JP2002308965A - オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂 - Google Patents
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂Info
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Abstract
シ樹脂、および、硬化反応時のフロー性に優れ、表面性
と耐衝撃性が良好な硬化物を与える硬化性組成物を提供
すること。 【解決手段】 (a)エポキシ樹脂と脂肪族ジイソシア
ネートより得られ、(a)エポキシ樹脂中のエポキシ基
の20〜45当量%がオキサゾリドン環を形成している
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂、および、これを用
いた硬化性組成物。
Description
溶融粘度を両立でき、塗料、接着剤、成型材料、複合材
料、積層板、封止材等として有用なエポキシ樹脂に関す
る。
ノール型エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、密着性等
のバランスが優れることから、例えば、塗料、接着剤、
成型材料、複合材料、積層板、封止材等の材料として広
い分野で使用されている。しかしながら、近年、従来樹
脂素材と比較して、著しく高性能、高信頼性の樹脂素材
が求められ、各種変性手法による従来樹脂の変性が行わ
れている。特に、エポキシ樹脂をイソシアネート化合物
で変性したオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂は、高い
ガラス転移温度と可撓性とを両立できる樹脂として注目
され、特開昭59−135265号公報、特開昭61−
181820号公報、特開平5−222160号公報等
数多くの検討がなされてきた。しかし、従来検討されて
きたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹
脂との反応性が高く、製造時の重合安定性に優れた、芳
香族イソシアネートに代表される環構造を有するイソシ
アネートをイソシアネート成分としているため、可撓性
が充分でなく、例えば、自動車下塗り塗料等の用途にお
いては、一層の可撓性向上による、高い塗膜の耐衝撃性
が求められている。
性を向上する手段として、例えば、特開平6−3297
55号公報等に、ソフトセグメントを有する2官能活性
水素化合物とジイソシアネートより製造されたイソシア
ネート末端ポリウレタンを用いてオキサゾリドン環を形
成する方法等が開示されている。しかし、これらの方法
で可撓性を向上した場合、エポキシ樹脂の分子量が増加
し、溶融粘度が高くなり、硬化反応時のフロー性が低下
すると言う課題を有している。一方、脂肪族ジイソシア
ネートをイソシアネート成分とするオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂としては、特開平4−222875号公
報、特開昭62−500730号公報に、その製造例が
開示されている。しかし、これら公報には、高い可撓性
と低い溶融粘度を両立できる脂肪族ジイソシアネートに
よる変性量に関しては、何ら開示および示唆されていな
い。
く、低い溶融粘度を有するエポキシ樹脂、および、硬化
反応時のフロー性に優れ、表面性と耐衝撃性が良好な硬
化物を与える硬化性組成物を提供することを目的とす
る。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂中の
特定比率のエポキシ基が、脂肪族ジイソシアネート中の
イソシアネート基と反応したオキサゾリドン環含有エポ
キシ樹脂が、上記課題を解決できることを見いだし本発
明に至った。即ち、本発明は、下記の通りである。 1)(a)エポキシ樹脂と(b)イソシアネート化合物
より得られるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂であっ
て、(a)エポキシ樹脂中のエポキシ基の20〜45当
量%がオキサゾリドン環を形成し、(b)イソシアネー
ト化合物が脂肪族ジイソシアネートである、オキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂。 2)(b)イソシアネート化合物がヘキサメチレンジイ
ソシアネートである上記1)記載のオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂。 3)オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂のエポキシ当量
が230〜430g/当量である、上記1)又は2)記
載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂。
テル類である、上記1)〜3)のいずれかに記載のオキ
サゾリドン環含有エポキシ樹脂。 5)(a)エポキシ樹脂のエポキシ当量が160〜22
0g/当量である、上記1)〜4)のいずれかに記載の
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂。 6)(a)エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基の一部
または全部が、(b)イソシアネート化合物中のイソシ
アネート基との反応によりウレタン結合となっている、
上記1)〜5)のいずれかに記載のオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂。 7)上記1)〜6)のいずれかに記載のオキサゾリドン
環含有エポキシ樹脂のエポキシ基の一部または全部を
(c)変性剤で変性したオキサゾリドン環含有変性エポ
キシ樹脂。 8)上記1)〜6)のいずれかに記載のオキサゾリドン
環含有エポキシ樹脂、および/または上記7)記載のオ
キサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂と、(d)硬化剤
を含有する硬化性組成物。
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂は、(a)エポキシ
樹脂と(b)イソシアネート化合物との反応により得ら
れる。本発明に使用される(a)エポキシ樹脂として
は、例えば、グリシジルエーテル類、グリシジルエステ
ル類、グリシジルアミン類、線状脂肪族エポキシド類、
脂環式エポキシド類等が挙げられる。
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
AD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノール
A、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビス
フェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テト
ラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノー
ルA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノ
ール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹
脂、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他
の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビ
スフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化し
たエポキシ樹脂、1,1,2,2,−テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール
類をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラ
ック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノ
ールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化した
ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ヘキサヒドロフタル酸やダイマー酸のジグリシジルエス
テル等が挙げられる。グリシジルアミン類としては、例
えば、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミ
ン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、アミノ
フェノールをグリシジル化した化合物等が挙げられる。
線状脂肪族エポキシド類としては、例えば、エポキシ化
ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等が挙げられる。脂
環式エポキシドとしては、例えば、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられ
る。更に、(a)エポキシ樹脂としては、トリグリシジ
ルイソシアヌレートも使用できる。
ても併用しても良い。好ましい(a)エポキシ樹脂とし
ては、グリシジルエーテル類であり、より好ましくは、
ビスフェノール型エポキシ樹脂、更に好ましくは、ビス
フェノールAのグリシジルエーテルである。(a)エポ
キシ樹脂のエポキシ当量は260g/当量以下が好まし
く、より好ましくは160〜220g/当量である。更
に好ましくは、170〜200g/当量である。(a)
エポキシ樹脂のエポキシ当量が大きなりすぎると、得ら
れるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の溶融粘度が高
くなり、硬化時のフロー性が低下する。(a)エポキシ
樹脂のアルコール性水酸基は1.0当量/kg以下が好
ましく、より好ましくは、0.05〜0.7当量/k
g、更に好ましくは、0.1〜0.5当量/kgであ
る。(a)エポキシ樹脂のアルコール性水酸基が多くな
りすぎると、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の製造
時、重合安定性が低下する。
化合物は、脂肪族ジイソシアネートである。脂肪族ジイ
ソシアネートは、テトラメチレンジイソシアネート、ペ
ンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(以下HDIと称す)、オクタメチレンジイ
ソシアネート、2,2,4(または2,4,4)−トリ
メチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下TMD
Iと称す)、リジンジイソシアネート等の分子内に環構
造を有さないジイソシアネート、および、これら分子内
に環構造を有さないジイソシアネートのイソシアネート
基の一部を変性した変性脂肪族ジイソシアネートであ
る。変性脂肪族ジイソシアネートとしては、モノオー
ル、および/またはジオール等で変性したウレタン変性
ジイソシアネート、モノオール等で変性したアロハネー
ト変性ジイソシアネート等があげられる。モノオールと
しては、例えば、n−ブタノール、2−エチルヘキサノ
ール、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等が挙げられる。ジオールとしては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等が挙げられる。これら変性に用いられるモノオ
ール、ジオールは併用しても構わない。これら脂肪族ジ
イソシアネートは、併用しても構わない。
が4〜18(更に好ましくは5〜14、一層好ましくは
6〜12)の分子内に環構造を有さないジイソシアネー
ト、およびそれを変性した変性ジイソシアネートが好ま
しい。炭素数が少ない物は安全性において特別の配慮が
必要となり、炭素数が多い物は、エポキシ樹脂との相溶
性が低下する傾向にあり、反応時相溶化剤等が必要とな
る。脂肪族ジイソシアネートとしては、経済的観点か
ら、HDI、TMDIが特に好ましい。HDIが最も好
ましい。脂肪族ジイソシアネートは直接用いる事もでき
るし、例えば、アルコール類、フェノール類、オキシム
類、ラクタム類等のブロック剤でイソシアネート基を一
時的に保護して、用いる事もできる。ブロック剤で保護
する場合は、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を得る
ための反応条件において、活性なイソシアネート基が再
生しうるブロック剤を用いる必要がある。
シアネート化合物を併用する事もできる。他のイソシア
ネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシア
ネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロ
ヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジ
イソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられ
る。他のイソシアネート化合物の使用量は、脂肪族ジイ
ソシアネートに対して、100当量%以下が好ましく、
より好ましくは60当量%以下、更に好ましくは40当
量%以下、一層好ましくは20当量%以下である。
そのイソシアネート基が、(a)エポキシ樹脂中のエポ
キシ基に対して、20〜60当量%となる量で用いるの
が好ましい。より好ましくは25〜50当量%、更に好
ましくは30〜47当量%、一層好ましくは30〜45
当量%である。(b)イソシアネート化合物中のイソシ
アネート基は、エポキシ基と反応してオキサゾリドン環
を形成する他に、エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基
とのウレタン結合の形成や、イソシアネート基の環化3
量化によるイソシアヌレート環の形成に使用される。
脂の製造は、通常、触媒の存在下に行われる。触媒とし
ては、例えば、ブトキシリチウム、メトキシナトリウム
等の金属アルコラート、塩化リチウム、塩化アルミニウ
ム等のルイス酸およびルイス酸とトリフェニルホスフィ
ンオキサイド等のルイス塩基との混合物、テトラメチル
アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチ
ルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム等の
クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、アセテート等の
4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、N,N−ジメ
チルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン等の3級アミン類、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール
等のイミダゾール類等が挙げられる。2種以上の触媒を
併用しても構わない。触媒としては、4級アンモニウム
塩および3級アミンが特に好ましい。触媒の使用量は、
通常、(a)エポキシ樹脂に対して、5ppm〜2wt
%の範囲で使用される。好ましくは20ppm〜0.5
wt%である。触媒は、適当な溶剤に希釈して用いる事
もできる。
脂の製造は、無溶剤で行うこともできるし、適当な溶剤
の存在下に行うこともできる。溶剤を使用する場合は、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、メ
チルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン等の活
性水素を含まない溶剤が好ましい。反応温度は、通常、
80℃〜220℃である。好ましくは100℃〜200
℃、更に好ましくは120℃〜190℃である。反応温
度が低すぎると、触媒の活性が低く、イソシアヌレート
環の生成等の副反応が起こる。また、反応温度が高すぎ
ても、触媒の活性低下が起こり、やはり副反応が進行す
る。
脂の製造は、(a)エポキシ樹脂を所定の温度に昇温
し、乾燥空気や窒素の吹き込みにより樹脂中の水分を極
力除去した後、(b)イソシアネート化合物および触媒
を投入するのが好ましい。(b)イソシアネート化合物
および触媒の投入は、同時に一括して行ってもよいが、
それぞれ別々に、または同時に、数回に分けて、あるい
は連続的に投入するのが好ましい。連続的に投入する場
合、その投入時間は、1〜10時間が好ましく、より好
ましくは、2〜5時間である。投入時間が短い場合、イ
ソシアヌレート環の生成量が多くなる場合がある。
脂は、(a)エポキシ樹脂中のエポキシ基の20〜45
当量%(好ましくは22〜42当量%、更に好ましくは
25〜40当量%)が、(b)イソシアネート化合物中
のイソシアネート基と反応してオキサゾリドン環を形成
している。20当量%未満では、可撓性の向上効果が小
さく、高い耐衝撃性を有する硬化物が得られない。一
方、45当量%を越えると、得られるオキサゾリドン環
含有エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなり、硬化時のフロ
ー性が低下する。この(a)エポキシ樹脂中のエポキシ
基のうち、オキサゾリドン環形成に関与するものの割合
は、例えば、実施例の項で後述する化学的手法によりO
xd化率を測定する方法や、赤外分光法、核磁気共鳴分
光法等の機器分析的手法を用いて定量する方法により知
ることができる。
脂は、(a)エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基の一
部または全部と、(b)イソシアネート化合物中のイソ
シアネート基との反応により得られるウレタン結合を含
有する事ができる。ウレタン結合量は、0.9当量/k
g以下が好ましく、より好ましくは、0.01〜0.7
当量/kg、更に好ましくは、0.05〜0.6当量/
kg、一層好ましくは、0.1〜0.5当量/kgであ
る。ウレタン結合量が少ないと、可撓性の向上効果が小
さく、ウレタン結合量が多いと、オキサゾリドン環含有
エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなる。
脂は、(b)イソシアネート化合物中のイソシアネート
基が環化3量化したイソシアヌレート環を含有する事が
できる。イソシアヌレート環の含有量は、オキサゾリド
ン環の含有量の40当量%以下が好ましく、より好まし
くは30当量%以下、更に好ましくは20当量%以下一
層好ましくは10当量%以下である。イソシアヌレート
環が多すぎると、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を
製造する時に重合安定性が低下したり、オキサゾリドン
環含有エポキシ樹脂の溶融粘度が高くなる。本発明のオ
キサゾリドン環含有エポキシ樹脂は、実質的にイソシア
ネート基を含有しないのが好ましい。
脂のエポキシ当量は、230〜430g/当量が好まし
い。より好ましくは、260〜410g/当量、更に好
ましくは、270〜390g/当量である。エポキシ当
量が大きいと、溶融粘度が高くなる。一方、エポキシ当
量が小さいと、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を用
いた組成物を硬化した場合、その硬化物は架橋密度が高
くなり、耐衝撃性が低下する。本発明のオキサゾリドン
環含有エポキシ樹脂の軟化点は40℃〜100℃が好ま
しい。より好ましくは45℃〜90℃である。軟化点が
低すぎると、ブロッキングを防ぐために、低温で貯蔵す
る必要がある。また、軟化点が高すぎる場合は、作業性
が悪くなる。
脂の溶融粘度は、フロー性を向上させるために、低い方
が好ましい。具体的には、125℃における溶融粘度
が、8000mPa・s以下が好ましい。より好ましく
は、6000mPa・s以下、更に好ましくは、400
0mPa・s以下、一層好ましくは3000mPa・s
以下である。本発明のオキサゾリドン環含有エポキシ樹
脂の加水分解性塩素量は、特に制限されないが、例えば
電気・電子用途で使用する場合は、500ppm以下が
好ましい。より好ましくは100ppm以下である。本
発明のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂は、エポキシ
基の一部または全部を、(c)変性剤で変性し、オキサ
ゾリドン環含有変性エポキシ樹脂とする事ができる。
は、エポキシ基と反応する官能基を有する化合物であれ
ば、特に限定されないが、例えば、キシレノール、t−
ブチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノール
A、ハイドロキノン等のフェノール類、n−ブタノー
ル、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のアルコール類、ブチルアミン、オクチルア
ミン、ジエチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン酢酸塩、アミノエチルエタノールア
ミンのジメチルケチミン等のアミン類、酢酸、乳酸、2
−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸、安息香酸、ジメタノールプロピオン酸等の
カルボン酸類、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物等の
スルフィド類、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
等のメルカプタン類等が挙げられる。これら(c)変性
剤は、併用する事もできる。
酸等を用いて、アミノ基をアンモニウム塩に変換する等
の、イオン性基への変換を行う事もできる。(c)変性
剤による変性量は、特に制限はないが、変性により得ら
れたオキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂の硬化形態
により、選択するのがよい。オキサゾリドン環含有変性
エポキシ樹脂の硬化形態が、エポキシ基を用いた硬化の
場合、変性量が多くなると架橋密度の低下が起こるた
め、変性量はエポキシ基に対して、50当量%以下が好
ましい。より好ましくは、1〜40当量%である。オキ
サゾリドン環含有変性エポキシ樹脂の硬化形態が、変性
により組み込まれた架橋性基や、変性により生成した2
級水酸基を利用する場合は、変性量が少ないと架橋密度
が上がらないため、変性量はエポキシ基に対して、50
当量%以上が好ましい。より好ましくは、60〜100
当量%である。
脂、および/またはそれを変性したオキサゾリドン環含
有変性エポキシ樹脂は、(d)硬化剤と混合して、硬化
性組成物とする事ができる。本発明で使用される(d)
硬化剤は、本発明のオキサゾリドン環含有エポキシ樹
脂、および/またはそれを変性したオキサゾリドン環含
有変性エポキシ樹脂の硬化形態により、選択される。
合、(d)硬化剤としては、例えば、エチレンジアミ
ン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ダイマー酸変性エチレンジアミン、N−エチルアミ
ノピペラジン等の脂肪族アミン類、メタフェニレンジア
ミン、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノルスル
ホン、4,4’−ジアミノジフェノルメタン、4,4’
−ジアミノジフェノルエーテル等の芳香族アミン類、メ
ルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂の末端メ
ルカプト化合物等のメルカプタン類、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェ
ノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチ
ルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールA
D、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビス
フェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラ
フルオロビスフェノールA、ビフェノール、ジヒドロキ
シナフタレン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エ
チリデン)ビスフェノール、フェノールノボラック、ク
レゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭
素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノ
ボラック等のフェノール樹脂類、ポリアゼライン酸無水
物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸
無水物類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイ
ミダゾール類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン
類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7等の第3級アミン類、ジ
シアンジアミド等が挙げられる。
込まれた架橋性基や、変性により生成した2級水酸基を
用いた硬化の場合は、例えば、メラミン樹脂、ポリイソ
シアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等が
用いられる。メラミン樹脂としては、ヘキサメトキシメ
チロールメラミン、メチル・ブチル化メラミン、ブチル
化メラミン等が例示される。ポリイソシアネート化合物
としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメ
チレンジイソシアネート、HDI、2,2,4(または
2,4,4)−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘ
キサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シク
ロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシ
アネートおよびこれらジイソシアネートより誘導される
ポリイソシアネートが例示される。
シアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシア
ネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型
ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネー
ト等がある。これらのポリイソシアネート化合物は単独
で用いても良く、2種以上を併用しても良い。ブロック
イソシアネート化合物としては、上記ジイソシアネート
および/またはポリイソシアネート化合物をブロック剤
でブロックした化合物が用いられる。ブロック剤として
は、例えば、アルコール類、フェノール類、オキシム
類、ラクタム類、活性メチレン類等が挙げられる。これ
らのブロック剤は単独で用いても良く、2種以上を併用
しても良い。
ゾリドン環含有エポキシ樹脂および/またはオキサゾリ
ドン環含有変性エポキシ樹脂を含む全量に対して、任意
に選択できるが、通常、0.1〜90重量%である。好
ましくは0.1〜50重量%である。(d)硬化剤は単
独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。本発明
の硬化性組成物は、他のエポキシ樹脂および/または他
のエポキシ樹脂を変性した変性エポキシ樹脂を併用する
事ができる。
剤を含むことができる。溶剤としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルス
ピリット、ナフサ等の炭化水素類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢
酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート等のエステル類、メタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソ
ルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類、水などの
群から目的および用途に応じて適宜選択して使用するこ
とが出来る。これらの溶剤は単独で用いても良く、2種
以上を併用しても良い。本発明の硬化性組成物は、必要
に応じ、硬化促進剤を含む事ができる。硬化促進剤とし
ては、例えば、イミダゾール類、第3級アミン類、ホス
フィン類、アミノトリアゾール類、錫系、亜鉛系等の金
属触媒類等が用いられる。これらの硬化促進剤は単独で
用いても良く、2種以上を併用しても良い。
うな当該技術分野で常用される顔料、充填剤、添加剤等
が使用できる。例えば、キナクリドン系、アゾ系、フタ
ロシアニン系等の有機顔料、酸化チタン、金属箔状顔
料、防錆顔料等の無機顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、シリカ、カーボンブラック、タルク、クレー等の
充填剤、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノ
ール系、リン系、イオウ系、ヒドラジド系等の酸化防止
剤、シラン系、チタン系等のカップリング剤、レベリン
グ剤、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、ハジキ
防止剤、消泡剤等の添加剤等が挙げられる。また必要に
応じて、ガラス繊維、ガラス布、炭素繊維等の強化材を
含有する事ができる。この様にして得られたオキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂および/またはオキサゾリドン
環含有変性エポキシ樹脂を1成分とする硬化性組成物
は、優れた耐衝撃性と良好なフロー性を併せ持ち、粉体
塗料、電着塗料、PCM塗料等の塗料、接着剤、シーリ
ング材、成型材料、複合材料、積層板、封止材等の材料
として好適に使用される。
に詳しく説明するが本発明の技術範囲およびその実施態
様はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較
例中の「部」または「%」は特記しない限り重量基準で
ある。以下に述べる手法により、本実施例および比較例
に係る樹脂およびその硬化物の物性評価試験を行った。 (1)エポキシ当量 1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量(g)であり、J
IS K−7236に準拠して求めた。 (2)軟化点 JIS K−7234(環球法)に準拠した。 (3)粘度 コーンプレート型粘度計(ICI型;Research
Eqipment[London].LTD社製)を
用い125℃で測定した。8000(mPa・s)以下
を合格とした。
シ基に対する当量%であり、本実施例のオキサゾリドン
環形成反応においては、エポキシ基がオキサゾリドン環
を形成する反応以外には、実質的に使用されないので、
使用した(a)エポキシ樹脂のエポキシ当量(Ep1と
称す)と重量(Wt1と称す)、得られたオキサゾリド
ン環含有エポキシ樹脂のエポキシ当量(Ep2と称す)
と重量(Wt2と称す)を用い、下記式により求めた。 Oxd化率=100−(Wt2÷Ep2)÷(Wt1÷
Ep1)×100 (5)In/Oxd比 オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂に含まれる、イソシ
アヌレート環由来カルボニル基のオキサゾリドン環由来
カルボニル基に対する当量比であり、フーリエ変換型赤
外分光光度計(FT−IR4200:島津製作所製)に
より測定した赤外吸収スペクトルの、イソシアヌレート
環由来カルボニル基の伸縮振動ピーク(1690cm−
1付近)とオキサゾリドン環由来カルボニル基の伸縮振
動ピーク(1750cm−1付近)の高さ比を基に算出
し、In/Oxd比が0.1未満をA、0.1〜0.2
をB、0.2〜0.3をC、0.3〜0.4をD、0.
4以上をEで表した。
エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基と(b)イソシア
ネート化合物との反応により得られるウレタン結合の量
であり、(a)エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基
と、得られたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂中のア
ルコール性水酸基の量を、それぞれ、JIS K007
0(ピリジン−塩化アセチル法)に準じて求め、その差
より、ウレタン結合量を算出した。尚、本法のアルコー
ル性水酸基の定量においては、エポキシ基1個はアルコ
ール性水酸基2個と等価となることを考慮した。ウレタ
ン結合量が0.05当量/Kg未満をA、0.05〜
0.1当量/KgをB、0.1〜0.5当量/Kgを
C、0.5〜0.7当量/KgをD、0.7当量/Kg
以上をEで表した。
量1Kg、撃心半径1/4インチで行った。評価は、衝
撃による塗膜の変形・はがれができない最高の重り高さ
で表した。 (8)表面性 硬化後の塗膜の表面性を目視観察し、表面性が優れてい
る物を◎、良い物を○、悪い物を×で表した。
シ当量189)100部を入れたセパラブルフラスコ
に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取
り付け、フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下1
50℃に昇温し、150℃到達後30分間撹拌を続け
た。反応温度を150℃に維持したまま、HDI15.
6部とテトラブチルアンモニウムクロライド(和光純
薬;Practical Grade)0.05部の混
合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を
150℃に保ったまま2時間撹拌を続け、オキサゾリド
ン環含有エポキシ樹脂を得た。得られたオキサゾリドン
環含有エポキシ樹脂の特性値を表1に示す。
シ当量189)100部を入れたセパラブルフラスコ
に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取
り付け、フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下1
70℃に昇温し、170℃到達後30分間撹拌を続け
た。反応温度を170℃に維持したまま、HDI20部
を2時間かけて滴下した。また、HDIの滴下開始と同
時に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン
−7を0.2部添加した。HDI滴下終了後、反応温度
を170℃に保ったまま4時間撹拌を続け、オキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂を得た。得られたオキサゾリド
ン環含有エポキシ樹脂の特性値を表1に示す。
例1と同様にして、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
を得た。得られたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の
特性値を表1に示す。
シ当量189)100部を入れたセパラブルフラスコ
に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取
り付け、フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下1
75℃に昇温し、テトラブチルアンモニウムブロマイド
0.04部を添加、175℃で30分間撹拌を続けた。
その後、反応温度を175℃に維持したまま、コロネー
トT−80(日本ポリウレタン社製:2,4−トリレン
ジイソシアネート約80%、2,6−トリレンジイソシ
アネート約20%)16.1部を2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、反応温度を175℃に保ったまま4時
間撹拌を続け、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を得
た。得られたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の特性
値を表2に示す。
例1と同様にして、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
を得た。得られたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の
特性値を表2に示す。
キシ樹脂100部にメチルエチルケトン43部を入れ、
均一になるまで撹拌混合した。それに10%のジシアン
ジアミド溶液(溶剤:エチレングリコールモノメチルエ
ーテル)42部と50%の2−エチル−4−イミダゾー
ル溶液(溶剤:メタノール)2部を添加し、均一になる
まで撹拌混合し、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を
1成分とする硬化性組成物を得た。ここで得た硬化性組
成物を、エチレングリコールモノメチルエーテルを用い
て粘度調整(フォードカップ#4で20秒/20℃)
し、冷間圧延鋼板にエアースプレーガンを用いて乾燥膜
厚50ミクロンになるように塗装した。その後、170
℃で1時間焼付けを行い硬化物を得た。この硬化物の耐
衝撃性と表面性の評価を行った。評価結果を表3に示
す。
ドン環含有エポキシ樹脂、ジシアンジアミドを用いた以
外は実施例7に従い、硬化性組成物を得、塗装、焼付け
を行い、得られた硬化物の耐衝撃性と表面性の評価を行
った。評価結果を表3に示す。
ン環含有エポキシ樹脂、ジシアンジアミドを用いた以外
は実施例7に従い、硬化性組成物を得、塗装、焼付けを
行い、得られた硬化物の耐衝撃性と表面性の評価を行っ
た。評価結果を表4に示す。表4に示した様に、脂肪族
ジイソシアネートの代わりにトリレンジイソシアネート
を用いた比較例4では耐衝撃性が不充分であった。ま
た、Oxd化率が20当量%未満のオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂を用いた比較例5も耐衝撃性が不充分で
あった。一方、Oxd化率が45当量%を越えるオキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂(比較例3)は溶融粘度が
高く、それを用いた比較例6では、硬化時のフロー性が
低く、表面性が悪かった。
ポキシ樹脂100部と、エチレングリコールモノブチル
エーテル85部を入れたセパラブルフラスコに、撹拌
機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付け、
フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下100℃に
昇温した。これにジエタノールアミン27部を、反応熱
による温度上昇を2℃以下に抑えながら、約30分かけ
て滴下した。滴下終了後1時間100℃で維持し、オキ
サゾリドン環含有変性エポキシ樹脂を得た。ここで得た
オキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂100部(樹脂
分60%)にHDIのイソシアヌレート体をメチルエチ
ルケトオキシムでブロックした樹脂分80%のブロック
イソシアネート(TPA−B80E;旭化成(株)製)
38部とジブチル錫ジラウレート0.3部を均一に混合
し、硬化性組成物を得た。ここで得た硬化性組成物を用
い、実施例7と同様にして、塗装、焼付けを行い、得ら
れた硬化物の耐衝撃性と表面性を評価した。得られた結
果は耐衝撃性50cm以上、表面性○であった。
融粘度を有するエポキシ樹脂、および、硬化反応時のフ
ロー性に優れ、表面性と耐衝撃性が良好な硬化物を与え
る硬化性組成物が得られる。本発明の硬化性組成物は、
電着塗料、粉体塗料、PCM塗料、接着剤、シーリング
材、成型材料、複合材料、積層板、封止材等として優れ
た性能を発揮する。
Claims (8)
- 【請求項1】 (a)エポキシ樹脂と(b)イソシアネ
ート化合物より得られるオキサゾリドン環含有エポキシ
樹脂であって、(a)エポキシ樹脂中のエポキシ基の2
0〜45当量%がオキサゾリドン環を形成し、(b)イ
ソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネートである、
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂。 - 【請求項2】 (b)イソシアネート化合物がヘキサメ
チレンジイソシアネートである請求項1記載のオキサゾ
リドン環含有エポキシ樹脂。 - 【請求項3】 オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量が230〜430g/当量である、請求項1
又は請求項2記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹
脂。 - 【請求項4】 (a)エポキシ樹脂がグリシジルエーテ
ル類である、請求項1〜3のいずれかに記載のオキサゾ
リドン環含有エポキシ樹脂。 - 【請求項5】 (a)エポキシ樹脂のエポキシ当量が1
60〜220g/当量である、請求項1〜4のいずれか
に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂。 - 【請求項6】 (a)エポキシ樹脂中のアルコール性水
酸基の一部または全部が、(b)イソシアネート化合物
中のイソシアネート基との反応によりウレタン結合とな
っている、請求項1〜5のいずれかに記載のオキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のオキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂のエポキシ基の一部または
全部を(c)変性剤で変性したオキサゾリドン環含有変
性エポキシ樹脂。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のオキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂、および/または請求項7
記載のオキサゾリドン環含有変性エポキシ樹脂と、
(d)硬化剤を含有する硬化性組成物。
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