JP2002314804A - シェーディング値の設定方法および画像読取装置 - Google Patents

シェーディング値の設定方法および画像読取装置

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JP2002314804A
JP2002314804A JP2001115115A JP2001115115A JP2002314804A JP 2002314804 A JP2002314804 A JP 2002314804A JP 2001115115 A JP2001115115 A JP 2001115115A JP 2001115115 A JP2001115115 A JP 2001115115A JP 2002314804 A JP2002314804 A JP 2002314804A
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JP2001115115A
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English (en)
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Masao Miyaza
政雄 宮座
Atsushi Ubukawa
篤 生川
Yukio Nakai
由紀夫 中井
Tsuyoshi Iwamoto
強志 岩本
Shinichi Yamazaki
眞一 山▲崎▼
Ayanori Miyoshi
文徳 三好
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放部が閉じたときの状態によってシェーデ
ィング値にばらつきが生じないシェーディング値の設定
方法を提供する。 【解決手段】 光電変換手段53を有する読取手段11が、
本体に対して開閉する開放部に設けられ、閉じた状態の
開放部に対向するとともに読取手段11の主走査方向にの
びる白基準部材57が、本体側に設けられている画像読取
装置において、白基準部材57を読み取ったときの光電変
換手段53の出力値に基づいてシェーディング値の設定を
行う。白基準部材57の主走査方向の各位置に対応する光
電変換手段53の出力値のうち、白側の出力値を用いてシ
ェーディング値の設定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿の画像を読み
取る画像読取装置におけるシェーディング値の設定方法
および画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原稿の両面の画像を同時に読み取ること
ができる画像読取装置として、たとえば、特開平11−
27444号公報に記載されているものが知られてい
る。
【0003】この画像読取装置は、下側の装置本体と、
一端部が装置本体に回動自在に支持されて装置本体の上
面を開閉する開放部とから構成されている。装置本体の
上面には、原稿を静止させた状態で画像を読み取るため
の第1コンタクトガラスと、原稿を走行させながら画像
を読み取るための第2コンタクトガラスとが設けられて
いる。開放部には、第2コンタクトガラスの上を通して
原稿を搬送する原稿搬送部が設けられている。装置本体
には、第1コンタクトガラス上に静止している原稿の下
面の画像あるいは第2コンタクトガラス上を走行してい
る原稿の下面の画像を読み取るための第1読取部が設け
られている。開放部には、第2コンタクトガラス上を走
行している原稿の上面の画像を読み取るための第2読取
部が設けられている。
【0004】第1読取部は、移動式のものであり、2つ
の走査ユニット、光電変換部等を備えている。第1コン
タクトガラス上に静止している原稿の画像を読み取ると
きには、走査ユニットが第1コンタクトガラスの下面に
沿って往復移動する。また、第2コンタクトガラス上を
走行している原稿の画像を読み取るときには、走査ユニ
ットは所定の位置に停止している。原稿の搬送方向は、
走査ユニットの移動方向(走査方向)と同じである。こ
の明細書において、原稿の搬送方向あるいは移動式の読
取部における走査ユニットの走査方向を副走査方向、副
走査方向と直交する方向(原稿の幅方向)を主走査方向
ということにする。第1読取部の光電変換部は、主走査
方向に長くのびている。第2読取部は、固定式のもので
あり、主走査方向に長くのびる光電変換部、原稿からの
光を光電変換部に結像させる結像レンズ等を備えてい
る。なお、開放部は、通常、装置本体の主走査方向の一
端部において、副走査方向にのびる軸を中心に回動しう
るように、装置本体に支持されている。
【0005】このような画像読取装置では、各読取部に
ついて、原稿画像読み取り時のシェーディング補正を行
うために、予め光電変換部により白基準部材を読み取っ
てシェーディング値(シェーディングデータ)の設定を
行う必要がある。このため、たとえば、第1読取部で
は、第1コンタクトガラスの下面に、主走査方向にのび
る白基準部材が固定され、第2読取部では、開放部が閉
じたときに第2読取部に対向する第2コンタクトガラス
の下面に、主走査方向にのびる白基準部材が固定されて
いる。また、第2読取部では、開放部が完全に閉じた状
態で、第2コンタクトガラス下面の白基準部材の上面お
よび第2コンタクトガラス上面を走行する原稿の上面が
ともに結像レンズの被写界深度にほぼ入るように、各部
の位置関係が設定されている。
【0006】そして、各読取部において、それぞれ白基
準部材を読み取り、光電変換部の各画素ごとに、その画
素の出力値に基づいて、シェーディング値を設定してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の画像読取装置に
おいて、開放部に設けられた第2読取部について、上記
のシェーディング値の設定方法では、開放部が閉じたと
きの状態によって設定されるシェーディング値にばらつ
きが生じるという問題がある。
【0008】上記のような画像読取装置では、通常、装
置本体あるいは開放部に、開放部が閉じたときに動作し
て開放部が閉じたことを検知するセンサが設けられ、開
放部が閉じていない状態ではシェーディング値の設定が
行われないようになっている。ところが、上記のセンサ
は、その性能上、開放部の一部がわずかに浮いていても
動作するため、そのような状態でシェーディング値の設
定が行われることがある。開放部の一部がわずかに浮い
た状態では、その部分で、第2読取部の結像レンズと白
基準部材の上面との上下距離が大きくなって、白基準部
材が結像レンズの被写界深度から外れてしまうため、開
放部が完全に閉じた状態と比べて、光電変換部の出力値
が小さくなる。したがって、開放部が完全に閉じた状態
とそうでない状態とで、設定されるシェーディング値に
ばらつきが生じる。
【0009】一般に、結像レンズの被写界深度は小さく
(浅く)、上記のように、上下方向に離れた白基準部材
の上面と原稿の上面とが、開放部が完全に閉じた状態
で、この被写界深度にほぼ入るように設定されているた
め、開放部がわずかに浮いている部分では、白基準部材
の上面が被写界深度から外れてしまう。
【0010】本発明の目的は、上記の問題を解決し、開
放部が閉じたときの状態によってシェーディング値にば
らつきが生じないシェーディング値の設定方法および画
像読取装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
による方法は、光電変換手段を有する読取手段が、本体
に対して開閉する開放部に設けられ、閉じた状態の開放
部に対向するとともに読取手段の主走査方向にのびる白
基準部材が、本体側に設けられている画像読取装置にお
いて、白基準部材を読み取ったときの光電変換手段の出
力値に基づいてシェーディング値の設定を行う方法であ
って、白基準部材の主走査方向の各位置に対応する光電
変換手段の出力値のうち、白側の出力値を用いてシェー
ディング値の設定を行うことを特徴とするものである。
【0012】すなわち、光電変換手段の主走査方向の各
画素のうち、出力値が最も白に近い画素の出力値を用い
て、全ての画素のシェーディング値の設定を行う。
【0013】通常、開放部が閉じたときに、その一部が
わずかに浮いていても、残りの一部は完全に閉じてい
る。そして、開放部の完全に閉じている部分では、光電
変換手段の出力値が最も白に近く、しかもこの出力値は
開放部全体が完全に閉じた状態の出力値と等しい。
【0014】したがって、上記のように白側の出力値を
用いてシェーディング値の設定を行うことにより、開放
部が完全に閉じた状態とそうでない状態とで、接待され
るシェーディング値にばらつきが生じない。
【0015】つまり、本発明によれば、開放部の閉じた
ときの状態によってシェーディング値にばらつきが生じ
ることがない。
【0016】たとえば、白基準部材の主走査方向の各位
置に対応する光電変換手段の出力値のうち、最も大きい
出力値を用いることにより、白側の出力値を用いること
ができる。
【0017】開放部が主走査方向の一端部において本体
に回動自在に支持されている場合、たとえば、支持端側
に対応する光電変換手段の出力値を用いることにより、
白側の出力値を用いることができる。このような場合、
開放部が閉じたときにわずかな浮きが生じるのは、支持
端側から遠い回動端側であり、支持端側の部分は完全に
閉じている。このため、支持端側に対応する光電変換手
段の出力値は最も白に近く、しかも開放部全体が完全に
閉じた状態の出力値と等しい。
【0018】なお、本発明のようにすることにより、光
電変換手段の画素ごとの感度のばらつきや光源による原
稿面の照明むらを補正することができなくなるので、画
素ごとの感度のばらつきの小さい光電変換手段、原稿面
の照明むらの小さい光源が用いられる。
【0019】本発明において、たとえば、シェーディン
グ値の設定に用いる光電変換手段の出力値を決定するに
際し、近傍の出力値と大きく異なる出力値を除外する。
【0020】これにより、読取手段の対向面の異物等に
より光電変換手段の出力値が局所的に大きくなる部分が
あっても、それがシェーディング値の設定に影響するこ
とをなくすことができる。
【0021】本発明による画像読取装置は、上記の方法
によりシェーディング値の設定を行うことを特徴とする
ものである。
【0022】本発明の画像読取装置によれば、上記同
様、開放部の閉じたときの状態によってシェーディング
値にばらつきが生じることがない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は画像読取装置の全体
概略構成を示しており、画像読取装置は、装置本体であ
る下部筐体(1)と開放部である上部筐体(2)とに大別され
る。なお、以下の説明において、図1の左右を左右と
し、図1の紙面表側(手前側)を前、紙面裏側(奥側)
を後とする。
【0024】この画像読取装置は、原稿を静止させた状
態で画像を読み取る静止読取モードと、原稿を搬送させ
ながら画像を読み取る走行読取モードとで、原稿の画像
を読み取るようになっている。走行読取モードには、原
稿の片面だけを読み取る片面読取モードと、原稿の両面
を読み取る両面読取モードとの2つのモードがある。
【0025】静止読取モードおよび走行読取モードの片
面読取モードでは、後述する下部筐体(1)内の第1読取
手段を構成する第1読取部(4)を用いて画像を読み取
る。走行読取モードの両面読取モードでは、第1読取部
(4)と後述する上部筐体(2)内の第2読取手段を構成する
第2読取部(5)との両方を同時に用いて画像の読み取り
を行うようになっている。
【0026】図2は、第1読取部(4)の一部と第2読取
部(5)の部分を詳細に示している。図3は、第2読取部
(5)をさらに詳細に示している。
【0027】下部筐体(1)には、その上面に右から順に
固定された第1読取用透光部材である第1コンタクトガ
ラス(12)、原稿基準板(22)および第2読取用透光部材で
ある第2コンタクトガラス(17)、一部が下部筐体(1)内
を左右方向(副走査方向)に移動可能に配置された第1
読取部(4)、下部筐体(1)の左側面部に装着された原稿排
出トレイ(3)等が設けられている。
【0028】第1コンタクトガラス(12)は、静止読取モ
ード時に読み取る原稿を載置するとともに第1読取部
(4)がこれを介して原稿を読み取ることができるよう
に、ガラス等の透明な平板状の部材で形成されている。
【0029】第2コンタクトガラス(17)は、走行読取モ
ード時に走行する原稿のガイド面となるとともに第1読
取部(4)がこれを介して原稿を読み取ることができるよ
うに、ガラス等の透明な平板状の部材で形成されてい
る。
【0030】第1および第2コンタクトガラス(12)(17)
は、略同一水平面内に配置され、後述するように、第1
読取部(4)の一部が第1および第2コンタクトガラス(1
2)(17)の下面に沿って左右方向に移動しやすいようにな
っている。
【0031】原稿基準板(22)は、静止読取モード時に第
1コンタクトガラス(12)上に載置される原稿の載置基準
となるものであり、その一部が第1コンタクトガラス(1
2)の上に密着するように、第1コンタクトガラス(12)の
左端部に配置されている。この基準板(22)には、第1コ
ンタクトガラス(12)に載置する原稿のサイズ、載置方向
を示す指標が示されており、第1読取部(4)の移動方向
に直角な方向(主走査方向)における原稿の載置位置が
わかるようになっている。また、基準板(22)の第1コン
タクトガラス(12)の上方に出ている部分は、第1読取部
(4)の移動方向(副走査方向)の原稿の載置基準になっ
ており、この部分の端面に原稿を突き当てることで、原
稿をこの方向の載置基準に容易に載置できるように形成
してある。したがって、ユーザーは、この指標と端面に
より、第1コンタクトガラス(12)に原稿を容易に載置で
きる。
【0032】第1読取部(4)は、第1走査ユニット(1
3)、第2走査ユニット(14)、結像レンズ(15)および第1
光電変換手段を構成する第1光電変換部(CCD)(16)
を備えている。
【0033】第1走査ユニット(13)は、第1コンタクト
ガラス(12)および第2コンタクトガラス(17)の下面に沿
って左右方向に移動する読取走査用の移動走査体であ
る。第1走査ユニット(13)は、キセノンランプ等の第1
光源(18)と、第1光源(18)からの光の一部を反射して原
稿を露光するための反射部材(6)と、原稿からの反射光
を第2走査ユニット(14)に導く第1反射ミラー(19)と
を、第1走査ユニットキャリッジ(7)に一体的に保持し
ている。また、キャリッジ(7)の第1光源(18)と反射部
材(6)との間には、スリット(8)が設けられている。スリ
ット(8)は、原稿からの反射光のうちの特定の部分を第
1反射ミラー(19)に導く働きをする。第1光源(18)と反
射部材(6)とは、このスリット(8)を間にして、互いに反
対側に配置されており、スリット(8)に向かう方向に傾
いて原稿を露光するように配置されて、第1光源(18)か
らの直接光と反射部材(6)からの間接光とが重なって原
稿を露光するように設定されている。
【0034】第2走査ユニット(14)は、第1走査ユニッ
ト(13)に追従して移動する移動走査体であり、第1反射
ミラー(19)からの光を結像レンズ(15)を介して第1光電
変換部(16)に導く第2反射ミラー(20)と第3反射ミラー
(21)を一体的に備えている。
【0035】図示は省略したが、第1走査ユニット(13)
と第2走査ユニット(14)とは、下部筐体(1)の内側に設
置された移動手段により、第1コンタクトガラス(12)お
よび第2コンタクトガラス(17)の下方を、これらのコン
タクトガラス(12)(17)に沿って、第1走査ユニット(13)
と第2走査ユニット(14)の速度比が2対1となるよう
に、同方向に移動させられる。この移動手段は、図示は
省略したが、ステッピングモータである第1読取走査系
駆動モータ、下部筐体(1)の内壁に回転自在に設けられ
たプーリ、第1読取走査系駆動モータにより駆動される
駆動プーリ、第2走査ユニット(14)に固定されたプーリ
およびこれらのプーリに巻きかけられるとともに第1走
査ユニット(13)に固定されたワイヤ等で構成されてい
る。第1走査ユニット(13)と第2走査ユニット(14)は、
このワイヤを介して、第1読取走査系駆動モータにより
駆動される。
【0036】結像レンズ(15)は、第3反射ミラー(21)か
らの反射光を第1光電変換部(16)上で結像させるもので
ある。第1光電変換部(16)は、結像レンズ(15)からの光
をその強弱に応じて異なる電圧のアナログ電気信号に変
換するものであり、CCDのアレイにより構成されてい
る。第1光電変換部(16)から出力される電気信号は、後
述する画像処理部によってデジタル画像データに変換さ
れ、後述する画像メモリに記憶される。
【0037】第1読取部(4)は、第1コンタクトガラス
(12)上に載置された原稿の読み取りに加えて、後述する
ように、走行原稿の画像を読み取る機能も有している。
これらの場合の第1走査ユニット(13)の位置について、
以下に説明する。
【0038】静止読取モード時に第1コンタクトガラス
(12)上の原稿を読み取る際には、第1走査ユニット(13)
は、図1にP1で示す第1位置からP2で示す第2位置の方
向に、図示しない原稿サイズ検出手段で検出された原稿
サイズに応じて所定距離だけ移動するようになってい
る。一方、搬送されている原稿を読み取る際には、図1
にP3で示す第3位置に停止している。また、第1読取部
(4)が使用されていない待機中には、第1走査ユニット
(13)は、第1位置P1と第3位置P3の中間の図示しない待
機位置(ホームポジション)P0に停止している。
【0039】原稿基準板(22)に対向する第1コンタクト
ガラス(12)の前端部下面に、第1光電変換部(16)のシェ
ーディング値の設定を行う際に使用する第1白基準部材
である第1基準白板(23)が設けられている。
【0040】上部筐体(2)は、その奥側(後側)におい
て下部筐体(1)との間に設けられた図示しないヒンジを
支点として、上下に回動し、開閉するようになってい
る。そして、上部筐体(2)が開くことにより、手前側
(前側)から、第1コンタクトガラス(12)および第2コ
ンタクトガラス(17)の上面を開放できるようになってい
る。
【0041】上部筐体(2)には、OCマット(25)、原稿
セットトレイ(26)、原稿搬送手段である原稿搬送部(2
9)、第2読取部(5)、開放扉(28)等が設けられている。
【0042】OCマット(25)は、上部筐体(2)を閉めた
ときに第1コンタクトガラス(12)に載置された原稿を第
1コンタクトガラス(12)に押しつけて密着するためのも
のであり、上部筐体(2)を閉めたときに第1コンタクト
ガラス(12)に対向する位置に設けられている。OCマッ
ト(25)の第1コンタクトガラス(12)に対向する側は、白
色のシート体で構成されており、該シート体の第1コン
タクトガラス(12)との対向側の反対側には、上部筐体
(2)を閉めたときにシート体を背面から押して原稿を第
1コンタクトガラス(12)に密着するように作用するスポ
ンジ等の発泡体が配置されている。
【0043】原稿セットトレイ(26)は、走行読取モード
で読み取る原稿を載置するための台であり、第1コンタ
クトガラス(12)を閉じた状態の上部筐体(2)側に投影し
た領域に入るように、上部筐体(2)のOCマット(25)の
上方に設けられている。
【0044】開放扉(28)は、上部筐体(2)の内部の第2
読取部(5)が配置される原稿搬送部(29)の上部を外部に
開放するための扉であり、第2読取部(5)を着脱した
り、第2読取部(5)の取り付け状態を調整するために、
上部筐体(2)に開閉自在に設けられている。開放扉(28)
は、上部筐体(2)に対して、一端側が回動可能に軸支持
され、他端側がねじ等で固定される。
【0045】原稿搬送部(29)は、原稿セットトレイ(26)
に載置された原稿を原稿搬送路(30)に取り入れ、原稿搬
送路(30)内を搬送して、下部筐体(1)に設けられた排出
トレイ(3)上に排出するものであり、原稿搬送路(30)、
給送補助ローラ(32)、原稿セット検出センサ(33)、原稿
押え板(34)、摩擦パッド(35)、給送タイミングセンサ(3
6)、給送ローラ(37)、整合ローラ対(38)および排出ロー
ラ対(42)を備えている。
【0046】原稿搬送路(30)は、上側の右側搬送ガイド
(39)および左側搬送ガイド(40)、ならびに下側の右側搬
送ガイド(44)および左側にある第2コンタクトガラス(1
7)の間に形成された原稿の搬送経路であり、第2コンタ
クトガラス(17)の原稿搬送路(30)に面する上面側は原稿
の案内をしている。また、上側の左側搬送ガイド(40)
は、下面の位置決め突起(40a)によって第2コンタクト
ガラス(17)に対して所定の間隔を保持するように上部筐
体(2)側に支持されており、搬送ガイド(40)の中央に
は、第3読取用透光部材である第3コンタクトガラス(4
1)が設けられている。第3コンタクトガラス(41)は、第
2読取部(5)と原稿との間の光透過を実現させるととも
に、原稿のジャムを防止する機能を有する。なお、搬送
ガイド(40)の第2コンタクトガラス(17)に対する位置決
めの方法については、後述する。
【0047】給送補助ローラ(32)および原稿押え板(34)
は、原稿セット検出センサ(33)に検知された原稿を原稿
搬送路(30)内に引き入れるものである。摩擦パッド(3
5)、給送ローラ(37)および整合ローラ対(38)は、給送タ
イミングセンサ(36)の検知結果に基づいて、引き込まれ
た原稿を1枚ごとに第2読取部(5)に導くものである。
【0048】図示は省略したが、給送ローラ(37)および
整合ローラ対(38)は、その駆動軸に電磁クラッチを備え
ており、駆動モータからの駆動力を伝達して回転した
り、駆動力を遮断して停止したりできるようになってお
り、原稿のない状態では停止している。そして、原稿の
先端が給送タイミングセンサ(36)に接触し、このセンサ
(32)から所定の信号が伝達されたときに、原稿を下流側
(左側)に搬送する方向に回動するように設定されてい
る。整合ローラ対(38)は、停止した状態で、摩擦パッド
(35)および給送ローラ(37)により上流側(右側)より搬
送された原稿の先端が整合ローラ対(38)のニップ部に突
き当たり、原稿に所定の撓みを形成した後に、下流側に
原稿を搬送するように回動する。この際に、整合ローラ
対(38)のニップ部により、原稿の先端が搬送方向に直角
となるように整合される。
【0049】整合ローラ対(38)により送り出された原稿
は、第2読取部(5)により画像を読み取られた後、排出
ローラ対(42)により排出トレイ(3)上に排出される。排
出ローラ対(42)の上側ローラは、駆動側のローラであ
り、上部筐体(2)の左側部に一体的に設けられて、上部
筐体(2)中の図示しない駆動機構により駆動される。排
出ローラ対(42)の上側ローラは、下部筐体(1)側に回転
自在に設けられた排出ローラ対(42)の下側ローラ(従動
ローラ)とで、原稿搬送路(30)を通った原稿を挟持搬送
して、排紙トレイ(3)上に排出する機能を有する。排出
ローラ対(42)の下流側に、原稿の排出を後述する読取制
御部に伝達する原稿排出センサ(43)が配置されている。
【0050】第2読取部(5)は、原稿搬送部(29)により
原稿セットトレイ(26)に載置された原稿が原稿搬送路(3
0)内を走行している状態で、原稿の上面側の画像を読み
取るためのものである。
【0051】第2読取部(5)は、イメージセンサユニッ
ト(11)、ユニット固定板(46)およびユニット保持板(47)
より構成されており、イメージセンサユニット(11)の詳
細が図3および図6に示されている。イメージセンサユ
ニット(11)は、後述するように、その内部に第2光電変
換部(53)およびセルフォックレンズアレイ(55)を備えて
おり、導かれた光強度に応じた電圧を出力する。
【0052】イメージセンサユニット(11)は、第2読取
部(5)が後述するように第2筐体(2)に取り付けられた際
に搬送ガイド(40)の第3コンタクトガラス(41)に臨むよ
うに配置されている。イメージセンサユニット(11)は、
上部筐体(2)の前後フレーム間に固定されている取付基
準板(45)に対し、固定板(46)および保持板(47)を介して
吊り下げられて設置されており、その詳細が図4の斜視
図に示されている。
【0053】第2筐体(2)が閉じたときに第2読取部(5)
に対向する第2コンタクトガラス(17)の下面に、後述す
る第2読取部(5)のシェーディング値の設定を行う際に
使用する第2白基準部材である第2基準白板(57)が設け
られている。図6に示すように、第2基準白板(57)は、
原稿通過域の外側まで主走査方向にのびている。
【0054】第2コンタクトガラス(17)の第1読取部
(4)側に貼り付けられた遮光部材(24)が、第2基準白板
(57)を覆っている。遮光部材(24)は、第1読取部(4)の
第1光源(18)および反射部材(6)からの光が、第2基準
白板(57)を透過して、第2読取部(5)の第2光電変換部
(53)に入り、画像が適切な濃度で読み取れなくなるのを
防止するために、図6に示すように、主走査方向に原稿
通過域の外側まで設けられている。このような遮光部材
(24)を設けるのは、第1読取部(4)の第1光源(18)の光
量が後述する第2読取部(5)内の第2光源(54)に比して
大であることと、第2読取部(5)の第2光電変換部(53)
は、光量の低い第2光源(54)により画像を読み取るため
に、第1読取部(4)の第1光電変換部(16)に比して感度
が高いこととにより、第2基準白板(57)だけでは遮光が
不十分だからである。また、遮光部材(24)は、第1走査
ユニット(13)が図1の第3位置P3に停止しているとき
に、第1走査ユニット(13)のスリット(8)の幅を第2コ
ンタクトガラス(17)側に投影した空間に入らないよう
に、また、第1光源(18)からの直接光および反射部材
(6)からの間接光が原稿を照射するのを疎外しないよう
に、配置されている。これは、遮光部材(24)が第1読取
部(4)の第1光電変換部(16)の読み取り光路に入って読
み取りを阻害したり、原稿を露光する光量が不十分にな
るのを避けるためである。
【0055】次に、図4を参照して、第2筐体(2)に対
する取付構造について説明する。
【0056】基準板(45)は、ほぼ水平で、前後方向にの
びており、その前後両端部が上部筐体(2)の前後フレー
ムに固定されている。基準板(45)の中央部分に長方形状
の開口が形成され、この開口の左右両端部が上方に曲げ
起こされている。そして、この2つの曲げ起こし部(45
a)の上端間に、固定板(46)が渡されて、固定ねじ(48)に
より固定されている。
【0057】ユニット保持板(47)は、左右方向が開口
し、前後幅が大きくて、左右長さの短い四角筒状をな
し、内部に固定板(46)を貫通させた状態で、調整ねじ(4
9)によって、その上壁が固定板(46)に上方から固定され
ている。そして、保持板(47)の下壁の下面に、イメージ
センサユニット(11)の上面が堅固に固定されている。
【0058】また、搬送ガイド(40)は、基準板(45)の前
後両端部に、段付きねじ(50)および搬送ガイド付勢用ば
ね(51)で保持されている。これにより、上部筐体(2)が
開いて原稿搬送路(30)を開放した際に、搬送ガイド(40)
が上部筐体(2)から外れることがなく、上部筐体(2)が閉
じたときに、搬送ガイド(40)と第2コンタクトガラス(1
7)との相対的な位置が常に一定になり、原稿の画像読み
取りが安定する。
【0059】図5は、上部筐体(2)内に固定された基準
板(45)に対する第2読取部(5)の着脱時の状態を示して
いる。この図に示すように、第2読取部(5)の着脱は、
開放扉(28)を開放した状態で行われる。第2読取部(5)
は、イメージセンサユニット(11)、固定板(46)および保
持板(47)が一体化されたユニットとなっており、このユ
ニットを基準板(45)の所定位置に取り付けて、前述のよ
うに、固定板(46)を固定ねじ(48)で基準板(45)に固定す
ることにより、第2読取部(5)のイメージセンサユニッ
ト(11)が所定の位置に配置される。
【0060】上記のように、第2読取部(5)が基準板(4
5)に固定された状態で、複数の固定ねじ(48)および調整
ねじ(49)を調整することにより、基準板(45)に対する固
定板(46)の高さ位置および姿勢(傾斜の度合い)、固定
板(46)に対する保持板(47)の高さ位置および姿勢を所定
範囲内で調整することができ、これにより、第3コンタ
クトガラス(41)に対するイメージセンサユニット(11)の
相対的な姿勢および高さ位置の微調整ができる。したが
って、イメージセンサユニット(11)を最適な姿勢、位置
に厳密に配置させることが容易となっている。このよう
な各ねじ(48)(49)の調整も、開放扉(28)を開放した状態
で、上部筐体(2)の上方から行うことができる。
【0061】次に、図3および図6を参照して、イメー
ジセンサユニット(11)の内部構造について説明する。
【0062】イメージセンサユニット(11)は主走査方向
に長い直方体状のケース(52)を備えており、その内部
に、原稿面を照射するためのLEDアレイよりなる第2
光源(54)、原稿からの反射光を集光する結像レンズであ
るセルフォックレンズアレイ(55)、受光した光の強度に
応じた電気信号(電気的画像信号)を生成する光電変換
素子アレイよりなる第2光電変換手段である第2光電変
換部(CIS:密着型イメージセンサ)(53)が設けられ
ている。ケース(52)の下面が開口しており、この開口
が、ケース(52)を密閉するとともに原稿からの反射光を
セルフォックレンズアレイ(55)に導くための密閉用透光
部材であるガラス板(58)で塞がれている。
【0063】セルフォックレンズアレイ(55)の焦点は、
原稿搬送路(30)の高さ(搬送ガイド(40)と第2コンタク
トガラス(17)の間の間隙)の中央部よりもやや第2コン
タクトガラス(17)寄りに合うように設定されている。こ
れにより、セルフォックレンズアレイ(55)の被写界深度
は、第2コンタクトガラス(17)の表面から原稿搬送路(3
0)の高さの大部分を占めるようになっている。
【0064】第2読取部(5)において、第2光電変換部
(53)で第2基準白板(57)を読み取り、後述するように、
この読み取り値に基づいてシェーディング値を設定し、
原稿画像を読み取った際に、このシェーディング値を用
いて、第2光電変換部(53)の出力に対してシェーディン
グ補正を行う。
【0065】次に、上記の画像読取装置における読み取
り処理について説明する。
【0066】静止読取モード時では、片面モードだけが
選択可能となり、第1読取部(4)だけが原稿の読み取り
に用いられる。このとき、第1読取部(4)の第1走査ユ
ニット(13)は、まず、待機位置P0に位置させられる。そ
して、読取制御部の指示に応じて、図1中の第1位置P1
から、第1コンタクトガラス(12)上に載置された原稿を
走査しながら、第2走査ユニット(14)とともに第2位置
P2側に移動する。これにより、第1光電変換部(16)に、
原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能とな
る。このようにして、第1読取部(4)は、静止した原稿
の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取るこ
ととなる。
【0067】走行読取モード時では、片面モードと両面
モードの両方が選択可能となる。
【0068】走行読取モードの片面モード時には、第1
読取部(4)だけが原稿の読み取りに用いられる。このモ
ードの指示があると、第1読取部(4)の第1走査ユニッ
ト(13)は、待機位置P0から図1中の第3位置P3に移動し
て、停止し、そのまま、停止状態を保持して、走行する
原稿の読み取りを行う。そして、読取制御部の指示に応
じて、第1光電変換部(16)が、第2コンタクトガラス(1
7)を介して、原稿搬送路(30)を搬送される原稿の画像を
下側から読み取る。この場合も、第1読取部(4)は、原
稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取る
こととなる。
【0069】走行読取モードの両面モード時には、第1
読取部(4)および第2読取部(5)の双方が原稿の読み取り
に用いられる。このとき、第1読取部(4)の第1走査ユ
ニット(13)は、走行読取モードの片面モード時と同様
に、図1中の第3位置P3に停止させられる。そして、読
取制御部の指示に応じて、第1読取部(4)が、第2コン
タクトガラス(17)を介して、原稿搬送路(30)を搬送され
る原稿の画像を下側から読み取る。また、同様に、第2
読取部(5)が、第3コンタクトガラス(41)を介して、搬
送される原稿の上側の面(裏面)に形成されている画像
を上側から読み取る。このようにして、両面モードで
は、第1読取部(4)および第2読取部(5)が、搬送原稿の
表裏両面の画像を、上下方向から一度に読み取ることと
なる。
【0070】図7は、上記の画像読取装置における制御
系の構成を示すブロック図である。次に、この図を参照
して、上記の画像読取装置における制御系の構成および
動作について説明する 図7に示すように、システムコントローラ(60)は、通信
制御部(61)を介して、読取制御部(62)を制御し、さらに
システムバス(63)を介して画像処理中継部(64)と画像メ
モリ(65)を制御する。これにより、システムコントロー
ラ(60)は、原稿の読み取り動作が適切に行われるよう
に、画像読取装置の全体を制御する。
【0071】第1読取部(4)において、第1光源制御基
板(66)は、読取制御部(62)の信号に基づいて、第1光源
(18)を点灯・消灯する。第1読取走査系駆動モータ制御
基板(67)は、読取制御部(62)の信号に基づいて、第1読
取走査系駆動モータ(68)を制御して、第1走査ユニット
(13)および第2走査ユニット(14)を左右両方向に移動す
る。第1読取走査系位置センサ群(69)は、第1走査ユニ
ット(13)が待機位置P0、第1位置P1、第2位置P2および
第3位置P3に位置させられたときに、それぞれ、読取制
御部(62)に規準位置信号を出力する。読取制御部(62)
は、第1読取走査系位置センサ群(69)の規準位置信号と
第1読取走査系駆動モータ(68)のステップ数とを基に、
第1走査ユニット(13)の位置を算出して、第1読取走査
系駆動モータ(68)を正逆転制御して、両走査ユニット(1
3)(14)を往復移動させる。
【0072】第2読取部(5)のイメージセンサユニット
(11)において、第2光源制御基板(70)は、読取制御部(6
2)の信号に基づいて、第2光源(54)を点灯・消灯する。
【0073】原稿搬送部(29)を含む自動原稿送り装置(7
1)において、駆動モータ制御基板(72)は、読取制御部(6
2)の信号により、ステッピングモータである駆動モータ
(73)をオン・オフ制御して、自動原稿送り装置(71)の駆
動系を駆動し、給送補助ローラ(32)、給送ローラ(37)、
整合ローラ対(38)、排出ローラ対(42)および他の搬送ロ
ーラに駆動力を伝える。また、駆動モータ(73)は、駆動
モータ制御基板(72)からのパルスレイトにより回転速度
を変えられる。原稿セット検出センサ(33)、給送タイミ
ングセンサ(36)、原稿排出センサ(43)等よりなる原稿検
出センサ群(74)は、原稿が各センサ(33)(36)(43)の位置
に到達した時に、原稿の有無信号を読取制御部(62)に伝
える。これに対して、読取制御部(62)は、センサ群(74)
からの原稿の有無信号とタイマーとにより、原稿が適切
なタイミングで搬送されているか否かを判断して、搬送
不良の場合には、ジャム等の発生の信号をシステムバス
(63)を介してシステムコントローラ(60)に伝える。電磁
クラッチ群(75)は、読取制御部(62)からの信号によりオ
ン・オフして、自動原稿送り装置(71)のそれぞれの駆動
系に対して接続または非接続に切り換えて、駆動系を停
止したり、回転したりする。
【0074】次に、片面読取モード時および両面読取モ
ード時の読取走査により得られた電気的画像信号の処理
に関して説明する。
【0075】図7に示すように、第1読取部(4)の第1
光電変換部(16)および第2読取部(5)のイメージセンサ
ユニット(11)の第2光電変換部(53)により得られた電気
的画像信号(以下「画像信号」と呼ぶ)は、それぞれの
画像処理部(76)(77)に送られて、所定の画像処理を施さ
れた後に、画像処理中継部(64)に送られ、さらに所定の
画像処理を施された後、システムバス(63)を介して1ペ
ージごとに区別されて画像メモリ(65)に記憶される。各
画像処理部(76)(77)は、アナログ信号処理部(78)(79)、
A/D変換部(80)(81)、シェーディング補正部(82)(8
3)、フィルタ処理部(84)(85)および濃度変換部(86)(87)
より構成されている。これら各画像処理部(76)(77)の各
要素は、読取制御部(62)の制御下で動作する。
【0076】アナログ信号処理部(78)(79)は、それぞ
れ、第1光電変換部(16)および第2光電変換部(53)から
入力される画像信号に、レベル変換処理、サンプルホー
ルド処理および信号増幅処理を施して、A/D変換部(8
0)(81)に出力する。第1光電変換部(16)と第2光電変換
部(53)とでは、光源光量、光電変換効率および出力信号
レベル等が異なるため、第1光電変換部(16)用と第2光
電変換部(53)用に、それぞれ、専用のアナログ信号処理
部(78)(79)が設けられている。
【0077】A/D変換部(80)(81)は、アナログ信号処
理部(78)(79)から入力されるアナログの画像信号をデジ
タル変換して、量子化した画像信号をシェーディング補
正部(82)(83)に出力する。
【0078】シェーディング補正部(82)(83)は、A/D
変換部(80)(81)から入力される量子化された画像信号に
対して黒再生および白再生を施して、フィルタ処理部(8
4)(85)に出力する。黒再生とは、第1光電変換部(16)あ
るいは第2光電変換部(53)の暗示出力をサンプリングし
て記憶し、読取データである原稿読取時の第1光電変換
部(16)あるいは第2光電変換部(53)の出力する画像信号
から減算することにより、暗示出力の影響を削除するこ
とである。白再生とは、各読取部(4)(5)において後述す
るように基準白板(23)(57)を読み取ることにより設定さ
れたシェーディング値を用いて、原稿読取時に各読取部
(4)(5)の光電変換部(16)(53)の出力である画像信号に対
して補正(シェーディング補正)を行うことである。
【0079】フィルタ手段を構成するフィルタ処理部(8
4)(85)は、シェーディング補正部(82)(83)から入力され
る画像信号に、読取制御部(62)から設定されるフィルタ
特性を決定する係数に基づいて所定のフィルタ処理、具
体的には、空間フィルタリング処理を施すことにより、
画像の高周波成分を強調して、画像のぼけの修復を行
う。第1光電変換部(16)および第2光電変換部(53)の出
力する画像信号には、レンズやミラー等の光学部品、第
1光電変換部(16)や第2光電変換部(53)の受光面のアパ
ーチャ開口度、第1光電変換部(16)や第2光電変換部(5
3)の転送効率や残像、物理的な走査による積分効果およ
び操作むら等に起因するMTF(Modulation Transfer
Function)の劣化があり、フィルタ処理部(84)(85)によ
りこのMTFの劣化を補償している。MTFの劣化は、
高周波域ほど顕著であるので、フィルタ処理部(84)(85)
は、高周波域の画像信号に対して、強調処理を施すこと
により、ぼけを修復して、画像品質を向上させている。
また、MTFは、第1光電変換部(16)と第2光電変換部
(53)によりその劣化具合も大きく異なるため、フィルタ
処理部(84)(85)は、入力画像信号が第1光電変換部(16)
からの画像信号であるか第2光電変換部(53)からの画像
信号であるかによりフィルタ処理が異なり、それぞれ適
切なフィルタ処理を行っている。
【0080】濃度変換手段および2値化手段を構成する
濃度変換部(86)(87)は、フィルタ処理部(84)(85)でフィ
ルタ処理された画像信号に濃度変換を行うためのもので
あり、たとえば、画像信号をファクシミリ通信する場合
や、印字条件が2値化指定された場合等に、画像信号を
2値化処理し、また、写真画像等のように印字条件が多
値であれば、所定の濃度特性により濃度変換を行って、
画質を向上させている。濃度変換部(86)(87)は、図示し
ないRAM制御部およびRAM等を備え、RAMにセッ
トされたデータ変換用のルックアップテーブルを入力画
像信号のアドレスとして読み出すことにより、データ変
換を行って、濃度変換処理を行う。濃度変換処理が完了
した画像信号は、画像メモリ(65)に記憶される。
【0081】次に、第2読取部(5)におけるシェーディ
ング値の設定方法について説明する。
【0082】シェーディング値の設定を行う場合、上部
筐体(2)を閉じた状態で、第2光電変換部(53)により第
2基準白板(57)を読み取り、主走査方向の画像読取域に
ついて、各位置(画素)に対応する出力値を求める。そ
して、これら各位置に対応する出力値のうち、最も白に
近い出力値、すなわち、最も大きい出力値を用いて、全
位置に対応するシェーディング値を設定する。シェーデ
ィング値の設定は、公知の手法により行われる。また、
最も大きい出力値を決定する際、近傍の出力値と大きく
異なる出力値は除外する。
【0083】図8は、第2基準白板(57)を読み取ったと
きの第2光電変換部(53)の主走査方向の各位置における
出力値の1例を表している。
【0084】上部筐体(2)が完全に閉じている場合、第
2光電変換部(53)の出力値は、画像読取域全体でほぼ一
定となる。ところが、上部筐体(2)が完全に閉じていな
いと、図8に示すように、第2光電変換部(53)の出力値
が主走査方向の位置によって異なり、一部で、上部筐体
(2)が完全に閉じている場合に比べて出力値が低下す
る。このため、従来のように、主走査方向の各位置の出
力値を用いてその位置に対応するシェーディング値を設
定するようにすると、ある位置については、上部筐体
(2)が完全に閉じているときとそうでないときとで、設
定されたシェーディング値にばらつきが生じる。これに
対し、この実施形態では、最も大きい出力値を用いて、
全位置に対応するシェーディング値を設定しているの
で、上部筐体(2)が完全に閉じているときとそうでない
ときとで、設定されたシェーディング値にばらつきが生
じない。また、シェーディング値の設定に用いる最も大
きい出力値を決定する際に、近傍の出力値と大きく異な
る出力値は除外するので、第2光電変換部(53)に対向す
る第2コンタクトガラス(17)の表面の異物等により光電
変換部(53)の出力値が局所的に大きくなる部分があって
も、それがシェーディング値の設定に影響することをな
くすことができる。
【0085】上記の画像読取装置では、第1読取部(4)
と第2読取部(5)を上下方向に積層して配置し、搬送原
稿の表裏両面を一度に読み取るようになっている。これ
により、2つの読取部(4)(5)を搬送方向に並べる構成に
比して、原稿の搬送方向への大型化を回避し、画像読取
装置の占有床面積を小さくすることができる。また、上
部筐体(2)に設けられている原稿搬送部置(29)を用いて
原稿を搬送するだけで原稿の両面を読み取ることができ
るため、構造を簡略化できる。さらに、原稿の整合手段
を1箇所にだけ設ければよいので、搬送制御が容易とな
る。したがって、片面原稿の読み取りが大半で、両面原
稿の読み取りがほとんどないユーザーにとっては、機械
構成が大きく複雑になってコストが高価になるという問
題を解消できる。
【0086】しかしながら、本発明は、2つの読取部を
原稿の搬送方向に並べる構成の画像読取装置にも適用で
きる。そうした場合、下流側の読取部のための整合手段
を2つの読取部の間に入れるようにしてもよいが、その
分、原稿の搬送路長を長くする必要がある。
【0087】また、上記の画像読取装置では、開放扉(2
8)を開放することで、第2読取部(5)を着脱できるよう
になっている。すなわち、画像読取装置における他の部
材の少ない原稿搬送部(29)の上側から、第2読取部(5)
を装着できる。これにより、第2読取部(5)の着脱を容
易とできる。さらに、他の部材に関する設計の自由度を
高められる。
【0088】また、上記の画像読取装置では、第2読取
部(5)の高さ位置および姿勢を、原稿搬送路(30)に対し
て容易に調整できるようになっている。これにより、画
質劣化の原因となる第2読取部(5)の位置ずれを容易に
解消することが可能となる。
【0089】さらに、上記の画像読取装置では、搬送ガ
イド(40)の高さ位置および姿勢も調整できるようになっ
ている。これにより、原稿搬送路(30)の高さすなわち第
3コンタクトガラス(41)の高さを最適な値に設定できる
ため、原稿のジャムを防止できる。
【0090】なお、上記の実施形態では、走行読取モー
ドの片面モード時に、第1読取部(4)だけを用いて画像
読み取りを行うようになっているが、第2読取部(5)だ
けを用いて画像読み取りを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示す画像読取装置
の全体垂直断面図である。
【図2】図2は、図1の第1読取部の一部および第2読
取部の部分を拡大して示す垂直断面図である。
【図3】図3は、図2の第2読取部の部分を拡大して示
す垂直断面図である。
【図4】図4は、第2読取部の取付構造を示す一部切欠
き斜視図である。
【図5】図5は、第2読取部の着脱時の画像読取装置の
一部を示す垂直断面図である。
【図6】図6は、第2読取部のイメージセンサユニット
の部分を拡大して示す図3と直交する方向の垂直断面図
である。
【図7】図7は、画像読取装置の制御系の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】図8は、第2読取部の第2光電変換部の出力値
の1例を示すグラフである。
【符号の説明】
(1) 下部筐体 (2) 上部筐体 (5) 第2読取部 (53) 第2光電変換部 (57) 第2基準白板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 由紀夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岩本 強志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 眞一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 三好 文徳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5B047 AA01 BA01 BA02 BC05 BC09 BC11 BC23 CB22 DA04 DC01 DC06 DC11 5C072 AA01 BA08 CA02 DA02 DA04 EA05 FB12 RA16 UA02 5C077 LL04 LL19 MM03 MM22 MM27 PP06 PP44 PP47 PQ20 RR12 SS01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光電変換手段を有する読取手段が、本体に
    対して開閉する開放部に設けられ、閉じた状態の開放部
    に対向するとともに読取手段の主走査方向にのびる白基
    準部材が、本体側に設けられている画像読取装置におい
    て、白基準部材を読み取ったときの光電変換手段の出力
    値に基づいてシェーディング値の設定を行う方法であっ
    て、 白基準部材の主走査方向の各位置に対応する光電変換手
    段の出力値のうち、白側の出力値を用いてシェーディン
    グ値の設定を行うことを特徴とするシェーディング値の
    設定方法。
  2. 【請求項2】シェーディング値の設定に用いる光電変換
    手段の出力値を決定するに際し、近傍の出力値と大きく
    異なる出力値を除外することを特徴とする請求項1のシ
    ェーディング値の設定方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の方法によりシェーディ
    ング値の設定を行うことを特徴とする画像読取装置。
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