JP2002311529A - ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法

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JP2002311529A JP2001113795A JP2001113795A JP2002311529A JP 2002311529 A JP2002311529 A JP 2002311529A JP 2001113795 A JP2001113795 A JP 2001113795A JP 2001113795 A JP2001113795 A JP 2001113795A JP 2002311529 A JP2002311529 A JP 2002311529A
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Atsushi Aoki
淳 青木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像液の自動現像機内での滞留日数が比較的
多い処理において、現像液が濃縮されても性能の劣化の
少ないハロゲン化銀写真感光材料及び、現像液が濃縮さ
れても性能の劣化の少ないハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法を提供することにある。 【解決手段】 少なくとも1種のヒドラジン化合物を含
有し、一般式(I)または(II)で表される化合物を感
光材料1m2あたり0.01〜0.20g含有するハロ
ゲン化銀写真感光材料。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は白黒ハロゲン化銀写
真感光材料及び白黒ハロゲン化銀写真感光材料の処理方
法に関し、詳しくはイメージセッター用印刷製版用ハロ
ゲン化銀写真感光材料及びイメージセッター用印刷製版
用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある種のハロゲン化銀を用いて極
めてコントラストの高い写真画像を形成するために、リ
ス型ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法が当業界
においてよく知られているが、原理的に亜硫酸濃度を高
くできないため、空気酸化に不安定といった欠点があっ
た。この為特定の高活性なヒドラジン化合物を添加し、
良好な保存安定性を有する現像液で処理して、超硬調の
ネガ画像を形成するシステムが提案されている。しかし
現像液の活性が低くなりランニング処理での現像液の安
定性が劣化するという問題があった。
【0003】また、地球環境保全の観点より写真処理廃
液の低減が望まれているが、補充液量を低減すると自動
現像機内での処理液の滞留日数が長くなり、自動現像機
内での現像液の酸化による劣化や液の濃縮により、感度
その他の写真性能が変化するという問題点が生じるよう
になってきた。また、特に、現像処理量が少ない小さな
自動現像機による処理においては、空気酸化、処理液の
蒸発に起因する液の濃縮等による処理液組成変化等が、
ランニングによる有効成分の費消やハライド類の蓄積に
よる現像液の不活性化よりも相対的に大きい問題にな
り、単に現像液等の補充量を増やせばいいという問題で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は現像液の自動現
像機内での滞留日数が比較的多い処理において、現像液
が濃縮されても性能の劣化の少ないハロゲン化銀写真感
光材料及び、現像液が濃縮されても性能の劣化の少ない
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。
【0006】1.少なくとも1種のヒドラジン化合物を
含有し、前記一般式(I)または(II)で表される化合
物を感光材料1m2あたり0.01〜0.20g含有す
るハロゲン化銀写真感光材料。
【0007】2.更に前記一般式〔Na〕で表される化
合物を感光材料1m2あたり0.001〜0.020g
含有する前記1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】3.前記1または2に記載のハロゲン化銀
写真感光材料を、自動現像機を用いて、一日あたりの現
像液の補充量が、現像液1リットルあたり100ml以
下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。
【0009】4.実質的にハイドロキノンを含まず、前
記一般式(A)で表される化合物を現像主薬とする現像
液を用いて処理することを特徴とする前記3に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0010】5.現像時間が10〜25秒であることを
特徴とする前記3または4に記載のハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法。
【0011】本発明では、現像液の自動現像機内での滞
留日数が比較的多く、現像液が濃縮し易い条件におい
て、ヒドラジン化合物を含有する、特性が安定なハロゲ
ン化銀写真感光材料及び該感光材料を用いたハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法を提供することができた。即
ち、現像液の滞留、濃縮により(現像液の比重が0.0
5程度は上昇すると考えられるが)感度が、滞留、濃縮
する前の感度に対して変動が少ないハロゲン化銀写真感
光材料及び該感光材料の自動現像機による処理方法を提
供する。この感度変動は本発明において、好ましくは濃
縮する前の感度に対して好ましくは±10%以内であ
る。現像液が濃縮し現像液の比重が上昇したときの感度
が、濃縮する前の感度に対して上昇が大きいと、濃縮に
よる感度上昇と共に、カブリや黒ポツの増加が懸念され
る。又、現像液が濃縮し、現像液の比重が上昇したとき
の感度が、濃縮する前の感度に対して低下が大きいと、
濃縮による感度低下と共に、濃度低下や軟調化が懸念さ
れる。現像液が滞留により濃縮し、現像液の比重が上昇
したときの感度やその他の写真性能は、濃縮前から出来
るだけ変わらない方が好ましい。感度の変動は好ましく
は10%以内、更に好ましくは5%以内である。
【0012】通常感光材料の処理は、一定面積の感光材
料を処理する毎に一定の処理液を補充し、例えば現像処
理によって費消する成分や、蓄積する成分の、補充や、
希釈を行いつつ、一定の特性を発揮するように設計され
ている。しかしながら比較的処理量が少ない自動現像機
においては、補充量が少なくなるため、補充液による処
理液の置換が遅いので、いきおい滞留日数が長くなり現
像液の濃縮を引き起こす度合いが大きい。特にヒドラジ
ン化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料は、感光
材料中に還元性の活性の高い化合物が含有されている為
にこれらが現像液の濃縮や、その他の変動要因により処
理条件が変動した場合に、写真特性への影響が大きくで
てしまう。本発明によれば、一日あたり、現像液1リッ
トルについて100ml以下の補充という、自動現像機
内での滞留日数が多い条件で自動現像機により処理する
際に、本発明のヒドラジン化合物を含有するハロゲン化
銀写真感光材料は、感度変動が少なく、好ましい条件に
おいては±10%以内、更に好ましい条件に於いては5
%以内という安定な特性を示した。即ち、該感光材料を
用いた自動現像機による、前記の様な現像液の滞留日数
が多い条件での処理において、現像液の滞留、濃縮によ
り比重が上昇しても、感度の変動が、濃縮する前の感度
に対して少ない処理方法が得られた。
【0013】本発明は、前述のようにヒドラジン化合物
を含有し、且つ、前記一般式(I)或いは一般式(II)
で表される銀イオンとの溶解度積が1×10-10以下で
あるような所謂現像抑制剤或いは安定剤といわれる化合
物を感光材料1m2あたり0.01g以上、好ましくは
0.02〜0.20g含有するハロゲン化銀写真感光材
料を用いて現像処理を行うことにより達成される。
【0014】前記一般式(I)において、Qは置換基を
有してもよい5員または6員の複素環又は5員又は6員
のベンゼン環等の炭素環或いは他の複素環と縮合した5
員または6員の複素環を形成するのに必要な原子群を表
す。
【0015】式中、Qが形成する5員又は6員の複素環
としては、例えばイミダゾール環、テトラゾール環、チ
アゾール環、オキサゾール環、セレナゾール環、ピリジ
ン環、ピリミジン環、ピラジン環、ベンゾイミダゾール
環、ナフトイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフ
トチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ベンゾオキサ
ゾール環、プリン環、8−アザプリン環、ピラゾロピリ
ミジン環、1,3,3a,7−テトラザインデン環など
が挙げられる。Qが形成する5員又は6員の該複素環は
置換基又は置換原子を有していてもよく、例えば、ハロ
ゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素等の各原子)、ニト
ロ基、アミノ基、それぞれ置換されてもよいC1〜C2
0のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、ベンジル基等のアラルキル基等)、それぞれ置換さ
れてもよいアリール基(例えばフェニル基、ニトロフェ
ニル基、アセトアミドフェニル基、ナフチル基等)、C
1〜C16のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エ
チルチオ基、ブチルチオ基、オクチルチオ基、ベンジル
チオ基等)、アルキルアミノ基(例えばエチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ヒドロキシ
アミノ基等)等が挙げられる。
【0016】又、前記一般式(II)において、Yは水素
原子、アミノ基又は1価の有機基を表すが、Yで表され
る1価の有機基は、好ましくはアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基、アリール基、−CONHR
2基、−COR3基、−NHCOR 4基または−HNSO2
4基等の基を表す。ここにおいて、R2、R3、R4は、
それぞれアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基
またはアリール基を表す。Zは窒素原子、硫黄原子また
は酸素原子を表す。nはZが窒素原子の場合1を表し、
Zが酸素原子または硫黄原子の場合0を表す。R1は水
素原子、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、ヒ
ドラジノ基又は1価の有機基を表すが、R1で表される
1価の有機基としては、好ましくは−NHCOR5基、
−NHSO2 5基または−SR6基を表す。ここにおい
て、R5、R6はそれぞれアルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基またはアリール基を表す。
【0017】以下に、一般式(I)、(II)で示される
具体的な化合物例を例示する。但し、以下の例示化合物
に限定されるものではない。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】これらの化合物のうち、例示化合物(I−
9)〜(I−19)の化合物に代表されるメルカプトテ
トラゾール化合物、例示化合物(I−23)、(I−2
4)、(I−30)、(I−32)等プリン環を有する
化合物が特に好ましい。
【0026】本発明に用いられる前記硬調化剤として機
能するヒドラジン誘導体としては、特開平11−271
945号公報段落0140〜0164に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物及びその
例示としてH−1〜H−63で表される化合物が挙げら
れる。
【0027】その他の好ましいヒドラジン化合物の具体
例としては、米国特許第5,229,248号第4カラ
ム〜第60カラムに記載されている(1)〜(252)
である。添加量、その使用法等については前記公報に詳
しく記載がある。
【0028】本発明に係るヒドラジン誘導体は、公知の
方法により合成することができ、添加量、その使用法等
については特開平11−271945号公報等、公知の
文献に詳しく記載がある。
【0029】ヒドラジン化合物はハロゲン化銀乳剤層側
の層ならばどの層にも用いることができるが、好ましく
はハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に用いることが好
ましい。ヒドラジン化合物はハロゲン化銀写真感光材料
中に含有させることによって写真特性を硬調化する作用
を有している。添加量はハロゲン化銀粒子の粒径、ハロ
ゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類などにより最
適量は異なるが、これまでは例えば特開平1−1167
19号にも記載されているように1×10-4g〜1×1
-2g(感光材料1m2あたり)の範囲で用いられる。
一日あたり、現像液1リットルについて100ml以下
の補充という、感光材料の処理枚数が少なく現像液の自
動現像機内での滞留日数が多い本発明の条件における処
理においては、ヒドラジン化合物について1×10-4
〜5×10-3g(ハロゲン化銀感光材料1m2あたり)
の範囲で用いるのが更に好ましく、3×10-4〜3×1
- 3gの範囲で用いることが一層好ましい。ヒドラジン
化合物は、強い還元性の化合物であるため、処理液、特
に現像液中に流れ出すと、それ程処理量が多くないため
補充量の少ない(現像液の滞留時間が長い)自動現像機
において現像液が濃縮し現像液の比重が上昇した際に、
感度等の写真特性の変化をおこしやすく、ヒドラジン量
を前記の減少した量とすることでさらに感度変化が減少
する。
【0030】前述の様に、本発明においては、ヒドラジ
ン化合物を含有するハロゲン化銀感光材料1m2あた
り、前記一般式(I)或いは一般式(II)で表される化
合物を感光材料1m2あたり0.01g以上、好ましく
は0.02〜0.20g含有するハロゲン化銀感光材料
を用いるが、更に、前記ヒドラジンを硬調化剤として用
いた場合に、その硬調化を促進するために用いる造核促
進剤、一般式〔Na〕で表される化合物をハロゲン化銀
感光材料1m2あたり1×10-3〜2×10-2g、更に
好ましいのは2×10-3〜2×10-2gの範囲にしたと
き更に好ましい特性が得られる。
【0031】前記一般式〔Na〕で表される化合物のう
ち特に好ましいのは脂肪族の3級アミン化合物である。
これらの化合物は分子中に耐拡散性基又はハロゲン化銀
吸着基を有するものが好ましい。耐拡散性を有するため
には分子量100以上の化合物が好ましく、分子量30
0以上が特に好ましい。又、好ましい吸着基としては複
素環、メルカプト基、チオエーテル基、セレノエーテル
基、チオン基、チオウレア基などが挙げられる。一般式
〔Na〕で表される化合物として特に好ましいものは分
子中にハロゲン吸着基としてチオエーテル基を少なくと
も一つ有する化合物である。
【0032】以下にこれら造核促進剤の具体的化合物例
を挙げる。
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】この様に、従来よりもハロゲン化銀写真感
光材料中に添加する現像抑制剤を増量することによっ
て、1日あたりの補充量が一定レベル以下の(本発明に
おいては、現像液1リットルあたり100ml以下)現
像液の滞留時間が長くなった場合の自動現像機による長
期ランニング処理を行った場合でも、該滞留による現像
液比重の変化が起こった場合でも、感度変動が少ない処
理となる。
【0038】その他の本発明においては、更に、上記の
量を超えない範囲で、以下に示す造核促進化合物を用い
る事も好ましい。例えば、特開平11−271945号
公報段落0169〜0180に記載された一般式〔N
b〕で表される化合物およびその例示としての(Nb−
1)〜(Nb−12)、特開平6−258751号に記
載されている例示(2−1)〜(2−20)の化合物及
び同6−258751号記載の(3−1)〜(3−
6)、特開平7−270957号記載のオニウム塩化合
物、特開平7−104420号の一般式Iの化合物、特
開平2−103536号第17頁右下欄19行目〜第1
8頁右上欄4行目及び同右下欄1行目から5行目、更に
特開平1−237538号記載のチオスルホン酸化合物
等が挙げられる。造核促進剤の添加量、添加方法はやは
り前記特開平11−271954号公報に詳しく記載さ
れている。
【0039】本発明における現像処理方法においては、
現像液としては実質的にハイドロキノンを含まず、前記
一般式(A)で表される化合物を現像主薬とするものを
用いることが好ましい。本発明において、実質的にハイ
ドロキノンを含有しないとは、現像液1L当たり0.0
1モル未満の量であることをいう。
【0040】一般式(A)で表される現像主薬は代表的
にはアスコルビン酸或いはエリソルビン酸とその塩又は
それらから誘導される誘導体であり、市販品として入手
できるか或いは容易に公知の合成法により合成すること
が出来る。
【0041】次に、本発明の一般式(A)の化合物につ
いて説明する。一般式(A)で示される化合物におい
て、R1とR2が互いに結合して環を形成した下記一般式
(A−a)で示される化合物が特に好ましい。
【0042】
【化16】
【0043】一般式(A−a)において、R3は水素原
子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアリール基、置換もしくは未置換のアミノ基、置
換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホ基、カルボキ
シル基、アミド基又はスルホンアミド基を表し、Y1
O又はSを表し、Y2はO、S又はNR4を表す。R4
置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置
換のアリール基を表す。M1及びM2は各々、水素原子又
はアルカリ金属原子を表す。
【0044】前記一般式(A)又は一般式(A−a)に
おけるアルキル基としては、低級アルキル基が好まし
く、たとえば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ
基としては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で
置換されたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては
低級アルコキシ基が好ましく、アリール基としては好ま
しくはフェニル基あるいはナフチル基等であり、これら
の基は置換基を有していてもよく、置換しうる基として
は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基
等が好ましい置換基として挙げられる。
【0045】本発明に係る前記一般式(A)又は一般式
(A−a)で表される具体的化合物例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸又はエリソルビン酸と、その塩又はそれらから誘導
される誘導体であり、市販品として入手できるか、ある
いは容易に公知の合成法により合成することができる。
【0049】又、本発明においては、現像主薬として、
3−ピラゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1
−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン等)やアミ
ノフェノール類(例えばo−アミノフェノール、p−ア
ミノフェノール、N−メチル−o−アミノフェノール、
N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジアミノ
フェノール等)の現像主薬を組み合わせて使用すること
が出来る。組み合わせて使用する場合、3−ピラゾリド
ン類やアミノフェノール類の現像主薬は、通常現像液1
L当たり0.01〜1.4モルの量で用いられるのが好
ましい。
【0050】現像液には、前記現像主薬の他、保恒剤
(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニ
ウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、メタ重亜
硫酸塩)、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等)及びpH緩衝剤(例えば炭酸塩、燐酸塩、硼酸
塩、硼酸、酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン等)が添
加されることが好ましい。亜硫酸塩は0.25モル/L
以上、好ましくは0.4モル/L以上で用いる。pH緩
衝剤としては、炭酸塩が好ましく、その添加量は1L当
たり0.5〜2.5モルが好ましく、更に好ましくは、
0.75〜1.5モルの範囲である。又、必要により銀
スラッジ防止剤(メルカプト基含有化合物等)、溶解助
剤(ポリエチレングリコール類、それらのエステル、ア
ルカノールアミン等)、増感剤(ポリオキシエチレン類
を含む非イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合物
等)、界面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(臭化カリウ
ム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、ニトロベンズ
インダゾール、ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾ
ール類等)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸又
はそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩
等)、現像促進剤(米国特許第2,304,025号、
特公昭47−45541号に記載の化合物等)、硬膜剤
(グルタルアルデヒド又は、その重亜硫酸塩付加物
等)、或いは消泡剤等を添加することができる。現像液
のpHは7.5以上10.5未満に調整されることが好
ましい。更に好ましくは、pH8.5以上9.4以下で
ある。
【0051】定着開始液は、通常用いられている濃厚液
キットを水で希釈し用いてもよいが、二種以上の化合物
から成形された固体処理剤の単独物又は混合物を水で溶
解して用いて良い。補充液については、二種以上の化合
物から成形された固体処理剤の単独物又は混合物を水で
溶解して用いるのが好ましい。
【0052】定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液であり定
着開始液のpHは4.0以上、好ましくは4.2〜7.
0であり更に好ましくは、4.2〜5.5である。定着
主薬としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ムが使用でき、チオ硫酸イオンを必須成分とするもので
あり、臭気の発生を防止する目的からチオ硫酸ナトリウ
ムが特に好ましい。定着主薬の使用量は適宜変えること
ができ、一般には、0.1〜約6モル/Lである。更に
は水溶性アルミニウム塩を0.01モル/Lを越えては
含まないことが好ましい。
【0053】定着液には、所望により保恒剤(例えば、
亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH調整剤(例えば、硫酸、
水酸化ナトリウム)、硬水軟化能のあるキレート剤や特
開昭62−78551号に記載の化合物を含むことがで
きる。
【0054】感光材料の処理は、実際に現像を行うこと
によって現像主薬の費消やハライド類の処理液中への蓄
積等、現像活性の低下を補うため、活性を維持出来るだ
けの量不足成分の補充や、必要であればオーバーフロー
等も含めた希釈によって過剰成分の活性を抑える等の必
要があり、ハロゲン化銀写真感光材料を処理した面積に
応じて通常、現像液、定着液等写真処理液の補充を行っ
ている。これらの補充量は廃液量低減の観点からは、少
ない方が好ましい。
【0055】実際の補充量は処理するハロゲン化銀写真
感光材料の処理量(面積)によって決まってくるが、本
発明におけるようなハロゲン化銀写真感光材料の処理量
(面積)が少ない現像液の停滞時間が多い処理において
は、ハロゲン化銀写真感光材料あたりの処理液補充量が
少ない、いわゆる低補充処理であるか否かは相対的には
大きな問題ではないが、廃液が減るという観点からは好
ましいし、これら感光材料あたりの補充量が少ない場合
に、本発明においては、特にその効果が発揮され、感光
材料大全一枚あたり30ml〜120ml、好ましくは
30〜80ml、更には、30〜40mlの範囲が好ま
しい。
【0056】定着液補充量、安定化液補充量等について
もそれぞれ感光材料大全フィルム一枚あたり40〜12
0mlが好ましく、更にはそれぞれ大全フィルム一枚あ
たり40〜80mlである。
【0057】本発明において水洗工程で水を供給する場
合、感光材料大全フィルム一枚あたり155〜4650
mlが好ましく、更には大全フィルム一枚あたり310
〜3100mlである。
【0058】本発明に用いられる処理剤は、粉末、ペー
スト状、顆粒、錠剤、濃縮液、使用液等いずれの形態で
供給されても構わないが、顆粒、錠剤、濃縮液で供給さ
れることが好ましい。
【0059】開始液として用いる場合は、それらを定め
られた様に水に溶解する等して調製して用いる。補充液
として使用する場合は、予め水と混合溶解して用いる
か、直接自現機内に投入して用いるかいずれでも構わな
い。
【0060】本発明において、現像補充液は固体処理剤
から調製されたものが好ましく、本発明において固形処
理剤とは、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処
理剤などであり、必要に応じ防湿加工を施したものであ
る。ペーストやスラリー状は半液状で保存安定性に劣
り、又輸送状の危険を伴い規制を受けるような形状のも
のを除くものであり、これらは本発明の固体処理剤には
含まれない。又、補充液については、二種以上の化合物
から成形された固体処理剤の単独物又は混合物を水で溶
解して用いるのが好ましい。
【0061】本発明に用いる固体処理剤は、処理液を構
成する成分が2種以上で成形された固体、処理液成分が
全て含有された1種の固体、又は固体が2種以上で処理
液の成分を構成できるもののいずれでも良いが、少なく
とも2種の化合物で成形された固体が少なくとも1種あ
るのが好ましく、成形された固体以外は単体物質でも良
い。
【0062】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のこ
とをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定
の形状に圧縮成型したもののことをいう。
【0063】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高く、取り扱い性が簡単であることから好ま
しく用いられる。
【0064】写真処理剤を固体化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型
化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤
を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手
段が採用できる。
【0065】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し、打錠工程により形成
された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され、結果
として写真性能も安定になるという利点がある。
【0066】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等、公知の方法を用いることが出来
る。錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は
造粒物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、い
わゆる偏析が起こり難いという点で、100〜800μ
mのものを用いることが好ましく、より好ましくは20
0〜750μmである。
【0067】更に粒度分布は、造粒物粒子の60%以上
が±100〜150μmの偏差内にあるものが好まし
い。次に、得られた造粒物を加圧圧縮する際には、公知
の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロータ
リー式打錠機、ブリケッティングマシンを用いることが
出来る。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の形
状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点
から、又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題
からは、円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0068】更に好ましくは、造粒時、各成分毎、例え
ばアルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することに
よって更に上記効果が顕著になる。
【0069】錠剤処理剤の製造方法は、例えば特開昭5
1−61837号、同54−155038号、同52−
88025号、英国特許1,213,808号等に記載
される一般的な方法で製造でき、顆粒処理剤は、例えば
特開平2−109042号、同2−109043号、同
3−39735号及び同3−39739号等に記載され
る一般的な方法で製造できる。又、粉末処理剤は、例え
ば特開昭54−133332号、英国特許725,89
2号、同729,862号及びドイツ特許3,733,
861号等に記載されるが如き一般的な方法で製造する
ことができる。
【0070】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から、錠剤である場
合1.0〜2.5g/cm3が好ましく、1.0g/c
3より大きいと得られる固体物の強度の点で、2.5
g/cm3より小さいと得られる固体物の溶解性の点で
より好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合、
嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好まし
い。
【0071】固体処理剤の包装体としては、ポリエチレ
ン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン
(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロ
ン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(PET)
その他のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニトリルブ
タジエン共重合体、エポキシ−燐酸系樹脂(特開昭63
−63037号、同57−32952号等に記載のポリ
マー)の様な合成樹脂素材やパルプが挙げられる。
【0072】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るが、塗布層としてもよく、又、単一層のものでもよ
い。更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの間にアル
ミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガス
バリアー膜を用いると、より好ましい。
【0073】又、固体処理剤の保存性やステイン発生防
止のために、これら包装材料の酸素透過率は50ml/
2・24hr・atm以下(20℃・65%RH
で)、より好ましくは30ml/m2・24hr・at
m以下であることが好ましい。
【0074】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計は
1〜3000μm、より好ましくは10〜2000μ
m、更に好ましくは50〜1000μmである。
【0075】本発明の現像時間は10秒以上25秒以下
である。中でも好ましくは10秒以上20秒以下であ
り、されに好ましくは10秒以上15秒以下である。現
像時間は迅速性の要求から短いことが好ましいが、余り
に短いと画像濃度の低下が著しくなる。
【0076】迅速処理の観点から、本発明においては感
光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾燥ゾーン
から出て来るまでの全処理時間(Dry to dr
y)は10〜90秒であることが好ましく、より好まし
くは15〜50秒である。又、100m2以上の大量の
感光材料を安定にランニング処理するためには、現像時
間が2〜30秒であることが好ましく、より好ましくは
5〜18秒である。
【0077】自動現像機としては、60℃以上の伝熱体
(60℃〜130℃のヒートローラー等)又は150℃
以上の輻射物体(タングステン、炭素、ニクロム、酸化
ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化トリウムの混合
物、炭化ケイ素等に直接電流を通して発熱放射させた
り、抵抗発熱体から熱エネルギーを銅、ステンレス、ニ
ッケル、各種セラミック等の放射体に伝達させたりして
赤外線を放出するもの)で乾燥するゾーンをもつものが
好ましい。
【0078】又、自動現像機としては下記に記載の方法
又は機能を採用したものを好ましく用いることができ
る。
【0079】脱臭装置:特開昭64−37560号第
544(2)頁左上欄〜第545(3)頁左上欄 水洗水再生浄化剤及び装置:特開平6−250352
号第(3)頁段落「0011」〜段落(8)頁段落「0
058」 廃液処理方法:特開平2−64638号第388
(2)頁左下欄〜第391(5)頁左下欄 現像浴と定着浴の間のリンス浴:特開平4−3137
49号第(18)頁段落「0054」〜第(21)頁段
落「0065」 補充水補充方法:特開平1−281446号第250
(2)頁左下欄〜右下欄 外気の温度及び湿度を検出して乾燥風を制御:特開平
1−315745号第496(2)頁右下欄〜第501
(7)頁右下欄及び特開平2−108051号第588
(2)頁左下欄〜第589(3)頁左下欄 定着廃液からの銀回収:特開平6−27623号第
(4)頁段落「0012」〜第(7)頁「0071」 又、2漕以上の安定化漕を設ける場合には、以前より知
られている、水洗水の補充液量を少なくする手段として
の多段向流方式が用いられるほうが好ましい。この多段
向流方式を用いれば、定着後の感光材料は徐々に清浄な
方向つまり定着液で汚れていない処理液の方へ順次接触
して処理されていくので、更に効率よい水洗がなされ
る。
【0080】本発明は水洗槽全体の容量が5〜40Lで
あることが好ましく、より好ましくは10〜20Lであ
る。
【0081】本発明の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法にて使用されるハロゲン化銀写真感光材料のハ
ロゲン化銀は、塩化銀、塩化銀含有率60モル%以上の
塩臭化銀又は塩沃臭化銀であることが補充量の低減や迅
速処理にとって好ましい。
【0082】ハロゲン化銀粒子の平均粒径は1.2μm
以下、特に0.1〜0.8μmが好ましい。又、粒径分
布は狭い方が好ましくいわゆる単分散乳剤を用いるのが
好ましい。又、(100)面を主平面とする平板状粒子
からなる乳剤が好ましく、そのような乳剤は米国特許第
5,264,337号、同5,314,798号、同
5,320,958号の記載を参考にして得ることがで
きる。更に、高照度特性を得るためにイリジウムをハロ
ゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モルの範囲でドー
ピングしたり、乳剤を硬調化するためにロジウム、ルテ
ニウム、オスミウム及びレニウムから選ばれる少なくと
も1種をハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モル
の範囲でドーピングしたりするのが好ましい。
【0083】ハロゲン化銀乳剤には、硫黄増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感等公知の化
学増感を施すことができる。
【0084】本発明において、ハロゲン化銀写真感光材
料には前記の本発明に係わるヒドラジン化合物、造核促
進剤化合物の他、以下に記載する技術を採用することが
出来る。
【0085】1)染料の固体分散微粒子:特開平7−5
629号第(3)頁段落「0017」〜第(16)頁段
落「0042」 2)酸基を有する化合物:特開昭62−237445号
第292(8)頁左下欄11行目〜第309(25)頁
右下欄3行目 3)酸性ポリマー:特開平6−186659号第(1
0)頁段落「0036」〜第(17)頁段落「006
2」 4)増感色素 特開平5−224330号第(3)頁段落「0017」
〜第(13)頁段落「0040」、特開平6−1947
71号第(11)頁段落「0042」〜第(22)頁
「0094」、特開平6−242533号第(2)頁段
落「0015」〜第(8)頁段落「0034」、特開平
6−337492号第(3)頁段落「0012」〜第
(34)頁段落「0056」、特開平6−337494
号第(4)頁段落「0013」〜第(14)頁段落「0
039」 5)強色増感剤 特開平6−347938号第(3)頁段落「0011」
〜第(16)頁段落「0066」 6)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号第(8)頁段落「0059」
〜第(10)頁段落「0067」 7)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号第(5)頁段落「0028」
〜第(29)頁「0068」 8)レドックス化合物 特開平4−245243号第235(7)頁〜第250
(22)頁 9)シンジオタクチックポリスチレン支持体 特開平3−131843号第324(2)頁〜第327
(5)頁 その他の添加剤については、例えばリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643(1978年12月)、同
No.18716(1979年11月)及び同No.3
08119(1989年12月)に記載の化合物を採用
することができる。
【0086】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例によって具体的
に説明するが、本発明は、これにより限定されるもので
はない。
【0087】実施例1 《感光材料の作製》 〈ハロゲン化銀乳剤Aの調製〉硝酸銀水溶液B及び塩化
ナトリウム、臭化カリウムからなる水溶性ハライド液C
を、pH3.0、40℃、流量一定でA液中で同時混合
法で30分間添加し、0.20μmの塩臭化銀(AgC
l/AgBr=70/30モル)の立方晶を得た。この
時の銀電位(EAg)は、混合開始時には160mV
で、混合終了時には100mVになっていた。この後、
限外濾過により不要な塩類を取り除き、その後、銀1モ
ル当たり15gのゼラチンを添加し、pHを5.7とし
55℃で30分間分散した。分散後、クロラミンTを銀
1モル当たり4×10-4モル添加した。出来上がった乳
剤の銀電位は190mV(40℃)であった。
【0088】 A液: オセインゼラチン 25g 硝酸(5%) 6.5ml イオン交換水 700ml Na〔RhCl5(H2O)〕 0.02mg B液: 硝酸銀 170g 硝酸(5%) 4.5ml イオン交換水 200ml C液: 塩化ナトリウム 47.5g 臭化カリウム 51.3g オセインゼラチン 6g Na3〔IrCl6〕 0.15mg イオン交換水 200ml 得られた乳剤に、銀1モル当たり4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(ST−
1)を1.5×10-3モル、臭化カリウムを8.5×1
-4モル添加してpH5.6、EAg123mVに調整
した。微粒子状に分散した硫黄華を硫黄原子として2×
10-5モル及び塩化金酸を1.5×10 -5モル添加して
50℃で60分化学熟成を行った後、ST−1を銀1モ
ル当たり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾール(AF−1)を3×10-4モル及び沃化
カリウムを1.5×10-3モル添加した。40℃に降温
した後、増感色素S−1、S−2をそれぞれ銀1モル当
たり2×10-4モル添加した。
【0089】
【化19】
【0090】〈支持体、下塗層〉次いで、2軸延伸した
ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体(厚み1
00μm)の両面に、30W/(m2・min)のコロ
ナ放電した後、下記組成の下塗層を両面塗布し、100
℃で1分間乾燥した(数値は1m2当たりの付量)。
【0091】 下塗層 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/ t−ブチルアクリレート/スチレン(25/30/25/20質量比) 共重合体 0.5g 界面活性剤A 3.6mg 硬膜剤 ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 10mg 下塗層を施したPET支持体に10W/(m2・mi
n)でコロナ放電処理した後、片面に下記組成の帯電防
止層を70m/minの速さでロールフィットコーティ
ングパン及びエアーナイフを使用して塗布し、90℃で
2分間乾燥し、140℃で90秒間熱処理した。
【0092】 帯電防止層 水溶性導電性ポリマーB 0.6g 疎水性ポリマー粒子C 0.4g ポリエチレンオキサイド化合物(Mw600) 0.1g 硬化剤 E 10mg 〈乳剤層及びバッキング層〉下塗り加工した支持体上の
片側に、得られた乳剤を用い、1m2当たりの付量が下
記になるように、支持体側から下記第1層、第2層を同
時重層塗布し冷却セットした。その後、反対側の帯電防
止層を有する下引層上には下記バッキング層を塗布スピ
ード200m/minで塗布し、−1℃で冷却セット
し、両面を同時に乾燥することで試料を得た。
【0093】 (第1層;乳剤層) ゼラチン 1.0g ハロゲン化銀乳剤A 銀量として3.3g ヒドラジン誘導体H−1 0.015g ヒドラジン誘導体H−2 0.020g 5−ニトロインダゾール 0.01g 一般式(I)又は(II)の化合物 表1に示す量 コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネート (75/12.5/12.5質量比)懸濁重合物 1.4g デキストラン(平均分子量6万) 0.2g 4−メルカプト−3,5,6−フルオロフタル酸 0.05g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.015g 塗布液pHは5.2であった。
【0094】 (第2層;保護層) ゼラチン 0.9g デキストラン(平均分子量6万) 0.2g 造核促進剤Na−21 表1に示す量 コロイダルシリカ 0.1g 殺菌剤 Z 0.005g ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム0.001g ソジウムジヘキシルスルホサクシネート 0.015g シリカ(平均粒径5μm) 0.015g シリカ(平均粒径8μm) 0.15g 硬膜剤(1) 0.15g (バッキング層) ゼラチン 1.8g F−1 0.01g F−2 0.03g F−3 0.10g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネート (75/12.5/12.5質量比)懸濁重合物 0.7g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.010g マット剤(平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート) 0.045g 硬膜剤(2) 0.05g (バッキング層保護層) ゼラチン 1.8g マット剤(平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート) 0.045g ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム0.005g ソジウムジヘキシルスルホサクシネート 0.005g 硬膜剤(1) 0.15g
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】
【化23】
【0099】一般式(I)又は(II)の化合物及びその
添加量、又造核促進剤Na−21の添加量を表1に示す
様に変化させ試料1〜11を作製した。
【0100】 《処理液の調製》 (現像液A) ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム 1g 亜硫酸ナトリウム 30g 炭酸水素カリウム 17g 1−フェニル−4−メチル−4′−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1.5g エリソルビン酸ナトリウム 40g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.025g 臭化カリウム 4g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 2,5−ジヒドロキシ安息香酸 5g 8−メルカプトアデニン 0.07g 水酸化カリウムを使用液のpHが10.4になる量を加え、1リットルに仕上 げた。その時の比重は1.110となった。
【0101】(現像液B)現像液Aの作製において、エ
リソルビン酸ナトリウム40gをハイドロキノン20g
に代える他は同様に作製した。その時の比重は1.11
5となった。
【0102】 (定着液) チオ硫酸アンモニウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g クエン酸3ナトリウム・2水和物 12g クエン酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.4になるように調整し、1リットルに仕上げた。
【0103】(水洗水)水道水1リットルに対して、下
記浄化剤8.8mlを加えたものを水洗層へ入れて水洗
水とした。
【0104】 浄化剤の調製 純水 800g サリチル酸 0.1g 35質量%過酸化水素水 171g プルロニックF−68(旭電化(株)製) 3.1g 5−メチル−4−クロロイソチアゾリン−3−オン 15g DTPA・5Na 10g 純水で1リットルに仕上げる。
【0105】 得られた感光材料を光学ウエッジ及び633nmの干渉
フィルターを介して10-5秒のキセノンフラッシュ露光
を行い、その試料を現像液A(新液)を用いて、まずは
前記処理条件で現像処理を行い現像試料を作製した。こ
の時の自動現像機の現像タンク容量は15リットルであ
った。
【0106】次いで感光材料を上記処方の現像液、定着
液、水洗水を下記条件で補充しながら(現像液は現像液
Aを、定着液は新液をそのまま補充液として用いた)、
表1記載の様に、それぞれの感光材料試料を1日あたり
大全フィルムをそれぞれ20枚、100枚、300枚と
かえて処理を行い、同じ条件で30日間ランニング処理
を行った後の現像試料を作製し、新液のときの性能と比
較した(処理No.1〜22)。この時、処理No.1
0の現像液の比重は、新液に対して0.015上がって
いた。得られた結果を表1に示す。
【0107】 現像液補充量 大全1枚あたり40ml 定着液補充量 大全1枚あたり60ml 水洗水補充量 大全1枚あたり800ml 各試料は光学濃度計PDA−65(コニカ(株)製)を
用いて感度、ガンマ及びカブリを測定した。それぞれの
試料の感度は光学濃度3.0が得られる露光量の逆数の
対数値で表し、処理No.10の新液処理の試料の感度
を100とした場合の相対値で示した。試料の未露光部
の濃度をカブリとした。特性曲線の光学濃度0.3と
3.0になる点を直線で結んだ傾きをガンマとした。
【0108】又、自動現像機は、搬送速度を345〜4
380mm/分まで可変できるものを用いて処理を行っ
た。感光材料の最大処理可能巾は864mmであった。
尚15秒現像時の搬送速度は1095mm/分である。
【0109】
【表1】
【0110】表1の結果から明らかなように、本発明の
態様は、1日あたりの補充量が少ない自動現像機に対し
ても、ランニング前後での性能の変化が少なく、安定性
に優れている。
【0111】実施例2 実施例1の処理No.10において、現像時間を表2の
ように変化させて同様の処理を行った。結果を表2に示
す(処理No.23〜28)。
【0112】
【表2】
【0113】表2から明らかなように、本発明の効果は
現像時間が10〜25秒の場合に効果が大きい。
【0114】実施例3 実施例1の処理No.10において、現像液、現像補充
液を現像液Aから現像液Bに換えて同様の処理を行っ
た。結果を表3に示す(実験No.29,30)。
【0115】
【表3】
【0116】表3の結果から明らかなように、本発明の
効果は実質的にハイドロキノンを含まず、前記一般式
(A)で表される化合物を現像主薬とする現像液を用い
たときに効果が大きい。
【0117】
【発明の効果】現像液の自動現像機中における滞留時間
が長い印刷製版用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
および該処理に好適に用いることのできる印刷製版用ハ
ロゲン化銀写真感光材料が得られた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のヒドラジン化合物を含
    有し、一般式(I)または(II)で表される化合物を感
    光材料1m2あたり0.01〜0.20g含有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (式中、Qは置換基を有してもよい5員または6員の複
    素環又は5員又は6員のベンゼン環等の炭素環或いは他
    の複素環と縮合した5員または6員の複素環を形成する
    のに必要な原子群を表す。) 【化2】 (式中、Yは水素原子、アミノ基又は1価の有機基を表
    す。Zは窒素原子、硫黄原子または酸素原子を表す。n
    はZが窒素原子の場合1を表し、Zが酸素原子または硫
    黄原子の場合0を表す。R1は水素原子、アミノ基、メ
    ルカプト基、ヒドロキシル基、ヒドラジノ基又は1価の
    有機基を表す。)
  2. 【請求項2】 更に一般式〔Na〕で表される化合物を
    感光材料1m2あたり0.001〜0.020g含有す
    る請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化3】 (式中、R11、R12及びR13は各々、水素原子、アルキ
    ル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基又は置換アリール基を表
    し、R11、R12、R13で環を形成することができる。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料を、自動現像機を用いて、一日あたりの現
    像液の補充量が、現像液1リットルあたり100ml以
    下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料の処理方法。
  4. 【請求項4】 実質的にハイドロキノンを含まず、一般
    式(A)で表される化合物を現像主薬とする現像液を用
    いて処理することを特徴とする請求項3に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理方法。 【化4】 (式中、R1及びR2は各々、置換もしくは無置換のアル
    キル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは
    無置換のアルコキシ基又は置換もしくは無置換のアルキ
    ルチオ基を表し、R1とR2が互いに結合して環を形成し
    てもよい。kは0又は1を表し、k=1の時、Lは−C
    O−又は−CS−を表す。M1及びM2は各々、水素原子
    又はアルカリ金属原子を表す。)
  5. 【請求項5】 現像時間が10〜25秒であることを特
    徴とする請求項3または4に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法。
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