JP3345687B2 - オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料 - Google Patents

オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料

Info

Publication number
JP3345687B2
JP3345687B2 JP33535292A JP33535292A JP3345687B2 JP 3345687 B2 JP3345687 B2 JP 3345687B2 JP 33535292 A JP33535292 A JP 33535292A JP 33535292 A JP33535292 A JP 33535292A JP 3345687 B2 JP3345687 B2 JP 3345687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
oxazolidone ring
containing aqueous
acid
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33535292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05306327A (ja
Inventor
俊行 石井
光夫 山田
基 谷本
健四郎 飛永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Nippon Paint Holdings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Nippon Paint Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd, Nippon Paint Holdings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP33535292A priority Critical patent/JP3345687B2/ja
Publication of JPH05306327A publication Critical patent/JPH05306327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3345687B2 publication Critical patent/JP3345687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の背景】ジイソシアネート化合物にモノアルコ
ールを反応させて得られるビスウレタンをジエポキシ化
合物に反応させることにより、次式
【化2】 (式中、Rはジエポキシ化合物の骨格を、R’はジイソ
シアネート化合物の骨格を意味する。)を有するオキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂が得られることは知られて
いる。岩倉ら、J.Polymer Sci.Part
A−1,,751(1966)参照。この反応にお
いてビスウレタンの代りにジイソシアネートを直接ジエ
ポキシ化合物に反応させても同じオキサゾリドン環含有
エポキシ樹脂が得られる。Sander et al,
J.Appl.Polymer Sci.,,198
4(1966)参照。
【0002】このようにして得られる変性エポキシ樹脂
は、酸無水物またはポリアミン硬化剤により、またはイ
オン重合により硬化させることができるが、親水性基ま
たはイオン性基を持たないため水性塗料、特に電着塗料
に使用することはできない。
【0003】本発明は、オキサゾリドン環含有エポキシ
樹脂の末端エポキシ基をイオン性基を有する活性水素化
合物で開環し、アミノ基やカルボキシル基のようなイオ
ン性基を導入したオキサゾリドン環含有水性樹脂を提供
する。
【0004】
【本発明の開示】本発明は、(a)式
【化3】 (式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジル
オキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物
のイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意味
する。)を有する分子鎖中に複数のオキサゾリドン環を
含有するエポキシ樹脂に、(b)モノオール,ジオー
ル,モノカルボン酸,ジカルボン酸から選ばれた少なく
とも1種の第1の活性水素化合物を反応せしめてエポキ
シ環の一部を開環し、次いで(c)イオン性基を導入し
得る第2の活性水素化合物を(a)と(b)の反応生成
物に反応せしめることにより残りのエポキシ環を開環し
て得られたオキサゾリドン環含有水性樹脂を提供する。
【0005】本発明のオキサゾリドン環含有水性樹脂
は、水性塗料、特に電着塗料に使用されている変性エポ
キシ樹脂に代わって使用することができる。
【0006】これまでの変性エポキシ樹脂に比較して耐
食性にすぐれた塗膜を形成し、電着塗料に使用した場合
には塗膜外観を損なう事なく高つきまわり性を与える。
【0007】従来、高耐食性、高つきまわり性を達成す
るためには、一般に高いガラス転移温度を有する樹脂を
使用するが、同時に硬化時の熱流動性が乏しくなるため
に塗膜外観の問題を招くという欠点があった。
【0008】本発明のオキサゾリドン環含有水性樹脂を
使用した場合、これらの問題点を生じることなく高耐食
性、高つきまわり性を達成できる事を見出した。
【0009】オキサゾリドン環含有水性樹脂の適用によ
るこれらの効果発現の理由はオキサゾリドン環の導入に
より樹脂のガラス転移温度が高くなるにもかかわらず、
熱流動性がすぐれている事に起因すると考えられる。
【0010】EP−A−449072には臭化リチウム
触媒存在下、エポキシ樹脂とジイソシアネートを直接反
応させて合成したオキサゾリドン環含有水性樹脂を利用
する電着塗料について記載されている。
【0011】上述のようにエポキシ樹脂とジイソシアネ
ートを直接反応させる場合は三量化などの副反応による
生成物の高粘度化を防ぐためオキサゾリドン環の導入量
が制限されたり、触媒として使用するアルカリ金属のハ
ロゲン化物等の金属塩が電着塗料中に混入する事により
イオン解離し、つきまわり性やクーロン効率等の電着性
に悪影響を及ぼし、また、析出する塗膜中に混入して塗
膜の耐食性を低下させるという問題が生じる。
【0012】また同じくEP−A−449072では実
用的な膜厚を塗装する場合、300V以上の高い塗装電
圧を必要とするが、一般に亜鉛鋼板にこのような高い塗
装電圧で塗装した場合、塗膜にピンホールが生じやすく
塗膜の外観が著しく低下する現象が認められることが多
い。
【0013】本発明中のオキサゾリドン環含有水性樹脂
は、塗膜の平滑性を損なうことなく高耐食性、高つきま
わり性を達成できる。
【0014】好ましい実施態様によれば、分子鎖中に複
数のオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂(a)
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とジイソシアネート
化合物またはそのブロック化物との反応生成物である。
この出発樹脂(a)にポリエーテルポリオール,ポリエ
ステルポリオールまたはビスフェノール類のようなジオ
ールを反応させることにより、鎖延長した両末端にエポ
キシ環を有するオキサゾリドン環含有樹脂が得られる。
ジオールに代えて、脂肪族または芳香族ジカルボン酸を
用いて鎖延長することもできる。
【0015】鎖延長剤として働くジオールまたはジカル
ボン酸に加えもしくは代えて、脂肪族1級アルコールま
たはフェノール類のようなモノオール、またはモノカル
ボン酸を出発樹脂(a)に反応させてもよい。
【0016】出発樹脂(a)のエポキシ基に対して1当
量未満の第1の活性水素化合物(b)を使用することに
より、出発樹脂(a)中のエポキシ環を部分的に開環す
ることができる。
【0017】次に残っているエポキシ環をイオン性基を
導入し得る第2の活性水素化合物(c)との反応により
開環してイオン性基を導入し、目的とするオキサゾリド
ン環含有水性樹脂が得られる。カチオン性水性樹脂を望
む場合は、第2の活性水素化合物として1級アミン,2
級アミン,3級アミン酸塩またはスルフィド−酸混合物
を使用し、アニオン性水性樹脂を望む場合はポリカルボ
ン酸を使用すればよい。
【0018】本発明の他の面によれば、本発明のオキサ
ゾリドン環含有樹脂と、架橋剤とを中和剤を含む水性媒
体中に分散させてなる水性塗料組成物が提供される。好
ましい架橋剤はメラミン樹脂およびブロックポリイソシ
アネートを含む。中和剤は、カチオン性樹脂の場合は酸
であり、アニオン性樹脂の場合は塩基である。
【0019】このようにして得られた水性塗料組成物
は、特に電着塗装に使用することができ、すぐれたつき
まわり性を発揮し、かつすぐれた外観と防食性を有する
硬化塗膜を与える。
【0020】
【詳細な説明】末端エポキシ基オキサゾリドン環含有変
性エポキシ樹脂(a)は公知である。これらの樹脂は、
ポリエポキシ化合物にビスウレタンに代表されるブロッ
クジイソシアネートを反応させる方法(A法、岩倉ら前
出)と、ジイソシアネート化合物を直接反応させる方法
(B法、Sander et al.前出)がある。A
法およびB法のどちらも採用し得るが、B法はジイソシ
アネートの三量化など副反応が起こり易いため、A法が
好ましい。
【0021】ポリエポキシ化合物の典型例はビスフェノ
ールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂であ
る。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェ
ルエポキシ(株)、エポキシ当量180〜190)、エ
ピコート1001(同、エポキシ当量450〜50
0)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000
〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコ
ート807(同、エポキシ当量170)などがある。
【0022】ビスフェノール型エポキシ樹脂のほか、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ポリエチレングリコールなどの多価アル
コールのポリグリシジルエーテル、および脂肪族、脂環
族もしくは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエス
テルも使用することができる。
【0023】ジイソシアネート化合物としては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)などの芳香族ジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族およ
び脂環族ジイソシアネートを使用し得る。
【0024】B法ではこれらジイソシアネート化合物を
直接ポリエポキシ化合物と反応させるが、好ましいA法
ではこれらジイソシアネート化合物をブロック剤でブロ
ックしたブロックジイソシアネートを使用する。このた
めブロック剤であらかじめジイソシアネートをブロック
した後にエポキシ化合物と混合し反応させても良いし、
エポキシ化合物にブロック剤を溶解させておき、イソシ
アネートを加えることによりエポキシ化合物存在下で、
ブロックジイソシアネートを発生させた後、オキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂を合成することも可能である。
使用し得るプロック剤はこの分野では良く知られてお
り、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、シクロヘキサノール等の脂肪
族アルコール;フェノール、ニトロフェノール、エチル
フェノール等のフェノール類;メチルエチルケトオキシ
ムなどのオキシム類;ε−カプロラクタム等のラクタム
類を含む。ブロックジイソシアネートnモルに対し、ジ
エポキシ化合物n+1の反応により鎖中に複数のオキサ
ゾリドン環を有し、末端エポキシ基を有するオキサゾリ
ドン環含有エポキシ樹脂が得られる。反応温度は好まし
くは60℃〜200℃である。反応が進行するにつれジ
イソシアネート化合物のブロック剤が再生されるが、こ
れは系内にそのまま存在させてもよいし、デカンター等
を使用して系外へ除去することもできる。
【0025】エポキシ化合物とカルバミン酸エステル
(ウレタン)との反応による2−オキサゾリジノン化合
物の合成法において、触媒として第三級アミンを使用す
ることにより反応を円滑に進行させることができる。こ
の原理はブロックイソシアネート化合物とポリエポキシ
化合物との反応にも有利に適用することができる。この
目的に使用し得る三級アミンとしては、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラ
メチルエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン、1,4
−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、ピリジン、
キノリン、イミダゾールなどがある。
【0026】第3級アミンに加え、ジラウリル酸ジ−n
−ブチルスズ、塩化第一スズ、オクテン酸スズ、ジブチ
ルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、1,3
−ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン、1,3−
ジクロルテトラブチルジスタノキサン、ジブチルジブト
キシスズ等のスズ化合物を併用してもよい。
【0027】このようにして得られた末端エポキシ基オ
キサゾリドン環含有樹脂へイオン性基を導入する前に、
エポキシ基と二官能ポリオールまたは二官能ポリカルボ
ン酸との反応を利用して鎖延長することができる。この
目的に使用し得る二官能ポリオールとしては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオールなどのアルカンジオール;1,2−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ルなどの脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、レゾルシノール、ハイドロキノン等の芳香族
ジオール;ポリカルボン酸またはその無水物とポリオー
ルとのエステル化反応により得られる二官能ポリエステ
ルポリオール、ポリオールを開始剤とするカプロラクト
ンの重合反応によって得られる二官能ポリカプロラクト
ンポリオール等の二官能ポリエステルポリオール(分子
量300〜3000);およびポリオキシエチレングリ
コール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシ
テトラメチレングリコール、それらのランダムまたはブ
ロック共重合体などの二官能ポリエーテルポリオール
(分子量300〜3000)が挙げられる。
【0028】鎖延長はコハク酸,アジピン酸,アゼライ
ン酸,ドデカン二酸,ダイマー酸,C18−C20長鎖脂肪
族ジカルボン酸、末端カルボキシル基変性ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体等の脂肪族ジカルボン酸、ま
たはフタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸を使用して実施してもよい。
【0029】鎖延長を望むことなくエポキシ環の部分的
開環を望む場合には、n−ブタノール,ブチルセロソル
ブ,オクタノール,ステアリルアルコール等の脂肪族1
級アルコール、またはキシレノール,p−t−ブチルフ
ェノール,p−ノニルフェノール等のモノオールや、酢
酸,乳酸,酪酸,オクタン酸,シクロヘキサンカルボン
酸,ラウリン酸,ステアリン酸,12−ヒドロキシステ
アリン酸等の脂肪族モノカルボン酸、または安息香酸,
1−ナフトエ酸のような芳香族モノカルボン酸を使用す
ることができる。モノオールおよびモノカルボン酸によ
って出発樹脂(a)のエポキシ環を部分的に開環した場
合は鎖延長されないが、第1の活性水素化合物(b)と
してジオール/モノオールの組合せ、またはジカルボン
酸/モノカルボン酸の組合せを使用することにより、鎖
延長された出発樹脂の末端エポキシ基を部分的に開環す
ることができる。この場合モノオールおよびモノカルボ
ン酸は鎖延長停止剤として作用する。
【0030】次に出発樹脂(a)と第1の活性化合物
(b)との反応生成物中に残っているエポキシ基を利用
し、イオン性基を導入し得る第2の活性水素化合物
(c)との反応によって所望極性のイオン性基を導入す
ることができる。
【0031】カチオン性基を有する水性樹脂を望む場合
には、活性水素化合物として1級アミン、2級アミン、
3級アミンの酸塩、もしくはスルフィド・酸混合物を反
応させる。その例としては、ブチルアミン、オクチルア
ミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸
塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチ
ルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチル
エタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンの
ジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミン
がある。アミン類は複数のものを併用して用いてもよ
い。1級アミンを反応させるときは2当量であるためポ
リエポキシ化合物の鎖延長剤として働らき、ポリエポキ
シ化合物を高分子量化させる。エポキシ基と反応させる
これらのアミンは、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
のエポキシ基とほぼ当量で使用するのが好ましい。得ら
れたカチオン性基を有する水性樹脂のGPC分析による
数平均分子量は600〜4000が好ましい。数平均分
子量が600未満であると造膜性が不十分であり、40
00を越えると乳化、水溶化が困難である。また、アミ
ン当量としては0.3〜4.0meq/gが好ましい。
アミン当量が0.3meq/g未満であると乳化、水溶
化が困難であり、4.0meq/gを越えると造膜後、
得られる塗膜の耐水性が不十分となる。
【0032】アニオン性基を有する水性樹脂は、オキサ
ゾリドン環含有エポキシ樹脂のエポキシ基に、アミンの
代りに例えばコハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸のような多価カルボン酸
を反応させ、これら多塩基酸のハーフ(部分)エステル
とすることによって得ることができる。得られたアニオ
ン性基を有する水性樹脂のGPC分析による数平均分子
量は600〜4000が好ましい。数平均分子量が60
0未満であると造膜性が不十分であり、4000を越え
ると乳化、水溶化が困難である。また、酸当量としては
0.3〜4.0meq/gが好ましい。酸当量が0.3
meq/g未満であると乳化、水溶化が困難であり、
4.0meq/gを越えると造膜後、得られる塗膜の耐
水性が不十分となる。高い平滑性、高耐食性、高つきま
わり性を達成するためには、(a)と(b)と(c)と
の反応生成物であるオキサゾリドン環含有水性樹脂は、
固形分として(a)成分を35〜95重量%,さらに好
ましくは45〜85重量%含有することが好ましい。
【0033】このようにして得たオキサゾリドン環含有
水性樹脂は、メラミン樹脂やポリイソシアネート化合物
のような架橋剤によって架橋することができる。本発明
のオキサゾリドン環含有水性樹脂の特色が最大に発揮さ
れるのは水性塗料、特に電着塗料である。
【0034】従来より塗料分野、特にカチオン電着塗料
に使用される水分散性樹脂として、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂をアミノ化した樹脂が用いられている。しか
しながらこれら樹脂の硬化剤との反応により得られる硬
化膜の性能は必ずしも満足でなく、耐食性や電気的性
質、機械的性質の改善が望まれていた。本発明のオキサ
ゾリドン環含有水性樹脂は従来のエポキシ系水性樹脂の
これらの性能、特に耐食性およびつきまわり性を著しく
改善する。
【0035】電着塗料を含む水性塗料化は、本発明のオ
キサゾリドン環含有水性樹脂と架橋剤とを中和剤を含む
水性媒体中に分散させることによって達成することがで
きる。架橋剤としては、エーテル化したメチロールメラ
ミン等のメラミン樹脂および先に述べたブロックポリイ
ソシアネート化合物が典型例である。当然のことながら
カチオン電着塗料にあってはアミノ基やスルホニウム基
を導入した水性樹脂を選択し、中和剤は塩酸、硝酸、リ
ン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機または有機酸でな
ければならない。アニオン電着塗料にあってはカルボキ
シル基を導入した水性樹脂を選択し、中和剤は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、有機アミン類などの無機ま
たは有機塩基でなければならない。
【0036】架橋剤の量は、硬化時に樹脂中の水酸基等
の官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分で
なければならず、一般に樹脂固形分の5〜50重量%が
使用される。中和剤の量は樹脂のアミノ基やカルボキシ
ル基の少なくとも20%,好ましくは30〜60%を中
和するに足りる量である。
【0037】塗料は、ブロックポリイソシアネートを含
む系にあってはジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルス
ズオキサイドのようなスズ化合物や、通常のウレタン開
裂触媒を含むことができる。その量はブロックポリイソ
シアネート化合物の0.1〜5重量%が通常である。
【0038】塗料は、二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、ベンガラ等の着色顔料、塩基性ケイ酸鉛、リンモリ
ブデン酸アルミ等の防錆顔料、カオリン、クレー、タル
ク等の体質顔料のほか、水混和性有機溶剤、界面活性
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加
剤を含むことができる。
【0039】塗料は、電着塗装に特に適しているが、浸
漬塗装、スプレー塗装等他の塗装方法を使用することも
できる。
【0040】以下に本発明の実施例および比較例を示
す。「部」および「%」はことわりない限り重量基準に
よる。実施例、比較例中の「エポキシ当量」「アミン当
量」は固形分あたりの数値を示す。
【0041】実施例1 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)752.0部、メタノール77.0部、メチ
ルイソブチルケトン200.3部およびジラウリン酸ジ
ブチルスズ0.3部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物174.2部を50分間かけて滴下
すると発熱により系内の温度が70℃に達した。IRス
ペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸
収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルア
ミン2.7部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
らエポキシ当量が463に達するまで反応を行った。I
Rスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボ
ニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。
p−ノニルフェノール220.0部およびメチルイソブ
チルケトン83.3部を加え125℃の温度を保持しな
がらエポキシ当量が1146に達するまで反応を行っ
た。系内の温度が110℃になるまで冷却し、アミノエ
チルエタノールアミンのケチミン(79重量%のメチル
イソブチルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミ
ン42.0部、N−メチルエタノールアミン30.0部
およびメチルイソブチルケトン17.3部を加えた後、
昇温し、120℃で2時間反応させた。このようにして
オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂74重量%を他の成
分24重量%で変性したオキサゾリドン環含有水性樹脂
(固形分80.0%、アミン当量0.96mmol/
g)を得た。
【0042】実施例2 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)730.9部、メタノール64.3部、メチ
ルイソブチルケトン176.0部およびジラウリン酸ジ
ブチルスズ0.3部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート208.
8部を30分間かけて滴下すると発熱により系内の温度
が70℃に達した。IRスペクトルはイソシアネートに
基づく2280cm-1の吸収の消失およびウレタンのカ
ルボニル基に基づく1730cm-1の吸収の出現を示し
た。N,N−ジメチルベンジルアミン2.7部を加えた
後、系内を130℃まで昇温し、副生するメタノールを
デカンターを用いて留去させながらエポキシ当量が42
4に達するまで反応を行った。IRスペクトルはウレタ
ンのカルボニル基に基づく1730cm-1の吸収の消失
およびオキサゾリドン環のカルボニル基に基づく175
0cm-1の吸収の出現を示した。ビスフェノールA6
2.4部、p−ノニルフェノール147.4部およびメ
チルイソブチルケトン108.4部を加え130℃の温
度を保持しながらエポキシ当量が1150に達するまで
反応を行った。系内の温度が110℃になるまで冷却
し、アミノエチルエタノールアミンのケチミン(79重
量%のメチルイソブチルケトン溶液)47.2部、ジエ
タノールアミン42.0部、N−メチルエタノールアミ
ン30.0部およびメチルイソブチルケトン17.3部
を加えた後、昇温し、120℃で2時間反応させた。こ
のようにしてオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂67重
量%を他の成分33重量%で変性したオキサゾリドン環
含有水性樹脂(固形分80.0%、アミン当量0.95
mmol/g)を得た。
【0043】実施例3 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)667.4部、メタノール48.7部、メチ
ルイソブチルケトン124.7部およびジラウリン酸ジ
ブチルスズ0.2部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物110.1部を30分間かけて滴下
すると発熱により系内の温度が80℃に達した。IRス
ペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸
収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルア
ミン1.7部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
らエポキシ当量が340に達するまで反応を行った。I
Rスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボ
ニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。
酸価195のダイマー酸(バーサダイム288;ヘンケ
ル白水(株))329.2部および12−ヒドロキシス
テアリン酸43.0部を加え125℃の温度を保持しな
がらエポキシ当量が1150に達するまで反応を行っ
た。系内の温度が110℃になるまで冷却し、アミノエ
チルエタノールアミンのケチミン(79重量%のメチル
イソブチルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミ
ン42.0部およびN−メチルエタノールアミン30.
0部を加えた後、昇温し、120℃で2時間反応させ
た。このようにしてオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
47重量%を他の成分53重量%で変性したオキサゾリ
ドン環含有水性樹脂(固形分90%、アミン当量0.7
5mmol/g)を得た。
【0044】実施例4 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)649.4部、メタノール56.0部、メチ
ルイソブチルケトン84.0部およびジラウリン酸ジブ
チルスズ0.2部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物126.6部を30分間かけて滴下
すると発熱により系内の温度が80℃に達した。IRス
ペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸
収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルア
ミン2.0部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
らエポキシ当量が388に達するまで反応を行った。I
Rスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボ
ニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。
分子量約530のポリカプロラクトンポリオール(PC
L−205H;ダイセル化学工業(株))265.0
部、N,N−ジメチルベンジルアミン2.0部を加え、
125℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1040
に達するまで反応を行った。系内の温度が110℃にな
るまで冷却し、アミノエチルエタノールアミンのケチミ
ン(79重量%のメチルイソブチルケトン溶液)47.
2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチルエタ
ノールアミン30.0部およびメチルイソブチルケトン
188.4部を加えた後、昇温し、120℃で2時間反
応させた。このようにしてオキサゾリドン環含有エポキ
シ樹脂59重量%を他の成分41重量%で反応させたオ
キサゾリドン環含有水性樹脂(固形分80.0%、アミ
ン当量1.04mmol/g)を得た。
【0045】実施例5 反応容器にエピコート827(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)711.0部、メタノール68.6部、メチ
ルイソブチルケトン93.6部およびジラウリン酸ジブ
チルスズ0.2部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物155.2部を30分間かけて滴下
すると発熱により系内の温度が80℃に達した。IRス
ペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸
収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収の出現を示した。N,N−ジメチルベン
ジルアミン2.4部を加えた後、系内を120℃まで昇
温し、副生するメタノールをデカンターを用いて留去さ
せながらエポキシ当量が388に達するまで反応を行っ
た。IRスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく
1730cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環の
カルボニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示
した。ヒドロキシル化168mg/KOHのポリエーテ
ルポリオール(ビスフェノールAのエチレンオキシド付
加物;ニューポールBPE−100,三洋化成
(株))、N,N−ジメチルベンジルアミン2.4部を
加え、150℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1
200に達するまで反応を行った。系内の温度が110
℃になるまで冷却し、アミノエチルエタノールアミンの
ケチミン(79重量%のメチルイソブチルケトン溶液)
47.2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチ
ルエタノールアミン30.0部およびメチルイソブチル
ケトン87.0部を加えた後、昇温し、120℃で2時
間反応させた。このようにしてオキサゾリドン環含有エ
ポキシ樹脂63重量%を他の成分37重量%で反応させ
たオキサゾリドン環含有樹脂(固形分87.0%、アミ
ン当量0.92mmol/g)を得た。
【0046】実施例6 反応容器にエピコート807(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当
量170)692.3部、メタノール88.3部、メチ
ルイソブチルケトン155.9部およびジラウリン酸ジ
ブチルスズ0.4部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート286.
6部を30分間かけて滴下すると発熱により系内の温度
が90℃に達した。IRスペクトルはイソシアネートに
基づく2280cm-1の吸収の消失およびウレタンのカ
ルボニル基に基づく1730cm-1の吸収の出現を示し
た。N,N−ジメチルベンジルアミン3.1部を加えた
後、系内を120℃まで昇温し、副生するメタノールを
デカンターを用いて留去させながらエポキシ当量が55
0に達するまで反応を行った。IRスペクトルはウレタ
ンのカルボニル基に基づく1730cm-1の吸収の消失
およびオキサゾリドン環のカルボニル基に基づく175
0cm-1の吸収の出現を示した。p−ノニルフェノール
171.6部およびメチルイソブチルケトン43.6部
を加え115℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1
151に達するまで反応を行った。系内の温度が110
℃になるまで冷却し、アミノエチルエタノールアミンの
ケチミン(79重量%のメチルイソブチルケトン溶液)
47.2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチ
ルエタノールアミン30.0部およびメチルイソブチル
ケトン101.9部を加えた後、昇温し、120℃で2
時間反応させた。このようにしてオキサゾリドン環含有
エポキシ樹脂77重量%を他の成分23重量%で反応さ
せたオキサゾリドン環含有水性樹脂(固形分80.0
%、アミン当量0.95mmol/g)を得た。
【0047】比較例1 反応容器にエピコート1001(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量475)935.8部をメチルイソブチルケトン12
5.7部に溶解させ、120℃に昇温し1時間加熱還流
させ、痕跡量の水分を除去した。p−ノニルフェノール
213.4部およびN,N−ジメチルベンジルアミン
2.7部を加え125℃の温度を保持しながらエポキシ
当量が1149に達するまで反応を行った。系内の温度
が110℃になるまで冷却し、アミノエチルエタノール
アミンのケチミン(79重量%のメチルイソブチルケト
ン溶液)47.2部、ジエタノールアミン42.0部、
N−メチルエタノールアミン30部およびメチルイソブ
チルケトン2.1部を加えた後、昇温し、120℃で2
時間反応させアミン変性エポキシ樹脂(固形分90.0
%)を得た。
【0048】比較例2 反応容器にエピコート1001(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量475)950.0部をメチルイソブチルケトン10
5.6部に溶解させ、120℃に昇温し1時間加熱還流
させ、痕跡量の水分を除去した。分子量約530のポリ
カプロラクトンポリオール(PCL−205H;ダイセ
ル(株))265.0部、N,N−ジメチルベンジルア
ミン3.0部を加え、125℃の温度を保持しながらエ
ポキシ当量が1215に達するまで反応を行った。系内
の温度が110℃になるまで冷却し、アミノエチルエタ
ノールアミンのケチミン(79重量%のメチルイソブチ
ルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミン42.
0部、N−メチルエタノールアミン30部およびメチル
イソブチルケトン28.5部を加えた後、昇温し、12
0℃で2時間反応させ目的とするアミン変性エポキシ樹
脂(固形分90.0%)を得た。
【0049】製造例1 2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物291部を外部から冷却して反応温
度を40℃に保ちながら2−エチルヘキサノール218
部を滴下した。滴下後、40℃で30分間反応させた
後、60℃に昇温してトリメチロールプロパン75部、
ジラウリン酸ジブチルスズ0.08部を加えた。さらに
昇温し、120℃で1時間反応させIRスペクトルを測
定し、イソシアネート基の吸収が消失しているのを確認
した。生成物はエチレングリコールモノエチルエーテル
249部で希釈した。このようにしてブロックイソシア
ネート硬化剤を得た。
【0050】製造例2 ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(コロネート
HX;日本ポリウレタン社)199部をメチルイソブチ
ルケトン32部で希釈し、ジラウリン酸ジブチルスズ
0.2部を加え、50℃に昇温後、外部から冷却して反
応温度を50℃に保ちながらメチルエチルケトオキシム
87部を滴下した。昇温し70℃で1時間反応させIR
スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収を消失し
ているのを確認した。生成物はメチルイソブチルケトン
36部、n−ブタノール4部で希釈した。このようにし
てブロックジイソシアネート硬化剤を得た。
【0051】実施例7−12、比較例3,4 実施例1−6のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂のア
ミン付加物、比較例1,2を含む水分散液を次の様に調
製した。
【0052】
【表1】
【0053】得られた水分散液を用いて浴温28℃でリ
ン酸亜鉛処理鋼板の上に50−250V×3分の条件で
電着し、170℃×20分焼成して各々20μの硬化塗
膜を作成した。この硬化塗膜の試験を行った結果及び、
得られた水分散液のつきまわり性試験を行った結果を下
表に示す。
【0054】
【表2】
【0055】1)JIS−K5400に準じる。;数値
はクロスカットからの錆幅(mm)を示す。 2)内径140mm、深さ350mmのステンレススチ
ール容器に試験塗料を満たし、浴温を28℃に調節す
る。長さ375mmに切った内径17.5mm、肉厚
1.8mmのステンレス管(チューブ)にリン酸亜鉛処
理された長さ400mm、幅16mm、厚さ0.8mm
の鋼板(ストリップ)を挿入し、チューブとストリップ
の下端を揃え、容器から20mm離して固定する。容器
を陽極、ストリップ−チューブを陰極とし、ストリップ
に20μの塗膜を与えるのに必要な電圧で3分間ストリ
ップ−チューブを電着塗装し、ストリップをチューブか
ら取り出し、水洗の後、塗膜が付着した長さを測定し
た。
【0056】実施例12 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)752.0部、メタノール77.0部、メチ
ルイソブチルケトン200.3部およびジラウリン酸ブ
チルスズ0.3部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/2
0(重量比)混合物174.2部を50分間かけて滴下
すると発熱により系内の温度が70℃に達した。IRス
ペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸
収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルア
ミン2.7部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
らエポキシ当量が463に達するまで反応を行った。I
Rスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく173
0cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボ
ニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。
p−ノニルフェノール220.0部およびメチルイソブ
チルケトン83.3部を加え125℃の温度を保持しな
がらエポキシ当量が1146に達するまで反応を行っ
た。アゼライン酸188.2部およびメチルイソブチル
ケトン47.0部を加えて、温度を115℃に保持し、
酸当量が0.75mmol/gになるまで反応を行い固
形分80%のオキサゾリドン環含有水性樹脂を得た。生
成物を70℃に冷却し製造例2で得られる硬化剤127
0.9部、ジラウリン酸ジブチルスズ33.4部及びト
リエチルアミン40.4部を加え系が均一になるまで攪
拌した。これを脱イオン水7633部で希釈し固形分2
0%のエマルジョンを得た。得られたエマルジョンをリ
ン酸亜鉛処理鋼板に160Vの塗装電圧で3分間電着塗
装し、170℃で20分間焼付けると平滑な20μの硬
化塗膜が得られた。
【0057】実施例13 反応容器にエピコート828(油化シェルエポキシ
(株);ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量188)649.4部、メタノール56.0部、メチ
ルイソブチルケトン84.0部およびジラウリン酸ブチ
ルスズ0.2部を貯え室温で攪拌し均一溶液とし、2,
4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/20
(重量比)混合物126.6部を30分間かけて滴下す
ると発熱により系内の温度が80℃に達した。IRスペ
クトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸収
の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく1730
cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルアミ
ン2.0部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、副
生するメタノールをデカンターを用いて留去させながら
エポキシ当量が388に達するまで反応を行った。IR
スペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく1730
cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボニ
ル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。分
子量約530のポリカプロラクトンポリオール(PCL
−205H;ダイセル化学工業(株))265.0部、
N,N−ジメチルベンジルアミン2.0部を加え、12
5℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1040に達
するまで反応を行った。アゼライン酸188.2部およ
びメチルイソブチルケトン47.2部を加えて、温度を
115℃に保持し酸当量が0.81mmol/gになる
まで反応を行い固形分90%のオキサゾリドン環含有水
性樹脂を得た。生成物を70℃に冷却し製造例1で得ら
れる硬化剤1170.7部ジラウリン酸ジブチルスズ3
0.7部及びトリエチルアミン40.4部を加え系が均
一になるまで攪拌した。これを脱イオン水8110部で
希釈し固形分20%のエマルジョンを得た。得られたエ
マルジョンをリン酸亜鉛処理鋼板に200Vの塗装電圧
で3分間電着塗装し170℃で20分間焼付けると平滑
な20μの硬化塗膜が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛永 健四郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−128916(JP,A) 特開 昭50−48100(JP,A) 特開 平5−43657(JP,A) 欧州特許出願公開449072(EP,A 1) 国際公開90/15089(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 C09D 5/44 C09D 163/00 - 163/10

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)式 【化1】 (式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジル
    オキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物
    からイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意
    味する。)を有する、分子鎖中に複数のオキサゾリドン
    環を含有するエポキシ樹脂に、 (b)モノオール、ジオール、モノカルボン酸、ジカル
    ボン酸またはそれらの組合せから選ばれた第1の活性水
    素化合物を出発樹脂(a)のエポキシ基に対して1未満
    の当量比で反応させ、次いで (c)イオン性を導入し得る第2の活性水素化合物を
    (a)と(b)の反応生成物中に残っているエポキシ基
    を開環するように該反応生成物に反応させることを特徴
    とするオキサゾリドン環含有水性樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】前記分子鎖中に複数のオキサゾリドン環を
    含有するエポキシ樹脂(a)が、ビスフェノールエポキ
    シ樹脂とジイソシアネート化合物またはそのブロック化
    物との反応生成物である請求項1のオキサゾリドン環含
    有水性樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】第1の活性水素化合物(b)は、アルカン
    ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、二官能ポ
    リエステルポリオールまたは二官能ポリエーテルポリオ
    ールである請求項1または2のオキサゾリドン環含有水
    性樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】第1の活性水素化合物(b)は、脂肪族1
    級アルコールまたはモノフェノールである請求項1また
    は2のオキサゾリドン環含有水性樹脂の製造法。
  5. 【請求項5】第1の活性水素化合物(b)は、脂肪族ジ
    カルボン酸、芳香族ジカルボン酸または末端カルボキシ
    ル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体である
    請求項1または2のオキサゾリドン環含有水性樹脂の製
    造法。
  6. 【請求項6】第1の活性水素化合物(b)は、脂肪族モ
    ノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸である請求項
    1または2のオキサゾリドン環含有水性樹脂の製造法。
  7. 【請求項7】第2の活性水素化合物(b)は、1級アミ
    ン、2級アミン、3級アミン酸付加塩またはスルフィド
    −酸混合物である請求項1ないし6のいずれかのオキサ
    ゾリドン環含有水性樹脂の製造法。
  8. 【請求項8】第2の活性水素化合物(c)は、脂肪族ま
    たは芳香ポリカルボン酸である請求項1ないし6のいず
    れかのオキサゾリドン環含有水性樹脂の製造法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかの方法によっ
    て製造されたオキサゾリドン環含有水性樹脂。
  10. 【請求項10】固形分として(a)成分を35〜95重
    量%含有する請求項9のオキサゾリドン環含有水性樹
    脂。
  11. 【請求項11】固形分として(a)成分を45〜85重
    量%含有する請求項9のオキサゾリドン環含有水性樹
    脂。
  12. 【請求項12】架橋剤と中和剤を含んでいる水性媒体中
    に分散した請求項9ないし11のいずれかのオキサゾリ
    ドン環含有水性樹脂を含む水性塗料組成物。
  13. 【請求項13】架橋剤はメラミン樹脂である請求項12
    の水性塗料組成物。
  14. 【請求項14】架橋剤はブロックポリイソシアネートで
    ある請求項12の水性塗料組成物。
JP33535292A 1991-12-06 1992-11-20 オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料 Expired - Lifetime JP3345687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33535292A JP3345687B2 (ja) 1991-12-06 1992-11-20 オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34963191 1991-12-06
JP3-349631 1991-12-06
JP33535292A JP3345687B2 (ja) 1991-12-06 1992-11-20 オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05306327A JPH05306327A (ja) 1993-11-19
JP3345687B2 true JP3345687B2 (ja) 2002-11-18

Family

ID=26575146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33535292A Expired - Lifetime JP3345687B2 (ja) 1991-12-06 1992-11-20 オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3345687B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4644330B2 (ja) * 1999-03-10 2011-03-02 関西ペイント株式会社 カチオン電着可能な樹脂組成物
JP2000336287A (ja) * 1999-05-26 2000-12-05 Nippon Paint Co Ltd 低光沢鉛フリーカチオン電着塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
US6624272B2 (en) 1999-12-20 2003-09-23 Jsr Corporation Hollow crosslinked cationic polymer particles, method of producing said particles, and paint composition, cationic electrodeposition paint composition, resin composition, filled paper, paper coating composition, and coated paper
JP2002129100A (ja) * 2000-08-18 2002-05-09 Nippon Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物
JP4674988B2 (ja) * 2001-04-13 2011-04-20 旭化成エポキシ株式会社 オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂
JP2002332326A (ja) * 2001-05-09 2002-11-22 Asahi Kasei Epoxy Kk 変性エポキシ樹脂およびその製造方法
JP4890688B2 (ja) * 2001-07-23 2012-03-07 関西ペイント株式会社 水性エポキシ樹脂分散液
KR100805908B1 (ko) * 2001-12-29 2008-02-21 주식회사 케이씨씨 굴곡성이 향상된 분체도료용 변성 에폭시 수지의 제조방법
JP2006083305A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Nippon Paint Co Ltd 無鉛性カチオン電着塗料組成物
EP1818044A1 (en) * 2005-11-25 2007-08-15 DSMIP Assets B.V. Cosmetic or personal care composition comprising a polymer comprising oxazolidon groups
US20090208716A1 (en) 2006-03-07 2009-08-20 Toshio Kaneko Novel Composite Chemical Conversion Coating Film, Multiple Layered Coating Film Using the Same and Process for Forming Multiple Layered Coating Film
JP5555569B2 (ja) 2010-07-27 2014-07-23 日本ペイント株式会社 硬化電着塗膜および多層塗膜の形成方法
KR101486706B1 (ko) 2012-02-28 2015-01-26 닛본 페인트 가부시끼가이샤 양이온 전착 도료용 에멀션 수지 조성물의 조제 방법
JP5657157B1 (ja) 2013-08-01 2015-01-21 関西ペイント株式会社 複層皮膜形成方法
JP5828929B2 (ja) 2013-08-13 2015-12-09 関西ペイント株式会社 複層皮膜形成方法
CN109312188B (zh) 2016-05-31 2021-01-01 日涂汽车涂料有限公司 阳离子电沉积涂料组合物
JP6871032B2 (ja) 2017-03-23 2021-05-12 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物
JP6832908B2 (ja) 2018-12-18 2021-02-24 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物及び硬化電着塗膜の形成方法
JP7333198B2 (ja) 2019-05-29 2023-08-24 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物の調製方法
JP7401214B2 (ja) 2019-07-11 2023-12-19 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物
JP7471151B2 (ja) 2020-06-15 2024-04-19 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料用エポキシ粘性剤の製造方法
JP2022073653A (ja) 2020-11-02 2022-05-17 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05306327A (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3345687B2 (ja) オキサゾリドン環含有水性樹脂および塗料
EP0920468B1 (en) Cationic electrocoating compositions, method of making, and use
US6274649B1 (en) Aqueous binding agent dispersion for cationic electro-dipcoat paint
EP0789732B1 (en) Cationic resin and capped polyisocyanate curing agent suitable for use in electrodeposition
US20080289969A1 (en) Method for making amine-modified epoxy resin and cationic electrodeposition coating composition
US6664345B2 (en) Oxazolidone ring-containing epoxy resin
JP2006348074A (ja) アミン変性エポキシ樹脂の製造方法およびカチオン電着塗料組成物
US5276072A (en) Hydrophilic resin containing oxazolidone rings and coating composition containing same
JP2829814B2 (ja) ソフトセグメントを含んでいる電着用変性エポキシ樹脂
JP2001213938A (ja) アミノポリエーテル変性エポキシおよびこれを含有するカチオン電着塗料組成物
US20050279633A1 (en) Cationic electrodeposition coating composition
US20090321270A1 (en) Electroconductivity-controlling agent for cationic electrodeposition coating composition and method for adjusting electroconductivity of cationic electrodeposition coating composition therewith
KR960011838B1 (ko) 전기전도성 기재의 피복방법, 피복 조성물, 우레탄 그룹을 포함하는 첨가물의 제조방법 및 우레탄 그룹을 포함하는 첨가물
JP2001031739A (ja) アミノポリエーテル変性エポキシおよびこれを含有するカチオン電着塗料組成物
JP3513665B2 (ja) ブロックイソシアネート成分およびカチオン性基を結合した変性エポキシ樹脂、その製法およびその使用
JP3490991B2 (ja) カチオン性塗料組成物
JP2972982B2 (ja) ソフトセグメントを含んでいるカチオン電着用変性エポキシ樹脂組成物
JPS61233068A (ja) カチオン電着塗料用樹脂の製造方法
JP2000281944A (ja) 電着塗料組成物
EP3606975B1 (en) Coating films with reduced yellowing
JPH0841390A (ja) 反応性表面平滑化剤を含むカチオン電着塗料組成物
JPH07150079A (ja) 電着塗料組成物
JP2002294175A (ja) 陰極電着塗料組成物
JPS6244027B2 (ja)
JPH09235494A (ja) カチオン電着塗料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

Year of fee payment: 11