人工栽培方法で
は到底採用されることのない木粉穀粒培地を使用するな
らば、接種した種菌からの発菌や活着が早められるとの
知見を得た。
ものであり、その要旨は、先ず、少なくとも木粉と粒状
穀類とを含み且つ両者の合計量に対する粒状穀類の絶乾
基準の割合が5〜50重量%の範囲である水湿潤状態の
種菌用培養基にハタケシメジの菌糸体を接種して種菌を
生産し、次いで、得られた種菌を使用して菌床栽培方式
により栽培することを特徴とするハタケシメジの栽培方
法に存する。
いては、種菌用培養基にハタケシメジの菌糸体を接種し
て種菌を生産する。この際、種菌用培養基として、少な
くとも木粉と粒状穀類とを含み且つ両者の合計量に対す
る粒状穀類の絶乾基準の割合が5〜50重量%の範囲で
ある水湿潤状態の種菌用培養基を使用することが重要で
ある。
葉樹オガコが好適であるが、広葉樹オガコも使用するこ
とが出来る。また、針葉樹オガコは3ヶ月以上堆積した
ものが好適であるが、新鮮なオガコも使用することが出
来る。また、オガコと共にコーンコブ粉砕物を使用する
ことも出来、その場合、オガコ:コーンコブ粉砕物の容
積比は、8:2程度とされる。
イ麦、トウモロコシ、マイロ等が挙げられる。これら
は、粒状のまま使用される。穀類を粉末状で使用した場
合は、種菌用培養基の粘性が増して物性が悪化し、本発
明の目的を達成することが出来ない。
状穀類の絶乾基準の割合は、5〜50重量%の範囲であ
るが、好ましくは25〜35重量%の範囲である。粒状
穀類の割合が5重量%未満の種菌用培養基の場合は、接
種した種菌からの発菌や活着が十分に早められず、粒状
穀類の割合が50重量%を超える種菌用培養基の場合
は、種菌用培養基の物性が悪化する。すなわち、培養基
が塊状となって充填機による詰め込み作業に支障を来
す。
他、米糠やフスマ、トウモロコシ糠などの穀類糠が栄養
源として適当量配合される。そして、水を添加して調製
されるが、種菌用培養基の含水率は、通常、55〜70
重量%、好ましくは60〜65重量%の範囲とされる。
て使用される。容器としては、ポリプロピレン製の瓶が
好適であり、その大きさは800〜1500cc程度で
十分である。培養基の充填は、充填機の使用により簡便
に行なうことが出来る。容器に充填された培養基の中央
部には、菌糸の蔓延を良好にするため、直径が10〜2
0mmであり、底部に到達する接種孔を設けるのが好まし
い。
い、容器に蓋を施した後に殺菌処理される。殺菌処理
は、通常、高圧殺菌釜を使用して行なわれ、培養基内温
度が約120℃に達した後、同温度を1時間程度保持す
ることにより、完全殺菌を行なうことが出来る。殺菌終
了後の培養基は、無菌的に冷却される。
面培地で前培養されたハタケシメジの菌糸塊切片を無菌
的に接種する。接種量は、通常、1瓶当たり1〜3切片
程度とするのが好ましい。
培養を行ない、菌糸の蔓延した種菌を得る。培養管理
は、環境温度は、通常20〜25℃、好ましくは23
℃、環境湿度は、通常50〜80%、好ましくは60〜
70%の範囲内で、40〜80日間の培養を行なうのが
好ましい。通常、1000cc容器の場合、60日間程
度の培養期間で菌糸の蔓延した完熟種菌が得られる。
尚、ハタケシメジの種菌は、培養期間が長くなるにつれ
極端に発菌、活着力が低下することから、接種後100
日以内に種菌として使用することが好ましい。
菌を使用して菌床栽培方式により栽培する。上記の様に
生産されたハタケシメジの種菌は、通常の木粉種菌と異
なり、発菌、活着力が極めて旺盛であることから、通常
の菌床栽培方式をそのまま採用することにより、培養に
おける害菌類の発生を防止し、短期間に安定的かつ効率
の良いハタケシメジの人工栽培を行うことが出来る。
ケやヒラタケ等で広く一般に行なわれている従来の人工
栽培の手法であり、瓶栽培、袋栽培、箱栽培などがあ
る。そして、栽培条件は、広範囲から適宜選択される
が、何れも、当業者にとっては周知である。
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
とを絶乾重量比で6:2:1の割合(穀類合計添加量3
3.3重量%)に混合した後、培養基総重量に対し、1
2重量%のフスマ、3重量%のネオビタスHM(100
0cc1瓶当たり絶乾重でフスマ64g、ネオビタスH
M18g)、1重量%の炭酸カルシウムを添加し、水を
加え、含水率約66重量%の種菌用培養基を調製した。
そして、ポリプロピレン製種菌瓶(1000cc)に正
味重量で600〜650gの培養基を充填機によって充
填し、培養基の中央部に直径が約15mmで底部に到達す
る接種孔を設けて施蓋した後、常法に従って高圧殺菌釜
中で殺菌した。殺菌終了後、放冷時における戻り空気に
よる再汚染を防止するため、クリーンルーム内で冷却を
行なった。因みに、上記の種菌用培養基の調製において
は、培養基が塊状となって充填機による詰め込み作業に
支障を来す様なトラブルはなかった。
培地で培養したハタケシメジの種菌(KX−HA090
号)を無菌的に3切片(接種孔内に1ケ、接種孔両側表
面に2ケ)接種し、23℃で60日間培養して種菌の生
産を行なった。
コとコーンコブミールを容積比で8:2の割合に混合し
た培地基材を使用し、通常の菌床栽培方式によるハタケ
シメジの栽培を行なった。具体的には次の様に行った。
重量%のフスマと3重量%のネオビタスHMを添加(8
50cc1瓶当たり絶乾重でフスマ57g、ネオビタス
HM16g)した後、含水率を約69重量%に調節して
栽培用培養基を調製した。そして、ポリプロピレン製栽
培瓶(850cc)に正味重量で540〜560gの培
養基を充填機によって充填し、培養基の中央部に直径が
20mmで底部に到達する接種孔を設けて施蓋した。
した後に冷却した。冷却は、放冷時における戻り空気に
よる再汚染を防止するため、クリーンルーム内で行なっ
た。
記のハタケシメジ種菌を接種して培養を開始した。培養
は23℃で菌糸が蔓延するまで行ない、更に10日間の
培養を継続し、合計で50日間行なった。その後、培地
の表面も含めて2〜5mmの深さの菌掻き処理を行なっ
た。
度18〜20℃、炭酸ガス濃度が800〜2000pp
m、昼間のみ200luxの光を照射し、環境湿度95
%以上で芽出し管理を行なった。
状態に戻し、菌床表面への覆土処理などは行なわずにそ
のまま同一環境下で原基の生育管理を継続した。そし
て、菌傘が平らになるまで生長した段階で株ごと収穫し
た。菌糸蔓延日数は40.1日(標準偏差値2.8)、
収穫までの日数は24.2日(標準偏差値2.0)、1
瓶当たりの収量は168.8g(標準偏差値18.5)
であり、子実体の有効茎数は26.2本(標準偏差値
3.9)であり、培養中における害菌類の混入は認めら
れなかった。また、栽培に要した総日数は約75日間で
あった。
る穀物の種類を玄米粒子のみとし、その混合割合を絶乾
重量比で3:1(穀類添加量25重量%)に減じて木粉
穀粒種菌を生産し、種菌培養日数を48日間に短縮した
以外は、実施例1と同様に操作してハタケシメジの栽培
を行なった。栽培における菌糸の蔓延日数は37.3日
(標準偏差値3.6)、収穫までの日数は25.0日
(標準偏差値2.2)、1瓶当たりの収量は156.3
g(標準偏差値20.4)であり、子実体の有効茎数は
24.7本(標準偏差値3.2)であり、培養中におけ
る害菌混入は認められなかった。また、栽培に要した総
日数は約73日間であった。
のに変更し、更に、種菌培養日数を80日間に変更した
以外は、実施例1と同様に操作してハタケシメジの栽培
を行なった。すなわち、使用した種菌用培養基は、ブナ
オガコに栄養源として培養基総重量当たり15重量%の
フスマを添加(1瓶当たり絶乾重で85g)し、含水率
を約61重量%に調節して調製した。栽培における菌糸
の蔓延日数は58.6日(標準偏差値10.2)、収穫
までの日数は30.6日(標準偏差値5.3)、1瓶当
たりの収量は85.6g(標準偏差値30.6)、子実
体の有効茎数は12.6本(標準偏差値2.8)であ
り、培養中における害菌混入率は56.3%であった。
また、栽培に要した総日数は約100日間であった。
種菌からの発菌や活着を早めて栽培サイクルを早め、培
養時における害菌類の混入を抑制し、形質良好な商品価
値の高いキノコを安定的に高収率で収穫することが出来
る、ハタケシメジ栽培方法が提供され、本発明の効果は
顕著である。
Claims (1)
- 【請求項1】 先ず、少なくとも木粉と粒状穀類とを含
み且つ両者の合計量に対する粒状穀類の絶乾基準の割合
が5〜50重量%の範囲である水湿潤状態の種菌用培養
基にハタケシメジの菌糸体を接種して種菌を生産し、次
いで、得られた種菌を使用して菌床栽培方式により栽培
することを特徴とするハタケシメジの栽培方法。
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