JP2002241690A - カチオン性塗料組成物 - Google Patents

カチオン性塗料組成物

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JP2002241690A
JP2002241690A JP2001043449A JP2001043449A JP2002241690A JP 2002241690 A JP2002241690 A JP 2002241690A JP 2001043449 A JP2001043449 A JP 2001043449A JP 2001043449 A JP2001043449 A JP 2001043449A JP 2002241690 A JP2002241690 A JP 2002241690A
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cationic
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temperature
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Jiro Nishiguchi
滋朗 西口
Koji Kamikado
神門  孝司
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料安定性及び防食性が良好で、かつ低加熱
減量及び低温硬化性にも優れたカチオン性塗料組成物を
提供すること。 【解決手段】 カチオン性樹脂(A)、及び互いに反応
性の異なる2個の水酸基を有する分子量76〜150の
ジオール成分(a)を含有するブロック剤にてポリイソ
シアネート化合物(b)がブロック化されてなるブロッ
ク化ポリイソシアネート(B)を含有するカチオン性塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン性塗料組成
物に関し、さらに詳しくは、カチオン性樹脂と特定のジ
オールを含有するブロック剤でブロック化したポリイソ
シアネートとを含む耐食性及び硬化性に優れたカチオン
性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】従来、ブロック化ポリイソシア
ネートを含むカチオン性塗料組成物としては、アミノ
基、アンモニウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基
などのカチオン性基又は中和されたこれらのカチオン性
基を有する基体樹脂と架橋剤であるブロック化ポリイソ
シアネートを含む塗料組成物があり、代表的には、中和
されたカチオン性基を有する基体樹脂とするカチオン電
着塗料組成物を挙げることができる。
【0003】従来、カチオン電着塗料組成物において、
架橋剤として用いられるブロック化ポリイソシアネート
化合物としては、塗膜の防食性や塗料安定性の面から、
ブロック化剤としてエーテルアルコール系化合物が多用
されていたが、エーテルアルコール系化合物でブロック
されたポリイソシアネートを含むカチオン性塗料組成物
の塗膜は、加熱減量分(塗膜の焼き付け硬化時の減量割
合)が多く、塗装ラインの乾燥機内でヤニ・ススが多量
に発生するため、ヤニ・ススの減少が求められ、また、
省エネルギーの観点から、塗装ラインの乾燥工程での焼
き付け温度を低下させるため塗料の低温硬化性が求めら
れた。これらの要求を満たすものとして、近年、オキシ
ム系化合物でブロックされたポリイソシアネートを含む
カチオン性塗料組成物が多く使用されている。
【0004】しかしながら、オキシム系化合物でブロッ
クされたポリイソシアネートを含むカチオン性塗料組成
物は、経時安定性及び塗膜の防食性に問題である。
【0005】本発明の目的は、塗料安定性及び防食性が
良好で、かつ低加熱減量及び低温硬化性にも優れたカチ
オン性塗料組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、カチオン性塗料組成物の架橋剤として特定の
ブロック剤でブロック化したブロック化ポリイソシアネ
ートを使用することにより上記目的を達成することがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】かくして、本発明によれば、カチオン性樹
脂(A)、及び互いに反応性の異なる2個の水酸基を有
する分子量76〜150のジオール成分(a)を含有す
るブロック剤にてポリイソシアネート化合物(b)がブ
ロック化されてなるブロック化ポリイソシアネート
(B)を含有するカチオン性塗料組成物が提供される。
【0008】以下、本発明のカチオン性塗料組成物につ
いてさらに詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン性塗料組成物
は、カチオン性樹脂(A)及びジオール成分を含有する
ブロック化剤にてポリイソシアネート化合物がブロック
化されてなるブロック化ポリイソシアネート(B)を含
有する。
【0010】カチオン性樹脂(A) 本発明塗料組成物において基体樹脂として使用されるカ
チオン性樹脂は、アミノ基、アンモニウム塩基、スルホ
ニウム塩基、ホスホニウム塩基などのカチオン性基を有
する樹脂であって、樹脂種としては、例えば、エポキシ
系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリ
エステル系などのいずれのタイプの樹脂であってもよ
い。カチオン性樹脂(A)としては、特に、ポリエポキ
シド化合物にアミンを付加反応させてなるアミン付加エ
ポキシ樹脂が好適である。
【0011】上記アミン付加エポキシ樹脂としては、例
えば、(1)ポリエポキシド化合物と1級モノ−及びポ
リアミン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2級混合
ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3,984,299
号明細書参照);(2)ポリエポキシド化合物とケチミ
ン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及びポリア
ミンとの付加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細
書参照);(3)ポリエポキシド化合物とケチミン化さ
れた1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテ
ル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013
号公報参照)等を挙げることができる。
【0012】上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用
されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中
に2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも20
0、好ましくは400〜4000、更に好ましくは80
0〜2500の範囲内の数平均分子量及び少なくとも1
60、好ましくは200〜3000、更に好ましくは4
00〜1200の範囲内のエポキシ当量を有するものが
適しており、特にポリフェノール化合物とエピクロルヒ
ドリンとの反応によって得られるものが好ましい。該ポ
リエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノ
ール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2,2−プロパン、4,4'−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブ
チル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒド
ロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,2,2−エタン、4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック等を挙げることができる。
【0013】該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
化合物などと一部反応させたものであってもよく、更に
また、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグ
ラフト重合させたものであってもよい。
【0014】カチオン性樹脂(A)は、数平均分子量が
700〜6000、特に1000〜3000の範囲内に
あり、カチオン性基を樹脂1kg中に0.5〜3当量、
特に0.7〜2当量の範囲内の量で有することが好まし
い。
【0015】また、カチオン性樹脂(A)は、カチオン
性基としてアミノ基を有する場合には、ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、乳酸などの有機カルボン酸;塩酸、硫酸な
どの無機酸などの酸によって中和することにより水溶化
ないしは水分散化することができ、カチオン性基として
アンモニウム塩基、スルホニウム塩基又はホスホニウム
塩基などのオニウム塩基を有する場合には、中和するこ
となくそのまま水溶化ないしは水分散化することができ
る。
【0016】カチオン性樹脂(A)は、水溶化ないしは
水分散化して使用してもよいし、有機溶剤溶液として使
用してもよい。カチオン性樹脂(A)は、酸によって中
和し、水性媒体中に溶解ないしは分散することによっ
て、カチオン電着塗装可能にすることができ、カチオン
電着塗料などの水性塗料における基体樹脂成分として好
適に使用することができる。
【0017】ブロック化ポリイソシアネート(B) 本発明塗料組成物において架橋剤として使用されるブロ
ック化ポリイソシアネート(B)は、ジオール成分
(a)を含有するブロック化剤にてポリイソシアネート
化合物(b)がブロック化されてなるものである。
【0018】上記ブロック化されるポリイソシアネート
化合物(b)としては、例えば、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソ
シアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ
ン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルポリイソシアネートなどの芳香族、脂
環族又は脂肪族のポリイソシアネート化合物;これらの
ポリイソシアネート化合物の環化重合体、イソシアネー
ト・ビウレット体;これらのイソシアネート化合物の過
剰量にエチレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含
有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有
化合物などが挙げられる。これらは1種で又は2種以上
混合して使用することができる。
【0019】これらの内、特に、芳香族ジイソシアネー
ト、なかでもジフェニルメタン−2,4'−ジイソシア
ネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネー
ト(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDIが好
適である。
【0020】クルードMDIは、ジフェニルメタン−
4,4'−ジイソシアネートとジフェニルメタン−2,
4'−ジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネートとを主成分とする混合物であり、市販
品として、コスモネートM−50、同M−200、同M
−100、同M−300等(以上、いずれも三井化学社
製);スミジュール44V10、同44V20、同44
V40等(以上、いずれも住化バイエルウレタン社
製);ルプラネートM−12、同M−12S、同M−2
0、同M−20S等(以上、いずれもドイツ国、BAS
F社製);モンデュアMR(LIGHT)等(バイエル
社製)などを挙げることができる。
【0021】上記ポリイソシアネート化合物をブロック
化するためのジオール成分(a)を含有するブロック化
剤は、ポリイソシアネート化合物(b)のイソシアネー
ト基に付加してブロックするものであり、そして付加に
よって生成するブロック化ポリイシアネートは、常温に
おいては安定で、かつ塗膜の焼き付け温度、通常約10
0〜約200℃の範囲内の温度に加熱した際にブロック
化剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるも
のであることが重要である。
【0022】このような要件を満たすブロック化剤の一
部又は全部として用いられるジオール成分(a)は、反
応性の異なる2個の水酸基、例えば、1級水酸基と2級
水酸基、1級水酸基と3級水酸基、2級水酸基と3級水
酸基との組み合わせの2個の水酸基を有し、76〜15
0の範囲内の分子量を有するものであり、具体的には例
えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペ
ンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチ
ル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−
ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4
−ヘキサンジオール等を挙げることができる。なかでも
プロピレングリコールがブロック化ポリイシアネートの
反応性、加熱減量の低減、塗料の貯蔵安定性などの観点
から好適である。これらのジオール成分(a)は、通
常、反応性の高いほうの水酸基からイソシアネート基と
反応しイソシアネート基をブロック化する。
【0023】上記ブロック化剤としては、上記の如きジ
オール成分(a)に加えて、必要に応じて、他のブロッ
ク剤を併用することができる。併用しうる他のブロック
剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロ
ラクタムなどのラクタム化合物;メチルエチルケトオキ
シム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合
物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾ
ールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−
エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニ
ルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳
香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエ
ーテルアルコール系化合物;n−メチルアセトアミド、
n−エチルアセトアミド、n−メチルプロピオンアミ
ド、n−メチルホルムアミドなどの低分子量アミド化合
物等が挙げられる。なかでもラクタム化合物、エーテル
アルコール系化合物、低分子量アミド化合物が、ブロッ
ク化ポリイシアネートの反応性、塗料の貯蔵安定性など
の観点から好適である。
【0024】ブロック化剤におけるジオール成分(a)
と他のブロック剤との配合割合は、両者の合計量に対し
て、ジオール成分(a)が20モル%以上、特に25〜
100モル%、さらに特に25〜95モル%の範囲内に
あることが好ましい。
【0025】ブロック化ポリイソシアネート(B)を製
造するに際しての、ブロック化剤とポリイソシアネート
化合物との使用割合は、ブロック化剤中の活性水素/ポ
リイソシアネート化合物中のイソシアナト基(NCO
基)の当量比が、1.3〜2.3、特に1.35〜2.
1の範囲内にあることが塗膜の防食性や塗料組成物の安
定性の観点から好適である。
【0026】得られるブッロク化ポリイソシアネート
(B)は、通常、ポリイソシアネート化合物(b)1モ
ルに対して、ジオール成分(a)が平均して0.2モル
以上、特に0.25〜1モル、さらに特に0.25〜
0.95モルの範囲内で結合していることが好ましい。
【0027】カチオン性塗料組成物 本発明塗料組成物は、カチオン性樹脂(A)及びブロッ
ク化ポリイソシアネート(B)を必須成分として含有す
るものであり、さらに必要に応じて、有機錫化合物、着
色顔料、体質顔料、防錆顔料、有機溶剤、水、中和剤、
顔料分散剤、塗面調整剤などの塗料添加物を含有するこ
とができる。
【0028】上記有機錫化合物は、ブロック化ポリイソ
シアネート(B)のブロック化剤の解離触媒として働く
ものであり、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチ
ル錫オキサイドなどの有機錫酸化物;ジブチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジオクチル錫ベンゾエートオキシ、ジブチル錫
ベンゾエートオキシ、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジ
ブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪酸ま
たは芳香族カルボン酸塩等を挙げることができ、なかで
も低温硬化性の点からジアルキル錫芳香族カルボン酸塩
が好適である。有機錫化合物の含有量は、厳密に規定さ
れるものではなく、塗料組成物に要求される性能等に応
じて広範囲にわたって変えることができるが、通常、塗
料組成物中の樹脂固形分100重量部あたり0〜8重量
部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲内となるよう
にするのが好適である。
【0029】本発明塗料組成物は、有機溶剤型塗料、水
性塗料のいずれの形態であってもよいが、地球環境保全
の観点から水性塗料、なかでもカチオン電着塗料組成物
として好適に使用することができる。
【0030】本発明塗料組成物をカチオン電着塗料組成
物として使用する場合、電着塗装によって所望の基材表
面に塗装することができる。電着塗装は、一般には、固
形分濃度が約5〜40重量%となるように脱イオン水な
どで希釈し、さらにpHを5.5〜9.0の範囲内に調
整した電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温1
5〜35℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件
で被塗物を陰極として通電することによって行うことが
できる。電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではな
いが、一般的には、乾燥塗膜に基づいて10〜40μ
m、好ましくは15〜30μmの範囲内とすることがで
きる。また、塗膜の焼き付け硬化温度は、一般に約10
0〜約200℃、好ましくは約120〜約160℃の範
囲内が適している。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定
されるものではない。以下、「%」は「重量%」を意味
するものとする。
【0032】カチオン性樹脂の製造 製造例1 反応容器に、「エピコート828EL」(商品名、油化
シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量約190、分子量約350)1010g、
ビスフェノ−ルA 390g及びジメチルベンジルアミン
0.2gを加え、130℃でエポキシ当量が800になるまで
反応させた。次にε−カプロラクトン260g及びテトラ
ブトキシチタン0.03gを加え、170℃に昇温し、この温
度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収ス
ペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡
し、反応率が98%以上になった時点で120℃に温度を下
げた。次にジエタノールアミン160g及びジエチレント
リアミンのメチルイソブチルジケチミン化物65gを加
え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコール
モノブチルエーテル420gを加え、樹脂固形分が80%の
カチオン性樹脂−1溶液を得た。この樹脂は、アミン価
58mgKOH/gを有していた。
【0033】製造例2 反応容器に、「PP−400」(商品名、三洋化成社
製、ポリプロピレングリコール、分子量約400)及び
ε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温し
た。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170
℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリン
グし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロ
ラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で
冷却し、変性剤1を合成した。次に、別のフラスコにて
「エピコート828EL」1000g、ビスフェノールA
400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130
℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。この中に
変性剤1を200g、ジエタノールアミンを140g、そして
ジエチレントリアミンのメチルイソブチルジケチミン化
物を65g加え、120℃で4時間反応させた後、エチレン
グリコールモノブチルエーテル400gを加え、樹脂固形
分80%のカチオン性樹脂−2溶液を得た。この樹脂は、
アミン価56mgKOH/gを有していた。
【0034】製造例3 反応容器に、「エピコート1004」(商品名、ジャパ
ンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量約950)1900部とエチレングリ
コールモノブチルエーテル1012部とを配合し、溶解
後、このものを約90℃に保持しながら、この中にジエ
チルアミン124部を滴下し、ついで120℃に昇温
し、2時間同温度に保持してアミン価約47のアミン付
加エポキシ樹脂を得た。
【0035】次に、「バーサミド460」(商品名、ヘ
ンケル白水社製、アミン価100mgKOH/gのダイ
マー酸ポリアミド樹脂)1000部をメチルイソブチル
ケトン429部に溶解し、130〜150℃にて加熱還
流し、生成水を留去して該アミド樹脂の末端アミノ基を
ケチミンに変えた。このものを150℃で約3時間保持
し、水の留去が停止してから60℃に冷却した。次い
で、このものを前記アミン付加エポキシ樹脂に加えて1
00℃に加熱し、1時間保持後室温に冷却して、固形分
68%のカチオン性樹脂−3溶液を得た。この樹脂は、
アミン価65mgKOH/gを有していた。
【0036】ブロック化ポリイソシアネートの製造 製造例4 反応容器中に、プロピレングリコール152g及びメチルイ
ソブチルケトン108gを加え、70℃に昇温した。この中
に「コスモネートM−200」(商品名、三井化学社
製、クルードMDI)275gを徐々に添加した後、90℃
に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリン
グし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシア
ナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分80%の
硬化剤−1溶液を得た。
【0037】製造例5 反応容器中に、プロピレングリコール114g、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル70g及びメチルイソブチ
ルケトン115gを加え、70℃に昇温した。この中に「コ
スモネートM−200」275gを徐々に添加した後、90
℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリ
ングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシ
アナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分80%
の硬化剤−2溶液を得た。
【0038】製造例6 反応容器中に、1,4−ペンタンジオール104g、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル134g及びメチルイソ
ブチルケトン128gを加え、70℃に昇温した。この中に
「コスモネートM−200」275gを徐々に添加した
後、90℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサ
ンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応の
イソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形
分80%の硬化剤−3溶液を得た。
【0039】製造例7 反応容器中に、プロピレングリコール114g、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル70g及びメチルイソブチ
ルケトン110gを加え、70℃に昇温した。この中にMD
I(ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート)2
50gを徐々に添加した後、90℃に昇温した。この温度を
保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペク
トル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなっ
たことを確認し、固形分80%の硬化剤−4溶液を得た。
【0040】製造例8 反応容器中に、プロピレングリコール114g、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル70g及びメチルイソブチ
ルケトン90gを加え、70℃に昇温した。この中にトリレ
ンジイソシアネート174gを徐々に添加した後、90℃に
昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリング
し、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナ
ト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分80%の硬
化剤−5溶液を得た。
【0041】製造例9 (比較用) 反応容器中に、イソホロンジイソシアネート222g及び
メチルイソブチルケトン99gを加え、50℃に昇温した。
この中にメチルエチルケトキシム174gをゆっくり加え
た後、60℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時で
サンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応
のイソシアネートの吸収がなくったことを確認し、固形
分80%の硬化剤−6溶液を得た。
【0042】製造例10 (比較用) 反応容器中に、「コスモネートM−200」275g及び
メチルイソブチルケトン136gを加え、70℃に昇温し
た。ジエチレングリコールモノエチルエーテル268gを
ゆっくり加えた後、90℃に昇温した。この温度を保ちな
がら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測
定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくったことを
確認し、固形分80%の硬化剤−7溶液を得た。
【0043】クリヤエマルションの製造 製造例11 上記製造例1で得られた80%のカチオン性樹脂−1溶液
87.5g(樹脂固形分で70g)、製造例4で得られ
た固形分80%の硬化剤−1溶液37.5g(樹脂固形分
で30g)、40%LSN−105(三共有機合成社
製、商品名、ジブチル錫ジベンゾエート、固形分40
%)2.5g及び10%酢酸15gを配合し、均一に攪
拌した後、強く攪拌しながら脱イオン水156gを約1
5分かけて滴下し、固形分34%のカチオン電着用クリ
ヤエマルションaを得た。
【0044】製造例12〜18 上記製造例11において、配合を下記表1に示す配合と
する以外は製造例11と同様に操作し、固形分34%の
各カチオン電着用クリヤエマルションを得た。
【0045】
【表1】 顔料分散ペーストの製造 製造例19 60%第4級塩化エポキシ樹脂5.83g、チタン白1
4.5g、カーボンブラック0.4g、体質顔料7.0
g、水酸化ビスマス2.0g及び脱イオン水22.4g
を混合し、固形分55.0%の顔料分散ペーストを得
た。
【0046】カチオン電着塗料の調製 実施例1 カチオン電着用クリヤエマルションa 297gに、顔
料分散ペースト49.8g及び脱イオン水295.2g
を加え、均一に混合して固形分20%のカチオン電着塗
料を得た。
【0047】実施例2〜7及び比較例1、2 実施例1において、カチオン電着用クリヤエマルション
の種類を後記表2に示すとおりとする以外は実施例1と
同様に操作し、固形分20%の各カチオン電着塗料を得
た。
【0048】実施例1〜7及び比較例1、2の各カチオ
ン電着塗料は貯蔵安定性が良好であった。
【0049】塗装試験 上記実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料中に、
パルボンド#3020(日本パーカラジジング社製、商
品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した、0.8×1
50×70mmの冷延ダル鋼板を浸漬し、これをカソー
ドとして乾燥膜厚が約20μmとなるように電着塗装を
行った。電着塗装後、水洗し、ついで焼付けを行った。
焼付けは電気熱風乾燥機を用い、硬化性及び防食性の試
験については、雰囲気温度を150℃と170℃の2段
階とし、加熱減量の試験については、雰囲気温度を17
0℃とした。焼き付け時間については20分間とした。
得られた塗装板の性能試験結果を後記表2に示す。性能
試験は下記の試験方法に従って実施した。
【0050】試験方法 (*1)加熱減量:電着塗装後、水洗した後、105℃
−3時間プレヒートを行い、ついで170℃で20分間
焼付け乾燥を行った際の、塗膜の加熱減量を以下の計算
式によって求めた。
【0051】 被塗物の重量 プレヒート後の塗板重量 焼き付け乾燥後の塗板重量 加熱減量(重量%)=〔( − )/( −
))〕×100 (*2)硬化性:各焼き付け温度で得られた電着塗装板
の塗面を、アセトンをしみこませた4枚重ねのガーゼで
圧力3.92mPa(約4kgf/cm2)で約3〜4
cmの長さを20往復こすった時の塗面外観を目視で以
下の基準で評価した。
【0052】 ○:塗面に傷が認められない、 △:塗面に傷が認められるが素地は見えない、 ×:塗膜が溶解し素地がみえる。
【0053】(*3)防食性:各焼き付け温度で得られ
た電着塗装板の塗面に、素地に達するようにナイフでク
ロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準
じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの
傷、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
【0054】 ○:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片
側)、 △:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3
mm未満(片側)で、かつ平面部にブリスターがかなり
目立つ。
【0055】×:錆、フクレの最大幅がカット部より3
mm以上でかつ塗面全面にブリスターの発生がみられ
る。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、カチオン性塗料組成物
中の架橋剤として、互いに反応性の異なる2個の水酸基
を有する低分子量のジオール化合物を含有するブロック
化剤でブッロク化されたブロックポリイソシアネートを
用いることにより、塗料安定性及び防食性が良好で、か
つ低加熱減量及び低温硬化性にも優れたカチオン性塗料
組成物を得ることができる。
【0058】本発明のカチオン性塗料組成物は、低加熱
減量であるので、焼付け塗装ラインの乾燥機内でのヤニ
・ススの発生を少なくすることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 DA03 DK01 DK03 DK05 HA01 HA07 HC12 HC64 HC67 HC71 HD02 HD05 QC05 RA07 4J038 CA021 CA022 DB391 DB392 DD001 DD002 DD121 DD122 DG301 DG302 GA08 GA09 GA13 GA14 JC40 PA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性樹脂(A)、及び互いに反応
    性の異なる2個の水酸基を有する分子量76〜150の
    ジオール成分(a)を含有するブロック剤にてポリイソ
    シアネート化合物(b)がブロック化されてなるブロッ
    ク化ポリイソシアネート(B)を含有するカチオン性塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 カチオン性樹脂(A)がアミン付加エポ
    キシ樹脂である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネート化合物(b)が芳香
    族ポリイソシアネート化合物である請求項1又は2に記
    載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネート化合物(b)がジフ
    ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート及びジフェ
    ニルメタン−2,4'−ジイソシアネートから選ばれる
    少なくとも1種の化合物又はクルードMDIである請求
    項3に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 ブロック剤がジオール成分(a)とその
    他のブロック剤との混合物であって、ジオール成分
    (a)をブロック剤の合計量に基いて20モル%以上含
    有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 ブロック化ポリイソシアネート(B)
    が、ポリイソシアネート化合物1モルに対してジオール
    成分(a)が平均して0.2モル以上結合してなるもの
    である請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】 カチオン性樹脂(A)が、酸によって中
    和され水性媒体中に溶解ないしは分散されてなり、カチ
    オン電着塗装可能であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか一項に記載の塗料組成物。
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