JP2002309373A - 化学気相成長用原料及び金属化合物 - Google Patents
化学気相成長用原料及び金属化合物Info
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Abstract
を含む機能性セラミックスの製造に適した希土類元素の
金属化合物を用いた化学気相成長(CVD)用原料及び
これに用いられる金属化合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される金属化合物
を含有してなる化学気相成長用原料。 【化1】
Description
有する金属化合物を含有してなる化学気相成長(CV
D)法用原料及びこれに用いられる特定の金属化合物に
関し、詳しくは、特定の分子構造を有するβ−ジケトン
錯体であるトリスβ−ジケトネート化合物を含有してな
る化学気相成長(CVD)用原料及びこれに用いられる
特定の金属化合物に関する。
元素を含む機能性セラミックスは、特異な電気特性、光
学特性を有するので、半導体、電子部品、光学部品等に
応用が期待されており、特に高温超電導体、半導体メモ
リ、光通信用回路等への応用が検討されている。
ガラスは、特異的な光学特性を有するので、レーザ発信
器、光ファイバ、光導波路、光増幅器等に応用されてお
り、これらを用いた光通信用回路は高速大容量通信シス
テムを実現するものとして期待されている。特にプラセ
オジム、エルビウム、ツリウムは、光増幅器のドーパン
トとして優れた性質を有しており有用な元素である。こ
れらについては、例えば、マテリアルインテグレーショ
ンVol.13、No.9(2000)、化学工業時報
(平成12年8月5日)に記載がある。
スの製造法としては、火焔堆積法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等
のMOD法が挙げられるが、組成制御性、段差被覆性に
優れること、半導体デバイスと類似のプロセスを用いる
ことが可能で量産化に適すること、ハイブリッド集積が
可能である等の多くの長所を有しているので、化学気相
成長(以下、CVDと記載することもある)法が最適な
製造プロセスである。
は、所望のセラミックスを構成する金属元素を気相の状
態で容易に供給することができる化合物、即ち、揮発性
が大きく、安定して揮発させることのできる金属化合物
が求められており、また、原料の輸送等の操作性が良好
である液体の温度域の大きいものが求められている。
は、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−
ジオン(THD)、ヘキサフルオロアセチルアセトン
(HFA)のβ−ジケトン錯体が用いられてきた。これ
らは、高融点の固体なので、ライン中での析出、詰まり
等が発生する場合があり、インラインでの原料の輸送性
に問題点があった。また、原料の気化工程において、昇
華現象でガス化させるか、あるいは、融点以上の高温に
原料を保つ必要があり、揮発量不足、経時変化等の原料
ガス安定供給性に問題があった。
化合物の使用が提案されている。例えば、J.inor
g.nucl.Chem.,33(1971)に2,2
−ジメチル−6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフル
オロオクタン−3,5−ジオン(FOD)の錯体、特開
平9−41144号公報には、6−エチル−2,2−ジ
メチル−3,5−オクタンジオンの錯体、特開平9−2
28049号公報には2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−オクタンジオンの錯体が報告されているが、上
記の問題に対して充分に満足できるものではない。ま
た、特開平9−136857号公報に金属化合物に対し
液体状態を与えるエーテル鎖を有するβ−ジケトンの金
属化合物が報告されているが、希土類元素の金属化合物
については、具体的に記載されていない。
(CVD)法による希土類元素を含む機能性セラミック
スの製造に適した希土類元素の金属化合物を用いた化学
気相成長(CVD)用原料及びこれに用いられる金属化
合物を提供することにある。
ねた結果、特定の分子構造を有するβ−ジケトン化合物
を用いた金属化合物が、上記の問題点を解決し得ること
を知見し、本発明に到達した。
のであり、下記一般式(I)で表される金属化合物(ト
リスβ−ジケトネート)を含有してなる化学気相成長
(CVD)用原料に関する。
られる下記一般式(II)で表される新規の金属化合物に
関する。
詳細に説明する。
金属化合物において、Mで表される希土類元素として
は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウ
ム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウ
ム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムが挙げられる。
8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三
ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、1−エチル
ブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−エチ
ルペンチル、1−メチルシクロヘキシル、n−オクチ
ル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル
が挙げられる。
〜3個の酸素原子を含んでもよい炭素数6〜10のアル
キル基としては、1−エチルブチル、1−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチ
ル、第三ヘプチル、1−エチルペンチル、n−オクチ
ル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシ
ル、1−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルエチ
ル、2−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルエチ
ル、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチル
エチル、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシメチ
ル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エ
チル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]
−1,1−ジメチルエチル等が挙げられる。
れる金属化合物は、特に原料供給性及び原料輸送性に優
れるので、CVD原料として好ましいものである。
般式(I)と同様に希土類元素を表し、R3 及びR
4 は、一方が第三ブチルを表し、他方が1−エチルペン
チル又は2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメ
チルエチルを表す。
る機能性セラミックスの組成により、任意に選ばれるも
のである。例えば、酸化銅系高温超電導体の原料として
は、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サ
マリウム、イッテルビウムが挙げられ、強誘電体半導体
メモリの原料としては、ランタン、プラセオジムが挙げ
られ、光ファイバ増幅器用のドーパント原料としては、
プラセオジム、エルビウム、ツリウムが挙げられる。
しては、例えば、下記に例示する化合物No1〜8が挙
げられる。尚、下記式では、便宜上R1 とR2 又はR3
とR4 を区別した形で記載しているが、これは、金属原
子と配位子であるβ−ジケトンとの錯体化合物を表す方
法の一つであり、R1 とR2 又はR3 とR4 を厳密に区
別しているものではない。化合物No.1〜8は、25
℃で液体又はガラス状の固体であり、130℃の低温度
で充分な流動性を有する液体であるので、CVD原料と
して輸送性に特に優れるので好ましい。
その製造方法は、特に制限を受けることはなく、希土類
元素の塩とβ−ジケトンとの反応等の周知一般の方法を
用いることができる。例えば、塩化物、硝酸塩等の無機
塩又はその水和物と、該当するβ−ジケトン化合とを水
酸化ナトリウム、アンモニア、アミン等の塩基の存在下
で反応させて製造してもよく、トリメトキシド、トリエ
トキシド、トリイソプロポキシド、トリブトキシド等の
低分子アルコールのアルコキシドと該当する配位子化合
物との交換反応により製造してもよい。
ある上記のβ−ジケトン化合物は、該当するケトンと有
機酸エステル、酸ハライド等の有機酸の反応性誘導体と
の公知の縮合反応等によって得られる。例えば、6−エ
チル−2,2−ジメチルデカン−3,5−ジオンは、ピ
ナコリンと2−エチルヘキサン酸フェニルをナトリウム
アミドで縮合させることにより得ることができる。
は、上記の金属化合物を含有してなるものであり、その
形態は、使用されるCVD法の輸送供給方法等の手法に
より適宜選択されるものである。
料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気化さ
せ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム
等のキャリアガスと共に堆積反応部へと導入する気体輸
送法、CVD用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで
輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気
化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法がある。
気体輸送法の場合は、上記の金属化合物そのものがCV
D用原料となり、液体輸送法の場合は、該金属化合物そ
のもの又は該金属化合物を有機溶剤に溶かした金属化合
物溶液がCVD用原料となる。
CVD法においては、CVD用原料を各成分独立で気
化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載する
こともある)と、多成分原料を予め所望の組成で混合し
た混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソー
ス法と記載することもある)がある。カクテルソース法
の場合、本発明に係る金属化合物と他の成分の金属供給
源化合物との混合物或いは混合溶液がCVD用原料であ
る。
しては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶
剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−
ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエ
ーテルアルコール類;テトラヒドロフラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルブチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、
ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミル
ケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等
のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素類が挙げられ、こ
れらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係
等によって適宜選択される。
は、特に制限を受けず周知一般のCVD原料となる化合
物を用いることができる。該金属供給源化合物として
は、アルコール化合物、グリコール化合物、β−ジケト
ン化合物、シクロペンタジエン化合物等の1種類又は2
種類以上の有機配位化合物と金属との化合物が挙げられ
る。
は、例えば、光学ガラスの場合は、珪素化合物として
は、モノシラン、ジシラン、トリメチルシラン、トリエ
チルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラブトキシシラン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサ
エトキシジシロキサン、トリメトキシメチルシラン、ト
リエトキシメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリメチルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン
等が挙げられ、硼素化合物としては、ボラン、ジボラ
ン、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリメ
チル硼素、トリエチル硼素等が挙げられ、リン化合物と
しては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリメチルホス
ファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホス
ファイト、トリイソプロピルホスファイト等が挙げら
れ、珪素−硼素化合物及び珪素−リン化合物としては、
特開平2−12916号公報に記載のトリス(トリメチ
ルシリル)ボレート、ジメチル(トリメチルシリル)ホ
スファイト等が挙げられ、ゲルマニウム化合物として
は、ゲルマン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエ
トキシゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマニウム、
テトライソプロポキシゲルマニウム、テトラメチルゲル
マニウム、テトラエチルゲルマニウム等が挙げられ、チ
タン化合物としては、テトラメトキシチタン、テトラエ
トキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブ
トキシチタン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルヘ
プタン−3,5−ジオナト)ジイソプロポキシチタン、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−
3,5−ジオナト)チタン、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)チタン−2−
メチルペンタン−2,4−ジオキシド等が挙げられ、ア
ルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ト
リメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、
トリイソプロポキシアルミニウム、トリス(2,2,
6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)ア
ルミニウム等が挙げられる。
金属化合物の安定性を付与するため求核性試薬を含有し
てもよい。該求核試薬としては、グライム、ジグライ
ム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコ
ールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシ
ル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシク
ロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−ク
ラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミ
ン、N, N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,
4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,
1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテ
トラミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等
の環状ポリアミン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エ
チル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエ
ステル類又はβ−ジケトン類が挙げられ、これら安定剤
の使用量は、金属化合物1モルに対して0.1モル〜1
0モルの範囲で使用され、好ましくは1〜4モルで使用
される。
ス、製造されるセラミックスの用途及び組成等の使用方
法により何ら制限を受けることなく用いることができ
る。
方法、成膜方法等があり、例えば、輸送供給方法として
は、上記の気体輸送法、液体輸送法、シングルソース
法、カクテルソース法等が挙げられ、成膜法としては、
熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の方法を挙げる
ことができる。
温超電導体用途の組成として、YBa2 Cu3 O7 −δ
(YBC)型酸化物やYBC型酸化物のYサイトの一部
又は全部をランタン、セリウム、ネオジム、サマリウ
ム、イッテルビウム等のランタノイド元素で置換したR
EBC型酸化物が挙げられ、強誘電体メモリ用途として
はランタン添加チタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)が挙
げられ、光ファイバ増幅器用途等の光学ガラスの組成と
しては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ゲルマニウ
ム、酸化チタンから選ばれる1種以上からなるシリカ系
ガラス;フッ化ジルコニウム、フッ化バリウム、フッ化
ランタン、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウムから
選ばれる1種以上からなるフッ化物ガラス;テルライト
ガラス、硼酸ガラス、カルコゲナイトガラス、硫化物ガ
ラス、ビスマス系ガラス、リン酸珪酸ガラス、硼酸珪酸
ガラス等の光学ガラスにプラセオジム、エルビウム、ツ
リウムをドープしたものが挙げられる。
を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の
製造実施例及び評価例によって何ら制限を受けるもので
はない。
反応用フラスコに乾燥メタノール20ml、6−エチル
−2,2−ジメチルデカン−3,5−ジオン4.75
g、水酸化ナトリウム0.84gを仕込み、これに三硝
酸ランタン六水和物3.03gと乾燥メタノール20m
lの混合物を加え、25℃で8時間撹拌した。系内を減
圧濃縮して得られた残渣に乾燥ヘキサンを50ml加
え、60℃で加熱撹拌した後、濾過、脱溶媒を行い、得
られた残渣を、クーゲルロール分留器を用いて、150
〜200℃、33〜23Paで減圧蒸留を行い目的物で
ある軟化点123〜125℃のガラス状固体を4.70
g(収率82.4%)得た。得られたガラス状固体につ
いて、以下の分析を行い目的物である化合物No.1で
あることを確認した。
%)、水素9.26質量%(理論値9.277%)、ラ
ンタン17.0質量%(理論値17.04%) <スペクトル分析> IR分析 ・β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無
いことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的
な吸収波数を確認した。2959cm-1、2931cm
-1、2873cm-1、2850cm-1、1573c
m-1、1529cm-1、1504cm-1。
反応用フラスコに乾燥メタノール35ml、6−エチル
−2,2−ジメチルデカン−3,5−ジオン10.0
g、水酸化ナトリウム1.77gを仕込み、これに三硝
酸プラセオジム六水和物6.67gと乾燥メタノール3
5mlの混合物を加え、25℃で4時間撹拌した。系内
を減圧濃縮して得られた残渣に乾燥ヘキサンを150m
l加え、60℃で加熱撹拌した後、濾過、脱溶媒を行
い、得られた残渣を、クーゲルロール分留器を用いて、
150〜200℃、45〜25Paで減圧蒸留を行い目
的物である軟化点104〜105℃のガラス状固体を1
0.35g(収率86.3%)得た。得られたガラス状
固体について、以下の分析を行い目的物である化合物N
o.2であることを確認した。
%)、水素9.22質量%(理論値9.254%)、プ
ラセオジム17.2質量%(理論値17.25%) <スペクトル分析> ・IR分析 β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無い
ことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的な
吸収波数を確認した。2959cm-1、2930c
m-1、2873cm-1、2850cm-1、1571cm
-1、1529cm-1、1502cm-1。
反応用フラスコに乾燥メタノール50ml、6−エチル
−2,2−ジメチルデカン−3,5−ジオン9.16
g、水酸化ナトリウム1.62gを仕込み、これに三塩
化エルビウム水和物(塩素含有量26.5%品)5.0
0gと乾燥メタノール50mlの混合物を加え、25℃
で2時間撹拌した。系内を減圧濃縮して得られた残渣に
乾燥ヘキサンを80ml加え、60℃で加熱撹拌した
後、濾過、脱溶媒を行い、得られた残渣を、190〜2
10℃、45〜30Paで減圧蒸留を行い目的物である
液体9.81g(収率93.1%)得た。得られた液体
について、以下の分析を行い目的物である化合物No.
3であることを確認した。
%)、水素8.92質量%(理論値8.965%)、エ
ルビム19.8質量%(理論値19.83%) <スペクトル分析> ・IR分析 β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無い
ことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的な
吸収波数を確認した。2958cm-1、2931c
m-1、2873cm-1、2850cm-1、1569cm
-1、1527cm-1、1500cm-1。
反応用フラスコに乾燥メタノール60ml、該当するβ
−ジケトン21.24g、水酸化ナトリウム3.29g
を仕込み、これに三硝酸ランタン六水和物11.86g
と乾燥メタノール60mlの混合物を加え、25℃で3
時間撹拌した。系内を減圧濃縮して得られた残渣に乾燥
ヘキサンを300ml加え、60℃で加熱撹拌した後、
濾過、脱溶媒を行い、得られた残渣を、200〜240
℃、20〜8Paで減圧蒸留を行い目的物である液体1
7.0g(収率68.1%)得た。得られた液体につい
て、以下の分析を行い目的物である化合物No.5であ
ることを確認した。
%)、水素8.27質量%(理論値8.300%)、ラ
ンタン15.2質量%(理論値15.25%) <スペクトル分析> ・IR分析 β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無い
ことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的な
吸収波数を確認した。2964cm-1、2867c
m-1、1596cm-1、1577cm-1、1542cm
-1、1507cm-1、1112cm-1。
反応用フラスコに乾燥メタノール60ml、該当するβ
−ジケトン21.24g、水酸化ナトリウム3.29g
を仕込み、これに三硝酸プラセオジム六水和物11.9
2gと乾燥メタノール60mlの混合物を加え、25℃
で3時間撹拌した。系内を減圧濃縮して得られた残渣に
乾燥ヘキサンを300ml加え、60℃で加熱撹拌した
後、濾過、脱溶媒を行い、得られた残渣について、14
0℃、27〜10Paで低沸分の除去を行い目的物であ
る液体22.7g(収率90.6%)得た。得られた液
体について、以下の分析を行い目的物である化合物N
o.6であることを確認した。
%)、水素8.27質量%(理論値8.281%)、プ
ラセオジム15.4質量%(理論値15.43%) <スペクトル分析> ・IR分析 β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無い
ことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的な
吸収波数を確認した。2962cm-1、2867c
m-1、1592cm-1、1577cm-1、1540cm
-1、1506cm-1、1112cm-1。
反応用フラスコに乾燥メタノール50ml、該当するβ
−ジケトン9.85g、水酸化ナトリウム1.52gを
仕込み、これに三塩化エルビウム水和物(塩素含有量2
6.5%品)5.00gと乾燥メタノール50mlの混
合物を加え、25℃で2時間撹拌した。系内を減圧濃縮
して得られた残渣に乾燥ヘキサンを60ml加え、60
℃で加熱撹拌した後、濾過、脱溶媒を行い、得られた残
渣について、140℃、27〜10Paで低沸分の除去
を行い目的物である液体8.37g(収率71.5%)
得た。得られた液体について、以下の分析を行い目的物
である化合物No.7であることを確認した。
0%)、水素7.99質量%(理論値8.049%)、
エルビウム17.8質量%(理論値17.81%) <スペクトル分析> ・IR分析 β−ジケトンに特徴的な1600cm-1のピークが無い
ことを確認し、以下に示すβ−ジケトン錯体に特徴的な
吸収波数を確認した。2962cm-1、2867c
m-1、1590cm-1、1575cm-1、1538cm
-1、1506cm-1、1112cm-1。
比較化合物について、流動性を観察した。25℃で流動
性のあるものを◎、130℃で流動性のあるものを○、
130℃で流動性のないものを×とした。結果を表1〜
2に示す。尚、表2には、比較化合物の融点も記した。
は、CVD原料として充分な輸送性を有していることが
確認できた。
英ガラス基板上に、原料温度180℃、酸化ガス;酸
素、36sccm、キャリアガス;アルゴン、54sc
cm、反応圧力;400〜350Pa、反応温度;45
0℃で酸化エルビウム成膜を10分間行い、成膜後、ア
ルゴン中で500℃、10分間アニールを行った。これ
を連続して十回繰り返し、一回目と十回目の膜厚を触針
段差計で測定し、一回目と十回目の成膜速度の差により
原料供給性を評価した。製造した薄膜の組成はX線回折
で確認した。結果を表3に示す。
は、CVD原料として安定な原料供給性を有し、経時変
化のない安定したCVDプロセスを与えることが確認で
きた。
含む機能性セラミックスの製造に適した希土類元素の金
属化合物を用いたCVD原料を提供できる。
を示す概略説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表される金属化合物
を含有してなる化学気相成長用原料。 【化1】 - 【請求項2】 上記一般式(I)において、鎖中に1〜
3個の炭素原子を含んでもよい炭素数6〜10のアルキ
ル基が、1−エチルペンチルである請求項1に記載の化
学気相成長用原料。 - 【請求項3】 上記一般式(I)において、鎖中に1〜
3個の炭素原子を含んでもよい炭素数6〜10のアルキ
ル基が、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメ
チルエチルである請求項1に記載の化学気相成長用原
料。 - 【請求項4】 上記一般式(I)において、Mで表され
る希土類元素がランタン、プラセオジム、エルビウムか
ら選ばれるものである請求項1、2又は3に記載の化学
気相成長用原料。 - 【請求項5】 下記一般式(II)で表される金属化合
物。 【化2】 - 【請求項6】 上記一般式(II)において、Mで表され
る希土類元素がランタン、プラセオジム、エルビウムか
ら選ばれるものである請求項5に記載の金属化合物。
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