JP5912911B2 - アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 - Google Patents
アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5912911B2 JP5912911B2 JP2012142927A JP2012142927A JP5912911B2 JP 5912911 B2 JP5912911 B2 JP 5912911B2 JP 2012142927 A JP2012142927 A JP 2012142927A JP 2012142927 A JP2012142927 A JP 2012142927A JP 5912911 B2 JP5912911 B2 JP 5912911B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- raw material
- aluminum
- compound
- aluminum compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Description
また本発明は、上記薄膜形成用原料を気化させて得た、上記アルミニウム化合物を含有する蒸気を、基体が設置された成膜チャンバー内に導入し、該アルミニウム化合物を分解及び/又は化学反応させて該基体の表面にアルミニウムを含有する薄膜を形成する薄膜の製造方法を提供するものである。
本発明のアルミニウム化合物は、上記一般式(I)で表されるものであり、CVD法等の気化工程を有する薄膜製造方法のプレカーサとして好適なものである。また、該化合物は、熱安定性が高いことから特にALD法に用いられるプレカーサとして好適なものである。
例えば、金属としてアルミニウムのみを含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、本発明のアルミニウム化合物以外の金属化合物及び半金属化合物を非含有である。一方、アルミニウム、並びにアルミニウム以外の金属及び/又は半金属を含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、本発明のアルミニウム化合物に加えて、アルミニウム以外の金属を含む化合物及び/又は半金属を含む化合物(以下、他のプレカーサともいう)を含有する。本発明の薄膜形成用原料が、他のプレカーサを含有する場合、他のプレカーサの含有量は、本発明のアルミニウム化合物1モルに対して、好ましくは0.01モル〜10モルであり、より好ましくは0.1〜5モルである。
本発明の薄膜形成用原料は、後述するように、更に、有機溶剤及び/又は求核性試薬を含有してもよい。
本発明の薄膜形成用原料は、上記説明のとおり、プレカーサであるアルミニウム化合物の物性がCVD法、ALD法に好適であるので、特に化学気相成長用原料(以下、CVD用原料ということもある)として有用である。
また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることが出来る。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、0.01〜100nm/分が好ましく、1〜50nm/分がより好ましい。また、ALD法の場合は、所望の膜厚が得られるようにサイクルの回数でコントロールされる。
アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコに脱水処理したトルエン100mLにトリメチルアルミニウム4.6gを溶解させた溶液を、氷冷バスにて攪拌し10℃付近まで冷却した。そこに、脱水処理したアセチルアセトン6.4gとトルエン30mLの混合溶液を2時間かけてゆっくり滴下した。反応中に発生するメタンガスはアルゴンガスの通気により留去した。その後、室温に戻して約15時間撹拌させた。その後、トルエンをバス100℃減圧下にて留去し、液体残渣を得た。その液体残渣を、400Paの減圧下、バス99℃で蒸留し、塔頂温度65℃にて留出した化合物を得た。この精製による回収率は68%であった。得られた化合物は融点35℃の白色固体であった。元素分析及び1H−NMR分析の結果、得られた化合物は、目的物である本発明のアルミニウム化合物No.1と同定された。これらの分析結果を以下に示す。以下には、TG−DTAの結果も併せて示す。
(1)元素分析(金属分析:ICP−AES)
アルミニウム: 16.8質量%(理論値 17.28質量%)、C: 54.4質量%、H: 8.9質量% (理論値;C: 53.84質量%、H: 8.39質量%)
(2)1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(−0.251ppm:s:6)(1.443ppm:s:6)(4.849ppm:s:1)
(3)TG−DTA
TG−DTA(Ar 100ml/min、 10℃/min昇温、サンプル量 9.902mg)
50質量%減少温度 114℃
アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコに脱水処理したトルエン10mLにトリメチルアルミニウム0.34gを溶解させた溶液を、氷冷バスにて攪拌し10℃付近まで冷却した。そこに、脱水処理したジイソブチロイルメタン0.74gとトルエン8mLの混合溶液を10分かけてゆっくり滴下した。反応中に発生するメタンガスはアルゴンガスの通気により留去した。その後、室温に戻して約15時間撹拌させた。その後、トルエンをバス100℃減圧下にて留去し、液体残渣を得た。その液体残渣を、50Paの減圧下、バス65℃で蒸留し、留出した化合物を得た。得られた化合物は無色透明液体であった。元素分析及び1H−NMR分析の結果、得られた化合物は、目的物である本発明のアルミニウム化合物No.10と同定された。これらの分析結果を以下に示す。以下には、TG−DTAの結果も併せて示す。
(1)元素分析(金属分析:ICP−AES)
アルミニウム: 12.3質量%(理論値 12.71質量%)、C: 63.0質量%、H: 10.7質量% (理論値;C: 62.24質量%、H: 9.97質量%)
(2)1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(−0.235ppm:s:6)、(0.873ppm:d:12)、(2.057ppm:sept:2)、(5.249ppm:s:1)
(3)TG−DTA
TG−DTA(Ar 100ml/min、 10℃/min昇温、サンプル量 11.124mg)
50質量%減少温度 140℃
本発明のアルミニウム化合物No.1及びNo.10並びに以下に示す比較化合物1、2及び3について、大気中に放置することで自然発火性の有無を確認した。結果を表1に示す。
本発明のアルミニウム化合物No.1及びNo.10並びに比較化合物2及び3について、微小融点測定装置を用いて融点を測定した。また、TG−DTA測定装置を用いて、Ar雰囲気下での加熱によってサンプル重量が50質量%減少した時点の温度を確認した。結果を表2に示す。
本発明のアルミニウム化合物No.1、No.10及び比較化合物2について、DSC測定装置を用いて熱分解が発生する温度を測定することで、各化合物の熱安定性を確認した。結果を表3に示す。
上記実施例1で得た本発明のアルミニウム化合物を化学気相成長用原料とし、図1に示す装置を用いて以下の条件のALD法により、シリコンウエハ上に酸化アルミニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、X線反射率法による膜厚測定、X線光電子分光法による薄膜構造及び薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は2.6nmであり、膜組成は酸化アルミニウム(Al2O3)であり、炭素含有量は0.2atom%であった。また1サイクル当たりに得られる膜厚は、0.05nmであった。
(条件)
反応温度(基体温度):240℃、反応性ガス:オゾンガス
(工程)
下記(1)〜(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。
(1)原料容器温度:25℃、原料容器内圧力70Paの条件で気化させた化学気相成長用原料の蒸気を導入し、系圧100Paで20秒間堆積させる。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去する。
(3)反応性ガスを導入し、系圧力100Paで20秒間反応させる。
(4)15秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去する。
Claims (2)
- ALD法による薄膜の製造方法であって、下記一般式(I)で表されるアルミニウム化合物を含有してなる薄膜形成用原料を気化させて得た、上記アルミニウム化合物を含有する蒸気を、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する原料導入工程、該蒸気中の該アルミニウム化合物により上記基体の表面に前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜成膜工程、未反応の該アルミニウム化合物のガス及び/又は副生したガスを排気する排気工程、及び、該前駆体薄膜を反応性ガスと化学反応させて該基体の表面にアルミニウムを含有する薄膜を形成する薄膜形成工程を有する薄膜の製造方法。
- 上記一般式(I)において、R3及びR4がメチル基である請求項1に記載の薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012142927A JP5912911B2 (ja) | 2012-06-26 | 2012-06-26 | アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012142927A JP5912911B2 (ja) | 2012-06-26 | 2012-06-26 | アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014005242A JP2014005242A (ja) | 2014-01-16 |
JP5912911B2 true JP5912911B2 (ja) | 2016-04-27 |
Family
ID=50103325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012142927A Active JP5912911B2 (ja) | 2012-06-26 | 2012-06-26 | アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5912911B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102123996B1 (ko) * | 2013-02-25 | 2020-06-17 | 삼성전자주식회사 | 알루미늄 전구체, 이를 이용한 박막 형성 방법 및 커패시터 형성 방법 |
KR102163932B1 (ko) * | 2018-01-30 | 2020-10-12 | 주식회사 메카로 | 유기금속화합물 및 이를 이용한 박막 |
JP2024022694A (ja) * | 2020-12-28 | 2024-02-20 | 株式会社Adeka | 原子層堆積法用薄膜形成原料、薄膜の製造方法及びアルミニウム化合物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5927952A (ja) * | 1982-08-06 | 1984-02-14 | Shin Etsu Chem Co Ltd | エポキシ樹脂変性シリコ−ン樹脂組成物 |
BRPI0716385A2 (pt) * | 2006-08-29 | 2013-01-01 | Pilkington Group Ltd E Arkema Inc | método para preparar um artigo de vidro revestido com óxido de zinco dopado, de baixa resistividade, método de deposição de vapor quìmico sob pressão atmosférica para preparar um artigo de vidro revestido com óxido de zinco dopado, método de deposição de vapor quìmico sob pressão atmosférica para preparar um artigo revestido com óxido de zinco dopado, e artigo de vidro |
-
2012
- 2012-06-26 JP JP2012142927A patent/JP5912911B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014005242A (ja) | 2014-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4565897B2 (ja) | 薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JP5843318B2 (ja) | Ald法用窒化アルミニウム系薄膜形成用原料及び該薄膜の製造方法 | |
JP6184030B2 (ja) | アルミニウム化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JP6465699B2 (ja) | ジアザジエニル化合物、薄膜形成用原料、薄膜の製造方法及びジアザジエン化合物 | |
KR102280110B1 (ko) | 바나듐 화합물, 박막 형성용 원료 및 박막의 제조 방법 | |
KR20210002525A (ko) | 원자층 퇴적법용 박막 형성용 원료 및 박막의 제조 방법 | |
EP3677585A1 (en) | Metal alkoxide compound, thin-film-forming raw material, and thin film production method | |
WO2020071175A1 (ja) | 原子層堆積法用薄膜形成用原料、薄膜形成用原料、薄膜の製造方法および化合物 | |
JP2006143693A (ja) | アルコキシド化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
WO2015093177A1 (ja) | ルテニウム化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
WO2021200219A1 (ja) | 亜鉛化合物、薄膜形成用原料、薄膜及びその製造方法 | |
KR102308345B1 (ko) | 구리 화합물, 박막 형성용 원료 및 박막의 제조방법 | |
JP5912911B2 (ja) | アルミニウム化合物を用いたald法による薄膜の製造方法 | |
JP4781012B2 (ja) | アルコール化合物を配位子とした金属化合物及び薄膜形成用原料並びに薄膜の製造方法 | |
KR102376087B1 (ko) | 코발트 화합물, 박막 형성용 원료 및 박막의 제조 방법 | |
WO2013105310A1 (ja) | アルミニウム化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
WO2021200218A1 (ja) | 原子層堆積法用薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JPWO2018088079A1 (ja) | 化合物、薄膜形成用原料、薄膜の製造方法及びアミジン化合物 | |
WO2020170853A1 (ja) | 原子層堆積法用窒化ガリウム含有薄膜形成用原料及び窒化ガリウム含有薄膜の製造方法 | |
JP2013216614A (ja) | コバルトアルコキシド化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JP2018035072A (ja) | ジアザジエニル化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JP6116007B2 (ja) | 薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
KR20210149732A (ko) | 박막 형성용 원료, 박막의 제조 방법 및 신규의 스칸듐 화합물 | |
JP2022161040A (ja) | 原子層堆積法のための薄膜形成原料及びそれを用いた亜鉛含有薄膜の製造方法 | |
JP2019011490A (ja) | 薄膜形成用原料、薄膜の製造方法及び新規な化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151117 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160401 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5912911 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |