JP2002311641A - 静電荷現像用トナー及び画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

静電荷現像用トナー及び画像形成方法、画像形成装置

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JP2002311641A
JP2002311641A JP2001110827A JP2001110827A JP2002311641A JP 2002311641 A JP2002311641 A JP 2002311641A JP 2001110827 A JP2001110827 A JP 2001110827A JP 2001110827 A JP2001110827 A JP 2001110827A JP 2002311641 A JP2002311641 A JP 2002311641A
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toner
polyol resin
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black toner
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JP2001110827A
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Toyoshi Sawada
豊志 澤田
Masanori Suzuki
政則 鈴木
Yoichiro Watanabe
陽一郎 渡辺
Masahide Yamashita
昌秀 山下
Akihiro Koban
昭宏 小番
Keiko Shiraishi
桂子 白石
Mitsuteru Kato
光輝 加藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低温定着性と定着温度範囲を確保し、かつ熱保
存性が良好で高い生産性(粉砕性)を有する画像形成用
トナーおよびこのトナーを用いた画像形成方法、画像形
成装置を提供する。アミン系洗顔料、帯電防止剤等に含
まれるアミン化合物とトナーバインダー樹脂中のエポキ
シ基との架橋反応による樹脂硬化を防止する。更に生化
学的に安全で、環境安定性に優れ、コピーの定着画像面
を塩化ビニル系樹脂シートに密着させてもシートへのト
ナー画像の転移がなく、帯電性の安定した画像形成用ト
ナーおよびこのトナーを用いた画像形成方法、画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも着色剤、離型剤およびバイン
ダー樹脂を含有してなる画像形成用黒色トナーにおい
て、前記バインダー樹脂がポリエステル樹脂とポリオー
ル樹脂とからなり、しかもポリエステル樹脂とポリオー
ル樹脂とがお互い非相溶で海島状の相分離構造をとるこ
とを特徴とする画像形成用黒色トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法など静電潜像を現像する際に用いら
れる画像形成用トナーおよび画像形成方法、画像形成装
置に関し、詳しくは充分な低温定着性の確立を目的とし
た画像形成用トナーおよび画像形成方法、画像形成装置
に関する。また更に、定着温度範囲の確保を目的とした
画像形成用トナーおよび画像形成方法、画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭49−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報などに各種の
方法が記載されているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙
などにトナー粉像を転写した後、加熱、加圧あるいは溶
剤蒸気などにより定着し、コピー画像を得るものであ
る。
【0003】電気的潜像を現像する方式には、大別し
て、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散
させた現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、
磁気ブラシ法、パウダークラウド法などのように天然又
は合成樹脂にカーボンブラックなどの着色剤を分散した
トナーを用いる乾式現像方式があり、近年、乾式現像方
式が広く使用されている。
【0004】電子写真法における定着方式としては、そ
のエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラ方式が
広く一般に用いられている。また、近年の省エネルギー
のための低温定着や高速複写のように、定着時にトナー
に与えられる熱エネルギーは小さくなる傾向にある。更
に近年環境への配慮から、待機時の電力量を極小にしな
がら待機状態から使用可能となるまでの時間を短時間化
することが要求されており、1999年度の国際エネル
ギー機関(IEA)のDSM(Demand-side Managemen
t)プログラム中においてその要求仕様が公表されてい
る。その要求を達成するために、加熱ヒートローラーの
低熱容量化等が行なわれているが、これに伴いトナーへ
のヒートローラーの低荷重化が進んでおり、そのためト
ナー定着に要するエネルギーの低下要求は従来よりさら
に進んだものとなっている。
【0005】従来、このような低温定着に使用されるト
ナーは、一般に低軟化点の樹脂やワックスを用いること
により、低温定着性を改良することが試みられている。
しかし、この様な低温定着トナーは、熱的に弱いため使
用している機械の熱や保存時の熱により固まる、いわゆ
るブロッキングを起すことが知られている。また、充分
な定着温度範囲を確保することも難しい。このため、低
温定着性が良い割に比較的熱保存性が良いといわれてい
るポリエステル樹脂系トナーがいくつか提案されてい
る。
【0006】これらのトナーは、特性の異なる二種類の
ポリエステル樹脂を用いることを特徴としており、たと
えば、非線状ポリエステル樹脂と線状ポリエステル樹脂
を混合させる方法(特開昭60−90344号公報に記
載)、Tg50℃以上、軟化点200℃以下の架橋ポリ
エステル樹脂と軟化点150℃以下、MW3,000〜
50,000の直鎖ポリエステル樹脂を混合させる方法
(特開昭64−15755号公報に記載)、MW5,0
00以上、分散比20以上の非線状高分子ポリエステル
樹脂とMW1,000〜5,000、分散比4以下の非
線状ポリエステル樹脂を含有させる方法(特開平2−8
2267号公報に記載)、酸価5〜60の線状ポリエス
テル樹脂と酸価5未満の非線状ポリエステル樹脂からな
る有機金属化合物を含有させる方法(特開平3−229
264号公報に記載)、飽和ポリエステル樹脂で酸価の
比が1.5以上の異なるポリエステル樹脂を混合する方
法(特開平3−41470号公報に記載)、軟化点13
0℃〜150℃の高軟化点ポリエステル樹脂と軟化点8
0℃〜125℃の低軟化点ポリエステル樹脂を混合する
方法(特開平11−305486号公報に記載)等であ
る。
【0007】また、ポリエステル樹脂とポリオール樹脂
とを組み合わせ、バインダー樹脂として用いたトナーと
しては、ポリエステル樹脂とポリオール樹脂とを相溶さ
せるワックス含有オイルレスフルカラートナー作成方法
(特開平9−106105号公報、特開平11−243
13号公報に記載)がある。特開平9−106105号
公報では、ポリエステル樹脂とポリオール樹脂とを相溶
させることにより異なる樹脂間の界面を形成を防止し、
界面での光の屈折による透明性の悪化を防止しつつ、定
着性、耐オフセット性、光沢、透明度の高いワックス含
有オイルレスフルカラートナーを提案しているが、樹脂
が相溶しているために、両樹脂の異なる特性を充分発揮
させることができず、低温定着性と定着温度範囲の確保
や、熱保存性および粉砕性の向上を図るという点では不
充分である。また、特開平11−24313号公報にお
いても、樹脂の混合状態を制御して樹脂の異なった特性
を充分発揮させる工夫がなされておらず、低温定着性と
定着温度範囲の確保や、熱保存性および粉砕性の向上を
図るという点では不充分である。
【0008】近年、低温定着化はますます進み、しか
も、前記のような薄厚ローラ、低荷重の低温定着装置を
使用した場合、前記従来技術では、充分な低温定着性及
び定着温度範囲の確保と熱保存の両立は難しくなってき
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、低温定着性と定着温度範囲を確保し、かつ熱保存性
の良好な画像形成用トナーおよびこのトナーを用いた画
像形成方法、画像形成装置を提供することである。第2
の課題は、粉砕式トナー生産ラインにおいて高い生産性
(粉砕性)を発揮させることのできる画像形成用トナー
およびこのトナーを用いた画像形成方法、画像形成装置
を提供することである。第3の課題は、アミン系洗顔
料、帯電防止剤等に含まれるアミン化合物とトナーバイ
ンダー樹脂中のエポキシ基との架橋反応による樹脂硬化
を防止することである。第4の課題は、生化学的に安全
な画像形成用トナーおよびこのトナーを用いた画像形成
方法、画像形成装置を提供することである。第5の課題
は、環境安定性に優れた画像形成用トナーおよびこのト
ナーを用いた画像形成方法、画像形成装置を提供するこ
とである。第6の課題は、コピーの定着画像面を塩化ビ
ニル系樹脂シートに密着させてもシートへのトナー画像
の転移のない画像形成用トナーおよびこのトナーを用い
た画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
第7の課題は、帯電性の安定した画像形成用トナーおよ
びこのトナーを用いた画像形成方法、画像形成装置を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、バインダー樹
脂としてポリエステル樹脂とポリオール樹脂を用い、こ
れらの樹脂の物性と分散状態を制御することにより、上
記課題を解決できることを見い出し本発明に至った。
【0011】すなわち、上記課題は、本発明の(1)
「少なくとも着色剤、離型剤およびバインダー樹脂を含
有してなる画像形成用黒色トナーにおいて、前記バイン
ダー樹脂がポリエステル樹脂とポリオール樹脂とからな
り、しかもポリエステル樹脂とポリオール樹脂とがお互
い非相溶で海島状の相分離構造をとることを特徴とする
画像形成用黒色トナー」、(2)「ポリエステル樹脂と
ポリオール樹脂のSP値(溶解性パラメーター)の差が
0.6以上であることを特徴とする前記第(1)項に記
載の画像形成用黒色トナー」、(3)「ポリエステル樹
脂の軟化点がポリオール樹脂の軟化点より高いことを特
徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形
成用黒色トナー」、(4)「ポリオール樹脂の含有量
が、バインダー樹脂成分100重量部に対して20〜8
0重量部であることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(3)項のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナ
ー」、(5)「エポキシ樹脂のエポキシ基を1価フェノ
ールで反応させて得られるポリオール樹脂であり、か
つ、塩酸−ジオキサン法によりエポキシ基が検出されな
いポリオール樹脂を用いることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の画像形成
用黒色トナー」、(6)「エポキシ樹脂と、2価フェノ
ール類と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1
個有する化合物とを反応させた後、前記エポキシ樹脂の
第2級水酸基をモノカルボン酸またはそのエステル誘導
体、またはラクトン類でエステル化することによって得
られたポリオール樹脂を用いることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の画像形成
用黒色トナー」、(7)「エポキシ樹脂と、2価フェノ
ール類と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1
個有する化合物と、第1級アミンとを反応させて得られ
たポリオール樹脂を用いることを特徴とする第(1)項
乃至第(6)項のいずれか1に記載の画像形成用黒色ト
ナー」、(8)「エポキシ樹脂と、2価フェノール類
と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有す
る化合物と、第1級アミンとを反応させた後、前記エポ
キシ樹脂の第2級水酸基をモノカルボン酸又はそのエス
テル誘導体又はラクトン類でエステル化することによっ
て得られたポリオール樹脂を用いることを特徴とする前
記(1)項乃至第(7)項のいずれか1に記載の画像形
成用黒色トナー」、(9)「主鎖にエポキシ樹脂部とア
ルキレンオキサイド部を有し、樹脂末端が不活性である
ポリオール樹脂を用いることを特徴とする前記第(1)
項乃至第(8)項のいずれか1に記載の画像形成用黒色
トナー」、(10)「エポキシ樹脂と、2価フェノール
のアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジル
エーテルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に
2個以上有する化合物と、エポキシ基と反応する活性水
素を分子中に1個有する化合物とを反応させることによ
って得られたポリオール樹脂を用いることを特徴とする
前記第(1)項乃至(9)項のいずれか1に記載の画像
形成用黒色トナー」、(11)「ポリオール樹脂を構成
する2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物のグ
リシジルエーテルが、ビスフェノールAのアルキレンオ
キサイド付加物のジグリシジルエーテルで、かつ下記一
般式(1)で表わされることを特徴とする前記第(1)
項乃至第(10)項のいずれか1に記載の画像形成用黒
色トナー、
【0012】
【化2】 n、mは繰り返し単位の数であり、それぞれ1以上であ
って、n+m=2〜6である。)」(12)「エポキ
シ樹脂と、2価フェノールと、2価フェノールのア
ルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエー
テルとを反応させることによって得られる、主鎖にエポ
キシ樹脂部とアルキレンオキサイド部を有するポリオー
ル樹脂であり、かつMw/Mnが4〜10のポリオール
樹脂を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(11)項のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナ
ー」、(13)「前記成分が、前記ポリオール樹脂に
対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする
前記第(12)項に記載の画像形成用黒色トナー」、
(14)「前記成分が、前記成分に対して、10〜
50wt%であることを特徴とする前記第(12)項に
記載の画像形成用黒色トナー」、(15)「ポリオール
樹脂を構成するエポキシ樹脂が、数平均分子量の相違す
る少なくとも2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂
であるポリオール樹脂を用いることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(14)項のいずれか1に記載の画像形
成用黒色トナー」、(16)「前記数平均分子量の相違
する少なくとも2種以上のビスフェノール型エポキシ樹
脂が、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000
であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10
000であることを特徴とする前記第(15)項に記載
の画像形成用黒色トナー」、(17)「前記数平均分子
量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂が、低分子量成分がポリオール樹脂に対し2
0〜50wt%、高分子量成分がポリオール樹脂に対し
5〜40wt%であることを特徴とする前記第(15)
項に記載の画像形成用黒色トナー」、(18)「エポキ
シ当量が20,000以上であるポリオール樹脂を用い
ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(17)項の
いずれか1に記載の画像形成用黒色トナー」、(19)
「軟化点が100℃〜130℃であるポリオール樹脂を
用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)
項のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナー」、(2
0)「融点が70〜100℃の離型剤を用いることを特
徴とする前記第(1)項乃至第(19)項のいずれか1
に記載の画像形成用黒色トナー」によって達成される。
【0013】また、上記課題は、本発明の(21)「像
担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリア粒
子よりなる電子写真用現像剤によって現像する画像形成
方法であって、トナーが前記第(1)項乃至第(20)
項のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナーであるこ
とを特徴とする画像形成方法」によって達成される。
【0014】また、上記課題は、本発明の(22)「像
担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリア粒
子よりなる電子写真用現像剤によって現像する画像形成
装置であって、トナーが前記第(1)項乃至第(20)
項のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナーであるこ
とを特徴とする画像形成装置」によって達成される。
【0015】本発明では、バインダー樹脂の構造を、ポ
リエステル樹脂とポリオール樹脂中とが、お互い非相溶
で海島状の相分離構造を形成する構造とすることが必要
である。ここで、海島状の相分離構造とは2種以上の樹
脂相が混じり合わずにそれぞれ分散された状態をいい、
連続相である海状の樹脂にもう一方の樹脂が島状に存在
することを意味する。かかる相分離構造を形成すること
により、連続相からなるものと異なり、それぞれの相、
すなわち樹脂の異なった特性が発揮され、低温定着性と
定着温度範囲の確保や、熱保存性および粉砕性の向上が
可能となる。相分離構造を形成しない場合は、連続相か
らなる樹脂の中間の特性を示し、このような効果は得ら
れない。また、相分離構造を形成することにより、異な
る樹脂間の界面を形成を防止し、界面での光の屈折によ
る透明性の悪化を図ることにより、黒トナーによる着色
面の隠ぺい力を向上させることができる。相分離構造の
存在は、透過型電子顕微鏡(TEM)によりトナー粒子
断面を観察することにより確認できる。
【0016】ポリエステル樹脂とポリオール樹脂とを用
いて相分離構造を形成にするには、ポリエステル樹脂と
ポリオール樹脂のSP値(溶解性パラメーター)の差が
0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望まし
い。なお、本発明で用いられる樹脂のSP値δは、Hild
ebrand-Scatchaedの溶液理論において次式で定義され
る。
【0017】
【数1】δ=(△Ev/V)1/2 ここで△Eは蒸発エネルギー、Vは分子容、△Ev/V
は凝集エネルギー密度を示す。
【0018】SP値の求め方は各種あるが、本発明では
主にモノマー組成からFedorらの方法を用いて計算によ
り求めた値を用いた。
【0019】
【数2】SP値=(Σ△ei/Σ△vi)1/2 ここで△eiは原子または原子団の蒸発エネルギー、△
viは原子または原子団のモル体積である。
【0020】ポリエステル樹脂とポリオール樹脂との比
率はポリエステル樹脂とポリオール樹脂からなるバイン
ダー樹脂100重量部に対してポリオール樹脂が10〜
90重量部、好ましくは20〜80重量部である。ポリ
オール樹脂が20重量部未満の場合は低温定着性および
粉砕性が悪化し、90重量部超過の場合はホットオフセ
ット性が悪化する傾向が見られる。
【0021】また、ポリエステル樹脂の軟化点はポリオ
ール樹脂の軟化点より高いことが必要である。ポリエス
テル樹脂の高軟化点で定着温度範囲を確保し、ポリオー
ル樹脂の低軟化点により低温定着化を図っている。さら
に、ポリオール樹脂の低分子量により粉砕性確保を図っ
ている。したがって、ポリエステル樹脂の軟化点がポリ
オール樹脂の軟化点と同じであったり、逆である(ポリ
オール樹脂のほうが高い)場合、このような効果は得ら
れない。定着温度幅の広いトナーを得るためには、ポリ
エステル樹脂の軟化点は120〜150℃、好ましくは
130〜150℃である。ポリエステル樹脂の軟化点が
120℃未満ではホットオフセット性が悪化し、150
℃より高い場合は低温定着性が悪化する傾向がみられ
る。また、同様に、ポリオール樹脂の軟化点は90〜1
30℃、好ましくは100〜130℃である。90℃未
満ではホットオフセット性および熱保存性が悪化し、1
30℃より高い場合は低温定着性が悪化する傾向がみら
れる。なお、軟化点の測定はJIS K6863―19
94(ホットメルト接着剤の軟化点試験方法)に準じて
測定した。
【0022】また、本発明で用いられるポリエステル樹
脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得ら
れる。使用されるアルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール等のグリコール類、1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビ
スフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その
他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール
単量体を挙げることができる。また、カルボン酸として
は、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の
有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレン
トリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシ
プロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸
等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることがで
きる。
【0023】ポリエステル樹脂のTHF不溶分は5〜6
0重量%が好ましく、更に好ましくは、10〜50重量
%が好ましい。THF不溶分はポリエステル樹脂をTH
Fに溶解し、不溶分を250メッシュの金網でろ過して
分離し、その割合を測定したものである。THF不溶分
が5重量%未満の場合ホットオフセット性が悪化し、6
0重量%より高い場合低温定着性が悪化する傾向がみら
れる。
【0024】本発明では、化学的、生化学的に安定安全
で環境安定性に優れ、かつ塩化ビニル系樹脂シートへの
画像転移のないトナーを得るため、エポキシ樹脂のエポ
キシ基と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1
個有する化合物とを反応せしめたポリオール樹脂を作
り、これをバインダー樹脂として用いる。
【0025】エポキシ樹脂は1分子中に2個のエポキシ
基を有し、これらは分子鎖の末端に位置している。この
両端のエポキシ基と、エポキシ基と反応する活性水素を
分子中に1個有する化合物とを反応させ、エポキシ基を
開環し化合物と結合した状態にすることにより、化学的
に安定で生物学的に安全で、環境特性の優れたポリオー
ル樹脂を得ることができる。
【0026】本発明で用いられるエポキシ基と反応する
活性水素を分子中に1個有する化合物としては、1価フ
ェノール類、2級アミン類、カルボン酸類があり、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。このう
ち、1価のフェノール類を反応させるのが反応安定性の
点で最も好ましい。
【0027】1価フェノール類としては、フェノール、
クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノ
ール、p−クミルフェノール等が挙られ、通常炭素数が
6〜40のものが好ましい。2級アミン類としては、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N
−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジンなどが挙げ
られる。1価カルボン酸類として酢酸、プロピオン酸、
カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アクリル酸、オレイオン酸、マーガ
リン酸、アラギン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒマシ
油脂肪酸、トール油脂肪酸等が挙られ、通常炭素数6〜
25のものが好ましい。
【0028】本発明で用いられるエポキシ樹脂は、好ま
しくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフ
ェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたビス
フェノール型エポキシ樹脂である。このようなエポキシ
樹脂の市販品としては、エポミックR301、エポミッ
クR302、エポミックR304、エポミックR304
P、エポミックR307、エポミックR309、エポミ
ックR362、エポミックR363、エポミックR36
4、エポミックR365、エポミックR366、エポミ
ックR367(以上、三井石油化学工業(株)製)等が
ある。
【0029】さらに、液状エポキシ樹脂類とビスフェノ
ール類との重付加反応で得られる任意の軟化点のエポキ
シ樹脂等もある。液状エポキシ樹脂の市販品としては、
エポミックR140、エポミックR139、エポミック
R140P(以上、三井石油化学工業(株)製)等があ
り、ビスフェノール類としてはビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD等がある。
【0030】本発明では、ポリエステル樹脂との組み合
わせによって低温定着が行なえ、かつ、ホットオフセッ
ト性の優れたトナーを得ることのできるポリオール樹脂
を得るために、エポキシ樹脂をシリコンゴムのように柔
軟化又は可撓化することによって得たポリオール樹脂を
バインダー樹脂として用いる。エポキシ樹脂に弾性成分
を導入して海島構造による柔構造を付与することより柔
軟化又は可撓化した変性エポキシ樹脂(ポリオール樹
脂)を得ることができる。ここでエポキシ樹脂に導入さ
れる弾性成分はエポキシ樹脂の第2級水酸基をエステル
化することにより導入する。用いるエステル化剤として
は、1価カルボン酸類、1価カルボン酸エステル誘導体
類、ラクトン類を挙げることができる。この場合、エス
テル化率によって変性エポキシ樹脂の軟化点を変化させ
ることができるが、本発明ではこのエステル化率は3〜
20重量%程度が好ましい。3重量%未満では充分な柔
軟性又は可撓性が得られず、また20%を越えると、得
られる変性エポキシ樹脂の軟化点が低くなり過ぎて定着
性に問題が生じる。
【0031】以上の説明から判るように、本発明のポリ
オール樹脂の軟化点は母材であるエポキシ樹脂、エステ
ル化剤及びエステル化率の3要素によって決定され、ま
たそれら要素の組み合わせによってトナーの定着特性を
設定することが可能である。エステル化剤の具体例とし
ては、1価カルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、カ
プリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、アクリル酸、オレイン酸、マーガリン
酸、アラギン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒマシ油脂
肪酸、トール油脂肪酸等が挙げられ、特に炭素数6〜2
0のものが好ましい。また1価カルボン酸エステル誘導
体の具体例としては、上記カルボン酸の低級アルキルエ
ステルなどであり、メチルエステル、エチルエステルが
好ましい。またラクトン類の具体例としては、β−プロ
ピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトン等が挙げられ、特にγ−ブチロラクトン、
ε−カプロラクトンが好ましい。なお、これらエステル
化剤はエポキシ樹脂に含まれる水酸基数に対応するモル
数で使用される。
【0032】本発明では、帯電が安定し、他樹脂との相
溶性がよく染顔料の分散の良いトナーを得るために、エ
ポキシ樹脂を、第1級アミンと、エポキシ基と反応する
活性水素を分子中に2個以上有する化合物とで反応させ
鎖長延長し、樹脂分子内にアミンを導入した変性エポキ
シ樹脂を作りこれをバインダー樹脂として用いる。
【0033】本発明によるポリオール樹脂の基本骨格
は、エポキシ樹脂を第1級アミン類とエポキシ基と反応
する活性水素を分子中に2個以上有する化合物とで反応
させ鎖長延長したものである。この樹脂分子中へのアミ
ンの導入により、ポリオール樹脂に正極性帯電サイトを
導入しポリオール樹脂の正帯電性もしくは負帯電性を制
御し、安定化させることが可能となる。また、本発明で
得られた正帯電性ポリオール樹脂は、帯電制御剤添加や
窒素含有ポリマーのブレンド等で得られた正帯電性樹脂
に比較し、帯電の安定性が著しく向上し耐久性も充分あ
る。また導入量により帯電レベルを任意に設定すること
が可能である。さらに長鎖アルキル基を持つ第1級アミ
ンの導入で、本発明のポリオール樹脂はくし形構造を形
成することから、染顔料の分散性が向上し他樹脂との相
溶性も向上する。
【0034】本発明で用いられる第1級アミンの具体例
としては、脂肪族第1級アミン類としてプロピルアミ
ン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、
ラウリルアミン、ステアリルアミン、パルミチルアミ
ン、オレイルアミンなどであり、好ましくは炭素数6個
〜20個のものである。また、芳香族第1級アミン類と
してはアニリン、トルイジン、キシリジン、クミジン、
ヘキシルアニリン、ノニルアニリン、ドデシルアニリン
などであり、好ましくはアニリンのベンゼン核に炭素数
3個ないし20個アルキル基が結合した化合物である。
導入されるアミン量はエポキシ樹脂100重量部に対し
0.01〜1.00重量部である。
【0035】本発明で用いられるエポキシ基と反応する
活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2
価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類
が挙げられる。2価フェノールとしてはビスフェノール
AやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられ
る。また、多価フェノール類としてはオルソクレゾール
ノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−
(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示さ
れる。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメ
リット酸が例示される。このうち、2価のフェノールを
反応させるのが反応安定性の点で最も好ましい。
【0036】この様に末端エポキシ基の開環反応、主鎖
中へのアミン導入、及びエポキシ樹脂のエステル化とい
う3種の変性を合わせて行なうことにより、前記諸目的
を達成することができる。なお個々の変性が他の変性に
より得られる効果を何ら阻害することはない。
【0037】本発明では、化学的、生化学的に安定安全
で環境安定性に優れ、かつ塩化ビニル系樹脂シートへの
画像転移のないトナーを得るためエポキシ樹脂部の末端
エポキシ基をキャッピングするとともに、優れた定着特
性を得るため弾性成分として主鎖にポリオキシアルキレ
ン部をもつポリオール樹脂を合成し、これをバインダー
樹脂として用いる。
【0038】主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキサ
イド部を有するポリオール樹脂を得るためには、種々の
原材料組合せが可能ではある。例えば、両末端グリシジ
ル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノ
ールのアルキレンオキサイド付加物をジハライドやジイ
ソシアネート、ジアミン、ジチオール、多価フェノー
ル、ジカルボン酸と反応させることにより得ることがで
きる。
【0039】このうち、2価のフェノールを反応させる
のが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化しな
い範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フ
ェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェノ
ール類、多価カルボン酸類の量は全量に対し15%以
下、好ましくは10%以下である。
【0040】2価フェノールのアルキレンオキサイド付
加物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフ
ェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの
反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピクロロ
ヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル
化して用いてもよい。特に下記一般式(1)で表わされ
るビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ
グリシジルエーテルが好ましい。
【0041】
【化3】 n、mは繰り返し単位の数であり、それぞれ1以上であ
って、n+m=2〜6である。)
【0042】本発明において、該主鎖のポリオキシアル
キレン部の同定は、NMR法によって行なった。ポリオ
ール樹脂の分子量分布を示すMw/Mnは4〜10であ
り、好ましくは5〜8のものである。Mw/Mnが4よ
り小さい場合はオイルローラーやオイル塗布フェルトの
ような簡易オイル塗布タイプの定着装置でオフセットが
生じ易く、実質的に定着温度幅が得られない。また10
より高い場合は、充分な画像光沢が得られない。
【0043】ポリオール樹脂に対して、2価フェノール
のアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジル
エーテルが10〜40wt%入っていれば、安定した光
沢がありかつ光沢ムラのない、色の鮮明な画像が得ら
れ、かつ定着温度幅の広いトナーが得られる。10wt
%未満の場合はカールが増す等の不具合が生じ、40w
t%より多いと光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪
化の可能性がある。
【0044】2価フェノールのアルキレンオキサイド付
加物もしくはそのグリシジルエーテルが、前記ポリオー
ル樹脂中に、エポキシ樹脂に対して10〜50重量%入
っていれば、安定した光沢がありかつ光沢ムラのない、
色の鮮明な画像が得られ、かつ定着温度幅の広いトナー
が得られる。10重量%より少ないと添加した効果が得
られず、50重量%より多いと光沢が出過ぎたり場合に
よっては保存性が悪化するなど悪影響を与える傾向にあ
る。
【0045】エポキシ樹脂は安定した定着特性や光沢を
得るために、数平均分子量の相違する少なくとも2種以
上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分
の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成
分の数平均分子量が3000〜10000であることが
好ましい。更に低分子量成分が20〜50wt%、高分
子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。低分
子量成分が前記範囲より多く含まれる場合、およびその
分子量が360より低い場合には熱保存性が悪化する傾
向がある。また、高分子量成分が前記範囲より多く含ま
れる場合、およびその分子量が10000より高い場合
には低温定着性が悪化する傾向がある。
【0046】前記ポリオール樹脂は、エポキシ基を有さ
ないものでエポキシ価20,000以上としたものを用
いれば粉砕性等の製造性の点で優れる。
【0047】また、本発明のトナーには、樹脂成分とし
て、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを含有すること
が有効である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは、
通常のカルナウバワックスから遊離脂肪酸を除いたもの
で、これによりトナー中への分散が小さくなり、優れた
離型効果を発揮する。特に、本トナーでは離型剤はポリ
オール樹脂中に分散することが好ましく、脱遊離脂肪酸
型カルナウバワックスは極めて均一に分散することがで
きる。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスのトナー中へ
の添加量は、2〜20重量%、好ましくは3〜10重量
%である。また、離型剤の軟化点は70〜100℃であ
れば保存性に優れたトナーが得られる。軟化点が70℃
よりも低いと保存安定性が悪化し、逆に、軟化点が10
0℃より高いと離型効果が損なわれる。
【0048】本発明において、トナー中の樹脂成分とし
て、ポリエステル樹脂、ポリオール以外の樹脂を、トナ
ーの性能を損なわない範囲で併用することもできる。こ
の場合の使用可能な樹脂としては、例えば次のようなも
のが挙げられる。ポリスチレン、クロロポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、スチレン/クロロスチレン共
重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブ
タジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、ス
チレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共
重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチ
レン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル
酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタク
リル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、
スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メ
タクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロ
ルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニト
リル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共
重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重
合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合
体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等。これ
らの樹脂は単独使用に限らず、二種以上併用することも
できる。また、これらの製造法も特に限定されるもので
はなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のい
ずれも利用できる。
【0049】本発明のトナーは、上記ポリエステル樹
脂、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、水添石油樹脂
等の樹脂成分の他に、必要に応じて着色剤、帯電制御
剤、他の離型剤、流動性改良剤などを配合することも可
能である。着色剤としては、例えばカーボンブラック、
ランプブラック、鉄黒、トリアリルメタン系染料等の染
顔料など、従来公知の染顔料を単独あるいは混合して使
用し得る。これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に
対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量
%である。
【0050】帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金
属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知の極
性制御剤を単独あるいは混合して使用できる。これらの
極性制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、0.1
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0051】脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス以外の
離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高
級アルコール、モンタン系エステルワックス、酸化ライ
スワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来
公知の離型剤を混合して使用できる。これらの離型剤の
使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20重量部、好
ましくは3〜10重量部である。
【0052】流動性改良剤としては、酸化ケイ素、酸化
チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリ
ウム等、従来公知の流動性改良剤を単独あるいは混合し
て使用できる。これらの流動性改良剤の使用量は、トナ
ー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜
2重量部である。
【0053】本発明のトナーの製造方法としては、従来
公知の方法でよく、ポリエステル樹脂、ポリオール樹
脂、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス等の樹脂成分、
その他必要に応じて着色剤、帯電制御剤等をミキサー等
で混合した後、熱二本ロールやエクストルーダーなどの
混練機にて溶融混練した後、冷却固化し、これをジェッ
トミル等の粉砕機で粉砕し分級する。その後必要に応
じ、流動性改良剤をミキサー等を用いて混合すればよ
い。
【0054】以下に図面を用いて、本発明の画像形成方
法について説明する。図1は画像形成装置の一例の断面
図である。ドラム状の像担持体(1)の周囲に、像担持
体帯電部材(2)、像露光系(3)、現像機構(4)、
転写機構(5)、クリーニング機構(6)、除電ランプ
(7)が配置されていて、以下の動作で画像形成を行な
う。
【0055】画像形成の一連のプロセスは、ネガ−ポジ
プロセスで説明を行なう。有機光導電層を有する感光体
(OPC)に代表される像担持体(1)は、除電ランプ
(7)で除電され、帯電チャージャーや帯電ローラーと
いった帯電部材(2)で均一にマイナスに帯電され、レ
ーザー光学系(3)より照射されるレーザー光で潜像形
成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より
低電位となる)が行なわれる。
【0056】レーザー光は半導体レーザーから発せられ
て、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等によ
り像担持体(1)の表面を像担持体(1)の回転軸方向
に走査する。このようにして形成された潜像が、現像機
構(4)にある現像剤担持体である現像スリーブ(4
1)上に供給されたトナー粒子及びキャリア粒子の混合
物からなる二成分現像剤により現像され、トナー可視像
が形成される。潜像の現像時には、電圧印加機構(図示
せず)から現像スリーブ(41)に、像担持体(1)の
露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧また
はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加され
る。
【0057】一方、転写媒体(例えば紙)(9)が、給
紙機構(図示せず)から給送され、上下一対のレジスト
ローラー(図示せず)で画像先端と同期をとって像担持
体(1)と転写部材(51)との間に給送され、トナー
像が転写される。このとき転写部材(51)には、転写
バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印
加されることが好ましい。その後転写媒体(9)は像担
持体(1)より分離された後、定着装置(8)を経て出
力画像として排出される。
【0058】また、像担持体上に残存するトナー粒子
は、クリーニング部材(61)にて、クリーニング機構
(6)内のトナー回収室(62)へ回収される。回収さ
れたトナー粒子は、トナーリサイクル手段(図示せず)
により現像部および/またはトナー補給部に搬送され、
再使用されても良い。
【0059】図2は、画像形成装置の現像装置主要部の
概略構成図である。潜像担持体である感光体ドラム(1
2)の側方に配設された現像機構(4)は、現像剤担持
体としての現像スリーブ(41)、現像剤収容部材(4
2)、規制部材としてのドクターブレード(43)、支
持ケース(44)等から主に構成されている。
【0060】感光体ドラム(12)側に開口を有する支
持ケース(44)には、内部にトナー(10)を収容す
るトナー収容部としてのトナーホッパー(45)が接合
されている。トナーホッパー(45)に隣接した、トナ
ー(10)とキャリア粒子とからなる現像剤(11)を
収容する現像剤収容部(46)には、トナー粒子(1
0)とキャリア粒子を撹拌し、トナー粒子に摩擦/剥離
電荷を付与するための、現像剤撹拌機構(47)が設け
られている。
【0061】トナーホッパー(45)の内部には、図示
しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段とし
てのトナーアジテータ(48)及びトナー補給機構(4
9)が配設されている。トナーアジテータ(48)及び
トナー補給機構(49)は、トナーホッパー(45)内
のトナー(10)を現像剤収容部(46)に向けて撹拌
しながら送り出す。
【0062】感光体ドラム(12)とトナーホッパー
(45)との間の空間には、現像スリーブ(41)が配
設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回
転駆動される現像スリーブ(41)は、キャリア粒子に
よる磁気ブラシを形成するために、その内部に現像機構
(4)に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手
段としての図示しない磁石を有する。
【0063】現像剤収容部材(42)の、支持ケース
(44)に取り付けられた側と対向する側には、規制部
材(ドクターブレード)(43)が一体的に取り付けら
れている。規制部材(ドクターブレード)(43)は、
その先端と現像スリーブ(41)の外周面との間に一定
の隙間を保った状態で配設されている。
【0064】上記構成により、トナーホッパー(45)
の内部からトナーアジテータ(48)、トナー補給機構
(49)によって送り出されたトナー(10)は、現像
剤収容部(46)へ運ばれ、現像剤撹拌機構(47)で
撹拌されることによって、所望の摩擦/剥離電荷が付与
され、キャリア粒子と共に現像剤(11)として、現像
スリーブ(41)に担持されて感光体ドラム(12)の
外周面と対向する位置まで搬送され、トナー(10)の
みが感光体ドラム(12)上に形成された静電潜像と静
電的に結合することにより、感光体ドラム(12)上に
トナー像が形成される。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下において示す部はいずれも重量基準である。 実施例1 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型
エポキシ樹脂250g、ビスフェノールA140g、フ
エノール28g、キシレン50mlを加え、N2雰囲気
下で70℃まで昇温し、1.8N塩化リチウム水溶液を
加え、その後185℃まで昇温し、途中減圧下で水、キ
シレンを留去した。減圧解除後、さらに5時間反応し、
軟化点109℃のポリオール樹脂(以下ポリオール樹脂
Aという)を得た。樹脂Aについて塩酸−ジオキサン法
によりエポキシ等量の測定を行なったところ、エポキシ
基の反応は見られず、樹脂A中にはエポキシ基が存在せ
ず、すべて開環されたことが確認された。
【0066】 〈トナーの作成〉 ポリエステル樹脂A(軟化点145℃) 60部 ポリオール樹脂A 40部 カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部 金属錯塩型染料 2部 上記の材料の混合物を160℃に加熱した2軸混練機を
用いて混練した。次に、ジェット粉砕機を用いて、上記
混練物をジェット粉砕後分級し、体積平均粒径10.5
μmのトナーを得た。このトナー100部に対し、酸化
ケイ素(R−972:日本アエロジル社製)0.5部を
ヘンシェルミキサーを用いて混合し、実施例1のトナー
を得た。
【0067】比較例1 〈トナーの作成〉ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹
脂B(軟化点143℃)に変更し、180℃に加熱した
2軸混練機を用いて混練した以外は実施例1と同様の方
法によりトナーを得た。
【0068】実施例2 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型
エポキシ樹脂250g、ビスフェノールA140g、フ
エノール28g、キシレン50mlを加え、N2雰囲気
下で70℃まで昇温し、1.8N塩化リチウム水溶液を
加え、その後185℃まで昇温し、途中減圧下で水、キ
シレンを留去した。減圧解除後、さらに5時間反応し、
軟化点148℃のポリオール樹脂(以下ポリオール樹脂
Bという)を得た。樹脂Bについて塩酸−ジオキサン法
によりエポキシ等量の測定を行なったところ、エポキシ
基の反応は見られず、樹脂B中にはエポキシ基が存在せ
ず、すべて開環されたことが確認された。
【0069】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Bに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0070】実施例3 〈トナーの作成〉ポリエステル樹脂Aの処方量を10
部、ポリオール樹脂Aの処方量を90部に変更した以外
は実施例1と同様の方法によりトナーを得た。
【0071】実施例4 〈トナーの作成〉ポリエステル樹脂Aの処方量を90
部、ポリオール樹脂Aの処方量を10部に変更した以外
は実施例1と同様の方法によりトナーを得た。
【0072】実施例5 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aのかわりにビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂を用いた他は実施例1と同様の
処方でトナーを混練した。ここで、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂について塩酸−ジオキサン法によりエポキ
シ等量の測定を行なったところ、エポキシ基の反応が見
られ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂中にはエポキシ
基が存在することが確認された。
【0073】実施例1〜5、比較例1のトナーについ
て、分散状態、低温定着性、耐オフセット性、塩化ビニ
ル系樹脂シートへの画像転移性の評価を行ない、その結
果を表1にまとめた。
【0074】〈SP値差の評価方法〉SP値の求め方は
各種あるが、本発明では主にモノマー組成からFedorら
の方法を用いて計算により求めた値を用いた。
【0075】
【数3】SP値=(Σ△ei/Σ△vi)1/2 ここで△eiは原子または原子団の蒸発エネルギー、△
viは原子または原子団のモル体積である。この式から
ポリエステル樹脂とポリオール樹脂のSP値を求め、S
P値差を算出した。
【0076】〈トナーの分散状態の評価方法〉トナー粒
子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムに
より染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約
10000倍で観察を行ない、写真撮影をした。この写
真を画像評価することによりトナー中のポリエステル樹
脂とポリオール樹脂との相分離構造の有無を確認した。
【0077】〈低温定着性の評価方法〉トナー3.0部
とシリコーンコートキャリア97.0部で二成分現像剤
を調整し、イマジオMF530(リコー社製複写機)に
て定着温度を変え、マクベス濃度計による画像濃度が
1.2となるようなコピー画像を得た。各温度のコピー
画像を砂消しゴムを装着したクロックメーターにより1
0回擦り、その前後の画像濃度を測定し、下記式にて定
着率を求めた。 (砂消しゴム10回後の画像濃度)/(前の画像濃度)×1
00=定着率(%) 定着率70%以上を達成する温度を、定着下限温度とす
る。従来トナーの定着下限温度は140〜150℃程度
である。定着下限温度に基づく低温定着性の判定基準は
次の通りである。 ◎130℃以下 ○131℃〜140℃ □141℃〜150℃ △151℃〜160℃ ×161℃以上
【0078】〈耐オフセット性の評価方法〉トナー3.
0部とシリコーンコートキャリア97.0部で二成分現
像剤を調整し、イマジオMF530(リコー社製複写
機、但しシリコーンオイル塗布機能は取り外したもの)
にて定着温度を変え、画像上のホットオフセットの発生
を確認する。ホットオフセット発生温度に基づく耐オフ
セット性の判定基準は次の通りである。 ◎201℃以上 ○200℃〜191℃ □190℃〜181℃ △180℃〜171℃ ×170℃以下
【0079】〈塩化ビニル系樹脂シートへの画像転移性
の評価方法〉定着画像を塩化ビニル系樹脂シートに密着
させ常温で180時間放置する保存試験を行ない、この
シートへのトナー移転の有無を確認した。
【0080】
【表1】
【0081】実施例6 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型
エポキシ樹脂200g、ビスフェノールA110g、p
−クミルフエノール20g、キシレン50mlを加え、
2雰囲気下で70℃まで昇温し、5N塩化リチウム水
溶液を加え、その後185℃まで昇温し、途中減圧下で
キシレンを留去した。減圧解除後、さらに5時間反応
し、ε−カプロラクトン17gを加え、さらに6時間反
応し、軟化点109℃のポリオール樹脂(以下ポリオー
ル樹脂Cという)を得た。樹脂Cについて塩酸−ジオキ
サン法によりエポキシ当量の測定を行なったところ、エ
ポキシ基の反応は見られず、樹脂C中にはエポキシ基が
存在せず、すべて開環されたことが確認された。
【0082】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Cに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0083】実施例7 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型
エポキシ樹脂250g、ビスフェノールA130g、p
−クミルフェノール29g、キシレン50mlを加え、
2雰囲気下で70℃まで昇温し、5N塩化リチウム水
溶液を加え、その後150℃まで昇温し、途中減圧下で
水、キシレンを留去した。減圧を解除し、ステアリルア
ミン12gを加え、185℃で5時間反応し、軟化点1
09℃、N含有量0.14重量%のポリオール樹脂(以
下ポリオール樹脂Dという)を得た。樹脂Dについて塩
酸−ジオキサン法によりエポキシ当量の測定を行なった
ところ、エポキシ基の反応は見られず、樹脂D中にはエ
ポキシ基が存在せず、すべて開環されたことが確認され
た。
【0084】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Dに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0085】実施例8 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型
エポキシ樹脂2000g、ビスフェノールA1082
g、p−クミルフェノール150g、キシレン250m
lを加え、N2雰囲気下で70℃まで昇温し、5N塩化
リチウム水溶液を加え、その後185℃まで昇温し、途
中減圧下で水、キシレンを留去した。減圧解除後、ステ
アリルアミン96gを加え、185℃で5時間反応し
た。その後、ε−カプロラクトン175gを加え、さら
に6時間反応し、軟化点109℃、N含有量0.14重
量%のポリオール樹脂(以下ポリオール樹脂Eという)
を得た。
【0086】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Eに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0087】実施例6〜8のトナーについて、分散状
態、低温定着性、耐オフセット性、塩化ビニル系樹脂シ
ートへの画像転移性、帯電の環境安定性の評価を行な
い、その結果を表2にまとめた。
【0088】〈帯電の環境安定性評価方法〉10℃、2
0%相対湿度(RH)の低温低湿室、および30℃、9
0%RHの高温高湿室において、イマジオMF4570
(リコー社製複写機)を用いてそれぞれ1万枚の複写テ
ストを行ない、1万枚複写後のトナー濃度をほぼ2.5
%としたときのトナー帯電量の値をブローオフ法により
測定し、以下の式により帯電の環境変動率を求めた。 (低温低湿帯電量―高温高湿帯電量)/((低温低湿帯
電量+高温高湿帯電量)/2)×100 帯電の環境変動率に基づく環境安定性の判定基準は次の
通りである。 ◎20%以下 ○20%〜40% □40%〜60% △60%〜80% ×80%以上
【0089】
【表2】
【0090】実施例9 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)20
3.0g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)58.0g、ビスフェノール
A型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前
記一般式(1)においてn+m:約2.2〕462.0
g、ビスフェノールF254.6g、p−クミルフェノ
ール22.4g、キシレン200gをセパラブルフラス
コに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温
し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃ま
で昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温
度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、Tg59
℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリオール
樹脂Fという)。
【0091】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Fに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0092】実施例10 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約460)43
0.0g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)188.0g、ビスフェノー
ルA型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:約5.9〕11
6.0g、ビスフェノールF209.2g、p−クミル
フェノール56.8g、キシレン200gをセパラブル
フラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃ま
で昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に16
0℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の
反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点107℃、T
g57℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリ
オール樹脂Gという)。
【0093】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Gに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0094】実施例11 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)48
0.2g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)287.0g、ビスフェノー
ルA106.8g、p−クミルフェノール126.0
g、キシレン200gをセパラブルフラスコに仕込ん
だ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リ
チウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し、
減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜
9時間重合させて、軟化点111℃、Tg59℃のポリ
オール樹脂1000gを得た(以下ポリオール樹脂Hと
いう)。
【0095】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Hに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0096】実施例12 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)43
8.1g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約3000)54.0g、ビスフェノール
A型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前
記一般式(1)においてn+m:約1.9〕108.0
g、ビスフェノールAD347.90g、p−クミルフ
ェノール51.9g、キシレン200gをセパラブルフ
ラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで
昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160
℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去し、180℃の
反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、T
g59℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリ
オール樹脂Iという)。
【0097】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Iに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0098】実施例13 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)24
4.5g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)188.0g、ビスフェノー
ルA型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:約7.9〕34
8.0g、ビスフェノールAD169.9g、p−クミ
ルフェノール49.6g、キシレン200gをセパラブ
ルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃
まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に1
60℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃
の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、
Tg59℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポ
リオール樹脂Jという)。
【0099】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Jに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0100】実施例14 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)41
1.9g、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加
体のジグリシジル化物〔前記一般式(1)においてn+
m:約3.8〕350.0g、ビスフェノールA19
9.2g、p−クミルフェノール38.9g、キシレン
200gをセパラブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気
下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1
83g加え、更に160℃まで昇温し、減圧下でキシレ
ンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させ
て、軟化点113℃、Tg58℃のポリオール樹脂10
00gを得た(以下ポリオール樹脂Kという)。
【0101】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Kに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0102】実施例15 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約340)43
8.1g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約3000)54.0g、ビスフェノール
A型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物〔前
記一般式(1)においてn+m:約2.2〕108.0
g、ビスフェノールAD347.90g、p−クミルフ
ェノール51.9g、キシレン200gをセパラブルフ
ラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで
昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160
℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去し、180℃の
反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点112℃、T
g59℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリ
オール樹脂Lという)。
【0103】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Lに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0104】実施例16 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2400)2
89.9g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(数平均分子量:約10000)232.0g、ビスフ
ェノールA型エチレンオキサイド付加物のジグリシジル
化物〔前記一般式(1)においてn+m:約6.0〕3
09.0g、ビスフェノールAD117.5g、p−ク
ミルフェノール51.6g、キシレン200gをセパラ
ブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100
℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に
160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180
℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点116
℃、Tg61℃のポリオール樹脂1000gを得た(以
下ポリオール樹脂Mという)。
【0105】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Mに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0106】実施例17 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)37
8.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノール
A型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:約2.1〕19
1.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミル
フェノール70.1g、キシレン200gを加えた。N
2雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウム
を0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下で
キシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重
合させて、軟化点109℃、Tg58℃のポリオール樹
脂1000gを得た(以下ポリオール樹脂Nという)。
【0107】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Nに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0108】実施例18 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2000)2
17.6g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(数平均分子量:約11000)223.0g、ビスフ
ェノールA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジ
ル化物〔前記一般式(1)においてn+m:約6.0〕
385.0g、ビスフェノールF109.6g、p−ク
ミルフェノール64.7g、キシレン200gをセパラ
ブルフラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100
℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に
160℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去し、18
0℃の反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点118
℃、Tg62℃のポリオール樹脂1000gを得た(以
下ポリオール樹脂Oという)。
【0109】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Oに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0110】実施例19 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約400)15
6.1g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)350.0g、ビスフェノー
ルA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:4.0〕230.
0g、ビスフェノールA119.7g、p−クミルフェ
ノール144.1g、キシレン200gをセパラブルフ
ラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで
昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160
℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反
応温度で6〜9時間重合させて、軟化点114℃、Tg
60℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリオ
ール樹脂Pという)。
【0111】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Pに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0112】実施例20 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約680)52
8.7g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)218.0g、ビスフェノー
ルA型エチレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:約3.8〕21.
0g、ビスフェノールA92.3g、p−クミルフェノ
ール140.0g、キシレン200gをセパラブルフラ
スコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇
温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃
まで昇温し、減圧下でキシレンを留去し、180℃の反
応温度で6〜9時間重合させて、軟化点114℃、Tg
60℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリオ
ール樹脂Qという)。
【0113】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Qに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0114】実施例21 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)21
5.3g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約3000)44.0g、ビスフェノール
A型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:約2.2〕43
2.0g、ビスフェノールF282.7g、p−クミル
フェノール26.0g、キシレン200gをセパラブル
フラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃ま
で昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に16
0℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の
反応温度で6〜9時間重合させて、軟化点109℃、T
g58℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリ
オール樹脂Rという)。
【0115】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Rに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0116】実施例22 〈ポリオール樹脂の作成〉撹拌装置、温度計、N2導入
口、冷却管付セパラブルフラスコに、低分子ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約400)20
6.1g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数
平均分子量:約6500)450.0g、ビスフェノー
ルA型プロピレンオキサイド付加体のジグリシジル化物
〔前記一般式(1)においてn+m:4.0〕230.
0g、ビスフェノールA119.7g、p−クミルフェ
ノール144.1g、キシレン200gをセパラブルフ
ラスコに仕込んだ。N2雰囲気下で70〜100℃まで
昇温し、塩化リチウムを0.183g加え、更に160
℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反
応温度で6〜9時間重合させて、軟化点114℃、Tg
60℃のポリオール樹脂1000gを得た(以下ポリオ
ール樹脂Sという)。
【0117】〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Aをポリ
オール樹脂Sに変更した以外は実施例1と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0118】実施例9〜22のトナーについて、分散状
態、低温定着性、耐オフセット性、塩化ビニル系樹脂シ
ートへの画像転移性、熱保存性の評価を行ない、その結
果を表3にまとめた。
【0119】〈熱保存性の評価〉ガラス容器にトナーを
充填し、50℃の恒温槽にて24時間放置する。このト
ナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K223
5−1991)にて針入度を測定する。この値が大きい
トナー程、熱に対する保存性が優れている。この値が5
mm以下の場合は、使用上問題が発生する可能性が高
い。針入度に基づく熱保存性の判定基準は次の通りであ
る。 ◎貫通 ○25mm以上 □20〜25mm △15〜20mm ×15mm未満
【0120】
【表3】
【0121】 実施例23 〈トナーの作成〉 ポリエステル樹脂A(軟化点145℃) 60部 ポリオール樹脂T 40部 (Mn:4200、Mw/Mn:6.2、 アルキレンオキサイド付加物:20重量部、 アルキレンオキサイド付加物/エポキシ樹脂:38重量
%、 Tg:61℃、軟化点:120℃、エポキシ当量:20
000以上) 主鎖のポリオキシアルキレン部については、NMRにて
確認した。 カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 4.5部 金属錯塩型染料 2部 カルナウバワックス(エステルワックス、融点:約82℃) 3部 黒色顔料(カーボンブラック) 4.5部
【0122】上記の材料の混合物を160℃に加熱した
2軸混練機を用いて混練した。次に、ジェット粉砕機を
用いて、上記混練物をジェット粉砕後分級し、体積平均
粒径10.5μmのトナーを得た。このトナー100部
に対し、酸化ケイ素(R−972:日本アエロジル社
製)0.5部をヘンシェルミキサーを用いて混合し、実
施例23のトナーを得た。
【0123】実施例24 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Tをポリオール樹脂U
(Mn:5200、Mw/Mn:9.8、アルキレンオ
キサイド付加物:20重量部、アルキレンオキサイド付
加物/エポキシ樹脂:38重量%、Tg:61℃、軟化
点:121℃、エポキシ当量:20000以上、主鎖の
ポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認し
た。)に変更した以外は実施例23と同様の方法により
トナーを得た。
【0124】実施例25 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Uをポリオール樹脂V
(Mn:3600、Mw/Mn:3.5、アルキレンオ
キサイド付加物:20重量部、アルキレンオキサイド付
加物/エポキシ樹脂:38重量%、Tg:58℃、軟化
点:110℃、エポキシ当量:20000以上、主鎖の
ポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認し
た。)に変更した以外は実施例24と同様の方法により
トナーを得た。
【0125】実施例26 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Vをポリオール樹脂W
−1(Mn:6600、Mw/Mn:11.0、アルキ
レンオキサイド付加物:20重量部、アルキレンオキサ
イド付加物/エポキシ樹脂:38重量%、Tg:58
℃、軟化点:122℃、エポキシ当量:20000以
上、主鎖のポリオキシアルキレン部については、NMR
にて確認した。)に変更した以外は実施例25と同様の
方法によりトナーを得た。
【0126】実施例27 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂W−1をポリオール樹
脂X−1(Mn:4700、Mw/Mn:5.0、アル
キレンオキサイド付加物:2重量部、アルキレンオキサ
イド付加物/エポキシ樹脂:4重量%、Tg:62℃、
軟化点:118℃、エポキシ当量:20000以上、主
鎖のポリオキシアルキレン部については、NMRにて確
認した。)に変更した以外は実施例26と同様の方法に
よりトナーを得た。
【0127】実施例28 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂W−1をポリオール樹
脂X−2(Mn:6800、Mw/Mn:6.0、アル
キレンオキサイド付加物:41重量部、アルキレンオキ
サイド付加物/エポキシ樹脂:80重量%、Tg:62
℃、軟化点:118℃、エポキシ当量:20000以
上、主鎖のポリオキシアルキレン部については、NMR
にて確認した。)に変更した以外は実施例26と同様の
方法によりトナーを得た。
【0128】実施例29 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂X−1をポリオール樹
脂Y(Mn:3800、Mw/Mn:7.5、アルキレ
ンオキサイド付加物:25重量部、アルキレンオキサイ
ド付加物/エポキシ樹脂:48重量%、Tg:63℃、
軟化点:96℃、エポキシ当量:20000以上、主鎖
のポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認
した。)に変更した以外は実施例27と同様の方法によ
りトナーを得た。
【0129】実施例30 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Yをポリオール樹脂Z
(Mn:5200、Mw/Mn:7.5、アルキレンオ
キサイド付加物:25重量部、アルキレンオキサイド付
加物/エポキシ樹脂:48重量%、Tg:63℃、軟化
点:130℃、エポキシ当量:20000以上、主鎖の
ポリオキシアルキレン部については、NMRにて確認し
た。)に変更した以外は実施例29と同様の方法により
トナーを得た。
【0130】実施例31 〈トナーの作成〉ポリオール樹脂Zをポリオール樹脂W
−2(Mn:3300、Mw/Mn:6.5、アルキレ
ンオキサイド付加物:25重量部、アルキレンオキサイ
ド付加物/エポキシ樹脂:48重量%、Tg:61℃、
軟化点:118℃、エポキシ当量:1750、主鎖のポ
リオキシアルキレン部については、NMRにて確認し
た。)に変更した以外は実施例30と同様の方法により
トナーを得た。
【0131】実施例32 〈トナーの作成〉カルナウバワックスをホホバワックス
(エステルワックス、軟化点:約68℃)に変更した以
外は実施例23と同様の方法によりトナーを得た。
【0132】実施例33 〈トナーの作成〉カルナウバワックスをポリプロピレン
ワックス(三井石油化学製NP055:融点145℃)
に変更した以外は実施例23と同様の方法によりトナー
を得た。
【0133】実施例23〜33のトナーについて、分散
状態、低温定着性、耐オフセット性、塩化ビニル系樹脂
シートへの画像転移性、熱保存性、粉砕容易性の評価を
行ない、その結果を表4にまとめた。
【0134】〈粉砕容易性の評価〉平均粒径1mm以下
に破砕されている混練物を、日本ニューマティック社製
のIDS型粉砕機で粉砕したときの単位時間あたりの処
理量から粉砕容易性を求めた。単位時間あたりの処理量
が大きいほど粉砕が容易であり、トナーの生産性に優れ
る。単位時間あたりの処理量に基づく粉砕容易性の判定
基準は次の通りである。 ◎7kg/H以上 ○5〜7kg/H □3〜5kg/H △2〜3kg/H ×2kg/H未満
【0135】
【表4】
【0136】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、本発明のトナーにより、低温定着性と定着温
度範囲の確保し、かつ熱保存性、生化学的安全性、環境
安定性、帯電の安定性、粉砕性に優れ、アミン系洗顔
料、帯電防止剤等に含まれるアミン化合物とトナーバイ
ンダー樹脂中のエポキシ基との架橋反応による樹脂硬化
がなく、塩化ビニル系樹脂シートへの画像転移のない画
像形成用トナーおよびこのトナーを用いた画像形成方
法、画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる画像形成装置の一例の断面
図である。
【図2】本発明に用いられる画像形成装置の現像装置主
要部の概略構成図である。
【符号の簡単な説明】
1 像担持体 2 帯電部材 3 像露光系 4 現像機構 5 転写機構 6 クリーニング機構 7 除電ランプ 8 定着装置 9 転写媒体 10 トナー 11 現像剤 12 感光体ドラム 41 現像スリーブ 42 現像剤収容部材 43 規制部材(ドクターブレード) 44 支持ケース 45 トナーホッパー 46 現像剤収容部 47 現像剤撹拌機構 48 トナーアジテーター 49 トナー補給機構 51 転写部材 52 除電ブラシ 61 クリーニング部材 62 トナー回収室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 陽一郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山下 昌秀 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小番 昭宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 白石 桂子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 光輝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AB02 CA07 CA08 CA13 CA14 CA15 CB18 EA03 EA06 EA07 FA01

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤、離型剤およびバイン
    ダー樹脂を含有してなる画像形成用黒色トナーにおい
    て、前記バインダー樹脂がポリエステル樹脂とポリオー
    ル樹脂とからなり、しかもポリエステル樹脂とポリオー
    ル樹脂とがお互い非相溶で海島状の相分離構造をとるこ
    とを特徴とする画像形成用黒色トナー。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂とポリオール樹脂のS
    P値(溶解性パラメーター)の差が0.6以上であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像形成用黒色トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂の軟化点がポリオール
    樹脂の軟化点より高いことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の画像形成用黒色トナー。
  4. 【請求項4】 ポリオール樹脂の含有量が、バインダー
    樹脂成分100重量部に対して20〜80重量部である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の
    画像形成用黒色トナー。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂のエポキシ基を1価フェノ
    ールで反応させて得られるポリオール樹脂であり、か
    つ、塩酸−ジオキサン法によりエポキシ基が検出されな
    いポリオール樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂と、2価フェノール類と、
    エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化
    合物とを反応させた後、前記エポキシ樹脂の第2級水酸
    基をモノカルボン酸またはそのエステル誘導体、または
    ラクトン類でエステル化することによって得られたポリ
    オール樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂と、2価フェノール類と、
    エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化
    合物と、第1級アミンとを反応させて得られたポリオー
    ル樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  8. 【請求項8】 エポキシ樹脂と、2価フェノール類と、
    エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化
    合物と、第1級アミンとを反応させた後、前記エポキシ
    樹脂の第2級水酸基をモノカルボン酸又はそのエステル
    誘導体又はラクトン類でエステル化することによって得
    られたポリオール樹脂を用いることを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  9. 【請求項9】 主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキ
    サイド部を有し、樹脂末端が不活性であるポリオール樹
    脂を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    1に記載の画像形成用黒色トナー。
  10. 【請求項10】 エポキシ樹脂と、2価フェノールのア
    ルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエー
    テルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個
    以上有する化合物と、エポキシ基と反応する活性水素を
    分子中に1個有する化合物とを反応させることによって
    得られたポリオール樹脂を用いることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナ
    ー。
  11. 【請求項11】 ポリオール樹脂を構成する2価フェノ
    ールのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテ
    ルが、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物
    のジグリシジルエーテルで、かつ下記一般式(1)で表
    わされることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
    1に記載の画像形成用黒色トナー。 【化1】 n、mは繰り返し単位の数であり、それぞれ1以上であ
    って、n+m=2〜6である。)
  12. 【請求項12】 エポキシ樹脂と、2価フェノール
    と、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物も
    しくはそのグリシジルエーテルとを反応させることによ
    って得られる、主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキ
    サイド部を有するポリオール樹脂であり、かつMw/M
    nが4〜10のポリオール樹脂を用いることを特徴とす
    る請求項1乃至11のいずれか1に記載の画像形成用黒
    色トナー。
  13. 【請求項13】 前記成分が、前記ポリオール樹脂に
    対して10〜40wt%含まれていることを特徴とする
    請求項12に記載の画像形成用黒色トナー。
  14. 【請求項14】 前記成分が、前記成分に対して、
    10〜50wt%であることを特徴とする請求項12に
    記載の画像形成用黒色トナー。
  15. 【請求項15】 ポリオール樹脂を構成するエポキシ樹
    脂が、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビ
    スフェノール型エポキシ樹脂であるポリオール樹脂を用
    いることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に
    記載の画像形成用黒色トナー。
  16. 【請求項16】 前記数平均分子量の相違する少なくと
    も2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂が、低分子
    量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分
    子量成分の数平均分子量が3000〜10000である
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成用黒色ト
    ナー。
  17. 【請求項17】 前記数平均分子量の相違する少なくと
    も2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂が、低分子
    量成分がポリオール樹脂に対し20〜50wt%、高分
    子量成分がポリオール樹脂に対し5〜40wt%である
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成用黒色ト
    ナー。
  18. 【請求項18】 エポキシ当量が20,000以上であ
    るポリオール樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃
    至17のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  19. 【請求項19】 軟化点が100℃〜130℃であるポ
    リオール樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至1
    8のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナー。
  20. 【請求項20】 融点が70〜100℃の離型剤を用い
    ることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1に記
    載の画像形成用黒色トナー。
  21. 【請求項21】 像担持体上に形成された静電潜像をト
    ナー及びキャリア粒子よりなる電子写真用現像剤によっ
    て現像する画像形成方法であって、トナーが請求項1乃
    至20のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナーであ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  22. 【請求項22】 像担持体上に形成された静電潜像をト
    ナー及びキャリア粒子よりなる電子写真用現像剤によっ
    て現像する画像形成装置であって、トナーが請求項1乃
    至20のいずれか1に記載の画像形成用黒色トナーであ
    ることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501231A (ja) * 2007-10-24 2011-01-06 サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッド 活性水素含有基を持つ樹脂を利用したトナー及びその製造方法
JP2021173837A (ja) * 2020-04-23 2021-11-01 三笠産業株式会社 静電荷像現像用トナーおよびトナーカートリッジ

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JP2021173837A (ja) * 2020-04-23 2021-11-01 三笠産業株式会社 静電荷像現像用トナーおよびトナーカートリッジ
JP7141732B2 (ja) 2020-04-23 2022-09-26 三笠産業株式会社 静電荷像現像用トナーおよびトナーカートリッジ

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