JP2013109097A - 白色トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性よく白色トナーを製造することができ、さらに、耐高温オフセット性に優れ、転写抜けの発生が抑制された白色トナーが得られる方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤として酸化チタン粒子、及びシリカ粒子を含有する白色トナーの製造方法であって、工程1:結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程、工程2:得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び工程3:得られた混練物を粉砕し、分級する工程を含み、工程1における酸化チタン粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して25〜200重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して0.25〜4.5重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の個数平均一次粒子径が5〜20nmである、白色トナーの製造方法、並びに該方法により得られる電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる白色トナーの製造方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーに関する。
近年の電子写真技術の応用の広がりとともに、より表現性を向上させる需要が高まっている。例えば、白紙以外の色紙を用いたカラー印字や、フィルム上に印字することによる表現力の拡大である。白色トナーはそのような媒体に印字する際に色相を鮮明にするため下地に印字されたり、フィルムに対する反転画像の光反射層としてオーバーコートとして使用される。
また、トナーは多くの場合、着色剤と結着樹脂を主成分とする組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより製造される。従って、原料を均一に混合することができ、粉砕時に粗大粒子や微粉の発生が抑制され、粒子間で組成のばらつきが少なく、また、装置からの排出性にも優れた、生産性の高いトナーの製造方法が求められている。
特許文献1には、白色トナーにおいて、酸化アルミニウム及び/又は二酸化ケイ素を含有することで、隠蔽性をよくするために白色顔料の量を多くする場合でも、トナーの飛散性、耐候性が改良され、隠蔽特性の良好な白色複写画像が得られることが開示されている。
特許文献2では、少なくとも50重量部がポリエステル樹脂であるトナー樹脂、及び該トナー樹脂100重量部に対して65〜180重量部のルチル型TiO2を含んでなり、トナー樹脂と十分に混合されており、良好な定着性を有しそして長時間の印刷作業において安定した印刷結果を与える、高い隠蔽力を有する白色乾燥非―磁性トナー粒子が提案されている。
特許文献3では、静電荷像現像用トナーにおいて、無機微粒子をトナー粒子中に内部添加することで、ワックスの分散を細かく均一にすることが可能となり、粉体流動性が向上し、耐オフセット性が向上することが記載されている。
特開平1−105962号公報 特開2000−56514号公報 特開2002−72551号公報
しかしながら、白色トナーは酸化チタンのような白色顔料を多く含有するため、従来の白色トナーの製造には生産性に課題があり、トナーの耐高温オフセット性の向上や転写抜けの抑制に不十分である。
本発明の課題は、生産性よく白色トナーを製造することができ、さらに、耐高温オフセット性に優れ、転写抜けの発生が抑制された白色トナーが得られる方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂、着色剤として酸化チタン粒子、及びシリカ粒子を含有する白色トナーの製造方法であって、
工程1:結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程、
工程2:得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び
工程3:得られた混練物を粉砕し、分級する工程
を含み、工程1における酸化チタン粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して25〜200重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して0.25〜4.5重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の個数平均一次粒子径が5〜20nmである、
白色トナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の白色トナーの製造方法により得られる電子写真用トナー
に関する。
本発明の方法は、生産性、すなわちトナー原料混合物の混合機からの排出性、トナー原料の溶融混練物の粉砕性に優れる白色トナーの製造方法である。さらに、本発明の方法によって得られる電子写真用トナーは、耐高温オフセット性に優れ、転写抜けの発生が抑制される。
本発明は、結着樹脂と、着色剤として酸化チタン粒子と、シリカ粒子を含有する白色トナーの製造方法であって、
工程1:結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程、
工程2:得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び
工程3:得られた混練物を粉砕し、分級する工程
を含み、多量の酸化チタン粒子とともに、特定の粒径のシリカ粒子を少量添加している点に大きな特徴を有している。本発明の方法によって得られる電子写真用トナーは、耐高温オフセット性に優れ、転写抜けの発生が抑制されたものであるとともに、生産性にも優れるという効果を奏する。
その理由は定かではないが、特定の粒径を持つシリカ粒子を特定量添加することで、酸化チタン粒子の凝集性が低減され、トナー原料混合物中での酸化チタン粒子の分散性が向上し、混合機からの混合物の排出性が改善されるものと考えられる。さらに、溶融混練物中での酸化チタン粒子の分散性が向上することで、溶融混練物における粉砕基点が増加し、溶融混練物の粉砕性が改善されるものと考えられる。
また、特許文献3では、無機微粒子の内添効果は、トナー粒子の貯蔵弾性率を高め、トナー粒子にゴム弾性特性を付与し、粉体流動性を向上させるとしているが、本発明は酸化チタン粒子を多量に含み、シリカ粒子を少量添加しても貯蔵弾性率は向上しない。本発明では、トナー粒子中に酸化チタン粒子が均一に分散することで、トナー粒子内での熱伝導性が均等化し、局所的な過熱が起こりにくくなるため、耐高温オフセット性が向上し、さらに、局所的な電荷リークを防止できるため、転写抜けの発生が抑制されるものと考えられる。
[結着樹脂]
本発明に用いる結着樹脂は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、ポリエステルを含有することが好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、結着樹脂として、ポリエステルのみを用いることがさらに好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲において、ポリエステル以外の他の樹脂が含有されていてもよい。他の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明に用いるポリエステルは、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分とを重縮合することにより得られる。
2価のアルコール成分としては、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜15のジオール、式(I):
Figure 2013109097
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、及び水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。炭素数2〜20の2価のアルコールとして、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、及び水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
アルコール成分としては、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び粉砕性を向上させる観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらにより好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。具体的には、ソルビトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2価のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜10のジカルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは炭素数4〜10の3価以上の多価カルボン酸、及びそれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられる。具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられる。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルの酸価を低減する観点から、0.70〜1.10が好ましく、0.80〜1.00がより好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で重縮合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.005〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
ポリエステルは、結晶性ポリエステル、非晶質ポリエステルのいずれも使用することができ、両者を混合して用いることもできる。トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、非晶質ポリエステルを用いることが好ましい。
ここで、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。
ポリエステルの軟化点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、70〜170℃が好ましく、90〜165℃がより好ましく、100〜160℃がさらに好ましい。
ポリエステルの軟化点は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
ポリエステルのガラス転移温度は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましく、55〜65℃がさらに好ましい。ガラス転移温度は、非晶質樹脂に特有の物性である。
ポリエステルのガラス転移温度は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比等によって制御することができる。
ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、40〜85℃が好ましく、50〜75℃がより好ましく、60〜70℃がさらに好ましい。
ポリエステルの酸価は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び帯電性を向上させる観点から、50mgKOH/g以下が好ましく、35mgKOH/g以下がより好ましい。
ポリエステルの酸価は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
本発明では、トナーの生産性を向上させる観点から、結着樹脂としてポリエステルを2種以上用いるのが好ましい。
ポリエステルを2種以上用いる場合、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、少なくとも1種のポリエステル(ポリエステルA)の軟化点は135〜160℃が好ましく、145〜158℃がより好ましい。
もう1種のポリエステル(ポリエステルB)の軟化点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、95〜135℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。
ポリエステルAとポリエステルBの軟化点の差は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、20〜60℃が好ましく、25〜55℃がより好ましい。
ポリエステルを2種以上用いる場合のそれぞれのポリエステルのガラス転移温度は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましく、55〜65℃がさらに好ましい。
ポリエステルを2種以上用いる場合のそれぞれのポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、40〜85℃が好ましく、50〜75℃がより好ましく、60〜70℃がさらに好ましい。
ポリエステルAの量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂中、50〜90重量%が好ましく、60〜80重量%がより好ましい。なお、本明細書において、単に「量」といえば、含有量と配合量の両者を意味する。
ポリエステルBの量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂中、10〜50重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。
ポリエステルAとポリエステルBの重量比(ポリエステルA/ポリエステルB)は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、50/50〜90/10が好ましく、60/40〜80/20がより好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
[着色剤]
本発明において、白色トナーの白色濃度を向上させる観点から、着色剤として酸化チタン粒子を用いる。酸化チタンの含有量は、着色剤中、90重量%以上が好ましく、着色剤として、酸化チタン粒子のみを用いることがより好ましいが、白色発色性の効果が損なわれない範囲において、酸化チタン粒子以外の他の着色剤が含有されていてもよい。他の着色剤としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、中空樹脂粒子等が挙げられる。
酸化チタン粒子は、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のいずれの結晶型のものも使用できる。
工程1で用いる酸化チタン粒子の使用量、好ましくはトナー中の酸化チタン粒子の含有量は、白色トナーの白色濃度を向上させる観点、隠蔽性を向上させる観点、及び粉砕性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、25重量部以上であり、好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上、さらに好ましくは80重量部以上である。また、トナーの生産性を向上させる観点、耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、200重量部以下であり、好ましくは175重量部以下、より好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは120重量部以下である。これらの観点を総合すると、トナー中の酸化チタン粒子の含有量は、25〜200重量部であり、好ましくは30〜175重量部、より好ましくは50〜150重量部であり、さらに好ましくは80〜120重量部である。
トナー中の着色剤の含有量は、白色トナーの白色濃度を向上させる観点、隠蔽性を向上させる観点、及び粉砕性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、25重量部以上であり、好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上、さらに好ましくは80重量部以上である。また、トナーの生産性を向上させる観点、耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、200重量部以下であり、好ましくは175重量部以下、より好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは120重量部以下である。これらの観点を総合すると、トナー中の着色剤の含有量は、25〜200重量部であり、好ましくは30〜175重量部、より好ましくは50〜150重量部であり、さらに好ましくは80〜120重量部である。なお、着色剤の含有量には後述するシリカ粒子を含めない。
酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径は、白色トナーの白色濃度を向上させる観点、及び隠蔽性を向上させる観点から、好ましくは150nm以上、より好ましくは200nm以上、さらに好ましくは230nm以上である。また、トナーの生産性を向上させる観点、耐高温オフセット性を向上させる観点から、好ましくは350nm以下、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは270nm以下である。これらの観点を総合すると、酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径は、好ましくは150〜350nm、より好ましくは200〜300nmであり、さらに好ましくは230〜270nmである。酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
酸化チタン粒子の市販品としては、「CR-50-2」「CR-58」(以上、石原産業社製)等が挙げられる。
[シリカ粒子]
本発明のトナーには、白色トナーの生産性を向上させる観点、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、酸化チタン粒子とともにシリカ粒子を添加する。
工程1で用いるシリカ粒子は、白色トナーの生産性を向上させる観点から、疎水化処理された疎水性シリカ粒子であるのが好ましい。
シリカ粒子の疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示され、具体的には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
工程1で用いるシリカ粒子の使用量、好ましくはトナー中の含有量は、白色トナーの生産性を向上させる観点、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.25重量部以上であり、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは0.6重量部以上、さらにより好ましくは0.8重量部以上である。また、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、4.5重量部以下であり、好ましくは4.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下、さらに好ましくは2.0重量部以下、さらにより好ましくは1.5重量部以下である。シリカ粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して0.25〜4.5重量部であれば、トナー粒子中で酸化チタン粒子が均一に分散し、トナー粒子内での熱伝導性が均等化し、局所的な過熱や電荷リークが起こりにくくなる。これらの観点を総合すると、工程1で用いるシリカ粒子の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、0.25〜4.5重量部であり、好ましくは0.3〜4.0重量部、より好ましくは0.5〜3.0重量部、さらに好ましくは0. 6〜2.0重量部、さらにより好ましくは0.8〜1.5重量部である。
工程1で用いるシリカ粒子の個数平均一次粒子径は、白色トナーの生産性を向上させる観点から、5nm以上であり、好ましくは8nm以上、より好ましくは12nm以上である。シリカ粒子の個数平均一次粒子径が5nm以上であれば、シリカ粒子自体の凝集が抑制され酸化チタン粒子に付着し、酸化チタン粒子を安定に分散させることができる。また、工程1で用いるシリカ粒子の個数平均一次粒子径は、トナーの生産性を向上させる観点、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び転写抜けの発生を抑制する観点から、20nm以下であり、好ましくは18nm以下、より好ましくは16nm以下である。シリカ粒子の個数平均一次粒子径が20nm以下であれば、シリカ粒子と酸化チタン粒子及びシリカ粒子と結着樹脂との接触面積が大きくなり、酸化チタン粒子を結着樹脂中に安定に分散させることができ、凝集物や付着物の発生が抑制される。これらの観点を総合すると、工程1で用いるシリカ粒子の個数平均一次粒子径は、5〜20nmであり、好ましくは8〜18nm、より好ましくは12〜16nmである。シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明のトナーは、さらに、離型剤、荷電制御剤等を含有していてもよい。
[離型剤]
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、高級アルコール等が挙げられる。これらのなかでは、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及びトナーの粉砕性を向上させる観点から、炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスが好ましく、同様の観点から、エステル系ワックスではカルナウバワックスが好ましく、炭化水素系ワックスではポリプロピレンワックスが好ましい。
離型剤の含有量は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及びトナーの粉砕性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、1.5〜10重量部がより好ましく、2〜4重量部がさらに好ましい。
離型剤の融点は、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点、及び低温定着性を向上させる観点から、60〜160℃が好ましく、70〜150℃がより好ましい。
[荷電制御剤]
荷電制御剤として、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤のいずれも用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体、ベンジル酸ホウ素錯体等が挙げられる。含金属アゾ染料としては、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-28」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としては、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-82」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-85」「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業社製)等が挙げられる。ベンジル酸ホウ素錯体としては、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等が挙げられる。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。ニグロシン染料としては、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等が挙げられる。トリフェニルメタン系染料としては、例えば3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料が挙げられる。4級アンモニウム塩化合物としては、例えば「ボントロンP-51」、「ボントロンP-52」(以上、オリエント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PXVP435」「COPY CHARGE PSY」(以上、クラリアント社製)等が挙げられる。ポリアミン樹脂としては、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等が挙げられる。イミダゾール誘導体としては、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ転写抜けの発生を抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
本発明のトナーには、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜用いられていてもよい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、以下の工程1〜3を含む方法により得られる。
工程1:結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程
工程2:得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程
工程3:得られた混練物を粉砕し、分級する工程
工程1は、結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程である。工程1において、結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子の混合(予備混合)に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等が挙げられるが、分散性向上の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
ヘンシェルミキサーでのトナー原料の混合は、攪拌の周速、及び混合時間を調整することで行う。攪拌の周速は、着色剤や荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から、10〜30m/secが好ましい。また、攪拌時間は、着色剤や荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から、1〜10分が好ましい。
工程2は、工程1で得られた混合物を溶融混練する工程である。溶融混練は、密閉式ニーダー、一軸もしくは二軸の混練機、連続式オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、二軸混練機で行うのが好ましい。二軸混練機とは、二本の混練軸をバレルが覆い隠す閉鎖型の混練機であり、着色剤や荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から、軸の回転方向が同方向に回転できるタイプが好ましい。市販品としては、生産性を向上させる観点から高速での二軸の噛み合わせが良好な、池貝鉄工社製の二軸押出機PCMシリーズが好ましい。
二軸混練機での溶融混練は、バレル設定温度(押出機内部壁面の温度)、軸の回転の周速、及びトナー原料混合物の供給速度を調整することで行う。バレル設定温度は、着色剤や荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から、80〜140℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。
軸の回転の周速は、着色剤や荷電制御剤の結着樹脂中での分散性を向上させる観点から0.1〜1m/secが好ましい。
二軸混練機へのトナー原料混合物の供給速度は、使用する混練機の許容能力と、上記のバレル設定温度及び軸回転数に応じて適宜調整する。例えば、池貝鉄工社製二軸押出機PCM-30を使用する場合、二軸混練機へのトナー原料混合物の供給速度は、5〜25kg/hが好ましい。
工程3は、工程2で得られた溶融混練物を粉砕し、分級する工程である。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を、0.1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、流動層式カウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル、機械式ミル等が挙げられる。
分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程とを繰り返してもよい。
工程3で得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、トナーの画像品質を向上させる観点から、3〜15μmが好ましく、4〜12μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、工程3で得られるトナー粒子を母粒子として、粉砕、分級工程後、さらにシリカ等の無機微粒子や、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粒子等の外添剤と混合する工程を含む方法により得られるものであってもよい。なお、本発明において、トナー中の含有量とは、トナー母粒子中の含有量を意味する。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の有機微粒子が挙げられる。これらの中では、シリカが好ましく、シリカの結着樹脂への埋め込みを防止する観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
外添剤として使用するシリカは、トナーの転写性を向上させる観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
外添剤の個数平均一次粒子径は、トナーの帯電性や流動性、及び転写性を向上させる観点から、10〜250nmが好ましく、10〜200nmがより好ましく、15〜90nmがさらに好ましい。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、及び転写性を向上させる観点から、外添剤で処理する前のトナー母粒子100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜4重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
トナー母粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を備えた混合機を用いることが好ましく、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速混合機が好ましく、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
また、定着方式も特に限定されないが、オイルレス定着方式の画像形成装置も好適に用いることができる。なお、オイルレス定着とは、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置を有する定着器を用いる方法である。オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所社製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温して測定した。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度10℃/minで測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔酸化チタン粒子、シリカ粒子及び外添剤の個数平均一次粒子径〕
個数平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影倍率5000〜50000倍の適切な倍率で、粒径(長径と短径の平均値)を100個の粒子について測定し、それらの平均値を酸化チタン粒子、シリカ粒子及び外添剤の個数平均一次粒子径とする。
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1〔樹脂A〕
表1に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、210℃で反応率が90%以上に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。次に、無水トリメリット酸を添加した。210℃、常圧(101.3kPa)の条件にて、軟化点が155℃に達するまで反応させ、非晶質ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
樹脂製造例2〔樹脂B〕
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%以上に達するまで反応させた後、8.3kPaにて軟化点が101℃に達するまで反応させ、非晶質ポリエステルを得た。
樹脂製造例3〔樹脂C〕
表1に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%以上に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。次に、無水トリメリット酸を添加した。230℃、常圧(101.3kPa)の条件にて、軟化点が130℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
樹脂製造例4〔樹脂D〕
表1に示すフマル酸を除く原料モノマー、エステル化触媒及びエステル化助触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%以上に達するまで反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。次に、180℃まで冷却し、フマル酸及び重合禁止剤を添加し、210℃まで昇温した後、8.3kPaにて軟化点が95.4℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。
Figure 2013109097
実施例、比較例に用いたシリカ粒子の個数平均一次粒子径、化学名(疎水化処理方法)を、表2に示す。
Figure 2013109097
実施例1〜13及び比較例1〜7
表3に示す所定量の結着樹脂、酸化チタン粒子、シリカ粒子と、カルナウバワックス「1号」(加藤洋行社製、融点 85℃)3.0重量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-304」(オリエント化学工業社製)0.2重量部を、20L容のヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、ST/A0羽根)にて回転数1500r/min(周速21.2m/sec)で3分間混合後、排出弁を開き、回転数1500r/min(周速21.2m/sec)で羽根を回転させ、混合物を排出した。
下記式(1)を混合物排出率とした。値が大きいほど混合物の排出性に優れる。結果を表3に示す。
[混合物排出率](%)=([排出された混合物の重量]/[投入した原料量])×100 (1)
その後、排出された混合物を、二軸混練機PCM-30(池貝鉄工社製、軸の直径29mm、軸の断面積7.06cm2)を使用して、混合物供給速度8kg/h、バレル設定温度100℃、回転数200r/min(周速0.30m/sec)の条件で溶融混練した。
得られた溶融混練物を、IDS-2/DS2型粉砕分級機(日本ニューマチック社製)にて、混練物供給速度2.5kg/h、アッパーダンパ30°、CCリング30mm、OEリング20mm、ルーバー1.5mm、衝突板距離30mmの条件にて粉砕・分級を行い、体積中位粒径(D50)が7.0μmの白色トナー母粒子を得た。この時、目的粒径のトナー母粒子を得るために必要な粉砕圧を粉砕性の指標とした。値が小さい方が粉砕性に優れる。結果を表3に示す。
得られたトナー母粒子100重量部と、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル社製、シリコーンオイル処理シリカ、個数平均一次粒子径:40nm)1.4重量部、及び疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、DMDS処理シリカ、個数平均一次粒子径:16nm)0.6重量部を10L容のヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入し、回転数3000r/min(周速33.0m/sec)で3分間混合し、白色トナーを得た。
試験例1〔高温オフセット発生温度〕
得られたトナーをMicroLine5400(沖データ社製)に120g実装し、3cm×8cmのべた画像をXerox J紙(A4)(「上質紙、坪量:82g/m2、紙厚:97μm」)の縦方向上から3cmの余白をあけて、付着量0.45mg/cm2に調整して印字し、未定着のまま取り出した。未定着の画像をMicroLine3050(沖データ社製)の定着器を改良した外部定着器にて、定着温度を振って100mm/secの定着速度で定着する。その際、紙の下部、定着ローラーの周期のところに高温オフセットによる汚染が発生していないか、目視にて確認した。高温オフセットによる汚染が確認された最低温度を高温オフセット発生温度とし、耐高温オフセット性の指標とした。温度が高いほど耐高温オフセット性に優れる。結果を表3に示す。
試験例2〔転写抜け発生枚数〕
トナーをMicroLine5400(沖データ社製)に実装し、OHPシートにべた画像を10枚印字した。得られたべた画像を黒紙の上に載せ、べた画像に転写不良による抜け(黒点)の有無を目視で確認した。べた画像10枚のうち、黒点が確認されたべた画像の枚数を転写抜けの指標とした。枚数が少ないほど転写抜けが抑制されている。結果を表3に示す。
Figure 2013109097
以上の結果より、比較例1〜7と対比して、実施例1〜13の白色トナーは、耐高温オフセット性に優れ、転写抜けの発生が抑制されており、また、その製造においては、混合物排出性、及び粉砕性が良好であることが分かる。
本発明の方法により得られる白色トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 結着樹脂、着色剤として酸化チタン粒子、及びシリカ粒子を含有する白色トナーの製造方法であって、
    工程1:結着樹脂と酸化チタン粒子とシリカ粒子とを含む成分を混合して混合物を得る工程、
    工程2:得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程、及び
    工程3:得られた混練物を粉砕し、分級する工程
    を含み、工程1における酸化チタン粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して25〜200重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の使用量が、結着樹脂100重量部に対して0.25〜4.5重量部であり、工程1におけるシリカ粒子の個数平均一次粒子径が5〜20nmである、
    白色トナーの製造方法。
  2. 工程1における酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径が150〜350nmである、請求項1記載の白色トナーの製造方法。
  3. 結着樹脂が、軟化点が135〜160℃であるポリエステルAと、軟化点が95〜135℃であるポリエステルBからなり、ポリエステルAとポリエステルBの軟化点の差が20℃以上である、請求項1又は2記載の白色トナーの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の白色トナーの製造方法により得られる電子写真用トナー。
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