JP4780866B2 - 化学気相成長用原料及びこれを用いた薄膜の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相成長(以下、CVDと記載する)に用いられるアルミニウムの原料及び該原料を用いたアルミニウム元素を含有してなる薄膜(以下、アルミニウム系薄膜と記載する)の製造方法に関し、詳しくは、特定の化学構造を有するアルミニウム化合物を含有してなるCVD用原料及びこれを用いたアルミニウム系薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アルミニウム及びアルミニウム合金は、高い導電性、エレクトロマイグレーション耐性からLSIの配線材料として応用されている。また、アルミナは、半導体メモリのゲート絶縁膜、ハードディスク用MRヘッド等の電子部品や光通信用回路等の光学ガラスとして、さらに、アルミニウムを含む各種セラミックス材料は、電子デバイス用機能性薄膜材料として応用が期待されている。
【0003】
これらアルミニウム、アルミニウム合金やアルミナ、アルミニウムを含む各種セラミックスの薄膜の製造方法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法等が挙げられるが、加工寸法が微細になるに従い、組成制御性、段差被覆性、段差埋め込み性に優れること、LSIプロセスとの適合性等から、CVD法が最適な製造プロセスとして検討されている。
【0004】
しかしながら、アルミニウムのCVD用原料は、これまでに提案されたものが必ずしも十分な特性を有しているものではなかった。例えば、トリイソプロポキシアルミニウム、トリス(ジピバロイルメタナト)アルミニウムに代表される固体のアルミニウム化合物は、固体であるが故に、原料の気化工程において、昇華現象でガス化させるか、あるいは、融点以上の高温に原料を保つ必要があり、揮発量不足、経時変化等の原料ガス供給性やインラインでの原料の輸送に課題があった。これに対し、固体原料を有機溶剤に溶解させた溶液を用いる溶液CVD法が特開平5−132776号公報、特開平8−186103号公報等に提案されているが、固体原料では、気化装置中での温度変化や溶剤の部分的揮発、濃度変化が原因の固体析出を起こし、配管の詰まり等により供給量が経時的に減少する傾向があるので、成膜速度や組成制御性について安定した薄膜製造が得られないという課題が残っている。
【0005】
また、特開平4−288310号公報、特開平9−12581号公報には液体の原料であるアルキルアルミニウムハイドライド組成物の使用が提案されているが、これらは、化学的に不安定な化合物であるため、取り扱いが困難であり、多成分系での使用に適さない等の課題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、各種CVD法に適合したCVD用アルミニウム原料及び該原料を用いたアルミニウム系薄膜のCVD法による製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の分子構造を有するエーテルアルコール化合物を用いたアルミニウム化合物が、上記の課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、下記一般式(I)で表されるアルミニウム化合物を含有してなる化学気相成長(CVD)用原料、及び該CVD用原料を用いた化学気相成長法によるアルミニウム元素を含有してなる薄膜の製造方法を提供するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0004780866
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明に係る上記一般式(I)で表されるアルミニウム化合物において、R1又はR2で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチルが挙げられる。R3で表される鎖中に酸素原子を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、1−エチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−エチルペンチル、1−メチルシクロヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、1−メトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシエチル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシ−1,1−ジメチルエチル、(2−メトキシエトキシ)メチル、1−(2−メトキシエトキシ)エチル、1−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルエチル、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチルエチルが挙げられる。Aで表される炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、−CH2−、−C24−、−C36−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH(C25)−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、−C48−、−CH(CH3)−C24−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、−C24−CH(CH3)−等が挙げられる。
【0012】
これらの中でも、R1及びR2がアルキル基であるものが、化学的安定性に安定であるので好ましく、R1及びR2がメチル基であるものが、分子量が小さく気化温度を低くでき、有機成分が少ないので製造される薄膜中の残留不純物の懸念が小さいのでより好ましい。また、Aがメチレン(−CH2−)であるものが、入手が容易なので好ましい。
【0013】
本発明に係る上記のアルミニウム化合物の具体例としては、例えば、下記に例示する化合物No.1〜9が挙げられる。尚、以降、アルキル基は略号で表す場合もあり、略号は、Meはメチル基、Etはエチル基、nPrはプロピル基、iPrはイソプロピル基、nBuはブチル基、sBuは第二ブチル基、tBuは第三ブチル基、cyHxはシクロヘキシル基を表す。
【0014】
【化3】
Figure 0004780866
【0015】
本発明に係る上記のアルミニウム化合物において、その製造方法は、特に制限を受けることはなく、周知一般の金属アルコキシドの合成方法を用いることができる。製造方法としては、例えば、ハロゲン化物、硝酸塩等の無機塩又はその水和物と、該当するアルコール化合物とを、ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、アンモニア、アミン等の塩基の存在下で反応させる方法、ハロゲン化物、硝酸塩等の無機塩又はその水和物と、該当するアルコール化合物のナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシドとを反応させる方法、アルミニウムのトリメトキシド、トリエトキシド、トリイソプロポキシド、トリブトキシド等の低分子アルコールのアルコキシドと、該当するアルコール化合物とを交換反応させる方法が挙げられる。
【0016】
本発明の化学気相成長(CVD)用原料とは、上記のアルミニウム化合物を含有してなるものであり、その形態は、使用されるCVD法の輸送供給方法等の手法により適宜選択されるものである。
【0017】
輸送供給方法としては、CVD用原料を原料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気化させ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に堆積反応部へと導入する気体輸送法、CVD用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合は、上記のアルミニウム化合物そのものがCVD用原料となり、液体輸送法の場合は、該アルミニウム化合物そのもの又は該アルミニウム化合物を有機溶剤に溶かしたアルミニウム化合物溶液がCVD用原料となる。
【0018】
また、多成分系のCVD法においては、CVD用原料を各成分独立で気化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載することもある)と、多成分原料を予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソース法と記載することもある)がある。カクテルソース法の場合、本発明に係るアルミニウム化合物と他の成分の金属源化合物との混合物あるいは混合溶液がCVD用原料である。
【0019】
上記のCVD用原料に使用する有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類が挙げられ、これらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等によって適宜選択される。
【0020】
また、多成分系のCVD法の場合に用いられる他の成分の金属源化合物としては、特に制限を受けず、周知一般のCVD用原料となる化合物を用いることができる。該金属源化合物としては、アルコール化合物、グリコール化合物、β−ジケトン化合物、シクロペンタジエン化合物等から選択される1種類又は2種類以上の有機配位化合物と金属との化合物が挙げられる。
【0021】
例えば、アルミニウムドープ光学ガラスを製造する場合に使用される他の成分の金属源化合物としては次のものが挙げられる。珪素化合物としては、モノシラン、ジシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられる。硼素化合物としては、ボラン、ジボラン、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリメチル硼素、トリエチル硼素等が挙げられる。リン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト等が挙げられる。珪素−硼素化合物及び珪素−リン化合物としては、特開平2−12916号公報に記載のトリス(トリメチルシリル)ボレート、ジメチル(トリメチルシリル)ホスファイト等が挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、ゲルマン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマニウム、テトライソプロポキシゲルマニウム、テトラメチルゲルマニウム、テトラエチルゲルマニウム等が挙げられる。珪素−ゲルマニウム化合物としては、テトラキス(トリメチルシリル)ゲルマネート等が挙げられる。珪素−チタニウム化合物としては、テトラキス(トリメチルシリル)チタネート等が挙げられる。希土類元素化合物としては、プラセオジム、エルビウム、ツリウムのβ−ジケトネート化合物やアルコキシド化合物が挙げられる。
【0022】
また、本発明のCVD用原料には、必要に応じて金属化合物の安定性を付与するため求核性試薬を含有してもよい。該求核性試薬としては、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエステル類又はβ−ジケトン類が挙げられ、これら安定剤としての求核性試薬の使用量は、金属化合物1モルに対して0.1〜10モルの範囲で使用され、好ましくは1〜4モルで使用される。
【0023】
本発明に係るアルミニウム系薄膜とはその組成中にアルミニウム元素を含有する薄膜のことであり、アルミニウム元素を含有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、金属又は合金としては、アルミニウム、銅−アルミニウム合金、アルミニウム−銀合金等が挙げられ、アルミニウムを含む各種セラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、アルミニウムドープ光学ガラス等が挙げられる。本発明のCVD用原料は、分子構造中に酸素原子を含んでいるので、酸化物薄膜に好適であり、特にアルミナに好適である。
【0024】
本発明のアルミニウム元素を含有してなる薄膜の製造方法とは、上記のCVD用原料を用いた化学気相成長(CVD)法によるものである。CVD法とは、気化させた原料と必要に応じて用いられる反応性ガスを基板上に導入し、次いで、原料を基板上で分解及び/又は反応させて薄膜を基板上に成長、堆積させる方法を指す。本発明の製造方法は、原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件、方法を用いることができる。
【0025】
上記の必要に応じて用いられる反応性ガスとしては、例えば、酸化アルミニウムを製造する場合は、酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気等が挙げられ、アルミニウム又はアルミニウム合金を製造する場合は、水素等が挙げられ、窒化アルミニウムを製造する場合は、アンモニア、ヒドラジン、アセトニトリル、各種有機アミン化合物等が挙げられる。
【0026】
また、上記の輸送供給方法としては、上記に記載の気体輸送法、液体輸送法、シングルソース法、カクテルソース法等が挙げられる。
【0027】
また、上記の堆積方法としては、原料ガス又は原料ガスと反応性ガスとを熱のみにより反応させ薄膜を堆積させる熱CVD、熱とプラズマを使用するプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行うAL(atomic layer)−CVDが挙げられる。
【0028】
また、上記の製造条件としては、反応温度(基板温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反応温度については、本発明に係る上記のアルミニウム化合物が充分に反応する温度である160℃以上が好ましく、250〜800℃がより好ましい。また、反応圧力は、熱CVD、光CVDの場合、大気圧〜10Paが好ましく、プラズマを使用する場合は、10〜2000Paが好ましい。また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることができる。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、1〜5000nm/分が好ましく、5〜1000nm/分がより好ましい。
【0029】
また、本発明の薄膜の製造方法においては、薄膜層堆積の後に、より良好な電気特性を得るためにアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度は、600〜1200℃であり、700〜1000℃が好ましい。
【0030】
本発明のCVD用原料及び薄膜の製造方法を用いて製造される薄膜の用途としては、例えば、電子部品としては、ハードディスク用MRヘッドが挙げられ、半導体用途としては、ゲート絶縁膜、バリア膜、配線材料が挙げられ、光学ガラスとしては、光ファイバ、光導波路、光増幅器、光スイッチ等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
【0032】
[製造例]
(化合物No.1の合成)
アルゴン置換した500ml反応用フラスコに乾燥トルエン150ml、トリイソプロポキシアルミニウム80g、1,1−ジメチル−2−メトキシエタノール164gを仕込み、副生成物のイソプロピルアルコールを除きながら10時間還流した。トルエンを留去後、減圧蒸留を行い、塔頂温度105〜108℃、133〜160Paで無色透明液体51.0gを得た。得られた液体について、元素分析、示差熱分析、蒸気圧測定を行った。結果を以下に示す。
(元素分析)
アルミニウムについては、アンモニア水を加えて得られた沈殿物を800℃で加熱して秤量して含有量を計算し、炭素及び水素についてはCHN分析機で測定した。Al;8.00重量%、C;53.5重量%、H;9.85重量%であり、理論値であるAl;8.02重量%、C;53.6重量%、H;9.89重量%とよく一致した。
(示差熱分析)
アルゴン100ml/分、昇温10℃/分で測定した。50重量%減量温度197.4℃、100重量%減量温度225℃であり、一段階の重量減少を示した。
(蒸気圧測定)
沸点測定法により、85℃、115℃、143℃における蒸気圧を測定した結果、42Pa/85℃、153Pa/115℃、1067Pa/143℃であった。
【0033】
[実施例1]
上記で得た化合物No.1を用いて、図1に示すCVD装置により、シリコンウエハ上に、原料温度;110℃、キャリアガス;アルゴン16sccm、酸化ガス;酸素12sccm、反応圧力;400Pa、反応温度;350℃でアルミナの成膜を8分間行った。成膜後、酸素/アルゴン=1/1のガス中で400℃、10分間アニール処理を行った。これを連続して10回繰り返し、1回目と10回目の膜厚を触針段差計で測定し、1回目と10回目の成膜速度の差を求めることにより経時変化を観察した。尚、製造した薄膜の組成は、アルミナであることをX線回折で確認した。結果を表1に示す。
【0034】
[比較例1]
トリイソプロポキシアルミニウムを用いて、実施例1と同様にアルミナの薄膜を製造した。実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004780866
【0036】
[実施例2]
化合物No.1の0.10mol/リットルの濃度のテトラヒドロフラン溶液を使用し、図2に示すCVD装置を用いて、シリコンウエハ上に、気化室温度160℃、原料流量;0.05ml/min、キャリアガス;アルゴン4sccm、酸化ガス;酸素9sccm、反応圧力;1100Pa、反応温度;300℃でアルミナの成膜を3分間行った。成膜後、酸素/アルゴン=2/1のガス中で300℃、10分間アニール処理を行った。これを連続して10回繰り返し、1回目と10回目の膜厚を触針段差計で測定し、1回目と10回目の成膜速度の差を求めることにより経時変化を観察した。尚、製造した薄膜の組成は、全てアルミナであることをX線回折で確認した。結果を表2に示す。
【0037】
[比較例2]
トリイソプロポキシアルミニウムを用いて、実施例2と同様にアルミナの薄膜を製造した。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0004780866
【0039】
【発明の効果】
本発明は、各種CVD法に適する充分な安定性を有するCVD用アルミニウム原料及び該原料によるアルミニウム系薄膜のCVD法による製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のアルミニウム系薄膜の製造に用いられるCVD装置の一例を示す概要図である。
【図2】図2は、本発明のアルミニウム系薄膜の製造に用いられるCVD装置の別の例を示す概要図である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されるアルミニウム化合物を含有してなる化学気相成長用原料。
    Figure 0004780866
  2. 上記一般式(I)において、R1及びR2がメチル基である請求項1に記載の化学気相成長用原料。
  3. 上記一般式(I)において、Aがメチレンである請求項1又は2に記載の化学気相成長用原料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化学気相成長用原料を用いた化学気相成長法によるアルミニウム元素を含有してなる薄膜の製造方法。
  5. 上記アルミニウム元素を含有してなる薄膜がアルミナである請求項4に記載の薄膜の製造方法。
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