JP4781012B2 - アルコール化合物を配位子とした金属化合物及び薄膜形成用原料並びに薄膜の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、従来の銅化合物は、低い蒸気圧及び/又は高い融点を有するため、薄膜製造装置のボトル及び配管を比較的高い温度まで加熱する必要があった。そのため、加えられた高熱により気化室に到達する前に銅化合物が一部熱分解し、気化器内部を目詰まりさせたり、不要な化合物を生成してしまうという問題が生じていた。
このように、これまで、低温で気化させることが可能であり、かつ熱的に安定に供給できる所望の銅化合物は得られていなかった。
また、本発明は、上記薄膜形成用原料を気化させて得た金属化合物を含有する蒸気を基体上に導入し、これを分解及び/又は化学反応させて基体上に薄膜を形成する薄膜の製造方法を提供するものである。
上記一般式(I)において、R1及びR2で表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル等が挙げられる。
本発明の金属化合物は、本発明のアルコール化合物を配位子とし、上記一般式(II)で表される銅化合物である。本発明の金属化合物は、配位子末端に強いドナー効果及び大きな立体障害効果を有するジアルキルアミノ基を導入することに加え、配位子として三級アルコールを用いることで酸素原子の近隣にも立体障害効果を付与することにより、金属原子(銅原子)と酸素原子との間の電気的極性を緩和及び/又は遮蔽して、金属化合物の分子会合を抑制して高揮発化効果を奏するようにし且つ不必要な化学反応を抑制することを可能にしたものである。
上記(4)における反応性中間体としては、ビス(ジアルキルアミノ)銅、ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)銅等の銅のアミド化合物が挙げられる。
本発明の薄膜形成用原料は、本発明の金属化合物を薄膜のプレカーサとして含有するものであり、その形態は、該薄膜形成原料が適用される薄膜の製造方法(例えば、火焔体積法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、ALD法を含むCVD法等)によって異なり、各製造方法に従来用いられている原料の形態に準じて適宜選択される。本発明の薄膜形成用原料は、本発明の金属化合物の物性から、CVD用原料として特に有用である。
多成分系のCVD法における輸送供給方法としては、CVD用原料を各成分独立で気化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載することもある)と、多成分原料を予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソース法と記載することもある)がある。カクテルソース法の場合、二種以上の本発明の金属化合物のみによる混合物或いは混合溶液、一種以上の本発明の金属化合物及び一種以上の他のプレカーサの混合物或いは混合溶液がCVD用原料である。
本発明の薄膜の製造方法は、本発明の薄膜形成用原料を用いるもので、本発明の金属化合物、及び必要に応じて用いられる他のプレカーサを気化させた蒸気、並びに必要に応じて用いられる反応性ガスを基板上に導入し、次いで、プレカーサを基板上で分解及び/又は化学反応させて薄膜を基板上に成長、堆積させるCVD法によるものである。原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件、方法等を用いることができる。
乾燥アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコにイソブチレンオキシド72.1g(1.00モル)及び脱水処理を行ったメタノール400gを仕込み、エチルメチルアミンの40質量%トルエン溶液148gを滴下した。この際、系内の温度は、25℃以下になるようコントロールした。滴下終了後、室温で3日間攪拌した。減圧留去によりメタノールを除いて濃縮液とし、該濃縮液を減圧蒸留した。20.0Pa、塔頂温度101〜104℃のフラクションから無色透明液体を収率79%で得た。得られた無色透明液体は、元素分析、1H−NMR分析及びIR分析の結果、目的物である化合物No.1であることを確認した。これらの分析結果、及びTG−DTAによる50質量%減少温度測定結果を以下に示す。
(1) 元素分析
炭素;64.2質量%(理論値64.7質量%)、水素;13.01質量%(理論値13.06質量%)、窒素;10.1質量%(理論値10.67質量%)
(2) 1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(0.83−0.87:t:3)(1.10:s:6)(2.09:s:2)(2.13:s:3)(2.27−2.32:q:2)
(3) IR(cm-1)
3442、2971、2936、2875、2843、2791、1639、1382、1359、1311、1138、1088、1050、1003、975、953、908、805、771、571、510、478、444
(4) TG−DTA(Ar100ml/min、昇温速度10℃/min、サンプル量20.115mg)
50質量%減少温度:94.2℃
乾燥アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコに、実施例1で得られた化合物No.1(1−エチルメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール)28.9g(0.235モル)、ジメトキシ銅12.6g(0.10モル)及び脱水処理を行ったトルエン300gを仕込み、室温で1日間攪拌した。減圧留去により溶媒及び未反応アルコールを除いて濃縮液とし、該濃縮液を減圧蒸留した。20.0〜25.0mPa、塔頂温度69.5〜72.5℃のフラクションから無色透明液体を収率56%で得た。得られた無色透明液体は、元素分析、1H−NMR分析及びIR分析の結果、目的物である化合物No.16であることを確認した。これらの分析結果、並びにTG−DTAによる融点及び50質量%減少温度の測定結果を以下に示す。
(1) 元素分析(金属分析:ICP−AES)
銅;19.6質量%(理論値19.6%)
(2) 1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(1.56:s:24)(2.32:s:24)(2.44:s:8)
(3) IR(cm-1)
2960、2905、2854、2809、1459、1414、1376、1349、1290、1180、1146、1126、1082、1033、959、902、813、640、579、519、488、433
(4) TG−DTA(Ar100ml/min、昇温速度10℃/min、サンプル量8.12mg)
融点:71℃、50質量%減少温度:176℃
実施例2により得られた化合物No.16及び以下に示す比較化合物1、2について、1.33×103Pa、Ar50ml/min、昇温速度10℃/minの測定条件でのTG−DTAによる熱挙動(50質量%減少温度及び300℃における残分)を比較した。50質量%減少温度及び300℃における残分の測定結果を表1に示す。
実施例2により得られた化合物No.16及び比較化合物1、2について、Ar100ml/min、昇温速度10℃/minの条件でTG−DTAを行なった。DTAにおける吸熱ピークを融点として読み取った。それらの結果を表2に示す。
実施例2により得られた化合物No.16及び比較化合物1、2について、120℃及び140℃それぞれにおいて熱安定性の評価を行った。評価は、それぞれの化合物を密閉容器に入れ、120℃又は140℃でそれぞれ1時間加熱し、TG−DTAにより分解した割合を求めることにより行なった。結果を表3に示す。
また、上記表1及び2から明らかなように、比較化合物2は、融点が低く且つ50質量%減少温度が高く、液体で安定に輸送供給できる点では、CVD用原料のプレカーサとして適していると言える。しかし、上記表3から明らかなように、比較化合物2は、本発明の金属化合物に比べ熱安定性に劣っており、熱安定性の点ではCVD用原料のプレカーサとして適していない。
以上のことから、本発明の金属化合物は、液体で安定に輸送供給が可能で且つ熱安定性にも優れており、比較化合物1及び2よりCVD法用銅プレカーサとして優れていることが確認できた。
図1に示すプラズマCVD装置を用いて、窒化チタンバリア層を施したシリコンウエハ上に、気化室温度100℃、原料流量;0.1sccm、キャリアガス;アルゴン50sccm、反応性ガス;水素70sccm、反応圧力;50Pa、プラズマ出力;20W、反応温度(基体温度);350℃の条件で、銅成膜を30分間行った。薄膜形成用原料としては、化合物No.16の0.20mol/リットル濃度エチルシクロヘキサン溶液を使用した。
(結果)膜厚:560nm、表面抵抗値:5.38μΩcm
図2に示すCVD装置を用いて、窒化タンタルバリア層を施したシリコンウエハ上に、原料温度;60℃、キャリアガス;アルゴン40sccm、反応性ガス;水素50sccm、反応圧力;500Pa、反応温度(基体温度);350℃の条件で、銅成膜を45分間行った。薄膜形成用原料としては、化合物No.16を用いた。
(結果)膜厚:870nm、表面抵抗値:30.2μΩcm
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