JP2002309459A - 糊付機能を備えた全自動部分整経機 - Google Patents

糊付機能を備えた全自動部分整経機

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JP2002309459A JP2001117257A JP2001117257A JP2002309459A JP 2002309459 A JP2002309459 A JP 2002309459A JP 2001117257 A JP2001117257 A JP 2001117257A JP 2001117257 A JP2001117257 A JP 2001117257A JP 2002309459 A JP2002309459 A JP 2002309459A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量・短納期化を要求されるオーダーに対
し、必要量だけを短納期で製織するための準備工程設備
を備えた全自動部分整経機を提供する。 【解決手段】 織物の総経糸本数をいくつかのバンドに
分割し、整経クリールより供給される1バンド分の糸を
綾取り装置及び幅決め筬を通過させ、所定の密度で必要
な整経長を整経ドラムに巻付け、これを総経糸本数及び
整経幅になるまでバンドを繰り返し整経を行う部分整経
機において、該整経クリールと綾取り装置の間に糊付装
置及び乾燥装置を設け、該整経クリールから供給される
糸を糊付乾燥した後、該綾取り装置及び幅決め筬を通過
させるように構成し綾取り作業、バンド合わせ作業、整
経作業及びバンド毎の糸処理作業の全てを自動化するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維の少量・多品種・短
納期生産に適する糊付機能を備えた全自動部分整経機に
関する。
【0002】
【従来技術】この種の全自動部分整経機としては、特公
平5−85661号公報に示されたような綾取り作業、
バンド合わせ作業、整経作業及びバンド毎の糸処理作業
すべてを自動化した構造のものが知られている。
【0003】一方、コスト競争力で不利な日本の織布産
業が生き残るためには、高付加価値の開発・生産が重要
であり、かつマーケットの要求に対し短期間で対応する
生産体制(少量・多品種・短納期生産体制)を構築する
ことが重要である。
【0004】織布工程の少量・多品種・短納期化のネッ
クとなる工程が整経・糊付工程であることは、従来より
当業界で広く指摘されているところである。
【0005】従来技術の少量織布準備では何が問題であ
るかについて述べると、通常の大量生産向きに使用され
る粗巻整経方式では、800〜1200個の多量のチー
ズが必要で、例えば1チーズが最低の500g巻きとし
ても400kgの経糸が必要となる。多量のチーズが必
要ということは、少量の糸で整経する場合、分割作業や
チーズ・ドラムの途中卸し作業などの余分な作業が生じ
る。
【0006】また、少量であっても整経、糊付、ビーミ
ング工程で必要な仕掛け時間や前後の糸ロスは同じだけ
生じるため、単位長さ当たりの作業時間や工程ロスが多
くなる。一方少量生産向きの部分整経においても糊付品
種は、チーズ本数分を別工程で1本ずつ糊付する必要が
あり、かつ従来の部分整経機は熟練者によるマニュアル
の整経技術・技能などが必要などの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した特
に少量・短納期化に伴う従来の問題を解決すべくなされ
たもので、少量・短納期化を要求されるオーダーに対
し、必要量だけを短納期で製織するための準備工程設備
を備えた全自動部分整経機を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の糊付機能を備えた全自動部分整経機は、織
物の総経糸本数をいくつかのバンドに分割し、整経クリ
ールより供給される1バンド分の糸を綾取り装置及び幅
決め筬を通過させ、所定の密度で必要な整経長を整経ド
ラムに巻付け、これを総経糸本数及び整経幅になるまで
バンドを繰り返し整経を行う部分整経機において、該整
経クリールと綾取り装置の間に糊付装置及び乾燥装置を
設け、該整経クリールから供給される糸を糊付乾燥した
後、該綾取り装置及び幅決め筬を通過させるように構成
し、綾取り作業、バンド合わせ作業、整経作業及びバン
ド毎の糸処理作業全てを自動化したことを特徴とする。
【0009】前記糊付装置は、100mm以上離れた少
なくとも2本の糊付ローラからなるローラ糊付方式で、
かつ、ローラ回転数と整経ドラムの回転速度の連動化を
図り、さらに整経クリールと糊付ローラとの間に、糊付
ローラ軸と平行な方向に往復運動するフロントリードを
設けることによって、経糸と糊付ローラの接触点の位置
を、糊付ローラ軸と平行な方向に往復運動させながら糊
付を行うことが、付着する糊量の均一化に有効である。
【0010】さらにフロントリードと糊付ローラの間に
2本のガイドローラを設け、その周速を糸速より遅く設
定し、糸速とガイドローラの周速の差を回生ブレーキと
して糸に張力を付加することで、糊付・乾燥時の糸シー
トに適正な張力が付加され、糸ゆるみにより隣接糸がく
っつき糸切れするなどのトラブルを未然に防止する事に
有効である。
【0011】また、前記フロントリードと糊付ローラの
間にある2本のガイドローラの片方にニップローラを設
け、高速運転時ニップローラは離れた状態とし、低速運
転時及び整経ドラム停止時はニップローラがガイドロー
ラに圧着する機構としたことにより、低速時糸シートが
弛もうとする動きに対しガイドローラとニップローラが
常時糸シートに緊張を与える作用をし、結果として糸シ
ートの弛みが防止できる。
【0012】前記乾燥装置の熱風吹き出し口に開閉式シ
ャッターを取り付け整経機の運転信号によりシャッター
の開閉を可能とし、整経機運転中(整経ドラム回転中)
には乾燥用熱風は糸の走行ゾーンを含む熱風循環路へ吹
き出され、整経機運転待機中(整経ドラム回転中断中)
には乾燥用熱風は糸の走行ゾーンを含まない待機熱風循
環路(ダクト)内を低速で循環させられることで整経機
が停止した場合、乾燥装置内の糸シートが熱風により乱
れ、隣接糸同士が絡みつき易い点を防止するのに極めて
有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に係る糊
付機能を備えた部分整経機の一つの実施の形態を示す概
略側面図、図2は図1の概略平面図、及び図3は図1の
部分整経機にニップローラを取付けた状態を示す要部拡
大摘示図、図4は乾燥装置の一例を示す側面概略図で、
整経機運転待機中の熱風循環路の状態を示し、図5は図
4と同様の図面で、整経機運転中の熱風循環路の状態を
示すものである。
【0014】本発明の基本的な技術思想は、少量生産に
優位な部分整経機をベースに、クリールと整経ドラムの
間に簡易ローラ糊付装置と乾燥装置を組み込んで整経・
糊付を1プロセス化し、少量生産の決め手となる整経機
のクリール数を既存粗巻整経機の1/5以下すなわち1
00〜200個さらに望ましくは1/10以下すなわち
50〜100個としさらには整経バンド毎に経糸をドラ
ムに巻く作業の完全自動化を行うことにある。
【0015】通常の部分整経機は粗巻整経機に比べ少量
生産に有利であるが、糊付品種の場合整経本数分を別工
程で1本ずつ糊付する必要があり2プロセスとなり、時
間的にもコスト的にも不利である。本発明は簡易ローラ
糊付装置と乾燥装置を組み込んで整経・糊付工程を1プ
ロセス化することによりこの問題を解決する。
【0016】また、少量生産の決め手となる整経機のク
リール機は、通常の部分整経機では、300〜500個
が普通であるが枠立て数を100〜200個さらに望ま
しくは50〜100個とする。枠立て数と整経バンドの
積が総経糸本数の関係にあり従来の部分整経機で、ただ
単に枠立て数を減少すれば、整経バンド数は増加するた
め綾取り作業、バンド合わせ作業、整経作業及びバンド
毎の糸処理作業などマニュアル作業量が大幅に増加し問
題となる。これらの整経バンド毎に経糸をドラムに巻く
作業をすべて完全自動化し、無人運転可能化することに
ついては既に提案されている(特公平5−85661号
公報参照)。
【0017】図1及び図2において、10は本発明に係
る糊付機能を備えた全自動部分整経機である。該全自動
部分整経機10は、織物の総経糸本数をいくつかのバン
ドに分割し、整経クリール12より供給される1バンド
分の経糸14を綾取り装置16及び幅決め筬18を通過
させ、所定の密度で必要な整経長を整経ドラム20に巻
付け、これを総経糸本数及び整経幅になるまでバンドを
繰り返し整経を行うものである。なお、21は経糸用ビ
ームである。
【0018】本発明の全自動部分整経機10における最
大の特徴は、該整経クリール12と綾取り装置16の間
に糊付装置22及び乾燥装置24を設け、該整経クリー
ル12から供給される経糸14を糊付装置22において
糊付し、次いで乾燥装置24で乾燥した後、該綾取り装
置16及び該幅決め筬18を通過させるようにした点に
ある。
【0019】該糊付装置22は、糊液を収容する糊液ボ
ックス26と、経糸14に糊付する少なくとも2本の糊
付ローラ28を有し、該糊付ローラ28,28の軸間隔
は少なくとも100mm以上離して設けられる。
【0020】30はフロントリードで、該整経クリール
12から引き出された経糸14をガイドローラ32に導
く作用を行う。該フロントリード30は前記糊付ローラ
28の軸と平行な方向(図2のY方向)に往復可能とさ
れている。
【0021】一般に、ローラ糊付方式においては、糸道
はほぼ固定されている。しかも糊付ローラ28と糸の走
行速度と比べて、糊付ローラ表面の回転速度は極めて遅
いため、糊付ローラ28の表面に付着している糊液が、
糊付ローラ28に接触通過する糸へ常に均一に供給され
ず、糸に付着する糊の量が不均一になり、タテスジ欠点
や製織不良などの問題が生じる。ローラ糊付方式では糊
の付着量を如何に均一にするかが従来より最大の課題で
ある。
【0022】本発明で用いられるローラ糊付方式の糊付
装置22では、経糸14と糊付ローラ28との接触点A
の位置を、糊付ローラ28の軸と平行な方向に動かしな
がら糊付を行うことによって糊の付着量の均一化を図ろ
うとするものである。経糸14と糊付ローラ28の表面
とが、連続して同じ位置で接触しないので、糊液を糸の
長さ方向及び各糸に均一に付着させることができる。経
糸14と糊付ローラ28との接触点Aの移動の周期や移
動距離は、糊付する糸14の種類によって選択する。通
常は、振幅が3〜10mm、周期が10〜30回/分の
範囲が好ましい。
【0023】経糸14と糊付ローラ28との接触点Aに
上記の運動を付与する具体的手段としては、整経クリー
ル12と糊付ローラ28の間に糊付ローラ28の軸と平
行な方向に往復運動するフロントリード30を設けるこ
とによって達成される。
【0024】また、糊付ローラ28は2本以上使用する
と、経糸14の長さ方向における糊付液の付着量を均一
化するのに有効である。2本以上設けられた各糊付ロー
ラ28の軸間隔を、少なくとも100mm、さらに好ま
しくは150mm以上離して取付ける。
【0025】糊付ローラ28の軸間隔が小さ過ぎると、
前段に設けられた糊付ローラ28で糊が付着する部分
と、次段に設けられた糊付ローラ28で糊が付着する部
分とが重複して、糊の付着量が長さ方向に不均一になり
やすい。
【0026】さらに、経糸14の長さ方向における糊の
付着量を均一化する方法としては、糊付ローラ28の回
転数と経糸14の巻取速度の連動化を図ることが有効で
ある。部分整経機10の場合、経糸の巻取速度が、高
速、低速の間欠運転を繰り返すために糊付ローラ28の
回転数が一定であると、糊付着量が高速、低速時で異な
り経糸の長さ方向に不均一となってしまう。経糸の巻取
速度の変化に応じ、糊付ローラ28の回転数を適宜変化
させ糊の付着量を均一化させる方法である。
【0027】さらにフロントリード30と糊付ローラ2
8の間に2本のガイドローラ32を設け、その周速を糸
速より遅く設定し、糸速とガイドローラの周速の差を回
生ブレーキとして糸14に張力を付加することができ
る。このことにより、糊付・乾燥時の糸シート14に適
正な張力が付加され、糸ゆるみにより隣接糸がくっつき、
糸切れするなどのトラブルを未然に防止出来る。ガイド
ローラ32の駆動には、例えば3相無段変速誘導電動
機、又はトルクモーターやDCモーター等を使用するこ
とで目的は達成できる。
【0028】前述した特公平5−85661号に記載さ
れた全自動部分整経機においては、クリール部と綾取り
部の中間に糊付装置と乾燥装置を組み込み糊付する際、
新たな問題として、綾取り作業時、経糸を開口補助バー
で大きく開口させ、綾テープを挿入し、次の段階で開口
を、ひっくり返し次の綾を組む際、経糸シートが大きく
弛み、糊付ローラ上の糸が隣同士くっついたり、ローラ
表面に密着してローラ巻付きを生じ、糸切れの原因とな
ることが判った。
【0029】この対策としては、図3に示したように、
フロントリード30と糊付ローラ28の間に2本のガイ
ドローラ32の片方にニップローラ34を設け、高速運
転時にはニップローラ34は離れた状態とし、低速運転
時及び整経ドラム停止時にはニップローラ34がガイド
ローラ32に圧着する機構とすることで解決出来る。
【0030】なお、ニップローラ34の離着はエアシリ
ンダー駆動が望ましく、さらにガイドローラ32の回転
方向は、高速運転時は糸の進行方向での回転とし、低速
運転時は糸の進行方向とは逆方向の回転することがより
望ましい。このことにより、低速時糸シートが弛もうと
する動きに対しガイドローラ32とニップローラ34が
常時糸シート14に緊張を与える作用をし、結果として
糸の弛みが防止できる。
【0031】前記乾燥装置24は、図4及び図5に示さ
れるごとく、チャンバー36を有している。該チャンバ
ー36の上部には糸14の走行ゾーン38が設けられて
いる。40は該チャンバー36の内部に設置された加熱
装置である。
【0032】該チャンバー36の内部の糸14の走行方
向(矢印Y)側の端部部分には上記糸14の走行ゾーン
38を含まない待機熱風循環路hを形成する環状ダクト
42が設けられている。該環状ダクト42内には第1モ
ータM1によって駆動せしめられる第1ファン機構44
が設けられている。
【0033】該環状ダクト42の上部には、上記糸走行
ゾーン38に連通する連絡通路、即ち熱風吹き出し口4
6が設けられている。48は該連絡通路46を開閉自在
に閉鎖する開閉式シャッターである。この開閉式シャッ
ター48は部分整経機10の運転信号によってその開閉
が行われるもので、部分整経機10の運転中は該シャッ
ター48は開放方向に回動して該連絡通路46を開口し
(図5)、また部分整経機10の運転待機中又は運転停
止中には該シャッター48は閉鎖方向に回動して該連絡
通路44を閉鎖する(図4)。
【0034】一方、該チャンバー36の内部の糸14の
走行方向(矢印Y)と反対側の端部部分には上記糸14
の走行ゾーン38を含む乾燥熱風循環路Hの一部を形成
する垂直ダクト50が設けられている。52は該チャン
バー36の内部中央部に設けられた水平ダクトで、該垂
直ダクト50と前記環状ダクト42とを連通して糸14
の走行ゾーン38を含む待機循環路Hを形成する。該垂
直ダクト50の下部には第2モータM2によって駆動せ
しめられる第2ファン機構54が設けられている。
【0035】前記部分整経機10の運転待機中は、図4
に示したように、前記開閉式シャッター48によって連
絡通路46は閉鎖せしめられている。この時、第1モー
タM 1は低速回転状態となり、第1ファン機構44によ
って待機熱風循環路h内は乾燥用熱風W1が低速循環し
て運転再開に対して待機している状態となっている(図
4)。なお、この状態では第2モータM2はオフとさ
れ、第2ファン機構54は停止している。
【0036】一方、前記部分整経機10の運転中は、図
5に示したように、前記開閉式シャッター48は下方に
回動して連絡通路46は開放状態となる。この時、第1
モータM1及び第2モータM2はともに高速回転状態とな
り、第1ファン機構44及び第2ファン機構54によっ
て乾燥熱風循環路H内は乾燥用熱風W2が高速循環し、
糸走行ゾーン38を走行する糸14は走行中に迅速に乾
燥せしめられる。
【0037】すなわち、熱風乾燥を前提とするため、部
分整経機10が運転待機状態となった場合、乾燥装置2
4内の糸シート14が熱風により乱れ、隣接糸同士が絡
みつきやすい点を防止するため、運転中と運転待機時の
熱風循環路を区分する、いわゆる熱風循環経路変更方式
とする。もちろん熱風温度は、制御されるので次の運転
時、時間やエネルギーのロスもなく運転再開可能で、乾
燥不良や乾燥ムラが防止できる。
【0038】次に本発明において好適に用いられる全自
動部分整経機について述べる。通常の部分整経機の基本
的整経作業は次の手順で行われる。各整経バンドのバ
ンド合わせ作業綾取り作業整経(整経ドラムへの巻
付け)整経バンド毎の糸処理作業、すなわち、から
の操作を各整経バンド毎に必要バンド数だけ繰り返す
が、を除き各操作は手作業で行われる。本発明で好適
に用いられる全自動部分整経機は、例えば特公平5−8
5661号公報に記載された構造であって、最初の1バ
ンドのみ若干の手動作業を伴うが、2バンド目から最終
バンドまでからの作業を全自動的に行うことができ
るものである。
【0039】糊剤は特に限定されない。例えば、アクリ
ル系糊剤を70〜80重量%用い、ワックスエマルジョ
ンを残りの20〜30重量%用いた糊剤を、好ましく用
いることが出来る.基本的に簡易整経糊付方法であるの
で、乾燥性と接着性に優れていること、さらに、乾燥性
や浸透性を考慮すると、高濃度で低粘度を有する糊剤で
あることが好ましい。
【0040】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的
に解釈されるべきものでないことはいうまでもない。
【0041】(実施例1)部分整経機においてクリール
部と綾取り部の中間に糊付装置と乾燥装置を有しかつ綾
取り作業、バンド合わせ作業、整経作業及びバンド毎の
糸処理作業をすべて自動化した実験機を試作し、試験を
行った。経糸としてポリエステルマルチフィラメントの
無撚糸(50D−24F、丸断面糸)を用い、ヨコ糸と
してポリエステルマルチフィラメント糸の無撚無糊糸
(75D−36F、丸断面糸)を用いた平織物を製織し
た。
【0042】この時の経糸の整経・糊付条件は下記の通
りである。 整経機機種 :(有)スズキワーパー製 自動部分整経機タイプK5A 整経速度 :150m/min 整経枠立数 :100本 整経バンド数 :50個 使用糊剤 :互応化学製 プラスサイズTG−022 糊付着量 :4.0% 乾燥チャンバー長:2m 乾燥温度 :100℃ 糊付ローラ :外径60mmφ、ステンレス製鏡面仕上げ、回転数8回/ 分
【0043】製織条件は下記の通りである。 織物規格 :生機経糸密度103本/in×ヨコ糸密度79本/in 生機幅 131cm 織機機種 :ウオータ・ジェット・ルーム(津田駒工業製) リードスペース 150cm 製織条件 :織機回転数 900rpm 製織長 550m/1水準
【0044】上記条件下で、フロントリードの往復運動
の有無、糊付ローラの本数及び糊付ローラの軸間隔をそ
れぞれ表1のように変化させ、糊付着のムラと関連の高
い経筋品位及び製織性について評価を行った。結果を表
1に示す。得られた織物は、経筋の発現が見られず高品
質であり、製織性は良好であった。
【0045】(実施例2)糊付ローラを2本使用し、各
ローラの軸間隔を200cmとした以外は実施例1と同
一の条件で整経、糊付及び製織を行った。実施例1と同
様に得られた織物は、経筋の発現が見られず高品質であ
り、製織性は良好であった。
【0046】(実施例3)糊付ローラを2本使用し、各
ローラの軸間隔を10cmとした以外は実施例1と同一
の条件で整経、糊付及び製織を行った。得られた織物
は、実施例1〜2と同様に経筋の発現が見られず高品質
であり、製織性は良好であった。
【0047】(実施例4)実施例3と同様の条件で、た
だし糊付ローラの軸間隔を5cmとして整経、糊付及び
製織を行った。得られた織物には、実施例3と比較し
て、経筋の発現がわずかに見られ、製織性は実施例1〜
3に比較してやや劣っていた。
【0048】(実施例5)糊付ローラは1本使用した以
外は実施例1と同一の条件で整経、糊付及び製織を行っ
た。得られた織物には、経筋が観察され、また、製織性
は実施例4には及ばなかった。
【0049】(比較例1)経糸に往復運動を与えずに糸
道を固定し、2本の糊付ローラを使用して、糊付ローラ
の軸間隔を5cmとした以外は実施例1と同一の条件で
整経、糊付及び製織を行った。得られた織物は、経筋が
極めて目立ち、製織性も悪かった。
【0050】
【表1】
【0051】(実施例6及び比較例2)実施例1の条件
下、図3に示す如きガイドローラ5の片方にニップロー
ラ12を設け、高速運転時ニップローラは離れた状態と
し、低速運転時及び整経ドラム停止時はニップローラが
ガイドローラに圧着する機構とした。その結果、ニップ
ローラのない比較例2が、綾取り作業時、経糸を開口補
助バーで大きく開口させ、綾テープを挿入し、次の段階
で開口を、ひっくり返し次の綾を組む際、経糸シートが
大きく弛み、糊付ローラ上の糸が隣同士くっついたり、
ローラ表面に密着してローラ巻付きを生じ、糸切れする
のに対し、実施例6では常時糸シートに緊張を与えられ
るため、弛みが生じずこれらの問題は防止できた。
【0052】
【発明の効果】本発明の糊付機能を備えた全自動部分整
経機は、織布の少量・多品種・短納期生産に適し、特に
QR対応性については、従来に比べ工程間の待ち時間を
考慮すると圧倒的に優位で、織布準備期間は糊付時、少
なく見積もっても従来の部分整経方式対比1/4以下
(2日から0.5日)に短縮可能である。またコスト的
にもきわめて有利である。
【0053】特に、本発明の部分整経機に具備された経
糸の糊付装置を用いることによって、経糸の長さ方向及
び各糸条に糊剤を均一に付着することが出来るため、品
質の良い織物を効率よく製織することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる糊付機能を具備した部分整経
の一つの実施の形態を示す概略側面図である。
【図2】 図1の概略平面図である。
【図3】 図1の部分整経機にニップローラを取付けた
状態を示す要部拡大摘示図である。
【図4】 乾燥装置の一例を示す側面概略図で、整経機
運転待機中の熱風循環路の状態を示す。
【図5】 図4と同様の図面で、整経機運転中の熱風循
環路の状態を示す。
【符号の説明】
10:全自動部分整経機、12:整経クリール、14:
経糸、経糸シート、16:綾取り装置、18:幅決め
筬、20:整経ドラム、21:経糸用ビーム、24:乾
燥装置、26:糊液ボックス、28:糊付ローラ、3
0:フロントリード、32:ガイドローラ、34:ニッ
プローラ、36:チャンバー、38:糸走行ゾーン、4
0:加熱装置、42:環状ダクト、44:第1ファン機
構、46:熱風吹き出し口又は連絡通路、48:開閉式
シャッター、50:垂直ダクト、52:水平ダクト、5
4:第2ファン機構、M1:第1モータ、M2:第2モー
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藍原 孝次 群馬県桐生市川内町3−582−15 Fターム(参考) 3B154 AA07 AB03 AB12 BA05 BA19 BB77 BC22 BF06 CA38 CA39 DA30 4L052 AA02 BA01 CA01 DA15 MA01 PA01 PA04 PA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織物の総経糸本数をいくつかのバンドに
    分割し、整経クリールより供給される1バンド分の糸を
    綾取り装置及び幅決め筬を通過させ、所定の密度で必要
    な整経長を整経ドラムに巻付け、これを総経糸本数及び
    整経幅になるまでバンドを繰り返し整経を行う部分整経
    機において、該整経クリールと綾取り装置の間に糊付装
    置及び乾燥装置を設け、該整経クリールから供給される
    糸を糊付乾燥した後、該綾取り装置及び幅決め筬を通過
    させるように構成し、綾取り作業、バンド合わせ作業、
    整経作業及びバンド毎の糸処理作業の全てを自動化した
    ことを特徴とする糊付機能を備えた全自動部分整経機。
  2. 【請求項2】 前記糊付装置は糊付ローラの軸間隔が、
    100mm以上離れた少なくとも2本の糊付ローラから
    なるローラ糊付方式で、かつ、ローラ回転数と巻取速度
    の連動化を図り、さらに整経クリールと糊付ローラとの
    間に、糊付ローラ軸と平行な方向に往復運動するフロン
    トリードを設けることによって、経糸と糊付ローラとの
    接触点の位置を、糊付ローラ軸と平行な方向に往復運動
    させながら糊付を行うことを特徴とする請求項1に記載
    の全自動部分整経機。
  3. 【請求項3】 フロントリードと糊付ローラの間に2本
    のガイドローラを設け、その周速を糸速より遅く設定
    し、糸速とガイドローラの周速の差を回生ブレーキとし
    て糸に張力を付加することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の部分整経機。
  4. 【請求項4】 前記フロントリードと糊付ローラの間に
    ある2本のガイドローラの片方にニップローラを設け、
    高速運転時ニップローラは離れた状態とし、低速運転時
    及び整経ドラム停止時はニップローラがガイドローラに
    圧着する機構としたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の全自動部分整経機。
  5. 【請求項5】 前記乾燥装置の熱風吹き出し口に開閉式
    シャッターを取り付け整経機の運転信号によりシャッタ
    ーの開閉を可能とし、整経機運転中には乾燥用熱風は糸
    の走行ゾーンを含む熱風循環路へ吹き出され、整経機運
    転待機中には乾燥用熱風は糸の走行ゾーンを含まない待
    機熱風循環路内を低速で循環させられることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の全自動部分整経
    機。
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