JP2000234077A - 電着塗料用樹脂組成物 - Google Patents

電着塗料用樹脂組成物

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JP2000234077A
JP2000234077A JP11357189A JP35718999A JP2000234077A JP 2000234077 A JP2000234077 A JP 2000234077A JP 11357189 A JP11357189 A JP 11357189A JP 35718999 A JP35718999 A JP 35718999A JP 2000234077 A JP2000234077 A JP 2000234077A
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polyisocyanate compound
hydroxyl group
resin
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JP11357189A
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Jiro Nishiguchi
滋朗 西口
Shinji Hirato
伸治 平戸
Reijiro Nishida
礼二郎 西田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れ、そして低温硬化性に優れ
た塗膜を形成することができる電着塗料用樹脂組成物を
提供すること。 【解決手段】 (A)水酸基含有樹脂、及び(B)1分
子中に少なくとも1個のアミド結合及び少なくとも1個
のアルコール性水酸基を有するアミドアルコールにより
ブロックされたポリイソシアネート化合物を含んでなる
ことを特徴とする電着塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な電着塗料用樹
脂組成物に関し、更に詳細には、防食性に優れ、さらに
低温硬化性に優れた塗膜を形成し得る電着塗料用樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】電着塗料は、つきまわり性
に優れ、また耐久性や防食性などの性能に優れた塗膜を
形成することができるため、従来より、それらの性能が
要求される用途分野、例えば自動車車体の塗装、電気器
具の塗装等に広く採用されている。
【0003】電着塗料は、一般に、基体樹脂である水酸
基含有樹脂と硬化剤であるブロック剤でブロックされた
ポリイソシアネート化合物とから構成されている。
【0004】従来のブロックポリイソシアネート化合物
はそのブロック剤の構造に起因して、通常は160℃よ
りも高い温度でブロック剤が解離し、遊離したイソシア
ネート基が基体樹脂の水酸基と反応するというものであ
った。
【0005】しかしながら、近年、自動車工業での車体
用金属板のコーティングに際して、プラスチック部材が
併用されるようになり、該プラスチック部材が溶融しな
いような低い焼付け温度でブロック剤を解離し、基体樹
脂と反応させることができるブロックポリイソシアネー
ト化合物の開発が要望されている。
【0006】ブロックポリイソシアネート化合物から比
較的低い焼付け温度でブロック剤を解離させる手法とし
て、例えば、ポリイソシアネート化合物をオキシムによ
りブロックする方法が知られている。しかしながら、オ
キシムでブロックされたポリイソシアネート化合物を含
有する電着塗料組成物は、貯蔵中にオキシムブロック剤
が解離して塗料粘度が上昇し、しかも電着塗面の平滑性
が著るしく低下するという問題点がある。
【0007】本発明者等は、上記の如き問題点を解消
し、貯蔵安定性に優れており、そして低温硬化性に優れ
た塗膜を形成し得る電着塗料用組成物を開発すべく、鋭
意研究を重ねた結果、今回、水酸基含有樹脂と、分子内
にアミド結合とアルコール性水酸基を有するアミドアル
コールでブロックされたポリイソシアネート化合物から
成る電着塗料用樹脂組成物により、上記の目的を達成す
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】しかして、本発明によれば、(A)水酸基
含有樹脂、及び(B)1分子中に少なくとも1個のアミ
ド結合及び少なくとも1個のアルコール性水酸基を有す
るアミドアルコールによりブロックされたポリイソシア
ネート化合物を含んでなることを特徴とする電着塗料用
樹脂組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電着塗料用樹脂組
成物について更に詳細に説明する。
【0010】本発明の電着塗料組成物は、アニオン型及
びカチオン型いずれであってもよいが、一般には、防食
性等の観点からカチオン型が好ましい。水酸基含有樹脂(A); 本発明で使用される水酸基含有
樹脂(A)は、電着塗料用組成物において基体樹脂とし
て一般に用いられる、分子内に水酸基と、アニオン化可
能な基(例えばカルボキシル基、スルホン酸基など)又
はカチオン化可能な基(例えば、アミノ基、4級アンモ
ニウム塩基など)を含有する水に分散可能な任意の樹脂
であることができ、例えば、エポキシ系、アクリル系、
ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系などの
樹脂を使用することができるが、なかでもアミン付加水
酸基含有エポキシ樹脂に代表される水酸基含有ポリアミ
ン樹脂が好ましい。
【0011】上記アミン付加水酸基含有エポキシ樹脂と
しては、例えば、(i)水酸基含有ポリエポキシド化合
物と、1級モノ-もしくはポリアミン、2級モノ-もしく
はポリアミン又は1,2級混合ポリアミンとの付加物
(例えば米国特許第3,984,299号明細書参照);
(ii)水酸基含有ポリエポキシド化合物とケチミン化
された1級アミノ基を有する2級モノ-もしくはポリア
ミンとの付加物(例えば米国特許第4,017,438号
明細書参照);(iii)水酸基含有ポリエポキシド化
合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキ
シ化合物とのエーテル化により得られる反応生成物(例
えば特開昭59−43013号公報参照)等を挙げるこ
とができる。
【0012】上記アミン付加水酸基含有エポキシ樹脂の
製造において使用される水酸基含有ポリエポキシド化合
物は、水酸基及びエポキシ基を1分子中にそれぞれ2個
以上有する化合物であり、一般に、少なくとも200、
好ましくは400〜4,000、更に好ましくは800
〜2,000の範囲内の数平均分子量及び少なくとも1
50、好ましくは180〜2200、さらに好ましくは
400〜1100の範囲内のエポキシ当量を有するもの
が適しており、特にポリフェノール化合物とエピクロル
ヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。該
水酸基含有ポリエポキシド化合物の形成のために用い得
るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4-
ヒドロキシフェニル)-2,2-プロパン、4,4-ジヒド
ロキシベンゾフェノン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1,1-エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-
1,1-イソブタン、ビス(4-ヒドロキシ-tert-ブ
チル-フェニル)-2,2-プロパン、ビス(2-ヒドロキ
シナフチル)メタン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、
ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ
(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,2,2-エタン、4,
4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック等を挙げることができ
る。
【0013】該水酸基含有ポリエポキシド化合物は、ポ
リオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソ
シアネート化合物等と一部反応させて変性されていても
よく、更にまた、ε-カプロラクトン、アクリルモノマ
ー等をグラフト重合されていてもよい。ブロックポリイソシアネート化合物(B); 本発明に用
いるブロックポリイソシアネート化合物(B)は、ポリ
イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との
付加反応生成物であることができ、上記の水酸基含有樹
脂(A)のための硬化剤として使用される。該ブロック
ポリイソシアネート化合物は、通常、存在するイソシア
ネート基の実質的にすべてがブロックされている完全ブ
ロック型のものが好適である。
【0014】該ブロックポリイソシアネート化合物
(B)の製造に用いられるポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン4,4′-ジイソシアネート、ジフェニルメタン
-2,4-ジイソシアネート、クルードジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェ
ニレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネー
ト化合物;イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシ
アネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ポリイソ
シアネート化合物;テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシア
ネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物およびこれ
らのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素化
合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合
物を挙げることができる。これらのうち、防食性等の観
点から、特に芳香族ポリイソシアネート化合物が好まし
い。
【0015】一方、イソシアネートブロック剤は、ポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート基に一時的に付
加してブロックするものであり、そして付加によって生
成するブロックポリイソシアネート化合物は常温におい
ては安定で且つ塗膜の焼付温度においてブロック剤を解
離して遊離のイソシアネート基を再生し得るものであ
る。
【0016】本発明の特徴は、電着塗料用樹脂組成物の
形態で貯蔵しても、ブロック剤が解離することがなく長
期にわたり安定に保存することが可能であり、しかも、
塗膜の焼付けに際しては、比較的低温で、一般には16
0℃より低い温度、好ましくは約130〜約155℃、
より好ましくは約135〜約150℃の温度でブロック
剤を解離することができるブロックポリイソシアネート
化合物のためのイソシアネートブロック剤として、1分
子中に少なくとも1個、好ましくは1個のみのアミド結
合(−NHCO−)と少なくとも1個、好ましくは1個
のみのアルコール性水酸基を有するアミドアルコールを
使用する点にある。
【0017】そのようなアミドアルコールは、塗膜の焼
付け温度において、ブロックポリイソシアネート化合物
から解離して、塗膜から揮散するものであることが望ま
しく、したがって、該アミドアルコールは比較的低分子
量のもの、通常、分子量が700以下、特に400以
下、さらに特に300以下の低分子化合物であることが
好ましい。
【0018】かくして、本発明に従いポリイソシアネー
ト化合物のブロック剤として好適に使用されるアミドア
ルコールとしては、具体的には、例えば、下記式 R1−CONH−R2−OH (I) HO−R3−CONH−R4 (II) 式中、R1及びR4はそれぞれ炭素数1〜6、好ましくは
1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基を表わし、
2及びR3はそれぞれ炭素数1〜6、好ましくは1〜4
の直鎖状もしくは分岐鎖アルキレン基を表わす、で示さ
れる化合物が包含される。
【0019】上記式(I)のアミドアルコールは、例え
ば下記式 HO−R2−NH2 (III) 式中、R2は上記の意味を有する、で示されるアルカノ
ールアミンを下記式 R1−COOH (IV) 式中、R1は上記の意味を有する、で示されるカルボン
酸又はその反応性誘導体(例えばそのエステル化合物)
とアミド化反応させることにより製造することができ
る。
【0020】上記式(III)のアルカノールアミンと
しては、例えば、モノエタノールアミン、n-プロパノ
ールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられ、ま
た、上記式(IV)のカルボン酸又はその反応性誘導体
としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蟻酸メ
チル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオ
ン酸メチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸又はそ
のアルキルエステルが挙げられる。
【0021】上記式(II)のアミドアルコールは、例
えば、下記式 HO−R3−COOH (V) 式中、R3は上記の意味を有する、で示されるヒドロキ
シカルボン酸又はその反応性誘導体(例えばそのエステ
ル化合物)を下記式 R4−NH2 (VI) 式中、R4は上記の意味を有する、で示される1級アミ
ンとアミド化反応させることにより製造することができ
る。
【0022】上記式(V)のヒドロキシカルボン酸又は
その反応性誘導体としては、例えば、ヒドロキシ酢酸、
ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒド
ロキシ酢酸エチル、ヒドロキシプロピオン酸メチル、ヒ
ドロキシプロピオン酸エチル等の水酸基含有カルボン酸
又はそのアルキルエステルが挙げられ、また、上記式
(VI)の1級アミンとしては、例えば、モノメチルア
ミン、モノエチルアミン、モノイソプロピルアミン、モ
ノブチルアミン等が挙げられる。
【0023】以上に述べたアミドアルコールを用いるポ
リイソシアネート化合物のブロッキングは、それ自体既
知の方法で、例えば、ポリイソシアネート化合物をアミ
ドアルコールと、ポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基とアミドアルコールの水酸基とがほぼ1:1
(当量比)となる割合で、約50〜約150℃の温度で
反応させることにより容易に行なうことができる。
【0024】上記ブロッキング反応に際して、アミドア
ルコールは1種のみ又は2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、場合によっては、上記アミドアルコ
ールをブロック剤として既知のアルコール、例えば、n
-ブタノール、2-エチルヘキサノール等の脂肪族アルコ
ール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビ
ノール等の芳香族アルコール類;エチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のエーテルアルコール類等と併用す
ることができるが、その使用量は、アミドアルコールと
の合計量を基準にして50モル%以下、特に30モル%
以下にとどめることが望ましい。電着塗料用樹脂組成物: 本発明の電着塗料用樹脂組成物
は、基体樹脂成分としての前記水酸基含有樹脂(A)と
硬化剤成分としての前記のアミドアルコールでブロック
されたポリイソシアネート化合物(B)を含んでなるも
のである。
【0025】本発明の樹脂組成物における上記の成分
(A)と成分(B)の割合は、形成される塗膜に望まれ
る性能等に応じて広い範囲にわたり変化させることがで
きるが、一般には、成分(A)対成分(B)の固形分比
で、成分(A)は99.9〜50重量%、好ましくは9
0〜55重量%、さらに好ましくは85〜60重量%、
そして成分(B)は0.1〜50重量%、好ましくは1
0〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%の
範囲内とすることができる。
【0026】本発明の電着塗料用樹脂組成物は、成分
(A)及び(B)の他に、通常の電着塗料で行なわれて
いると同様に、着色顔料、防食顔料、体質顔料、染料、
添加剤等を必要に応じて配合することができる。また、
顔料類を配合せずにクリヤー塗料として使用することも
可能である。また、従来知られているアルコールブロッ
クイソシアネート化合物、オキシムブロックイソシアネ
ート化合物などの硬化剤を本発明のブロックポリイソシ
アネート化合物(B)と併用することもできる。これら
の従来から知られている硬化剤は、アミドアルコールブ
ロックポリイソシアネート化合物(B)との合計固形分
を基準にして50重量%以下の量で用いることが好まし
い。
【0027】着色顔料としては特に限定されるものでは
なく、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、クロム酸鉛等の無機顔料;アニリンブラック、バー
ミリオンレッド、レーキーレッド、フタロシアニンブル
ー、ファストスカイブルー等の有機顔料を使用すること
ができる。
【0028】また、防食顔料としては、ビスマス化合物
を使用することが好ましい。ビスマス化合物として、例
えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビス
マス、硝酸ビスマス、安息香酸ビスマス、クエン酸ビス
マス、ケイ酸ビスマスなどがあげられる。このうち水酸
化ビスマスが特に好ましい。さらに、ビスマス化合物と
して、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を含む有機酸を使用
して得られる有機酸ビスマス塩を使用することも可能で
ある。その際に使用しうる脂肪族ヒドロキシカルボン酸
としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、乳
酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロ
ン酸、ジヒドロキシコハク酸、トリヒドロキシコハク
酸、メチルマロン酸などがあげられ、このうち乳酸が特
に好ましい。
【0029】さらに、体質顔料としては、例えば、カオ
リン、硫酸バリウム等を使用することができる。
【0030】本発明の電着塗料用樹脂組成物の調製方法
としては、特に限定せず、通常行われる電着塗料の製造
方法と同様にして行なうことができ、例えば、基体樹脂
がカチオン化可能な基を有する水酸基含有樹脂である場
合には、通常、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリ
イソシアネート化合物(B)を混合し、酢酸、乳酸、蟻
酸などの水溶性有機酸で中和して水溶化又は水分散化す
ることによって行なうことができ、また、基体樹脂がア
ニオン化可能な基を有する水酸基含有樹脂である場合に
は、上記水溶性有機酸のかわりにアミン、アルカリ金属
水酸化物などのアルカリを用い、上記と同様に中和して
水溶化又は水分散化することによって行なうことができ
る。
【0031】本発明の樹脂組成物を用いての電着塗装方
法としては、通常の電着塗装方法を適用することがで
き、例えば、固形分濃度が約5〜40重量%となるよう
に脱イオン水などで希釈し、さらに系のpHを4〜9の
範囲内に調整した本発明の電着塗料用樹脂組成物からな
る電着浴を、通常、浴温15〜35℃に調整し、負荷電
圧50〜400Vの条件で行うことができる。
【0032】本発明の電着塗料用樹脂組成物を用いて形
成しうる電着塗膜の膜厚は、特に制限されないが、一般
には、硬化膜厚に基づいて10〜40μmの範囲内が好
ましい。また、塗膜の焼付け硬化温度は、一般に約10
0〜約155℃、特に約140〜約155℃の範囲内の
温度が適している。
【0033】
【発明の効果】本発明の電着塗料用樹脂組成物は貯蔵安
定性に優れ、さらに低温硬化性に優れた塗膜を形成する
ことができ、例えば、自動車車体の下塗り塗装のために
好適に使用することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。以下、「部」および「%」は、特にことわらない限
り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
【0035】製造例1(水酸基含有アミン付加エポキシ
樹脂の製造) 撹拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取り付
けたフラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応によって得られた数平均分子量370、エポ
キシ当量185のエポキシ樹脂518部を仕込み、さら
にビスフェノールA57部及びジメチルベンジルアミン
0.2部を加え、120℃でエポキシ当量が250とな
るまで反応させた。ついでε-カプロラクトン213部
及びテトラブトキシチタン0.03部を加え、170℃
に昇温し、この温度を保ちながら経時でサンプリングを
行ない、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε-カプ
ロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時
点でビスフェノールA148部とジメチルベンジルアミ
ン0.4部をさらに加え、130℃でエポキシ当量が9
36となるまで反応させた。次いで、メチルイソブチル
ケトン257.4部、ジエチルアミン25.6部およびジ
エタノールアミン68.3部を加え80℃で2時間反応
させた後、メチルエチルケトン143.4部で希釈し、
樹脂固形分72%、アミン価(樹脂固形分)54.5の
アミン付加水酸基含有エポキシ樹脂(A−1)を得た。
【0036】製造例2(アミドアルコールの製造) メチルエチルケトン20部中でモノエタノールアミン6
1部と蟻酸46部を70℃で反応させた。赤外吸収スペ
クトル測定により酸の吸収が無くなったことを確認した
後40℃で減圧脱溶剤を行ない、アミドアルコール(C
−1)を得た。
【0037】製造例3(アミドアルコールの製造) メチルエチルケトン30部中でモノエタノールアミン6
1部とプロピオン酸74部を70℃で反応させた。赤外
吸収スペクトル測定により酸の吸収が無くなったことを
確認した後40℃で減圧脱溶剤を行ない、アミドアルコ
ール(C−2)を得た。
【0038】製造例4(ブロックポリイソシアネート化
合物の製造) フラスコにジフェニルメタン4,4′-ジイソシアネート
250部及びメチルイソブチルケトン48部を加え、6
0℃に加熱した。そこへ製造例2で得たアミドアルコー
ル(C−1)178部を1時間かけて滴下した。赤外吸
収スペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が無く
なったことを確認し、固形分90%のブロックポリイソ
シアネート化合物(B−1)を得た。
【0039】製造例5(ブロックポリイソシアネート化
合物の製造) フラスコにジフェニルメタン4,4′-ジイソシアネート
250部及びメチルイソブチルケトン54部を加え、6
0℃に加熱した。そこへ製造例3で得たアミドアルコー
ル(C−2)234部を1時間かけて滴下した。赤外吸
収スペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が無く
なったことを確認し、固形分90%のブロックポリイソ
シアネート化合物(B−2)を得た。
【0040】製造例6(ブロックポリイソシアネート化
合物の製造) フラスコにジフェニルメタン4,4′-ジイソシアネート
250部及びメチルイソブチルケトン50部を加え、6
0℃に加熱した。そこへ製造例2で得たアミドアルコー
ル(C−1)134部及びジエチレングリコールモノエ
チルエーテル67部からなる混合物を1時間かけて滴下
した。赤外吸収スペクトル測定によりイソシアネート基
の吸収が無くなったことを確認し、固形分90%のブロ
ックポリイソシアネート化合物(B−3)を得た。
【0041】製造例7(ブロックポリイソシアネート化
合物の製造、比較用) フラスコにジフェニルメタン4,4′-ジイソシアネート
250部及びメチルイソブチルケトン58部を加え、6
0℃に加熱した。そこへジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル268部を1時間かけて滴下した。赤外吸収
スペクトル測定によりイソシアネート基の吸収が無くな
ったことを確認し、固形分90%のブロックポリイソシ
アネート化合物(B−4)を得た。
【0042】実施例1〜3及び比較例1 後記表1に示す配合で水酸基含有樹脂及びブロックポリ
イソシアネート化合物を混合し、10%酢酸水溶液16
部を加え、均一に撹拌した後、脱イオン水200部を強
く撹拌しながら約15分間かけて滴下し、固形分30%
のカチオン電着用クリヤーエマルションを得た。
【0043】塗装試験 実施例1〜3及び比較例1で得た電着塗料に、パルボン
ド#3030(日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛
処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの冷
延ダル鋼板を浸漬し、それをカソードとして電着塗装を
行った。電着条件は電圧300Vで、膜厚(乾燥膜厚に
基づいて)約20μmの電着塗膜を形成し、水洗した
後、焼付けを行なった。焼付けは雰囲気温度を3段階と
し、焼付け時間を20分間として電気熱風乾燥機を用い
て行なった。得られた塗装板の性能試験結果を表1に併
せて示す。
【0044】性能試験は下記の方法に従って実施した。硬化性 :得られた各電着塗板の塗面を、メチルイソブチ
ルケトンをしみこませた4枚重ねのガーゼで圧力約4k
g/cm2で約3〜4cmの長さを20往復こすった時
の塗面外観を目視で評価した。
【0045】○:塗面に傷が認められない。
【0046】△:塗面に傷が認めらるが素地の露出は認
められない。
【0047】×:塗膜が溶解し、素地の露出が認められ
る。防食性 :素地に達するように電着塗膜にナイフでクロス
カット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて
840時間塩水噴霧試験を行ない、ナイフ傷からの錆、
フクレ幅によって評価した。
【0048】◎:錆またはフクレの最大幅がカット部よ
り1mm未満(片側)。
【0049】○:錆またはフクレの最大幅がカット部よ
り1mm以上2mm未満(片側)。
【0050】△:錆またはフクレの最大幅がカット部よ
り2mm以上3mm未満(片側)でかつ平面部にブリスタ
がかなり目立つ。
【0051】×:錆またはフクレの最大幅がカット部よ
り3mm以上でかつ塗面全面にブリスタの発生が見られ
る。
【0052】
【表1】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基含有樹脂、及び(B)1分
    子中に少なくとも1個のアミド結合と少なくとも1個の
    アルコール性水酸基を有するアミドアルコールによりブ
    ロックされたポリイソシアネート化合物を含んでなるこ
    とを特徴とする電着塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アミドアルコールが1分子中に1個のア
    ミド結合と1個のアルコール性水酸基を有するものであ
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アミドアルコールが下記式(I)及び
    (II) R1−CONH−R2−OH (I) HO−R3−CONH−R4 (II) 式中、R1及びR4はそれぞれ炭素数1〜4の直鎖状もし
    くは分岐鎖状アルキル基を表わし、R2及びR3はそれぞ
    れ炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖アルキレン基を
    表わす、で示される化合物よりなる群から選ばれる請求
    項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アミドアルコールが400以下の分子量
    を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 ブロックポリイソシアネート化合物
    (B)が約130〜約155℃の温度でブロック剤を解
    離するものである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 ポリイソシアネート化合物が芳香族ポリ
    イソシアネート化合物である請求項1〜5のいずれかに
    記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 カチオン電着塗料用樹脂組成物である請
    求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 水酸基含有樹脂(A)がアミン付加水酸
    基含有エポキシ樹脂である請求項1〜7のいずれかに記
    載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 水酸基含有樹脂(A)とブロックポリイ
    ソシアネート化合物(B)との配合割合が、固型分比
    で、成分(A)99.9〜50重量%及び成分(B)0.
    1〜50重量%の範囲内にある請求項1〜8のいずれか
    に記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂
    組成物を含んでなる電着浴。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂
    組成物を用いて電着塗装された形成物品。
  12. 【請求項12】 1分子中に少なくとも1個のアミド結
    合と少なくとも1個のアルコール性水酸基を有するアミ
    ドアルコールによりブロックされたポリイソシアネート
    化合物。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のブロックポリイソシ
    アネート化合物を硬化剤として使用することを特徴とす
    る水酸基含有樹脂の硬化方法。
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